豚の品種

豚の品種
現在国内で一般的に飼養されている主な豚の品種(純粋種)は次のとおりです。
ランドレース種 Landrace 略称「L」
大ヨークシャー種 Large White 略称「W」
デンマーク原産。白色で大型、
耳がたれているのが特徴。
最も繁殖性に優れ(子供を多
く産む)、主に雌豚として多く
飼養されています。純粋種雌と
しては県内で最も多く飼われて
います。
イギリス原産。白色で大型、
耳は立っています。
産肉性(たくさんの肉がとれ
る)と繁殖性ともに良好でバラン
スのとれた豚で主に雌豚として
多く飼養されています。
デュロック種 Duroc 略称「D」。
アメリカ原産
褐色(茶色)で大型。最も産肉能力の高い品種。肉にはサシ(網目状の脂肪)が入り、霜降
り状になります。強健で、主に種雄豚として多く飼養されています。純粋種雄としては県内で
最も多く飼われています。
中ヨークシャー種 Middle Yorkshire 略称「Y」
バークシャー種 Berkshire 略称「B」。
イギリス原産
イギリス原産
白色で中型、顔がしゃくれている
黒色で四肢・鼻・尾が白く(六白:
のが特徴。かつて神奈川県の「高
ろっぱく)、中型。いわゆる「黒豚」
座豚」として多くが飼養されていた
と言われている品種で、食味に優
が現在は希少。きめの細かな肉
れるが発育が遅い。
を得られる反面、発育は遅い。
他に、ハンプシャー種や、中国系の梅山豚、金華豚等が少数飼養
肉豚と三元交雑種
純粋種の豚は主に肉豚を生産するための繁殖豚を生産
するために飼養されており、肉豚として出荷する豚にはこれ
らの純粋種の特徴を利用した、雑種が多く用いられていま
す。特に現在は雑種強勢効果(雑種である子の能力が、
両親よりもすぐれている現象)と、繁殖性、産肉性、肉
質のバランスをとるために、3種類の純粋種を掛け合わ
せる「三元交雑種」と言われる雑種豚が主流になってい
ます(右図)。
国内では、伝統的に、繁殖性の優れたランドレース種
(L)と産肉性の高い大ヨークシャー種(W)を掛け合
わせた雑種豚(LW、WL)を母豚とし、肉量や肉質に
優れたデュロック種(D)の雄をかけ合わせて生産した
雑種豚(LWD、WLD)を肉豚にすることが多く、神
奈川県でも主流です。市販されている豚肉の多くがこの
3元交雑種の肉と言えます。
一方で繁殖性や産肉性を犠牲にしても、肉の美味しさ
を追求して差別化を図る銘柄豚も生産されており、バー
クシャー種や中ヨークシャー種の純粋種が肉豚として利
用されることもあります。
三元交雑の例
(3つの純粋種を使った雑種)
②
①
×
L(またはW)
W(またはL)
③
×
繁殖母豚LW
(またはWL)
繁殖種雄豚D
これを肉豚
として出荷
LWD(またはWLD)
三元交雑種