講義ノート

臨床工学学習ノート 第4回
情報工学Ⅰ
第4回 情報表現 学習目標 コンピュータの内部で、情報をどのように表現しているかを学びます。最初に、
0/1 の 1bit から、8bit を一まとめにした byte という単位を学びます。情報を一ま
とめにして扱うコンピュータの「構造」についても触れます。 文字は「文字コード」として一つ一つの文字に「数値」が割り振られています。
そのコード体系にどんな種類があるかを学び、さらに、音声/音楽や、画像をコン
ピュータでどのように表現しているか学びます。最後に、情報を伝送する際に、信
号が正しく送れるようにする手法を紹介します。 用語、キーワード bit, byte, パラレル伝送、CPU バスの bit 数、ASCII コード、JIS コー
ド、シフト JIS コード、EUC、Unicode、標本化、量子化、符号化、PCM、
MP3、MIDI、AD 変換、DA 変換、Pixel、階調、JPEG、GIF、TIFF、
BMP、MPEG、可逆圧縮、非可逆圧縮、パリティ
学習のチェックポイント 情報表現の話題は、コンピュータのプログラムとも関係してきます。授業科目で
言えば、プログラム演習に関係します。 コンピュータの内部では、私達が感覚的に理解している「文字」とか「音」や「画
像」を、コード化(符号化)して扱っている、という点をまず理解し、次に、それ
らのコード体系を理解するとコンピュータの内部表現と「文字」や「音」を結びつ
けることができる、という点を理解して下さい。 標本化や量子化は、
「生体計測装置学」にも関係します。また、画像の持つ情報量
の計算は国家試験の定番問題です。今日の授業では「画像の情報量計算」は扱えな
い(それ以前の用語が多い)と思いますが、いずれ授業で扱えたらと思います。 1
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情報工学Ⅰ
音声信号や画像の「符号化方式」も、
「情報工学」分野での定番問題になっていま
す。最終的には「暗記」ですが、身近な音楽 CD や DVD などの「符号化方式」に関心
を持って、単なる暗記ではないようにして覚えて下さい。 パリティ符号や、CRC は、やや発展的な話題です。ここでは、雰囲気だけつかん
でもらえれば構いません。 この項目の理解に必要な項目
コンピュータの内部表現は、基本的には 0/1 である、2 進数である、という前回
の授業内容の理解が前提になります。 AD 変換や、DA 変換、標本化、量子化、符号化などの用語はいずれも「コンピュー
タが 2 進数を扱う」ことを理解できていないと、今日の授業での理解は難しいと思
えます。 この項目を理解してから学ぶべき項目 「プログラム演習」では、情報が「符号化」され、「文字コード」な
どで表現されていることの理解が必須になります。
AD 変換や DA 変換は、生体計測装置学や、計測工学でまた学びます
が、基本は、今回の内容の「コンピュータ内部での 2 進数表現」です。
この項目の国家試験問題:例 第 14 回国家試験
【14P25】情報工学 答(5) 正しい組合せはどれか。 a. MODEM ―――――-―暗号化方式 b. ハミング符号――――――周波数応答 c. ネットワーク ――――-―高速フーリエ変換 d. 多重化伝送 ―――――-―時分割方式 e. パリティチェック――――誤り検出法 1. a、b 2. a、e 3. b、c 4. c、d 5. d、e 2
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第 18 回国家試験 【18P34】情報工学 答(4) 動画を圧縮記録する方式はどれか。 1. PDF 2. HTTP 3. JPEG 4. MPEG 5. MP3 第 24 回国家試験 【24P58】情報工学 答(2) 静止画像のフォーマットはどれか。 a. GIF b. JPEG c. ASCII d. MPEG e. TIFF 1. a、b、c 2. a、b、e 3. a、d、e 4. b、c、d 5. c、d、e 第19回国家試験 【19P33】情報工学 答(4) 1 枚が縦横 100×100画素で、各々の画素が16 階調であらわされる白黒画像を 毎秒 24 枚送信する。 最低限必要な回線速度はどれか。ただし、画像は圧縮せず制御信号などは考えないものとする。 また1 kbps =1000 bps とする。 1. 128 kbps 2. 256 kbps 3. 512 kbps 4. 960 kbps 5. 1920 kbps 自己診断・チェックリスト □ ASCII コードとはどんなコードなのか、説明できるか。 □ 日本語の文字を表現するのに、どんなコードがあるか。 □ 標本化や量子化を理解したか。 □ MPEG, GIF など、画像の表現の違いを説明できるか。 □ 音楽のコンピュータ内部での表現を説明できるか。 □ Pixel(ピクセル)とは何か、理解したか。 □ 可逆圧縮と非可逆圧縮のちがいをきちんと説明できるか。 3
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第4回
理解のためのヒント(講義補足) わかりやすい例としては、
「携帯音楽プレイヤー」でサポートしている「音声符号
化」などがあります。身近な機器で情報をどんな形で扱っているか、理解すること
で、コンピュータ内部での情報表現を学んで下さい。 今日の授業の参考ページ 教科書「医用情報処理工学」 P18〜P27
標準テキスト P191
欠席課題 量子化や標本化、符号化についての説明を、200 字以上 400 字以内で説明して下
さい。 出席表兼ミニテスト
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