道路情報ビジネス報告書 (PDF 2.17MB)

道路交通情報提供ビジネスに
関する調査研究
報告書
平成 16 年 3 月
財団法人
道路新産業開発機構
目
次
序章.調査研究の概要等
1
1.調査研究の背景・目的
1
2.調査研究の着眼点
1
3.調査研究のフロー
2
Ⅰ.道路交通情報の概要と民間活用を巡る政策動向等の整理
3
1.道路交通情報の定義等
3
2.民間活用を巡る政策動向の整理
6
3.道路交通情報提供の変遷
14
Ⅱ.国内関連企業・団体等の動向
17
1.道路新産業開発機構(HIDO)賛助会員における現状と意向等
17
2.道路交通情報を利用した国内関連企業・団体の動向
22
1)行政における道路交通情報提供サービス
22
2)第三セクターによる道路交通情報提供事例(ATIS)
40
3)国内関連企業の動向
44
3.関連事業者の意向等(ヒアリング論点)
Ⅲ.海外における道路交通情報を活用したビジネス展開事例
50
53
1.英国における関連ビジネス動向
53
2.米国における関連ビジネス動向
62
3.ドイツにおける関連ビジネス動向
74
4.フランスにおける関連ビジネス動向
78
5.海外事例分析から得られる道路交通情報ビジネスへの示唆
82
Ⅳ.規制緩和活用ビジネスの先行事例分析
89
〜気象情報ビジネスの発展から見る道路交通情報ビジネスの可能性等〜
1.先行事例としての気象情報に着目する理由等
89
2.気象情報の規制緩和の経緯等
91
3.気象情報を活用した民間ビジネスの現状
94
4.気象情報ビジネスのケーススタディ 〜ウェザーニューズ社のビジネス特性等〜
97
5.気象情報ビジネス成長要因分析と道路交通情報ビジネスへの示唆
101
Ⅴ.道路交通情報に係るユーザーニーズの把握
107
1.調査の概要
107
2.道路交通情報サービスの利用状況
111
3.現在の道路交通情報サービスの印象・期待
120
Ⅵ.有望ビジネスモデルの提案と成立要件等の検討
151
1. 提案に向けた基本的な考え方(方向性)
151
2.想定されるビジネスモデルのイメージと成立条件等
156
1)共通プラットフォーム的モデル
156
2)顧客想定個別的モデル
160
3.主な提案ビジネスモデルの概算マーケット規模等
181
4.今後の検討課題等
183
附属資料.本調査研究のメンバー一覧
185
序章. 調査研究の概要等
序章.調査研究の概要等
1.調査研究の背景・目的
2002 年 6 月に施行された改正道路交通法によって、道路交通情報の自由化が行われ、民間事
業者は、独自に編集・加工した道路交通情報をユーザーに向けて提供すること等ができるよう
になった。
こうした制度的枠組みの変化により、民間事業者による道路交通情報サービスの積極的なビ
ジネス展開が大いに期待されるところであるが、道路交通情報の自由化が今後、民間事業者に
どのような新規ビジネスをもたらすのか、その見通しは必ずしも明確ではない(関連事業者の
出足も鈍い)
。
本調査研究は、規制緩和を契機として期待される新たな産業創造の端緒となるべく、道路交
通情報を活用したビジネスの動向や課題を調査するとともに、民間事業者によるビジネス参入
モデル等を検討し、今後のビジネス展開の可能性等を探ることを目的とするものである。
2.調査研究の着眼点
本調査研究において、主に留意した着眼点は、下記のとおりである。
○
道路交通情報ビジネスに関連する企業・団体等の動向や課題の把握に努めること。
○
諸外国における関連ビジネスの動向や課題、示唆等を整理すること。
○
道路交通情報に先行して民間開放された
気象情報(国内) のビジネス創出プロセ
スを整理し、道路交通情報ビジネス展開への示唆を得ること。
○
ビジネスとして開花させる為に、「最も鍵となる
個人便益
は何か」等を特定する
ため、一般ドライバーのニーズを把握すること。
○
公共主導型ビジネスと民間主導型ビジネスの双方の概念から検討を行い、考え得る
様々なビジネスモデル代替案
を示すこと。
3.調査研究のフロー
本調査研究のフローは下記のとおりである。
図表
調査研究のフロー
1.道路交通情報の概要と民間活用を巡る政策動向等の整理
2.国内関連企業・団体
等の動向
3.海外における道路交
通情報を活用したビ
ジネス展開事例
4.道路交通情報に係るユーザーニーズの把握
5.有望ビジネスモデルの提案と成立要件等の検討
4.規制緩和活用ビジネ
スの先行事例分析
Ⅰ.
道路交通情報の概要と民間活用を巡る
政策動向等の整理
Ⅰ.道路交通情報の概要と民間活用を巡る政策動向等の整理
1.道路交通情報の定義等
1)改正道路交通法の概要
2002 年 6 月に施行された道路交通法の一部改正 (2001.6.29:平成 13 年法律第 51 号)に
よって、道路交通情報の規制緩和が行われ、民間事業者は、独自に編集・加工した道路交通情
報を商品・サービスとして提供すること等ができるようになった。改正法の概要は下記のとお
りである。
本法改正のポイントは、
「民間事業者が独自に情報収集・編集加工・提供することが可能とな
ったこと」、「指針作成(ガイドライン)と事業者等の遵守」、「予測情報を提供する事業者の届
出制」、
「是正指導・罰則規定(罰則は届出に係る虚偽等であり、予測のハズレは非該当)」等で
ある。
参考
道路交通法の一部を改正する法律の概要
目的
最近の交通情勢にかんがみ、運転者対策の推進を図るための規定、交通の安全と円滑を図るた
めの規定等を整備する。
内容(抄)
(1)交通情報の提供の充実
警察等が収集した道路交通情報データを民間事業者に提供するとともに、民間事業者が交通
の安全と円滑の観点から適正に、交通渋滞の予測を行う等道路交通情報データを編集・加工し、
高付加価値情報の提供を行うことができるよう必要な制度環境を整える。
ア
国家公安委員会は、民間事業者が正確かつ適切に交通情報を提供することができるよ
う交通情報の提供に関する指針を作成し、公表するものとするとともに、民間事業者
は、この指針に従い、正確かつ適切に交通情報を提供することにより、交通の安全と
円滑に資するように配慮しなければならないこととする。
イ 民間事業者が将来の交通渋滞や旅行時間を予測する交通情報を提供する場合は、法人の
名称等必要な事項を国家公安委員会に届け出なければならないこととする。
ウ イの民間事業者が提供する交通情報が正確かつ適切でないことにより、道路における危
険若しくは混雑を生じさせ、又は交通公害の防止に関し著しい支障を及ぼした場合に
は、国家公安委員会は、当該民間事業者に対し、改善のための勧告をすることができ
ることとする。
また、勧告に従わない場合は、その旨と勧告の内容を公表することができることとする。
2)道路交通情報の定義
道路交通法を含め現行法において、
「道路交通情報」について、明確な定義がない。
平成 14 年 3 月 14 日に、警察庁交通局及び国土交通省道路局により公表された「道路交通情
報の提供の在り方に関する基本的考え方」では、
『道路交通情報』を下記のように定義づけてい
る。
○道路交通情報 :交通渋滞の有無、目的地までの最短経路、交通規制、路面の状態、
気象状況、駐車場の空満状況等に関する情報
一方、道交法改正に伴い、平成 14 年 4 月 26 日に告示された「交通情報の提供に関する指針
(国家公安委員会告示第 12 号)」によれば、下記のような用語の定義がなされている。
(同指針
は、 渋滞情報、旅行情報その他の交通情報を提供する事業に適用する
○交通情報
こととされている。
)
:道路交通法第 109 条の2第 1 項に規定する交通情報
(⇒車両の運転者に対し、車両の通行に必要な情報)
○渋滞情報
:道路における交通の混雑の状態を示す交通情報をいう。
○旅行時間情報
:目的地に到達するまでに要する時間を表す交通情報をいう。
○動的交通情報 :渋滞情報、旅行情報その他時間の経過に伴い変動する事象に関す
る交通情報をいう。
○静的交通情報
:動的交通情報以外の交通情報をいう。
○予測交通情報 :動的交通情報のうち、将来の状況を予測して作成したものをいう。
以上を踏まえると、本調査研究で対象とする道路交通情報とは、主に道路法の範疇となる 道
路・道路網の物理的状態
等に係る情報、及び主に道路交通法の範疇となる
交通や車両の運
行(流れ) 等に係る情報を含む、関連する幅広い情報の総体と捉えることができる。
参考
目的
道路
その他
法律(道路法と道路交通法)にみる道路交通情報の位置付け
道路法
道路交通法
道路網の整備を図るための、路線指定・認定、
管理、構造、保全、費用の負担区分等の諸規定
による交通の発達への寄与・公共の福祉の増進
(第 1 条)
①一般交通の用に供する道
高速道、一般国道、都道府県道、市町村道
②道路と一体の施設又は工作物
トンネル、橋、渡船施設、等
③道路の附属物
さく、並木、街灯、道路標識、共同溝、
道路情報管理施設(道路上の道路情報提供
装置、車両監視装置、気象観測装置、緊急
連絡施設等)
など
(第 2 条)
①道路の構造
その地域の地形、地質、気象その他の状況及
び当該道路の交通状況を考慮し、通常の衝撃
に対して安全なものであり、安全かつ円滑な
交通を確保するもの。(第 29 条)
②道路の維持・修繕
道路を常時良好な状態に保つように維持
修繕し、一般交通に支障を及ぼさないように
努めること。(第 42 条)
③道路標識等の設置
道路の構造を保全し、又は交通の安全と円滑
を図るため、必要な場所に道路標識又は区画
線を設けなければならない。(第 45 条)
④通行の禁止又は制限
道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止
するため、区間を定めて、道路の通行を禁止
し、又は制限することができる。(第 46 条)
⑤都道府県公安委員会との調整
区画線の設置、通行の禁止・制限を行う場合
等(第 95 条の2)
道路における危険防止、その他交通の安全と
円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の
防止
(第 1 条)
①道路法第 2 条第 1 項 に規定する道路
同 左
②道路運送法第 2 条第 8 項 に規定する自動車
道及び一般交通の用に供するその他の場所
道路法によらない自動車専用道等
(第 2 条)
①公安委員会の交通規制
道路における危険防止、その他交通の安全と
円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交
通に起因する障害を防止するため……、信号
機又は道路標識等を設置し、及び管理して、
交通整理、歩行者又は車両等の通行の禁止そ
の他の道路における交通の規制をすること
ができる。(第4条)
②歩行者の通行方法(第 10 条〜15 条)
③車両及び路面電車の交通方法
(第 16 条〜63 条の9)
④交通情報の提供
車両の運転者に対し、車両の通行に必要な情
報を提供するように努めること。
(第 109 条の2)
2.民間活用を巡る政策動向の整理
1)民間活用のための道路交通法改正までの経緯
道路交通情報の民間活用は、政府によるふたつの政策の推進を契機として、開放されるに至
った。ひとつは 規制緩和(改革)の推進 、もうひとつは 高度情報化社会への対応 である。
これらふたつの政策動向を受けた形で、2001 年度からの 3 ヵ年計画に道路交通情報の規制緩
和が規定された(法改正・施行が決まった)。
図表
道路交通法改正までの経緯(概要)
規制緩和(改革)の推進
1995 年
第 1 次規制緩和推進 3 ヵ年計画
(平成 7 年)
1998 年
(行政改革委員会)
第2次規制緩和推進 3 ヵ年計画(3 月 31 日)
(平成 10 年)
1999 年
高度情報化社会の推進
(規制緩和委員会設置)
(規制改革委員会に改名)
(平成 11 年)
2000 年
IT戦略会議設置(7 月)
(平成 12 年) 行政改革大綱(12 月 1 日)
規制改革委員会見解(12 月 12 日)
※ITSの推進
※道路交通情報提供に関する制約の緩和
2001 年
「e−Japan 戦略」実現に向けた提言(2 月)
(平成 13 年) 規制改革推進 3 ヵ年計画(3 月 30 日)
(総合規制改革会議設置)
※道路交通法の改正と施行
「e−Japan 重点計画」(3 月 29 日)
道路交通法の改正(6 月 29 日)
※指針(ガイドライン)の作成と遵守
※予測情報提供事業者の届出制
2002 年
改正法施行(6 月 1 日)
「e−Japan 重点計画―2002」(6 月 18 日)
(平成 14 年)
出所)各種資料より野村総合研究所作成
(1) 規制緩和(改革)の推進の流れ
・政府(旧総務庁に置かれた行政改革推進本部)による規制緩和の推進は、1995 年「第1
次規制緩和推進3ヵ年計画」で具体化したが、当初は事前規制型から事後チェック型行
政への転換など行政分野に焦点を置いたものであった。
・その後、規制緩和と併せ、競争政策の積極的展開という経済分野にも視野を広げた「規
制改革委員会」が設置され、さらに、経済社会の構造(しくみ)改革という幅広い視点
からの推進、実施状況の監視及び官民協調の必要性から、内閣府に「総合規制改革会議」
が設置されるなど体制が強化されていった。
・道路交通情報については、次期 3 ヵ年計画を前に規制改革委員会が 2000 年 12 月にとり
まとめた見解で取り上げられた。ITSの早期実用化を進める産業界からの意見を反映
し、下記が指摘されるようになった。
(1) 必要最小限の法的担保による、情報の自由な編集・加工に関する規制撤廃
(2) 交通渋滞予測等の先進的技術の産官学による検証と民間における実用化の推進
参考
規制改革 3 ヵ年計画の概要抜粋
○規制改革推進3ヵ年計画(平成 13 年 3 月 30 日閣議決定)
2.横断的措置事項
1.IT関係
エ
社会・行政の情報化の推進
事項名
⑪道路交通情報提
供に関する制約の
緩和(警察庁、国
土交通省)
措置内容
a 道路交通情報提供事業への民間事業者の
参入を促進し、また、新たな技術開発を図る観
点から、交通の安全と円滑に関する必要最小限
の法的な担保措置を設けるため、道路交通法を
改正するなどの措置を講じた上で、現状の規制
を撤廃することを早急に検討する。
(第 151 回国会に関係法案提出)
b 交通渋滞予測等の先進的な技術について
は、産官学の多面的な視点で可及的速やかに検
証を行い、民間事業分野における実用化を推進
する。
平成 13 年度
法律案成立
後公布
平成 14 年度
措置
(施行)
平成 15 年度
検討
(結論)
措置
平成 13 年度
法律案成立
後公布
平成 14 年度
措置済
(6月施行)
平成 15 年度
検討
(結論)
一部措置済
(12 月シス
テム整備)
措置
(4 月システ
ム運用開
始)
○規制改革推進3ヵ年計画(再改定)(平成 15 年 3 月 28 日閣議決定)
2.横断的措置事項
1.IT関係
エ
社会・行政の情報化の推進
事項名
⑪道路交通情報提
供に関する制約の
緩和(警察庁、国
土交通省)
措置内容
a 道路交通情報提供事業への民間事業者の
参入を促進し、また、新たな技術開発を図る観
点から、交通の安全と円滑に関する必要最小限
の法的な担保措置を設けるため、道路交通法を
改正するなどの措置を講じた上で、現状の規制
を撤廃することを早急に検討する。
【道路交通法の一部を改正する法律(平成 13
年法律第 51 号】
b 交通渋滞予測等の先進的な技術について
は、産官学の多面的な視点で可及的速やかに検
証を行い、民間事業分野における実用化を推進
する。
【交通情報検証システム整備(平成 14 年 12
月 27 日】
(2) 高度情報化社会の推進の流れ
・政府による高度情報化社会の推進については、2000 年 7 月に「IT戦略会議」が設置
された。また、2001 年 2 月には、産業界から「e−Japan 戦略」実現に向けた提言がな
され、ITSの推進のため道路交通情報を用いた新ビジネス展開による利用高度化、道
路交通情報収集のためのインフラ整備への民間活力利用が要望された。
・ITS 推進に係る具体策は、「e-JAPAN 重点計画」に見てとれる。
参考 e-JAPAN 重点計画の概要抜粋
○e-Japan 重点計画 (平成 13 年 3 月 29 日IT戦略本部)
5.行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進
(3)具体的施策
2.公共分野
オ)高度道路交通システム(ITS)の推進
最先端の情報通信技術等を活用し、人と道路と車両を一体のシステムとして構築し、渋滞、交通事故、
環境悪化等道路交通問題の解決を図る高度道路交通システム(ITS)を推進する。また、ITS を推進するた
めの基盤技術研究開発を促進する。
a)道路交通情報提供の充実(警察庁、総務省、国土交通省)
i) 渋滞や交通規制等の道路交通情報を車に搭載されたカーナビゲーションシステム等を通じて、
画面により表示できる道路交通情報通信システム(VICS)について、2002 年度中に概ね全国
でサービスを実施する。
ii) 民間事業者が道路交通情報データを編集・加工し、高付加価値の情報の提供が行えるよう 2001
年中に道路交通法の改正法案を国会に提出する等所要の制度整備等を行う。また、光ビーコン
(交通情報提供・収集等を行う新交通管理システム(UTMS)用の赤外線双方向通信装置)を
2005 年度までに都市部の主要な一般道路等を概ねカバーできるよう整備する。
b)走行支援システムの推進(総務省、国土交通省)
c)ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)の推進(国土交通省)
d)ITS 技術の国際標準化の推進(警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省)
参考
e-JAPAN 重点計画の概要抜粋(つづき)
○e-Japan 重点計画 - 2002 (平成 14 年 6 月 18 日IT戦略本部)
II 重点政策5分野
4.行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進
(3)これまでの主な成果
②公共分野
エ) 高度道路交通システム(ITS)及び公共交通分野の情報化の推進
・ 民間事業者による道路交通情報のデータの提供の可能化(警察庁)(2001 年 6 月 13 日「道
路交通法改正法」成立、2002 年 6 月 1 日施行)
(4)具体的施策
②公共分野
エ) 高度道路交通システム(ITS)及び公共交通分野の情報化の推進
最先端の情報通信技術等を活用し、人と道路と車両を一体のシステムとして構築し、渋滞、交通事故、
環境悪化等道路交通問題の解決を図る高度道路交通システム(ITS)を推進するとともに、そのための基盤
技術研究開発の促進を図る。また、公共交通分野の情報化を推進する。
a)道路交通情報提供の充実(警察庁、総務省、国土交通省)
i) 渋滞や交通規制等の道路交通情報を車に搭載されたカーナビゲーションシステム等を通じて、
画面により表示できる道路交通情報通信システム(VICS)について、2002 年度中に概ね全国
でサービスを実施する。
ii) 民間事業者による高付加価値の情報提供を促進するため、2004 年度までにカーナビゲーション
システム等で必要となる交通規制情報のデータベース化を図る。また、光ビーコンを 2005 年度
までに都市部の主要な一般道路等を概ねカバーできるよう整備するとともに、その機能高度化
等を推進するため、2004 年度までに所要の環境整備を行う。さらに、3 メディア対応型 VICS
車載機の導入・普及拡大とあわせ、道路交通情報の提供の充実を図る。
b)走行支援システム及び安全運転支援システムの推進(警察庁、総務省、国土交通省)
c)ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)等の推進(総務省、国土交通省)
d)高度交通管制システムの推進(警察庁)
e)ITS 技術の国際標準化の推進(警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省)
f)ITS の普及方策の強化(警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省)
g)公共交通分野における情報化の推進
参考)「道路交通情報ビジネスの現状と今後の展望」(TIC:中間取りまとめ)
・こうした道路交通情報提供事業の規制緩和の流れを受けて、平成 12 年 12 月 19 日に、
産学官からの有識者からなる「トラフィック・インフォメーション・コンソーシアム(道
路交通情報高度化検討会:TIC)」が設立され、平成 13 年 11 月に内外のビジネスモデ
ルや道路交通情報提供の高度化に向けた課題等を分析した成果を公表している。
・公表された「中間取りまとめ」における指摘の概要は下記のとおりである。
①欧米諸国のビジネスモデルとの国際比較と我が国の状況
全国市街地の主要道路まで張り巡らされた官による我が国特有の情報収集を、民間
ビジネスへの強みとして位置付け、携帯電話・PC・カーナビ等の IT 機器普及など
技術的環境が整いつつあるなかで、商業化については、官のサービスとの差別化及
び官民の役割の明確化が重要な課題であること。
②道路交通情報ビジネスの課題と展望
情報収集ビジネスでの PFI の可能性と一方での官による機器整備促進の現状、差別
化への予測情報の意義と産官学による技術的検証と客観的評価の重要性、官による
無料サービスが先行しているわが国における今後の官の実施すべき情報提供の範
囲は公益性の高いものを指向すべきであること。
③道路交通情報ビジネスと交通社会
交通の安全と円滑の観点から、民間事業の役割増大におけるガイドラインの必要性、
それが必要最小限の規制であり、具体的で技術水準・事業形態の発展を考慮したも
のであること。
2)政府における道路交通情報提供の基本的な考え方
平成 14 年 3 月 14 日に、警察庁交通局及び国土交通省道路局により公表された「道路交通情
報の提供の在り方に関する基本的考え方」では、道路交通の安全、円滑及び快適性の確保を目
的とした道路交通情報提供の高度化を実現するため、民間事業者並びに都道府県公安委員会及
び道路の管理者による道路交通情報提供の在り方について、次のような考え方を示している。
(1)民間の道路交通情報提供事業に期待される役割
・民間事業者による道路交通情報提供事業の参入を促し、道路交通の安全確保、利便性向
上、渋滞緩和と社会的効率性を確保することを目指している。
我が国における道路交通情報の提供は、これまで、都道府県公安委員会及び道路の管理者が主要
な役割を占め、民間事業の範囲は限定されてきた。しかしながら、近年、情報通信技術の飛躍的発
展を背景に、カーナビゲーションシステム、インターネット等を活用した、民間事業者による道路
交通情報提供事業が活発化している。
民間事業の多くは、都道府県公安委員会及び道路の管理者から提供された道路交通データを活用
しつつ、情報提供の方法等に創意工夫を凝らし、付加価値が高く利用者にとって利便性に優れたサ
ービスを実現することに努めている。今後さらに、正確かつ適切な道路交通情報が提供されれば、
(1)で述べたとおり、道路交通の安全、円滑及び快適性に好ましい効果をもたらし、技術レベルの
向上に伴って、行政機関による道路交通情報提供とは差異化する形で発展すると考えられる。
こうした情勢を踏まえ、両省庁は緊密な連携の下、道路交通情報提供事業の発展を通じて道路交
通の安全、円滑及び快適性を確保するという観点から、事業者からの意見要望を取り入れつつ、民
間の道路交通情報提供事業を活性化させるための諸施策を積極的に推進していく。
出所)「道路交通情報の提供の在り方に関する基本的考え方」
(2)政府が推進する施策
・道路交通情報提供事業を活性化させるために以下の施策を推進することとしている。
①原データの提供に関する事項
現状では、都道府県公安委員会及び道路の管理者が収集した道路交通データを民間事業者が活
用し、官民がいわば原データを共有しているところ、行政機関が保有するデータを充実さ
せ、積極的に提供していくことは、民業発展のためにも重要である。
したがって、両省庁は、(1)車両感知器等データ収集のための機器整備の拡充に努めることに
より、データを収集する路線の拡大やデータの精度の向上を図るとともに、データの提供
のための施設整備等の現状や経済性を踏まえつつ、
(2)これらを一元的に取りまとめた上、
オンライン・リアルタイムで民間事業者へデータ提供できる効率性の高いシステムを整備
するほか、これらのデータ利用に関する公益的観点からの必要最小限の遵守事項を担保す
ることとする。
既に、一般道路におけるリンク旅行時間の提供、データの加工を禁止する制限の見直し、他の
道路交通情報提供事業者に加工済みデータを提供する事業の認容等が実施され、又は実施
予定となっているところである。また、(3)路上に設置されたカメラにより撮影された画
像データについても、プライバシー保護の問題に配意しつつ、民間事業に活用できるよう
にするため、可能なものから上記と同様の方法等により部外に提供するシステムの整備を
検討していくこととする。
さらに、(4)渋滞情報や旅行時間情報を基に最適経路を高い精度で推定計算したり、デジタル
地図上において交通規制に違反しない経路誘導を行うためには、官民が連携して交通規制
や車両の運行に資する道路構造に関する詳細なデータベースを構築し、これを民間事業者
が自由に利用できる環境を整える必要がある。現在、一定水準のものが作成、提供されて
いるところであるが、これらを更に高度化していくこととする。
将来的には、民間事業者が独自にデータを収集する事業が拡大することが見込まれることから、
その動向を見極めつつ、
(5)民間のデータと行政のデータを有機的に結合させ、これらを
共通のデータ形式により経済原理に沿った条件の下で相互利用できるようにするための方
策についても検討するものとする。
出所)「道路交通情報の提供の在り方に関する基本的考え方」
②産学官の連携による取り組みの推進
民間の道路交通情報サービスが国民に広く受け入れられるようになるためには、原データの充
実のほか、それを編集・加工するための技術を高度化し、道路利用者にとって真に有用な
コンテンツを作成する必要がある。このことを考慮して、道路交通情報高度化の核となる
交通状況の予測が、今次の規制緩和により初めて事業化が認められたものであるが、その
技術水準は必ずしも十分とは言えず、その高度化に当たっては、既に予測情報を提供して
いる都道府県公安委員会や道路の管理者に蓄積されている知見を生かすことも有用である
と考えられる。
このため、産学官の連携の下、(6)データの収集や情報の提供に用いられる機器や通信技術の
研究開発に加えて、(7)交通状況を予測するための技術や、渋滞情報や旅行時間情報を基
に最適経路を算出するための技術等の研究開発・検証を強力に行うことにより、かかる先
端技術の民間事業分野における実用化を推進することとする。
また、道路交通情報を利用する国民及び事業者の意識や、民間事業分野が我が国よりも広いと
されている欧米各国の事例を調査し、これらの調査結果を基にして、
(8)今後の官民の連
携と役割分担の在り方や、行政が推進すべき施策の方向性についてさらに検討を進めるこ
ととする。
出所)「道路交通情報の提供の在り方に関する基本的考え方」
3)その他
既述の方針以外にも、政府(警察庁・公安委員会)では、下記のような指針の告示や、シス
テムの構築を行い、道路交通情報提供ビジネスへの参入促進、技術向上のための支援施策が講
じられている。
(2002.4.26 公布:国家公安委員会告示第 12 号)
○「交通情報の提供に関する指針」
・トラフィック・インフォーメーション・コンソーシアムの検討内容を踏まえて、過度の規制にならないよう必要最
低限の社会的規制を明らかにしたもの。「交通情報提供事業者の遵守事項等」、「交通の
安全と円滑のためのガイドライン」であるとされている。
・また、高度情報事業分野であることから適時見直しを行うこととされている。
参考
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
「交通情報の提供に関する指針」の目次構成
総則
データの収集
情報の作成
情報の提供
特定交通情報提供事業者に関する特則
その他
○交通情報検証システム(2003.4 システム運用開始)
・所要時間、予測情報等の正確性、経路誘導等の適切性を客観的に判断するためのシステ
ムである。
・例えば、事業者情報と現実の結果に乖離がある場合、当該システムで事業者と同一条件
の設定を行い検証する。当該システムでも事業者情報と同じ結果が出た場合には、現行
技術水準上やむを得ないとなるが、不正確であることに変わりはなく提供すべきでない
といった指導等がなされる。
参考
交通情報検証システムの概要
□交通情報検証システムの目的
・特定交通情報提供事業を行う者に対して行う勧告のための基礎資料の収集
・事業者の求めによる交通情報の正確性の検証
・道路利用者が不利益を被らないよう事業者情報の検証を行うほか、事業者自らの交通情報を
客観的に評価するためのツールとして活用し、技術水準の向上に資する。
□交通情報検証システムの概要
①正確性の評価
・正確性に問題ある場合に、事業者情報と交通管制システム計測による実測値を比較し、その
誤差、相関関係等から一定の乖離がある場合は正確性に問題ありとする。
・予測情報については、予測時刻経過後に評価する。
②予測精度の評価
・検証システムで特定事業者と同じ条件で予測値を作成し、事業者情報と比較する。
・差がない場合、現時点の技術水準からみてやむを得ないと判断するが、正確性に問題ありと
する判断を肯定するものではなく、予測が困難な場合は予測すべきでなく提供すべきでない
こと。
・著しく精度が低い場合は事業者は対応が必要となる。
・統計的手法を基本とし、突発事象がある場合にはシミュレーション手法も併用。
③適切性の評価
・主に経路誘導情報を対象とし、
−指針に定める誘導を禁止する道路への誘導
−最高速度を超えることを前提とした旅行時間の提供
−集客等のための意図的な誘導
などを評価する。
出所)警察学論集第 55 巻第 7 号「交通情報検証システム」
(宮内
勝)より抜粋
3.道路交通情報提供の変遷
1)わが国における今日までの道路交通情報提供に係る環境整備
わが国における道路交通情報の必要性は、高度経済成長による道路網の整備、それによる
交通の発達による事故・渋滞の多発化から認識が高まり、昭和 40 年代を中心に行政による施
策が展開されることとなる。特に昭和 43 年の集中豪雨により 104 人が死亡した「飛騨川バ
ス転落事故」は情報提供による交通安全行政の契機になったといわれている。
昭和 45 年の交通安全対策基本法は、交通安全に対する関係機関の道路等の管理や施設整備
について責任を明確化したほか、昭和 43 年からの交通安全対策特別交付金制度等により行政
による交通安全施設の整備促進が図られてきた。
S43 年 8 月 飛騨川バス転落事故より異常気象時における危険個所等の情報提供の必要性
S43 年
交通安全対策特別交付金に関する政令
S45 年
3 月から 9 月までの万博における高速道を含めた広域的交通情報提供の必要性
S45 年
JARTIC(日本道路交通情報センター)設立
S45 年
交通安全対策基本法
S46 年
道路法改正:109 条の2を追加(運転者への情報提供)
H9 年
道路法改正:
「抜け道マップ」などの危険な態様の事業抑制目的
提供事業者の危険防止や交通の安全と円滑への配慮を規定
2)わが国における道路交通情報提供主体構成の変化
我が国における道路交通情報提供主体構成の変化は次のとおりである。
①日本道路交通情報センター(JARTIC)設立による情報提供体制の拡充
・ わが国では、道路交通情報は専ら「社会的便益」の観点から、
「道路の効率的利活用」
・
「交
通の安全及び円滑」などの目的で、これまで情報提供されてきた。
・ 実施主体は、公安委員会(都道府県警察)と各道路公団及び都道府県等の道路管理者で
あり、道路交通行政の一環として行われている。情報収集・編集・提供のための施設・
機器整備も公的部門により行われている。
・ (財)日本道路交通情報センター(JARTIC:1970 年 1 月設立)への委託により、道路
交通情報の収集の一元化とラジオ・テレビ等への情報提供体制が整った。
業務負担金等
JARTIC
(日本道路交通情報センター)
公安委員会
(都道府県警察)
道路管理者
(都道府県、市町村、
道路公団等)
各種情報収集
・車両監視装置
・気象観測装置
・人的情報収集 等
凡例
情報の流れ
金の流れ
道路情報版
ハイウェイラジオ等
電話、FAX、テレビ、
ラジオ、新聞、雑誌等
エンドユーザー
・行政情報としてユー
ザー負担はなし
・通行中の一時点のみ
入手可能
・行政の受託業務としてユー
ザー負担はなし
・通行時以外の入手可能だが
放送間のみの制約もあり
出所)各種資料より野村総合研究所作成
②高度情報化の進展に対応した行政の対応情報提供体制の拡充(〜現在)
・ JARTIC の
J システム (1999.12〜)によりオンライン化が図られ、ネットワーク・
通信事業者等への情報提供と、インターネット・カーナビゲーション・携帯電話等の媒
体での利用体制が整った。
・ (財)道路交通情報通信システムセンター(VICS センター:1995 年 7 月設立)により、
高度な情報提供(ビーコン等を利用したリアルタイム提供)が可能となった。
(この場合
でも JARTIC を通じた情報収集である。)
・ 現状の基本構造も下図のとおり、道路管理者及び警察が収集した情報を、JARTIC を経
由して民間事業者に提供する仕組みになっている。この基本構造は今後も堅持されるも
のと考えられる。
業務負担金等
道路管理者
(都道府県、市町村、
道路公団等)
VICSセンター
(道路交通情報通信システムセンター)
JARTIC
(日本道路交通情報センター)
公安委員会
(都道府県警察)
各種情報収集
・車両監視装置
・気象観測装置
・ビーコン
・人的情報収集 等
Jシステム
負担金、
技術開示料、
放送事業受託金
−Jシステム情報−
・渋滞、事故等
による規制、
・所要時間、
・高速道入口
閉鎖 等
民間事業者・カーナビメーカー等
民間事業者・カーナビメーカー等
各種加工
情報等
道路情報版
ハイウェイラジオ等
電話、FAX、テレビ、
ラジオ、新聞、雑誌、
インターネット等
−VICS情報−
・渋滞、事故等に
よる規制
・所要時間
・高速道入口閉鎖
・SA・PA・駐車
場の満空車 等
対応車載機購入
利用料等
(無料サービスもあり) 費用(VICS視聴
料含む)
テレビ、ラジオ、
携帯電話、インターネット、
カーナビ等
カーナビなどの
VICS対応車載機
エンドユーザー
・行政情報としてユー
ザー負担はなし
・通行中の一時点のみ
入手可能
・行政の受託業務としてユー
ザー負担はなし
・通行時以外の入手可能だが
放送間のみの制約もあり
・Web対応により入手機会が
拡充(自宅パソコン等)
・事業者の情報購入に係る費用負担
・携帯電話、インターネットを利用
して道路交通情報も含めた多様な
情報配信等のプロバイダ事業の動
きが多い
・カーテレマティクス
凡例
・行政整備によるビーコン等を活用
したリアルタイム情報提供
・ユーザー負担は対応車載機購入負
担のみ(含む、VICS視聴料)
・通行中のより広いエリアを対象と
した情報入手が通行中可能
情報の流れ
金の流れ
出所)各種資料より野村総合研究所作成
・ 道交法改正にともなう規制緩和により、トヨタ、日産、ホンダ等の自動車メーカー各社、
ATIS(東京都と民間団体との共同出資により設立された第三セクター)などが、JARTIC
や VICS センターから入手した情報を元に道路交通情報ビジネスをはじめつつある。
・ なお、法改正により民間事業者による予測情報の提供は可能となった。しかしながら、
予測事業の届出及び実際のサービス提供は、あまり進展していない。
・ また、民間事業者による独自の情報収集機器の設置等は、道路占用許可等他の条件さえ
クリアできれば実施可能と考えられる。しかしながら、莫大なコスト、未知数な収益等
がネックとなって、目立った動きは見られない状況にある。
Ⅱ.
国内関連企業・団体等の動向
Ⅱ.国内関連企業・団体等の動向
本章では、現在、我が国・国内において道路交通情報を活用したサービスを提供、もしくは検
討中の企業・団体等における取組みの現状を把握するとともに、道路交通情報ビジネス展開に向
けた今後の意向や課題認識等を整理した。
1.道路新産業開発機構(HIDO)賛助会員における現状と意向等
本調査では、道路新産業開発機構(HIDO)賛助会員である企業等に対し、簡易なアンケート
調査票を送付し、現在の道路交通情報ビジネスの展開状況、同ビジネスに関する関心、ビジネス
展開にあたっての課題認識等の把握を試みた。
アンケート結果の概要は、次のとおりである。
1)結果総括
・ 依頼をした 228 社に対し、回答があったのは 69 社で回答率は 30.3%であった。
・ 回答 69 社の業界別内訳は、建設 19、電機 13、コンサル(建設、測量等)10、高速道保
守管理 7 などである。
・ 銀行・証券・保険・マスメディア・不動産業からの回答はなかった。
回答賛助会員 66 社の業界内訳
ガス/電力/通信
1
機械/造船
1
建設
19
公益法人
5
高速道保守管理
7
コンサルティング
10
自動車
商社
電機
電気通信設備
特殊車両/鉄道
リース
5
2
13
3
2
1
2)各質問項目の結果
Q1…現在、
「道路交通情報を活用したサービス・商品等」を提供しているか
・ YES と回答した企業は 13 社(18.8%)、NO と回
答した企業は 56 社(81.2%)で、YES の業界別
YES
18.8%
内訳は電機 6 社、自動車 4 社などである。
YES13 社の業界内訳
電機
自動車
コンサルティング
公益法人
6
4
2
1
NO
81.2%
SQ1…提供中のサービス・商品
・ YES と回答した企業 13 社の提供するサービス・商品は、VICS 対応または通信機能
付きカーナビゲーションシステム(カーテレマティクス)によるものが最も多く、そ
の他は携帯電話向けサイト、バス・タクシーなどの車両管理システムなどが主なもの
である。
提供中のサービス・商品
業界分類
企業名
公益法人
(財)道路サービス機構
コンサルティング・建設 ㈱長大
コンサルティング・測量 ㈱パスコ
サービス・商品
高速道路の SA・PA での情報提供
携帯電話サイト
道路の通行規制情報の共有システム
ASP による工事情報の検索システム
自動車
トヨタ自動車㈱
日産自動車㈱
本田技研工業㈱
マツダ㈱
カーナビゲーションシステム
電機
電機
沖電気工業㈱
富士通テン㈱
車両位置管理システム
カーナビゲーションシステム
車載用情報提供端末
タクシー用 CTI 自動配車システム
バスロケーションシステム
電機
電機
電機
電機
松下電器産業㈱
三菱電機㈱
㈱京三製作所
パイオニア㈱
携帯電話サイト
カーナビゲーションシステム
路側情報板等(小型)による渋滞時の情報提供
カーナビゲーションシステム
Q2‐①…サービスや商品の「提供者」として、道路交通情報ビジネスに関心を持っているか
・ 結果は、右のとおりで「非常に関心がある」
「関心がある」企業は 22 社と3割
・ 「関心がある」企業 19 社中、電機が 9 社、
コンサルティングが 5 社などである。
・ 「どちらともいえない」が 27 社(39.1%)
を占める。
・ 法改正後における道路交通情報ビジネスの
非常に関
心がある
4.3%
全く関心
はない
5.8%
あまり関
心はない
20.3%
どちらとも
いえない
39.1%
動きの鈍さと多角化している企業形態を反
映したものと考えられる。
【回答内訳】
①非常に関心がある
②関心がある
③どちらともいえない
関心があ
る
27.5%
3社
19社
27社
④あまり関心はない
⑤全く関心はない
⑥わからない
未回答
14社
4社
1社
1社
SQ1…どんな事業を検討しているか
関心がある企業に対してアイデアベースも含め、どんな事業を検討しているか自由記述を求
めたものである。結果は①コンテンツ、②情報提供ツール、③既存道路交通情報の高度化
の観点に要約される。
① コンテンツ
道路交通情報以外の自社商品 PR などの広告、大規模な建設工事(場所・時間・車両
出入りの多い時間帯)、プローブ情報のほか、道路交通情報を加味した物流管理(SCM)
など
② 情報提供ツール
交通情報の変化に対応した高機能カーナビゲーションシステム、VICS に加え DSRC
(ETC)を活用した道路交通情報・付加情報の提供など
③ 既存交通情報の高度化
予測情報、状況変化に応じた最適経路や交通手段、駐車場の有効利用に繋がる情報提供など
検討している事業(アイデアベース含む)の目立ったもの
業界分類
企業名
内
容
建設
㈱間組
交通に影響を及ぼすような建設工事の情報
(場所、作業・工事車両の出入りの多い時間帯)
商社
豊田通商㈱
DSRC の通信インフラを活用した各種コンテンツ提供サービ
ス(計画中)に道路交通情報を盛り込む
電機
松下電器産業㈱
プローブ情報の提供
電機
新神戸電機㈱
自社自動車用バッテリーのドライバーに対する商品 PR、バッ
テリートラブル解決法のアドバイス
電機
㈱日立製作所
道路交通情報を加味した SCM
電機
星和電機㈱
広告を含めた情報提供システム
リース
三井リース事業㈱ 車に設置する ETC のリース:リース物件管理システムを活
用、1台毎の詳細をデータベースとして管理
SQ2…道路交通情報ビジネスを展開する上での課題
関心がある企業に対して事業としてビジネス展開していくとした場合、問題・課題と感じる
ことについて技術的課題、法制度的課題、その他課題に分けて自由記述を求めたものであ
る。結果の概要は次のとおりである。
技術的課題
渋滞や交通量予側、精度、リアルタイム化など情報の高度化の問題をはじめ、VICS・
携帯電話・ETC・無線 LAN など複数の提供媒体に関わる、ネットワークやデータベ
ース活用のための仕様統一の問題などが目立った。
法制度的課題
参入するときの行政手続きの手間(届出・許可等)、法律やガイドラインの理解、個人情報の
扱い、責任などが主な論点である。
業界分類
コンサルティング・
建設
コンサルティング・
建設
企業名
㈱建設技術研究所
コンサルティング・
測量
商社
電機
電機
電機
アジア航測㈱
内
容
民間企業参入の手続きがたいへん。諸費用が大きくかかるイ
メージがある。
・手続きの手間が多いこと、交通管理者の細部への干渉→自
由度を大きく損う、独自色を出しにくい
・手続き中の相互の守秘義務の保証
提供情報の品質及び問題発生時の責任、補償問題
伊藤忠商事㈱
富士通テン㈱
松下電器産業㈱
㈱東芝
道交法71 条5の5(=運転中の電話、テレビ注視の禁止)
道路交通情報(データ)の利用ポリシー、課金方法など
個人情報に関る制約や制限
道路情報提供に関する法律・規則の理解
㈱長大
その他課題
ビジネスとして収集・提供の通信コストが高いこと、ユーザーへの課金(レベル・意識)の問
題に関することが多く、その他、行政情報との差別化などが目立つ。
業界分類
コンサルティング・
建設
コンサルティング・
測量
自動車
企業名
㈱建設技術研究所
電機
パイオニア㈱
リース
三井リース事業㈱
㈱パスコ
トヨタ自動車㈱
内
容
一般ユーザーには FM‑VICS など現状交通量が入手できる環境
があり、これとの差別化がむつかしい。
各管理機関によって類似の項目でありながら連携がなかなか
できない。データの共有化が図れない。
道路情報のみならず、交通規制情報の提供が望まれる。又、
主要幹線道のみでなく市街道路の情報提供が必要
渋滞予測は天気予報のように精度の差が明確にならず競争原
理が働きにくいのでは。
ETC を使用した自動料金収受システムを道路以外の分野でも
使用可能とする事が普及促進につながると考えられる。
Q2‐②…サービスや商品の「利用者」として、道路交通情報ビジネスに関心を持っているか
・ 結果は、右のとおりで「非常に関心がある」
「関心がある」企業は 21 社と 30.4%
・ 「関心がある」企業 19 社中、建設・電機が
各 5 社、コンサルティングが 4 社、自動車・
高速道路保守管理が各 2 社などである。
・ 「どちらともいえない」が 32 社(46.4%)
全く関心
はない
1.4%
非常に関
心がある
2.9%
あまり関
心はない
13.0%
関心があ
る
27.5%
で約半分を占めるのが特徴的である。
【回答内訳】
①非常に関心がある
②関心がある
③どちらともいえない
どちらとも
いえない
46.4%
2社
19社
32社
④あまり関心はない
⑤全く関心はない
⑥わからない
未回答
9社
1社
2社
4社
SQ1…あったら便利と考えるサービス・商品はどんなものか
関心がある企業に対してアイデアベースも含め、あったら便利、期待したいサービス・商品
について自由記述を求めたものである。概要は次のとおりである。
・ 建設業界においては、工事の計画段階から環境アセスメントにおける交通量予測や周
辺交通への影響を抑える工事計画のほか、工事に係る工事車両管理などが提案された。
・ 既存のコンテンツである渋滞を意識した迂回路・最適ルート、駐車場情報、施設情報、
天気予報などの提供も提案されているが、まだ普及が十分でないこと、さらにタイム
リーな使い勝手の良い環境を求めていることがうかがわれる。
あったら便利と考えるサービス・商品(アイデアベース含む)の目立ったもの
業界分類
建設
企業名
五洋建設㈱
建設
清水建設㈱
建設
大成建設㈱
公益法人
東日本建設業保証
㈱
コンサルティング・
建設
自動車
リース
㈱建設技術研究所
マツダ㈱
三井リース事業㈱
内
容
事業評価時の環境アセスメントにおける交通量予測等のデー
タ
カーシェアリングや物流における車両のコントロール
(建設資材・廃棄物運搬のコントロールを含む)
商業開発を行う際に役立つ広域的な交通量データ。周辺交通
との調和のとれた開発がより早く正確にでき、工事車両の運
行管理などにも有効に活用できる。
・天気予報やイベントを考慮した混雑予想サービス
・警察の取締りが厳しい場所、取締強化期間の情報
・自分が走る経路の事故多発場所の警告
・複数箇所訪問の際の効率的な巡り方を教えてくれるサービス
道路交通情報のデータベースサービス(ダウンロードサービ
ス)
高機能ナビゲーションシステムの商品化に必要な渋滞予測情報の提供
名所付近を通過した時に詳細なデータが提供される
2.道路交通情報を利用した国内関連企業・団体の動向
1)行政における道路交通情報提供サービス
わが国における道路交通情報は、公安委員会(警察庁)主導による「交通の安全と円滑」と
いう交通需要を管理することに主眼1が置かれているという特徴がある。
JARTIC 設立から 30 年あまりが経過し、VICS など情報提供体制が拡充される中で、行政、
外郭団体、その他民間企業における道路交通情報提供サービスの直近動向を整理した。
(1)公安委員会(警察庁・都道府県警察)
①情報の収集・編集加工
車両感知器、パトロール、ヘリコプター、カメラ等による情報が交通管制システムに蓄積さ
れる。
②情報の提供
公安委員会が行う情報提供は、道路交通法施行規則第 38 条の7第 1 項に次のように具体列挙
されている。
① テレビ・ラジオ・新聞等
② 電話照会への応答
③ 交通情報板・路側通信設備・光ビーコン等の提供施設
このうち①及び②については、JARTIC に事務が委託されている。また、③の光ビーコン等
による VICS 情報提供については、VICS センターにシステム管理などを業務委託してい
る。
公安委員会から直接提供される情報はドライバーの運転中に提供されるものであり、VICS 対
応車載機を除き、主として道路上からの視覚による車外情報であって、渋滞・規制・駐車
場誘導情報などが提供されるが、内容は法令による「ドライバーが運転に必要とする情報」
である。
また、運転中の視覚情報のため、基本的に運転前での活用には対応しないほか、ある地点で
情報を見過ごして通過してしまうと次のポイントまで提供されることはない。
1
わが国の道路交通情報の提供は、交通死亡事故多発による昭和 40 年代後半の交通安全対策の一環として始めら
れている。
89
③道交法改正による情報提供の変化
<民間事業者に対する警察庁の基本姿勢>
公安委員会が行うべき交通情報提供については、道交法改正後、都道府県警察に対し次のよ
うな通達が出されており、行政の行う情報提供のあり方が示されている。
都道府県公安委員会が行うべき交通情報提供の対象範囲及び交通情報提供事業者に対する交通情報の
提供について(H14.5.29 警察庁交通局交通規制課長)
(要旨)
・
国民負担により公安委員会が保有する交通情報は、広くあまねく国民に提供されるべきもの
・
JARTIC への事務委託は行政事務の効率化によるもの
・
他の行政機関、道路管理者以外からの提供依頼に対しては、機器接続などによる直接提供は行
わず、JARTIC 経由を原則とすること
・
上記原則は、道路管理者にあっても同様であること
つまり、道交法の改正後もこれまでの行政サイドのあり方は維持され、個人や民間情報提供
事業者への対応は JARTIC に一元化されたままとなる見通しである。この背景には、正
確性や安全性等の観点から、一元化されたインフラより収集された情報を提供しようとす
る姿勢が伺える。
<民間事業者の参入促進の状況>
次に規制緩和による民間事業者の参入促進という点について、今回の法改正では、
・ 予測事業である特定交通情報提供事業者の届出制の導入
・ 「交通情報の提供に関する指針」(ガイドライン)の適用
など、安全確保の担保措置としての行政の関与が特徴となっている。
一方、警察庁が法施行前に実施した事業者向け説明会には 100 人を超える参加者があったも
のの、その後の民間事業者の取組みはやや低調である。
特定交通情報提供事業に係る届出は、施工後1年以上を経過しても後述する「交通情報サー
ビス株式会社」
(ATIS)など数社に過ぎない。この背景には、予測等に関わる高度技術の
研究開発が必要なため事業化に時間を要すること、予測事業がなくてもユーザー確保は可
能であるとの認識が事業者側にあること、などが考えられる。
また、ガイドライン遵守により独自の情報収集も可能になっている。しかしながら一部自動
車メーカーによるプローブカーを利用した情報収集への取組み等はみられるものの、現段
階置いて独自情報収集に向けた事業者の目立った動きは見られない。
90
<適切な交通情報提供への取組み(交通情報検証システム)>
ガイドラインの中では、情報の正確性を確保するための検証の実施が定められている。これ
を実施するため、公安委員会によって 2003 年4月から交通情報検証システムの運用が開
始されている。
同システムは、事業者による情報提供を事後的に評価・検証するもので、所要時間・予測情
報等のデータの正確性、経路誘導等の適切性を検証している。
民間事業者による予測情報提供事業がほとんど見られない現状では、検証システムの効果・
効用を判断することは難しい。検証システムは、現段階では、本格的な予測情報提供サー
ビスの展開を見越したシステムといえ、今後の運用状況を見守る必要がある。
91
④新交通管理システム(UTMS)の推進
警察庁においては、ITSの一環として新交通管理システム(UTMS)の研究開発及び実
用化・整備が進められている。双方向通信となる光ビーコンを使った「安全・快適にして
環境にやさしい交通社会」の実現を目指すシステムである。UTMSの研究・開発、技術
の普及・標準化にあたっては、官民による(社)新交通管理システム協会が主導的役割を
担っている。
光ビーコンの整備拡充と各都道府県警察の交通管制システムの高度化が核となるが、従前の
事故の抑制・渋滞の解消などの交通安全対策に加え、排ガス・騒音といった道路交通に起
因する社会問題にも対応しようとするもので、より多面的な観点から交通需要を管理して
いく方向にある。
<新交通管理システム(UTMS)の概要>
<
中 心
基盤となる高度交通管制システム(ITCS)>
ITCS は、情報収集・情報分析と信号制御機能を持ち、次頁の各サブシステムの基盤となるも
のである。
出所)(社)新交通管理システム協会 HP より
<各サブシステムの内容>
92
システム名
①
AMIS
交通情報提供システム
②
PTPS
公共車両優先システム
③
MOCS
車両運行管理システム
④
EPMS
交通公害低減システム
⑤
DSSS
安全運転支援システム
⑥
HELP
緊急通報システム
⑦
PICS
歩行者等支援情報通信
システム
FAST
現場急行支援システム
⑧
⑨
DRGS
動的経路誘導システム
⑩
IIIS
高度画像情報システム
内
容
交通情報をリアルタイムに提供するため、交通管制
センターに収集された交通情報を様々なメディアを
通して提供(VICS など)
バスなどの公共車両が優先的に通行できるように
バス専用・優先レーンの設置や、違法走行車両への警
告、優先信号制御などを行う
バス・貨物輸送・清掃などの事業者が、自社車両の
運行管理を適切に行えるように車両の走行位置や時
刻などの情報を事業者に提供
大気汚染や騒音などを低減し、地域の環境を保護す
るため、環境情報や交通情報を収集し、信号制御・迂
回誘導・流入制御など行う
ドライバーが視認困難な位置にある自動車・二輪
車・歩行者を各種感知機が検出し、車載装置や交通情
報板などを通して提供
緊急車両が迅速な救援活動を行えるように事故・急
病などの緊急時に、救援機関に通報を行い、正確な位
置情報などを提供
高齢者・障害者が、安全に移動できるよう交差点の
状況や、安全な歩行ルートなどの情報を、音声・画像・
文字などで提供
緊急車両を優先的に走行させる信号制御や、最適経
路への誘導などによる、救命率・犯罪検挙率の向上、
交差点事故防止
最短時間で目的地に到達できるように刻々と変化
する交通状況を考慮した上で、最適な経路とその予測
所要時間などの情報を提供
交通情報収集カメラで収集した画像情報を、最新の
動画像デジタル圧縮技術などを駆使し、警察署・交通
管制センター・ドライバーに提供
※1:2002.1.31 現在
出所)(社)新交通管理システム協会 HP より作成
①
②
93
実用化実績 ※1
北海道北見支庁
を除く全都府県
北海道札幌支庁
と 17 都府県
北海道札幌支庁
と 6 府県
4府県
32 都府県
北海道札幌・釧路
支庁と 17 都府県
東京都
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
出所)警察庁の HP(①〜⑧)
94
⑨
http://www.utms.or.jp/japanese/index.html
⑩
収集画像
出所)(社)新交通管理システム協会 HP(⑨、⑩)
95
⑤公安委員会における今後の交通行政の方向
今後の交通行政については、2002 年 8 月に警察庁により策定された、自動車交通に関する中
長期的な課題を見据えた、交通管理の総合的指針及び実現されるべき交通環境を示す「交
通管理基本計画」、実用段階に移行しつつある前記 UTMS の当面の具体的な展開目標など
を示す「警察による ITS の今後の展開〜UTMS 全体構想〜」に概要を見ることができる。
「交通管理基本計画」
この中の「道路交通情報の提供の新展開」としてまとめられ、主な点は
・ 警察による交通情報提供は単なる行政サービスではなく、交通管理の重要な手法の一
つであるとしていること
・ 全国的な交通規制、事故危険個所等の情報を地図情報として統合するデータベースの
構築と渋滞情報以外の事故多発地点情報、各種交通障害情報、旅行時間情報などニー
ズに対応した交通情報コンテンツの高度化、精緻化及び多様化
・ 光ビーコンの整備、警察データ利用の緩和、新技術の開発等の参入促進施策と法律指
針の運用による交通情報提供事業の適正化
などであり、JARTIC や VICS センターをどのように活用するかは明示されていない。
「警察による ITS の今後の展開〜UTMS 全体構想〜」
国家的施策である IT 戦略に位置付けられるため、2010 年頃までに各システムの導入・普
及が図られるものと考えられるが、基本的推進方針は次のとおりである。
システム名
基
盤
ITCS
高度交通管制システム
①
AMIS
交通情報提供システム
PTPS
公共車両優先システム
MOCS
車両運行管理システム
②
③
④
EPMS
交通公害低減システム
⑤
DSSS
安全運転支援システム
⑥
HELP
緊急通報システム
⑦
PICS
歩行者等支援情報通信
システム
FAST
現場急行支援システム
⑧
⑨
⑩
DRGS
動的経路誘導システム
IIIS
高度画像情報システム
基本的な方針等
・事故、工事等の事象情報の充実
・光ビーコンの H19 末6万基整備とアップリンク機能の高度化
・出発/目的地、リンク旅行時間情報等による的確な情報提供・信号制御
・渋滞情報に加え経路誘導に不可欠なリンク旅行時間の提供
・アップリンク機能向上のため車載機の一層の普及(車両情報の収集)
・H14.3 末、19 都道府県 59 路線 298kmで導入済、10%程度の時間短縮
・都市部のバス専用優先レーンを中心に積極的に整備する
・当面は公的目的を中心にシステム整備
・都市部のバス事業者等を中心に積極導入、普及を図る
・大阪市では廃棄物運搬車両の指定路線運行管理システムとして整備済
・3県で整備し、具体的な改善効果
・当面、自動車排ガスが問題な法定特定地域(8 都府県)を重点的に整備
・H12 実道での実証実験あり
・右折時等事故多発交差点、山間部対向車事故多発地点、速度超過事故多発地点での実
用化を推進
・信号無視・違法駐車警告、左折巻込み警報、歩行者横断情報などは引き続き研究開発
・H12.9 から民間 HELP センター運用開始
・H14.6 からは GPS 機能による携帯電話 HELP システムが展開
・全国での緊急通報への対応体制は完了、事業者拡大と車載機普及の促進
・H12 に全国 20 箇所モデル地区で整備・運用あり
・高齢者、障害者の福祉施設等の周辺にある横断歩道等を中心に整備
・東京都等における試験的整備あり
・当面、政令市の緊急車両が頻繁で、優先信号制御が必要な交差点を整備
AMIS や FAST 等の要素機能として研究・開発・整備を推進(非重点)
ITCS や DSSS 等の要素機能として研究・開発・整備を推進(非重点)
96
−参考:わが国の交通行政と交通事情−
●警察(警察庁・公安委員会・都道府県警察)の役割
企画部門
指導部門
規制・管制部門
運転免許部門
法制度・安全教育
指導・取締り
規制・安全施設整備・交通情報
運転免許
●交通安全施設のストック(平成 12 年度末)
●安全施設の整備
警察庁
整備計画の作成
機器開発と仕様化
予算計画
都道府県警察
管制センターの整備
信号機の整備
情報収集・提供装置の整備
道路標識・表示の整備
交通管制センター
交通信号機
車両感知器
170 箇所
176,031 基
142,944 基
交通流監視カメラ
2,388 台
交通情報板
3,280 基
●自動車台数・道路延長の推移
自動車保有台数(万台)
道路延長(万 km)
高速道路延長(100km)
自動車走行台キロ数
(1 億台 km)
'70
1,949
101.5
6.38
2,560
'75
2,985
106.8
15.19
2,863
'80
4,017
111.4
25.79
3,891
'85
4,864
112.8
35.55
4,284
'90
6,020
111.5
46.61
6,286
'95
6,929
114.2
56.77
7,203
'99
7,428
116.2
64.55
7,650
2000
7,519
−
−
−
●交通事故死者数等の推移
'70
運転免許保有者数(万人)
2,645
交通信号機設置数(基)
23,290
交通事故件数(件)
718,080
交通事故死者数(人)
16,765
人口 10 万人当り(人)
16.2
'75
3,348
63,846
472,938
10,792
9.6
'80
4,300
101,100
476,677
8,760
7.5
'85
5,235
109,520
552,788
9,261
7.7
'90
6,091
135,634
643,097
11,227
9.1
'95
6,856
157,792
761,789
10,679
8.5
2000
7,469
176,013
931,934
9,066
7.2
出所)(社)新交通管理
システム協会 HP より作成
97
(2)(財)日本道路交通情報センター(JARTIC)
行政事務の代行機関として、職員 427 名中 370 名を都道府県警察・道路管理者の管制室等へ派
遣、情報収集し、広く国民に対してテレビ・ラジオ・FAXなど誰でも気軽に利用できる
方法で情報提供している。
電話やFAXなどは自動音声認識応答システムを取り入れるなどの効率化も見られる。
また、自主事業としてインターネットを利用した情報提供、民間情報提供事業者へのオンライ
ンによる情報提供も積極的に行っている。
<事業概要>
設
立
組
織
財
務
2002 年 度
損益計算書
情報提供
事業
1970 年 1 月
交通管理機関(警察庁、都道府県警察本部)や道路管理機関(国土交通省、各道路公
団、道府県土木部等)の道路交通情報の収集・提供業務の一元化を目的に設立
人員:441 人(2001 年 3 月末)
東京・名古屋・大阪・福岡の 4 事務所、52 センター、90 駐在(2003 年 3 月末)
(百万円)
4,703
(費用 計)
4,750
(収入 計)
(81.6%)
3,838
(95.5%) 事業費
4,534
事業収入
(65.7%)
3,091
情報事業費
3,294 (69.3%)
業務負担金等
(6.1%)
288
情報提供事業費
548 (11.5%)
放送事業
(4.2%)
198
調査受託事業費
(7.3%)
346
情報提供事業
261
その他
346
その他
29
調査試験研究費
188
賛助会費等
(15.4%)
726
管理費
28
その他
110
その他
・行政機関や道路公団からの受託による情報事業が大部分を占める。
・放送局等からの放送事業収入が 11.5%、民間事業者への情報提供収入が 7.3%。
①行政機関等からの委託を中心とした一般への情報提供
・電話:統一電話番号の活用、首都圏での 24 時間体制による提供など(810 万回)
首都圏での自動音声応答サービス(2.5 万回)
・FAX:首都圏での 24 時間自動応答サービス(5,000 回)
・テレビ:NHK・一般放送による情報提供(放送 6,300 回、原稿送り 7,000 回)
・ラジオ:NHK・一般放送による情報提供(放送 33.5 万回、原稿送り 8.5 万回)
・新聞/雑誌:主要紙に季節渋滞予想の掲載など(1,500 回)
・インターネット:2000 年 7 月から自社ホームページで提供
⇒【提供内容】全国の高速・主要一般道の渋滞、規制、旅行時間、季節渋滞予測情報
など
【費用負担】ユーザー負担は電話・FAX・パソコン等の通信料のみ
②オンラインによる民間事業者への情報提供
・汎用型「Jシステム」による提供→詳細次頁
a:テキスト型・フリガナ型・簡易図形型 … 19 事業者
カーナビゲーション、放送通信事業者が中心自治体の実証実験もあり
b:VICS 符号型(2002 年 9 月から) … 9事業者
c:2次事業者(コンテンツプロバイダー事業) … 3事業者
・従来システムによる提供 … 10 事業者
VICS センター、国際空港案内板、消防、カーナビゲーションなど
⇒【提供内容】全国の高速・主要一般道の渋滞、規制、旅行時間、SA・PA 情報、駐車
場の位置・満空 など
【費用負担】J システムは次頁参照、従来システムは個別契約による
※2003 年度からは過去データの提供を予定
③その他
・エフエム文字多重放送事業者、道の駅などへのFAX情報提供 など
出所)JARTIC の財務資料より作成
98
J システム
①
による民間事業者へのオンライン情報提供
民間事業者へのオンライン情報提供は、現在、従来からのシステムと 1999 年度に開発した汎
用型
Jシステム
の両方が使われている。
従来システムでは、個別の接続先(放送局、東京大阪消防庁など)の要望に合わせて情報を
カスタマイズし提供され、料金設定も個別対応である。効率化のため、J システムへの切
り替えが進められている。
<
Jシステム
の概要>
・Jシステムは様々なメディアでの利用を想定して、テキスト型・フリガナ型・簡易図形型
によるデータ形式によって、1分又は5分毎に更新されるオンラインシステムである。
・2002 年 9 月からは、デジタル道路地図向けの VICS 符号型データ提供も開始している。
・利用者数が限定されるタイプ A、特定できないタイプ B により負担額が異なるが、利用開
始時には 360 万円、月単位で基本額 17 万円が必要である。
・VICS 情報を併用する場合、利用開始時負担額、月額基本額それぞれ倍額になるほか、VICS
センターに対して技術開示料が必要になる。
● 負担額
・タイプ-A
・タイプ-B
エンドユーザーの要求に基づく任意の道路交通情報が選択できる情報提供サービス
タイプA以外の情報提供サービス
契約タイプ
タイプ-A
開始時負担額
タイプ-B
3,600千円 ※
基本額
170千円 /月※
型式別負担額
月額負担額
テキスト型
フリガナ型
20千円/月×エリア数
30円×契約利用台数/月
簡易図型
VICS 符号型
10千円/月×エリア数
30千円/月×エリア数
30円×契約利用台数/月
60千円/月×エリア数
分岐負担額
―
型式別負担額×20%×(n−1)
(注1) n :道路交通情報を受信する情報提供事業者のコンピュータなどから分岐する総数
(注2)エリア:高速道路は地方ブロック単位、一般道は都道府県単位
(※)「テキスト型、フリガナ型、簡易図型」と「VICS符号型」の双方を提供する場合、
開始時負担額は「7,200千円」、基本額は「340千円/月」
● VICS の技術開示料
タイプ-A
200円×契約利用台数/年
大都市圏
地方圏
タイプ-B
12エリア:50万円/年/エリア
35エリア:10万円/年/エリア
●情報内容
渋滞・規制情報
高速道及び主要一般道の交通渋滞、降雨・降雪による通行止や
速度規制、事故・工事等による車線規制など
所要時間情報
高速道及び主要一般道の一定区間における所要時間
都市高速道路入口閉鎖情報
都市高速道路の閉鎖されている入口
駐車場情報【VICS 符号型のみ】
主要一般道の駐車場の位置、満空等の情報
SA・PA情報【VICS 符号型のみ】 高速道のサービスエリア・パーキングエリアの位置、満空の情報
※提供エリアは全国の高速道、主要一般道である。
また、道路交通法改正に伴ってコンテンツプロバイダー事業を対象にしたメニューが加わり、
99
JARTIC から提供を受けた1次事業者が他の事業者(2次事業者)に情報提供した場合、
2次事業者は利用開始時負担額、月額基本額は不要であるが、型式別負担額と分岐負担額
とを1次事業者を通じて負担することとされている。
負担額の総額=開始時負担額+1次事業者に係る月額負担額+2次事業者に係る月額負担額
1次事業者に係る月額負担額=基本額+型式別負担額+分岐負担額
2次事業者に係る月額負担額=
型式別負担額+分岐負担額
<利用料金について>
同社へのヒアリングによれば、民間事業者への情報提供料金には開発費が含まれているため、
初期費用が高く設定される構造になっている。初期費用は開発費を事業者数で割ることで
決まるため、利用事業者数が増加すれば、料金が下がる仕組みであるとのことであった。
②道路交通法改正前後での業務の変化
<電話・放送等による情報提供>
電話、ラジオ・テレビ放送などによる情報提供の最近の状況は次表のとおりで、放送事業に
よる提供はほぼ横ばいであるのに対し、電話による提供は3割近く激減している。
これは、2000 年 7 月から始めた自社ホームページによる交通情報の提供が大きく影響してい
ると思われ(JARTIC ヒアリング)
、アクセス数が激増している状況である。新聞・雑誌
が半減しているが、広報効率の点でインターネットの方が優れるため事業転換の方向が見
える。
ユーザー利用形態が電話から置き換わっているが、電話での対応にはきめ細かなサービスが
できるメリットがあり、大部分が置き換わる可能性は少ないと考えられる。
電話・放送等による情報提供の状況
電話①:一般
②:首都圏ドライバーダイアル
テレビ:放送
〃 :原稿送り
ラジオ:放送
〃 :原稿送り
新聞・雑誌
インターネット
(2000 年 7 月開始)
2000 年度
993万回
94万回
7,000 回
7,000 回
33万回
8万回
2,800 回
2,084 万pv
平均 82 千pv/日
出所)JARTIC 事業報告書から作成
100
2001 年度
789万回
73万回
7,000 回
7,000 回
34万回
8.5万回
2,200 回
6,573 万pv
平均 180 千pv/日
2002 年度
746万回
64万回
6,300 回
7,000 回
33.5万回
8.5万回
1,500 回
12,336 万pv
平均 338 千pv/日
<民間等事業者へのオンライン情報提供>
オンラインによる情報提供は道路交通法改正以前から行われていたが、法改正後間もないこ
とから際立った提供事業者の増加傾向は見られない。VICS 符号型情報が提供できるよう
になったほかは、従来システムから J システムへの移行が図られている程度である。
同社では、オンライン提供以外にファクシミリを用いた手軽な情報提供サービスも手がけて
いること、オンライン接続開始時には、ある程度の費用が発生することなどから、利用に
踏み込めない事業者もいるようである。(JARTIC ヒアリング)
情報提供している業者のカテゴリーは、放送関係、自動車関係、官公庁等が主だが、気象情
報提供大手のウェザーニューズなどにも提供されている。
オンラインによる情報提供事業者の状況
2000 年度
2001 年度
従来システム
12
11
J システム
11
19
VICS 符号型
−
−
2次事業者(2000 年 6 月〜)
−
−
※J システム利用の事業者には、VICS 符号型情報も利用する事業者がいる。
出所)JARTIC 事業報告書から作成
101
2002 年度
10
19
9
3
③JARTIC の意向等(ヒアリング論点)
本調査では、JARTIC を対象にヒアリング調査を実施し、詳細な現状把握に努めた。ヒア
リングにおける主なポイント(論点)は、次のとおりである。
〜
JARTIC ヒアリング論点
〜
§1.JARTIC の情報収集の仕組み等
○JARTIC 職員を各地方の情報センター(都道府県の警察、各県の土木部、各地方整備局、道路公団
の各管制室、都市高速道路の管制室等)に派遣し、道路交通情報の収集を行っている。JARTIC 職
員数 427 名のうち、370 名が派遣されている。
○情報システムの活用に加えて、人海戦術的に情報を集約している。渋滞、事故については、目視な
らびに交番への直接取材(電話)により情報を収集している。
○道路管理者・警察等からの情報集約、放送事業におけるわかりやすい説明など、JARTIC には 30 年
に渡るノウハウが蓄積している。
○個人ユーザの判断、予測を促すために、JARTIC の自主ルールとして、 事故状況 、 車種 等を出
来るだけ詳しく伝えるように規定している。同じ交通事故でも、例えばバイクの事故と、トレーラ
ーの事故とでは、その後の渋滞の度合いが全く異なるため。
§2.道路交通法改正に伴う事業への影響
○道交法改正により、JARTIC は直接個人ユーザに道路交通情報を提供する主体から、情報の卸元の
ような主体に移りつつある。
○エンドユーザー等からの電話による問合せサービスは減少傾向。これは web 等による情報提供の充
実によるものと推測される。
○JARTIC 情報の活用についての民間事業者からの問合せ・発注は、法改正直後は多かったが落ち着
きだした。問合せがあっても初期費用の高さに二の足を踏む企業が多い。
§3.JARTIC 提供情報に対する事業者のニーズ
○渋滞予測を行うために、過去情報の開示に対する事業者ニーズは高い。現在、警察庁と開示も視野
に入れつつ検討中である。生データへの要望もある。
○データ密度の不足については認識している。5 分更新で 24 時間道路状況を確認できるものの、事故
は事故として、故障車は故障車としてしか認識できず、車種まではわからない。
(渋滞の原因もわか
らない。)
○外部に公開していない JARTIC の内部端末は、事故の詳細(車種、巻き込まれた車の台数等)まで
収集、登録している。
○過去情報のみを事業者に提供するか、過去情報に基づいて JARTIC 自身が予測ビジネスを展開する
かは、現在検討中である。後者の形をとれば、民業圧迫との指摘を受けかねないため。
○過去情報の統計処理による予測よりも、目の前のファクトを詳細に伝えることのほうが重要ではな
いか、とも認識している。
§4.その他(料金設定等)
○民間事業者に提供する情報の料金設定には、開発費が含まれているため、初期費用が高く設定され
ている。初期費用の設定は、開発費を事業者数で割ることで決定するため、当情報を利用する事業
者がある程度まで増加すれば、初期費用は下げられるはずである。料金設定は、現在まで変化した
ことはない。
102
(3)(財)道路交通情報通信システムセンター(VICS センター)
JARTIC の情報提供がラジオ・テレビの放送時、電話などによるアクセス時であるのに対し、
FM波を用いた通信により対応車載機器さえあれば、走行中に随時情報が得られる VICS
は、ビーコンなど提供施設の整備は公安委員会が行い、提供に係る管理・運営は公益法人
(VICS センター)が行っている。
対応車載機器は民間メーカーを通じて提供され、出荷台数の伸びは著しく 1996 年度以来、累
計で 700 万台超、2002 年度は単年度で 200 万台を超えた。
【事業概要】
設
立
1995 年 7 月
財
務
【一般会計】
(収入 計)
事業収入
(技術開示収入)
会費収入
寄附金収入
など
2001 年 度
収支計算書
(百万円)
3,892
3,756
(3,699)
84
27
(96.5%)
(95.0%)
(2.2%)
(支出 計)
事業費
(情報提供事業費)
管理費
固定資産取得費
借入金返済
など
2,529
1,111
(766)
337
886
160
【特別会計】VICS 符号情報提供事業
(収入 計)
事業収入
(受託収入)
23
23
(23)
(43.9%)
(30.3%)
(13.3%)
(35.0%)
(6.3%)
(百万円)
(支出 計)
事業費
(情報提供事業費)
(管理諸費)
11
11
(6)
(5)
・本業では技術開示収入が 95%を占め、大幅な収支差益が生じている。
・事業者への情報提供に係る特別会計も大幅な収支差益である。
事業概要
①道路交通情報の収集、処理、編集及び通信・放送メディアによる提供
②道路交通情報通信システムに関する調査、研究及び開発
③道路交通情報通信システムに関する国内外の情報収集及び関係機関・団体との交流
情報提供
VICS センターシステムは、(財)日本道路交通情報センターと高速デジタル専用回線
で結ばれ、そこから受信した様々な道路交通情報を処理・編集
・ 処理・編集された情報は、エリア別のメディアセンターと FM 放送局に送信され、
各メディア(電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送)により直接ドライバーに
提供
・ センターシステムは安定した運営を図るために二重化され、24 時間体制で稼働
・ 提供内容は渋滞・規制・所要時間のほか、駐車場の位置・満空
ユーザー負担は、機器購入価格に含まれる視聴料金 300 円/台でその後の利用は無料
14 年度事業
計画書から
ニーズへの対応
情報の精度や表示の改善等のほか、気象・災害情報、県域を超えた広域情報、地域に
役立つ情報、動的経路誘導情報等の提供など、情報の内容充実へのニーズが高い。
財団収支の見直し
VICS 事業の現状と中長期的な見通しの上に立って、収入に関して技術開示料を見直
し、支出に関して今後のシステム構築に必要な資金の積立てをする。
技術開示料については、平成 14 年度から 20%の引き下げを実施し3メデイア搭載型
車載機の普及促進のためのインセンテイブを設ける
(中長期的観点に立ったVICS事業の在り方と進め方)
・
出所)各財務資料より
(4)その他の公共的機関の動向
103
首都高速道路公団
〜過去データに基づいた首都高の所要時間情報提供の試み〜
出発前にホームページで、将来日時(時刻は出発又は到着時刻)
・出発入口・目的出口を入力
することにより、過去データによる各高速路線を経由した平均所要時間が提供されるシ
ステムである。
路線毎に提供していた過去データに基づく統計的な所要時間を、任意の入口から出口につい
て経路案内も含めた情報として提供。距離最短ルート及び所要時間が短い方から3番目
までのルートが表示される。システム改善への Web アンケートも実施中である。
東京都駐車場公社
〜駐車場利用率向上に向けたカーナビ誘導実験〜
同社では、2002 年 3 月から 3,700 場の位置・260 場の満空情報をホームページ・携帯電話
で無料検索できる「s‐park」を提供しているが、通信機能対応のカーナビゲーション
ユーザーを対象に経路誘導による駐車場案内を試行した。試行期間(2003.2.17〜3.31)後も
システムは継続しており、実用化の途上にある。
VICS による情報提供もあるが限定的なため、民間企業や公的機関から収集される圧倒的
な駐車場データベースとカーテレマティクスによる双方向通信機能の融合による利便性の向
上と路上駐車・路上待ちによる混雑解消を狙ったものである。
[⇒次頁:システムイメージ参照]
104
105
(5)公的主体よる道路交通情報提供サービスの現状について
公安委員会における情報提供は、路上情報板を主体とした方法に加えて、光ビーコンを核と
する高度情報技術を活用した分野に広がりつつあり、運転中のみであるが、必要とする時
点に対してタイムラグの少ない提供が可能になっていくものと思われる。
一方、JARTIC については、運転前は電話・テレビ・インターネット、運転中はラジオが基
本提供スタイルといえ、民間事業者への対応も含め、システムの改善など提供体制の効率
化・迅速化を図ってはいる。
しかしながら、JARTIC に対し年間 800 万回の電話での問合せがある実態は、公的セクター
における画一的な情報収集・提供の限界ともっときめ細かな情報を必要とするユーザーが
多数存在していることを示しており、民間事業者による多様なサービスの可能性が考えら
れる。
JARTIC 自身も、全国にセンターを設置し、交通事故の詳細な情報や観光地の混雑状況など、
行政機関がセンサー等機械設備で自動収集する以外の情報を独自収集し、電話サービスを
行っている(JARTIC ヒアリング)が、処理できる能力には限界がある。
民間事業者の情報提供活動が盛んになり、公的セクターの機器・設備整備による情報収集の
拡充がなされていく中で、国民への道路交通情報提供における JARTIC の役割は、今後
益々増大していくことが予想される。
しかしながら、行政による情報は「交通の安全と円滑」という交通需要を管理することに主
眼が置かれているという特徴があること、JARTIC の事業は公益法人としての範囲に限ら
れることなどから、多様な利用者ニーズをどこまで実現できるかは民間サイドの役割とな
ろう。
この点において民間サイドにおける加工・編集のほか、独自の情報収集も重要と考えられる
が、既存インフラ活用の面から、行政における情報収集もできるだけ細分化された利用し
やすい形で提供されることが望ましい。
UTMS による交通需要マネジメントが、行政・JARTIC の役割にどの程度影響を与えるかは
今後の展開次第であるが、東京都駐車場公社の駐車場誘導システムのように、公的機関で
ある当該公社に公的機関以外に民間企業からの駐車場情報も集約されて活用されている
ことは JARTIC と大きく相違するところで、官民の情報共有の有効性を示している。
106
2)第三セクターによる道路交通情報提供事例(ATIS)
第三セクターによる事例として、世界で初めての高度交通情報提供会社とされる東京都と民
間団体各社の共同出資による「交通情報サービス株式会社」(ATIS)におけるサービス概況を
整理した。
ATIS は、それまでの公安委員会・道路管理者・JARTIC が行っていた一般的な交通情報(テ
レビ、ラジオ、交通情報ラジオ、情報板等)にはなかった、インターネットや携帯電話/PH
Sを活用した情報提供に特色がある。なお基礎的な交通情報の収集は JARTIC からのものであ
る。
(1)ATIS の概要
設
立
1993 年 7 月、資本金 26 億 6,500 万円
東京都以外に、JARTIC、(財)日本交通管理技術協会なども出資
財 務
(決算公告) 営業収益
営業費用
営業利益
2000 年度
314
341
▲27
2001 年度
511
436
75
2002 年度
590
537
53
(百万円)
事業概要
①交通情報、交通関連情報、生活利便情報及び娯楽・文化・レジャー等の情報の提供
②上記情報提供に関する装置及びシステムの企画、開発、設計、製造、販売、工事、保
守、リース等
③前記各種情報等の利用等に関するコンサルティング事業
事業展開
・当初(1994 年)はパソコン向けの東京都内限定でサービス開始(順次エリア拡大)
・都市高速、一般道情報も JARTIC オンライン情報拡大に合わせエリア追加
・2000 年 2 月から「iモ−ド」で提供開始(2001 年 2 月までに主要携帯サイト対応)
・2001 年 6 月から「Lモード」で提供開始
・2001 年 11 月から携帯向け駐車場情報提供開始 など
・2002 年 9 月から VICS 情報を配信(日本初)
【基本サービス情報】
・全国の高速・有料道路、43 都道府県の主要一般道(携帯は 34 都道府県)
・渋滞・規制情報、ランプ・インター閉鎖情報、所要時間情報等
・駐車場満空(全国約 1,000)・SAPA のショップ情報
【インターネット利用サービス】
・ルート検索機能(最適な経路選択による所要時間と距離)
・最新の地図データをダウンロード(地図ソフトの買替えが不要)
・各種施設の位置紹介(ランドマーク機能)
【携帯/PHS利用サービス】
・フェリー、ゲレンデ情報、天気予報など
・併走する高速・一般道の道路状況比較
・季節渋滞予測
(※)駐車場情報は(財)東京都駐車場公社などによる情報
天気予報は㈱気象情報サービスから購入
【費用負担】
・インターネット利用(事業者向け)…10,000 円/月1クライアント
追加クライアント 5,000 円/月・台
・携帯/PHS(個人向け)…
200 円/月+通信費用
・L モード…200 円/月+通信費用
具体の提供
内容
ユーザーの
状況
・法人向けサービスは、固定顧客が多く運送関係が中心
・個人向けサービス(携帯電話)は、一時的な会員も含め約 20 万人、売上は約 4,000
万円/月
出所)ATIS の HP、同社ヒアリングなどより作成
(2)同社ヒアリングに基づくサービスの現状と課題等
107
【サービス】
交通情報は JARTIC からのデータであるものの、特に携帯/PHS 利用サービスとして
・JAVA アプリケーションを使ったアニメーションキャラクター、音での情報提供
・iモ−ドエリアサービスを使った現在位置からの周辺道路・駐車場情報の選択提供
・ユーザーの好みに合わせ、自宅天気や必要な路線が登録できる「My ATIS」
など携帯電話を使う楽しさが実感できること、必要な情報がある程度自動編集される使い易
さがあること、など独自の処理を行っている。
[⇒別頁:サービス画面画像参照]
サービスを先行して展開したことにもよるが、約 20 万人の会員をもつ携帯/PHS サービ
スは、同社最大の事業部門であり、iモードアクセスランキングでもトップであるとのこと
で、マーケットにおける一定の地位を築いていると考えられる。
一方、事業者向けであるインターネット利用サービスについては、事業開始当初からの固
定顧客に依存し、契約数の伸びもほとんどない状態であるという。
また、サービス提供エリアは当初、東京都内に限定していたが、ほぼ全国展開へと拡大さ
れた。自動車の移動圏域は事業者であればある程度一定である場合もあり得るが、携帯/PHS
利用サービスによる個人ユーザーを対象にすれば、そのニーズは広範で、同社の収益の拡大
にも必要であった。ただし、エリアの拡大は、情報入手先である JARTIC 及び行政による体
制整備と相関関係にあり、それなしには不可能であったものである。
【道路交通法の改正による影響】
同社が常に先導的に事業を展開してきたことから、道交法改正による新たな事業展開が注
目されるものであるが、そのひとつとして、国家公安委員会への特定交通情報提供事業(予
測情報を提供する事業)の届出の第 1 号事業者であることがあげられる。
しかしながらこの点に関しては、同社が 2003 年 3 月まで簡単な統計分析をもとに渋滞予
測(過去情報を基にした傾向程度)を提供していたものの、
「予測情報」との認識はない中で
警察庁サイドから届出指導を受けたという経緯があり、当該サービスは現在行われていない。
当面、予測事業を展開する予定もないとしている。
予測事業を展開しない理由として同社があげるのは、
正確性の担保が技術的に極めて難しく、精度の低さによるユーザーの信頼低下
大規模な投資の必要性と、それに対する採算性
交通情報検証システムによる警察サイドからの勧告等への懸念
などであり、独自の情報収集に対しても、
機器整備が資金的にみて不可能であること
道路管理者、警察庁等の道路使用・占用許可の不確実性
などをあげ、道交法改正による事業への影響は、現段階でほとんどみられない。
【今後の事業展開と行政(JARTIC)からの情報提供】
今後も公益性を基本にした事業展開が見込まれるが、同社ヒアリングでは、特に行政
(JARTIC)からの情報提供について、ユーザーニーズを基に次の二つの点について強い課
題認識を示した。
①
JARTIC 情報の料金体系について
108
下記のような問題点を指摘し、道路交通情報ビジネスの産業としての裾野を広げるた
めに、料金体系の見直しが主張された。
○JARTIC 及び JARIC を通じた VICS 情報の料金は、
「受信するユーザー数・車数が限定
されている場合(タイプ A)」
、
「ユーザー数が特定できない情報発信(放送等)の場合(タ
イプ B)
」の 2 通りである。VICS 情報には技術開示料がそれぞれのタイプに加わる。
○問題は、タイプ A とタイプ B の格差が著しく大きく、タイプ B の場合の負担額は相当
なものになるということである。例えば、駐車場やホテルのロビーなど公共性の高い場
所に道路交通情報表示パネルを置く場合にはタイプ B として初期費用だけでも 2,000 万
円を超える情報原価となり、事業者向け契約数が伸びない要因のひとつである。
②
事故情報・渋滞情報のタイムラグ等
また、次のような課題を指摘しつつ、公的セクター及び JARTIC 等による現状の情報
集約体制へのニーズが訴えられた。
○ユーザーからの要望には、「事故がいつどこで起きたかを早急に知りたい」、提供される
情報が「遅い」・「間違っている」などが多数あるものの、ベースとなっている情報を
JARTIC から得ている以上、同社としては改善できないものである。
○JARTIC への道路管理者・警察等からの情報が膨大であり、警察としては、渋滞情報の
集約・伝達が二の次になる事情もあるが、情報を迅速に集約する仕組み・体制上の課題
など、一層の工夫が必要である。
このほかにも、JARTIC や行政側のシステムメンテナンスや障害などの情報が、タイムリ
ーに提供されないといった指摘もあった。
上記の②の問題については、独自の情報収集などによりフォローできる可能性はあるもの
の、道交法上、道路交通情報提供の正確性・適切性が求められることから、事業者にとって
は容易に解決できないものと考えられる。
以上、第三セクターによる道路交通情報提供についてまとめると、第一の使命である公益性の
観点からは、
情報通信の活用によるアクセシビリティの向上から携帯電話/PHS サービスでの 20
万人の会員獲得など一定の評価ができるものである。
一方、事業の成長性の観点からは、今後普及が予想されるカーテレマティクスとの競合、もし
くは道路交通情報へのドライバーニーズへの対応等に向けて、情報源である行政(JARTIC)情
報自体に存在する道路状況の即応性・提供料金体系などのミスマッチ要因が懸念される。
ただし、この点は道路交通情報提供ビジネスに関し、行政(JARTIC)情報に依存している多
くの民間情報提供事業者に共通する問題である。
109
110
3)国内関連企業の動向
ここでは、先に整理した賛助会員アンケート等において、既に関連サービスを実施している
と回答した会員企業を主な対象とし、現在、民間企業によって提供されている道路交通情報を
活用したサービスの概況を整理した。
(1)自動車メーカー
自動車メーカー全般としては、道路交通情報に特化したビジネス戦略は特に見えない。どち
らかと言えば、様々なコンテンツを提供することで、自社製品のユーザー囲い込みに結びつけ
る戦略が見える。
技術的トレンドとしてのテレマティクスがベースにあり、カーナビゲーションの高機能化を
目指す方向性がうかがえる。
また、裾野の広い自動車産業の利点を生かし、自動車販売とテレマティクス等の周辺機器の
販売拡張など関連業界にも影響の大きいハード中心の展開と捉えることもできる。
国内事例①
サービス概要
具体サービス
道路交通情報
ユーザー負担
情報提供のス
タンス
企業名
トヨタ自動車
サービス名
G-BOOK
・自動車に専用のユニット又は対応カーナビを搭載、専用通信機 DCM による高速通信
・携帯電話、PC、PDA に加え、コンビニ・GS 内の端末「E‐TOWER」との連携
・一部サービスにオペレーターが直接対応(デジタルメディアサービス㈱)
分野別に整理されている。
・ライブナビゲーション
トレンドスポットやオススメドライブコースを瞬時に検索、地図上に表示
・インフォーメーション
ニュース・天気・株価・銀行口座情報など必要な情報をリアルタイムに検索表示
・エンターテイメント
ゲーム・占い・ショートストーリー・音楽映画のヒットランキングなど毎日を楽しむ
ための情報。電子ペットやメンバーオンリーの参加型ゲームなど。
・コミュニケーション
車内や PC・携帯・PDA で G-BOOK を使っていつでもどこでも、メールの送受信がで
きるほか、スケジュール・アドレス管理、位置情報を共有することによる G-BOOK ユ
ーザ同士のコミュニケーション等
・セーフティ・セキュリティ
トラブル時の位置情報検索とロードサービス手配、対処方法やメンテナンス方法の提
供。「オイル交換」、「給油」などのメンテナンス管理、車検・保険の照会・案内など。
「インフォーメーション」の 1 コンテンツとして提供。JARTIC からの情報が基本。GPS
機能の利用により、現在地周辺や指定地周辺の道路交通情報を簡単に検索できる。
自動音声読み上げとカーナビを利用による快適ドライブの追求。独自の情報収集はなし。
・G-BOOK オンラインサービス(一部車種に標準搭載の車載端末で利用)
年払 6,600 円/年、半年払 3,600 円/半年、月払 650 円/月
・G-BOOK ライト(パソコン、PDA、携帯電話のみで利用)
月額 200 円
・どちらのサービスも有料コンテンツは、別途コンテンツ利用料金がかかる。
・パソコン、PDA、携帯電話の利用は通信料、プロバイダ料金が負担となる。
「カーマルチメディア事業」としての位置づけ
・マルチメディア技術を移動体分野に拡げ、クルマと社会との交流
・カーライフに、より豊かさと利便性をもたらす
・運転支援・旅行情報をはじめとするインタラクティブな情報提供サービス
・情報提供サービスは、社会的・公共的性格であることを強く意識
111
【トヨタ自動車のカーマルチメディアのイメージ】
【トヨタ自動車の ITS への取組み】
112
国内事例②
企業名
日産自動車
サービス名
カーウイングス
サービス概要
・自動車に専用のユニット又は対応カーナビを搭載し、携帯電話等による通信機能を付加
・自社の情報センターを介し、自宅のパソコンとも連動した機能
・一部サービスにオペレーターが直接対応(コンパスリンク㈱が提供)
具体サービス
・Auto DJ
交通情報・天気・ニュース・レストラン・駐車場情報など様々な情報提供
・「レッツドライブ」
ホームページ上で目的地や経由地を設定、車内の車裁機に情報センターを介しダウン
ロ−ド(自宅のパソコンから出発前にルート設定が可能)
・メール
車載機でのメール受信。メールを音声で読み上げる「ボイスガイド」搭載
・ハンズフリーフォン
携帯電話に登録したメモリダイヤルを車載機にダウンロード。任意の相手にワンタッ
チで電話
・「ロードサービス&病院案内」
クルマの故障なトラブルが発生した場合、専門のオペレーターが直接対応し、必要に
応じて近くの販売会社・JAF 等への取り次ぎ、最寄りの病院の電話番号案内
・コンパスリンクライト
情報センターのオペレーターを呼び出し、口頭で要望を伝える。目的地設定・道路交
通情報の入手・緊急時の対応などをオペレーターが対応
[コンパスリンク]
コンパスリンク㈱が提供する目的地設定、交通情報、電話接続、天気予報などをオペレ
ーターにより支援するサービスで、カーウィングスにも一部サービス提供。
(入会金 3,500 円、エブリデイ 2,500 円/月、ホリデイ 1,250 円/月+200 円/回)
道路交通情報
JARTIC から提供される情報をもとに、コンパスリンク㈱で編集し提供。ルート案内と
所要時間のほか目的地・現在地周辺の情報、2つのルート比較など。
独自の情報収集はなし。
ユーザー負担
・入会金 2,000 円、年会費 3,600 円(コンパスリンクライトを含む場合 5,400 円+200 円/回)
・別途、携帯電話等の通信料
・自社販売店で対応車載機を装着した新車購入の場合、入会金と 6 ヵ月間利用料金無料
備考
・既述のトヨタ自動車に比較すると、自動車の使用スタイルを意識したサービススタイル
で、過度にマルチを目指してはいない点が特徴である。
【日産自動車の提供情報(例)】
交通情報
天気予報
113
周辺行楽地情報
国内事例③
サービス概要
具体サービス
道路交通情報
ユーザー負担
備考
企業名
本田技研工業
サービス名
インターナビおよび internavi Premium Club
・自動車に専用の音声認識対応カーナビを搭載し、携帯電話等による通信機能を付加
・自社の情報センターを介し、自宅のパソコンとも連動した機能
・「インターナビ・メール」による位置情報付きの送受信及びカーナビへのセット機能
[インターナビ]
①パソコン向け「My ガレージ」、②カーナビ向け「My キャビン」、③携帯電話向け「My
ポケット」に分けられ、Web 会員とモービル会員がある。
(内容)
・ 天気・交通情報・BGM・季節に合わせたスポット・コース情報など、オリジナルドラ
イブコース作りをサポート
・ メンテナンス・給油履歴など車のデータ管理によるメンテナンスサポート
・ 位置情報の付いた「インターナビ・メール」の送受信とカーナビへのセット
・登録したドライブコースのカーナビへの自動セット
・「ぴあ」によるおすすめコース情報
・ いざという時の警察・病院・道の駅などのドライブヘルプ
[インターナビ・プレミアムクラブ]
・ダイナミックルートガイダンス
時間、場所などのリクエストに応じ最新の交通情報により情報を更新し、最適ルート
を案内
・初回車検時まで3回の地図 DVD 交換
・ドライブ中に役立つニュース・天気・交通情報などのリアルタイムな情報や、季節や目
的別スポット情報の提供
・音声呼び出し/読み上げ
最新のニュースや天気予報などの情報を音声で聞くことができるほか、エアコンやオ
ーディオの操作も可能。
・位置情報の付いた「インターナビ・メール」の送受信、読み上げ機能
・総走行距離データによる、パーツや消耗品の適切な交換時期のお知らせ
[QQ コール]
事故、故障、けが・病気などのトラブル時に、スタッフやレッカー、宿泊等の手配及
び経費負担を行うロードアシスタンスサービス(入会金 2,000 円、年会費 4,000 円)
地域や路線ごとに細分化された VICS 情報をセンターで一括管理。都道府県をまたぐよ
うな場合でも、目的地までの全行程を総合して最適ルートを情報提供
(必要な時点・場所でルートの再計算が可能)
独自の情報収集はなし。
[インターナビ]
:無料による会員制。別途、携帯電話等の通信料
[インターナビ・プレミアムクラブ]
:入会3年間は無償(4 年目以降一部有償)
別途、携帯電話等の通信料(ニュース、ルートガイダンス、メールなど1回あたり 20 円程度)
・会員同士のコミュニケーションを目指した「インターナビ・メール」などは同社の特徴
的なサービスである。
114
(2)その他の事例
【携帯電話分野】
国内事例④
企業名
ピーウェイブ株式会社(松下電器産業㈱関連会社)
サービス名
快楽なび
サービス概要
ルート検索、交通情報のほか役立つ情報を提供。GPS 機能はないがiエリア機能などによ
り付近の状況が確認できるほか、過去データを活用した所要時間提供機能が特徴
具体サービス
(ルート検索)
・出発地、目的地、高速道など優先道路のほか、出発時刻を設定
・出発時刻は 10 分間隔でさかのぼれるため、過去時刻の所要時間と現在時間の交通情報に
よる所要時間比較により混雑度を推測できる。
・また、週末の出発予定に対しては、先週の同じ曜日時刻を設定すれば、凡その所要時間が
推測できる。
・ルート検索は、JARTIC・VICS による交通状況を考慮して算出し、到着時間・所要時間・
距離・高速料金が提供される。
・交差点拡大により車線規制も確認できる。
(交通情報)
・全国の高速道、一般道から路線等を選択して、現在情報を提供
・iエリア機能を使用すれば、初めての場所でも周辺状況が確認できる。
(お役立ち情報)
・花火大会など季節イベント、夜警スポットなどおすすめルートを提供
(その他)
・携帯電話の赤外線通信を利用して、Panasonic 製カーナビゲーションにルート登録
道路交通情報
JARTIC から入手しオンライン提供している以外に、過去データを利用した所要時間提供
ユーザー負担
iモードサービス料:月額 300 円
・対応機種は、NTT ドコモの 504 シリーズ以降のみである。
備考
・道路交通情報について、所要時間を技術的に予測するのではなく、同じ区間での過去情報(過
去時刻、過去曜日など)を提供し、ユーザーが道路の混雑具合や変化を推測するスタイルが
特徴的である。
【ピーウェイブ株式会社のサービス画面(例)
】
ルート検索
交差点拡大
全体ルート
115
ポイント情報
詳細情報
【物流分野】
国内事例④
サービス概要
企業名
沖電気工業株式会社
サービス名
Locoもび
GPS による車両位置の測定、auパケット網を利用した車両状況の確認と会社からの指示、
道路交通情報の利用による渋滞・工事など道路状況を確認など、業務日報作成負担の軽減や顧
客の注文など状況に応じ、スピーディーで効率的な配車管理を提供する。
具体サービス
(基本サービス)
・GPS による車両位置情報の提供と走行軌跡の保存(2ヵ月)
・空荷など車両の状況を運転手のボタンひとつで通知
・道路交通情報と車両の位置情報を連動した形で提供
(オプションサービス)
・2ヵ月間保管の走行軌跡をいつでも取り出せるダウンロードサービス
・オフィス端末上の地図の拡大・地図縮尺の変更・ランドマーク表示
・IDカード発行
など
道路交通情報
JARTIC から入手し、オンライン提供している。交通状況を考慮したルート作成などは見
られない。
ユーザー負担
・タイプ…車両9台までの「レッツ」、10 台以上の「ダッシュ」の2タイプ
(基本サービス:月額)
基本料
基本料加算
車両料
レッツ
2,000 円
−
700 円/台
ダッシュ 10,000 円
10 台毎に 4,000 円
〃
(基本料加算手数料 500 円)
(オプションサービス:月額)
軌跡ダウンロードサービス 500 又は 300 円/台(地図・文字)+事務手数料 500 円
その他のサービス
1000 円〜3000 円+事務手数料 500 又は 2,000 円
・車載専用端末は価格不明(リース・レンタルあり)
・その他、一部オプション用にPDA端末、au 携帯電話が必要
備考
・道路交通情報提供自体にはそれほど大きな特徴はない。
・既存システムを低料金でサービス提供しようとしている。また、配車管理だけでなく人事管
理も可能なシステムである。
【沖電気工業株式会社のLocoもびのシステム概略イメージ】
116
3.関連事業者の意向等(ヒアリング論点)
本調査では、道路交通情報ビジネスを展開している事業者の、今後の関連ビジネスの展望や、
現状の課題認識等を把握するために、賛助会員企業を中心にヒアリング調査を実施した。
なお、ヒアリングを実施した事業者の概要は下記のとおりである。
A 社:主に携帯端末によりエンドユーザーに道路交通情報を提供。その他、法人向けに関連
システムの企画・開発等、及びコンサルティング業務を実施。
B 社:電器メーカー。エンドユーザーでなくプロバイダー向けに情報配信。その他システム
開発等も実施。
C 社:主にセンシング(測量・計測)分野と GIS(地理情報システム)分野において技術
力を有する企業。同社の開発・保守管理するシステムのコンテンツのひとつとして、
道路交通に関連する情報を掲載している。
D 社:自動車メーカー。自社製品に搭載したカーナビ等を媒体としつつ、道路交通情報を
含む様々な情報を提供。
ヒアリングにおける主なポイント(論点)は、次のとおりである。
〜
関連事業者ヒアリング論点
〜
§1.現状の道路交通ビジネスに係るスタンス・現状認識
○道路交通情報はドライバーの必要とするキーコンテンツのひとつ。サービスにおける相対的なウェ
イトは低いものの、人気もニーズも高い。 <D 社>
○管理者サイドに立ったビジネス(B2B)に主眼。B2C へのリスクを取ることは現段階で考え難い。
交通情報予測、プローブ情報収集・加工などは研究段階。商品化への道程は遠い。 <B 社>
○道路交通情報は、気象情報や観光情報と同様にあまたあるコンテンツの一つに過ぎないという認識。
当社としては道路交通情報のコンテンツ拡充に注力する方向にはない。物流事業者や福祉巡回サー
ビス等を対象にした配車管理システム等を視野に入れている。但し、研究段階に過ぎない。 <C
社>
○道路交通情報単体でエンドユーザーから料金が取れるか疑問である。情報に対して料金を支払う風
土は、日本国民にはない。 <D 社>
○物流事業者等への車両運行管理システムを提供しているが、道路交通情報との連動はない。当初視
野に入れていたが、交通情報を盛り込むことの明確なメリット(費用対効果等)の説明が困難なた
め、頓挫している。 <B 社>
○JH などが予測交通情報提供を行う意向を固め、弊社に相談・依頼等があった場合には積極的に検討
していくこととなろう。 <B 社>
117
§2.道路交通情報ビジネス展開にあたっての課題について
【現行の JARTIC 等の料金体系・情報集約体制について】
○JARTIC 提供情報の料金体系に課題あり(普及しない理由のひとつと認識)
。産業としての裾野を広
げるためには料金体系の見直しが必要。 <A 社>
○ユーザーの苦情の多くは提供情報の「更新の遅さ」、「不正確性」等。例えば事故や渋滞が生じてか
ら、事故・渋滞現場から JARTIC 経由したのち、弊社の提供情報に反映されるまでラグがある。 <
A 社>
○JARTIC 内部にも、従来の労働集約的な業務内容等について「このままではいけない」という、危
機感がそれなりにあるのではないか。 <D 社>
【予測事業展開に資する情報源等について】
○渋滞・交通量予測は、人為によって生じる現象のため極めて困難。ユーザーニーズに対応し得る短
期予測の精度を担保することは現実的に困難。
(投資に見合わない) <A 社>
○プロドライバーの満足できる予測情報を提供できるかは疑問である。今の技術レベルでは、自信を
もって提供できるような予測は困難。 <D 社>
○JARTIC のアナウンサーの、経験に基づく 勘 には、いくら多くの情報を利用して予測を行って
も精度的にかなわない。 <D 社>
○高速道路のようなある程度閉鎖的な情報環境の予測は比較的容易だが、一般道では5年、10 年かか
ってもできないのではないか。 <D 社>
○予測精度の向上の観点では、現在、フローティング・データが決定的に不足しているような気がす
る。公開されていないが有益な情報は収集されている。例えばトラフィックカウンター(断面交通
量)のリアルタイム情報、信号の現示情報等である。 <D 社>
○例えば事故等発生後、どのような交通現象が生じたのか、情報を蓄積するとともに、パターン化す
ることができれば、今後の予測等に有用になると思う。 <D 社>
§3.その他、道路交通情報ビジネス展開に向けた提案等
【付加的情報源について】
○信号サイクル、光ビーコンのリンク時間情報などは活用できる可能性はあるが、それを使いこなし
て警察以上に加工・提供するのは難しいのではないか。 <B 社>
○車輌感知器などのセンサーの生情報(ローデータ)は、車輌のナンバーはなくても大型・小型の車
群情報(車群の旅行時間情報)だけでも役に立つ可能性はある。 <B 社>
○付加的情報の確保には、GPS 搭載の大量のプローブカーシステムにリアリティがある。 <C 社>
【着目すべきポイントについて】
○トータルな意味での ドライブライフ を高めるには、運転行為以外のどんな行為に、一般ドライ
バーのニーズがあるのか知りたい。 <B 社>
○今後の道路交通情報ビジネスを展望した場合、 リアルタイム性 が一つの鍵となるという認識。情
報収集時のモバイルシステムの適用等が具体的なアイデア。入力ツールとしての携帯電話の可能性
に言及。 <C 社>
○「道路交通予報士」などを活用した情報提供は、ユーザーの興味を引くと思われる。しかしながら、
ある程度、行政が主導しないと難しいのではないか。 <D 社>
118
Ⅲ.
海外における道路交通情報を活用した
ビジネス展開事例
119
Ⅲ.海外における道路交通情報を活用したビジネス展開事例
1.英国における関連ビジネス動向
1)TrafficMaster 社の事例
(1)事業の全体概要
事業参入の
経緯
事業概要
・高速道路 M25 線におけるパイロットプロジェクト(1990 年〜)終了後の 1992
年に国から免許(12 年間)を取得し、本格営業開始。
【ビジネスモデルの基本構造】
・自ら道路上に設置した受信機等により道路交通情報を収集し、その情報をスタ
ンダードな道路交通情報として、またはさらに加工したより高度の情報/サー
ビスとしてユーザ(個人、業者)に提供し、情報料/ライセンス料を得る。
・同社の提供する道路交通情報を受信するための専用端末を販売し、対価を得る。
【中心となる収益源】
・B to C:受信機の販売、情報の販売(定額の受信料金を徴収)→最大
・B to B:自動車メーカへのハードの販売、自動車関連サービス業者、通信業者
等への情報の販売
【サービス提供エリア】
・イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、米国
公共
セクター
との関係
【規制】
・政府は同社に事業実施のためのライセンスを、英国道路交通法に従い付与する
のみである。目立った規制は存在しない。
・この背景には、イギリスでは、道路交通情報の提供サービスは必須のものでは
なく付加的サービスと位置付けられていることがある。そのため、供給の担い
手は国ではなく民間事業者が適しているとされ、民間事業者による取組みを促
(NRI 知的資産創造 2001 年 5 月『社会システムの IT 化と産業育成』よ
進している。
り)
【支援】
・公共セクターによる支援は存在しない。補助金、取引のいずれもなく、公共の
資金は同社に全く流れていない。
競合状況
・参入から 2001 年現在まで、競合相手は存在していない。
財務状況
・1997 年に黒転後、2001 年に再び赤転。同社新商品 SmartNav (後述)の販促
費と、米国 Teletrac 社の買収が、その原因として Annual Report で説明されて
いる。
単位:千£
売上高
営業利益
税引き前利益
1996
3,447
-3,764
-3,406
1997
8,638
-671
241
1998
12,241
2,371
3,270
1999
15,053
3,140
3,830
2000
14,538
-2,773
435
2001
18,607
-17,446
-20,390
(出所)同社 Annual Report
120
(2)事業の仕組み等
情報収集方法
・道路上に Trafficmaster 社独自の情報収集装置(赤外線センサ、カメラなど)
を設置し、情報を収集している。
・イギリス全土 8,000 マイルの道路の全てを 7,500 のセンサーでカバーしており、
新たな道路建設等を除くとそのカバー率は 100%である。これらのセンサーを
利用することで 3 分おきに道路交通情報が更新される。(同社 HP より)
情報提供方法
・インターネット、携帯電話、ポケベル、電波ビーコン、ラジオ、テレビなど幅
広いチャネルで通信環境を確保している。この点は、日本や欧米諸国と共通し
ている。(
『トラフィックインフォメーション・コンソーシアム中間とりまとめ』より)
ユーザ(顧客) 【ユーザの種類】
・自動車を利用する個人
・自動車メーカー
・通信各社(携帯電話、インターネット用コンテンツの 1 つとして)
・ホテル(ホテルに大型ディスプレイを設置し、情報提供)
・ヒースロー空港(空港に大型ディスプレイを設置し、情報提供)
・物流システムベンダー(欧州委員会『The Well-TIMED Study』より)
【ユーザの声】
・欧州の自動車メーカーはスコットランドからイタリアまで欧州全体をカバー
するサービスを求めている。(現地紙誌情報等より)
今後の事業
展開方向
【B to C】
・道路交通情報の受信機(ディスプレイ)での単なる表示から、音声によるナビゲ
ーションならびに多様な情報の提供へと拡大している。
【B to B】
・道路交通情報の提供が基本だが、その利用方法において、エンドユーザへの
単純な提供から、物流システムへの応用や盗難車の位置情報特定技術への応
用等、より付加価値の高い分野へ拡大している。
海外展開の
方法
成功要因
・事業買収により各国への展開スピードを速めている。事業買収のほうが経営上
のリスクが低く済むというメリットもある。(現地紙誌情報等より)
【競合他社の不存在】
・政府が、道路交通情報網の整備を民間に任せると決定した当時、
Trafficmaster 社以外の企業はどこも参入を表明しなかった。2001 年現在
も、競合他社なしの状態が続いている。
【事業の多角化】
・Trafficmaster 社は、まず自社で車載機の開発を行い、サービス導入の足が
かりとした後、自動車メーカーやキャリア、物流システムベンダーまでもク
ライアントとし、消費者市場以外のドメインでも事業を拡大した。クライア
ントのニーズに合わせ、サービス形態や価格を設定する同社の戦略が、同社
のビジネスを拡大せしめたと言える。また、海外展開も積極的である。これ
らの多角化によって、収益を確保可能な売上規模を実現できたものと考えら
れる。
121
(3)ビジネススキーム
①ビジネススキームの全体像
・Trafficmaster 社は、「①自前で構築したセンサーから集めた道路交通情報コンテンツの
提供」、「②これを利用者に提供する端末機器販売」、「③各社とのライセンス契約(コミ
ッション)」などから収入を得ている。
・売上規模が最大の事業は、 エンドユーザへのハード(道路交通情報受信端末)の販売
である。
・政府からは、事業を実施するためのライセンスを取得しているのみで、取引や補助金等
は存在しない。
ライセンス
Trafficmaster社
政府
ライセンス料金
ライセンスの提供
情報料金
ハード 情報料金
・
ハード・
情報提供
ハード料金
情報料金
道路交通情報等の提供
ハードの提供
道路交通情報等の提供
(自前で道路にセンサーを設置、コンテンツ作成、受信端末製造(OEMを含む))
民間事業者
サービス料金等
1
関連サービス
通信費等
自動車購入代金
新車に設置
提供する多種のコン
テンツの つとして道
路交通情報を提供
(自動車メーカ、自動車関連団体、通信各社、物流会社等)
エンドユーザ
【事業スキーム(2)〜(4)】
【事業スキーム(1)】
(資料)TrafficmasterホームページならびにAnnual Report(2001年度)より作成
・以降では、Trafficmaster 社の事業のうち、下記 4 つのビジネススキームの概要を整理し
た。
a.エンドユーザへの道路交通情報受信端末の販売(B to C)
b.盗難車両追跡サービス ”RAC Trackstar”(B to C/B to B)
c.Motoring Organization、通信各社との取引(B to B)
d.物流システムベンダーとの取引(B to B)
122
②個別ビジネススキーム
a.
エンドユーザへの道路交通情報受信端末の販売(B to C)
・Trafficmaster 社が道路交通情報関連コンテンツとその受信端末を製造し、直接または自
動車に搭載して間接的にエンドユーザに販売している。受信端末を購入したエンドユー
ザは、定額の接続料を Trafficmaster 社に支払って使用する。
・受信端末の価格は、それぞれ次のとおりである。
−道路交通情報の音声情報のみ受信する安価なもの( Trafficmaster Freeway )で
約£80(=約 15,000 円)
−白黒ディスプレイのスタンダード品で約£190(=約 36,000 円)
−衛星による、道路交通情報に基づき最適ルートを自動で受信できるカーナビゲー
ションユニット(”Smartnav”)で約£500(約 96,000 円)
・情報接続料は、道路交通情報の音声情報のみで£30(=約 6,000 円)/年、カーナビゲ
ーションユニット用の情報で£120(=約 23,000 円)/年である。
[自動車メーカ経由:B2B]
[直接:B2C]
Trafficmaster社
(ハードの製造(OEM版も)、道路交通情報関連コンテンツの作成)
ハードの提供
コンテンツの
提供
Trafficmaster社
(ハードの製造(OEM版も)、道路交通情報関連コンテンツの作成)
ハード料金
自動車メーカ
(BMW, FIAT等 )
情報料金
自動車に標準搭載/オプ
ションとして搭載し、提供
ハード料金
ハードの提供
ハード料金
道路交通情報の
提供
情報料金
(自動車購入料金に含まれる)
エンドユーザ
エンドユーザ
[個人消費者向け製品]
商品(ハード)名
Trafficmaster YQ
Trafficmaster YQ2
Trafficmaster Freeway
Trafficmaster Monitor
Smartnav
提供情報内容
○道路交通情報を配
信
○3分おきに更新され
る道路交通情報(渋滞、
事故情報)を表示
○道路交通情報+天気予
報、ニュース
○3分おきに更新される道
路交通情報(渋滞、事故
情報)を表示
○道路交通情報を配信
○進行方向の道路交通
情報を音声でアナウンス
○道路交通情報+ニュース、天
気予報、現在位置情報(モニター
上に表示される)を配信
○3分おきに更新される道路交
通情報(渋滞、事故情報)を表
示
※カーナビ機能はない
○道路交通情報+カーナビ
(音声)、付近の病院、レストラ
ン、駐車場等の案内、各種予
約、緊急時のサポート等
○ボタンを押すとTrafficmaster
のナビゲータに接続。行き先を告
げると、以降音声にて道順を案
内
端末内容
モニター(受信ユニット
内臓)
モニター(受信ユニット内
臓)
受信ユニット(音声案内
のみ、モニターなし)
モニター(タッチスクリーン、受
信ユニット内臓)
Smartnavボタン、車載ユニット、スピー
カー(モニターなし)
価格
(ハードはVAT
税込)
右記YQ2と同程度
ハード:£189.99(1ヶ月の
Info. key込み)
Info. keyのみ:£110.00/y
デスクスタンド:£39.95
ハード:£79.99(1年分の
情報料込み)
情報料のみ:£30.00/y
使用料月額:£19.50/m
購入価格:£799(3年間のアク
セス権込み)
ハード:£499.00
オプションGPSアンテナ:
£39.99
サービス料:(下表)
(参考)1£=192円(2003年4月28日時点)
(資料)TrafficmasterホームページならびにAnnual Report(2001年度)より作成
123
[Trafficmaster YQ2
端末イメージ]
[Trafficmaster Monitor
端末イメージ]
[Trafficmaster Freeway
端末イメージ]
[Smartnav のサービス 料金体系]
[Smartnav サービスイメージ]
124
b.
盗難車両追跡サービス
”RAC Trackstar”(B to C/B to B)
・GPS により盗難車両の追跡を行う、SECOM の同種事業(ココセコム)に類似のサービ
スである。
・RAC(Motering Organization 大手)とのジョイントベンチャーである RTT(RAC
Trafficmaster Telematics)社が直接のサービス供給主体である。
・ルノー、スバルの新車に標準装備されている場合(この場合も、エンドユーザは定額の
使用量を RTT 社に支払う)と、エンドユーザが直接 RTT から受信機を購入する場合と
がある。
・今後、保険会社にも売込む予定とされている。
(出資比率)
50% 50%
Trafficmaster社
[RAC Tracsterの料金体系]
RAC※社
※Royal Automobile Club
(JV) RAC Trafficmaster Telematics社(RTT)
ハード料金
自動車購入
年会費
スバル
ルノー
盗難情報
自動車メーカ
(標準装備)
ユニット︵ハード︶
提供
ハード
料金
自動車
購入料
金
盗難情報
ユニット提供
(RAC Tracster)
警察
迅速に盗難車を発見
可能、事件解決
エンドユーザ
(資料)TrafficmasterホームページならびにAnnual Report(2001年度)より作成
125
c.
Motoring Organization、通信各社との取引(B to B)
・Trafficmaster 社から自動車関連サービス企業/団体(Motoring Organization)や通信
業者に道路交通情報を提供する。
・各社は、Trafficmaster 社から購入した情報を加工する等して、数多く提供しているコン
テンツやサービスの一種として、道路交通関連情報ならびにサービスをエンドユーザに
提供する。
例)Automobile Association(AA)という運転者団体(1999 年に株式会社化。日本の JAF の
ような存在)では、電話応答サービス、インターネットや携帯電話を通じた道路交通情報ビ
ジネスを実施しているが、その原データの一部は TrafficMaster 社のデータである。
Trafficmaster社
道路交
通情報
料金
通信業者
Motoring
Organization
(JV)
RTT
RAC※
AvD
(ドイツ)
AA*
各種サ
ービス
Vodafone
Virgin
各種コン
テンツ
料金
Orange
Motrola
料金
エンドユーザ
エンドユーザに届くサービスの内容:
道路交通情報そのものの提供と、その他のサービス、コンテンツの複合
※RAC:Royal Automobile Club (日本のJAFのような緊急時対応サービスから発展し、現在は保険、旅行、自動車学校などを手がける企業)
*AA:JAFの英国版
(資料)TrafficmasterホームページならびにAnnual Report(2001年度)より作成
126
d.
物流効率化システムの提供(B to B)
・物流システムベンダーである Cybit 社や、物流各社に道路交通情報(道路脇のセンサー、
GPS による情報収集と、顧客敷地内に設置するコントロールセンターによる情報集約、
提供等のセットで、Fleetstar と呼ばれるパッケージ)を提供する。
・Cybit 社は、Trafficmaster 社から得た情報を加工し、物流各社にシステムとして販売す
る。
・提供されるシステムは、渋滞/事故情報のほか、配車の効率化を促す管理システムを含
んでいる。
Trafficmaster社
物流効率化
パッケージ
料金
(Retaining a 10%
interest in the business)
Fleetstar
物流効率化
パッケージ
Cybit社(物流システムベンダー)
Fleetstar
システム
料金
(約£30/車
一台、月)
料金
物流A社
物流B社
物流C社
物流各社
Shoe Zone ltd.
Tesco plc.
(シューズ販売大手)
(ネットショッピング大手)
(資料)TrafficmasterホームページならびにAnnual Report(2001年度)より作成
[Fleetstar サービスイメージ]
出所)Cybit 社ホームページ
127
・・・
参考:ビジネスの沿革
1988 年:設立
1990 年:M25 線とロンドンにおいてパイロットプロジェクトを実施。
政府からライセンスを獲得
1992 年:パイロットプロジェクトの評価が良好だったことにより、
以後 12 年間に渡りイギリス全土を対象としてサービスを
展開することが政府により認可された。
1994 年:the London Stock Exchange に上場し資金調達。同年、イ
ギリス全土に情報収集端末を設置完了。
資金調達により事業基盤を整備
1995 年:Trafficmaster YQ の販売を開始。また、ホテル、ショッピ
ングセンター、空港などで周辺の交通情報を設置する大画
面を設置した。
1996 年:音声認識システムをベースとした Trafficmaster オラクルを
ドイツオラクル社に OEM 供給。
1997 年:Cellent 社の GSM 携帯電話に道路交通情報を提供すること
が決定。同年、黒字化を達成。
1998 年:シトロエン社が、2001 年モデルからオラクル社の道路交通
アライアンスにより欧州におけ
情報システムを採用することを発表。新しい携帯電話向け
る事業を拡大
サービスは Vodafone により採用されることとなった。
1999 年:RAC(Royal Automobile Club)とジョイントベンチャー
RAC Trafficmaster 立ち上げ、RAC Trackster(盗難車追跡
サービス)のサービスを開始。両社の強力なブランドを活
かしサービスの浸透を図る。また、同年、欧州各国の道路
交通情報事業者との提携が進んだ。
2000 年:モトローラと Trafficmaster は提携関係を強化し、GSM 経
由のより強力な道路交通情報サービスを展開することを決
定。また、同年、物流事業等の B to B 向けサービスパッケ
ージ Fleetstar を発売。またルノー社、三菱自動車、ランド
M&A によりアメリカにおける事
ローバー社に OEM 供給することが決まった。さらに、ア
業を拡大
メリカのデトロイトとミシガンに事業所を設立しアメリカ
進出を開始。
2001 年:Trafficmaster Moniter の販売を開始。アメリカの Teletrac
社を買収しアメリカ市場における事業拡大を本格化。
2002 年:新たな本格的テレマティックサービス Smartnav を販売。
出所)同社ホームページ
128
2.米国における関連ビジネス動向
1) Smart Route Systems 社の事例
~ボストンにおける事業展開を中心に~
(1)事業の全体概要
事業参入の 【ボストン】
経緯
事業概要
・1993 年にマサチューセッツ道路局(以下、MHD)と PPP 方式で契約。
・3 年間の営業テストを経て、1996 年より本格営業開始。
【ビジネスモデル】
・公共セクターからの委託契約(450 万ドル/3 年で委託。月に 15,000 ドルず
つ支払。
)により、自ら道路上に設置した受信機により得た情報と、地域の公
共セクターが設置した受信機により収集された情報とを集約し、加工して個人
消費者に「無償」で提供する。
・道路交通情報を民間業者に転売することで情報料を得る。
・道路交通情報を個人消費者に提供する際に広告枠を設け、その枠を民間事業者
に売ることで広告料を得る。等
【中心となる収益源】
・同社の収入のほとんどは公共セクターからの委託料で構成されている。
・州の費用負担は、情報収集等にかかる費用の 70%。残りの 30%は、その情報
の転売を認められていることから、SmartRoute Systems 社が負担する。
・現在、政府からの委託料は、100%が州予算より拠出されている。(以前の契
約では、80%は国家予算、20%が州予算であった。米国の公債発行上限によ
り、今年は国家予算 0%となっている)(米国交通省 ATIS U.S. Business
Model Review (2001)より)
【サービス提供エリア】
・全米 83 都市(2002 年現在)
(
「交通工学」37(3)渋谷論文(pp.31-34)より)
公共セクタ 【規制】
ーとの関係
・PPP 方式で事業を行っているものの、収集した情報を他社に転売することや、
情報を提供するにあたり広告枠を設けて広告主に売り、広告料を得ることも禁
止されていない。2
・MHD と SmartRoute Systems 社との関係は、利益分配の方法を巡り、これま
で変化してきた。
・以前の契約では、利益の分配が予定されていたが、メディア各社との広告枠の
バーター取引が多かったため、利益はほとんど残らず、MHD の手元にはほと
んど分配されなかった(1996 年:221 ドル、1997 年:100 ドル未満)
。
・現在の契約では、利益の分配やプログラム・マッチングは求められない。道路
局は実際のコストとサービス契約の料金として上乗せした分を SmartRoute
Systems 社に支払っている。
【支援】
・同社の公共セクターに対する資金面、インフラ面での依存度は高い。
− 同社の収入源の大部分は公共セクターによる委託料である。
2
ただし、同社の所有する情報には、公共セクターのインフラを用いて収集したものも含まれるため、これによ
り利益を得ることを問題視する声もある。
129
− 情報収集には公共の設備も使用されている。
130
競合状況
【ボストン】
・電話による道路交通情報の提供サービスは、マサチューセッツ道路局から
Smart Route Systems 社単独に委託された事業であるため、現段階で同州内
においては、競合他社は存在しない。
・但し、後述の Mobility Technologies 社をはじめ、全米には複数の同業他社が
存在する。
財務状況
(参考)
・2000 年 11 月、Smart Route Systems 社は、総合メディア企業・Westwood one
社により、買収されている。(単独での財務状況は不明)
・親会社である総合メディア企業 Westwood One 社は、最近 5 年間は税引き前純
利益で黒字を計上している。
(単位:千ドル)
Net Revenue
Operating Income
Net Income
1998
259,310
33,354
13,046
1999
358,305
60,797
23,887
2000
553,693
103,494
42,283
2001
515,940
98,393
43,195
2002
550,751
178,897
109,115
出所)Westwood One 社ホームページ
今後の方向
・511(国家規模の交通ダイヤル※)が開始された場合、MHD ならびに SmartRoute
Systems 社はそのサービスプロバイダとなる。この場合、以下の問題が生じる可
能性があると指摘されている。
①511 に番号が変わるとユーザは電話料金が不要となるが、この結果一般回線
の電話局の電話料金収入が減少する。
②域外からの電話のコストは、誰が負担するのか
③SmartRoute Systems 社が破綻した場合、どう対処するのか 等
※511:
米国交通省(USDOT)が Federal Communication Commission(FCC)に要請し、2000
年 7 月に実現した、国家規模の交通情報ダイヤル。
当ダイヤルへの参加の是非やサービス内容、運用の方法、サービス提供主体、有料と
するか否かまでも、それぞれの州政府に判断が委ねられている。州が当ダイヤルへの
参加を決めると、国から州政府に対し、州に既存の交通情報ダイヤルから 511 への移
行をサポートするものとして、補助金(最高$50,000)が拠出される。
参考:ビジネスの沿革
1988 年:会社設立
1993 年:ボストンにて、PPP 方式で契約。テスト営業開始
1996 年:ボストンにおけるテスト営業が成功裏に終了。本格営業開始
1997 年:ワシントン DC にて、PPP 方式で契約。営業開始
2000 年 11 月:Westwood one 社により、買収される
131
(2)事業の仕組み等
情報収集方法
【インフラ】
・自前のカメラやセンサーによる情報の他、サービス対象地域の公共セクター
が所有するカメラやセンサーにより収集された情報も集約している。
・ボストンにおける情報収集に使用されているビデオカメラ 68 台のうち、36
台が SmartRouteSystem 社の自前のカメラであり、29 台が MHD、3 台が
MassPort 所有のカメラである。
・マサチューセッツ州の警察、交通局、ボストン運輸省等と直接リンクし、事
故情報などにダイレクトにアクセス可能である。
・収集された情報は、WINGS(Windows and Internet Next Generation
System)と呼ばれるデータベースに手入力される。入力された情報により、
電話や Web での公開情報が更新される。
【情報収集ボランティア Road Reporter 】
・カメラやセンサーによる道路交通情報収集以外に、Road Reporter と呼ばれ
るボランティアの道路交通情報収集システムを展開している(ボストンにお
いては、携帯電話ボランティア 550 人、無線ボランティア 150 人が存在)
。
・事前にボランティアとして Web、電話等で登録した利用者自身が、直面し
ている道路状況・交通事故等をオペレーションセンターに携帯電話等を通し
て報告するシステムである。
(Road Reporter 募集・登録用 HP において、ボ
ランティア登録による利用者のメリット等に関する記載は見られない。)
【ヘリコプター】
・35 機の自前のヘリコプターがモニタリングを行っている。
【航空機】
・65 機の自前の航空機がモニタリングを行っている。
【オペレーションセンターに情報を集約】
・これらのチャネルにより収集された情報は、アメリカ全土に 65 ヶ所あるオ
ペレーションセンターに集約される。(SmartTraveler のサイトより)
情報提供方法
【一般利用者向けサービス/B to C】
・電話、ラジオ、インターネットによる一般利用者向け情報提供は無償で行わ
れている。また、他のワイヤレスデバイス(PDA など)への情報提供も近
く開始する予定である。
(『トラフィックインフォメーション・コンソーシアム中間とりまとめ』より)
・提供される情報の内容は、交通事情、道路工事の状況、移動時間、積雪情報、
駐車場情報、空港情報等である。(アメリカ交通省『ATIS U.S. Business
Model Review』より)
・利用可能時間:工事・イベント情報:24 時間、リアルタイム交通情報:月
〜金 5:30-21:00、土日 10:00-19:00 である。
・全携帯電話キャリアが、コード「*1」のみで電話料金無料で SmarTraveler
サービスにアクセスできるシステムを提供している(一般回線電話の場合、
電話料金はユーザ負担となる)。
・Westwood One に買収された後は、地下鉄情報、ニュース、事故情報等を総
合的に提供することが出来るようになった。(Westwood One 社 HP より
http://www.westwoodone.com/srs_aboutus.asp )
132
情報提供方法
(つづき)
【法人顧客向けサービス/B to B】
・ナビゲーションシステム、ボイス・ポータル、無線ラジオ、インターネット、
等を通して、道路交通情報、ニュース、スポーツ、天気等に関する情報を供
給する。 道路交通情報関連では、事故情報、道路における車線情報、道路
工事の予定、代替ルート等の情報を提供している。(『トラフィックインフォメーション・コンソ
ーシアム中間とりまとめ』より)
ユーザ(顧客) 【ユーザの種類】
・自動車を利用する個人
・通信各社(携帯電話、インターネット用コンテンツの 1 つとして)等民間事
業者(Carpoint.com / The Boston Channel / Boston.com / Star Tribune /
Denver Post / Washington Post / AAA Southern New England / Chicago
Tribune / Sunspot.net / Orland Sentinel / CT now.com 等)
・地域の公共セクター(主に、交通/運輸系)
【ユーザの反応】
・電話サービスの利用回数:300 万コール/年(参考:ボストンの人口:約
60 万人、グレイターボストンの人口:約 300 万人)
・ボストンにおいて 1994 年(=テスト営業期間中)に、CS 調査(対象:個
人ユーザー2000 人)が実施された。この結果、48%のユーザの外出の意思
決定に影響を及ぼしたこと、また 97%のユーザが再度当サービスを利用す
る意思を持つことがわかった(詳細次頁)。
参考
外出の意思決定
への影響
CS
(顧客満足度)
Smart Route Systems のサービスに対する CS 調査(1994 年)結果
・48%のユーザの外出の意思決定に、何らかの影響を及ぼした。
⇒28%のユーザは、外出の予定を変更した。
→14%:出発時刻を変更
→12%:経路を変更
→ 2%:外出を中止
→ 1%:出発時刻と経路の両方を変更
⇒20%のユーザは、似たような複数の経路を比較する際に、道路交通情報
を参考にした。
・残りのユーザのほとんどは、自分が好ましいと考えた経路が通行可能ないし渋
滞していないかを確認するために道路交通情報を参考にした。
・8%のユーザは、道路交通情報を元に、遅刻すると会う予定の相手に伝えた。
・97%のユーザが、当サービスを再度利用する意思を持つ。
・85%のユーザが、10 段階中 8 以上の評価をつけた。
・68%のユーザが、当サービスによりストレスが減ったと答えた。
・67%のユーザが、道路交通情報提供主体に期待する全ての種類の情報を、当サ
ービスは提供していると評価した。
・63%のユーザが、交通問題から逃れたと答えた。
・59%のユーザが、時間を節約できたと答えた。
・51%のユーザが、時間どおりに目的に着けたと答えた。
出所)Smart Route Systems 資料
133
(3)ビジネススキーム
○ボストンにおけるビジネススキーム
・同社の収入のほとんどは、公共セクターからの委託料(電話サービス運営コストの 7 割
+サービス料、州予算から拠出)で構成されている。
・また、自社の所有する情報(自社で収集したもの、他の公共機関が収集して Smart Route
Systems 社に集約したものを含む)を他のインターネット事業者やラジオ、テレビ事業
者へ転売することによっても利益を得ている。
契約金450万ドル/3年間
【他の民間事業者】
(15,000ドル/月ずつ支払)
広告料
広告主
情報料/広告枠
道路交通情報
道路交通情報
情報料金不要
情報
料金
情報
マサチューセッツ州警察
マサチューセッツ交通局
他の総合情報
料金
×
道路交通情報
広告
Smart Route
Systems社
にて︶
︵
電話︑ Web
Weswood
One社
マサチューセッツ道路局(MHD)
広告枠提供
情報
情報企業
【公共セクター】
ボストン運輸省
・・・
税金
エンドユーザ
【電話により提供する情報と「広告枠」のイメージ】
10秒
広告
出所)米国交通省
道路交通情報(渋滞・事故情報等)
ATIS U.S. Business Model Review (2001)より作成
134
20秒広告
修了
ユーザが
センター
に電話
[SmarTraveler の Web ページ(ボストンのトップページ)
]
(上図から道路を選んでクリックすると、下のようなページが表示される)
135
136
[SmarTraveler の Web ページ(ビデオイメージ公開ページ)]
137
[Road Reporter 登録募集ページ]
138
2) Mobility Technologies 社(旧社名 Traffic.com)の事例
(1)事業の全体概要
事業参入の
経緯
・1998 年に米国交通省(以下、USDOT)と PPP 契約(競争入札に勝って受注し
た形)
。
・これにより、21 都市におけるセンサー等の設置権を獲得。現在、フィラデルフィ
アとピッツバーグにセンサー網を構築済みであり、今後シカゴとダラスにも同セ
ンサー網を構築する予定である。
事業概要
【ビジネスモデル】
・公共セクターからの委託契約により、自ら道路上に設置した受信機により得た
情報と、地域の公共セクターが設置した受信機により収集された情報とを集約
し、加工して個人消費者に無償または有償で提供する。
・道路交通情報を民間業者に転売することで情報料を得る。
・道路交通情報を個人消費者に提供する Web サイトに広告バナーを設け、その
バナーに民間事業者の広告を掲載することで広告料を得る。
【サービス提供エリア】
・ボルチモア、シカゴ、ダラス、フォートワース、ヒューストン、デンバー、デ
トロイト、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、オーランド、タ
ンパ、フィラデルフィア、ピッツバーグ、セントルイス
(「交通工学」37 巻 3 号(2002)渋谷論文(pp.31-34)より)
公共
【規制】
セクター
・PPP 方式で事業を行っているものの、収集した情報を他社に転売することや、
との関係
Web サイトにおいて広告バナーを設け、民間事業者から広告料を得ることも
禁止されていない。
・個人に対する電話による道路交通情報提供サービスも、有料化が可能。
【支援】
・PPP 契約により、センサー設置を協力して行っている。具体的には、ある都
市圏の整備費用が 300 万ドルとすると、そのうち米国運輸省が 200 万ドル程
度を補助し、残りを地方運輸局と同社で折半している。その対価として、米国
運輸省ならびに地方運輸局は、収集した交通データへ永続的にアクセスするこ
とができ、交通流管理や路線計画などに活用されている。
競合状況
・米国内の同業他社。上記 SmartRoute Systems 社等。ただし、USDOT が特
定の都市をセンサー網構築対象として選定した場合、その地域におけるセンサ
ー網構築は独占的に行なうことができる。
財務状況
・売上、従業員数以外不明。
売上
百万ドル
従業員数 人
1999
18.1
70
2000
15
112
2001
15
149
2002
149
出所)Investext Broker Reports (05/11/2002)
今後の方向
・サービス提供エリアを拡大中
参考:ビジネスの沿革
沿革
1998 年:Traffic.com 社設立
139
2001 年 6 月:社名を Traffic.com,Inc から Mobility Technologies,Inc に変更した。
140
(2)事業の仕組み等
情報収集方法
【デジタル・トラフィック・パルス・センサー】
・同社独自のセンサー「デジタル・トラフィック・パルス・センサー」を主要
な道路に設置している。
・センサーは、車線ごとに車両をカウントし、平均速度と旅程時間を算出する。
・それぞれの都市に設置されているトラフィックオペレーションセンターで、
センサーによって収集された情報と事故等の情報を併せて加工している。
【収集する情報の種類】
・上記センサーによる情報(渋滞情報、進行速度等)
・街頭に設置したビデオカメラによる画像
・ヘリコプター、飛行機による追加情報
・モバイルユニット(詳細不明)
・公共セクターによる情報(警察、道路局、港湾、気象等)
情報提供方法
【個人ユーザ向けサービスメニュー/B to C】
(サービスメ
・Traffic Pulse Voice (有料)
ニュー)
個人ユーザ向けサービスのうち、唯一有料のサービス。ユーザがセンターに
電話で利用する高速道路、乗る IC ならびに降りる IC を伝えると、該当区
間の状況、所要時間等の情報を提供するサービス。現在はフィラデルフィア
でのみ実施中だが、他の地域へも拡大予定である。
・ラジオソリューション(無料)
特徴①:ラジオによる情報提供。リアルタイムで、事故等の発生状況を知ら
せる。
特徴②:専用端末を通して、ラジオ放送と連動したメッセージを表示する。
・テレビ&ケーブルソリューション(無料)
特徴①:ヘリコプター、街頭に設置されたテレビカメラを通したモニタリン
グにより、センサーだけでは収集できない道路交通情報を収集して
いる。
特徴②:専用端末を通して、放送内容と連動したメッセージを表示する。
【事業者向けサービスメニュー/B to B】
・テレマティクス事業者向け道路交通情報提供サービス
・物流マネジメント支援
・広告サービス
ラジオ、テレビ等を通した道路交通情報提供の際に併せて広告を提供し、広
告主から収益を得るビジネスも行っている。
【提供情報の特徴】
・どのような電話、ワイヤレスインターフェースであっても情報提供が可能で
ある
・声による操作を実現した。
・デジタルコンテンツを 60 秒ごとにストリーミング配信(Web ベース)して
いる。
ユーザ
(顧客)
【ユーザの種類】
・自動車を利用する個人
・公共セクター
・通信各社(携帯電話、インターネット用コンテンツの 1 つとして)等民間事
業者
141
142
(3)ビジネススキーム
・Mobility Technologies 社は、アメリカ政府交通省と契約を結んでいる。契約における
Mobility Technologies 社の義務は都市部における道路交通情報提供サービスの普及であ
る。(詳細は不明。)
【公共セクター】
【他の民間事業者】
広告料
広告主
情報企業
PPP契約
広告枠提供
情報料/広告枠
道路交通情報
料金
料金
情報
地域の公共機関
情報
(サービ
スの一部
は有料)
道路交通情報
道路交通情報
広告
情報
情報料
他の総合情報
︵
電話︑ Web
にて︶
Weswood
One社
Mobility
Technologies
社
U.S. DOT
エンドユーザ
出所)米国交通省
ATIS U.S. Business Model Review (2001)より作成
[Traffic.com のサイトイメージ]
143
税金
[Traffic.com の情報収集センサー(左)、情報収集・提供のイメージ(右)]
[個人向け有料サービス
Traffic Pulse Voice のサービスイメージ]
[個人ユーザ]
[コールセンター]
1.(コールセンターに電話)
2.「どちらの高速道路をご利用ですか?」
3.「XXX 高速道路です」
4.「どちらの IC から乗られますか?」
5.「YYY IC から乗る予定です」
6.「どちらの IC から降りられますか?」
7.「ZZZ IC から降りる予定です」
8.「XXX 高速道路、YYYIC−ZZZIC 間の道路交通
情報をお知らせします。」
「○○地点で事故、△△―□□間で X キロの渋
滞。YYYIC−ZZZIC 間の所要時間は XX 分で、
通常と比べると△分の遅れ・・・」
[Traffic Pulse Voice の料金体系]
・ The Monthly Plan:$9.95(40 コール/月まで。以降、40¢/コール課金)
・ The Per Call Plan:$0.95
144
3.ドイツにおける関連ビジネス動向
1)DDG 社
事 業 参 入 ・ドイツの通信大手 Mannesmann Eurocom 社(後に Vodafone に買収される)と T-Mobile
の経緯
社(Tegaron 社の親会社)とがタスクフォースを組み、デュッセルドルフ−ケルン−ボン
間でパイロットプロジェクトを 1995 年に実施し、成功裏に終了した。
・上記の両社が 50%ずつ出資し、道路交通情報の収集・加工のためのジョイントベンチャ
ーとして、DDG 社を設立した。 (DDG 社ホームページより)
事業概要
【ビジネスモデル】
・道路交通情報の収集・加工が会社設立の目的。
・出資した両社が道路交通情報とその収集インフラを共有化することで、スケールメリッ
トを追求している。
・全国の高速道路に自ら設置した情報収集装置のほか、FCD 装備を搭載した一般車両の
位置情報、警察や道路管理者等からの道路交通情報を統合した上で、Tegaron 社と
Vodafone Tele Commerce 社に有償で提供している。
(将来的に、この2社以外へ販売
することも検討中)
・Tegaron 社と Vodafone Tele Commerce 社は、DDG 社からの情報と警察、道路管理者
等からの情報を統合し、車載機、PDA、インターネット等によりユーザに道路交通情
報を提供している。また、両社はこれらの情報を他の携帯電話事業者や自動車会社にも
有償で提供している。
【サービス提供エリア】
・市街地道路ではなく都市間を結ぶ高速道路を中心としたサービスとなっている。
(『トラフィックインフォメーション・コンソーシアム中間とりまとめ』
、欧州委員会『The Well-TIMED Study』
より)
公 共 セ ク 【公民の役割分担に関する考え方】
ターとの
関係
・ドイツでは、公的セクターの役割は交通量の管理とそのための道路建設への資金供給が
主な役割であるとされている。こうした考え方に基づき、道路交通情報については、公
的セクターは無料の情報を平等に提供し、民間セクターは個々のユーザのニーズに基づ
いて新たなサービスを提供する、という役割分担が想定されている。
【規制】
・道路交通情報の提供に際して、特別なライセンス制度や規制はないことが、法律
(Information and Communication Services Act,1997 年)で明記されている。
【支援/契約】
・1995 年の経済フォーラムにおいて、公的セクターは、収集した情報を民間事業者に提
供し政策的に新しいサービスを支援していくことを決定した。
(以上、欧州委員会『The Well-TIMED Study』より)
・2002 年 5 月、Baden-Wurttemberg 州における道路交通情報網整備のための PPP プロ
ジェクトである Mobin において、インフラ整備からビジネスのための情報網構築を
実施する契約を、公共セクターと行った。(DDG 社ホームページより)
(1)事業の全体概要
145
競合状況
・英国 Trafficmaster 社、ADAC 社(日本の JAF)
、放送局による TMC サービス等。
・DDG 社は他サービスに対し、情報の詳細さ、精度、緊急情報の量で差別化を図ってい
る。
(現地紙誌情報等より)格付け会社によるベンチマーク調査(情報の更新頻度、道
路のカバー率)において、最優秀の成績を収めている。
(欧州委員会『The Well-TIMED Study』、同社ホームページより)
[ベンチマーク結果]
(更新頻度(分))
(エリアカバー率)
(出所)同社ホームページ (http://www.ddg.de/)
参考:ビジネスの沿革
1995 年:
・デュッセルドルフ−ケルン−ボンの区間にて、高速道路でパイロットプロジェクトを
実施。自社のセンサーである SES による道路交通情報収集の開始。
1996 年:
・FCD(Floating Car Data)は、開始から 1 年で、1,000 車近くに搭載されるほどと
なった。これが、現在の DDG−Verfahrens の前身となった。
1997 年:
・DDG 社設立。
1997-98 年: ・この 1 年間で、4,000 台のセンサーが高速道路に設置され、高速道路の 70%のエリ
アをカバーし、渋滞等交通障害の 90%の把握が可能となった。
出所)同社ホームページ (http://www.ddg.de/)より作成
146
情 報 収 集 【自社のセンサーを設置(Stationary Recording System: SES)】
・全国の高速道路に自社で情報収集装置を 4,000 箇所設置している。
(約 4 キロメートル
方法
おきに設置している。)これにより、走行中の自動車のスピード、種類を把握。
・設置したセンサーは、英国 Trafficmaster 社のそれと互換する。
・SES の維持管理は、本機器の開発を行った SIEMENS が担当。※
【自動車にセンサーを設置(Floating Car Data: FCD)】※
・各自動車メーカーがオプションとして用意した FCD 装備(携帯電話の技術を利用)
を搭載した一般車両(2002 年現在で1万台)から、各車両の速度と位置に関するデー
タを収集。
・FCD 装備を搭載した一般車両の所有者は、各自動車メーカの提供するテレマティクス
サービスを割安に利用できるというインセンティブを受ける。
【公的セクターが収集したデータの利用】
・警察による情報
・各州の交通関連部門による情報
(『トラフィックインフォメーション・コンソーシアム中間とりまとめ』
、欧州委員会『The Well-TIMED Study』
より)
(※部分は「交通工学」37 巻 3 号(2002)中村論文(pp.35-41)より)
情 報 提 供 【法人顧客向けサービス】
・携帯電話端末を搭載した協力企業等の車両、警察や道路管理者等からの道路交通情報
方法
を統合した上で、T-Mobile Traffic 社(携帯キャリア T-Mobile の 100%子会社)や
(サービスメ
Vodafone Tele Commerce 社に有償で提供している。
ニュー)
【提供されるデータの種類】
・Traffic Message Stream
−道路・渋滞の状況、渋滞による遅延時間、進行スピード、イベントや天候に関する
情報/危険・注意喚起情報等
・Navigation Data services
−渋滞予測に基づいたナビゲーションのための元データ
・Traffic Tommorrow
−各地域におけるニュース等を継続的に収集し、提供
・Traffic Map
−上記情報を地図上に展開し、提供
(以上、同社 HP より)
【(参考)顧客企業によりユーザに提供されるサービス】
・個人ユーザ向け
−車載機、PDA、インターネットによる情報の提供
−随時更新、リアルタイムの最適経路案内
−長期予測情報(過去情報を元に計算、提供。30 分後等の短期予測は開発中)※
・法人ユーザ向け
−他の携帯電話事業者や自動車会社への提供
(同社ホームページ、※部分は前掲「交通工学」37(3)中村論文より)
ユーザ
【ユーザの種類】
・DDG 社の親会社である、T-Mobile Traffic 社、Vodafone Tele Commerce 社。
・T-Mobile Traffic 社、Vodafone Tele Commerce 社の同サービスのユーザは、各社の通
信サービス等の利用者である個人ユーザ、他の通信系企業、自動車系企業等。
(2)事業の仕組み等
147
148
(3)ビジネススキーム
①ビジネススキームの全体像
・DDG 社は、親会社である T-Mobile Traffic 社と Vodafone Tele Commerce 社からの道路
交通情報収集・加工委託料により収益を得ている。
・DDG 社から情報を得た T-Mobile Traffic 社と Vodafone Tele Commerce 社は、各企業の
エンドユーザ向けにそれぞれ個別に情報を加工し、提供する。また、加工した情報を、
別の通信業者や自動車関連企業にも提供している。
自社のセンサー、公共セクターの情報、
FCD装備搭載の一般車両により収集され
る情報を、親会社向けに集約、加工。
一般車両
(FCD装備搭載)
動的データ
インセンティブ
【民間セクター】
センサー
使用料金
他企業
(通信業者、自動
車関連企業等)
DDG社
仕様の
指導、
料金?
(T-Mobile TrafficとVodafone Tele CommerceのJV)
他企業
料金
加工
済み
情報
料金
50%ずつ出資
T-Mobile Traffic
(TEGARON)
料金
高付加価値の道
路交通情報
Vodafone
Tele Commerce
(PASSO)
料金
(電話、PDA、
Web等にて)
【公共セクター】
ドイツ連邦警察
地方の交通関連部門
基本的な道
路交通情報
高付加価値の道
路交通情報
料金
高付加価値
の道路交通
情報
(通信業者、自動
車関連企業等)
25ユーロ/年、地点
高付加価値の道
路交通情報
(電話、PDA、
Web等にて)
基本的な道
路交通情報
基本的な道
路交通情報
税金
DDG社の情報と、公共セ
クターから提供される情
報とを統合し、それぞれ
の抱えるエンドユーザ向
けに、情報をカスタマイズ
して提供。他企業にも販
売。
エンドユーザ
出所)
『トラフィックインフォメーション・コンソーシアム中間とりまとめ』、欧州委員会『The Well-TIMED Study』、DDG 社ホームページ
(http://www.ddg.de/)、「交通工学」37 巻 3 号(2002)中村論文(pp.35-41)より作成
149
4.フランスにおける関連ビジネス動向
1)Mediamobile 社
参入
・ルノー、リヨン水道社(la Lyonnaise dex eaux)、Sagem 社(通信、エレクトロニクス大
手)、フランステレビ(Television de France、フランステレコムの子会社)の連合体であ
る Carminat Consortium により、1996 年に設立される。
・主要株主は、フランステレコム、ルノー、TrafficMaster 社(英国)、Cofiroute 社(有料
道路整備受託会社)
。
・公共セクターの情報の利用に伴い、パリ市や官公庁との交渉に 2 年を要した。1997 年 7
月に交渉が完了し、同 10 月より、Ile de France 地方(パリ都市圏)にて事業化。
(Mediamobile 社ホームページより)
事業概要
【ビジネスモデル】
・公共セクターが道路に設置したセンサー等で収集した道路交通情報を購入し、またタク
シー会社との契約により自動車で収集したデータを加工し、エンドユーザに提供する。
・情報を受信するためのハードを開発し、販売する。
【サービス提供エリア】
・フランス全土 (Mediamobile 社ホームページより)
公 共 セ ク 【道路交通情報ビジネスの管轄主体等】
・各地方での道路交通政策は、自治体主導で、地元の警察ならびに軍により遂行されてい
ターとの
る。国レベルの機関は、CNIR(National Center of Road Information)のみ。
関係
・道路わきの施設は全て地元の公的セクターが所有し、それを利用しての情報収集を公的
セクターが直接または民間へ委託し、行っている。
【規制】
・道路交通情報サービスの政策枠組みによれば、企業が事業を始める際、公共セクターと
の契約またはパートナーシップを結ぶことが条件とされている。ただし、公共セクター
のデータを必要としないシステムの場合は、いかなる許可も必要ない。
【支援/契約】
・国レベルでの、公共セクターと企業とのパートナーシップ関係は、存在しない。
・民間事業者の参入をより容易にする試みが、大都市圏を中心に行われており、1998 年
の 11th プランでは 8 つの都市圏(リヨン、マルセイユ、リール、ボルドー、トゥール
ーズ、ナンテ、ナンシー、メス)と道路区域(リール−パリ−リヨン−マルセイユ−イ
タリア間、ならびにパリ−ボルド−スペイン間)で、国による契約関係の調整支援が行
われている。
(欧州委員会『The Well Timed Study』より)
競合
・INFOBUS、SKIPPER 等類似のサービスは存在するが、両サービスとも公的セクターと
の契約は行っておらず、規模は小さい。
・自動車クラブは、道路交通情報サービスの提供に関与していない。
(欧州委員会『The Well Timed Study』より
課題
・1 つの都市圏が複数の自治体にまたがっており、それぞれの自治体との契約等に苦心。パ
リにおける当事例は、公共と企業が協力できた唯一の成功例と認識されている。
・日本と同様、企業は公共セクターが収集した生データにアクセスすることができないため、
提供できる情報やサービスに限界がある。
(欧州委員会『The Well Timed Study』より
(1)事業の全体概要
150
151
情 報 収 集 【公的セクターが収集したデータの利用】
・国(SIER:Interdepartmental Service Traffic Management)、各自治体が自らの施
方法
設により収集した情報を購入して利用。情報料金として、パリ市には年間 40 万フランを
支払っている。
【民間の協力会社を利用したデータ収集】
・タクシー会社(G7 社、2,200 台の車両を所有)との契約により、タクシーに搭載され
たセンサーからも情報を収集。
【データ収集時の着目点】
・交通に影響を与えるイベント
・都市環境における交通状況
・大都市へのアクセスのための所要時間
・非渋滞時と比較した、時間的遅れ
(欧州委員会『The Well-TIMED Study』、Mediamobile 社ホームページより)
情 報 提 供 ・モバイル端末 TM2000 による提供
−地図情報を表示するディスプレイ。数値地図と RDS-TMC(FM ラジオにより提供され
方法
る文字情報)とを合わせて提供する。
(サービスメ
−出発地と目的地を設定すると、最適ルートと距離、所要時間、関係ルートにおけるイベ
ニュー)
ント等の情報を受信できる。
−購入費用 2,900 フラン(レンタル費用は 120 フラン/月)
・携帯電話による情報提供 WAP (Wireless Application Protocol)
−携帯電話で特定のサイトに接続すると、TM2000 と同様の情報を得られる。
−次世代携帯にも対応。
・インターネット
−自社ホームページ上で、情報提供。内容は、TM2000 と同様。
−他社ホームページの質の向上を目的とし、道路交通情報提供サイトを他社に提供。サイ
トの仕組みやデザインを顧客のニーズに合わせてカスタマイズする。(例:ミシェラン
のホームページ(→www.michelin-travel.com))
。
−提供する情報の内容、提供エリアは、上記 WAP と同様。
・イントラネット
−移動を伴う業務の効率化のため、他社のイントラネット用に、情報をカスタマイズして
提供。内容、提供エリアは、上記 2 つのサービスと同様。
・自動車への搭載向け
−ルノーの自動車に、オプションで端末 Carminat Traffic Info を搭載。
−購入費用 8,000 フラン(接続料込み)
、メンテナンス費用 99 フラン/年。
−TM2000 と同様の情報に加え、GPS による現在位置把握も可能。
※これらのサービスは、全て Visionaute というブランドで提供される。
ユーザ
【ユーザの種類】
・自動車を利用する個人
・ホームページを所有し、道路交通情報の公開によって同ページの付加価値を挙げよう
とする企業
・移動を伴う業務の効率化を目指す企業
・自動車メーカー
国際展開 ・英国の Cue 社、ドイツの Tegaron 社と、ITDA(International Traffic Data Alliance)
を 2000 年に締結し、2001 年から FM ラジオによる文字情報提供サービスの規格の標準
化を実施。欧州全土における同サービスのデファクト・スタンダードを標榜。
・米国とカナダの Cue 社のシステムとも互換する。
(2)事業の仕組み等
152
153
(3)ビジネススキーム
①ビジネススキームの全体像
・Mediamobile 社は、「①自前で構築したセンサーから集めた道路交通情報コンテンツの
提供」、「②これを利用者に提供する端末機器販売」、「③各社とのライセンス契約(コミ
ッション)」などから収入を得ている。
・Mediamobile 社は、各自治体ならびに国と契約を行い、公的セクター所有の道路交通情
報を購入している。
収集情報
協力会社
(タクシー会社)
【民間セクター】
料金
【公共セクター】
事業許可、
情報
Mediamobile社
イントラ
ネット用
情報
料金
インタ
ーネット
用情報
料金
ハード
他企業
他企業
(ミシェラン等)
(車による移動を伴う
業務の効率化)
ホームページ
を通して︑情
報提供
︵ホームペー
ジの機能向
上︶
車載用ハード
を自動車購入
時にオプション
として購入
自動車料金
ハ
+ード料金
インターネット︑携帯電話
による情報提供︵無償︶
ハード︑情報
ハード料金︑ハードの接続料金
ルノー
事業申請、
情報料金
エンドユーザ
出所)欧州委員会『The Well-TIMED Study』、Mediamobile 社ホームページより作成
[Mediamobile 社のデータプロセスチェーン]
出所)同社ホームページ(http://www.visionaute.tm.fr/)
154
SIER(国家機関)
各地方政府
道路
交通
情報
税金
[Visionaute の Web サイトイメージ]
出所)同社ホームページ(http://www.visionaute.tm.fr/)
[情報受信端末 ”TM2000”]
(写真は車載時。取り外して持ち歩くことも可能。サイズは W18cm、H12cm、D5cm。)
出所)同社ホームページ(http://www.visionaute.tm.fr/)
155
5.海外事例分析から得られる道路交通情報ビジネスへの示唆
前節までに整理したように、欧米諸国では、我が国に先行して道路交通情報を活用した民間
ビジネスが展開されてきた。これらの事例では、公的セクターとのパートナーシップの下、利
用者ニーズに対応した高付加価値な情報サービスを提供している。
本節では、これら海外の先行事例を踏まえつつ、我が国における道路交通情報を活用したビ
ジネスの展開に向けた示唆を整理した。
(1) 「個人市場開拓型」、
「公共市場代替・開拓型」など幾つかのビジネスモデル代替案が
【ビジネスモデルの捉え方】
考えられる。
英国では道路交通情報サービスは必ずしも必須の公共サービスとは見なされず、付加的な
サービスという位置付けのもと、民間事業者が中心となって事業が構築されてきた。そのサ
ービスの内容は、自動車への専用機器の搭載と、同端末を通じた情報サービス提供を基幹と
するものであり、どちらかと言えば『消費者や企業の潜在的ニーズ(個人便益)に着目して
ビジネスを開拓していく「個人市場開拓型」』と見なされるものである。
一方、米国における道路交通情報ビジネスでは、公共セクター(州政府・連邦政府)と民
間事業者とが PPP 契約を締結し、公共セクターのインフラにより収集された情報と、企業が
独自に収集した情報とを集約して消費者に無料(サービスによっては有料)で提供し、公共
セクターから対価を得ることを基本構造としている。この米国型のビジネスモデルは、
『従来
公的機関が担ってきたサービスを代替もしくは民間ノウハウにより高度化・効率化する「公
的市場代替・開拓型」』と見なされるものである。
我が国における改正道交法に伴う道路交通情報ビジネスについての議論は、どちらかと言
えば、これまで蓄積された ITS 技術等のシーズに立脚した個人市場開拓型のビジネスに偏重
しているきらいがある。
しかしながら、道路交通情報サービスへの対価負担についての消費者意識が未成熟な現状
や、ある程度の水準で官による情報収集機器整備等がされてきた我が国の経緯等を勘案する
と、
「公的市場代替・開拓型」のビジネスモデルも、有用な選択肢のひとつと捉えることがで
きると考えられる。
分類
公共市場
代替・開拓型
ビジネス
[PFI・アウト
ソーシング型]
概要
特
徴
分類
公共(国・地方自治体・外郭
団体)が直接の需要主体【お
金の払い手】となるもの。
政策に機動的に対応するので
すぐに顕在化する(短期的モ
デル)
官から民への動き(小さな政
府)も後押
公の蓄積したノウハウ・人材
の活用
例
・道路交通情報収集設備・機
器の管理・運営
新規高機
・
〃
能施設整備
・安全運行支援 など
156
概要
特
徴
消費者及び企業・団体・学術
機関が直接の需要主体となる
もの
マーケットが成熟するまで一
定の時間を要する(中長期的
モデル)
一度企業や生活者に定着すれ
ば成長性大
個人市場
開拓型
ビジネス
[市場形成型]
例
・予測情報、エリア限定情報
・道路付帯サービス(事故時
対応、保険等)
・娯楽・アミューズメント情
報
・マルチ・モーダル情報 など
(2)
段階的なビジネスモデルの構築・検討が現実的である。
【ビジネスモデルのステップ論】
既述の様に、英国、米国、ドイツ、フランスの道路交通情報を活用したビジネスを俯瞰し
ても幾つかの異なるアプローチを取っていることがわかる。
我が国における道路交通情報提供の経緯・特殊性及び、後述する気象情報のビジネス開拓
プロセス等をも勘案しつつ、我が国における道路交通情報ビジネスの展開に向けた示唆とし
ては、次のような段階的ビジネスモデル構築を視野に入れていくことが挙げられる。
①「公共市場代替・開拓型」から「個人市場開拓型」への展開
米国の事例はいずれも、道路交通情報提供サービスを公的サービスの一環とみなしつつ、
政府機関と民間事業者の PPP 契約を基本としている。
(米国では、英国とは異なり、ある
程度の道路交通情報収集機器等を政府機関が設置してきたという経緯もある。)
道路交通情報ビジネスに参入する事業者にとって、政府機関との契約により、一定の収
入を確保できる PPP 契約は、リスク回避の観点等から比較的魅力的なビジネススキーム
となる可能性がある。特に短期的な市場の顕在化(安定的な産業の離陸)を期する場合、
我が国においても有用なスキームとなり得ると考えられる。
さらに、米国の事例では、政府機関との委託関係を基本としつつ、収集した情報の転売
や高付加価値化等に伴うユーザーからの料金収入、企業からの広告料金収入等を得るなど
事業・サービスの多角化を進めつつある。
我が国においても、例えば PPP 契約など安定的な収益基盤を担保しつつ、個人市場を
開拓していくような高付加価値サービスを展開していく等のシナリオ(短期的な育成対象
市場と、長期的な育成対象市場との差別化)が考えられる。
②「事業者向けビジネス(BtoB)」から「消費者向けビジネス(BtoC)」への展開
海外事例を踏まえると、一般ユーザーに直接課金する「消費者向けビジネス(BtoC)」
に該当する商品・サービスを足がかりにして、道路交通情報ビジネスを立ち上げていくこ
とは、現実的には困難であると推察される。
英国 Trafficmaster 社の収益の大部分は、直接もしくは自動車メーカー等を経由したハ
ード(情報端末)の販売によるものである。また、米国では、個人消費者向けサービスの
大部分は無料で提供されており、主要な収益源を政府からの委託料、事業者への情報の転
売や広告料収入に依存している。このように、個人消費者向けの情報提供単体では、収益
を上げることは難しいと考えられる。
一方、後述する我が国の気象情報ビジネスにおいても、「事業者向けビジネス(BtoB)」
を先行的に開拓しつつ、
「消費者向けビジネス(BtoC)」に多角展開することで、ビジネス
としての成長を実現している。
以上を踏まえると、我が国における道路交通情報ビジネスの展開にあたっても、まずは
法人や政府・自治体などの「事業者向けビジネス(BtoB)」モデルを構築することで、ビ
ジネスの足場を固め、その上で、
「消費者向けビジネス(BtoC)」の多様な展開を期してい
くことが現実的なシナリオとして想定できる。
157
(3)
高付加価値化に向けたニーズの把握が重要である。
【サービスの高度化・高付加価値化】
既述の「事業者向けビジネス(BtoB)モデル」、
「消費者向けビジネス(BtoC)モデル」を
問わず、道路交通情報サービスの利用者のニーズを把握し、それに応えるサービスを提供す
ることは極めて重要である。
○「事業者向けビジネス(BtoB)モデル」の観点
諸外国における道路交通情報ビジネスをみると、通信キャリアやマスコミ系企業への情
報提供サービスのほか、物流の効率化を目的としたシステムベンダーに対しても情報・サ
ービス等が提供されている(英仏)。また、英国 Trafficmaster 社においては、盗難車追跡
サービスを損害保険各社に売り込もうという方向性も見られる。
このように、対事業者向けサービスは、道路交通情報に関連する様々なビジネスシーン
や現象に対応して、アイデア次第で多様なビジネスが実現可能であると考えられる。この
ためには、いかなる事業者がいかなる道路交通情報サービスに対してニーズを有するかを
把握することが重要である。
○「消費者向けビジネス(BtoC)モデル」の観点
英国の Trafficmaster 社等では、蓄積されてきた業務経験や技術、新たなツールの普及
等にあわせて様々な工夫を凝らし、利用者のニーズを掘り起こしたり、ニーズに合致する
新たなサービスを模索・提供したりしている。具体的には、草創期には、「3分毎に渋滞
情報を表示するサービス」のみであったものが、気象情報の提供、音声案内、緊急時サポ
ート、双方向道順案内など、新たなサービスを順次追加するなど、消費者の利用を喚起し
つつビジネスを拡大している。
こうしたことを踏まえると、我が国においても、道路交通情報ビジネスについて、一般
消費者がどのような潜在的ニーズを有しているのか明らかにする必要がある。
なお、このことは、BtoB ビジネスを展開していく上でも極めて重要である。なぜなら
ば、例えばマスコミ、通信キャリア等の事業者に提供する情報サービス・内容が、エンド
ユーザー(一般消費者)のニーズに合致しないものであれば、事業者にとって無用の情報
となる可能性が高いからである。
(4)
JARTIC 及び VICS センターから提供される情報を補う、新たな付加的情報源を検
【サービスの高度化・高付加価値化】
討する必要がある。
英米独の事例では、道路管理者等の公的セクターの保有する情報に加えて、独自の情報
収集(機器やチャネル)を行っている。これにより、情報のリアルタイム性等を担保する
など、高付加価値な情報提供を実現している。(公的セクターにより、充分な情報収集機
器等が整備されてこなかったという背景もある。)また、公的セクターによりある程度情
報機器等が整備されてきたフランスの事例では、タクシー会社との提携により、2,200 台
のタクシーにセンサーを搭載して追加情報の収集を行い、公的セクターから提供される加
工済情報と統合している。
一方、我が国では、公的セクターにより、従来からある程度の情報収集機器が整えられ
てきた。また、先般の道路交通法の改正により、民間事業者は、公安委員会及び道路管理
者の所有する情報を、JARTIC を経由して入手することができるとともに、それらを加工
158
した情報提供サービスを営めるようになった。
そのため、JARTIC 経由情報を加工・編集するという基本的なサービスについての、イ
ニシャルコスト等は軽微に収まる可能性がある。
しかしながら、JARTIC 経由情報については、情報の加工自由度が低いなど、民間事業
者によるビジネス活用に向けて、課題が多いことが指摘されている。
参考
情報の流れからみた英米と我が国との比較
・我が国のビジネス参入業者が容易に入手できる道路交通情報については、現在のところ、
英米の事例に比べて加工自由度が低い状況にある。
・英米事例では、いずれも情報収集の段階から参入企業がコミットメントできるため、ほぼ
収集したままの素のデータを入手できる。この種のデータは、ユーザのニーズに応じて柔
軟に加工できるために、サービスの幅を広げることができる。
・これに対し、日本で入手できる情報は、すでに JARTIC/VICS によりある程度加工され
た後のデータであり、その後さらに加工することが難しいものとなっている。サービスの
幅も、これでは一定以上広げることができない等の制約も推測される。
各企業が全部または一部担当
英米
インフラ
整備
情報収集
情報集約
情報加工
情報提供
日本
インフラ
整備
情報収集
情報集約
情報加工
情報提供
情報再加
工
情報提供
JARTIC/VICS
情報を購入
・企業が自らコントロールできるため、情報の加工自由度が高い。
・企業が自らコントロールできるため、情報の加工自由度が高い。
・しかし、全工程を企業が実施するため、参入時のイニシャルコスト
・しかし、全工程を企業が実施するため、参入時のイニシャルコスト
は高い。
は高い。
・企業は情報収集を行わないため、インフラの整備も収集そのもの
・企業は情報収集を行わないため、インフラの整備も収集そのもの
のコストも不要。このため、参入時のイニシャルコストは安く抑えら
のコストも不要。このため、参入時のイニシャルコストは安く抑えら
れる。
れる。
・その反面、情報収集・集約過程を参入企業がコントロールできな
・その反面、情報収集・集約過程を参入企業がコントロールできな
いのがネックとなる。現状JARTIC/VICSから購入できる情報は、
いのがネックとなる。現状JARTIC/VICSから購入できる情報は、
加工自由度が低い。
加工自由度が低い。
各企業が実施
こうした点を踏まえると、今後、我が国の道路交通情報ビジネスの展開においても、
JARTIC による情報提供だけに頼らず、付加的情報源を確保することが、ニーズに応じた
サービス多様性の観点、情報のリアルタイム性の観点等からも重要な視点となると考えら
れる。
海外事例を勘案した、付加的情報源の例としては、次のようなものがイメージされる。
○新たな情報観測機器等の設置
・道路管理者等の既設置の観測装置以外のモニター・センサー等の設置
・ヘリコプター・航空機・自動車等によるオリジナル情報の収集。特に、フランスが、
政府提供の情報に加えて、提携したタクシー会社からの情報を合わせて収集している
点、また、同じ自動車でも、1 万台もの一般車両にセンサーを搭載し、情報を収集し
ているドイツの例等は、注目に値しよう。
○一般ドライバー等の情報収集ボランティアの活用
・米国の SmarTraveler(ボストン)では、Road Reporter と呼ばれるボランティアから
の情報をも補助的な情報源としている。(700 人規模)
・この仕組みは、補助的な情報源に過ぎないものの、 一般ドライバーからのリアルタイ
ムな情報収集 、 道路交通ビジネスの知名度の向上 、 サービス会員の一体感の醸成
等の観点から、我が国においても検討する価値はある。
○JARTIC 経由情報(公安委員会及び道路管理者の所有する情報)の高度化要請
159
・公安委員会・道路管理者等から、より加工自由度の高い情報(raw-data)を入手でき
るよう、現行制度の改善。
など
160
海外事例一覧表
参入、事業化プロセス
公的インフラの程度
政府との関係
サービス概要
(B2C)
有償/無償
サービス概要
(B2B)
英国
TrafficMaster 社
政府がインフラを整備する企
業を募集→パイロット PJT→
政府が認可
米国
Smart Route Systems 社
マサチューセッツ交通省との PPP
契約、パイロット PJT
米国
Mobility Technologies 社
米国交通省との PPP 契約
あまり無し
認可のみ(中央政府)
ある程度有り
PPP(州政府)
ある程度有り
PPP(中央政府)
・道路交通情報の配信(所
要時間、平均速度等)
・ハード販売
・盗難車追跡
・音声ナビゲーション(専
用ハード使用)
・道路交通情報の配信
・道路交通情報の配信(渋
滞・速度情報、事故情
報、イベント情報等)
・電話によるナビゲーシ
ョン
有償
・道路交通情報の配信
・ハードの自動車メーカ
への販売・物流効率化
支援
無償
・道路交通情報の配信
・広告枠の提供
一部有償
・道路交通情報の配信
・広告枠の提供
・物流効率化支援
・道路に設置した独自の
カメラ、センサー
・道路に設置した自前の
カメラ、センサー
・自前のヘリ、航空機
・公的セクター所有のカメラ、
センサー
・ボランティアリポータ
ー
・地域
・道路に設置した自前の
カメラ、センサー
・街頭設置の自前のセン
サー
・自前のヘリ、航空機
・公的セクター所有のカメラ、
センサー
・地域
・ハード販売
・公的セクターからの委託料
・公的セクターからの委託料
・個人市場開拓型
・公共市場代替・開拓型
・公共市場代替・開拓型
・当初より個人市場開拓
型
・ハードのおかげで B2C 成
立
・個人市場開拓型に展開
中
・個人向け情報は無料
・個人市場開拓型に展開
中
・個人向け情報はほぼ無
料
・B2C、B2B とも、サー
ビス内容は多様(盗難
車追跡、音声ナビ、物
流効率化…)
−
・広告
・B2C、B2B とも、サー
ビス内容は多様(電話
ナビ、物流効率化、広
告枠提供…)
・街頭設置センサー
・ヘリ、航空機
情報収集源
対象エリア
主な収益源
ビジネスモデル
基本構造
示唆等
ビジネスモデル
ステップ論
サ ー ビ スの 高付 加価
値化
・都市間高速道路を中心
に情報サービス提供
追加的情報源
161
・ヘリ、航空機
・ボランティアリポータ
ー
参入、事業化プロセス
公的インフラの程度
政府との関係
サービス概要
(B2C)
有償/無償
ドイツ
DDG 社
通信系の 2 企業が道路交
通情報の収集のための JV
として設立
ある程度有り
一部 PPP(州政府)
なし
(親会社かつ顧客である
通信企業が、コンテン
ツのひとつとして、交
通量、車種、速度、旅
行時間、 渋滞・事故情
報、リアルタイム最適経路案
内情報等を提供)
有償
・道路交通情報の配信
サービス概要
(B2B)
情報収集源
対象エリア
主な収益源
ビジネスモデル
基本構造
示唆等
ビジネスモデル
ステップ論
サ ー ビ スの 高付 加価
値化
追加的情報源
フランス
Mediamobile 社
パリ市や官公庁との 2 年
間の事業認可交渉を経
て、パリ都市圏で事業化
→全国展開
有り
公的セクター所有情報のユー
ザ
・道路交通情報の配信
・ハード販売
有償
・道路交通情報の配信
・ハードの自動車メーカ
への販売
・顧客企業のインターネ
ット・イントラネット
向け情報
・公的セクターが収集・加工
した情報
・協力会社の自動車(タ
クシー)
・道路に設置した自前の
カメラ、センサー
・FCD 装備搭載の一般車
両
・自前のヘリ、航空機
・公的セクター所有のカメラ、
センサー
・高速道路、基幹的幹線 ・全国の高速道路
道路等が中心
・基幹道路・都市圏の一
般道
・親会社からの報酬
・ハード販売?
・個人市場開拓型、
・一部公共市場代替・開
拓型
・当初より個人市場開拓
型
・すべて B2B(親会社)
・個人市場開拓型
日本
規制緩和
有り
公的セクター所有情報のユー
ザ
・道路交通情報の配信
・その他、関連企業等が
模索中
・道路交通情報の配信
・その他、関連企業等が
模索中
・公的セクターが収集・加工
した情報
・全国の高速道路
・全国市街地内の主要道
路
・道路交通情報以外
・個人市場開拓型→公共
市場代替・開拓型も
・当初より個人市場開拓 ・当初 B2B(PPP)→B2C
に展開するシナリオも現実
型
的
・ハードのおかげで B2C 成
立?
・すべて B2B(親会社)
(親会社が提供するサ
ービスは多様)
・B2B 向けが特に充実
・自動車メーカ等は高付
加価値化に着手
・ヘリ、航空機
・FCD 装備搭載の一般車
両
・協力会社の自動車(タ
クシー)
・公的セクター所有情報に加
え、新たな情報源の検
討が必要
162
Ⅳ.
規制緩和活用ビジネスの先行事例分析
〜気象情報ビジネスの発展から見る道路交通情報ビジネスの可能性等〜
163
Ⅳ.規制緩和活用ビジネスの先行事例分析
〜気象情報ビジネスの発展から見る道路交通情報ビジネスの可能性等〜
1.先行事例としての気象情報に着目する理由等
道路交通情報は、日常的な生活・産業活動等を支える
公益性の高い情報
である。
一方、道路交通情報と同様に公益性が高い情報で、かつ先行して民間開放された情報として、
気象情報
が挙げられる。気象情報を活用したビジネスは、段階的な規制緩和と、民間事業
者の創意工夫が同時並行的に進展することによって、民間ビジネスとして成熟するという経緯
を辿ってきた。
本章では、規制緩和を活用した新ビジネス創造の先行事例として、気象情報ビジネスを整理・
分析し、今後の道路交通ビジネス展開に向けた示唆を得ることを試みた。
1)気象情報サービスの概況
気象情報は、一般市民の日常生活(傘の携行の要否等)の側面から、レジャー・イベントの
集客予測や、農作業の水確保など様々な分野で利用されている。近年では特に、気温によって
ビールやアイスクリームの売上が変わったり、真夏日の日数によってエアコンの販売台数が変
化したりするという事象に代表されるように、企業のマーケティング等の事業戦略にまで影響
を及ぼすようになっている。
一方、気象情報の提供のされ方自体も変化している。かつては、日本気象協会から提供され
た情報を、テレビやラジオ、街角電光掲示板、新聞などが、県単位や、午前・午後・夜程度に
分類して提供するに過ぎなかった。
しかしながら今日では、一時間おき、郵便番号区分程度の細かい予報、晴れ、雨以外にも洗
濯指数などの目的に応じた情報提供、携帯電話などを利用したリアルタイム情報提供など、よ
り個人利用者のニーズに即した提供方法に変わってきている。また法人向けも個別にカスタマ
イズした情報提供や、単なる情報提供にとどまらず、気象リスクの管理や気象情報を利用した
収益向上策の提案などのコンサルティングまで行われるようになっている。
かつて気象情報は、テレビや新聞などで提供されていたため、利用者側にとってはことさら
金銭を支払ってまで得る情報ではなかった。ところが、実際にサービスが提供されてみると、
携帯電話の気象情報提供サービスは月額 100 円〜200 円程度の費用負担が発生するものの、確
実に利用者が増加している。
このように、人々が日常的に関心を有している情報には、潜在的な市場性があるものと推察
される。
2)道路交通情報との類似性と着目する理由等
道路交通情報は、現在、朝の TV・ラジオを介したニュースや、道路上の情報板、インターネ
ットなどで提供されている。休日、平日に限らず自動車の運転時に、渋滞に遭遇したくないと
考えるのは道路利用者の一般的・普遍的な欲求であり、交通機関を利用している以上、目的地
までの時間が必要以上にかかるのを避けたいと思う人は多いといえよう。
164
気象情報と同様に、渋滞や事故、工事規制などは個人の行動に影響を与えるものである。ま
た、高速バスや物流トラックの到着時間を狂わせ、効率的な車両管理や、顧客獲得に負の影響
を与えていると考えられ、その分企業収益にも負の影響を与えていると考えられる。
このように、気象情報と道路交通情報は、多くの人にとって重要な情報であり、公共財とし
ての情報提供がされてきたが、気象情報に見るように、ニーズへの対応や、より高度な情報提
供により、様々な付加サービスが生まれる余地があると考えられる。
以上を踏まえ、本章では、気象情報サービスの成熟の過程を検討することで、道路交通情報
サービスへの示唆・知見を抽出することとした。
165
2.気象情報の規制緩和の経緯等
1)規制緩和の経緯
気象情報は、過去、特に天気予報(台風の予測や、異常気象、注意報・警報の発令、船舶・
航空に関わるもの)に関して気象庁が独占的に行ってきた。
気象情報分野における規制緩和は、
平成 4 年 3 月の気象審議会答申第 18 号を受けて始まる。
平成 5 年には、
「気象予報士制度」、
「民間気象業務支援センター制度3」などの民間気象事業推
進策が導入された。このとき、気象予報の解説が自由化されたり、民間事業者による局地予
報が認められたり、予報業務許可の制度が簡略化されるなどの改革が行われている。
さらに、平成 7 年の規制緩和では、市町村よりも狭い範囲での一般向け気象予報業務が民
間事業者にも認められた。また、平成 12 年には、市町村区域以上の範囲でも一般向け気象予
報業務が民間事業者にも認められるとともに、1 週間以上の長期予報も民間事業者に認められ
ることとなった。
図表
気象予報の規制緩和の流れ
・気象予報士制度
・民間気象業務支援センター制度(民間事業者への気象庁データの配信)
・気象庁発表の予報のテレビ等における解説業務の自由化
・一般向け天気予報(局地)の許可
平成5年5月 ・許可基準の明確化、申請書類の簡略化、事務処理の迅速化
平成7年
・当面、局地、すなわち市町村程度の範囲の区域又はそれより狭い区域を
対象に一般予報を許可
平成12年
・当面、局地、すなわち市町村以上の区域を対象に一般予報を許可
・一週間を超える長期予報を許可
図表
気象庁収集の気象観測データ配信の経路
民間事業者
観測データ
配信
気象庁
気象業務
観測データ 支援センター
観測データ
民間事業者
配信
観測データ
配信
出所)気象審議会「21 世紀における気象業務のあり方
について(答申)」より作成
民間事業者
3民間気象業務支援センターは、気象庁が収集した気象
観測データや数値予報資料等の配信のほか、気象予報士
試験の事務局、気象測器検定などを行っている。
166
2)現在の規制状況
現在の気象情報ビジネスの規制環境は次頁の通りである。
規制緩和がなされた現在でも、防災の観点から、地震、津波、高潮、洪水、台風の進路な
ど災害に関する予報は制限されている。また、1ヵ月以上の長期予報も、予報精度の観点か
ら認められていない。
このほかにも、気象庁が予報業務の許可を出す場合に、技術能力の事前審査が入ったり、
観測精度の維持を図るために民間事業者が設置した観測施設の所在地や観測データを気象庁
長官に報告させたりという、手続上の公的関与が認められる。
長期予報に関しては、徐々に緩和されつつあるが、気象庁の姿勢として気象庁自身の予測
精度が確立されない限り民間開放はしない方針である。この点で、気象庁の姿勢はあくまで
も、もっとも正しい予測は気象庁によるものであり、国民は一度出た予報は信用し、その中
身について検証能力を持たず、誤情報が出された場合の事後的回復は不可能という観点から、
民間事業者に予報は許可するものの、予報の質は何らかの形でモニタリングしていくという
考え方で対処している。民間事業の場合、予報が頻繁にはずれると市場から淘汰されるとい
う市場メカニズムが働くことが期待されるが、気象庁は予報ビジネスに市場原理を認めてい
ないようである。
167
図表
現在の気象予報業務規制状況まとめ
基準内容
審査基準項目
予報業務の目的
予報業務の範囲
観測、予報資料
の収集施設
区分
内容
特定向け予報
契約等に基づき特定のものに限って提供する予報
一般向け予報
特定向け予報以外の予報
解説
許可不要
予報を行おうとする現
象
気象及び波浪のみ。地象(路面状況を除く)、津波、高潮
及び洪水の予報は当面許可しない。
予報の期間区分
短時間:
予報を行う時点から 3 時間以内の予報。最小時間単位
は 10 分間以上。
短期:
予報を行う時点から 3 時間先を超え、48 時間先以内
の予報。最小時間単位 1 時間以上。
中期:
予報を行う時点から 48 時間先をこえ、7 日間先以内
の予報。最小の時間単位は 6 時間以上。
長期:
予報を行う時点から 8 日以降を含む。最小の時間単位
は 5 日間以上。(1ヵ月以内まで)
対象区域
明確に区分できる区域
一定の条件
気象庁発表の警報・注意報の基準と矛盾しないこと。台風
の進路は、気象庁発表の情報にとどめること。
一般向け予報
予報の対象区域ごとに最低一ヵ所以上の現地観測地が必
要。但し、急峻な山岳地域の気象予報を行う場合等を除き、
数値予報に仕様する解析を用いて代替しても良い。
出所)気象庁総務部産業気象課「予報業務許可申請等の手引き」
168
3.気象情報を活用した民間ビジネスの現状
1)気象情報を活用した民間ビジネスの内容
気象情報ビジネスは、大きく「①気象予報」、「②調査ビジネス」、「③環境アセスメント・コ
ンサルティング」、「④その他」に区分される。
①気象予報
・
気象予報の主要顧客は、テレビ局、新聞社などのマスコミ、地方自治体、企業などであ
る。1ヵ月の情報料は、凡そ 15 万円から 35 万円と言われている。
・
気象予報でコンテンツビジネスが最近伸びている。インターネットや携帯電話へのコン
テンツ提供で、多くの気象ビジネスが法人対法人(BtoB)の取引であるのに対して、法
人対個人(BtoC)の取引になる。また、洗濯指数、ビール指数、日焼け指数など、利用
者にわかりやすい情報提供を工夫している。
②調査ビジネス
・
調査ビジネスの主要顧客は、関西新空港建設などの大型プロジェクトや、オリンピック、
博覧会などの事業主体である。
③環境アセスメント・コンサルティング
・
環境アセスメントは気象環境や、海洋汚染、大気汚染などの調査・研究である。
・
コンサルティングは、イベント会場の天気や、弁当の発注量、ゴルフ大会の天気などで
あるが、売上に占める影響は小さいと言われている。報酬も一件 2~3 万円程度といわれ
ており、金額面からも大規模なものではないことがわかる。
・
但し、航海コンサルタントは海運業向けの最適航路を推奨するが、このサービスは一件
15 万円前後と高額になっている。コンサルタントの場合、予測が外れても賠償する必要
はない4。
④その他
・
その他の業務として、気象情報サービス提供のためのソフトウェア開発や、天候デリバ
ティブなどの金融商品の開発が挙げられる。
気象情報サービスを提供している、主要各社の提供サービスは、次頁のとおりである。
4
TTNet マーケティング・トピックス
「不滅のコンテンツ
169
気象情報サービスビジネス」
図表
主な気象情報サービス提供会社と業務内容
ビジネスの区分
(財)日本気象協会
①気象予報
(コンテンツビジネス)
・NHK テレビの天気予報
・NTT の177天気予報
(株)ウェザーニューズ
・民間 TV 放送局での天気予報
・携帯電話向け、CS 放送向け天気予
報
(株)ウェザーマップ
・森田正光、真壁京子などのお天気キ
ャスター
・TV、ラジオ向けの気象解説、放送原
稿作成、番組出演、画像提供。
・携帯電話への「夜遊び天気」、「お帰
り傘情報」などの提供。
・高塚哲広などのお天気キャスター
・マスコミ向け気象解説、番組出演
・天気面白話、CG 画像制作など放送
向けサービス
・独自の狭域予測モデルによる、海上・
地上・航空の局地予報
(株)ウェザーライン
②調査ビジネス
・札幌オリンピック招致向け調査
・長野オリンピック向け気象情報提供
③環境アセス・コンサル
・風力発電コンサルティング
・国際協力・専門家派遣
・
「マイコス」
(気象情報提供システム)
・「客ダス」(来店予測ソフト)
・「売レダス」(販売予測ソフト)
・ルーティングサービス(航路予報) ・異常気象監視・局地予報気象情報エ
・地方自治体への防災関連コンサル
キスパートシステム(MIHARI)
・企業への気象リスク回避コンサル
・気象と環境のデータベース(dekita
・収益向上への総合支援サービス
/tokimeki)
・データ収集・処理・配信システム
(農業、落雷、鉄道、航空、海上探査、
(NELSON)
流通など)
・全世界一万都市の気象予測システム
(GCFS)
・新聞・雑誌などへ気象に関わる季節
の話題を盛り込んだ情報提供
・産業用予報コンサルティング
(株)気象サービス
気象情報システム(株)
・雷検知システム
(株)CRC 総合研究所
・一般向け気象情報・音声認識電話天
気予報
・カーナビ向け気象情報
・携帯端末の文字情報提供
・港湾工事の効率化を実現した、日本
初の波浪予報情報を提供
・局地気象予測、独自観測データに基
づいたピンポイント予報
国土環境(株)
デジタルウェザープラット
フォーム(株)
④その他
・三菱総合研究所と提携した「ウェザ
ー&マーケティング」で気象データ
を組み込んだ経営販売戦略立案サー
ビス提供
・放送用の防災情報自動放送システム
の構築
・自治体・放送局向け警報・注意報を
表示する防災システム
・農業に関連する気象情報システム
・学校向け気象教材アプリの開発
・双方向通信防災気象情報システム
・デジタル気象・土壌観測管理システ
ム
・物質拡散の評価・予測、大気中の乱
流発達・気流の解析など自社開発し
た局地気象評価予測システムによる
予測値提供
・環境アセス関連の総合的コンサルテ
ィングサービス
・ウェザーマーチャンダイジングに関
する各種情報提供
出所)各種資料より野村総合研究所作成
170
・ウェザープラットフォームの開発
2)気象情報ビジネスの市場規模
2001 年 6 月時点で、気象予報会社は 43 業者となっている(個人事業を含む)5。売上高規
模は 2000 年度末時点で 284 億円となっている。市場全体の 1/3をウェザーニューズが占
めており、近年順調に売上高を伸ばしている。気象予報会社は気象庁の許可を受けており、
下図にはこれらの会社が作成した予報を加工せずに解説するだけの事業者は含まれていない。
このため、予報を行わない気象情報関連業務の市場まで含めると、2000 年度で 284 億円以
上の市場規模が存在すると考えられる。
売上高の伸びは、1995 年度の規制緩和で 1995 年度の 284 億円から 1996 年度の 321 億円
へと 1 割以上も増加している。その後景気後退にあわせて売上高は伸び悩んでいる。2000
年度の規制緩和による影響は、現在のところデータが公表されていないため不明であるが、
ウェザーニューズの売上高推移を見る限り、順調に推移していると考えられる。
図表
民間気象事業の市場推移
民間気象事業市場
ウェザーニューズ
その他
事業者数
(社)
(億円)
350
50
300
37
250
41
41
45
44
40
35
30
200
150
39
43
30
1 97
26
27 5
28 4
32 1
31 9
25
29 8
29 4
20
15
100
50
87
1 15
1 02
5
0
0
1994年度
1996年度
1998年度
2000年度
2002年度
平成 7 年(1995 年)に市町村区域の予報が
平成 12 年(2000 年)に一週間以上の長期
民間事業者にも解放された。
予報が民間事業者にも解放された。
出所)気象庁編『気象業務はいま
5
10
Business News
2002』および野村證券金融研究所編「新規公開フ
Trend (JNEWS.com 提供の Internet ニュース)
151
ォローアップレポート」2002 年 8 月号 2003 年 2 月号より作成
152
4.気象情報ビジネスのケーススタディ
〜
ウェザーニューズ社のビジネス特性等
〜
気象情報ビジネスは、天気予報から始まり、最近では気象情報を利用した収益向上のため
のコンサルテーションや、天候デリバティブなどを利用した気象リスク管理による企業業績
の安定化などに進展している。
そこで、これらの気象情報を利用したコンサルティングビジネスにおいて日本でもっとも
進んでいると考えられるウェザーニューズ社のビジネスモデル、成長の奇跡をケーススタデ
ィとして抽出した。
1)Weather
News 社の概要と成長過程
ウェザーニューズは、シリコンバレーのパルアルトに本社を構える「Oceanroutes Inc.」
の日本現地法人であった株式会社オーシャンルーツ日本社から、昭和 61 年に海洋部門を除
く部門をマネジメントバイアウトして設立された。現時点で、世界 19 カ国 26 都市に拠点
をおく世界最大の気象情報サービス会社となっている。
ウェザーニューズの事業展開は次頁の図表のとおりである。
マネジメントバイアウト時から所有する総合気象情報データベース「dekita」に見られ
るように、ウェザーニューズは気象情報データベースやシステムを開発し、それをサービ
スとして顧客に提供する形態を取っている。
昭和 61 年の設立直後は、NHK や ANN の気象放送向けコンテンツやシステムを作成し
ていた。予報業務の許可を取得したのも昭和 62 年である。
その後落雷情報システムや、航空業界向けのシステム構築・サービス提供を経て、対自
治体・企業向けのビジネスを育てている。この流れは現在まで続いており、設立当初から
のメディア向け、自治体・企業向けの売上は、平成 14 年度で全体の 85%以上を占めている。
153
図表
ウェザーニューズ社の事業展開
IEECサービス
ETCサービス
RCサービス
(マスメディア向け
OEM)
(大衆・個人向け)
(自治体・企業向け)
システム
総合気象データベース
“dekita”継承
昭和61年
全球画像をNHKに提供
昭和62年
予報許可取得
ANNに気象情報提供
ANN向けシステム構築
昭和63年
落雷位置評定システム
「LPATS」構築
航空エキスパートシステム
「SSD」構築
平成元年
平成2年
「MIHARI」異常気象監視・
局地予報気象情報システム
平成3年
CATV向け
気象情報番組配信
平成4年
テレビ局向け
気象情報映像化システム
総合土木建築情報サービス
世界初3次元天気予報
船舶向け最適航路情報サービス
独自局地予想モデル構築
平成5年
ゴルフS&Sサービス
平成6年
落雷リスクマネジメントシステム
「Raijin」
平成7年
海洋レジャー新聞社設立
釣り+アウトドア+気象情報
「晴れるや」
平成8年
コンビ二向け最適受発注支援システム
インターネット気象サイト
CWW開設
衛星放送で
気象専門チャンネル放送
平成9年
平成10年
i-modeで情報提供
平成11年
東京都向け災害情報提供
気象庁向け緊急防災ネット
平成12年
気象デリバティブサービス
全世界一万都市の
気象予測システム
GPLC運用開始
i-modeで「めざまし天気」
平成13年
JAWOC向け気象情報管理
対応策提供
平成14年
図表
(百万円)
ウェザーニューズ社の売上高内訳
ETC(対個人、大衆向けサービス)
RC(自治体、企業向けサービス)
IEEC(マスメディア向けサービス)
14,000
12,000
10,000
8,000
53%
52%
6,000
4,000
36%
34%
12%
13%
2,000
0
平成13年度
出所)ウェザーニューズ社財務諸表より
平成14年度
154
2)Weather
News 社のビジネスモデル
(1)サービスの全体概要
ウェザーニューズの現在のビジネスは、気象情報を集積・予測し、顧客向けに加工した
上で、企業、自治体、多様なメディアを通じて個人に提供することである。
ウェザーニューズが収集しているデータは、気象庁からのデータだけでなく、落雷位置
検出データや独自観測網ネットワークデータなどの独自観測データ、全世界気象観測値、
全世界航空気象データ、気象衛星データ、各国気象庁数値予測データなど海外の気象デー
タ、地形データなどで、随時更新している。
これらのデータを一次データベース「dekita」に集積し、ウェザーニューズとしての予
測値を作成する。この予測値と生活情報を、生活情報データベースである「tokimeki」に
蓄積する。
これらのデータベースと個別企業の気象リスクを分析し、気象リスクに最適化した対応
策を提案するのがリスク・コミュニケーション(RC)サービスである。対象顧客として、
外航海運、航空、地方自治体、電力、ガス、農業、流通関係がある。
tokimeki や dekita を利用して、テレビ、ラジオ、新聞などマスメディア向けに相手先ブ
ランド(OEM)で生活気象情報や報道気象情報を提供する生活応援型コンテンツサービス
として IEEC サービスがある。また、大衆個人向けに、気象情報を核とした様々なコンテ
ンツ提供サービスを自主運営するサービスとして ETC サービスがある。この IEEC と ETC
は、将来的に統合する予定である。
図表
ウェザーニューズのコンテンツサービスの全体像
衛星
国内気象データ
・アメダス
(気象庁地域気象観測システム)
・レーダー
(気象レーダー)
・GPV(座標情報)
・気象庁予報
海外気象データ
・世界の航空気象データ
・衛生データ
(NOAA/METEOSAT/GOES)
・各種数値予測データ
リモートセンシング
データ
独自観測データ
ETCサービス
「dekita」
↓
独自予測モデル
予測値+生活情報
↓
「tokimeki]
コンテンツ作成
(商品別サーバー)
(LANDSAT/SPOT)
外部データベース
外部データベース
専用回線
ウェザーニューズ
ウェザーニューズ
155
TV,ラジオ, 大衆・個人向け(自社運営)
・無料の天気予報サービス
携帯電話
→CWWなど
・有料の天気予報サービス
→ピンポイント情報
→おもしろ指数など
インター
ネット
IEECサービス
マスメディア向け(OEM)
・気象情報を放送局ブランドで
提供
RCサービス
自治体・企業
気象から発生するリスクに対
する最適な対応策をアドバイ
スする、問題解決型サービス
利用者
利用者
出所)ウェザーニューズ社財務報告書より作成
156
(2)ビジネスモデルの分類と特徴
サービス提供のビジネスモデルとして、IT 弁護士型、トールゲート型、スター型が存在
する。IT 弁護士型は、顧客に対して継続的なコンテンツサービス提供を行なう前に必要な
システム構築を行うサービスである。トールゲート型ビジネスは、ウェザーニューズが構
築したインフラ上にコンテンツを提供するサービスである。スター型ビジネスは個人向け
の市場開拓を進めるために、個人に対して、モバイルサイトや、インターネットサイト、
BS,CS 放送でコンテンツを更新するサービスである。
図表
ビジネスモデルから見たウェザーニューズのサービス
個人向け
個人向け
(モバイルサイト
(モバイルサイト
インターネットサイト)
インターネットサイト)
スター型ビジネス
ウェザーニューズのコンテンツ利
用者に、様々なサービスや情報
を提供する。
ウェザーニューズ
ウェザーニューズ
トールゲート型ビジネス
事前に構築したインフラのもと、
あらかじめ品揃えしてあるコンテ
ンツサービスを顧客に継続的に
提供する。
顧客
顧客
IT弁護士型ビジネス
IT弁護士型ビジネス
顧客へのコンテンツ提供に必要
なシステムを開発、運用
出所)ウェザーニューズ社財務報告書
ビジネスモデル別に見ると、スター型ビジネスの売上はまだ上がっていない。システム
構築・運用の IT 弁護士型事業が全体の 2 割強、システムの上を流れるコンテンツサービス
であるトールゲート型ビジネスが全体の 8 割弱を占めている。ウェザーニューズは、昨今、
自治体・企業(含むマスメディア)を中心のビジネスから、コンシューマー向けのビジネ
スへの展開に乗り出していることが推察される。
157
IT弁護士型
トールゲート型
スター型
(百万円)
14,000
12,000
10,000
8,000
8,536
7,708
6,000
4,000
2,000
2,466
2,916
平成13年度
平成14年度
0
図表
ビジネスモデル別ウェザーニューズの売上高推移
出所)ウェザーニューズ社財務報告書より作成
5.気象情報ビジネス成長要因分析と道路交通情報ビジネスへの示唆
1)民間気象情報ビジネス成長の要因分析
気象情報分野における規制緩和は、民間事業者に独自の予報を認めることにより、民間事
業者に創意工夫の余地を生み出したことに最大の意義があると考えられる。これらの創意工
夫が事業者毎の付加価値を生み出し、気象情報ビジネスの市場を形成してきたと考えられる。
この点をより詳しく検討するため、気象ビジネスのビジネスフローの観点から検討を行う。
気象情報ビジネスは、気象観測データの収集、加工、配信から構成される。
図表
観測データ収集
(気象庁)
気象情報ビジネスの情報の流れ
データベース
(観測データ)
データ加工
(予報)
データベース
(コンテンツ)
配信
出所)NRI 作成
○観測データの収集では気象庁データ以外に、独自のデータを収集したり、海外の気象デ
ータを購入したりという工夫が行われている。
独自データ
観測データ収集
(気象庁)
図表
データベース
(観測データ)
観測データの多様化
データ加工
(予報)
海外データ
158
データベース
(コンテンツ)
配信
出所)NRI 作成
○データ加工に用いるデータを気象観測データだけでなく、日常の様々な気象関連の生活
データを用いることでより目的に応じたデータ加工を可能にしている。
図表
予測のためのデータベースの多様化
独自データ
気象情報以外の
データベース
観測データ収集
(気象庁)
データベース
(観測データ)
データ加工
(予報)
海外データ
出所)NRI 作成
159
データベース
(コンテンツ)
配信
○様々なデータベースを用いて、顧客のニーズに合わせた最適な気象予報と同時に、販売
予測や、雨天時の顧客誘導、天候デリバティブなど様々な気象派生商品を開発し、製品
の多様化を図っている。
図表
カスタマイズされた気象予報と派生商品
独自データ
気象情報以外の
データベース
観測データ収集
(気象庁)
データベース
(観測データ)
データ加工
(予報)
データベース
(コンテンツ)
配信
海外データ
派生商品
出所)NRI 作成
○多様な配信チャネルを確保するとともに、配信手段・情報システム構築の内製化を図っ
ている。
・様々な工夫を凝らして作成したコンテンツも、テレビなどのマスメディアへ専用回線
で送信するだけでなく、インターネットを通じてコンテンツ提供したり、CS 衛星
放送や、BS 放送などの放送局を自ら持ったりすることによって、コンテンツ販売
を他の企業に依存しない工夫をしている。
・また、これらの配信方法を複層化することで、対象顧客に対してもっとも適切なコン
テンツ提供手段を確保している。さらに、専用回線の構築などを通じてシステム構
築能力も獲得しており、予測システム、データ収集システムとともに、情報システ
ム部分の内製化に成功している。
図表
配信手段の複層化
160
独自データ
気象情報以外の
データベース
観測データ収集
(気象庁)
データベース
(観測データ)
専用回線
データ加工
(予報)
データベース
(コンテンツ)
インターネット
CS,BS放送
海外データ
派生商品
出所)NRI 作成
○法人市場(B to B 市場)を先駆的に開拓し、一般消費者対象のサービス(B to C 市場)
の開拓・顧客の多様化を進めている。
・対象顧客も、個人・大衆から自治体・企業まで多様化している。特に、インターネッ
トなど大衆向けのコンテンツサービスは、事業として成立してから日が浅いことや、
もともと特定の対象に対しての気象予報は規制されておらず、気象庁提供の予報に
対して解釈などの加工を加えず配信するだけならば、以前から認められていたとい
う背景から、気象情報ビジネスは一般的に自治体・企業など法人市場が先行して発
展してきている。
・近年インターネットや CS 放送、BS 放送普及により、個人・大衆も顧客とし視野に
入ってきた段階である。現時点では特に気象庁が提供する情報水準を無料で提供し
ている会社も多く、収益には貢献していない模様であるが、個人向けにカスタマイ
ズされた情報は、i アプリとして有料コンテンツサービスが始まるなどの動きが見
られる。
図表
独自データ
気象情報以外の
データベース
観測データ収集
(気象庁)
データベース
(観測データ)
顧客の多様化
専用回線
自治体
企業
データ加工
(予報)
データベース
(コンテンツ)
インターネット
個人
大衆
CS,BS放送
海外データ
派生商品
出所)NRI 作成
161
2)道路交通情報ビジネスへの示唆・可能性
前節で整理した気象情報ビジネスの成長要因分析を踏まえつつ、道路交通情報を活用した
ビジネスの展開に向けた示唆を整理した。
(1)付加的情報源の確保
気象情報ビジネスは、もともと気象庁の提供するデータに基づいて気象情報ビジネスを
始めたが、その後各社とも契約相手先の自治体や地域に対して観測地点を設置し、現地の
データを顧客から収集する仕組みを確立している。
道路交通情報でも、既存の日本道路交通情報センター(JARTIC)や道路交通情報通信シ
ステムセンター(VICS センター)による情報提供だけに頼らず、付加的情報源を確保する
ことが、ニーズに応じたサービス多様性の観点、情報のリアルタイム性の観点、既存情報
収集システム利用よる初期投資抑制の観点等からも重要な視点となる。
具体的な付加的情報源の例としては、次のようなものがイメージされる。
○新たな情報観測機器等の設置
・道路管理者の既設置の観測装置以外のモニター・センサー等の設置(現行制度の枠
組みでの可能性について要検討)
○他の既存情報収集システムの有効活用
初期投資抑制
・道路交通情報提供先の顧客からの情報
・既存のバス・ロケーションシステム、GPS を利用した配車システムからの走行情報
・自動車メーカーやカーナビメーカーが収集している自動車の走行情報
○道路交通情報以外の生活関連情報等の有効活用
など
顧客満足度の向上
・鉄道・航空の運行情報
・観光情報、飲食店情報
など
(2)付加価値の高い情報提供サービスの検討
既述のとおり、気象情報ビジネスは、顧客のニーズに合わせた最適な気象予報と同時に、
販売予測や、雨天時の顧客誘導、天候デリバティブなど様々な付加価値の高い気象情報派
生サービスを開発しつつ成長してきた。
道路交通情報サービスの展開にあたっても、高付加価値サービスの検討・提供を進めて
いくことが重要な視点となる。
具体的なイメージとしては、次のようなものが挙げられる。
162
○高精度な予測情報提供サービスの検討
・気象情報ビジネスの根幹は、気象予報である。局地的、長期的など、空間的、時間
的な分類による気象予報が、テレビ、インターネット、携帯電話、街角の電光掲示
板などから提供されている。この、予報精度を向上させることもサービスの高付加
価値化である。
・道路交通情報は、現時点ではリアルタイム情報提供と、それを利用したカーナビゲ
ーションシステムが主体で、そのほかには行楽シーズンに日本道路交通情報センタ
ーから主要道路の渋滞予測が発表されるだけである。しかしながら、VICS に関し
ては情報提供のタイムラグが指摘されているし、渋滞予測も過去のデータによる予
測のため、当日の天候やたとえば SARS やテロで国内旅行が増加などの突発的な社
会状況の変化を反映させることは出来ない。実際の走行時には 10 分〜3 時間先の道
路渋滞情報が必要であり、この点、道路交通情報(渋滞情報)の短期予測などは工
夫の余地があると考えられる。
○利用者ニーズの追求による多角化商品・サービスの検討
・気象情報ビジネスは、気象予報の規制緩和に伴って市場を拡大してきた。しかし、
単に規制緩和のみによって市場が創出されたわけではなく、WeatherNews 社など
参入各社が、自らのそれまでの業務経験や IT 技術、携帯電話の普及にあわせて様々
な工夫を凝らし、利用者のニーズを掘り起こしたり、ニーズに合致するサービスを
提供したりしている。
・道路交通情報ビジネスを考える上でも、まず道路交通情報ビジネスについてどのよ
うな潜在的ニーズが存在するかを明らかにする必要がある。
例:近年高速バスの路線開設が顕著であるが、
「安い」、「手軽」、「乗換えがなく便利」
などの様々な長所をもつ高速バスも、最大の弱みは出発地、到着地近辺の道路渋滞
による定時性が確保できないということである。道路交通情報ビジネスによって、
高速バスの定時性が向上するとさらなる利用者増に結びつく可能性がある。
○道路交通の状況によって影響を受ける社会事象に対応した商品・サービスの検討
・気象情報ビジネスは、近年予報から、防災情報、気象を考慮した受発注量の最適化、
天候デリバティブなどの広がりを見せている。このような気象情報を利用した多角
化は、気象情報によって影響を受ける社会事象をビジネスチャンスに変えたものと
理解できる。
・道路交通情報も、渋滞や工事の情報によって影響を受ける事象を探すことによって
広がりを持つことが予想される。
・例えば、下記のようなもの(例)が考えられる。
旅客輸送
:バス会社が既存の路線を維持するのに現行の台数が最適なのかの検
証
物流
:渋滞発生を考慮した配送時間の設定
163
都市計画利用:交通計画、道路など社会資本の投資計画等の最適化
その他
:要人対応、現金輸送車等の配送ルート最適化
164
等
(3)技術ノウハウを持つ中心的プレイヤーの検討、及び適切なパートナーリングの検討
気象情報ビジネスの近年の発展は、防災システムやシミュレーションシステムに見られ
るように IT 技術の発展の恩恵も受けている。気象予報の場合、観測データから如何に正確
な予測値を出すかというコンピューティング技術も要求される上、予測値を適切に配信す
るというインターネット技術も必要とされる。
道路交通情報もリアルタイムの大量のデータを処理する必要があることから、情報処理
のノウハウが必要になると考えられる。また、情報配信のシステム、例えば携帯電話のコ
ンテンツとして情報提供する場合、通信技術にも通じる必要がある。
こうしたノウハウを有する中心的なプレイヤーを想定・検討する必要がある。なお、気
象情報もそれ自体が道路交通に影響を及ぼすものであること等を勘案すると、既にノウハ
ウや技術的な蓄積をもつ気象情報ビジネス関連企業の参画も考えられる。
また、商品・サービスの高付加価値化、多様化等を展望しては、様々なチャネルや技術
をもつ既存事業者のパートナーリングも重要な視点となる。
パートナーリングの想定される事業者の例としては次のような主体が考えられる。
・ソフト会社・システム会社
−物流最適化ソフトや最適ルート探索・構築ソフト等の販売会社、SI 会
社
・放送局(地上波、CATV、CS、ネット、地域 FM)
−24 時間道路交通情報オンリーの専門チャネル
・カーナビメーカー
−高機能カーナビが提供する交通情報部分のアウトソースを受ける
・デジタル地図メーカー
−交通情報を最新デジタルマップと組み合わせて顧客に提供
・予測技術
−交通量シミュレーション関連ベンチャー
等
(4)法人市場の先駆的開拓による安定収益源の確保
気象情報ビジネスは当初、最適航路のシミュレーションやマスメディアへの気象情報提
供から始まったため、法人マーケットが先行して育った。これは結果として各企業にとっ
て安定収益となり、近年の個人・大衆向けへのサービス提供やシステムへの先行投資の原
資となっていると考えられる。
道路交通情報ビジネスでも、少なくとも立ち上がり段階においては、法人市場(B to B)
の開拓と育成に注力し、その後個人ユーザー等を対象とした商品・サービス(B to C)拡充
を目指すというスタンスを採用することが考えられる。
(当面は、B to C サービス・商品は、
知名度向上ためのサービスと割り切って考えることも重要な示唆。)
165
注)前章の海外事例等も参照のこと
166
Ⅴ.
道路交通情報に係るユーザーニーズの把握
167
Ⅴ.道路交通情報に係るユーザーニーズの把握
1.調査の概要
1)調査の目的
道路交通法改正による道路交通情報提供事業の民間ビジネス展開の方向性を検討する参考とすべく、ドライ
バーの日常生活・仕事等における道路交通情報サービスの利用状況の把握、現状の評価及び今後への期待等を
把握するため、以降に示すアンケート調査を実施した。
2)調査の時期・方法及び回答数
・調査時期
:平成 16 年 2 月
・調査の対象
:本人/家族または勤務先等が自動車を保有し、最近半年以内に自身が自動
車を運転した方。
Web によるアンケート実施業者に会員登録(総数 40 万人強)している方
より抽出。
・調査方法
:二段階抽出後、インターネットにより実施。
・最終回答件数:1,291 件
3)回答者の属性(N=1,291)
性 別
①性別
人数
男性
女性
全体
708
583
1,291
割合
54.8%
45.2%
100.0%
女性
45.2%
②年齢構成
年齢構成
人数
18‑19歳
20‑29歳
30‑39歳
40‑49歳
50‑59歳
60歳以上
全体
男性
54.8%
106
225
257
257
251
195
1,291
割合
8.2%
17.4%
19.9%
19.9%
19.4%
15.1%
100.0%
60歳以上
15.1%
18-19歳
8.2%
20-29歳
17.4%
50-59歳
19.4%
30-39歳
19.9%
40-49歳
19.9%
168
③居住地
居住地
人数
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
全体
373
249
212
449
8
1,291
割合
28.9%
19.3%
16.4%
34.8%
0.6%
100.0%
その他
0.6%
東京圏
28.9%
地方圏
34.8%
東京圏 :埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
名古屋圏:岐阜県、愛知県、三重県
関西圏 :京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
名古屋圏
19.3%
関西圏
16.4%
④自動車所有の有無(複数回答)
件数
自分の車を所有している
家族が車を所有している
勤務先の車を利用している
その他
計
906
558
68
3
1,535
自動車所有の有無(複数回答)
割合
0
N=1,291
(件)
70.2%
自分の車を所有している
43.2%
家族が車を所有している
5.3%
0.2%
勤務先の車を利用している
−
その他
⑤通常運転する日
600
800
180
282
829
1,291
558
68
3
人数
606
275
282
128
0
1,291
割合
46.9%
21.3%
21.8%
9.9%
0.0%
100.0%
平日・休日
問わず
64.2%
月に数回
9.9%
週に1,2回
21.8%
週に数回
21.3%
169
1000
906
基本的に平
日
13.9%
割合
13.9%
21.8%
64.2%
100.0%
⑥運転頻度
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
全体
400
通常運転する日
人数
基本的に平日
基本的に休日
平日・休日問わず
全体
200
基本的に休
日
21.8%
運転頻度
ほぼ毎日
46.9%
⑦主な運転目的
(1)複数選択
件数
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
計
242
462
1,027
968
17
2,716
割合
N=1,291
18.7%
35.8%
79.6%
75.0%
1.3%
−
主な運転目的(複数回答)
(件)
0
200
400
600
800
1,000
242
業務
462
通勤・通学
1,027
通勤・通学以外の日常生活
968
レジャー
その他
17
(2)最も中心的なもの
主な運転目的(最も中心的なもの)
人数
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
全体
107
332
626
216
10
1,291
割合
8.3%
25.7%
48.5%
16.7%
0.8%
100.0%
レジャー
16.7%
その他
0.8%
業務
8.3%
通勤・通学
25.7%
通勤・通学
以外の日常
生活
48.5%
⑧カーナビ等の使用の有無
人数
使っている(VICS*対応)
使っている(VICS非対応)
使っていないが、VICS対応を使いたい
使っていないが、VICS非対応を使いたい
使っていないが、買うつもりもない
全体
1,200
233
188
396
71
403
1,291
割合
18.0%
14.6%
30.7%
5.5%
31.2%
100.0%
カーナビ等の使用の有無
使用なし買う
つもりもない
31.2%
VICS非対応
を使いたい
5.5%
170
VICS対応を
使いたい
30.7%
VICS対応使
用
18.0%
VICS非対応
使用
14.6%
⑨有料の道路交通情報提供サービス利用の有無
1.金銭を支払っていない
2.1度のサービス提供ごとに課金されるサービスを利用
3.1ヵ月または1ヵ年等の会費を支払うサービスを利用
4.上記2,3の両方
5.その他
6.わからない
全体
人数
1,170
14
14
1
1
91
1,291
割合
90.6%
1.1%
1.1%
0.1%
0.1%
7.0%
100.0%
有料サービスの使用の有無
使用ごと・会
費の両方
0.1%
会費を支払う
サービス
1.1%
使用ごとの
課金サービ
ス
1.1%
171
その他
0.1%
支払っていな
い
90.6%
わからない
7.0%
2.道路交通情報サービスの利用状況
1)道路交通情報サービスの認知状況
主にドライバーを対象に道路交通情報を提供している以下の団体・企業等のサービス認知度
は、道路公団等が 92.7%、日本道路交通情報センターが 80.5%、行政機関が 68.7%と
高く、民間情報提供会社、自動車メーカー等の民間部門の認知度は 3 割前後と低い。ま
た、着実に普及しているVICSの認知度は 5 割である。
A
B
C
D
E
F
提 供 者
行政機関
日本道路交通情報センター
<略称:JARTIC>
サービス概要(商品名)
道路上の掲示板等
テレビ、ラジオ、電話等
道路交通情報通信システムセンター
<略称:VICS センター>
道路公団等
携帯電話による情報提供会社
(ATIS、松下電器産業、
日本文字放送、道路公団等)
自動車メーカー
(トヨタ、日産、ホンダ等)
渋滞等の道路交通情報を文字や図形でカー
ナビに表示するシステム
ハイウェイラジオ、高速道路上の掲示板
ATIS 交通情報、快楽なび、
動く!道路情報、JH ハイウェイナビ 等
G−BOOK、カーウィングス、
インターナビプレミアムクラブ 等
道路交通情報サービスの認知度
0%
20%
40%
19.5%
50.7%
VICSセンター
49.3%
92.7%
道路公団等
7.3%
28.7%
71.3%
36.3%
63.7%
知っている
提
100%
31.3%
80.5%
JARTIC
自動車メーカー
80%
68.7%
行政機関
携帯電話
60%
供 者
A 行政機関
知って
いる
知らない
件数
知らな
い
計
知って
いる
割合
知らな
い
計
887
404
1,291
68.7%
31.3%
100.0%
1,039
252
1,291
80.5%
19.5%
100.0%
655
636
1,291
50.7%
49.3%
100.0%
1,197
94
1,291
92.7%
7.3%
100.0%
E 携帯電話による情報提供会社
371
920
1,291
28.7%
71.3%
100.0%
F 自動車メーカー
468
823
1,291
36.3%
63.7%
100.0%
日本道路交通情報センター
(JARTIC)
道路交通情報通信システムセンター
C
(VICSセンター)
B
D 道路公団等
172
年齢別にみた場合、「18−19 歳」は運転経歴が浅いこともあり、相対的にサービスの認
知度は低いものの、自動車メーカーによるサービス認知度は最も高い。
Q1F:自動車メーカー
知っている 知らない
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
468
51
88
106
83
78
62
全体
823
55
137
151
174
173
133
1,291
106
225
257
257
251
195
知っている
36.3%
48.1%
39.1%
41.2%
32.3%
31.1%
31.8%
知らない
63.7%
51.9%
60.9%
58.8%
67.7%
68.9%
68.2%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
また、行政部門によるサービスは高齢世代になるほど認知度は高くなり、民間部門によ
るサービス認知度はこれとは逆に、高齢の世代ほど低くなる傾向が見られる。
Q1C:道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)
知っている 知らない
全体
知っている 知らない
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
655
32
101
149
130
126
117
636
74
124
108
127
125
78
1,291
106
225
257
257
251
195
50.7%
30.2%
44.9%
58.0%
50.6%
50.2%
60.0%
Q1E:携帯電話による情報提供会社
知っている 知らない
全体
知っている
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
371
25
69
92
83
62
40
920
81
156
165
174
189
155
1,291
106
225
257
257
251
195
28.7%
23.6%
30.7%
35.8%
32.3%
24.7%
20.5%
49.3%
69.8%
55.1%
42.0%
49.4%
49.8%
40.0%
知らない
71.3%
76.4%
69.3%
64.2%
67.7%
75.3%
79.5%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
次に運転頻度別にみると、全体的に運転頻度が少ない層ほどサービス認知度が低下する
傾向にあり、中でも「VICS」「携帯電話」「自動車メーカー」については認知度の低さ
が目立つ。
Q1C:道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)
知っている 知らない
全体
知っている 知らない
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
655
340
134
134
47
0
636
266
141
148
81
0
1,291
606
275
282
128
0
50.7%
56.1%
48.7%
47.5%
36.7%
0.0%
Q1E:携帯電話による情報提供会社
知っている 知らない
全体
知っている
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
371
199
73
73
26
0
920
407
202
209
102
0
Q1F:自動車メーカー
知っている 知らない
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
468
234
92
110
32
0
1,291
606
275
282
128
0
全体
823
372
183
172
96
0
173
1,291
606
275
282
128
0
28.7%
32.8%
26.5%
25.9%
20.3%
0.0%
知っている
36.3%
38.6%
33.5%
39.0%
25.0%
0.0%
49.3%
43.9%
51.3%
52.5%
63.3%
0.0%
知らない
71.3%
67.2%
73.5%
74.1%
79.7%
0.0%
知らない
63.7%
61.4%
66.5%
61.0%
75.0%
0.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
174
2)道路交通情報の利用状況
(1)利用頻度
自動車を運転する際にどのくらい道路交通情
道路交通情報の利用頻度
報を利用するかについては、「ほぼ毎回利用す
る」は 11.1%と少なく、「時々利用する」が
ほぼ毎回利用
する
11.1%
ほとんど利用
しない
34.4%
54.5%と半数程度を占めた。また、
「ほとんど利
用しない」も 34.4%を占めている。
件数
ほぼ毎回利用する
時々利用する
ほとんど利用しない
計
割合
11.1%
54.5%
34.4%
100.0%
143
704
444
1,291
時々利用する
54.5%
「ほぼ毎回利用する」は、運転目的別では主な運転目的を
業務
としている人々の割
合が高い。
一方、
「ほとんど利用しない」は、運転目的では主な運転目的を 通勤通学 や 通勤通学
以外の日常生活 とする人々、年齢別では 18‐19 歳 、 20 代 、居住地別では 地方圏
の人々の割合が高い。
Q2:利用頻度
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
143
24
38
51
28
2
704
57
173
342
128
4
444
26
121
233
60
4
Q2:利用頻度
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
143
7
16
36
25
27
32
704
38
107
137
162
154
106
444
61
102
84
70
70
57
Q2:利用頻度
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
合計
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
143
54
31
20
37
1
704
233
133
122
214
2
444
86
85
70
198
5
175
全体
1,291
107
332
626
216
10
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
全体
1,291
373
249
212
449
8
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
11.1%
22.4%
11.4%
8.1%
13.0%
20.0%
54.5%
53.3%
52.1%
54.6%
59.3%
40.0%
34.4%
24.3%
36.4%
37.2%
27.8%
40.0%
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
11.1%
6.6%
7.1%
14.0%
9.7%
10.8%
16.4%
54.5%
35.8%
47.6%
53.3%
63.0%
61.4%
54.4%
34.4%
57.5%
45.3%
32.7%
27.2%
27.9%
29.2%
ほぼ毎回利 時々利用す ほとんど利
用する
る
用しない
11.1%
14.5%
12.4%
9.4%
8.2%
12.5%
54.5%
62.5%
53.4%
57.5%
47.7%
25.0%
34.4%
23.1%
34.1%
33.0%
44.1%
62.5%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(2)よく利用する手段(複数回答:N=847)
「ほぼ毎回利用する」、
「時々
道路交通情報を利用する手段(複数回答)
利用する」と回答した 847 人が、
(件)
よく利用している手段(媒体
0
100
200
テレビ
等)としてあげたのは、「道路
300
400
500
216
520
一般ラジオ放送
上の掲示板」
「一般ラジオ放送」
ハイウェイラジオ
473
カーナビゲーション
及び「ハイウェイラジオ」が圧
215
携帯電話/PHS
倒的に多い。
PDA
38
1
144
パソコン
新聞・雑誌等
その他の意見の主なものは、
FAX
音声案内」
「地図や旅行ガイド」
13
電話の問い合わせ
「高速道路のトイレで流れる
600
21
0
573
道路上の掲示板
道の駅・SAの掲示板
などである。
その他
150
4
件数
テレビ
一般ラジオ放送
ハイウェイラジオ
カーナビゲーション
携帯電話/PHS
PDA
パソコン
新聞・雑誌等
電話の問い合わせ
FAX
道路上の掲示板
道の駅・サービスエリアの情報掲示板
その他
計
216
520
473
215
38
1
144
13
21
0
573
150
4
2,368
回答率
N=847
25.5%
61.4%
55.8%
25.4%
4.5%
0.1%
17.0%
1.5%
2.5%
0.0%
67.7%
17.7%
0.5%
−
一般ラジオ放送をよく利用する手段としてあげているのは、運転目的別で主な目的を
業務としている人々、年齢別で 50 代の人々である。
Q3(複数回答):よく利用する手段
テレビ
一般ラジオ ハイウェイラ
放送
ジオ
Q3(複数回答):よく利用する手段
テレビ
一般ラジオ ハイウェイラ
放送
ジオ
N=847
N=847
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
216
15
52
105
43
1
25.5%
18.5%
24.6%
26.7%
27.6%
16.7%
520
62
137
232
85
4
61.4%
76.5%
64.9%
59.0%
54.5%
66.7%
473
40
109
236
85
3
55.8%
49.4%
51.7%
60.1%
54.5%
50.0%
176
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
216
19
39
34
42
42
40
25.5%
42.2%
31.7%
19.7%
22.5%
23.2%
29.0%
520
28
67
98
117
131
79
61.4%
62.2%
54.5%
56.6%
62.6%
72.4%
57.2%
473
15
57
100
111
110
80
55.8%
33.3%
46.3%
57.8%
59.4%
60.8%
58.0%
(3)よく利用するシーン(複数回答:N=847)
同じく道路交通情報を利用すると回答した 847 人が、よく利用するシーンとしてあげ
たものは、移動の目的としては「レジャー」、タイミングは「乗車している時」が圧倒的
に多い。
走行場所では、高速道が一般道を若干上回り、利用する特定の状況では「渋滞に巻き
込まれた時」
「事故の発生を知った時」「知らない地域に向かう時」が多い。
属性別にみた場合では、ほとんど大きな差異はみられなかった。
道路交通情報を利用するシーン(複数回答)
(件)
0
100
200
300
400
500
600
700
800
【移動の目的】
182
通勤・通学
151
業務
246
通勤・通学以外の日常生活
773
レジャー(例:旅行等)
【タイミング】
213
移動の計画時
297
乗車する直前
735
乗車している時
【走行場所】
692
高速道路走行中
578
一般道路(市街地等)走行中
【特定の状況】
渋滞に巻き込まれた時
638
事故の発生を知った時
478
知らない地域に向かう時
565
天候が心配な時
その他
236
30
件数
移動の目的 通勤・通学
業務
通勤・通学以外の日常生活
レジャー(例:旅行等)
計
タイミング 移動の計画時
乗車する直前
乗車している時
計
走行場所
高速道路走行中
一般道路(市街地等)走行中
計
特定の状況 渋滞に巻き込まれた時
事故の発生を知った時
知らない地域に向かう時
天候が心配な時
その他
計
177
182
151
246
773
1,352
213
297
735
1,245
692
578
1,270
638
478
565
236
30
1,947
回答率
N=847
21.5%
17.8%
29.0%
91.3%
−
25.1%
35.1%
86.8%
−
81.7%
68.2%
−
75.3%
56.4%
66.7%
27.9%
3.5%
−
よく利用するシーンに関するその他の意見では、
「所用時間」と関連する意見が目立っ
た。
また、病気や災害など事故以外の突発事象の発生時や「交差点に入る前」
「渋滞に巻き
込まれそうなとき」
「混んでいなくてもどのくらい時間がかかるか調べる」など、経験に
よる勘を働かせようと常に情報を得ようとしているユーザーの様子も伺える。
(その他の主な意見)
時間の制限、制約のあるとき
時間に正確に目的地に行きたいとき
目的地に一刻も早く到着したい時
帰省時の出発のタイミングを計るため
計画を変更する時
複数のルートがある時
交差点に入る前
渋滞に巻き込まれそうなとき(巻き込まれそうな道を走る時)
混んでいなくてもどのくらい時間がかかるか調べる
催し物など、普段と違うとき
日常の道路状況の予測
常に到着地に着くまで
ハイウェイラジオは状況にかかわらず聞く。
走行中はFMラジオの交通情報をウォッチしている。
急に具合が悪くなった時。
(病院の所在等を知りたい)
地震、津波、水害などが発生した時
駐車場の位置、空き情報
178
(4)利用しない理由(N =444)
道路交通情報を「ほとんど利用しない」と
道路交通情報を利用しない理由
回答した 444 人が利用しない理由は、「面倒
くさい」が 23.2%、
「大体見当が付いている」
が 38.1%で全体の 6 割を占めている。
「道路交通情報に不満」があるから利用し
ないとする意見は、3.2%と少なかった。
わからない
8.3%
その他
15.8%
道路交通情
報に不満
3.2%
経路や予定
は変えない
11.5%
面倒くさい
23.2%
大体見当が
付いている
38.1%
件数
面倒くさい
割合
103
23.2%
169
38.1%
51
11.5%
14
3.2%
その他
70
15.8%
わからない
37
8.3%
444
100.0%
混雑しているかどうか大体見当が付い
ているので必要ない
渋滞することを知っても経路や予定は
変えない
必要性は感じるが、現在の道路交通情
報に不満があり、利用したくない
計
その他の意見の大勢は、渋滞や混雑があまりないといった道路環境、通勤や買い物な
ど身近な移動がほとんどで遠出をしないといった活動範囲、また、
渋滞・混雑するような道路を避けていることなどから、道路交通
情報の必要性がないとするものである。
そのほかには、使い方や情報の活用方法がわからないからとする意見も見られる。
(その他の主な意見)
普段はあまり遠出をすることがなく近辺の渋滞はだいたい予想できる。旅行などで普段利用しな
い道路を使う時には利用するが年に 1〜2 回程度です。
普段は近所しか運転しないので必要ないが、たまに高速を走る時は道路上の情報はしっかり見な
がら走っています。
混んでても気にならないので必要性を感じない
わかったところで、迂回ルートを知らない。
NAV で十分
カーナビが対応していない
地元ではVICSが使用できない
チューニングをあわせる暇がない
日常利用している道路にはその施設がない為。
TV、ラジオの交通情報しか知らないので個人的な情報の活用方法がわからない
見たり聞いたりしてもよくわからない(道の名前など)
使い方が分からない
自分の経路について適合するような適切な情報がほとんどない。
知らせてもらっても、それをどのように利用したらよいかわからない。
好きな音楽をかけっぱなしにしてないと落ち着いて運転することができない
179
放送を聴きながらの運転は運転がおろそかになる可能性あり
180
属性別では、利用しない理由として運転目的別にみた場合、
「面倒くさい」はレジャー
目的の人々に多く、「大体見当が付いている」は業務目的の人々に多い。
また、「面倒くさい」は運転頻度別で月に数回しか運転しない人々が比較的多い。
Q2−2:利用しない理由
面倒くさい 混雑してい
るかどうか大
体見当が付
いているので
必要ない
渋滞すること
を知っても経
路や予定は
変えない
必要性は感 その他
じるが、現在
の道路交通
情報に不満
があり、利用
したくない
わからない
全体
N=444
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
103
3
31
45
24
0
23.2%
11.5%
25.6%
19.3%
40.0%
0.0%
169
15
46
86
22
0
38.1%
57.7%
38.0%
36.9%
36.7%
0.0%
Q2−2:利用しない理由
面倒くさい 混雑してい
るかどうか大
体見当が付
いているので
必要ない
51
4
11
31
3
2
11.5%
15.4%
9.1%
13.3%
5.0%
50.0%
渋滞すること
を知っても経
路や予定は
変えない
14
0
4
8
2
0
3.2%
0.0%
3.3%
3.4%
3.3%
0.0%
70
1
17
46
5
1
15.8%
3.8%
14.0%
19.7%
8.3%
25.0%
必要性は感 その他
じるが、現在
の道路交通
情報に不満
があり、利用
したくない
37
3
12
17
4
1
8.3%
11.5%
9.9%
7.3%
6.7%
25.0%
わからない
444
26
121
233
60
4
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
N=444
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
103
39
25
19
20
0
23.2%
20.0%
25.0%
21.1%
33.9%
0.0%
169
80
37
31
21
0
38.1%
41.0%
37.0%
34.4%
35.6%
0.0%
51
16
16
15
4
0
11.5%
8.2%
16.0%
16.7%
6.8%
0.0%
181
14
9
2
2
1
0
3.2%
4.6%
2.0%
2.2%
1.7%
0.0%
70
32
17
12
9
0
15.8%
16.4%
17.0%
13.3%
15.3%
0.0%
37
19
3
11
4
0
8.3%
9.7%
3.0%
12.2%
6.8%
0.0%
444
195
100
90
59
0
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
(5)道路交通情報を入手したい場所(複数回答)
利用するシーンとして選択の多かった「レジャー」
「知らない地域に向かうとき」を反
映して、
「観光地」や空港・駅・バスターミナル・広場等の「公共スペース」をあげる人々
が非常に多い。次に多いのは「駐車場」である。
属性別では大きな差異は見られない。
道路交通情報を入手したい場所(複数回答)
(件) 0
100
200
300
400
500
600
700
900
145
官公署
公共施設
202
813
公共スペース
駐車場
700
356
ホテル
278
飲食店
商業施設
303
845
観光地
140
歩行中
その他
800
47
件数
役場、警察署などの官公署
病院、図書館など公共施設
公共スペース(空港・駅・バスターミナル・広場)
駐車場
ホテル
飲食店
デパート等商業施設
観光地
歩行中
その他
計
145
202
813
700
356
278
303
845
140
47
3,829
回答率
N=1,291
11.2%
15.6%
63.0%
54.2%
27.6%
21.5%
23.5%
65.5%
10.8%
3.6%
−
その他の意見では、
「コンビニエンスストア」をあげる例が非常に目立つ。そのほかに
はガソリンスタンド、レジャー施設や他の交通機関を利用しているときなどである。
(その他の主な意見)
スキー場やキャンプ場などのアウトドア・スポーツ施設
バスに乗車中(よく渋滞に巻き込まれる)
鉄道の車内
町中の電光掲示板
金融機関
高速に入らない内一般道走行中 高速の情報を知りたい
道路上の、信号などで停車する場所付近での道路交通情報の掲示
家のテレビとかで(ネットじゃなくて)
PCへの自動配信か、自動検索機能
携帯電話、パソコンの WEB 上で、現在位置からのピンポイント検索(既に存在しているかも
知れませんが・・・)
182
183
3.現在の道路交通情報サービスの印象・期待
1)各種の提供情報に対する印象
(1)基本的な道路交通情報について
選択項目に掲げた基本的な道路交通情報に関しては、すべての項目で7割以上が「大
いに必要」「どちらかといえば必要」と回答し、必要性はどれも高いといえる。
属性別の大きな差異もみられない。
基本的な道路交通情報の印象・期待
0%
20%
40%
60%
80%
100%
渋滞情報
所要時間
最適経路
交通規制
事故情報
路面の状況
影響を及ぼす事象情報
大いに必要
どちらかと言えば不要
どちらかと言えば必要
全く不要
どちらとも言えない
わからない
回答件数
渋滞情報
所要時間
最適経路
交通規制
事故情報
路面の状況
工事、イベント等道路交通に影響を
及ぼす事象に関する情報
大いに必要 どちらかと どちらとも どちらかと 全く不要
わからない
言えば必要 言えない
言えば不要
811
427
39
8
6
0
442
630
161
49
7
2
405
575
231
59
19
2
677
501
90
13
5
5
742
473
54
15
6
1
478
549
207
44
9
4
623
561
92
10
4
1
計
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
回答割合
渋滞情報
所要時間
最適経路
交通規制
事故情報
路面の状況
工事、イベント等道路交通に影響を
及ぼす事象に関する情報
大いに必要 どちらかと どちらとも どちらかと 全く不要
わからない
言えば必要 言えない
言えば不要
62.8%
33.1%
3.0%
0.6%
0.5%
0.0%
34.2%
48.8%
12.5%
3.8%
0.5%
0.2%
31.4%
44.5%
17.9%
4.6%
1.5%
0.2%
52.4%
38.8%
7.0%
1.0%
0.4%
0.4%
57.5%
36.6%
4.2%
1.2%
0.5%
0.1%
37.0%
42.5%
16.0%
3.4%
0.7%
0.3%
48.3%
43.5%
184
7.1%
0.8%
0.3%
0.1%
計
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(2)道路交通情報に関連するサービス情報について
選択項目に掲げた道路交通情報に関連するサービス情報については、基本的な道路交
通情報と比べて、その必要性に大きな差異が現れた。
緊急時の対応に関わるサービス
や
天気予報サービス
などの必要性認識は高い
ものの、 音楽・カラオケ 、 映像コンテンツ 、 占い・ゲーム などのアミューズメン
ト系の付加的サービスについては、極めて必要性認識が低い。
関連する情報サービスの印象・期待
0%
20%
40%
60%
80%
100%
天気予報
SAやGAS情報
鉄道、バス、飛行機情報
緊急時対応
盗難車追跡サービス
飲食店、その他レジャー情報
各種予約等サービス
ニュース配信
音楽配信、カラオケ等
映像コンテンツ配信
占い、ゲーム等
ぜひ利用したい
どちらかと言えば利用したい
どちらとも言えない
必要性を感じない
わからない
回答件数
天気予報
サービスエリアやガソリンスタンド情報
鉄道、バス、飛行機の情報
緊急時対応(運転中の事故・病気等)
盗難車追跡サービス
飲食店、その他レジャー情報サービス
コンシェルジュ(各種予約等)サービス
ニュース配信
音楽配信、カラオケ等
映像コンテンツ配信
占い、ゲーム等
ぜひ利用し どちらかと どちらとも 必要性を感 わからない
たい
言えば利用 言えない じない
したい
294
648
251
96
2
214
626
312
133
6
112
424
507
241
7
435
561
238
49
8
219
429
471
142
30
122
543
444
172
10
47
244
596
369
35
80
385
507
289
30
64
176
425
548
78
39
129
413
614
96
22
81
336
706
146
計
ぜひ利用し どちらかと どちらとも 必要性を感 わからない
たい
言えば利用 言えない じない
したい
22.8%
50.2%
19.4%
7.4%
0.2%
16.6%
48.5%
24.2%
10.3%
0.5%
8.7%
32.8%
39.3%
18.7%
0.5%
33.7%
43.5%
18.4%
3.8%
0.6%
17.0%
33.2%
36.5%
11.0%
2.3%
9.5%
42.1%
34.4%
13.3%
0.8%
3.6%
18.9%
46.2%
28.6%
2.7%
6.2%
29.8%
39.3%
22.4%
2.3%
5.0%
13.6%
32.9%
42.4%
6.0%
3.0%
10.0%
32.0%
47.6%
7.4%
1.7%
6.3%
26.0%
54.7%
11.3%
計
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
回答割合
天気予報
サービスエリアやガソリンスタンド情報
鉄道、バス、飛行機の情報
緊急時対応(運転中の事故・病気等)
盗難車追跡サービス
飲食店、その他レジャー情報サービス
コンシェルジュ(各種予約等)サービス
ニュース配信
音楽配信、カラオケ等
映像コンテンツ配信
占い、ゲーム等
185
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
属性別では、下表のような特徴が見られ、関連サービス情報の必要度の違いは年齢に
よる差が大きいことが言える。
アミューズメント系サービスについては若年層(18-19 歳等)では、一定の必要性が持
たれているものの、その他の世代での必要性認識は著しく低い。
(ビッグ・ビジネスは困
難)
項
目
属性別の特徴
天気予報
年齢 … 18−19 歳の必要度が比較的高い
SAやGAS情報
鉄道、バス、飛行機情報
運転目的 … 「レジャー」目的層の必要度が高い
年齢 … 18−19 歳、20 代の必要度が比較的高い
年齢 … 18−19 歳、20 代の必要度が比較的高い
盗難車追跡サービス
年齢 … 40 代以上で「必要性を感じない」が多い
飲食店、その他レジャー
施設
音楽配信、カラオケ等
年齢 … 30 代以上で「必要性を感じない」が多い。60 歳以上では 2 割
居住地 … 「名古屋圏」での必要性が高い
年齢 … 30 代以上で「必要性を感じない」は 4 割以上
映像コンテンツ配信
年齢 … 20 代以上で「必要性を感じない」は 4 割以上。50 代以上は 5 割超
占い、ゲーム等
年齢 … 20 代以上で「必要性を感じない」は 4 割以上。30 代以上は 5 割超
… 「わからない」は 30 代以上で1割超える
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
Q7−I:音楽配信、カラオケ等
ぜひ利用し どちらかと言 どちらとも言 必要性を感 わからない
たい
えば利用し えない
じない
たい
64
176
425
548
78
20
25
25
34
2
24
41
66
82
12
7
30
95
107
18
6
23
101
112
15
6
38
69
120
18
1
19
69
93
13
5.0%
13.6%
32.9%
42.4%
6.0%
18.9%
23.6%
23.6%
32.1%
1.9%
10.7%
18.2%
29.3%
36.4%
5.3%
2.7%
11.7%
37.0%
41.6%
7.0%
2.3%
8.9%
39.3%
43.6%
5.8%
2.4%
15.1%
27.5%
47.8%
7.2%
0.5%
9.7%
35.4%
47.7%
6.7%
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
Q7−J:映像コンテンツ配信
ぜひ利用し どちらかと言 どちらとも言 必要性を感 わからない
たい
えば利用し えない
じない
たい
39
129
413
614
96
14
22
30
37
3
10
37
68
96
14
8
23
92
116
18
2
17
96
122
20
4
21
75
134
17
1
9
52
109
24
3.0%
10.0%
32.0%
47.6%
7.4%
13.2%
20.8%
28.3%
34.9%
2.8%
4.4%
16.4%
30.2%
42.7%
6.2%
3.1%
8.9%
35.8%
45.1%
7.0%
0.8%
6.6%
37.4%
47.5%
7.8%
1.6%
8.4%
29.9%
53.4%
6.8%
186
0.5%
4.6%
26.7%
55.9%
12.3%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
Q7−K:占い、ゲーム等
ぜひ利用し どちらかと言 どちらとも言 必要性を感 わからない
たい
えば利用し えない
じない
たい
22
81
336
706
146
11
17
34
38
6
4
28
66
107
20
5
14
71
139
28
1
11
69
149
27
1
7
55
160
28
0
4
41
113
37
1.7%
6.3%
26.0%
54.7%
11.3%
10.4%
16.0%
32.1%
35.8%
5.7%
1.8%
12.4%
29.3%
47.6%
8.9%
1.9%
5.4%
27.6%
54.1%
10.9%
0.4%
4.3%
26.8%
58.0%
10.5%
0.4%
2.8%
21.9%
63.7%
11.2%
0.0%
2.1%
21.0%
57.9%
19.0%
187
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
2)予測道路交通情報への期待
(1)予測情報に対する期待度
予測道路交通情報に対する期待につい
ては、「大いに期待する」40.3%、「どちら
かといえば期待する」45.6%で、合わせて
85.9%と非常に多くの人々が期待する意向
を示した。
割合
N=1,290
大いに期待する
520
40.3%
どちらかと言えば期待する
588
45.6%
どちらとも言えない
126
9.8%
どちらかと言えば期待しない
46
3.6%
全く期待しない
10
0.8%
1
−
非該当
計
1,291
100.0%
※「非該当」は通信トラブル等による欠損データである。
予測情報への期待
どちらかと言え
ば期待しない
3.6%
全く期待しない
0.8%
大いに期待す
る
40.3%
どちらとも言え
ない
9.8%
件数
どちらかと言え
ば期待する
45.6%
「大いに期待する」では、年齢別及び居住地別で若干の差異が見られる。
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
Q8:予測情報に対する期待度
大いに期待 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く期待し
する
えば期待す えない
えば期待し ない
る
ない
520
588
126
46
10
31
49
16
6
3
78
106
28
10
3
118
115
12
12
0
90
132
29
5
1
119
96
26
10
0
84
90
15
3
3
40.3%
45.6%
9.8%
3.6%
0.8%
29.5%
46.7%
15.2%
5.7%
2.9%
34.7%
47.1%
12.4%
4.4%
1.3%
45.9%
44.7%
4.7%
4.7%
0.0%
35.0%
51.4%
11.3%
1.9%
0.4%
47.4%
38.2%
10.4%
4.0%
0.0%
43.1%
46.2%
7.7%
1.5%
1.5%
合計
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
合計
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
Q8:予測情報に対する期待度
大いに期待 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く期待し
する
えば期待す えない
えば期待し ない
る
ない
520
588
126
46
10
175
160
30
7
1
103
119
15
9
3
81
88
30
11
2
159
218
49
19
3
2
3
2
0
1
40.3%
45.6%
9.8%
3.6%
0.8%
46.9%
42.9%
8.0%
1.9%
0.3%
41.4%
47.8%
6.0%
3.6%
1.2%
38.2%
41.5%
14.2%
5.2%
0.9%
35.5%
48.7%
10.9%
4.2%
0.7%
25.0%
37.5%
25.0%
0.0%
12.5%
188
全体
1,290
105
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
1,290
373
249
212
448
8
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(2)予測情報を期待する時点(1 位は必須で上位 3 位回答:N=1,108)
予測情報に期待すると回答した 1,108 人が最も予
予測情報を期待する時点(1位回答)
測情報を期待する時点については、
「数分〜30 分程
混雑する
シーズン
12.5%
特定の日時
7.2%
度先」が 30.7%、
「30 分〜1 時間程度先」が 25.7%
で、1 時間までの期待が 56.4%を占めている。
2番目及び3番目に期待する時点までを含めて、
数分〜30分
程度先
30.7%
決まった時
間・時間帯
10.3%
順位ごとに得点集計した場合には、
「30 分〜1 時間
程度先」の期待度が大きくなるが全体的な傾向は変
わらない。
30分〜1時
間程度先
25.7%
1〜2時間
先以内
13.4%
属性別の大きな差異もみられなかった。
その他の意見は、イベント
予測情報を期待する時点(1位から3位で得点化)
などの影響時間や日中の混雑
(点) 0
傾向、予定をたてるのに役立
つ予測などである。
その他
0.1%
200
400
600
800
1,000
1,200
数分〜30分程度先
1,400
1,311
30分〜1時間程度先
1,507
1〜2時間先以内
1,039
872
決まった時間・時間帯
特定の日時
725
混雑するシーズン
その他
993
7
回答件数
1位
数分〜30分程度先
30分〜1時間程度先
1〜2時間先以内
毎日、朝・夕等の決まった時間・時間帯
今週または来週の何曜日など特定の日時
お盆、正月、行楽期など混雑するシーズン
その他
非回答
計
※得点集計は、1位=3点、2位=2点、3位=1点とした。
2位
3位
340
285
149
114
80
139
1
0
1,108
102
271
173
189
164
160
0
49
1,108
87
110
246
152
157
256
4
96
1,108
1位
30.7%
25.7%
13.4%
10.3%
7.2%
12.5%
0.1%
−
100.0%
2位
9.6%
25.6%
16.3%
17.8%
15.5%
15.1%
0.0%
−
100.0%
3位
8.6%
10.9%
24.3%
15.0%
15.5%
25.3%
0.4%
−
100.0%
回答割合
数分〜30分程度先
30分〜1時間程度先
1〜2時間先以内
毎日、朝・夕等の決まった時間・時間帯
今週または来週の何曜日など特定の日時
お盆、正月、行楽期など混雑するシーズン
その他
非回答
計
189
1,600
得点集計
1,311
1,507
1,039
872
725
993
7
(3)予測情報に期待しない理由(N=56)
予測情報に「全く期待しない」
「どちらかと
言えば期待しない」と回答した 56 人があげる
期待しない理由は、
「信用できない」が 55.4%
と過半数を占めている。次いで渋滞や事故原
因など「ある程度の現在情報と経験で対処で
予測情報に期待しない理由
その他
5.4%
わからない
3.6%
現状と事故・
渋滞原因、経
験で十分
21.4%
きる」とする理由が合わせて 35.7%である。
信用できない
55.4%
現状と経験で
十分
14.3%
件数
渋滞の予測情報など信用できない
現状の道路(渋滞の状況)の状況さえわかれば、経
験的に対処できる。
現状に加え、渋滞の理由(事故原因・車種等)や程
度さえわかれば、経験的に対処できる。
その他
わからない
計
31
割合
55.4%
8
14.3%
12
3
2
56
21.4%
5.4%
3.6%
100.0%
(その他の意見)
わかっても仕方が無い気がする
私の運転範囲では、必要性ない
情報は必ず操作される。
知ったところで道を変えたいとは思わないのであまり必要性を感じない
属性別では居住地での違いが最も差異が大きく現れている。
「信用できない」とする意
見は地方圏よりも都市圏で多い。逆に「経験的に対処できる」は地方圏で多い。
合計
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
合計
東京圏
名古屋圏
関西圏
地方圏
その他
Q8−3:予測情報に期待しない理由
その他
わからない
渋滞の予測 現状の道路 現状に加
情報など信 (渋滞の状 え、渋滞の
用できない 況)の状況 理由(事故
さえわかれ 原因・車種
ば、経験的 等)や程度
に対処でき さえわかれ
N=56
る
ば 経験的
31
8
12
3
2
6
0
1
1
0
6
3
2
1
0
10
1
2
0
0
9
4
7
1
1
0
0
0
0
1
55.4%
14.3%
21.4%
5.4%
3.6%
75.0%
0.0%
12.5%
12.5%
0.0%
50.0%
25.0%
16.7%
8.3%
0.0%
76.9%
7.7%
15.4%
0.0%
0.0%
40.9%
18.2%
31.8%
4.5%
4.5%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
190
全体
56
8
12
13
22
1
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
3)現在の道路交通情報サービスの評価
(1)満足度
①
項目別満足度
項目別の満足度の回答状況は、
「大いに満足」
「どちらかといえば満足」を合わせて 50%
を超える項目はなく、
「どちらとも言えない」とする意見の割合が多く、明確な判断がで
きないユーザーの多いことがわかる。
基本的な情報提供サービスに関わる項目(A〜I)では、主要道以外の細い道路まで
網羅している「D:情報の網羅性」
、現時点だけではなく予測情報が入手できる「E:情
報の予見性」
、ほしい情報を自由に選択・リクエストできる「I:情報の選択性」につい
ての評価が低い。
関連情報提供サービスに関わる「J:他の交通機関との連動性」「K:情報の娯楽性」
「L:総合的支援性」は総じて低い評価である。
道路交通情報の満足度
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
A:情報の正確性
B:情報の安定性
C:情報の逐次性
D:情報の網羅性
E:情報の予見性
F:情報の安価性
G:理解の平易性
H:操作の平易性
I:情報の選択性
J:他の交通機関との連動性
K:情報の娯楽性
L:総合的支援性
大いに満足
どちらかと言えば満足
どちらとも言えない
どちらかと言えば不満
大いに不満
わからない
回答件数
大いに満足
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
どちらかと どちらとも どちらかと 大いに不満 わからない
言えば満足 言えない
言えば不満
99
535
401
163
30
63
計
1,291
70
103
49
52
255
146
152
286
397
133
201
369
456
429
447
386
392
515
366
434
410
332
275
425
327
136
147
167
91
79
201
104
76
52
55
65
51
91
92
89
56
78
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
62
43
178
147
456
576
309
269
162
99
124
157
1,291
1,291
26
109
680
213
61
202
1,291
25
92
670
195
81
228
1,291
191
回答割合
大いに満足
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
どちらかと どちらとも どちらかと 大いに不満 わからない
言えば満足 言えない
言えば不満
7.7%
41.4%
31.1%
12.6%
2.3%
4.9%
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
22.2%
30.8%
10.3%
15.6%
28.6%
35.3%
33.2%
34.6%
29.9%
30.4%
39.9%
28.4%
33.6%
31.8%
25.7%
21.3%
32.9%
25.3%
10.5%
11.4%
12.9%
7.0%
6.1%
15.6%
8.1%
5.9%
4.0%
4.3%
5.0%
4.0%
7.0%
7.1%
6.9%
4.3%
6.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
4.8%
3.3%
13.8%
11.4%
35.3%
44.6%
23.9%
20.8%
12.5%
7.7%
9.6%
12.2%
100.0%
100.0%
2.0%
8.4%
52.7%
16.5%
4.7%
15.6%
100.0%
1.9%
7.1%
51.9%
15.1%
6.3%
17.7%
100.0%
目の、「A:情報の正確性」、「F:情報の安価性」の満足度が5割を超える程度となり、
「D:情報の網羅性」の不満度が5割を超える。
「わからない」を除いた道路交通情報の満足度
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
A:情報の正確性
B:情報の安定性
C:情報の逐次性
D:情報の網羅性
E:情報の予見性
F:情報の安価性
G:理解の平易性
H:操作の平易性
I:情報の選択性
J:他の交通機関との連動性
K:情報の娯楽性
L:総合的支援性
大いに満足
100.0%
5.4%
8.0%
3.8%
4.0%
19.8%
11.3%
11.8%
「わからない」とする意見を除いた場合には、基本的な情報提供サービスに関わる項
0%
計
どちらかと言えば満足
どちらとも言えない
192
どちらかと言えば不満
大いに不満
【属性別の特徴】
「B:情報の安定性」…18−19 歳の評価が比較的高い。
Q9−1̲B:情報の安定性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
70
6
22
17
8
9
8
5.4%
5.7%
9.8%
6.6%
3.1%
3.6%
4.1%
286
34
44
55
48
61
44
22.2%
32.1%
19.6%
21.4%
18.7%
24.3%
22.6%
447
40
80
89
83
79
76
34.6%
37.7%
35.6%
34.6%
32.3%
31.5%
39.0%
332
15
54
65
77
72
49
25.7%
14.2%
24.0%
25.3%
30.0%
28.7%
25.1%
91
5
7
19
27
20
13
7.0%
4.7%
3.1%
7.4%
10.5%
8.0%
6.7%
65
6
18
12
14
10
5
5.0%
5.7%
8.0%
4.7%
5.4%
4.0%
2.6%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
「D:情報の網羅性」…運転頻度が多いほど評価が低い。
Q9−1̲D:情報の網羅性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
合計
ほぼ毎日
週に数回
週に1,2回
月に数回
月に1回以下
49
24
10
11
4
0
3.8%
4.0%
3.6%
3.9%
3.1%
0.0%
133
51
23
35
24
0
10.3%
8.4%
8.4%
12.4%
18.8%
0.0%
392
175
89
91
37
0
30.4%
28.9%
32.4%
32.3%
28.9%
0.0%
425
204
91
88
42
0
32.9%
33.7%
33.1%
31.2%
32.8%
0.0%
201
109
46
34
12
0
15.6%
18.0%
16.7%
12.1%
9.4%
0.0%
91
43
16
23
9
0
7.0%
7.1%
5.8%
8.2%
7.0%
0.0%
全体
1,291
606
275
282
128
0
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
「F:情報の安価性」…業務目的の評価が高い。
Q9−1̲F:情報の安価性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
合計
業務
通勤・通学
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
その他
255
23
59
126
42
5
19.8%
21.5%
17.8%
20.1%
19.4%
50.0%
369
41
92
181
54
1
28.6%
38.3%
27.7%
28.9%
25.0%
10.0%
366
22
99
177
67
1
28.4%
20.6%
29.8%
28.3%
31.0%
10.0%
193
136
14
33
67
20
2
10.5%
13.1%
9.9%
10.7%
9.3%
20.0%
76
6
21
32
17
0
5.9%
5.6%
6.3%
5.1%
7.9%
0.0%
89
1
28
43
16
1
6.9%
0.9%
8.4%
6.9%
7.4%
10.0%
全体
1,291
107
332
626
216
10
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
「K:情報の娯楽性」…18−19 歳の評価が比較的高い。
Q9−1̲K:情報の娯楽性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
26
5
8
5
3
5
0
2.0%
4.7%
3.6%
1.9%
1.2%
2.0%
0.0%
109
18
23
19
13
19
17
8.4%
17.0%
10.2%
7.4%
5.1%
7.6%
8.7%
680
52
103
136
143
133
113
52.7%
49.1%
45.8%
52.9%
55.6%
53.0%
57.9%
213
20
40
46
35
42
30
16.5%
18.9%
17.8%
17.9%
13.6%
16.7%
15.4%
61
3
10
9
14
15
10
4.7%
2.8%
4.4%
3.5%
5.4%
6.0%
5.1%
202
8
41
42
49
37
25
15.6%
7.5%
18.2%
16.3%
19.1%
14.7%
12.8%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
「L:総合的支援性」…18−19 歳の評価が比較的高い。
Q9−1̲L:総合的支援性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
25
4
8
5
2
5
1
1.9%
3.8%
3.6%
1.9%
0.8%
2.0%
0.5%
92
18
17
17
10
14
16
7.1%
17.0%
7.6%
6.6%
3.9%
5.6%
8.2%
670
50
104
141
138
129
108
51.9%
47.2%
46.2%
54.9%
53.7%
51.4%
55.4%
194
195
20
36
34
32
43
30
15.1%
18.9%
16.0%
13.2%
12.5%
17.1%
15.4%
81
5
11
15
16
22
12
6.3%
4.7%
4.9%
5.8%
6.2%
8.8%
6.2%
228
9
49
45
59
38
28
17.7%
8.5%
21.8%
17.5%
23.0%
15.1%
14.4%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
②
不満度の高い項目
最も「不満」と感じる項目の上位3つまでを選択する問いに対する回答状況は、1位
回答で見た場合、項目別選択で不満とする意見の多かった「E:情報の予見性」
「I:情
報の選択性」
「J:他の交通機関との連動性」などの割合が低く、逆に満足とする意見の
多かった「A:情報の正確性」の割合が高くなっている。
不満度の高い項目(1位回答)
K:情報の娯楽性
3.6%
L:総合的支援性
5.3%
J:他の交通機関
との連動性
2.7%
I:情報の選択性
11.5%
A:情報の正確性
9.2%
B:情報の安定性
16.5%
H:操作の平易性
3.4%
G:理解の平易性
3.9%
F:情報の安価性
6.7%
C:情報の逐次性
12.5%
E:情報の予見性
5.7%
D:情報の網羅性
19.0%
2番目及び3番目に不満と感じる項目までを含めて、順位ごとに得点集計した場合に
は、1位回答のみの場合と大きな変化はみられないが、
「F:情報の安価性」よりも「E:
情報の予見性」の方が高くなる。
不満度の高い項目(1位から3位で得点化)
(点)
0
200
400
600
800
928
B:情報の安定性
813
C:情報の逐次性
D:情報の網羅性
1,104
481
E:情報の予見性
362
F:情報の安価性
H:操作の平易性
272
255
697
I:情報の選択性
J:他の交通機関との連動性
286
K:情報の娯楽性
279
L:総合的支援性
1,200
513
A:情報の正確性
G:理解の平易性
1,000
340
195
回答件数
1位
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
非回答
計
2位
119
53
50
得点集計
513
213
162
245
73
86
50
44
103
127
138
89
38
38
35
83
73
93
84
28
46
53
928
813
1,104
481
362
272
255
149
35
79
66
92
49
697
286
46
48
45
279
69
0
1,291
39
438
1,291
55
540
1,291
340
※得点集計は、1位=3点、2位=2点、3位=1点とした。
回答割合
1位
A 情報に誤りがなく正確であること
9.2%
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
B
16.5%
できること
C 事故、渋滞の反映などが迅速になされること
12.5%
D 主要道以外の細い道路まで網羅していること
19.0%
E 現時点だけでなく予測情報が入手できること
5.7%
F 料金が無料か安価であること
6.7%
G 分かり易いこと、すぐに理解できること
3.9%
H 情報入手の操作が簡単であること
3.4%
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
I
11.5%
こと
J 鉄道等他の交通手段と連動していること
2.7%
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
K
3.6%
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
L
5.3%
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
−
非回答
計
100.0%
196
3位
2位
3位
6.2%
6.7%
12.1%
14.9%
16.2%
10.4%
4.5%
4.5%
4.1%
11.1%
9.7%
12.4%
11.2%
3.7%
6.1%
7.1%
9.3%
7.7%
12.3%
6.5%
5.6%
6.0%
4.6%
7.3%
−
−
100.0%
100.0%
(2)重要度
①項目別重要度
項目別の重要度の回答状況は、基本的な情報提供サービスに関わる項目(A〜I)は
総じて重要性が高く、「どちらかといえば不要」「全く不要」とする意見も少なく重要性
の高いことが認められる。
重要度が比較的低いのは、
「D:情報の網羅性」
「E:情報の予見性」
「I:情報の選択
性」であり、満足度の低かった項目である。
関連情報提供サービスに関わる項目の重要度は「J:他の交通機関との連動性」以外
は低く、不要とする意見は総じて多い。
道路交通情報の重要度
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
A:情報の正確性
B:情報の安定性
C:情報の逐次性
D:情報の網羅性
E:情報の予見性
F:情報の安価性
G:理解の平易性
H:操作の平易性
I:情報の選択性
J:他の交通機関との連動性
K:情報の娯楽性
L:総合的支援性
大いに重要
どちらかと言えば重要
どちらとも言えない
どちらかと言えば不要
全く不要
わからない
回答件数
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
大いに重要 どちらかと どちらとも どちらかと 全く不要
言えば重要 言えない
言えば不要
814
362
80
21
わからない
計
1
13
1,291
548
540
155
31
3
14
1,291
737
354
291
690
687
611
411
518
572
376
423
466
101
295
324
162
142
165
27
90
74
32
23
25
3
12
15
11
6
9
12
22
15
20
10
15
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
1,291
432
136
473
375
282
477
64
219
16
43
24
41
1,291
1,291
62
210
476
312
176
55
1,291
74
210
497
284
156
70
1,291
197
回答割合
大いに重要
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
どちらかと どちらとも どちらかと 全く不要
わからない
言えば重要 言えない
言えば不要
63.1%
28.0%
6.2%
1.6%
0.1%
1.0%
100.0%
42.4%
41.8%
12.0%
2.4%
0.2%
1.1%
100.0%
57.1%
27.4%
22.5%
53.4%
53.2%
47.3%
31.8%
40.1%
44.3%
29.1%
32.8%
36.1%
7.8%
22.9%
25.1%
12.5%
11.0%
12.8%
2.1%
7.0%
5.7%
2.5%
1.8%
1.9%
0.2%
0.9%
1.2%
0.9%
0.5%
0.7%
0.9%
1.7%
1.2%
1.5%
0.8%
1.2%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
33.5%
10.5%
36.6%
29.0%
21.8%
36.9%
5.0%
17.0%
1.2%
3.3%
1.9%
3.2%
100.0%
100.0%
4.8%
16.3%
36.9%
24.2%
13.6%
4.3%
100.0%
5.7%
16.3%
38.5%
22.0%
12.1%
5.4%
100.0%
【属性別の特徴】
「D:情報の網羅性」…18−19 歳の「大いに重要」とする意見が多い。
Q10−1̲D:情報の網羅性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
354
46
65
82
66
57
38
27.4%
43.4%
28.9%
31.9%
25.7%
22.7%
19.5%
518
28
91
107
105
110
77
40.1%
26.4%
40.4%
41.6%
40.9%
43.8%
39.5%
295
20
54
48
58
58
57
22.9%
18.9%
24.0%
18.7%
22.6%
23.1%
29.2%
90
9
10
12
21
19
19
7.0%
8.5%
4.4%
4.7%
8.2%
7.6%
9.7%
12
1
1
3
1
4
2
0.9%
0.9%
0.4%
1.2%
0.4%
1.6%
1.0%
わからない
22
2
4
5
6
3
2
1.7%
1.9%
1.8%
1.9%
2.3%
1.2%
1.0%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
「E:情報の予見性」…18−19 歳の不要とする意見が多い。
Q10−1̲E:情報の予見性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
291
28
60
63
49
51
40
22.5%
26.4%
26.7%
24.5%
19.1%
20.3%
20.5%
572
42
97
117
125
115
76
44.3%
39.6%
43.1%
45.5%
48.6%
45.8%
39.0%
324
21
48
62
58
70
65
25.1%
19.8%
21.3%
24.1%
22.6%
27.9%
33.3%
198
74
11
12
10
19
12
10
5.7%
10.4%
5.3%
3.9%
7.4%
4.8%
5.1%
15
3
4
0
3
3
2
1.2%
2.8%
1.8%
0.0%
1.2%
1.2%
1.0%
わからない
15
1
4
5
3
0
2
1.2%
0.9%
1.8%
1.9%
1.2%
0.0%
1.0%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
計
「K:情報の娯楽性」…年代とともに不要とする意見が多くなる。
Q10−1̲K:情報の娯楽性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
62
13
16
13
9
9
2
4.8%
12.3%
7.1%
5.1%
3.5%
3.6%
1.0%
210
23
50
37
35
43
22
16.3%
21.7%
22.2%
14.4%
13.6%
17.1%
11.3%
476
42
75
97
93
86
83
36.9%
39.6%
33.3%
37.7%
36.2%
34.3%
42.6%
312
18
48
60
66
64
56
24.2%
17.0%
21.3%
23.3%
25.7%
25.5%
28.7%
176
8
26
36
42
39
25
13.6%
7.5%
11.6%
14.0%
16.3%
15.5%
12.8%
わからない
55
2
10
14
12
10
7
4.3%
1.9%
4.4%
5.4%
4.7%
4.0%
3.6%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
「L:総合的支援性」…18−19 歳の重要度が高い。
Q10−1̲L:総合的支援性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
合計
18-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60歳以上
74
14
20
13
9
9
9
5.7%
13.2%
8.9%
5.1%
3.5%
3.6%
4.6%
210
24
41
39
31
49
26
16.3%
22.6%
18.2%
15.2%
12.1%
19.5%
13.3%
497
42
81
99
102
89
84
38.5%
39.6%
36.0%
38.5%
39.7%
35.5%
43.1%
199
284
19
49
54
57
58
47
22.0%
17.9%
21.8%
21.0%
22.2%
23.1%
24.1%
156
4
18
35
43
35
21
12.1%
3.8%
8.0%
13.6%
16.7%
13.9%
10.8%
わからない
70
3
16
17
15
11
8
5.4%
2.8%
7.1%
6.6%
5.8%
4.4%
4.1%
全体
1,291
106
225
257
257
251
195
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
②優先的重要項目
最も「重要」と感じる項目の上位3つまでを選択する問いに対する回答状況は、1位
回答で見た場合、「A:情報の正確性」をあげる意見が圧倒的に多く半数近くを占める。
次いで「C:情報の逐次性」「B:情報の安定性」「F:情報の安価性」などが多く、
項目別選択で重要とする意見の多かった「G:理解の平易性」や「H:操作の平易性」
の割合は低くなっている。
優先的重要項目(1位回答)
I:情報の選択性
2.6%
J:他の交通機関
との連動性
0.5%
K:情報の娯楽性
0.6%
L:総合的支援性
1.6%
H:操作の平易性
2.3%
G:理解の平易性
3.6%
F:情報の安価性
9.6%
E:情報の予見性
2.6%
A:情報の正確性
47.1%
D:情報の網羅性
5.2%
C:情報の逐次性
12.2%
B:情報の安定性
12.1%
2番目及び3番目に重要と感じる項目までを含めて、順位ごとに得点集計した場合で
も、1位回答のみの場合と大きな変化はみられない。
優先的重要項目(1位から3位で得点化)
(点) 0
200
400
600
800
1,000 1,200
1,600
1,800 2,000
2,200
2,145
A:情報の正確性
1,027
B:情報の安定性
C:情報の逐次性
1,157
D:情報の網羅性
454
243
E:情報の予見性
696
F:情報の安価性
G:理解の平易性
378
H:操作の平易性
255
I:情報の選択性
238
J:他の交通機関との連動性
57
K:情報の娯楽性
54
L:総合的支援性
1,400
83
200
回答件数
1位
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報に誤りがなく正確であること
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
できること
事故、渋滞の反映などが迅速になされること
主要道以外の細い道路まで網羅していること
現時点だけでなく予測情報が入手できること
料金が無料か安価であること
分かり易いこと、すぐに理解できること
情報入手の操作が簡単であること
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
こと
鉄道等他の交通手段と連動していること
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
非回答
計
2位
608
123
75
得点集計
2,145
156
157
67
33
124
47
30
226
237
80
37
116
65
46
107
212
93
70
92
107
73
1,027
1,157
454
243
696
378
255
34
6
40
12
56
15
238
57
8
9
12
54
21
0
1,291
5
295
1,291
10
369
1,291
83
※得点集計は、1位=3点、2位=2点、3位=1点とした。
回答割合
1位
A 情報に誤りがなく正確であること
47.1%
ほしい時間帯に途切れることなく情報が入手
B
12.1%
できること
C 事故、渋滞の反映などが迅速になされること
12.2%
D 主要道以外の細い道路まで網羅していること
5.2%
E 現時点だけでなく予測情報が入手できること
2.6%
F 料金が無料か安価であること
9.6%
G 分かり易いこと、すぐに理解できること
3.6%
H 情報入手の操作が簡単であること
2.3%
ほしい情報を自由に選択・リクエストできる
I
2.6%
こと
J 鉄道等他の交通手段と連動していること
0.5%
娯楽情報など道路交通情報以外のサービスメ
K
0.6%
ニューの充実
車検・保険・修理・道案内・安全運転支援な
L
1.6%
どの運転に関わるトータルなサービスの充実
非回答
−
計
100.0%
201
3位
2位
3位
12.3%
8.1%
22.7%
23.8%
8.0%
3.7%
11.6%
6.5%
4.6%
11.6%
23.0%
10.1%
7.6%
10.0%
11.6%
7.9%
4.0%
1.2%
6.1%
1.6%
0.9%
1.3%
0.5%
1.1%
−
−
100.0%
100.0%
(3)満足度と重要度の比較
満足度と重要度との関係を把握するため、各項目別の回答件数に応じた得点化を行い、
それぞれの得点結果から分布状況を作成した。
道路交通情報に対する満足度と重要度の関係
重要度
3,000
情報の正確性
情報の逐次性
理解の平易性
2,500
情報の安定性
情報の安価性
操作の平易性
2,000
情報の選択性
1,500
情報の網羅性
情報の予見性
1,000
500
他の交通機関との連動
性
満足度
0
-1,000
-800
-600
-400
-200
総合的支援性
0
200
400
600
800
1,000
情報の娯楽性
-500
-1,000
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
情報の正確性
情報の安定性
情報の逐次性
情報の網羅性
情報の予見性
情報の安価性
理解の平易性
操作の平易性
情報の選択性
他の交通機関との連動性
情報の娯楽性
総合的支援性
得 点
満足度
重要度
579
2,780
‑109
2,144
194
2,586
‑748
1,454
‑282
1,326
770
2,381
591
2,443
553
2,247
‑431
1,657
‑290
435
‑209
‑444
‑271
‑320
202
凡例
◆
■
▲
×
×
●
+
○
−
◇
□
△
(得点化の要領)
「大いに満足/重要」
+3
「どちらかと言えば満足/重要」 +1
「どちらとも言えない」
0
「どちらかと言えば不満/不要」 ‑1
「大いに不満/不要」
‑3
「わからない」
0
上図右上の満足度及び重要度の高い項目は、どれも基本的な情報提供サービスに関わ
る項目である。一方で、同様な項目である「情報の安定性」「情報の網羅性」「情報の選
択性」などは、満足度が低い範囲に分布している。
「情報の網羅性」
「情報の安定性」などは、ユーザーが最も不満あるいは重要と感じる
上位項目であり、現行サービスの改善の必要性があると思われる。
不満度の高い項目
得点
重要度の高い項目
得点
D 情報の網羅性
1,104
A 情報の正確性
2,145
B 情報の安定性
928
C 情報の逐次性
1,157
C 情報の逐次性
813
B 情報の安定性
1,027
I 情報の選択性
697
F 情報の安価性
696
A 情報の正確性
513
D 情報の網羅性
454
203
(4)自由回答に見るエンドユーザーの問題意識・アイデア等
また、本アンケートの自由回答欄には、あると便利だと思う新しい道路交通情報サービ
スも含めて、アイデアや現状サービスの問題点など 400 件以上の意見が寄せられた。
それらの概要は下記の通りである。
A:情報の正確性
渋滞についての情報と実際の道路状況との食い違いに関する意見が多く、
「完全に停止し
ているのか、ゆっくりでも進んでいるのかわからない」など渋滞の程度を正確に知りたい
という要望が強い。また現在の情報の正確性の更なる向上を求める意見もある。
No
377
1203
998
1088
アイデア・意見等
渋滞情報のきめ細やかさ。例えば現状では渋滞という表示が出ていても、実際は低スピードで走れたりすることが
ある。
なんといっても高速道路の渋滞情報が一番知りたい。現在の情報では渋滞しているけれども流れているのかびっち
り詰まって通行できない状況か非常に迷う。また、渋滞しているなら手前のインターで降りる選択が出来る情報が
ほしい。
便利なサービスよりやはり基本的な情報をより正確できるサービスがいいです。
(所要時間など)
今現在のシステムをもっと正確にしてくれるのが先決だと思う
B:情報の安定性
高速道路への進入、混雑に伴うルート変更(迂回)や工事などによる車線変更など、ユ
ーザーには大小様々な行動選択を判断する上で、走行中に情報をもっと早くタイミングよ
く知りたい要望が強い。また、
「VICSの対象路線」や「道の駅」など情報提供ポイント
の拡充を求める意見もみられる。情報を入手したい場所の問いでも「コンビニエンススト
ア」がその他の意見として数多くあった。
特にラジオについては多くの意見が寄せられた。ハイウェイラジオ(1620kHz)の地域
拡大、24 時間・地域ごとの専門チャンネル創設などがアイデアとして提案されている。
ラジオは安価性と操作性に優れ、音声による情報であるため運転への影響も少なく、ユ
ーザーにとって最も身近で負担のないメディアである(つまり「面倒くさくない」)。いつ
でもどこでもという安定性と地域ごとの情報などといった網羅性が高まることで、より価
値の高いメディアとなる可能性がある。
<情報量の不足>
No
1192
アイデア・意見等
現在のラジオによる交通情報は平日は約 1 時間置きに行われている物が休日になるといきなり減少してしまう、こ
のために適切な情報が得られずに休日に高速道路の事故や渋滞が多くなってしまうので、休日を中心にきめ細やか
な情報提供するサービスを行うとよいと思う
<タイミング(いつでも)>
No
172
399
622
758
アイデア・意見等
たまに感じるのだがSAが異常に混雑していて、立ち寄ったことを後悔してしまうケースがある。そんな時あらか
じめSAの混雑状況が把握できていれば助かると思う。
首都高などは早めに車線変更の掲示が出ているといい。行きたいところに行けないことがある。
高速道路の渋滞情報は殆ど IC 入り口直前で情報が公開されていることが多いので、もっと早く一般道で知らせて
貰えれば迂回する等早めに対応出来る。一般道でも高速道路に繋がる道ではもっと道路情報サービスの掲示をして
欲しい
基本的に無料サービスを望む。一般道でも、「工事、事故等により、片側通行」等の情報を直前ではなく、有る程
204
度前の段階で欲しい(電光掲示板で表示等)
<場所(どこでも)>
No
608
319
899
220
アイデア・意見等
目的地に向うとき、自宅にて道路情報を知りたいと思うが今の状況では知ることが出来ない。冬場特に道路が凍結
しているようなときに、正確な情報が知ることが出来たらと思う。
欲しいときに欲しい道路の渋滞状況がわかる。今のVICSでは欲しい道路が対象道路になっていない。
田舎でもVICSがつかえるようにして欲しい(新潟県長岡市)
道の駅をもっとたくさん作るといい
<専門ラジオ>
No
77
206
278
582
935
アイデア・意見等
1620HZ の道路交通情報は雑音が入るし、途切れるし、利用しにくい。いつでもスイッチを入れれば聞こえる
ように、専門チャンネルがほしい。
AMラジオの道路情報を充実させる。今のようなエリア限定ではなくいつでもどこでもカーラジオに標準装備され
ているボタンを押せば現在走っている地域の道路情報が受信できるようにしてもらいたい。
全国の主要な道路で FM ラジオを使い24時間交通情報を流し続ける。
都内在住なので、渋滞情報は詳しく欲しい。いまは、ある程度の地域にしか流れていないが、常に渋滞情報を流す
ラジオ局とか会ったら良いかな。
常に道路情報を放送しているラジオ。チャンネルによって、放送している地域が違っているといいです。
C:情報の逐次性
何よりも工事・事故や自然渋滞に係るリアルタイムな情報提供が強く望まれている。
そのほかには、事故・工事の詳細な情報(事故原因、片側通行なのかどうか、処理の
解消の目安など)が知りたい意見が多い。
<リアルタイム性の重視>
No
1053
269
692
1034
905
アイデア・意見等
道路工事や事故状況を迅速に伝達する手段と体制が望まれていると思います。応用的なサービスもいいですが、現
在は、基本の情報がしっかりしていないと思います。
もっと迅速な情報サービスがあればよい。今渋滞しているのに情報が出ていなかったり渋滞情報が出ているのにす
いていたりするので、リアルタイムな情報サービスがほしい
ごちやごちゃしたものより、道路情報を正確にタイムリーに伝えることが最も重要である。気の抜けたような情報
が何時までも掲示されていることがよくある。いろいろサービス提供しても本当に必要な物は限られている。有れ
ばよい程度の物が殆ど。
刻一刻と変化する道路事情に迅速に対応して、道路情報(事故、落下物等)がすぐに運転者に分かるようにするサ
ービス。
自分が進む方向の交通状況(円滑か渋滞か)を、リアルタイムで、自動的に報知してくれるシステム。
(10km、30km、
60km 程度のエリアで)
<詳細な情報の提供>
No
296
566
693
922
590
アイデア・意見等
北海道の私の場合は、運転は娯楽・買い物か業務(通勤では使用していない)なので、運転時は事故現場の詳し
い場所、その状況(片側で交通可能か、否か)がタイムリーで欲しい。
やはり事故渋滞が困るので詳しく知らせて欲しい。高速道路上では事故発生しかわからないのでどのくらいで処理
できるのかが一番聞きたい事なので それを知らせて欲しい。また途中平場のほうが早い場合はそれも知らせて欲
しい
ショッピングセンターや回る寿し店などへの駐車待ちのため、左車線が渋滞していることがあるが、後方からでは
分からない。渋滞原因を知らせて、右車線の利用を促すような情報があると意味無く渋滞に巻き込まれなくて助か
る。
単純に渋滞だと言うだけでなく何のために渋滞しているかわかるといい。高速道路などは特に詳細な情報(どの区
間でどれくらいの渋滞なのかがオンタイムでわかる)があると高速に乗るか乗らないかの選択もできて便利乗って
から情報をもらっても役に立たない
迅速に対応してくれるサービスが一番欲しい。今のVICSは遅いし工事情報がほとんどないので警察と連携して
いち早く事故、工事情報が欲しい。
205
206
D:情報の網羅性
一般道と高速道の連携、駐車場や地域ごとの詳細な情報の充実を求める意見等が目立
つ。
No
1009
462
547
526
819
779
562
アイデア・意見等
一般道と高速道の連携した情報サービス
道路工事の情報。
(市街地の細い道も)
目的地の駐車場まで細かく表示してほしい。
町道はもとより農道まで網羅した渋滞情報。コンサートや競馬などのイベント終了時の渋滞の予測情報。
携帯で多少の情報は集められるので今のところはそれで間に合っている。が、主要道路以外の情報はコンビニにタ
ッチパネルなど設置してどこでも情報が取れたりするといい。
私の住んでいるところは最近、下水道工事などが多く急遽迂回しなければならない道路があったりする。しかし現
状では、その場所の直前まで行かなければわからない。そのようなきわめてローカルな(道路)情報を提供すること
は可能だろうか?
渋滞など予測されるとき、こちらの方がいいですよ的な意見は重要と考えますが、教えられた方の道を知ってない
と意味ないわけだから、細かい部分までの道路網での説明にしてもらうサービス。
E:情報の予見性
情報の予見性については、不満度、重要度ともにそれほど高い項目ではなく、現行サー
ビスの改善が喫緊の課題とは言いがたい。
しかしながら、自由回答では、
「渋滞の影響」、
「複数ルート間の比較」
、
「特定日時・場所」
の予測情報を求める意見が多い。
<渋滞の影響予測>
No
526
617
686
742
558
アイデア・意見等
町道はもとより農道まで網羅した渋滞情報。コンサートや競馬などのイベント終了時の渋滞の予測情報。
何分後には渋滞が解消されるというような予測サービス
事故などの渋滞時に渋滞が解消する時間の予測表示
事故による渋滞発生時、または通行止め等の時に、それが解除されるまでの時間(事故処理が終了するまでの時間)
が、わかると大変助かります。その時間によって、迂回するべきか、解除を待つ方がよいか、判断したいので。
予定路線の渋滞通過時間のお知らせ。
<代替ルート比較予測>
No
109
975
1265
419
338
52
339
697
アイデア・意見等
出発地出発時刻と到着地を指定すると、ルートを何パターンかを案内してくれ、到着予定時刻、高速道路料金など
を試算してくれること。
(今でもあるかもしれないが、到着予想時刻は実際の道路状況や信頼できる予測値ではな
い。
)
au 提供の EZ ナビの車版という感じで、ナビ+渋滞情報により(ナビ付)車に乗っていなくても、ある程度渋滞情
報と経路が判断出来ると嬉しい。それに加え1時間程度先の渋滞予測があればなお良し。
たとえば高速道路等を走行中はるか前方に渋滞が発生していた場合、自車が通過するであろう時間帯の渋滞状況予
測、その場所を迂回した場合の所要時間の提供サービス
行き先を入力すれば、最短コース、所要時間、到着時点の近くの空き駐車場の場所を教えてくれるもの。
市街地を通るときに、高速道路を使うのと、普通の道を通るのとどちらがどのくらい早いのか、渋滞情報を踏まえ
てのリアルタイムの診断。
一般道と高速をリアルタイムに比較して早いほうを教えて欲しい。
目的地に向かう何種類かのルートの所要時間、容易度など比較できるサービス
工事や事故情報、天候状況を織り込んだルート別所要時間・コストのトータル比較
<特定の日時等の道路状況予測>
No
114
34
712
1255
342
239
アイデア・意見等
指定場所の指定日時における交通情報を無料で利用できるサービス
一週間先の行楽地へ向かう道路の予想混雑状況。今現在の行楽地へ向かう車の状況(詳しく)
数日前から、渋滞などがわかるといい。ナビなどでお知らせが、入るといい。
土曜、日曜の渋滞予想
指定したルートについての一週間の交通情報が手にはいると便利だと思います。
「目的地Aまで行くとき、その日なら○時に出ると一番早く着く」情報。たとえば、東京から熱海に土曜日に行き
207
たいとき、午前10時に出ると渋滞に巻き込まれるが、9時ならあまり巻き込まれず早く到着できるとか、そうい
う情報。ただ、サービスを民間と競うより、通行料を安くしてください。
208
F:情報の安価性
情報の安価性については、やはり無料にするべきであると意見が目立つ。
また、必要な情報を、必要な時にその都度利用したいという、エンドユーザーの利用意
向を反映して、月額固定等の料金体系ではなく、利用時課金を希望する意見が比較的多か
った。
<無料であるべきとする主な意見>
No
691
298
11
570
アイデア・意見等
いい加減安くしてほしい、道路関連は。
高速道路ならSA、一般道なら道の駅で。それ以外なら、通信型カーナビゲーションで。利用者の目的地の天候、
道路状況が入手出来たら良い。利用料金は道路公団、地方自治体、カーナビメーカーから、及び、情報と一緒にC
Mも流し、それらから徴収する。
アイデアというわけではありませんが、ATIS等の情報を携帯電話での有料サービスというのは納得がいきませ
ん。ガソリン税や有料道路を利用する際の参考にしたいと考えていますが、更に渋滞情報までが有料サービスでは、
到底利用する気になれませんので、その辺を考えてもらいたいです。
基本的に事故や工事などによる渋滞情報以外は必要ないと思う。インターネットにより、あらゆる情報がほぼ無料
で手に入る時代にあって、使用頻度が圧倒的に低いと思われる車中での情報収集に料金を支払ってまで利用すると
は残念ながら思わない。
<月払いよりも利用ごとの料金負担を求める主な意見>
No
166
1072
1111
63
アイデア・意見等
アンケートの中に,月額いくらとの問いがあったが,必要な情報を必要な時に利用するため,情報1件(1回)当
たりいくらの設定が良いのでは。100 円〜200 円程度であれば大いに利用したいと思います。
自動車に住んでいる人はいないので、月いくらという定額制は受け入れにくい。定額制で元が取れるのは職業ドラ
イバーとなるであろうが、こんなご時勢では財布の紐も硬い。そもそも月額で安定した収入を得つつ事業を成り立
たせようとする NHK 商法が間違いと思う。できればスポンサーをつけて CM を入れることを考えれば情報源にもな
りよいと思うがいか
道路状況がなるべく詳しく正確に把握出来るのが一番の理想ですが、誰に対しても平等に提供され、簡単にその情
報を得る事ができ、なおかつ利用者に器材などの負担や利用料金の負担があまり掛からない方法が一番だと思いま
す。
利用料金が発生するのも仕方が無い事かもしれませんが、定額料金制度ではなく、たとえば携帯電話のパケット料
金の様に、その情報を利用した時だけの課金であればまだ納得は出来ます。
カ−ナビでグレ−ドの低いものだと VICS 機能が有るのにその機能をフルに活用できないが、最新型のサ−ビスを
受けるためには次世代型のカ−ナビを購入しなければならず、これでは費用ばかり発生して困る。よって現在使用
している機器の外付けで構わないのでCD ロム型カ−ナビでも新サ−ビスを利用できる方法を考えて欲しい
G:理解の平易性
&
H:操作の容易性
音声の活用や、分かりやすい説明・表示について幾つかの意見が寄せられた。
No
310
538
1141
131
864
アイデア・意見等
音声入力できるシステム、安全運転のために必要
ラジオの交通情報で 事故や渋滞が起こっている場所表現に工夫が欲しい。現在「何々交差点」や「国道16号線
何歩道橋付近」とアナウンスされているが 運転手にとってこれはわかりずらい。「何スーパー前」や「何ホール
前」など わかりやすい目標物をアナウンスして欲しい
高速道路にで分岐点などで表示されている○○方面というものがどちらか分からない事があり、どうしようかと思
うことがある。それを解消するサービス(カーナビがいいに決まっていますが・・。
)があればいいかなと思います。
渋滞で目的地までかかる割合を数値や絵であらわすとわかりやすい。「お疲れ指数」など。
行楽シーズン時に電話したら自動音声で事故や渋滞情報を教えてくれる。最初に行き先を告げておくとピンポイン
トでおしえてくれるサービス
209
I:情報の選択性
好みに応じたオン・デマンドの選択性を求める意見が目立つ。特に自らが必要な時に、
必要なエリアの情報について即時対応を求める意見が多い。
No
332
482
1208
1130
605
433
624
902
512
アイデア・意見等
パソコンを利用してこちらの質問に即答してもらえるようなサービス。
検索サイトに情報を取りにいければよい。
(出かける前にいろんな予測や天気渋滞など)
交通の妨げになりうる物事の存在を知らせてくれるだけで十分な気もする
信号機の名前を入力するとその交差点の混雑状況が分かるサービス
普段高速は殆ど利用しない。道路情報として便利だな、と思うのはエリアを細かく区切って地元密着の渋滞情報を
してほしい。週末、休日の地元ショッピングセンターに行く時の情報、駐車場の込み具合などが知りたい、と思う。
いつも情報が欲しい訳ではないので、欲しい情報が手軽に、必要な時にだけ、入手出来るようなサービスあると便
利です。そして、料金も安いほうがいいと思います。
不定期に通行する一般道での時間帯による渋滞状況。7時〜10時は通過時間は○分、10時〜14時は○分、○
日は工事で通過に○分、など VICS 端末がなくてもリアルタイムで情報がほしい
情報は必要ですが、多ければいいというものではありません。必要な情報に絞って、タイムリーに、正確な情報が
得られる配慮が大事だと思います。
今の時期とくに道路工事による渋滞が多いので、しかもその場所が往復で違っている事もある・・・ということで
その地域ごとの分単位での詳細な情報が得られると良い。
J:他の交通機関との連動性
それ程多くの意見はなかったものの、鉄道、バス等との連動もしくは比較についての
情報サービスを求める意見もある。
No
357
329
アイデア・意見等
事前に空いている行楽地の情報と行き方(JR や車を比較して)
徒歩、タクシー、バス、電車を利用して、現在地点から目的地までの最適経路を案内してくれるサービス。現在の
Navitime のサービスがもっと正確で便利になれば良い。ちなみにバスと徒歩に関する情報提供が弱い。
K:情報の娯楽性
情報の娯楽性の観点では、飲食店地域・観光情報等を欲するユーザーが比較的多い。
また、ドライブ時に必須なガソリンスタンド・駐車場・トイレ情報の充実を求める意見
が目立った。
<飲食店地域・観光情報等>
No
306
207
832
1110
730
アイデア・意見等
子供がいても食事できる店の情報(お座敷の有無や子供メニューの有無など)
特産物・名産品の採れたて情報のようなもの
どこかにドライブに行きたいけれど、行き先が決まらないときとりあえず、主要道路を走れば景勝地観光地、見所
など時期も含めて案内があれば、たのしいです。
通過中の土地案内、例えばガイドさんが説明してくれているような案内やタイムリーな話題の提供。
通行に関する事柄ばかりでなく、
「次の○○町民館で 10 時から、伝統芸能披露会があります」のような、イベント
文化の情報発信もあってもいいのは?
<ガソリンスタンド、駐車場、トイレ情報>
No
1213
786
843
743
533
434
475
752
アイデア・意見等
お盆の帰省等高速道路が混雑している時にガソリンスタンドがとても混雑していて長い時間並んで待った事があ
ったのでガソリンスタンドの混雑状況も知りたい。
地域別にガソリン価格の平均値を知らせて欲しい。
渋滞情報に加え、行き先の駐車場や店舗の込み具合(レストランなどの待ち時間)の情報。
走行中に駐車場の予約がとれる.
観光地での空いている駐車場の案内
駐車場情報(空き・利用観光地までの距離・料金)付の観光案内情報。目的の観光地で、駐車場が見つからずにい
つまでもウロウロして時間を無駄にしてしまうのを防ぐために、あると便利。
使用できる一番近いトイレの場所が解る。
子供がいるのでトイレなどがわかるサービス
210
659
渋滞時(高速を覗く)のトイレの場所、仮眠の場所(特にトラック)そんな情報もほしいですね。だって高速には
サービスエリアが後何キロって表示があるのに、一般道は民間のコンビにまかせくらいでしょ。
L:総合的支援性
総合的支援性では、安全運転支援や、緊急時対応等を求めるドライバーの意見が多か
った。
<安全運転支援>
No
441
1212
682
771
876
385
660
274
アイデア・意見等
迷惑走行車(スピードを出し過ぎているとか、遅すぎるとか、暴走運転など)の注意を知らせる。
この地点で事故発生件数が何件あったか知りたい。実際に事故があった場所だと知るとさらに注意して運転すると
思う。
高速道路等での大トラの運行状況。前後左右を挟まれると怖い思いをするので。
大型車にも適用する安全な迂回ルートの表示サービス
歩行者危険地帯や、自転車危険地帯等の情報があると、その地域は気をつけて運転できるかなという感じがします。
一般道のこのような情報もあってもいいと思います。
例えば「暗くなってきたので小さい・大きいライトを付けましょう」などのような、現在何をすればいいのかを呼
びかけるサービス。特にライトの点灯タイミングは人によってまちまちだし、遅いと危険なので。
路側に停車可能なスペースが有る所までの距離及び時間の表示(携帯℡の送受の為)
法廷速度以上は絶対に出せない・規制道路には事前に入れない(違反が起こらない)、運転自動化など
<メンテナンス、緊急時支援等>
No
770
837
960
984
113
アイデア・意見等
ガソリンの消耗やタイヤの摩滅を計算し交換時期を事前に知らせてくれる
燃費情報などを継続的に把握し、原因を分析してくれるサービス
車両故障時の即時通報システムや、搭乗者の体調不良時に緊急連絡を行えるサービス
事故や雪害などで長い時間渋滞が続いたとき、一番困るのはトイレとガス欠、バッテリーあがり、クーラーヒータ
ー使用不能の時だと思う。そんなときにこれまで示されたようなサービスがあれば心強いに違いない。
海外であるらしいのですが、陣痛がきた妊婦を乗せている一般車が無線で連絡することにより、周りの車がよけて
くれる・・・と言うみたいに、緊急事態に救急車より速く、すぐに対処できるモノがあればいいですね〜
M:その他の提案
その他、自由回答に見られる主な意見は、下記の通りである。
<媒体の活用>
No
374
1046
165
812
505
302
アイデア・意見等
etc の有効利用。はやくコンビニとか、ガソリンスタンドでも使えるようにして欲しい。
制限のある抜け道情報(情報により逆に集中しないように制限している既設のもの)ではなくもっとリアルタイム
に またカーナビでも机上のアルゴリズム(上位道路へ誘導する)などのない 使う側へのサービス配慮がされた
サービス
天気予報と連動した道路凍結スリップ情報、視界情報。特に冬季最初の積雪または凍結時の冬用タイヤ・チェーン
の必要情報。交番が発信基地となり、その地区の交通情報を本部に連絡し、カーナビなどでその情報が見られるよ
うにする。
(これにより街中の小さい道路の情報も的確に伝わる)
デジタルテレビで何時でも必要な情報を得る事が出来れば良いと思う。
任意の場所の衛星写真。それを見て混んでいるかどうか判断する。
サービスエリアに入るだけで情報が受け取れるサービス。簡単なトイレ休憩や、社内での休憩でも活用できる情報。
<渋滞の解消>
No
1193
978
27
1121
アイデア・意見等
地元の車と他県の車との割合がわかると渋滞等判断が付きやすいのではないか
すべてのカーナビからの位置情報・速度情報を得、円滑に走行できるように演算・処理するシステム。無料ならな
お好ましい
通勤ルートで渋滞になったら警察に情報が行き、渋滞緩和のため信号時間の調整とか立体歩道の整備とか車線追加
など道路整備をしてくれるシステム
車の利用者がこれだけいるのに道路に関連した情報提供がまったく一昔前と同じなのが不思議。例えば道路の状況
を一番わかっているのは今そこを通行しているドライバーなのでそれぞれの持つ情報を共有できるようなシステ
ムが欲しい。ネットやGPSを利用して可能なのではないか。車がコンピュータのような情報端末になって欲しい。
<社会的な交通安全>
No
1204
アイデア・意見等
工事中などで斜線が減る場合、要領よくぎりぎりまで行って割り込む車があるが、やはり早めに車線変更すべきだ
し、信号が変わるや対抗車が直進車を無視して右折先行したり、左折車があると同時に対抗車が右折してきたり、
ルールを守れるシステムを作ってほしい。警察も裏道で違反者を取り締まるような姑息なねずみ取りなどしてない
211
981
で、悪質なドライバーの摘発に重点を移すべきだ。弱いものいじめの感が否めない。
年末年始やお盆の時期に、テレビの特別番組などで「渋滞を引き起こさない運転法」を特集してほしい。なぜなら
ば、この時期高速道路を走っていて感じるのだか、追い越し車線を走行車線のように走る車が多く目立ち渋滞の原
因を引き起こしているからである。
212
(5)有料サービスへの意向
「道路交通情報サービスは無料で提供すべきである」とする意見が 53.4%と過半数を占
める。
一方で、「将来もっと便利になるなら支払ってよい」とする意見が3割程度みられる。
また、現在のサービスでも「内容や便利さに見合う価格」
「基本的な情報以外」という条
件付きで支払ってもよいとする意見は、合わせて 13.6%である。
有料サービスへの意向
内容や便利さに
見合う価格なら
支払ってもよい
6.2%
わからない
1.4%
その他
0.5%
基本的な情報
以外なら支払っ
てもよい
7.4%
道路交通情報
サービスは無
料で提供すべ
きである
53.4%
将来もっと便利
になるなら支
払ってもよい
31.1%
件数
内容や便利さに見合う価格であれば、現在のサービスでも支払っ
てもよい
公共サービスとしての基本的な情報以外ならば、料金を支払って
もよい
現時点ではお金を払おうと思うほどのサービスであるとは思えな
いが、将来もっと便利になるなら、支払ってもよい
道路交通情報サービスは無料で提供すべきである
その他
わからない
計
(その他の意見)
信頼できる情報が提供されるなら、有料でも良い。
必要ない
無料だとうれしい
外に出る機会があまりないので、道路交通情報の必要がない。
企業と提携してCMを提供しても無料で使いやすいサービスが必要
道路交通情報サービスを高付加価値にしなければならない理由が分からない
213
割合
80
6.2%
96
7.4%
401
31.1%
690
6
18
1,291
53.4%
0.5%
1.4%
100.0%
属性別にみた場合、
「内容や便利さに見合う価格であれば現在のサービスでも支払って
もよい」とする意見は、18−19 歳で比較的多い。
また、業務目的ユーザーでは、
「基本的情報以外なら支払ってもよい」とする意見が比
較的多い。一方で、業務目的ユーザーは現時点で、有料に値するサービスが無い点も指
摘している。
「無料で提供すべき」とする意見は、運転目的が通勤・通学以外の日常生活ユーザー、
年齢では 40 歳代で6割近くと比較的高い。
Q11:有料サービスへの意向
内容や便利 公共サービ 現時点では 道路交通情 その他(
さに見合う スとしての基 お金を払おう 報サービスは )
価格であれ 本的な情報 と思うほどの 無料で提供
ば、現在の 以外なら
サービスであ すべきである
サービスでも ば、料金を るとは思えな
支払ってもよ 支払ってもよ いが、将来
い
い
もっと便利に
なるなら、支
払ってもよい
合計
業務
運 通勤・通学
転
通勤・通学以外の日常生活
目
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
週に1,2回
頻
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
80
7
28
27
18
0
15
19
13
11
15
7
38
19
16
7
0
27
23
10
19
1
96
12
18
45
19
2
11
18
24
14
16
13
40
21
22
13
0
24
15
17
38
2
401
39
117
176
68
1
28
68
85
77
84
59
198
77
86
40
0
114
75
65
146
1
690
49
163
363
108
7
49
113
133
152
130
113
323
153
151
63
0
202
134
114
237
3
わからない
6
0
2
3
1
0
0
1
0
1
3
1
2
1
2
1
0
2
1
0
3
0
18
0
4
12
2
0
3
6
2
2
3
2
5
4
5
4
0
4
1
6
6
1
214
全体
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
内容や便利
さに見合う
価格であれ
ば、現在の
サービスでも
支払ってもよ
い
公共サービ
スとしての基
本的な情報
以外なら
ば、料金を
支払ってもよ
い
6.2%
6.5%
8.4%
4.3%
8.3%
0.0%
14.2%
8.4%
5.1%
4.3%
6.0%
3.6%
6.3%
6.9%
5.7%
5.5%
0.0%
7.2%
9.2%
4.7%
4.2%
12.5%
7.4%
11.2%
5.4%
7.2%
8.8%
20.0%
10.4%
8.0%
9.3%
5.4%
6.4%
6.7%
6.6%
7.6%
7.8%
10.2%
0.0%
6.4%
6.0%
8.0%
8.5%
25.0%
現時点では 道路交通情 その他(
お金を払おう 報サービスは )
と思うほどの 無料で提供
サービスであ すべきである
るとは思えな
いが、将来
もっと便利に
なるなら、支
払ってもよい
31.1%
36.4%
35.2%
28.1%
31.5%
10.0%
26.4%
30.2%
33.1%
30.0%
33.5%
30.3%
32.7%
28.0%
30.5%
31.3%
0.0%
30.6%
30.1%
30.7%
32.5%
12.5%
53.4%
45.8%
49.1%
58.0%
50.0%
70.0%
46.2%
50.2%
51.8%
59.1%
51.8%
57.9%
53.3%
55.6%
53.5%
49.2%
0.0%
54.2%
53.8%
53.8%
52.8%
37.5%
わからない
0.5%
0.0%
0.6%
0.5%
0.5%
0.0%
0.0%
0.4%
0.0%
0.4%
1.2%
0.5%
0.3%
0.4%
0.7%
0.8%
0.0%
0.5%
0.4%
0.0%
0.7%
0.0%
1.4%
0.0%
1.2%
1.9%
0.9%
0.0%
2.8%
2.7%
0.8%
0.8%
1.2%
1.0%
0.8%
1.5%
1.8%
3.1%
0.0%
1.1%
0.4%
2.8%
1.3%
12.5%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
4)サービスへの評価・期待と有料サービス意向の関係
(1)「予測情報への期待」×「満足度・重要度」
「有料サービスへの意向」
①「予測情報への期待」×「満足度」
予測情報へ期待している人ほど、
「情報の予見性」に対する不満が強い傾向が見られる。
また、予測情報に期待していない人は、
「どちらとも言えない」とする意見が大勢である。
Q9−1̲E:情報の予見性
大いに満足 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 大いに不満 わからない
えば満足
えない
えば不満
予
測
情
報
予
測
情
報
合計
大いに期待する
どちらかと言えば期待する
どちらとも言えない
どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
合計
大いに期待する
どちらかと言えば期待する
どちらとも言えない
どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
52
33
18
1
0
0
4.0%
6.3%
3.1%
0.8%
0.0%
0.0%
201
83
105
10
3
0
15.6%
16.0%
17.9%
7.9%
6.5%
0.0%
515
168
252
60
29
5
39.9%
32.3%
42.9%
47.6%
63.0%
50.0%
327
142
147
31
6
1
25.3%
27.3%
25.0%
24.6%
13.0%
10.0%
104
65
31
6
2
0
8.1%
12.5%
5.3%
4.8%
4.3%
0.0%
92
29
35
18
6
4
7.1%
5.6%
6.0%
14.3%
13.0%
40.0%
全体
1,291
520
588
126
46
10
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
②「予測情報への期待」×「重要度」
予測情報へ「大いに期待している」人は、「情報の正確性」「情報の逐次性」について
7割以上が大いに重要と考えている。
Q10−1̲A :情報の正確性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
大いに期待する
予 どちらかと言えば期待する
測
どちらとも言えない
情
報 どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
合計
大いに期待する
予 どちらかと言えば期待する
測
どちらとも言えない
情
報 どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
814
397
331
54
26
5
63.1%
76.3%
56.3%
42.9%
56.5%
50.0%
362
97
206
46
11
2
28.0%
18.7%
35.0%
36.5%
23.9%
20.0%
80
19
36
19
5
1
6.2%
3.7%
6.1%
15.1%
10.9%
10.0%
21
4
9
4
4
0
1.6%
0.8%
1.5%
3.2%
8.7%
0.0%
1
0
0
0
0
1
0.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
10.0%
Q10−1̲C:情報の逐次性
大いに重要 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く不要
えば重要
えない
えば不要
合計
大いに期待する
予 どちらかと言えば期待する
測
どちらとも言えない
情
報 どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
合計
大いに期待する
予 どちらかと言えば期待する
測
どちらとも言えない
情
報 どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
737
387
276
48
21
4
57.1%
74.4%
46.9%
38.1%
45.7%
40.0%
411
107
239
49
15
1
31.8%
20.6%
40.6%
38.9%
32.6%
10.0%
101
20
52
21
6
2
7.8%
3.8%
8.8%
16.7%
13.0%
20.0%
215
27
3
15
5
4
0
2.1%
0.6%
2.6%
4.0%
8.7%
0.0%
3
1
0
0
0
2
0.2%
0.2%
0.0%
0.0%
0.0%
20.0%
わからない
13
3
6
3
0
1
1.0%
0.6%
1.0%
2.4%
0.0%
10.0%
わからない
12
2
6
3
0
1
0.9%
0.4%
1.0%
2.4%
0.0%
10.0%
全体
1,291
520
588
126
46
10
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
全体
1,291
520
588
126
46
10
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
③「予測情報への期待」×「有料サービスへの意向」
予測情報へ期待している人ほど、将来もっと便利になるなら料金を支払ってもよいと
する意見が多い。また、期待していない人ほど、道路交通情報は無料で提供されるべき
とする意見が多い。
Q11:有料サービスへの意向
内容や便利さ
に見合う価格
であれば、現
在のサービス
でも支払って
もよい
予
測
情
報
予
測
情
報
合計
大いに期待する
どちらかと言えば期待する
どちらとも言えない
どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
合計
大いに期待する
どちらかと言えば期待する
どちらとも言えない
どちらかと言えば期待しない
全く期待しない
80
38
32
7
3
0
6.2%
7.3%
5.4%
5.6%
6.5%
0.0%
公共サービス
としての基本
的な情報以
外ならば、料
金を支払って
もよい
現時点ではお
金を払おうと思
うほどのサービス
であるとは思え
ないが、将来
もっと便利にな
るなら、支払っ
てもよい
96
36
44
12
4
0
7.4%
6.9%
7.5%
9.5%
8.7%
0.0%
401
177
188
28
7
1
31.1%
34.0%
32.0%
22.2%
15.2%
10.0%
216
道路交通情 その他(
報サービスは )
無料で提供
すべきである
690
267
314
72
29
7
53.4%
51.3%
53.4%
57.1%
63.0%
70.0%
6
1
2
0
2
1
0.5%
0.2%
0.3%
0.0%
4.3%
10.0%
わからない
18
1
8
7
1
1
1.4%
0.2%
1.4%
5.6%
2.2%
10.0%
全体
1,291
520
588
126
46
10
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
Ⅵ.
有望ビジネスモデルの提案と成立要件等
の検討
217
Ⅵ.有望ビジネスモデルの提案と成立要件等の検討
1.提案に向けた基本的な考え方(方向性)
これまでの検討を踏まえた、ビジネスモデル提案にあたっての基本的な考え方は下記のとお
りである。
①BtoB サービスをベースに市場の成熟を期すことが基本スタンスとなる。
【根拠となる現状・課題等】
○国民性、これまでの道路交通情報提供の成立ちを背景に、エンドユーザーを対象とした
有料サービス提供について民間事業者は懐疑的である。
○道路交通情報単体での料金徴収は困難という民間各社の見解は一致している。
○気象ビジネス、海外道路交通情報ビジネスを見ても、対事業者サービス(BtoB:対企業・
自治体等)を基本としつつ、市場の成熟を期している。
【根拠となるユーザーニーズ】
有料サービスの使用の有無
○現状として有料サービス利用は 2.4%
使用ごと・会
費の両方
0.1%
程度である。
(9 割超は有料サービスを
その他
0.1%
わからない
7.0%
会費を支払う
サービス
1.1%
活用していない。)
使用ごとの
課金サービ
ス
1.1%
○「道路交通情報サービスは無料で提供す
べきである」とする意見が 53.4%と過半
数を占める。一方で、
「将来もっと便利に
有料サービスへの意向
わからない
1.4%
その他
0.5%
なるなら支払ってよい」とする意見が3
割程度みられる。
○現在のサービスでも「内容や便利さに見
合う価格」
「基本的な情報以外」という条
件付きで支払ってもよいとする意見は、
合わせて 13.6%に過ぎない。
218
支払っていな
い
90.6%
道路交通情報
サービスは無
料で提供すべ
きである
53.4%
内容や便利さに
見合う価格なら
支払ってもよい
6.2%
基本的な情報
以外なら支払っ
てもよい
7.4%
将来もっと便利
になるなら支
払ってもよい
31.1%
②ユーザーの満足度・重要度分析の観点から鍵となるのは、情報の「安定性」、
「逐
次性」、「網羅性」等の基礎的要件である。これらを支える新たな情報収集・集
約の仕組みが必要となる。
【根拠となる現状・課題等】
○現在の JARTIC(含む警察・道路管理者)による情報集約の体制・仕組みは、労働集約
的で極めて煩雑という指摘が多い。その結果、情報のリアルタイム性などユーザーニーズ
に応えきれていない。
○ユーザーの苦情の多くは提供情報の「更新の遅さ」、「不正確性」等。例えば事故や渋滞
が生じてから、事故・渋滞現場から JARTIC 経由したのち、事業者の提供情報に反映さ
れるまでラグがあることも指摘されている。
○既存事業者からも、今後の道路交通情報ビジネスを展望した場合の鍵として
リアルタ
イム性 が指摘されている。情報収集時のモバイルシステムの適用、入力ツールとしての
携帯電話活用などのアイデアも示されている
○諸外国においても行政機関からの提供情報のほか、独自の情報を収集・加工しつつ、道
路交通情報サービスを展開している。
【根拠となるユーザーニーズ】
不満度の高い項目(1位回答)
K:情報の娯楽性
3.6%
○最も不満と感じる属性としては、「網羅
性」、「安定性(途切れなく)」
、「逐次性」
を指摘する意見が比較的多い。
L:総合的支援性
5.3%
J:他の交通機関
との連動性
2.7%
I:情報の選択性
11.5%
A:情報の正確性
9.2%
B:情報の安定性
16.5%
H:操作の平易性
3.4%
G:理解の平易性
3.9%
F:情報の安価性
6.7%
C:情報の逐次性
12.5%
E:情報の予見性
5.7%
D:情報の網羅性
19.0%
優先的重要項目(1位回答)
○道路交通情報について重視する属性は、
「正確性」、
「逐次性」、
「平易性」、
「安価
性」、「安定性」などが目立つ。特に正確
性を最も重視する意見が顕著。
I:情報の選択性
2.6%
J:他の交通機関
との連動性
0.5%
H:操作の平易性
2.3%
G:理解の平易性
3.6%
F:情報の安価性
9.6%
E:情報の予見性
2.6%
D:情報の網羅性
5.2%
C:情報の逐次性
12.2%
B:情報の安定性
12.1%
219
K:情報の娯楽性
0.6%
L:総合的支援性
1.6%
A:情報の正確性
47.1%
○
渋滞情報 、 事故情報 、 交通規制
などの基本的な道路交通情報の必要性認識は、
極めて高い。一方で、アミューズメント系の付加的サービスについては、極めて必要性認
識が低い。(若年層では、一定の必要性が持たれているものの、その他の世代での必要性
認識は著しく低い。⇒ビッグ・ビジネスとしての展開は現段階では困難)
基本的な道路交通情報の印象・期待
0%
20%
40%
60%
80%
100%
渋滞情報
所要時間
最適経路
交通規制
事故情報
路面の状況
影響を及ぼす事象情報
大いに必要
どちらかと言えば不要
どちらかと言えば必要
全く不要
どちらとも言えない
わからない
関連する情報サービスの印象・期待
0%
20%
40%
60%
80%
100%
天気予報
SAやGAS情報
鉄道、バス、飛行機情報
緊急時対応
盗難車追跡サービス
飲食店、その他レジャー情報
各種予約等サービス
ニュース配信
音楽配信、カラオケ等
映像コンテンツ配信
占い、ゲーム等
ぜひ利用したい
どちらかと言えば利用したい
どちらとも言えない
220
必要性を感じない
わからない
③道路交通情報の市場性を一層高めていく、新たな仕組みや、バックアップが必
要である。
【根拠となる現状・課題等】
○既存事業者からも、産業としての裾野を広げるためには JARTIC 料金体系の見直しを検
討するとともに、自宅・社内以外の様々な利用シーンの発掘・拡大の必要性が指摘されて
いる。
○また、ユーザーの興味・関心を喚起するために、例えば道路交通予報士などを活用した
情報提供の展開などを、行政と連携しつつ進めるべきであるという意見もある。
【根拠となるユーザーニーズ】
○一般ユーザーは、平易な手段での情報入手を強く期待している。専用ラジオなどの具体
的提案が目立つ。
○「道路交通情報を入手したい場所」へのニーズは、
「観光地」や空港・駅・バスターミナ
ル・広場等の「公共スペース」をあげる人々が非常に多い。その他ニーズとしては、「コ
ンビニエンスストア」をあげる例が目立つ。そのほかにはガソリンスタンド等を挙げる意
見もあるなど、更なる提供場所の拡大が期待される。
○情報の「安価性」へのニーズは強い。
道路交通情報を入手したい場所(複数回答)
(件) 0
100
200
300
400
500
600
700
900
145
官公署
202
公共施設
813
公共スペース
駐車場
700
ホテル
356
278
飲食店
商業施設
303
845
観光地
歩行中
その他
800
140
47
221
④高付加価値情報サービス提供に向けては「予測情報提供」がひとつの鍵となる。
それに資する行政等保有情報のさらなる公開・提供が必要である。
【根拠となる現状・課題等】
○民間事業者は各社とも予測事業には足踏み状態である。技術的にプロフェッショナルド
ライバーを満足させる精度の予測情報提供は極めて困難との認識がある。
○閉鎖空間である高速道路上の予測は比較的容易とされる。一方で、一般道の予測は中長
期を展望しても困難との認識が強い。予測に有用でも民間に開示されていない情報も多数
ある。
○予測精度の向上に向けては、フローティング・データの一層の公開を求める意見がある。
現在、公開されていないものの有益な情報として、例えばトラフィックカウンター(断面
交通量)のリアルタイム情報、信号の現示情報等が具体的に指摘されている。
○また、例えば事故等発生後、どのような交通現象が生じたのか、情報を蓄積するととも
に、パターン化することなどが、今後の予測精度向上に資するという意見も、民間事業者
から提案されている。
予測情報への期待
【根拠となるユーザーニーズ】
どちらかと言え
ば期待しない
3.6%
○予測道路交通情報に対する期待は高
い。9割弱のユー
全く期待しない
0.8%
大いに期待す
る
40.3%
どちらとも言え
ない
9.8%
ザーが予測情報に
期待する意向を示
している。
どちらかと言え
ば期待する
45.6%
○予測を期待する時点は「30 分〜1 時
予測情報を期待する時点(1位から3位で得点化)
間程度先」を中心に多い。
(点) 0
200
400
600
800
1,000
1,200
数分〜30分程度先
1,507
1,039
1〜2時間先以内
872
決まった時間・時間帯
725
特定の日時
993
混雑するシーズン
222
1,600
1,311
30分〜1時間程度先
その他
1,400
7
2.想定されるビジネスモデルのイメージと成立条件等
以上を踏まえ、本節では、道路交通情報の一層の展開に向けて考えられるビジネスモデルの
イメージと、その成立要件等を検討・提案した。
本節では、今後の道路交通情報ビジネスの基幹的インフラとなりうる「共通プラットフォー
ム的モデル」と、対公的セクター・対企業・対一般ドライバー等を想定した個別のサービスで
ある「顧客想定個別的モデル」について、それぞれアイデアを整理した。
1)共通プラットフォーム的モデル
(1)情報集約の迅速化に資する基盤的仕組み
①事故現場調書等スピーディー集約支援サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・PDA、携帯電話等を活用ししつつ、迅速な現場調書入力(道路交通情報集約)のシステ
ムを構築し納品・保守管理を行う。
・仕組みの有用性や、技術的課題・制度的課題等を検証するため、社会実験的な取組みか
らスタートすることが考えられる。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
警察
道路管理者
道路交通情報
JARTIC
事故現場調書リアルタイム集約システム
委託料
システム開発
システム納品
委託料
保守・管理
事業主体
(民間企業)
【市場の捉え方】
○道路交通情報サービスのインフラ的仕組みなため、行政(中央省庁等)での予算獲得が
鍵となる。
○警察庁、国交省等の現行予算に関連しそうな事業分野があるか等を検証する必要がある。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・警察庁等の関連官庁との調整
・個人情報の仕分け、誤情報のスクリーニングなどの仕組みの検討(まずはそのための実
験等を検討)
等
223
(2)情報・サービスの汎用性拡大に向けた基盤的仕組み(専門職能の確保)
②道路交通予報士(仮称)認定・派遣サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・資格制度としての「道路交通予報士(仮称)」を創設するとともに、専門職能として道路
交通に係る情報・ノウハウ(道路交通情報・見通し等の提供、安全運転啓発、道路にまつ
わる四方山話等)を提供するサービスを展開する。
・情報源としては、JARTIC による情報に加えて、ロードサポーター(ボランタリーな情
報提供組織)、大量プローブカーシステム等も付加的仕組みとして想定し得る可能性があ
る。
備考)
・公的セクターの認定による資格がベターと考えられる。
(例:技術士、気象予報士等)
・多大なノウハウを有する JARTIC の OB 等の人材活用等も想定できる。
・地上波デジタルの本格的普及等とタイミングが合えば、更なる拡大を期待できる可能性
がある。
−お天気は「○○県・西部」等の情報で充分だが、交通情報はより狭域の情報へのニーズが高い。
−現在の JARTIC による放送情報は、特定ドライバーにとっては不要な路線情報も多い。(欲しい情
報はほんの一部。
)
−インタラクティブなデジタル放送ならではのサービスとして詳細を構築できれば、地上波デジタル
時代の新サービスとなる可能性がある。地方ローカル局にも展開可能と考えられる。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
認定機関
(HIDO and/or JARTIC 等)
情報提供
○支援センター機能
・ベース情報提供
・研修
・フォローアップ 等
JARTIC
利用料等
ロードサポーター
○認証機能
・資格認定
・会員管理
等
道路交通情報
大規模プローブカー
情報提供
利用料
技術支援
受講料
資格認定
受験料
年会費
契約料 委託料
マスコミ
マスコミ
A社
マスコミ
B社
C社
道路交通予報士(仮称)
(個人・団体)
情報提供
道路交通情報
交通の見通し
安全運転情報
四方山話 等
【市場の捉え方】
○現段階では、気象予報士の資格認定やサービス市場規模が参考になる可能性がある。
○次頁のアンケート結果に見られるように、一般ドライバーも一定程度関心を示している。
224
○アンケートにおいて要望の高かった「専用ラジオ放送」等との連動も想定される。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・JARTIC 以外の者が、放送・解説を行うことは制度的に可能かの検証が必要。
・道路交通予報士(仮称)の解説の評価・検証及びルール等の枠組み形成が必要。
・大規模プローブカー等の参画車両の確保(関連業界団体、企業、公的機関との連携・調
整)・ロードサポーター参画者の確保
等
<道路交通予報士(仮称)>
天気予報の気象予報士のように、
「道路交通予報士(仮称)
」が TV 等に登場し、
「道路交通情報・
見通し等の提供、安全運転啓発、道路にまつわる四方山話等」などを提供します。
「大いに関心がある(加入したい)」
アイデア①の利用意向
5.6%、
「どちらかと言えば関心がある」
大いに関心があ
る(加入したい)
5.6%
全く関心はない
12.9%
29.4%で、関心度は 35.0%である。
属性別では、18−19 歳、20 代及び
60 代以上で関心度が比較的高く、業務
目的の関心度は低い。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
どちらかと言え
ば関心はない
26.8%
割合
5.6%
29.4%
25.4%
26.8%
12.9%
100.0%
72
379
328
346
166
1,291
どちらかと言え
ば関心がある
29.4%
どちらとも言え
ない
25.4%
〜参考:クロス集計〜
Q12:アイデア①【道路交通予報士】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
えば関心は ない
がある(加入 えば関心が えない
ない
ある
したい)
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
72
4
16
35
16
1
11
19
13
5
11
13
33
19
14
6
0
21
14
11
26
0
379
20
93
191
71
4
37
79
78
55
64
66
176
76
83
44
0
115
70
62
128
4
328
26
98
159
43
2
25
40
70
77
63
53
169
65
68
26
0
80
73
59
115
1
346
39
83
163
58
3
18
60
63
83
77
45
160
79
71
36
0
113
57
54
122
0
166
18
42
78
28
0
15
27
33
37
36
18
68
36
46
16
0
44
35
26
58
3
225
全体
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
えば関心は ない
がある(加入 えば関心が えない
ない
ある
したい)
5.6%
3.7%
4.8%
5.6%
7.4%
10.0%
10.4%
8.4%
5.1%
1.9%
4.4%
6.7%
5.4%
6.9%
5.0%
4.7%
0.0%
5.6%
5.6%
5.2%
5.8%
0.0%
29.4%
18.7%
28.0%
30.5%
32.9%
40.0%
34.9%
35.1%
30.4%
21.4%
25.5%
33.8%
29.0%
27.6%
29.4%
34.4%
0.0%
30.8%
28.1%
29.2%
28.5%
50.0%
25.4%
24.3%
29.5%
25.4%
19.9%
20.0%
23.6%
17.8%
27.2%
30.0%
25.1%
27.2%
27.9%
23.6%
24.1%
20.3%
0.0%
21.4%
29.3%
27.8%
25.6%
12.5%
26.8%
36.4%
25.0%
26.0%
26.9%
30.0%
17.0%
26.7%
24.5%
32.3%
30.7%
23.1%
26.4%
28.7%
25.2%
28.1%
0.0%
30.3%
22.9%
25.5%
27.2%
0.0%
12.9%
16.8%
12.7%
12.5%
13.0%
0.0%
14.2%
12.0%
12.8%
14.4%
14.3%
9.2%
11.2%
13.1%
16.3%
12.5%
0.0%
11.8%
14.1%
12.3%
12.9%
37.5%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(3)情報・サービスの汎用性拡大に向けた基盤的仕組み(共通の情報プラットフォームの創設)
③関連ビジネスを促進する「道路交通情報市場」の創設
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・道路交通情報に係わる提供者(公共団体及び民間事業者等)と利用者に対し、関連する
情報、サービスを仲介・交換する場として「道路交通情報市場」を創設する。
・仲介・交換される情報は、道路空間において観測された基本的データ、または編集・加
工された付加価値情報である。
・しかるべき基準を満たし、しかるべき機関により審査を受けた「道路交通予報士(仮称)」
が所属する機関及び団体のみが本市場への参加を可能とし、適正な運用を確保する。
・本市場は、応用ビジネスの創出を促進するビジネスプラットフォームの位置づけとなる
ものと想定される。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
営利企業A
JARTIC
道路交通
オプープン
営利企業B
情報マーケット
営利企業1
ネットワーク
(
(ビジネスプ
ネ ト)
公共事業体
(プローブ事業者)
[データ・情報の提供者]
[道路交通ビジネス事業者]
[データ・情報の利用者]
[道路交通ビジネス事業者]
【市場の捉え方】
○不明
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・仲介する情報に対する具体的なニーズは何か検証が必要。
226
等
[情報の最終
利用者]
2)顧客想定個別的モデル
(1)想定顧客:JARTIC
①道路交通情報 D.B.管理・加工アウトソーシング
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・JARTIC が現在、運用している各種システムの保守・管理、情報加工のアウトソーシン
グサービス。
・事業主体は、JARTIC の保有する情報システムの保守管理、情報加工、新規システム開
発等を行い、委託料を得るイメージである。
・今後、道路 4 公団民営化等に伴って、JARTIC の収入(公団からの委託費等)が削減さ
れることも想定される。必然的に、JARTIC においてコスト削減を目的とした業務改革等
が検討される可能性がある。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
負担金(約33億円)
利用料等
道路交通情報
ユーザー
JARTIC
警察
(企業・個人)
情報提供
道路管理者
(国交省・自治体
・道路4公団等)
情報システム保守・管理
情報加工
新規システム開発・納品
委託料
事業主体
(民間企業)
【市場の捉え方】
○JARTIC 決算書の「情報システム管理等」に要する総額が全体のパイとなる。
○このうち、どの程度がアウトソースできるのか検証が必要になる。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・JARTIC の雇用喪失懸念への対応
・JARTIC のシステム運用を代替できるノウハウが民間企業にあるかの検証
・あるいは、既に一定の保守・管理等についての、民間委託の有無の検証
227
等
(2) 想定顧客:対自治体・道路管理者(公団等)
・警察
②道路行政施策意思決定支援システム・コンサルティングサービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・対大都市自治体
:交通需要管理(TDM)に積極的な大都市を包含する自治体を対象
とした、関連施策の意思決定支援システムの開発納品及び保守管
理サービス。あわせてコンサルティング等も想定。
(参考モデルは
「阪神高速道路公団の HEROINE」)
−ロードプライシング支援
−道路計画意思決定支援
等
・対道路管理者(公団等)
:道路の拡幅、線形変更や新規道路の建設計画を道路管理者が作成
する際に、工事完成後の交通状況に関する予測を行い、建設計画
の道路交通に与える効果について、コンサルタント業務を行う。
・対警察
:信号の設置位置や現示、一方通行や駐車禁止、路上パーキング等
が交通の流れに与える影響を分析して、渋滞を防ぐのに効果的な
対策に関するコンサルタント業務を行う。
備考)
・渋滞予測情報を「商品」としてユーザーに提供するには、現段階において技術的障壁、
制度的障壁等が極めて高い。
・そのため、まずは内部管理向け(すなわち施策の意思決定支援等)のシステムとして開
発・運用しつつ、「ノウハウの蓄積」や「必要充分な精度」を実現した後に、一般ドライ
バー向けの商品として展開するという戦略が想定される。
(cf:阪神高速道路公団における
取組みからの示唆)
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
東京都(例)
【施策展開】
・ロードプライシング
・道路計画
・規制計画立案
・工事計画立案
等
意思決定
施策展開
○道路行政意思決定
支援システム
・渋滞予測シミュレーション
・交通規制シミュレーション
・施策事前シミュレーション 等
委託料
情報提供
JARTIC
利用料等
情報システム保守・管理
分析・コンサルティング
事業主体
(民間企業)
○独自の道路交通情報
【市場の捉え方】
○自治体予算書(道路・土木部局)の「調査研究」、「システム開発」等の費目の総額が全
228
体のパイとなる。
○関心を示す自治体等の探索が鍵となる。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・クライアントとなる自治体(大都市自治体/都道府県等)の探索
・一般道における予測シミュレーションの技術的課題の克服(この課題があればこそ、ま
ずは行政内部管理向けのシステム構築・ノウハウ蓄積からはじめるという逆転の発想)
・自治体がシステム開発主体となる場合に、JARTIC に利用料が必要となるかの検証
・システムの所有者を行政ではなく、事業主体(民間企業)とすることが可能かどうかの
検証
等
229
③道路交通 CRM(カスターマー・リレーション・マネジメント)支援サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・前掲の②「道路行政施策意思決定支援システム・コンサルティングサービス」の変形版である。
・道路交通に関わる市民の意見・苦情等を、一元的に集約し、道路管理者及び維持・メン
テナンスのアウトソーシング先に逐一提供する「道路版コールセンター」ビジネスを展開
する。
備考)
・自治体 CRM は比較的注目されているテーマである。昨今、自治体によるアウトソーシン
グも増加傾向にある。
・統一的窓口設置による迅速な情報提供(⇒対自治体、保守・メンテナンス受託事業者等)
は、道路行政の円滑化にも寄与するものと想定される。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
道路CRM事業主体
(民間企業)
情報提供
アウトソーシング企業(A社)
企業(A社)
企業(A社)
道路保守管理
○道路行政コールサンター開設
・市民・ドライバーの意見・苦情集約・伝達
・テキストマイニング等により、今後の道路行
政施策等へのコンサルティング 等
情報提供
コンサルティング
委託料
情報提供
対応要請
委託料
道路管理者
(自治体・公団等)
道路交通への苦情
意見等
一般ドライバー・市民等
【市場の捉え方】
○自治体予算書(道路・土木部局)の「調査研究」、「システム開発」等の費目の総額が全
体のパイとなる。
○関心を示す自治体等の探索が鍵となる。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・クライアントとなる自治体・道路管理者の探索
230
等
(3) 想定顧客:一般企業
(3)-1 想定顧客:保険会社
④運行履歴解析型・保険料変動自動車保険の開発
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・個人運行情報を反映した自動車保険商品の開発支援システムを構築するとともに、保守・
運用サービスの提供を行なう。
・保険会社としては「顧客(被保険者)の囲い込み」というメリットが想定される。一方、
ドライバーにとっては「運行履歴に応じた安価な保険商品が提供される」というメリット
が想定される。
・その他、
「盗難時の車両追跡サービス」、
「安全運転診断サービス」などの高付加価値サー
ビスの提供も平行して想定できる。
図表
一般
マスコミ
ドライバー
マスコミ
B社
C社
概略ビジネススキーム(イメージ)
保険料
保険商品
安全運転診断
盗難時車両追跡
等
保険会社
○運行履歴情報蓄積保険料算定システム
・運行履歴
・保険料算定
・安全運転診断 等
システム開発・納品
システム保守・管理
診断・分析
委託料
事業主体
(民間企業)
【市場の捉え方】
○現在の自動車保険の市場規模が全体のパイとなる。
○当該サービスへの一般ドライバーのニーズ(利用意向)が把握できれば、概ね何割程度
がターゲットになり得るか類推できる可能性はある。
○次頁のアンケート結果に見られるように、一般ドライバーも一定程度関心を示している。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・マーケット(一般ドライバー、保険会社)のニーズの確認及び発掘。
・個人情報(個人運行情報)の取扱いに係るルール等の検討。
・精緻な運行情報把握のための技術的課題の克服(例:GPS 等による実際の運行状況把握
に加え、信号現示情報、速度規制情報、一方通行の規制情報、駐停車禁止地区情報等の連
動)
・及び、現在非開示の信号現示情報等の公開可能性の検討
231
等
<運行履歴に応じて保険料が変わる自動車保険>
自動車(GPS 搭載等)の運行履歴がデータとして蓄積され、安全運転の状況(例:法定速度の
遵守状況等)を診断してもらえるとともに、その結果に応じて、自動車保険料の設定が安価にな
るような自動車保険です。
アイデア②の利用意向
「大いに関心がある(加入したい)」17.4%、
全く関心はない
7.4%
「どちらかと言えば関心がある」は 42.3%
属性別には大きな差異は見られない。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
224
546
275
151
95
1,291
割合
17.4%
42.3%
21.3%
11.7%
7.4%
100.0%
Q13:アイデア②【自動車保険】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
週に1,2回
頻
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
224
19
46
112
45
2
19
39
39
43
42
42
104
53
43
24
0
62
39
38
84
1
546
40
144
263
93
6
41
97
116
98
115
79
252
119
115
60
0
160
110
94
180
2
275
24
76
133
41
1
23
37
49
62
59
45
127
59
68
21
0
78
55
42
99
1
151
11
40
78
21
1
15
29
33
33
23
18
77
31
32
11
0
45
24
21
60
1
大いに関心があ
る(加入したい)
17.4%
どちらかと言え
ば関心はない
11.7%
で、関心度は 59.7%と高い。
95
13
26
40
16
0
8
23
20
21
12
11
46
13
24
12
0
28
21
17
26
3
232
全体
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
どちらとも言え
ない
21.3%
どちらかと言え
ば関心がある
42.3%
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
17.4%
17.8%
13.9%
17.9%
20.8%
20.0%
17.9%
17.3%
15.2%
16.7%
16.7%
21.5%
17.2%
19.3%
15.2%
18.8%
0.0%
16.6%
15.7%
17.9%
18.7%
12.5%
42.3%
37.4%
43.4%
42.0%
43.1%
60.0%
38.7%
43.1%
45.1%
38.1%
45.8%
40.5%
41.6%
43.3%
40.8%
46.9%
0.0%
42.9%
44.2%
44.3%
40.1%
25.0%
21.3%
22.4%
22.9%
21.2%
19.0%
10.0%
21.7%
16.4%
19.1%
24.1%
23.5%
23.1%
21.0%
21.5%
24.1%
16.4%
0.0%
20.9%
22.1%
19.8%
22.0%
12.5%
11.7%
10.3%
12.0%
12.5%
9.7%
10.0%
14.2%
12.9%
12.8%
12.8%
9.2%
9.2%
12.7%
11.3%
11.3%
8.6%
0.0%
12.1%
9.6%
9.9%
13.4%
12.5%
7.4%
12.1%
7.8%
6.4%
7.4%
0.0%
7.5%
10.2%
7.8%
8.2%
4.8%
5.6%
7.6%
4.7%
8.5%
9.4%
0.0%
7.5%
8.4%
8.0%
5.8%
37.5%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(3)-2 想定顧客:あらゆる企業
⑤交通手段間所要時間・金額比較情報提供サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・車、鉄道、航空、ミックス(例:JR のトレンタ君=鉄道+駅レンタカー)で「所要時間」
と「コスト(マイカーの場合は、ガス代、高速道路利用料等を考慮)」を計算し、比較情
報を横並びの形で提供し、ユーザの移動最適経路の判断を促進するサービス。
・交通手段ごとに必要となる費用ほかは、駅すぱあとと同様のイメージで計算し、比較で
きるようにする。
・B2B のモデルを想定。具体的想定顧客
①JR(鉄道チケットの販促に利用:競合相手はマイカー)
②旅行代理店(ツアー設計ツールとして内部利用)
③他の一般企業(社内 LAN 用システムとして提供)
④汎用型 HP コンテンツプロバイダ
(YAHOO 等。機能の組込みによる HP の付加価値向上。
)
⑤NTT 等通信キャリア(iモード/Lモード等の生活利便性向上系コンテンツとして)
⑥マスコミ(ニュースコンテンツの一部として)
⑦自社 HP で公開し、広告枠を販売。
・天候も考慮し、道路状況のほか、鉄道のダイヤの乱れ、航空の出航遅延もリアルタイム
で反映させる。
備考)
・「価格.com」の交通版というイメージ。
・自動車利用の場合は予測情報が提供できればベター。精度的に困難な場合は、次善の策
として季節・時間帯ごとの標準的旅行時間でも可。
・
「駅すぱあと」等乗換え案内情報は、いまやビジネス/生活において必要不可欠。この機能
に道路情報を加え、第 2 世代の乗換え案内的地位を狙えるかが戦略の鍵となる。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
事業体コンソーシアム 「交通.com」
渋滞予測コンソーシアム
JARTIC
ATIS
JH
HIDO
首都高
阪高
HONDA
・・・
ヴァル研究所等
(駅すぱあと)
提携
情報
※
料金
①JR
(販促ツー
ルとして
内部使用)
情
報
料金
社内LAN
用システム
の提供
料金
②旅行
代理店
(ツアー設
計ツール
として内
部使用)
ツアーの
提供
営
業
情報
※
より高付加
価値な出張
事務代行
サービス
③
一般
一般
一般
企業
企業
企業
情報
※
料金
④汎用
型HP
情報
※
料金
⑤通信
キャリア
情報
※
料金
⑥
マスコミ
(HPの付
加価値向
上のため
のコンテ
ンツとして)
(携帯コン
テンツの
1つとして)
(ニュース
等のコン
テンツの1
つとして)
情報
情報
情報
⑦
Web
情報
広告枠
料金
⑦
広告主
広告主
広告主
(HP上に
(HP上に
(HP上に
広告バナー
広告バナー
広告バナー
設置)
設置)
設置)
料金
情
報
自社社員
に提供
一般個人ユーザ
【市場の捉え方】
○「駅すぱあと」
「ジョルダン乗換え案内」等乗換え案内情報提供サービスの利用客数、法
人への販売売上高等が参考になる可能性がある。
233
○一般ドライバーの利用ニーズ、支払い意思額よりの推計可能(次節参照のこと)。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・エンドユーザー向けの道路交通情報サービスの成熟如何。等
<電車等、他の交通手段間との所要時間・金額比較情報提供サービス>
車、鉄道、航空、ミックス(例:鉄道+駅レンタカー)で「所要時間」と「コスト(ガソリン
代、高速道路利用料等も考慮)」を計算し、比較情報を横並びの形で提供し、ユーザーにとって
の移動最適手段・経路を選ぶお手伝いをします。「駅すぱあと」などの乗換え案内情報に、自動
車移動が加わるイメージです。
【関心度】
「大いに関心がある(加入したい)」21.8%、
アイデア③の利用意向
「どちらかと言えば関心がある」は 44.2%で、
全く関心はない
4.9%
関心度は 66.0%と高い。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
大いに関心があ
る(加入したい)
21.8%
どちらかと言え
ば関心はない
10.6%
割合
21.8%
44.2%
18.5%
10.6%
4.9%
100.0%
282
570
239
137
63
1,291
どちらとも言え
ない
18.5%
どちらかと言え
ば関心がある
44.2%
有料の場合の利用意向(アイデア③)
【有料の場合の利用意向】
件数
関心はあるが有料ならば利用しない
月額○○円程度ならば負担しても構わない
わからない
非該当
計
※「非該当」は通信トラブルによる欠損データ。
ある程度負
担しても構わ
ない
12.1%
割合
74.9%
12.1%
13.0%
−
100.0%
637
103
111
1
852
【支払金額意向】
わからない
13.0%
有料ならば
利用しない
74.9%
アイデア③の支払金額意向分布
件数
割合
0.0%
34.3%
17.6%
24.5%
0.0%
14.7%
0.0%
6.9%
0.0%
2.0%
0.0%
100.0%
100円未満
0
100円〜
35
200円〜
18
300円〜
25
400円〜
0
500円〜
15
600〜1,000円
0
1,000円〜
7
2,000円〜
0
3.000円以上
2
その他
0
計
102
金額未入力
1
支払意向回答数
103
最低金額:円
100
最高金額:円
20,000
単純平均:円
319.7
「その他」の内容
−
※単純平均は、著しい高額回答「20,000円」
を除く、101件により算出。
(件) 0
100円未満
10
20
30
0
35
100円〜
200円〜
18
25
300円〜
400円〜
0
15
500円〜
600〜1,000円
0
1,000円〜
2,000円〜
7
0
2
3.000円以上
その他
234
40
0
50
60
属性別では、18−19 歳、20 代及び 30 代での関心度が高い。金額負担を構わないとす
る意見は、業務目的のユーザーが比較的多い。
〜参考:クロス集計〜
○関心度
Q14:アイデア③【交通手段間の比較情報提供】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
282
23
69
137
49
4
27
83
63
36
48
25
138
53
61
30
0
76
44
53
107
2
570
52
145
271
99
3
58
81
119
116
109
87
263
124
123
60
0
168
115
85
200
2
239
13
65
125
34
2
9
34
39
55
57
45
107
64
50
18
0
63
59
40
75
2
137
15
33
63
25
1
7
16
26
32
26
30
68
25
35
9
0
53
17
23
44
0
全体
63
4
20
30
9
0
5
11
10
18
11
8
30
9
13
11
0
13
14
11
23
2
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
21.8%
21.5%
20.8%
21.9%
22.7%
40.0%
25.5%
36.9%
24.5%
14.0%
19.1%
12.8%
22.8%
19.3%
21.6%
23.4%
0.0%
20.4%
17.7%
25.0%
23.8%
25.0%
44.2%
48.6%
43.7%
43.3%
45.8%
30.0%
54.7%
36.0%
46.3%
45.1%
43.4%
44.6%
43.4%
45.1%
43.6%
46.9%
0.0%
45.0%
46.2%
40.1%
44.5%
25.0%
18.5%
12.1%
19.6%
20.0%
15.7%
20.0%
8.5%
15.1%
15.2%
21.4%
22.7%
23.1%
17.7%
23.3%
17.7%
14.1%
0.0%
16.9%
23.7%
18.9%
16.7%
25.0%
10.6%
14.0%
9.9%
10.1%
11.6%
10.0%
6.6%
7.1%
10.1%
12.5%
10.4%
15.4%
11.2%
9.1%
12.4%
7.0%
0.0%
14.2%
6.8%
10.8%
9.8%
0.0%
全体
4.9%
3.7%
6.0%
4.8%
4.2%
0.0%
4.7%
4.9%
3.9%
7.0%
4.4%
4.1%
5.0%
3.3%
4.6%
8.6%
0.0%
3.5%
5.6%
5.2%
5.1%
25.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
○有料の場合の利用意向
運
転
目
的
年
齢
運
転
頻
度
居
住
地
Q14−2:アイデア③の金額支払意向
関心はある 月額[ ]
わからない
が有料なら (円/月)
ば利用しな 程度ならば
い
負担しても
N=852
構わない
合計
637
103
111
業務
47
16
12
通勤・通学
155
29
29
321
36
51
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
108
21
19
その他
6
1
0
18-19歳
60
12
13
20-29歳
128
19
17
30-39歳
142
22
18
40-49歳
118
15
18
50-59歳
101
25
31
60歳以上
88
10
14
ほぼ毎日
286
58
56
週に数回
139
18
20
週に1,2回
142
16
26
月に数回
70
11
9
月に1回以下
0
0
0
東京圏
169
34
41
名古屋圏
124
16
19
関西圏
105
16
16
地方圏
237
36
34
その他
2
1
1
235
全体
851
75
213
408
148
7
85
164
182
151
157
112
400
177
184
90
0
244
159
137
307
4
非該当
(エラー)
関心はある
が有料なら
ば利用しな
い
1
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
74.9%
62.7%
72.8%
78.7%
73.0%
85.7%
70.6%
78.0%
78.0%
78.1%
64.3%
78.6%
71.5%
78.5%
77.2%
77.8%
0.0%
69.3%
78.0%
76.6%
77.2%
50.0%
月額[ ]
わからない
(円/月)
程度ならば
負担しても
構わない
12.1%
13.0%
21.3%
16.0%
13.6%
13.6%
8.8%
12.5%
14.2%
12.8%
14.3%
0.0%
14.1%
15.3%
11.6%
10.4%
12.1%
9.9%
9.9%
11.9%
15.9%
19.7%
8.9%
12.5%
14.5%
14.0%
10.2%
11.3%
8.7%
14.1%
12.2%
10.0%
0.0%
0.0%
13.9%
16.8%
10.1%
11.9%
11.7%
11.7%
11.7%
11.1%
25.0%
25.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(4)想定顧客:一般ドライバー
⑥「朝一番カスタマイズ通勤経路渋滞情報」提供サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・予め指定したルート(自宅⇒会社、自宅⇒病院等)について、毎日定時もしくは毎月指
定日時に混雑状況等を提供するサービス。(新聞クリップサービスのようなサービスを提
供する)
・「通常使うルートの混雑状況」、
「渋滞時の代替ルートの提供」などが基本サービスとして
想定できる。
・エンドユーザーからの料金徴収に加えて、広告収入等を想定し得る。
備考)
・当面、BtoC での予測情報の提供ビジネスの拡大は非現実的な可能性がある。
・予測情報は次のステップとし、例えば③の TDM 意思決定支援システムの構築・検証等を
通じて、充分な精度になった段階でコンテンツに加えることも想定可能。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
企業(A社)
企業(A社)
企業(A社)
広告宣伝料
事業主体
(民間企業)
情報提供
JARTIC
利用料等
ロードサポーター
○道路交通情報クリッピングサービスシステム
・顧客指定ルートのリアルタイム情報
・代替ルート検索機能
・定時・指定時送信機能 等
道路交通情報
大規模プローブカー
朝一番カスタマイズ通勤経路情報
登録料
会費
一般ドライバー
【市場の捉え方】
○一般ドライバーの利用ニーズ、支払い意思額よりの推計可能。(次節参照のこと。)
○次頁に示すアンケート結果でも、一定の利用意向がある。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・マーケットニーズの詳細確認
・ベースとなる JARTIC 情報の高コスト性の克服
236
等
<「朝一番カスタマイズ通勤経路渋滞情報」提供サービス>
あなたが予め指定したルート(自宅⇒会社、自宅⇒病院等)について、毎日定時もしくは毎月
指定日時に混雑状況等を提供します。(新聞クリップサービスのようなもの)
いつも走行する道の混雑状況に応じたルートが比較検討でき、例えば毎日の通勤や通院に掛か
【関心度】
アイデア④の利用意向
「大いに関心がある(加入したい)」12.5%、
「どちらかと言えば関心がある」は 39.4%
で、関心度は 51.9%と過半数を占める。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
どちらかと言え
ば関心はない
17.5%
どちらかと言え
ば関心がある
39.4%
割合
12.5%
39.4%
23.9%
17.5%
6.7%
100.0%
161
509
308
226
87
1,291
大いに関心があ
る(加入したい)
12.5%
全く関心はない
6.7%
どちらとも言え
ない
23.9%
【有料の場合の利用意向】
有料の場合の利用意向(アイデア④)
件数
関心はあるが有料ならば利用しない
月額○○円程度ならば負担しても構わない
わからない
非該当
計
※「非該当」は通信トラブルによる欠損データ。
割合
73.7%
17.6%
8.7%
−
100.0%
494
118
58
0
670
わからない
8.7%
ある程度負
担しても構わ
ない
17.6%
有料ならば
利用しない
73.7%
【支払金額意向】
件数
100円未満
100円〜
200円〜
300円〜
400円〜
500円〜
600〜1,000円
1,000円〜
2,000円〜
3.000円以上
その他
計
金額未入力
支払意向回答数
最低金額:円
最高金額:円
単純平均:円
「その他」の内容
7
39
19
23
0
22
1
6
1
0
0
118
118
50
2,000
298.7
−
割合
5.9%
33.1%
16.1%
19.5%
0.0%
18.6%
0.8%
5.1%
0.8%
0.0%
0.0%
100.0%
アイデア④の支払金額意向分布
(件) 0
10
20
30
7
100円未満
39
100円〜
19
200円〜
300円〜
400円〜
23
0
22
500円〜
600〜1,000円
1
6
1,000円〜
2,000円〜
1
3.000円以上
0
その他
0
237
40
50
60
属性別では、関心度が高いのは通勤・通学目的ユーザーと年齢別で 18−19 歳、20 代
である。金額負担を構わないとする意見は、運転目的別で業務、通勤・通学、年齢別で
は 30 代及び 50 代、運転頻度ではほぼ毎日運転しているユーザーが比較的多い。
〜参考:クロス集計〜
○関心度
Q15:アイデア④【朝一番カスタマイズ通勤経路渋滞情報】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
161
13
69
57
22
0
15
39
44
20
31
12
111
20
17
13
0
42
28
25
65
1
509
40
135
248
80
6
54
95
100
106
81
73
241
97
113
58
0
153
94
86
172
4
308
28
59
163
57
1
20
49
59
61
66
53
120
86
74
28
0
88
73
51
95
1
226
19
50
108
46
3
12
22
43
46
58
45
94
54
59
19
0
66
38
41
81
0
全体
87
7
19
50
11
0
5
20
11
24
15
12
40
18
19
10
0
24
16
9
36
2
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
12.5%
12.1%
20.8%
9.1%
10.2%
0.0%
14.2%
17.3%
17.1%
7.8%
12.4%
6.2%
18.3%
7.3%
6.0%
10.2%
0.0%
11.3%
11.2%
11.8%
14.5%
12.5%
39.4%
37.4%
40.7%
39.6%
37.0%
60.0%
50.9%
42.2%
38.9%
41.2%
32.3%
37.4%
39.8%
35.3%
40.1%
45.3%
0.0%
41.0%
37.8%
40.6%
38.3%
50.0%
23.9%
26.2%
17.8%
26.0%
26.4%
10.0%
18.9%
21.8%
23.0%
23.7%
26.3%
27.2%
19.8%
31.3%
26.2%
21.9%
0.0%
23.6%
29.3%
24.1%
21.2%
12.5%
17.5%
17.8%
15.1%
17.3%
21.3%
30.0%
11.3%
9.8%
16.7%
17.9%
23.1%
23.1%
15.5%
19.6%
20.9%
14.8%
0.0%
17.7%
15.3%
19.3%
18.0%
0.0%
全体
6.7%
6.5%
5.7%
8.0%
5.1%
0.0%
4.7%
8.9%
4.3%
9.3%
6.0%
6.2%
6.6%
6.5%
6.7%
7.8%
0.0%
6.4%
6.4%
4.2%
8.0%
25.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
○有料の場合の利用意向
運
転
目
的
年
齢
運
転
頻
度
居
住
地
Q15−2:アイデア④の金額支払意向
関心はある 月額[ ]
わからない
が有料なら (円/月)
ば利用しな 程度ならば
い
負担しても
N=670
構わない
合計
494
118
58
業務
34
15
4
通勤・通学
145
46
13
235
38
32
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
75
18
9
その他
5
1
0
18-19歳
53
9
7
20-29歳
103
21
10
30-39歳
97
34
13
40-49歳
104
18
4
50-59歳
78
24
10
60歳以上
59
12
14
ほぼ毎日
246
75
31
週に数回
91
17
9
週に1,2回
100
17
13
月に数回
57
9
5
月に1回以下
0
0
0
東京圏
141
35
19
名古屋圏
97
18
7
関西圏
86
15
10
地方圏
169
48
20
その他
1
2
2
238
全体
670
53
204
305
102
6
69
134
144
126
112
85
352
117
130
71
0
195
122
111
237
5
非該当
(エラー)
関心はある
が有料なら
ば利用しな
い
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
73.7%
64.2%
71.1%
77.0%
73.5%
83.3%
76.8%
76.9%
67.4%
82.5%
69.6%
69.4%
69.9%
77.8%
76.9%
80.3%
0.0%
72.3%
79.5%
77.5%
71.3%
20.0%
月額[ ]
わからない
(円/月)
程度ならば
負担しても
構わない
17.6%
8.7%
28.3%
7.5%
22.5%
6.4%
12.5%
10.5%
17.6%
8.8%
16.7%
0.0%
13.0%
10.1%
15.7%
7.5%
23.6%
9.0%
14.3%
3.2%
21.4%
8.9%
14.1%
16.5%
21.3%
8.8%
14.5%
7.7%
13.1%
10.0%
12.7%
7.0%
0.0%
0.0%
17.9%
9.7%
14.8%
5.7%
13.5%
9.0%
20.3%
8.4%
40.0%
40.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
⑦安全運転診断サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・スピード違反時のアラート、一時停止や一方通行時に事前に反応し、運転手に知らせる
サービスを提供する。
・今後、ますます増加するであろう高齢ドライバー向けの商品企画となる可能性がある。
・また、「安全運転診断アドバイス」や、「盗難時の車両追跡」などの付帯的サービスも想
定し得る。
図表
概略ビジネススキーム(イメージ)
企業(A社)
企業(A社)
企業(A社)
広告宣伝料
会員料
一般
マスコミ
ドライバー
マスコミ
B社
C社
事業主体
(民間企業)
運行情報(GPS)
アラートサービス
安全運転診断
盗難時車両追跡
等
○運行履歴情報蓄積保険料算定システム
・運行履歴
・保険料算定
・安全運転診断 等
信号現示情報
規制情報【静的情報】
(速度規制、一方通行、駐停車禁止地区等)
道路管理者
警察
(国交省・自治体
・道路4公団等)
【市場の捉え方】
○一般ドライバーの利用ニーズ、支払い意思額よりの推計可能。(次節参照のこと。)
○次頁に示すアンケート結果でも、一定の利用意向がある。特に高齢ドライバーの利用意
向が高い。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・マーケットニーズの詳細確認
・個人情報の取扱いルール等の構築
・警察・道路管理者保有情報の開示
・精緻な情報把握の技術的課題(GPS×信号現示情報、速度規制情報、一方通行等の規制
情報、駐停車禁止地区等の情報との連動が必要)等
239
<安全運転診断サービス>
スピード違反時の警告、一時停止や一方通行時に事前に反応し、運転手に知らせるサービスです。
初心者や高齢ドライバーの運転支援のほか、安全運転診断や各種アドバイスを受けられます。車
両盗難時の車両追跡などの付帯的サービスも考えられます
【関心度】
「大いに関心がある(加入したい)」16.6%、
アイデア⑤の利用意向
「どちらかと言えば関心がある」は 42.1%
全く関心はない
6.0%
で、関心度は 58.7%と高い。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
大いに関心があ
る(加入したい)
16.6%
どちらかと言え
ば関心はない
12.4%
214
543
297
160
77
1,291
割合
16.6%
42.1%
23.0%
12.4%
6.0%
100.0%
どちらかと言え
ば関心がある
42.1%
どちらとも言え
ない
23.0%
有料の場合の利用意向(アイデア⑤)
【有料の場合の利用意向】
わからない
14.4%
件数
関心はあるが有料ならば利用しない
月額○○円程度ならば負担しても構わない
わからない
非該当
計
※「非該当」は通信トラブルによる欠損データ。
割合
62.7%
22.9%
14.4%
−
100.0%
475
173
109
0
757
有料ならば
利用しない
62.7%
ある程度負
担しても構わ
ない
22.9%
【支払金額意向】
件数
割合
100円未満
5
2.9%
100円〜
29
16.9%
200円〜
30
17.4%
300円〜
37
21.5%
400円〜
0
0.0%
500円〜
47
27.3%
600〜1,000円
2
1.2%
1,000円〜
16
9.3%
2,000円〜
4
2.3%
3.000円以上
1
0.6%
その他
1
0.6%
計
172
100.0%
金額未入力
1
支払意向回答数
173
最低金額:円
50
最高金額:円
3,000
単純平均:円
423.8
1,000円以内
「その他」の内容
※単純平均は「その他」回答を除く
171件により算出。
アイデア⑤の支払金額意向分布
(件) 0
10
20
30
200円〜
300円〜
37
0
47
500円〜
2
16
1,000円〜
4
2,000円〜
3.000円以上
1
その他
1
240
50
29
100円〜
600〜1,000円
40
5
100円未満
400円〜
30
60
属性別では、関心度が高いのは業務目的ユーザーであり、年齢別では 18−19 歳、50
代、60 歳以上である。金額負担を構わないとする意見の割合はアイデア項目の中で最も
高く、運転目的別で業務目的ユーザーの意見が多い。また、支払金額をみると最も件数
が多いのは 500 円代であり、他のアイデアの支払金額意向分布とは違う傾向を示してい
る。
〜参考:クロス集計〜
○関心度
Q16:アイデア⑤【安全運転診断】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
214
22
52
106
31
3
29
36
36
23
45
45
105
39
46
24
0
67
35
36
74
2
543
42
123
283
90
5
38
91
101
101
123
89
250
117
124
52
0
145
117
96
183
2
297
20
86
131
58
2
21
56
70
67
42
41
130
67
69
31
0
86
55
47
107
2
160
15
43
76
26
0
11
27
31
45
32
14
80
37
33
10
0
51
27
24
58
0
全体
77
8
28
30
11
0
7
15
19
21
9
6
41
15
10
11
0
24
15
9
27
2
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
16.6%
20.6%
15.7%
16.9%
14.4%
30.0%
27.4%
16.0%
14.0%
8.9%
17.9%
23.1%
17.3%
14.2%
16.3%
18.8%
0.0%
18.0%
14.1%
17.0%
16.5%
25.0%
42.1%
39.3%
37.0%
45.2%
41.7%
50.0%
35.8%
40.4%
39.3%
39.3%
49.0%
45.6%
41.3%
42.5%
44.0%
40.6%
0.0%
38.9%
47.0%
45.3%
40.8%
25.0%
23.0%
18.7%
25.9%
20.9%
26.9%
20.0%
19.8%
24.9%
27.2%
26.1%
16.7%
21.0%
21.5%
24.4%
24.5%
24.2%
0.0%
23.1%
22.1%
22.2%
23.8%
25.0%
12.4%
14.0%
13.0%
12.1%
12.0%
0.0%
10.4%
12.0%
12.1%
17.5%
12.7%
7.2%
13.2%
13.5%
11.7%
7.8%
0.0%
13.7%
10.8%
11.3%
12.9%
0.0%
全体
6.0%
7.5%
8.4%
4.8%
5.1%
0.0%
6.6%
6.7%
7.4%
8.2%
3.6%
3.1%
6.8%
5.5%
3.5%
8.6%
0.0%
6.4%
6.0%
4.2%
6.0%
25.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
○有料の場合の利用意向
運
転
目
的
年
齢
運
転
頻
度
居
住
地
Q16−2:アイデア⑤の金額支払意向
関心はある 月額[ ]
わからない
が有料なら (円/月)
ば利用しな 程度ならば
い
負担しても
N=757
構わない
合計
475
173
109
業務
36
21
7
通勤・通学
113
38
24
252
76
61
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
70
35
16
その他
4
3
1
18-19歳
44
13
10
20-29歳
92
25
10
30-39歳
96
23
18
40-49歳
76
31
17
50-59歳
92
48
28
60歳以上
75
33
26
ほぼ毎日
217
88
50
週に数回
106
32
18
週に1,2回
101
37
32
月に数回
51
16
9
月に1回以下
0
0
0
東京圏
132
44
36
名古屋圏
97
33
22
関西圏
83
27
22
地方圏
162
68
27
その他
1
1
2
241
全体
757
64
175
389
121
8
67
127
137
124
168
134
355
156
170
76
0
212
152
132
257
4
関心はある
が有料なら
ば利用しな
い
非該当
(エラー)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
62.7%
56.3%
64.6%
64.8%
57.9%
50.0%
65.7%
72.4%
70.1%
61.3%
54.8%
56.0%
61.1%
67.9%
59.4%
67.1%
0.0%
62.3%
63.8%
62.9%
63.0%
25.0%
月額[ ]
わからない
(円/月)
程度ならば
負担しても
構わない
22.9%
14.4%
32.8%
10.9%
21.7%
13.7%
19.5%
15.7%
28.9%
13.2%
37.5%
12.5%
19.4%
14.9%
19.7%
7.9%
16.8%
13.1%
25.0%
13.7%
28.6%
16.7%
24.6%
19.4%
24.8%
14.1%
20.5%
11.5%
21.8%
18.8%
21.1%
11.8%
0.0%
0.0%
20.8%
17.0%
21.7%
14.5%
20.5%
16.7%
26.5%
10.5%
25.0%
50.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
⑧「穴場行楽地情報」提供サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・一般ドライバーを対象に、過去データにより、 行き易い観光地 を情報提供するサービ
ス。観光シーズン中に、渋滞を懸念して外出を控えているドライバー等に穴場の観光地情
報を提供する。
・地域情報提供には、「道路交通予報士」の活用等も想定される。
・情報提供は、通信以外にも、事業立ち上がり時における駅やコンビニ等での無償冊子の
配布で何らかの効果が見込める可能性がある。
備考)
・過去データからの分析は、将来予測に比べ容易で低コスト。(できることから実践するという
スタンス。)
・自治体が行っている現在の観光振興に交通情報を組み合わせることで、地域振興に寄与できる
可能性があること。地元に詳しい「道路交通予報士」は人材発掘にもつながる可能性がある。
・今までの観光情報に比べ、ドライバーの満足度、観光客数の動向がどのように変化したかを分
析することで、更にサービス向上が期待できること。
図表
情報提供
JARTIC
概略ビジネススキーム(イメージ)
事業主体
(観光事業者・業界団体 等)
料金
情報事業者
情報提供
利用料等
○穴場観光地情報提供システム
・観光シーズン中 行き易い 観光地情報
・移動ルート検索・提供 等
「穴場観光地情報」提供
補助金
情報提供
自治体
登録料・利用料
冊子等配布
冊子購入費(事業安定後)
一般ドライバー
【市場の捉え方】
○一般ドライバーの利用ニーズ、支払い意思額よりの推計可能。(次節参照のこと。)
○次頁に示すアンケート結果でも、一定の利用意向がある。
○当該サービス利用者への駐車場料金、宿泊料等の割引サービスで加入を誘引する仕組み
等も考えられる。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・ユーザー層の拡大成長がカギとなる。マーケットニーズの詳細確認が必要。
・ベースとなる JARTIC 情報の高コスト性の克服
242
等
<「穴場行楽地情報」提供サービス>
観光地などの渋滞の過去データにより、 行き易い観光地 を情報提供します。
お休みの日や行楽シーズン中、どこかに行きたいけれど、渋滞で外出を諦めていたようなドラ
イバーに、シーズン中でも渋滞なしで行ける穴場行楽地を紹介します。
【関心度】
「大いに関心がある(加入したい)」12.5%、
アイデア⑥の利用意向
「どちらかと言えば関心がある」は 42.6%で、
関心度は 55.1%と過半数を占める。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
どちらかと言え
ば関心はない
16.1%
割合
12.5%
42.6%
21.1%
16.1%
7.7%
100.0%
161
550
273
208
99
1,291
大いに関心があ
る(加入したい)
12.5%
全く関心はない
7.7%
どちらかと言え
ば関心がある
42.6%
どちらとも言え
ない
21.1%
有料の場合の利用意向(アイデア⑥)
【有料の場合の利用意向】
件数
関心はあるが有料ならば利用しない
月額○○円程度ならば負担しても構わない
わからない
非該当
計
※「非該当」は通信トラブルによる欠損データ。
わからない
11.0%
割合
71.3%
17.7%
11.0%
−
100.0%
506
126
78
1
711
ある程度負
担しても構わ
ない
17.7%
有料ならば
利用しない
71.3%
【支払金額意向】
件数
100円未満
100円〜
200円〜
300円〜
400円〜
500円〜
600〜1,000円
1,000円〜
2,000円〜
3.000円以上
その他
計
金額未入力
支払意向回答数
最低金額:円
最高金額:円
単純平均:円
「その他」の内容
7
56
20
18
1
19
1
3
0
0
0
125
1
126
50
1,000
232.8
−
割合
5.6%
44.8%
16.0%
14.4%
0.8%
15.2%
0.8%
2.4%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
アイデア⑥の支払金額意向分布
(件) 0
10
20
20
200円〜
300円〜
18
1
19
500円〜
1
3
1,000円〜
2,000円〜
0
3.000円以上
0
その他
0
243
50
60
56
100円〜
600〜1,000円
40
7
100円未満
400円〜
30
属性別では、関心度については年齢別で 18−19 歳が低いほかは大きな差異はみられな
い。金額負担を構わないとする意見は、業務、通勤・通学目的、年齢別で 30 代が比較的
多い程度である。また、支払金額をみると 100 円代に集中している。
〜参考:クロス集計〜
○関心度
Q17:アイデア⑥【穴場行楽地情報】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
161
13
40
80
28
0
10
36
32
31
30
22
89
29
29
14
0
53
35
17
56
0
550
39
140
266
100
5
38
95
123
122
95
77
249
123
128
50
0
154
107
90
198
1
273
28
73
130
38
4
27
43
52
50
58
43
136
55
55
27
0
83
57
46
84
3
208
17
50
102
38
1
23
28
38
37
44
38
87
50
48
23
0
56
32
43
77
0
99
10
29
48
12
0
8
23
12
17
24
15
45
18
22
14
0
27
18
16
34
4
全体
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
12.5%
12.1%
12.0%
12.8%
13.0%
0.0%
9.4%
16.0%
12.5%
12.1%
12.0%
11.3%
14.7%
10.5%
10.3%
10.9%
0.0%
14.2%
14.1%
8.0%
12.5%
0.0%
42.6%
36.4%
42.2%
42.5%
46.3%
50.0%
35.8%
42.2%
47.9%
47.5%
37.8%
39.5%
41.1%
44.7%
45.4%
39.1%
0.0%
41.3%
43.0%
42.5%
44.1%
12.5%
21.1%
26.2%
22.0%
20.8%
17.6%
40.0%
25.5%
19.1%
20.2%
19.5%
23.1%
22.1%
22.4%
20.0%
19.5%
21.1%
0.0%
22.3%
22.9%
21.7%
18.7%
37.5%
16.1%
15.9%
15.1%
16.3%
17.6%
10.0%
21.7%
12.4%
14.8%
14.4%
17.5%
19.5%
14.4%
18.2%
17.0%
18.0%
0.0%
15.0%
12.9%
20.3%
17.1%
0.0%
全体
7.7%
9.3%
8.7%
7.7%
5.6%
0.0%
7.5%
10.2%
4.7%
6.6%
9.6%
7.7%
7.4%
6.5%
7.8%
10.9%
0.0%
7.2%
7.2%
7.5%
7.6%
50.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
○有料の場合の利用意向
運
転
目
的
年
齢
運
転
頻
度
居
住
地
Q17−2:アイデア⑥金額支払意向
関心はある 月額[ ]
わからない
が有料なら (円/月)
ば利用しな 程度ならば
い
負担しても
N=711
構わない
合計
506
126
78
業務
32
12
8
通勤・通学
116
45
18
259
50
37
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
94
19
15
その他
5
0
0
18-19歳
35
6
7
20-29歳
101
23
7
30-39歳
103
36
16
40-49歳
110
27
16
50-59歳
86
20
19
60歳以上
71
14
13
ほぼ毎日
225
75
37
週に数回
114
26
12
週に1,2回
120
18
19
月に数回
47
7
10
月に1回以下
0
0
0
東京圏
154
33
20
名古屋圏
99
26
16
関西圏
82
11
14
地方圏
170
56
28
その他
1
0
0
244
全体
710
52
179
346
128
5
48
131
155
153
125
98
337
152
157
64
0
207
141
107
254
1
関心はある
が有料なら
ば利用しな
い
非該当
(エラー)
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
71.3%
61.5%
64.8%
74.9%
73.4%
100.0%
72.9%
77.1%
66.5%
71.9%
68.8%
72.4%
66.8%
75.0%
76.4%
73.4%
0.0%
74.4%
70.2%
76.6%
66.9%
100.0%
月額[ ]
わからない
(円/月)
程度ならば
負担しても
構わない
17.7%
11.0%
23.1%
15.4%
25.1%
10.1%
14.5%
10.7%
14.8%
11.7%
0.0%
0.0%
12.5%
14.6%
17.6%
5.3%
23.2%
10.3%
17.6%
10.5%
16.0%
15.2%
14.3%
13.3%
22.3%
11.0%
17.1%
7.9%
11.5%
12.1%
10.9%
15.6%
0.0%
0.0%
15.9%
9.7%
18.4%
11.3%
10.3%
13.1%
22.0%
11.0%
0.0%
0.0%
全体
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
⑨通過時間予測情報提供サービス
【ビジネス・提供サービスの内容(イメージ)
】
・事故・工事等のない場合の「平常時の所要通過時間」及び「事故等発生時の所要通過時
間」について、比較的短期の予測情報を提供する。
・ビジネス実施者は渋滞のデータを持つ公団等の道路管理者または、データの提供を受け
た別の事業者が考えられる
1.平常時
(1)高速道路
①現在の通過時間
○○IC〜△△IC
②30分後の通過時間
③1時間後の通過時間
をそれぞれ予測提供。
(2)一般国道
○○(地名)〜△△(地名)
図表
(民間企業
2.事故等発生時
概略ビジネススキーム(イメージ)
事業主体
or 道路管理者)
各IC間の通過台数
各ICの出入り台数
○通過時間予測システム
過去のデータ等
道路管理者
高速道路(平常時・事故等発生時)
①現在の通過時間
②30分後の通過時間
③1時間後の通過時間
事故データ
一般国道(平常時・事故等発生時)
①現在の通過時間
②30分後の通過時間
③1時間後の通過時間
過去の事故データ等
警察
トラフィック・カウンターのデータ
道路管理者
過去のデータ等
通過時間予測情報
登録料
サービス利用料
一般ドライバー・法人ユーザー
【市場の捉え方】
○一般ドライバーの利用ニーズ、支払い意思額よりの推計可能。(次節参照のこと。)
○次頁に示すアンケート結果でも、一定の利用意向がある。
【突破すべき課題・隘路(市場の成立要件の頭出し)】
・マーケットニーズの詳細確認が必要。
・予測精度向上(特に一般国道)がネックとなる。
・JARTIC を経由しない情報入手の制度的困難さの克服。
・警察等からの事故情報の提供の可否の検証
245
等
<通過時間予測情報提供サービス>
「平常時(事故・工事等のない場合)の所要通過時間」及び「事故等発生時の所要通過時間」
について、予測情報を提供します。
①現在の通過時間
例:(1)高速道路 ○○IC〜△△IC
②30分後の通過時間
(2)一般国道 ○○〜△△(地名)
③1時間後の通過時間
をそれぞれ予測提供。
【関心度】
「大いに関心がある(加入したい)」21.5%、
アイデア⑦の利用意向
「どちらかと言えば関心がある」は 46.9%
全く関心はない
3.3%
どちらかと言え
ば関心はない
7.8%
で、関心度は 68.4%と高い。
件数
大いに関心がある(加入したい)
どちらかと言えば関心がある
どちらとも言えない
どちらかと言えば関心はない
全く関心はない
計
割合
21.5%
46.9%
20.5%
7.8%
3.3%
100.0%
277
605
265
101
43
1,291
大いに関心があ
る(加入したい)
21.5%
どちらとも言え
ない
20.5%
どちらかと言え
ば関心がある
46.9%
有料の場合の利用意向(アイデア⑦)
【有料の場合の利用意向】
わからない
12.1%
件数
関心はあるが有料ならば利用しない
月額○○円程度ならば負担しても構わない
わからない
非該当
計
※「非該当」は通信トラブルによる欠損データ。
割合
75.3%
12.6%
12.1%
−
100.0%
664
111
107
0
882
ある程度負
担しても構わ
ない
12.6%
有料ならば
利用しない
75.3%
【支払金額意向】
件数
100円未満
100円〜
200円〜
300円〜
400円〜
500円〜
600〜1,000円
1,000円〜
2,000円〜
3.000円以上
その他
計
金額未入力
支払意向回答数
最低金額:円
最高金額:円
単純平均:円
「その他」の内容
12
42
24
18
0
9
1
4
0
0
0
110
1
111
0
1,000
218.7
−
割合
10.9%
38.2%
21.8%
16.4%
0.0%
8.2%
0.9%
3.6%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
アイデア⑦の支払金額意向分布
(件) 0
10
20
30
42
100円〜
24
200円〜
18
300円〜
0
9
500円〜
600〜1,000円
1
4
1,000円〜
2,000円〜
0
3.000円以上
0
その他
0
246
50
12
100円未満
400円〜
40
60
属性別では、関心度については居住地で東京圏が高いほかは、大きな差異はみられな
い。金額負担を構わないとする意見は、業務目的が比較的多い。
〜参考:クロス集計〜
○関心度
Q18:アイデア⑦【通過時間予測情報提供】
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
合計
業務
運 通勤・通学
転
目 通勤・通学以外の日常生活
的 レジャー
その他
18-19歳
20-29歳
年 30-39歳
齢 40-49歳
50-59歳
60歳以上
ほぼ毎日
運 週に数回
転
頻 週に1,2回
度 月に数回
月に1回以下
東京圏
居 名古屋圏
住 関西圏
地 地方圏
その他
277
28
60
137
52
0
18
47
67
50
50
45
136
56
59
26
0
108
47
40
79
3
605
49
158
294
97
7
40
96
122
140
112
95
282
134
129
60
0
173
118
108
204
2
265
21
69
132
41
2
31
51
49
43
53
38
118
57
63
27
0
64
63
42
96
0
101
8
34
42
17
0
11
19
15
16
31
9
51
21
21
8
0
22
12
15
51
1
全体
43
1
11
21
9
1
6
12
4
8
5
8
19
7
10
7
0
6
9
7
19
2
1,291
107
332
626
216
10
106
225
257
257
251
195
606
275
282
128
0
373
249
212
449
8
大いに関心 どちらかと言 どちらとも言 どちらかと言 全く関心は
がある(利用 えば関心が えない
えば関心は ない
したい)
ある
ない
21.5%
26.2%
18.1%
21.9%
24.1%
0.0%
17.0%
20.9%
26.1%
19.5%
19.9%
23.1%
22.4%
20.4%
20.9%
20.3%
0.0%
29.0%
18.9%
18.9%
17.6%
37.5%
46.9%
45.8%
47.6%
47.0%
44.9%
70.0%
37.7%
42.7%
47.5%
54.5%
44.6%
48.7%
46.5%
48.7%
45.7%
46.9%
0.0%
46.4%
47.4%
50.9%
45.4%
25.0%
20.5%
19.6%
20.8%
21.1%
19.0%
20.0%
29.2%
22.7%
19.1%
16.7%
21.1%
19.5%
19.5%
20.7%
22.3%
21.1%
0.0%
17.2%
25.3%
19.8%
21.4%
0.0%
7.8%
7.5%
10.2%
6.7%
7.9%
0.0%
10.4%
8.4%
5.8%
6.2%
12.4%
4.6%
8.4%
7.6%
7.4%
6.3%
0.0%
5.9%
4.8%
7.1%
11.4%
12.5%
全体
3.3%
0.9%
3.3%
3.4%
4.2%
10.0%
5.7%
5.3%
1.6%
3.1%
2.0%
4.1%
3.1%
2.5%
3.5%
5.5%
0.0%
1.6%
3.6%
3.3%
4.2%
25.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
0.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
○有料の場合の利用意向
運
転
目
的
年
齢
運
転
頻
度
居
住
地
Q18−2:アイデア⑦の金額支払意向
関心はある 月額[ ]
わからない
が有料なら (円/月)
ば利用しな 程度ならば
い
負担しても
N=882
構わない
合計
664
111
107
業務
52
17
8
通勤・通学
156
34
28
344
37
50
通勤・通学以外の日常生活
レジャー
106
22
21
その他
6
1
0
18-19歳
42
8
8
20-29歳
121
12
10
30-39歳
144
25
20
40-49歳
149
22
19
50-59歳
114
24
24
60歳以上
94
20
26
ほぼ毎日
301
71
46
週に数回
155
14
21
週に1,2回
141
20
27
月に数回
67
6
13
月に1回以下
0
0
0
東京圏
204
36
41
名古屋圏
126
18
21
関西圏
128
10
10
地方圏
203
45
35
その他
3
2
0
247
全体
882
77
218
431
149
7
58
143
189
190
162
140
418
190
188
86
0
281
165
148
283
5
関心はある
が有料なら
ば利用しな
い
非該当
(エラー)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
75.3
67.5
71.6
79.8
71.1
85.7
72.4%
84.6%
76.2%
78.4%
70.4%
67.1%
72.0
81.6
75.0
77.9
0.0
72.6
76.4
86.5
71.7
60.0
月額[ ]
わからない
(円/月)
程度ならば
負担しても
構わない
12.6
12.1
22.1
10.4
15.6
12.8
8.6
11.6
14.8
14.1
14.3
0.0
13.8%
13.8%
8.4%
7.0%
13.2%
10.6%
11.6%
10.0%
14.8%
14.8%
14.3%
18.6%
17.0
11.0
7.4
11.1
10.6
14.4
7.0
15.1
0.0
0.0
12.8
14.6
10.9
12.7
6.8
6.8
15.9
12.4
40.0
0.0
全体
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0
100.0
100.0
100.0
0.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
3.主な提案ビジネスモデルの概算マーケット規模等
ここでは、前節に提案した主なビジネスモデルについて、その概算マーケット規模を検討し
た。
なお、本調査における概算マーケット規模の推計の対象は、前節に示したビジネスモデルの
うち、ユーザーアンケートにおいて
利用意向
及び
支払意思額
が把握できたもののみと
した。具体的には、下記の 5 つのビジネスモデルを推計の対象とした。
【本節における概算マーケット規模推計の対象ビジネスモデル】
アイデア⑤: 電車等、他の交通手段間との所要時間・金額比較情報提供サービス
アイデア⑥: 「朝一番カスタマイズ通勤経路渋滞情報」提供サービス
アイデア⑦: 安全運転診断サービス
アイデア⑧: 「穴場行楽地情報」提供サービス
アイデア⑨: 通過時間予測情報提供サービス
【推計の方法】
ⅰ)「(a)我が国の免許保有者(人)」にアンケートにおける「(b)有料サービスへの利用意
向(%)」があると回答した回答者の比率を乗じ、有料サービスの「(c)潜在的ユーザー
数(人)」を算出した。
ⅱ)「(c)潜在的ユーザー数(人)」を母集団とし、それぞれのサービスについて、
「(d)加
入意向を持つユーザー比率(%)」、
「(e)費用負担意向を持つユーザー比率(%)」、及び
「(f)平均支払意思額(円/月・人)
」を乗じることで、概算マーケット規模を推計した。
注)以上のように、本節における概算マーケット規模は、アンケート調査の結果に基づく、
一般ユーザーのみからの料金徴収を想定した売上ベースの推計である。利用者課金以外の
売上(例:広告料等)は含まれていないことに留意する必要がある。
推計結果は次頁のとおりである。
248
図表
有料道路交通情報サービスへの潜在的ユーザー数
免許保有者
(万人)
(a)
有料道路交通情報サービスへの潜在的ユーザー数(人)
有料サービス
利用への意向
(%)
(b)
7,555.1
13.6%
潜在的
ユーザー数
(万人)
(c)
1,027.5
注)免許保有者は平成13年・警察白書より
注)有料サービスへの意向では、アンケートにおいて下記を選択した比率を採用した
・内容や便利さに見合う価格なら支払ってもよい
6.2%
・基本的な情報以外ならば支払ってもよい
7.4%
13.6%
図表
一般ユーザーへの課金を想定した概算マーケット規模
(%)
費用負担意向
を持つ
ユーザー比率
(%)
(円/月・人)
(d)
(e)
(f)
潜在的
ユーザー数
加入意向を持つ
ユーザー比率
(万人)
(c)
支払意思額
一般ユーザーへの課金
を想定した
概算マーケット規模
(万円/年)
(c)×(d)×(e)×(f)
×12ヶ月
アイデア⑤
電車等、他の交通手段間との所要時間・
金額比較情報提供サービス
21.8%
12.1%
319.7
103,979
アイデア⑥
「朝一番カスタマイズ通勤経路渋滞情
報」提供サービス
12.5%
17.6%
298.7
81,025
アイデア⑦
安全運転診断サービス
16.6%
22.9%
423.8
198,639
アイデア⑧
「穴場行楽地情報」提供サービス
12.5%
17.7%
232.8
63,508
アイデア⑨
通過時間予測情報提供サービス
21.5%
12.6%
218.7
73,050
1,027
249
4.今後の検討課題等
本調査では、道路交通情報を巡るビジネスの直近動向、海外事例、ユーザーのニーズなど、
今後の同ビジネスの拡大に向けた基礎となる情報を多角的に整理するとともに、それらを踏ま
えつつ新たなビジネスモデルのアイデアを提示した。
今後に向けては、下記のようなテーマについて、さらに調査研究を進めていく必要がある。
○有望・道路交通情報ビジネスの詳細検討
賛助会員企業等との意見交換・協働等を通じて、本調査において提案した骨格的なビジネ
スモデル案の中でも、特に有望と見込まれるモデルを抽出するとともに、抽出されたモデル
に対し、より詳細な実現化方策を検討していくことが重要である。
○道路交通情報を活用した自治体道路 CRM ビジネスに関する検討など、
「更なる官製市場
開拓」を期するようなビジネスモデルの詳細検討
本調査では、BtoB モデルを先行しつつ市場の成熟を期することが基本的な方向性と捉えると
ともに、対 JARTIC、自治体、一般企業を想定した幾つかのビジネスモデルを提示した。
一方、昨今の行政を取り巻く状況を鑑みると、道路管理においてもますますアウトソーシン
グが進むことが想定される。こうした中で、道路交通情報ビジネスのひとつの大きなマーケッ
トとして想定される対自治体を主要顧客として設定しつつ、道路交通情報ビジネスの展開や、
道路交通情報の円滑な収集、利用者のニーズや地域のニーズを活かした道路計画・道路管理の
実現に資する新たなサービスの在り方・実現方法について検討することが重要である。
250
附属
本調査研究のメンバー一覧
資料.
251
附属資料.本調査研究のメンバー一覧
所属
財団法人 道路新産業開発機構
株式会社 野村総合研究所
役職
調査部
公共経営コンサルティング部
政策マネジメントコンサルティング室
252
氏名
調査部長
大畑晋
次長
松本重遠
調査役
高野喜昭
室長
神尾文彦
主任研究員
生駒公洋
研究員
戸手啓介
研究員
植村哲士
研究員
佐竹繁春