肝・胆・消化機能改善剤 日本薬局方 ウルソデオキシコール酸錠

2012 年 5 月改訂(第 4 版)
− 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。使用前に必ずお読み下さい。−
医薬品の「使用上の注意」の解説
肝・胆・消化機能改善剤
日本薬局方 ウルソデオキシコール酸錠
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
( 1 )完全胆道閉塞のある患者〔利胆作用があるため,症状が増悪する
おそれがある.〕
( 2 )劇症肝炎の患者〔症状が増悪するおそれがある.〕
製造販売元
はじめに
ウルソ錠は,田辺三菱製薬株式会社が開発した肝・胆・消化機能改善剤です。
本剤の有効成分であるウルソデオキシコール酸(UDCA)は,日本薬局方に第 8 局より収載され
ており,肝臓,胆のう等の消化器疾患に有用な薬剤として使用されています。薬効の起源は,
古来より用いられてきた動物性生薬「熊胆」(ユータン)であり,現在はコール酸を原料として
化学的に合成されています。
本冊子では,本剤のご使用に際しての注意事項を各項ごとに解説いたしました。本剤の適正使
用の一助となれば幸いです。
1
目 次
【効能・効果】【用法・用量】……………………………………………………………………… 3
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉…………………………………………………………… 3
【使用上の注意】 ……………………………………………………………………………………… 4
1.警告 …………………………………………………………………………………………………… 4
2.禁忌 ………………………………………………………………………………………………………4
3.効能・効果に関連する使用上の注意 …………………………………………………………………4
4.用法・用量に関連する使用上の注意 …………………………………………………………………5
5.慎重投与 …………………………………………………………………………………………………5
6.重要な基本的注意 ………………………………………………………………………………………6
7.相互作用 …………………………………………………………………………………………………6
8.副作用 ……………………………………………………………………………………………………8
17
9.高齢者への投与 …………………………………………………………………………………………
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ………………………………………………………………………17
17
11.小児等への投与 …………………………………………………………………………………………
12.過量投与 ……………………………………………………………………………………………… 17
18
13.適用上の注意 ……………………………………………………………………………………………
18
14.その他の注意 ……………………………………………………………………………………………
19
15.重大な副作用の症例の概要 ……………………………………………………………………………
2
【効能・効果】【用法・用量】
効能・効果
用法・用量
・下記疾患における利胆
ウルソデオキシコール酸として,通常,成人
胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ 1 回 50mg を 1 日 3 回経口投与する.なお,年
滞を伴う肝疾患
齢,症状により適宜増減する.
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・下記疾患における消化不良
小腸切除後遺症,炎症性小腸疾患
・外殻石灰化を認めないコレステロール系胆
石の溶解
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆
石の溶解には,ウルソデオキシコール酸と
して,通常,成人 1 日 600mg を 3 回に分割
経口投与する.なお,年齢,症状により適
宜増減する.
・原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善に
は,ウルソデオキシコール酸として,通常,
成人 1 日 600mg を 3 回に分割経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.増量
する場合の 1 日最大投与量は 900mg とする.
・ C 型慢性肝疾患における肝機能の改善
C 型慢性肝疾患における肝機能の改善には,
ウルソデオキシコール酸として,通常,成人
1 日 600mg を 3 回に分割経口投与する.なお,
年齢,症状により適宜増減する.増量する場
合の 1 日最大投与量は 900mg とする.
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善:
・硬変期で高度の黄疸のある患者に投与する場合は,症状が悪化するおそれがあるので
慎重に投与すること.血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合には,投与を中止す
るなど適切な処置を行うこと.
C 型慢性肝疾患における肝機能の改善:
・C 型慢性肝疾患においては,まずウイルス排除療法を考慮することが望ましい.本薬に
はウイルス排除作用はなく,現時点では C 型慢性肝疾患の長期予後に対する肝機能改善
の影響は明らかではないため,ウイルス排除のためのインターフェロン治療無効例若し
くはインターフェロン治療が適用できない患者に対して本薬の投与を考慮すること.
・非代償性肝硬変患者に対する有効性及び安全性は確立していない.高度の黄疸のある患
者に投与する場合は,症状が悪化するおそれがあるので慎重に投与すること.血清ビリ
ルビン値の上昇等がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
3
【使用上の注意】
1.警告
現段階では定められていない
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)完全胆道閉塞のある患者〔利胆作用があるため,症状が増悪するお
それがある.〕
(2)劇症肝炎の患者〔症状が増悪するおそれがある.〕
〈解説〉
(1)完全胆道閉塞患者の胆汁うっ滞に対し,本剤の利胆作用による黄疸等,
症状の増悪を招くおそれがある。
(2)劇症肝炎では緊急の救命処置が要求され,通常本剤は投与されないが,
本剤を投与した場合には症状の増悪を招くおそれがある。
3.効能・効果に関連する使用上の注意
原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善:
・硬変期で高度の黄疸のある患者に投与する場合は,症状が悪化するお
それがあるので慎重に投与すること.血清ビリルビン値の上昇等がみ
られた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
C 型慢性肝疾患における肝機能の改善:
・C 型慢性肝疾患においては,まずウイルス排除療法を考慮することが
望ましい.本薬にはウイルス排除作用はなく,現時点では C 型慢性肝
疾患の長期予後に対する肝機能改善の影響は明らかではないため,ウ
イルス排除のためのインターフェロン治療無効例若しくはインターフ
ェロン治療が適用できない患者に対して本薬の投与を考慮すること.
・非代償性肝硬変患者に対する有効性及び安全性は確立していない.高
度の黄疸のある患者に投与する場合は,症状が悪化するおそれがある
ので慎重に投与すること.血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合
には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
4
〈解説〉
原発性胆汁性肝硬変に対する開発治験において,肝硬変期(組織学的
ステージⅣ期)症例及び血清総ビリルビン値 5mg/dL 以上の高度黄疸
例を対象から除外した。したがって,これらの症例に対する本剤の有
効性及び安全性は確立していないことから,注意を喚起するために設
定した。
・C 型慢性肝疾患に対しては,「抗ウイルス療法」と「肝庇護療法」が
推奨されているが,現在,日本肝臓学会や厚生労働省研究班では,治
療検討時においてインターフェロン製剤による抗ウイルス療法を第一
選択として,優先して考慮すべきとされていることから,まずウイル
ス排除療法を考慮する旨を記載した。
・非代償性肝硬変患者については,臨床試験において本剤の有効性や安
全性が確認されておらず高度の黄疸のある患者では,症状が悪化する
おそれがあり,血清ビリルビン値の上昇等に注意が必要なことからそ
の旨を記載した。
4.用法・用量に関連する使用上の注意
該当しない
5.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)重篤な膵疾患のある患者〔原疾患が悪化するおそれがある.〕
(2)消化性潰瘍のある患者〔粘膜刺激作用があるため,症状が増悪するお
それがある.〕
(3)胆管に胆石のある患者〔利胆作用があるため,胆汁うっ滞を惹起する
おそれがある.〕
〈解説〉
(1)本剤は膵外分泌を促進するとの報告がある 1)。
慢性膵炎患者において,膵液中に胆汁の逆流によると考えられる胆汁
酸が認められたとの報告がある 2)。
本剤は胆汁酸製剤であり,in vitro の実験において弱い細胞障害性を
有するとの報告がある 3)。
(2)本剤は胃液(酸)の分泌を促進するとの報告がある 4)。
本剤は胆汁酸製剤であり,in vitro の実験において弱い細胞障害性を
有するとの報告がある 3)。
5
(3)本剤の投与により,胆石が流動し胆管をより閉塞させ,胆汁うっ滞を
惹起させることがある。更に,流動した胆石が総胆管の十二指腸開口
部に嵌頓した場合には,緊急手術を要する事態を招くおそれがある。
参考文献
1)原 泰寛 他:福岡医誌 1974 ; 65
(12): 933 − 940
2)上原総一郎 他:膵臓 1995 ; 10
(3): 280 − 285
3)木村恒夫:日本消化器病学会雑誌 1980 ; 77
(2): 185 − 194
4)伊藤信也 他:基礎と臨床 1976 ; 10
(1): 24 − 39
6.重要な基本的注意
現段階では定められていない
7.相互作用
( 1 )併用禁忌(併用しないこと)
現段階では定められていない
( 2 )併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
スルフォニル尿素系経口
糖尿病用薬
血糖降下作用を増強する
おそれがある.
本剤は血清アルブミンとトルブ
タミドとの結合を阻害するとの
報告がある.
コレスチラミン等
本剤の作用を減弱するお
それがあるので,可能な
限り間隔をあけて投与す
ること.
本剤と結合し,本剤の吸収を遅
滞あるいは減少させるおそれが
ある.
制酸剤
本剤の作用を減弱するお
それがある.
アルミニウムを含有する制酸剤
は,本剤を吸着し,本剤の吸収
を阻害するおそれがある.
本剤をコレステロール胆
石溶解の目的で使用する
場合は,本剤の作用を減
弱するおそれがある.
クロフィブラートは胆汁中への
コレステロール分泌を促進する
ため,コレステロール胆石形成
が促進されるおそれがある.
(トルブタミド等)
(水酸化アルミニウムゲ
ル等)
脂質低下剤
(クロフィブラート等)
〈解説〉
・スルフォニル尿素系経口糖尿病用薬
in vitro において本剤は血清アルブミンとトルブタミドとの結合を競合的
に阻害するとの報告があり,本剤との併用によりトルブタミドの遊離型
が増加し,血糖降下作用を増強するおそれがある 5, 6)。
6
・コレスチラミン等
コレスチラミンは胆汁酸と結合する陰イオン交換樹脂であるので,経口
投与された本剤と結合し,本剤の吸収を遅滞あるいは減少させるおそれ
がある 5)。このような場合には,服用間隔をあける(投与前 1 時間あるい
は投与後 4 時間以上)などの措置が必要である。服用間隔をあけても相互
作用を完全に防ぐことは困難であるため,併用する薬剤量の調節が必要
なこともある 7)。
・制酸剤
アルミニウムを含有する制酸剤は in vitro において胆汁酸を吸着することが
知られており,本剤も同様に吸着され吸収が阻害されると考えられる 5, 8)。
・脂質低下剤
脂質低下剤であるクロフィブラートは胆汁中のコレステロールを増加さ
せるため,本剤をコレステロール胆石溶解の目的で使用する場合は,本
剤の作用が減弱するおそれがある 5, 9)。
参考文献
5)仲川義人 編:医薬品相互作用(第 2 版),医薬ジャーナル社 1998 ; 572 − 573
6)Goto, S. et al : J. Pharmacobio − Dyn. 1985 ; 8
(6): 440 − 447
7)金沢久男 他:医薬ジャーナル 1995 ; 31
(6): 1527 − 1533
8)堀美智子 監修:改定2版医薬品相互作用ハンドブック,
じほう 2002;118 − 118
9)山本昌弘 他:日本臨床 1984 ; 42
(7): 1652 − 1657
7
8.副作用
( 1 )副作用の概要
原発性胆汁性肝硬変,C 型慢性肝疾患を除く疾患
5,807 例中 182 例(3.13 %)222 件の副作用が報告されている.主な副作用
は下痢 111 件(1.91 %),悪心 16 件(0.28 %),B痒 10 件(0.17 %),AST
(GOT)上昇 8 件(0.14 %),ALT(GPT)上昇 8 件(0.14 %)等であった.
(1996 年再評価結果通知時.ウルソ顆粒の成績を含む)
原発性胆汁性肝硬変
〈承認時までの試験〉
92 例中 10 例(10.87 %)12 件の副作用が報告されている.主な副作用は下
痢 2 件(2.17 %),B痒 2 件(2.17 %),発疹 2 件(2.17 %)等であった.(効
能追加承認時)
〈長期使用に関する特別調査〉
1,462 例中 148 例(10.12 %)253 件の副作用が報告されている.本剤投与期
間別に集計した結果,報告された副作用は「1 年以内」1,461 例中 84 例
(5.75 %)125 件,「1 年∼ 2 年以内」1,287 例中 42 例(3.26 %)54 件,「2 年
∼ 3 年以内」1,171 例中 21 例(1.79 %)28 件,「3 年∼ 4 年以内」998 例中 18
例(1.80 %)24 件,「4 年∼」789 例中 18 例(2.28 %)22 件であった.主な
副作用は下痢 11 件,B痒 10 件等であった.(再審査終了時)
C 型慢性肝疾患
〈承認時までの試験〉
596 例中 144 例(24.16 %)233 件の副作用が報告されている.主な副作用は
下痢 41 件(6.88 %),軟便 21 件(3.52 %),便秘 15 件(2.52 %),B痒 12 件
(2.01 %)等であった.
(効能追加承認時)
〈C 型慢性肝疾患に対する使用実態下における安全性及び有効性に関する調査〉
1,923 例中 47 例(2.44 %)54 件の副作用が報告されている.主な副作用は
下痢 9 件(0.47 %),便秘 5 件(0.26 %),腹部膨満 4 件(0.21 %),胃不快感
4 件(0.21 %),B痒 3 件(0.16 %)等であった.
1 )重大な副作用
間質性肺炎(頻度不明):発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部 X 線異常を伴う
間質性肺炎があらわれることがあるので,このような症状があらわれた
場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を
行うこと.
〈解説〉
発生原因は不明であるが,副作用自発報告において本剤との因果関係を否
定できない間質性肺炎が報告されている。
8
=>症例の概要
2 )その他の副作用
種類
頻度
消化器
1 ∼ 5 %未満
0.1 ∼ 1 %未満
下痢
0.1 %未満
頻度不明
悪心,食欲不振, 嘔吐
便秘,胸やけ,
胃不快感,腹痛,
腹部膨満
過敏症
B痒,発疹注)
肝臓
AST(GOT)上昇, ビリルビン上昇,
ALT(GPT)上昇, γ -GTP 上昇
Al-P 上昇
その他
全身閨怠感,めま
い
蕁麻疹注)等
紅斑(多形滲出
性紅斑等)注)
白血球数減少
表中の頻度表示は,再評価結果通知時の成績,承認時までの試験及び製造販売後調査の成
績に基づく.
注)このような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
9
項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧
1 )原発性胆汁性肝硬変,C型慢性肝疾患を除く疾患
1996 年再評価結果通知時*
時 期
調査症例数
5,807
副作用発現症例数
182
副作用発現件数
222
副作用発現症例率
3.13%
副作用の種類
副作用発現件数(%)
感染症および寄生虫症
硬結性紅斑
1(0.02)
血液およびリンパ系障害
貧 血
1(0.02)
代謝および栄養障害
食欲不振
食欲増進
7(0.12)
3(0.05)
神経系障害
めまい
眠 気
頭 痛
2(0.03)
1(0.02)
1(0.02)
胃腸障害
下 痢
悪 心
胸やけ
腹 痛
嘔 吐
便 秘
胃不快感
胃膨満
右季肋部痛
腹部膨満感
111(1.91)
16(0.28)
5(0.09)
5(0.09)
5(0.09)
4(0.07)
3(0.05)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
皮膚および皮下組織障害
瘙 痒
発 疹
ざ瘡様発疹
発 赤
蕁麻疹
10(0.17)
4(0.07)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
筋骨格および結合組織障害
背部放散痛
1(0.02)
腎および尿路障害
頻 尿
1(0.02)
全身障害および投与局所様態
全身 怠感
下肢浮腫
口 渇
2(0.03)
1(0.02)
1(0.02)
臨床検査
AST(GOT)上昇
ALT(GPT)上昇
Al − P 上昇
γ− GTP 上昇
コレステロール上昇
LAP 上昇
LDH 上昇
ビリルビン上昇
白血球減少
8(0.14)
8(0.14)
7(0.12)
2(0.03)
2(0.03)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
1(0.02)
*ウルソ錠,ウルソ顆粒の成績を含む
10
2 )原発性胆汁性肝硬変
承認時までの試験
長期使用に関する
特別調査
調査症例数
92
1,462
副作用等の発現症例数
10
148
副作用等の発現件数
12
253
10.87%
10.12%
時 期
副作用等の発現症例率
副作用の種類
副作用発現件数(%)
感染症および寄生虫症
気管支炎
膀胱炎
帯状疱疹
膿痂疹性湿疹
感染性腸炎
0
0
0
0
0
1(0.07)
3(0.21)
2(0.14)
1(0.07)
1(0.07)
0
0
2(0.14)
1(0.07)
0
0
0
0
5(0.34)
2(0.14)
1(0.07)
1(0.07)
0
1(0.07)
0
0
0
0
0
0
0
0
3(0.21)
2(0.14)
7(0.48)
3(0.21)
1(0.07)
3(0.21)
1(0.07)
1(0.07)
0
0
0
0
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
0
0
0
0
1(0.07)
5(0.34)
3(0.21)
1(0.07)
0
0
1(0.07)
1(0.07)
0
0
2(0.14)
1(0.07)
0
0
1(0.07)
2(0.14)
0
4(0.27)
0
0
0
0
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
1(0.07)
良性,悪性および詳細不明の新生物
(嚢胞およびポリープを含む)
胃 癌
肺の悪性新生物
血液およびリンパ系障害
貧 血
鉄欠乏性貧血
リンパ節症
汎血球減少症
内分泌障害
バセドウ病
代謝および栄養障害
食欲不振
糖尿病
高コレステロール血症
高尿酸血症
低コレステロール血症
高脂血症
高クレアチニン血症
高アミラーゼ血症
精神障害
うつ病
統合失調症
食物嫌悪
不安障害
神経系障害
脳梗塞
浮動性めまい
味覚異常
頭 痛
眼障害
眼乾燥
眼 痛
耳および迷路障害
メニエール病
回転性めまい
心臓障害
心房細動
動 悸
血管障害
高血圧
呼吸器,胸郭および縦隔障害
急性呼吸窮迫症候群
咳 嗽
喀 血
胸膜炎
11
時 期
承認時までの試験
副作用の種類
胃腸障害
腹部不快感
腹部膨満
腹 痛
上腹部痛
腹 水
口唇炎
便 秘
下 痢
十二指腸潰瘍
消化不良
腸 炎
胃潰瘍
胃 炎
びらん性胃炎
胃腸障害
腸閉塞
過敏性腸症候群
メレナ
悪 心
食道静脈瘤出血
膵嚢胞
逆流性食道炎
口内炎
舌潰瘍
嘔 吐
心窩部不快感
食道静脈瘤
肝胆道系障害
胆管結石
胆石症
肝機能異常
肝障害
皮膚および皮下組織障害
脱毛症
円形脱毛症
アレルギー性皮膚炎
剥脱性皮膚炎
瘙痒症
発疹
蕁麻疹
全身性瘙痒症
血管周囲細胞浸潤性皮膚炎
筋骨格系および結合組織障害
関節痛
背部痛
腰部脊柱管狭窄症
筋痙縮
四肢痛
四肢不快感
腎および尿路障害
血 尿
腎機能障害
生殖系および乳房障害
後天性陰嚢水瘤
閉経期症状
勃起不全
全身障害および投与局所様態
無力症
胸部不快感
怠感
末梢性浮腫
突然死
12
長期使用に関する
特別調査
副作用発現件数(%)
0
0
0
0
0
0
1(1.09)
2(2.17)
1(1.09)
1(1.09)
0
0
0
0
0
0
0
0
1(1.09)
0
0
0
0
0
0
0
0
4(0.27)
1(0.07)
3(0.21)
3(0.21)
2(0.14)
1(0.07)
6(0.41)
11(0.75)
0
5(0.34)
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
5(0.34)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
3(0.21)
1(0.07)
1(0.07)
2(0.14)
3(0.21)
1(0.07)
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
0
0
0
0
1(0.07)
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
0
0
0
0
2(2.17)
2(2.17)
1(1.09)
0
0
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
10(0.68)
6(0.41)
2(0.14)
2(0.14)
1(0.07)
0
0
0
0
0
0
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
0
0
1(0.07)
1(0.07)
0
0
0
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
0
0
0
0
0
1(0.07)
1(0.07)
5(0.34)
2(0.14)
1(0.07)
時 期
承認時までの試験
副作用の種類
長期使用に関する
特別調査
副作用発現件数(%)
臨床検査
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
血中アルブミン減少
血中ビリルビン増加
血中コレステロール増加
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
血中クレアチニン増加
血中ブドウ糖増加
血中乳酸脱水素酵素増加
血中尿素増加
胸部 X 線異常
γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加
尿中ブドウ糖陽性
ヘマトクリット減少
ヘマトクリット増加
尿中血陽性
ヘモグロビン減少
脂質増加
血小板数減少
総蛋白増加
赤血球数減少
赤血球数増加
体重減少
体重増加
白血球数減少
白血球数増加
トランスアミナーゼ上昇
血中アルカリホスファターゼ増加
便潜血陽性
13
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1(1.09)
0
0
0
0
5(0.34)
5(0.34)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
2(0.14)
2(0.14)
1(0.07)
3(0.21)
1(0.07)
4(0.27)
2(0.14)
4(0.27)
1(0.07)
2(0.14)
3(0.21)
1(0.07)
8(0.55)
1(0.07)
2(0.14)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
1(0.07)
5(0.34)
1(0.07)
3 )C型慢性肝疾患
①承認時
調査症例数
596
副作用発現症例数
144
副作用発現件数
233
副作用発現症例率
24.16%
副作用の種類
副作用発現件数(%)
感染症および寄生虫症
胃腸炎
扁桃炎
3(0.50)
2(0.34)
良性,悪性および詳細不明の
新生物
胆道新生物
1(0.17)
血液およびリンパ系障害
貧 血
1(0.17)
代謝および栄養障害
食欲不振
1(0.17)
精神障害
不 安
不眠症
1(0.17)
1(0.17)
神経系障害
めまい感
味覚異常
頭 痛
感覚鈍麻
3(0.50)
1(0.17)
1(0.17)
2(0.34)
眼障害
調節障害
結膜出血
1(0.17)
1(0.17)
耳および迷路障害
耳閉感
1(0.17)
呼吸器,胸郭および縦隔障害
鼻出血
夜間呼吸困難
3(0.50)
1(0.17)
胃腸障害
腹部不快感
腹部膨満
腹 痛
下腹部痛
上腹部痛
腸雑音異常
口唇炎
便 秘
下 痢
軟 便
消化不良
腸 炎
おくび
排便回数増加
胃ポリープ
胃良性ポリープ
胃潰瘍
胃 炎
びらん性胃炎
胃食道逆流性疾患
逆流性食道炎
悪 心
胃不快感
口内炎
舌障害
4(0.67)
6(1.01)
7(1.17)
2(0.34)
10(1.68)
1(0.17)
1(0.17)
15(2.52)
41(6.88)
21(3.52)
10(1.68)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
6(1.01)
1(0.17)
2(0.34)
2(0.34)
6(1.01)
10(1.68)
1(0.17)
1(0.17)
14
副作用の種類
副作用発現件数(%)
嘔 吐
心窩部不快感
口の錯感覚
3(0.50)
2(0.34)
1(0.17)
肝胆道系障害
胆石症
肝機能異常
胆管拡張
1(0.17)
2(0.34)
1(0.17)
皮膚および皮下組織障害
湿 疹
紅 斑
瘙 痒
発 疹
蕁麻疹
全身性瘙痒症
中毒性皮疹
5(0.84)
2(0.34)
12(2.01)
9(1.51)
2(0.34)
1(0.17)
1(0.17)
筋骨格および結合組織障害
背部痛
筋痙攣
1(0.17)
2(0.34)
腎および尿路障害
頻尿
2(0.34)
生殖系および乳房障害
前立腺炎
1(0.17)
全身障害および投与局所様態
胸部不快感
怠感
浮 腫
末梢性浮腫
口 渇
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
臨床検査
ビリルビン値上昇
血中尿素上昇
肝機能検査異常
1(0.17)
1(0.17)
1(0.17)
15
②C型慢性肝疾患に対する使用実態下における安全性及び有効性に関する調査
調査症例数
1,923
副作用発現症例数
47
副作用発現件数
54
副作用発現症例率
2.44%
副作用の種類
副作用発現件数(%)
良性,
悪性および詳細不明の新生
物
(嚢胞およびポリープを含む)
1(0.05)
胃癌
1(0.05)
血液およびリンパ系障害
1(0.05)
貧 血
1(0.05)
代謝および栄養障害
1(0.05)
食欲減退
1(0.05)
精神障害
1(0.05)
不眠症
1(0.05)
心臓障害
1(0.05)
心房細動
1(0.05)
血管障害
2(0.10)
高血圧
2(0.10)
呼吸器,胸郭および縦隔障害
1(0.05)
肺高血圧症
1(0.05)
胃腸障害
30(1.56)
腹部不快感
腹部膨満
腹 痛
上腹部痛
腹 水
便 秘
下 痢
消化不良
悪 心
口内炎
舌障害
口唇のひび割れ
心窩部不快感
3(0.16)
4(0.21)
1(0.05)
1(0.05)
1(0.05)
5(0.26)
9(0.47)
2(0.10)
2(0.10)
1(0.05)
1(0.05)
1(0.05)
1(0.05)
肝胆道系障害
1(0.05)
肝不全
1(0.05)
皮膚および皮下組織障害
5(0.26)
そう痒症
発 疹
皮膚剥脱
3(0.16)
1(0.05)
1(0.05)
一般・全身障害および投与部位の状態
4(0.21)
怠感
口 渇
2(0.10)
2(0.10)
臨床検査
4(0.21)
血中ビリルビン増加
血小板数減少
白血球数減少
肝酵素上昇
1(0.05)
1(0.05)
1(0.05)
1(0.05)
16
9.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,用量に注意して投与する
こと.
〈解説〉
一般に高齢者では,腎,肝等の生理機能が低下していることが多く,高い血
中濃度が維持するおそれがあることから設定した。
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい.
〔動物実験(ラット)で妊娠前及び妊娠初期の大量(2,000 mg/kg/日)投与
により胎児毒性(胎児吸収) が報告されている.〕
〈解説〉
動物実験(ラット)で妊娠前及び妊娠初期の大量(2,000mg/kg/日)投与に
より胎児毒性(胎児吸収)が報告されていることから設定した 10)。
参考文献
10)豊島 滋 他:応用薬理 1978 ; 15
(5): 931 − 945
11.小児等への投与
現段階では定められていない
12.過量投与
現段階では定められていない
17
13.適用上の注意
薬剤交付時:
PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること.
〔PTP シートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を
起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕
〈解説〉
平成 8 年 3 月 27 日付日薬連発第 240 号に基づき PTP 誤飲対策の一環として,
「薬剤交付時」の注意を記載している。
14.その他の注意
現段階では定められていない
18
15.重大な副作用の症例の概要
症
例
No
1
患 者
性・
年齢
使用理由
(合併症)
男・
20 代
移植片対宿主病
副 作 用
1 日投与量
投与期間
300 mg
198 日間
経 過 及 び 処 置
間質性肺炎
開始前 90 日頃
投与開始日
150 日頃
180 日頃
184 日後
188 日後
194 日後
197 日後
232 日後
骨髄移植実施.
GVHD にウルソデオキシコール酸投与開始.スルファメトキ
サゾール・トリメトプリム他併用.
呼吸困難出現.
呼吸困難増悪,咳嗽出現.発熱(37 ℃).
PCO2 35.0,PO2 69.5,SaO2 93.0.
胸部 X-P にて,両側肺野に粒状網状影を認め入院.
スルファメトキサゾール・トリメトプリム中止.
ステロイドパルス療法を行い,自覚症状,画像上改善傾向を
示したが胸部 X-P,CT 上新しい病変出現.
ウルソデオキシコール酸,スクラルファート中止.ステロイ
ドを減量したが画像上改善し増悪なし.
退院.
 白血球遊走阻止試験:
 ウルソ 陽性
 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 疑陽性

検査項目名
34 日後
白血球数
(/mm3) 3650
好 酸 球
(%) 2.2
AST(GOT) (U/L)
54
ALT(GPT) (U/L) 162
Al − P
(IU/L) 182
LDH
(IU/L) 487
γ− GTP
(U/L) 128
総ビリルビン(mg/dL) 0.4
CRP
(mg/dL) < 0.1
PCO2
(Torr)
PO2
(Torr)
SaO2
(room)
(%)
184 日
9660
0.0
95
177
785
1159
219
0.9
8.5
35.0
69.5
93.0
191 日
8490
0.9
78
99
1063
1415
171
0.7
37.9
68.8
93.2
194 日
14490
61
140
907
1028
240
0.3
2.3
36.5
77.7
94.7




196 日後 209 日後 223 日後
8720
8000
5580
0.5
0.8
1.4
99
97
102
244
560
387
811
425
347
831
467
423
342
551
550
0.3
0.8
0.6
0.8
< 0.1
41.1
41.3
93.7
101.8
96.6
97.0
併用薬:シクロスポリン,スルファメトキサゾール・トリメトプリム,スクラルファート,塩酸ロキサチジンアセタート,
プレドニゾロン
19
症
例
No
2
患 者
副 作 用
1 日投与量
投与期間
性・
年齢
使用理由
(合併症)
男・
70 代
薬剤性肝障害
(小脳梗塞)
600 mg
99 日間
間質性肺炎
開始 42 日前
投与開始日
76 日後
90 日後
94 日後
98 日後
∼
600 mg
37 日間
経 過 及 び 処 置
128 日後
160 日後
164 日後
小脳梗塞にて入院.塩酸チクロピジン投与開始.
薬剤性肝障害出現し,ウルソデオキシコール酸,GI 療法,ス
テロイドで治療.
塩酸セフォチアムを 3 日間,以後レボフロキサシン 5 日間投与.
呼吸困難出現.胸部 X − P にて間質性肺炎像を認める.
ステロイドパルス療法開始.
ウルソデオキシコール酸他内服薬を中止.
胸部 X − P,血液ガス所見は改善.
薬剤性肝障害に対し,ウルソデオキシコール酸の投与を再開.
塩酸セフォチアム 2 日間投与.
呼吸困難,血中酸素飽和度低下,胸部 X − P 上間質性肺炎の増
悪像を認める.ウルソデオキシコール酸を中止し,ステロイ
ドパルス療法施行.肺障害は改善.
[D-LST :ウルソ陰性]
検査項目名
投与 9 日前 投与 9 日後
3
6000
4500
(/mm
)
白血球数
400
83
(U/L)
AST(GOT)
424
59
(U/L)
ALT(GPT)
1070
593
(IU/L)
Al − P
336
(IU/L) 523
LDH
63
113
(U/L)
γ− GTP
7.7
12.3
(mg/dL)
直接ビリルビン
3.5
間接ビリルビン(mg/dL) 1.9
9.6
15.8
(mg/dL)
総ビリルビン
68 日後
7900
210
145
1199
442
232
9.2
1.9
11.1
89 日後
12200
106
83
478
129
92 日後
12400
70
64
874
677
105
7.3
7.8
PaO2
(Torr)
54.4
PaCO2
(Torr)
29.9
117 日後 163 日後 171 日後
9100
20200
7900
190
34
30
186
34
14
1049
515
581
422
695
568
322
5.4
0.8
6.2
4.3
1.9
79.0
55.0
86.0
(121 日後)
37.5
34.2
43.1
(121 日後)
併用薬:プラバスタチンナトリウム,コレスチラミン,グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤,ファモチジン,
塩酸ラニチジン,塩酸セフォチアム,レボフロキサシン,塩酸ミノサイクリン
症
例
No
3
患 者
性・
年齢
使用理由
(合併症)
男・
50 代
肝硬変
副 作 用
1 日投与量
投与期間
600 mg
432 日間
経 過 及 び 処 置
間質性肺炎
開始 310 日頃
426 日後
431 日後
445 日後
459 日後
咳嗽(特に夜間)出現.
咳嗽ややひどくなったと訴え受診.胸部 X − P にて両肺部に間
質性陰影及び斑状影がみられた.CT でも主に上,中葉に優位
の間質性変化を認めた.
ウルソデオキシコール酸を中止し,ポリエンホスファチジル
コリンに変更.
ウルソデオキシコール酸中止後より咳嗽やや軽減.夜の咳嗽
が軽くなった.
前回受診時より,更に症状軽減.胸部 X − P でも陰影はやや少
なくなっている.呼吸機能検査でも改善がみられた.
[D-LST 陰性]
併用薬:なし
20
日本標準商品分類番号
肝・胆・消化機能改善剤
日本薬局方 ウルソデオキシコール酸錠
** 2012 年 5 月改訂
(第 17 版)D12
* 2010 年 10 月改訂
貯 法:室温保存
使用期限:外箱及びラベルに表示
の使用期限内に使用す
ること
【禁忌】
(次の患者には投与しないこと)
(1)
完全胆道閉塞のある患者
〔利胆作用があるため、症状が増悪するおそれがある。
〕
(2)
劇症肝炎の患者
〔症状が増悪するおそれがある。
〕
【組成・性状】
有効成分
(1 錠中)
錠 50mg
錠 100mg
日局 ウルソデオキシコール酸
50mg
日局 ウルソデオキシコール酸
100mg
添 加 物
ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、
トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、軽質無水ケイ酸
性状・剤形
白色・においなし・味は苦い・素錠
白色・においなし・味は苦い・
素錠
(割線入り)
外 形
規 格
直径(mm)厚さ
(mm) 重量(mg) 直径(mm)厚さ(mm) 重量(mg)
6.0
約 2.4
75
8.0
約 2.7
150
識別コード
234
235
【効能・効果】
【用法・用量】
・下記疾患における利胆
ウルソデオキシコール酸として、通常、成人 1
胆 道( 胆 管・胆 の う )系 疾 回 50mg を 1 日 3 回経口投与する。なお、年齢、
患及び胆汁うっ滞を伴う 症状により適宜増減する。
肝疾患
・慢性肝疾患における肝機能
の改善
・下記疾患における消化不良
小腸切除後遺症、炎症性
小腸疾患
・外殻石灰化を認めないコレ 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石
ステロール系胆石の溶解
の溶解には、ウルソデオキシコール酸として、
通常、成人 1 日 600mg を 3 回に分割経口投与す
る。なお、年齢、症状により適宜増減する。
・原発性胆汁性肝硬変におけ 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善に
る肝機能の改善
は、ウルソデオキシコール酸として、通常、成
人 1 日 600mg を 3 回 に 分 割 経 口 投 与 す る。な
お、年齢、症状により適宜増減する。増量する
場合の 1 日最大投与量は 900mg とする。
承 認 番 号
承 認 年 月
薬 価 収 載
販 売 開 始
再評価結果
効 能 追 加
* 再審査結果
血糖降下作用を増強するおそれがある。 ■機序・危険因子:本剤は血清アルブ
ミンとトルブタミドとの結合を阻害するとの報告がある。
・コレスチラミン等 ■臨床症状・措置方法:本剤の作用を減弱するおそれがある
ので、可能な限り間隔をあけて投与すること。 ■機序・危険因子:本剤と結合し、
本剤の吸収を遅滞あるいは減少させるおそれがある。
・制酸剤
(水酸化アルミニウムゲル等)
■臨床症状・措置方法:本剤の作用を減
弱するおそれがある。 ■機序・危険因子:アルミニウムを含有する制酸剤は、本
剤を吸着し、本剤の吸収を阻害するおそれがある。
・脂質低下剤
(クロフィブラート等)
■臨床症状・措置方法:本剤をコレステロール
胆石溶解の目的で使用する場合は、本剤の作用を減弱するおそれがある。 ■
機序・危険因子:クロフィブラートは胆汁中へのコレステロール分泌を促進するため、
コレステロール胆石形成が促進されるおそれがある。
3. 副作用
原発性胆汁性肝硬変、
C 型慢性肝疾患を除く疾患
*
5,807例中182例
(3.13%)222件の副作用が報告されている。主な副作用は下
痢 111 件
(1.91%)
、悪心 16 件
(0.28%)
、瘙痒 10 件
(0.17%)
、AST(GOT)
上昇
8件
(0.14%)
、ALT(GPT)
上昇 8件
(0.14%)
等であった。
(1996 年再評価結果
通知時。ウルソ顆粒の成績を含む)
原発性胆汁性肝硬変
〈承認時までの試験〉
92例中10例
(10.87%)12件の副作用が報告されている。主な副作用は下痢2件
(2.17%)
、
瘙痒2件
(2.17%)
、
発疹2件
(2.17%)
等であった。
(効能追加承認時)
*〈長期使用に関する特別調査〉
1,462例中148例
(10.12%)253件の副作用が報告されている。本剤投与期間別
に集計した結果、報告された副作用は
「1年以内」1,461例中84例
(5.75%)125
件、
「1年∼ 2年以内」1,287例中42例
(3.26%)54件、
「2年∼ 3年以内」1,171 例
中21例
(1.79%)28件、
「3年∼ 4年以内」998例中18例
(1.80%)24件、
「4年∼」
789例中18例
(2.28%)22件であった。主な副作用は下痢11件、瘙痒10件等で
あった。
(再審査終了時)
C型慢性肝疾患
〈承認時までの試験〉
596例中144例
(24.16%)233件の副作用が報告されている。主な副作用は下
痢41 件
(6.88%)
、軟便 21 件
(3.52%)
、便秘 15 件
(2.52%)
、瘙痒 12 件
(2.01%)
等であった。
(効能追加承認時)
〈C型慢性肝疾患に対する使用実態下における安全性及び有効性に関する調査〉
**
1,923例中47例
(2.44%)54件の副作用が報告されている。主な副作用は下痢9
件
(0.47%)
,便秘5件
(0.26%)
,腹部膨満4件
(0.21%)
,胃不快感4件
(0.21%)
,瘙
痒3件
(0.16%)
等であった。
(1)
重大な副作用
間質性肺炎
(頻度不明)
:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺
炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中
止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用
・ C 型慢性肝疾患における肝 C 型慢性肝疾患における肝機能の改善には、ウ
機能の改善
ルソデオキシコール酸として、通常、成人 1 日
600mg を 3 回に分割経口投与する。なお、年齢、
頻度
1 ∼ 5%未満
0.1 ∼ 1%未満
症状により適宜増減する。増量する場合の 1 日
種類
最大投与量は 900mg とする。
悪心、食欲不振、便秘、
** 消化器 下痢
胸やけ、胃不快感、腹
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
痛、腹部膨満
原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善:
過敏症
瘙痒、発疹 注)
・ 硬変期で高度の黄疸のある患者に投与する場合は、症状が悪化するおそれがあ
るので慎重に投与すること。血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合には、投
AST(GOT)
上昇、ALT
** 肝 臓
与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(GPT)
上昇、Al-P上昇
C 型慢性肝疾患における肝機能の改善:
・ C型慢性肝疾患においては、まずウイルス排除療法を考慮することが望ましい。本
薬にはウイルス排除作用はなく、現時点ではC型慢性肝疾患の長期予後に対す
る肝機能改善の影響は明らかではないため、ウイルス排除のためのインターフェ
ロン治療無効例若しくはインターフェロン治療が適用できない患者に対して本薬の
投与を考慮すること。
・ 非代償性肝硬変患者に対する有効性及び安全性は確立していない。高度の黄
疸のある患者に投与する場合は、症状が悪化するおそれがあるので慎重に投与
すること。血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合には、投与を中止するなど
適切な処置を行うこと。
872362
錠 50mg
錠 100mg
21600AMZ00018 21600AMZ00017
2004 年 1 月
2004 年 7 月
1962 年 7 月
1981 年 9 月
1996 年 3 月
2007 年 3 月
2010 年 6 月
* その他
全身 怠感、めまい
0.1%未満
頻度不明
嘔吐
蕁麻疹 注)等
紅斑
(多形滲出
注)
性紅斑等)
ビリルビン上昇、
γ-GTP上昇
白血球数減少
*表中の頻度表示は、再評価結果通知時の成績、承認時までの試験及び製造販売後
調査の成績に基づく。
注)
このような症状があらわれた場合には、
投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に注意して投与すること。
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
〔動物実験
(ラット)
で妊娠前及び妊娠初期の大量
(2,000mg/kg/日)
投与により胎
児毒性
(胎児吸収)
が報告されている。
〕
6.適用上の注意
【使用上の注意】
薬剤交付時:
1. 慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
(1)
重篤な膵疾患のある患者
〔原疾患が悪化するおそれがある。
〕
〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして
(2)
消化性潰瘍のある患者
〔粘膜刺激作用があるため、症状が増悪するおそれがある。
〕
縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
〕
(3)
胆管に胆石のある患者
〔利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
〕
【包 装】
2. 相互作用
ウルソ錠 50mg :100錠
(10錠×10)
、1,000錠
(10錠×100)
、500錠
(バラ)
併用注意
(併用に注意すること)
ウルソ錠 100mg :100錠
(10錠×10)
、1,000錠
(10錠×100)
、5,000錠
(10錠×500)
、
2,100錠
(21錠×100)
、500錠
(バラ)
・スルフォニル尿素系経口糖尿病用薬
(トルブタミド等)
■臨床症状・措置方法:
●
●
詳細は添付文書等をご参照ください。
禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意ください。
2012 年 5 月作成