統計分析セミナー2014秋学期第2回資料20141014

CSI統計分析セミナー
2014年度秋学期
第2回:SPSSを用いた平均値の差の検定2
担当:大橋洸太郎
今回の内容
• 1. 分散分析(2要因参加者間計画)
• 1-1. 2要因参加者間計画
• 1-2.交互作用が有意でない場合の多重比較
• 1-3.交互作用が有意だった場合の多重比較(単純主効果の検定)
• 2.分散分析(2要因参加者内計画)
• 2-1. 2要因参加者内計画
• 2-2.交互作用が有意でない場合の多重比較
• 2-3.交互作用が有意だった場合の多重比較(単純主効果の検定)
• 3.分散分析(2要因混合計画)
• 3-1. 2要因混合計画
2要因分散分析
2要因分散分析とは,ある測定値(従属変数)に影響を与
えている原因(独立変数)が2種類考えられる場合の分散
分析です。
ex) 「読み取り問題の正解数(測定値)」に「性別」と「学部」で違いが
あるか調べたい場合
ex) 「読み取り問題の正解数(測定値)」に「明るい部屋/暗い部屋」
と「午前/午後」で違いがあるか調べたい場合
ex) 「読み取り問題の正解数(測定値)」に「性別」と「明るい部屋/暗
い部屋」で違いがあるか調べたい場合
2要因の実験計画
1要因の実験計画には,「参加者間計画」と「参加者内
計画」の2種類がありました。今回はこれらを組み合わ
せた2要因の実験計画について扱います。2要因の場
合には,2種類の計画の組み合わせから次の3種類の
実験計画が存在します。
一方の変数
もう一方の変数
計画名
参加者間要因
参加者内要因
参加者間要因
参加者間要因
参加者内要因
参加者内要因
参加者間計画
参加者内計画
混合計画
主効果と交互作用
2要因の分散分析では,次の2つの用語の意味が大切
です。
• 主効果・・・各要因だけによる単独の効果
ex)要因A,要因Bそれぞれによる影響
• 交互作用・・・複数の要因の組み合わせの効果
ex)要因A×Bの組み合わせで生じる影響
今回は主効果と交互作用に焦点を当てつつ,2
要因計画について説明していくよ。
1.分散分析
(2要因参加者間計画)
1-1. 2要因参加者間計画
2要因参加者間計画の分散分析
以下の例では,各会社(OICクッキー,サクサク製菓,甘々堂)
のクッキーについて,プレーンとチョコチップの2種類の味の評
価を収集した例です。要因は要因A「会社」,要因B「クッキーの
種類」の2つです。水準は要因A「会社」が3,要因B「クッキーの
種類」が2です。
𝑨𝟏 :OICクッキー
𝑨𝟐 :サクサク製菓
𝑨𝟑 :甘々堂
𝑩𝟏 :プレーン
𝑩𝟐 :チョコチップ
𝑩1 :プレーン
𝑩2 :チョコチップ
𝑩1 :プレーン
𝑩2 :チョコチップ
1
3
6
9
4
7
2
4
7
10
5
6
4
4
8
7
6
8
3
5
8
8
5
5
2
4
8
8
4
7
今回の分散分析の仮説
2要因参加者間計画の分散分析では,次のよう
に仮説を立てます。
𝐻0 :要因Aの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因Bの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因AとBの組み合わせの効果はない(交互作用)
𝐻1 :𝐻0 ではない
要因が増えた分,仮説も多くなったね!
2要因の分散分析フローチャート
Yes
交互作用は有意?
No
主効果は有意?
No
分析終了!
単純主効果の検定
Yes
3以上
要因の水準数は?
2
多重比較
SPSSへのデータの読み込み
簡単な方法
お配りした「クッキー(参加者間2要因)sav」をSPSSの画面にド
ラッグ&ドロップして読み込ませてみてください。
データ内容の確認
データは次のように,要因A(クッ
キー会社),要因B(クッキーの
種類),測定値(おいしさ)の順に
納められています。
値は「OICクッキー=1,サクサク
製菓=2,甘々堂=3」,「プレー
ン=1,チョコチップ=2」です。
クッキー会社
クッキーの種類
おいしさ
1(=OIC)
1(=プレーン)
1
1
1
2
1
1
4
1
1
3
1
1
2
1
2(=チョコチップ)
3
1
2
4
・・・
・・・
・・・
2(=サクサク) 1
6
2
1
7
2
1
8
・・・
・・・
・・・
3(=甘々)
2
7
SPSSで2要因参加者間分散分析
(2BSD-ANOVA)
画面上部の「分析」→「一般線形モデル」→「1変量」を
クリックします。
SPSSで2要因参加者間分散分析
「1変量」画面が現れたら,
画面上部の「従属変数」
欄に従属変数(測定値)と
なる変数を,「固定因子」
欄に要因となる2つの変
数を選択して納めます。
今回は従属変数に「おい
しさ」を,固定因子に「クッ
キーの会社」「クッキーの
種類」を入れてみましょう。
SPSSで2要因参加者間分散分析
記述統計量の表示方法
続いて「オプション」をク
リックして,左のような
「1変量:オプション」画
面を開きます。
画面左下の「□記述統
計量」の□をクリックし
て☑として,「続行」をク
リックします。
SPSSで2要因参加者間分散分析
図の追加方法
「作図」ボタンをクリックし
て,左のような「1変量:プ
ロファイルのプロット」画面
を表示させます。
まず「横軸」1つの要因をク
リックして一番上の ボタ
ンをクリックして,変数を納
めます。
今回は「横軸」に「クッキー
の会社」を入れてみましょ
う。
SPSSで2要因参加者間分散分析
図の追加方法
続いて「線の定義変数」に
もう1つの要因を納めて上
から2番目の ボタンをク
リックし,その後「追加」
「続行」ボタンをクリックし
ます。
今回は「線の定義変数」に
「クッキーの種類」を入れ
てみましょう。
1.分散分析
(2要因参加者間計画)
1-2.交互作用が有意でない場合の
多重比較
SPSSで2要因参加者間分散分析
分散分析を完了する前
に「その後の検定」ボタ
ンをクリックします。
SPSSで2要因参加者間分散分析
画面左上の「因子」欄に納められている因子から,水準数
が3以上ある因子をクリックして ボタンをクリックし,画
面右上の「その後の検定」欄に納めます。今回は「クッ
キー会社」を選択してみましょう。
SPSSで2要因参加者間分散分析
続いて画面下部の多くの多重比較の方法から,今回は
□Tukeyをクリックし,☑としてから続行をクリックします。
次の画面でOKをクリックすれば完了です。
SPSSで2要因参加者間分散分析
次のような出力が得られれば成功です。
SPSSで2要因参加者間分散分析
次のような出力が得られれば成功です。交互作用は有意では
なく,主効果だけが有意となりました。
SPSSで2要因参加者間分散分析
多重比較の結果からは,すべての会社間で味の評価
が異なるといえることがわかります。
SPSSで2要因参加者間分散分析
図からは,2.サクサク製菓のおいしさの評価点が高
かったことがわかります。
1.分散分析
(2要因参加者間計画)
1-3.交互作用が有意だった場合の
多重比較(単純主効果の検定)
2要因の分散分析フローチャート
先程のルート
今回のルート
Yes
交互作用は有意?
No
主効果は有意?
No
単純主効果の検定
Yes
3以上
要因の水準数は?
多重比較
2
分析終了!
今回は「交互作用有」&「単純主効果の検定」を行うルートを通るよ!
単純主効果
更に交互作用が有意であった場合には,単純主効果を検
討することが大切です。
• 単純主効果・・・交互作用が有意であった場合に検
討するもので,一方の要因の水準
ごとの他方の要因の主効果のこと
ex)OICクッキーにおけるクッキーの種類の影響
クッキーの例(少し改変)
以下の例は,各会社(OICクッキー,サクサク製菓,甘々堂)の
クッキーについて,プレーンとチョコチップの2種類の味の評価
を収集した例ですが,交互作用がみられるように,𝑨1 𝑩𝟏 :OIC
クッキーのプレーンを好評価にしました。他の2社と異なり,OIC
クッキーはプレーン味の方が人気が高かったのです。
𝑨𝟏 :OICクッキー
𝑨𝟐 :サクサク製菓
𝑨𝟑 :甘々堂
𝑩𝟏 :プレーン
𝑩𝟐 :チョコチップ
𝑩1 :プレーン
𝑩2 :チョコチップ
𝑩1 :プレーン
𝑩2 :チョコチップ
5(1)
3
6
9
4
7
5(2)
4
7
10
5
6
5(4)
4
8
7
6
8
5(3)
5
8
8
5
5
5(2)
4
8
8
4
7
※()の中は前回の数値
今回の分散分析の仮説
2要因参加者間計画の分散分析では,次のよう
に仮説を立てます。
𝐻0 :要因Aの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因Bの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因AとBの組み合わせの効果はない(交互作用)
𝐻1 :𝐻0 ではない
要因が増えた分,仮説も多くなったね!
SPSSへのデータの読み込み
簡単な方法
お配りした「クッキー(参加者間2要因・交互作用有) sav」をSPSS
の画面にドラッグ&ドロップして読み込ませてみてください。
データ内容の確認
データは次のように,要因A(クッ
キー会社),要因B(クッキーの
種類),測定値(おいしさ)の順に
納められています。
値は「OICクッキー=1,サクサク
製菓=2,甘々堂=3」,「プレー
ン=1,チョコチップ=2」です。
クッキー会社
クッキーの種類
おいしさ
1(=OIC)
1(=プレーン)
5
1
1
5
1
1
5
1
1
5
1
1
5
1
2(=チョコチップ)
3
1
2
4
・・・
・・・
・・・
2(=サクサク) 1
6
2
1
7
2
1
8
・・・
・・・
・・・
3(=甘々)
2
7
SPSSで2要因参加者間分散分析
(2BSD-ANOVA)
分散分析の方法は,先の参加者間2要因計画と同様
です。
SPSSで2要因参加者間分散分析
次のような出力が得られれば成功です。
SPSSで2要因参加者間分散分析
次のような出力が得られれば成功です。各要因の主効果に加
え,交互作用にも有意差がみられるようになりました。
SPSSで2要因参加者間分散分析
図からは,2.サクサク製菓のおいしさの評価点が高く,また2つ
の線が交差していることから,交互作用の影響が伺えます。
SPSSで2要因参加者間分散分析
前回のプロットと比較すると,線がおよそ平行である場
合には交互作用がないことがわかります。
交互作用無しの場合(前回)
交互作用有りの場合(今回)
SPSSで単純主効果の検定
交互作用が有意だったので,画面上部の「分析」→「一
般線形モデル」→「1変量」をクリックします。
SPSSで単純主効果の検定
「1変量」画面で従属変
数と固定因子の選択,
作図ボタンで図の作成
を指定する部分までは
一緒です。
それらが終わりましたら,
「オプション」ボタンをク
リックします。
SPSSで単純主効果の検定
「1変量:オプション」画面
の表示後,まず画面左上
の「因子と交互作用」の
欄から「3水準以上ある
因子」を選択して ボタ
ンをクリックします。画面
右上の「平均値の表示」
欄に選択した変数が入
れば成功です。
今回は「クッキー会社」を
選択してみましょう。
SPSSで単純主効果の検定
続いて「因子と交互作
用」の欄から「交互作用」
を選択して ボタンをク
リックします。「平均値の
表示」の下の「□主効果
の比較」の□にチェックを
入れ,☑とします。
今回は交互作用「クッ
キー会社*クッキーの種
類」を選択してみましょう。
SPSSで単純主効果の検定
チェックを入れた「主効
果の比較」の下にある
「信頼区間の調整」の
LSDと書かれた部分を
クリックして
「Bonferroni」をクリック
します。
そして画面左下の「□
記述統計量」の□をク
リックして☑として,「続
行」をクリックします。
SPSSで単純主効果の検定
続いて「1変量」の画面
左下の「貼り付け」をク
リックします。
この後シンタックス画面
が開きます。
SPSSで単純主効果の検定
以下のようなシンタックス画面が開きましたら,8行目に書いて
ある
「/EMMEANS=TABLES(クッキー会社*クッキーの種類)」
の部分に注目してください。
SPSSで単純主効果の検定
8「/EMMEANS=TABLES(クッキー会社*クッキーの種類)」
の部分を
8「/EMMEANS=TABLES(クッキー会社*クッキーの種類)
COMPARE(クッキー会社) ADJ(BONFERRONI) 」
9「/EMMEANS=TABLES(クッキー会社*クッキーの種類)
COMPARE(クッキーの種類) ADJ(BONFERRONI) 」
の2行に書き換えてください
SPSSで単純主効果の検定
SPSSで単純主効果の検定
以下のようになっていれば成功です。
SPSSで単純主効果の検定
シンタックス画面の「実行」→「すべて」をクリックすれ
ば,完了です。
SPSSで単純主効果の検定
クッキー会社毎のクッキーの種類の平均値は,
以下の通りでした。
SPSSで単純主効果の検定
多重比較の結果は,以下の通りです。数値の右肩に*が
ついている「サクサク製菓のプレーン」と「サクサク製菓
のチョコチップ」,「甘々堂のプレーンと甘々堂のチョコ
チップ」には有意差がみられました。
SPSSで単純主効果の検定
クッキー会社毎のクッキーの種類の平均値差
の検定を行った結果が以下の通りです。
SPSSで単純主効果の検定
以下はプレーンクッキーの水準に条件を絞った上での,各
会社のおいしさの違いです。平均値差の数値に*印がな
いことから,プレーンクッキーについてはOICクッキーと
甘々堂に有意な差が認められず,その他の会社間では違
いがありました。
SPSSで単純主効果の検定
以下はチョコチップクッキーの水準に条件を絞った上での,
各会社のおいしさの違いです。チョコチップクッキーについ
ては,すべての数値の右肩に*印があるため,すべての会
社間でおいしさに違いが認められました。
2.分散分析
(2要因参加者内計画)
2-1. 2要因参加者内計画
2要因参加者内計画の分散分析
以下の例では,各会社(OICクッキー,サクサク製菓,甘々堂)
のクッキーについて,プレーンとチョコ(チップ)とレーズンの3種
類の味の評価を収集した例です。要因は要因A「会社」,要因B
「クッキーの種類」の2つです。水準は要因A「会社」が3,要因B
「クッキーの種類」が3です。2要因共に参加者内計画なので,す
べての条件を同一人物が評価した場合に当たります。
𝑨𝟏 :OICクッキー
𝑨𝟐 :サクサク製菓
𝑨𝟑 :甘々堂
氏名
𝑩𝟏 :プ
レーン
𝑩𝟐 :
チョコ
𝑩3 :レー
ズン
𝑩1 :プ
レーン
𝑩2 :
チョコ
𝑩3 :レー
ズン
𝑩1 :プ
レーン
𝑩2 :
チョコ
𝑩3 :レー
ズン
井上
1
3
2
6
9
8
4
6
5
六角
2
4
4
6
10
7
5
4
6
半田
4
4
4
7
7
8
6
7
4
丹生
3
5
5
8
8
9
5
3
5
本庄
2
4
4
8
8
7
4
5
6
要因の分散分析フローチャート
今回のルート
ルート①
ルート②
Yes
交互作用は有意?
No
主効果は有意?
No
単純主効果の検定
Yes
3以上
要因の水準数は?
多重比較
2
分析終了!
「交互作用有」が有意でない場合と有意であった場合を順に行うよ!
今回の分散分析の仮説
2要因参加者間計画の分散分析では,次のよう
に仮説を立てます。
𝐻0 :要因Aの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因Bの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因AとBの組み合わせの効果はない(交互作用)
𝐻1 :𝐻0 ではない
要因が増えた分,仮説も多くなったね!
SPSSへのデータの読み込み
簡単な方法
以前お配りした「クッキー(参加者内2要因).sav」をSPSSの画面に
ドラッグ&ドロップして読み込ませてみてください。
データ内容の確認
データは次のように,要因A(クッキー会社)と要因B(クッキーの
種類)の組み合わせごとに変数となって横並びに並んでいます。
OICプ OIC
OICレー サクサク
レーン チョコ ズン
プレーン
サクサク
チョコ
サクサク
レーズン
甘々プ 甘々
レーン チョコ
甘々レー
ズン
1
3
2
6
9
8
4
6
5
2
4
4
6
10
7
5
4
6
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
横一行が1人分のデー
タだよ!
SPSSで2要因参加者内分散分析
(2WSD-ANOVA)
画面上部の「分析」→「一般線形モデル」→「反復測
定」をクリックします。
SPSSで2要因参加者内分散分析
「反復測定の因子の定義」画面
が現れたら,まず一番上の「被
験者内因子名」に書かれてい
る’’factor1”を消して1つ目の因
子名を記入します。続いて「水
準数」隣の空欄に因子の水準を
書き入れ,「追加」ボタンをクリッ
クします。
今回はまず因子名に「会社」,
水準数を「3」として「追加」ボタ
ンをクリックしてみましょう。
SPSSで2要因参加者内分散分析
続いて「被験者内因子名」に2つ
目の因子名を記入します。そし
て「水準数」隣の空欄に因子の
水準を書き入れ,「追加」ボタン
をクリックします。2つの因子名
が画面上部の大きな空欄に表
示されたことを確認し,画面左
下の「定義」ボタンをクリックしま
す。
今回は因子名に「種類」,水準
数を「3」として「追加」ボタンをク
リックしてみましょう。
SPSSで2要因参加者内分散分析
次に「反復測定」画面が現れた
ら,各変数を画面右の「被験者
内変数(水準名1,水準名2)」に
割り当てていきます。
(1,1)は「要因A:水準1&要因B:
水準1」,(2,3)「要因A:水準2&
要因B:水準3」という割り当てで
す。
今回は(1,1)~(3,3)まで,画面左
の変数を上から順に選択し,
ボタンをクリックして変数を設定
していきましょう。
SPSSで2要因参加者内分散分析
以下のように設定後,「オプション」をクリックします。
SPSSで2要因参加者内分散分析
記述統計量の表示方法
左のような「反復測定:オ
プション」画面を開き,画面
左下の「□記述統計量」の
□をクリックして☑として,
「続行」をクリックします。
SPSSで2要因参加者内分散分析
図の追加方法
「作図」ボタンをクリックし
て,左のような「反復測
定:プロファイルのプロッ
ト」画面を表示させます。
まず「横軸」1つの要因をク
リックして一番上の ボタ
ンをクリックして,変数を納
めます。
今回は「横軸」に「種類」を
入れてみましょう。
SPSSで2要因参加者内分散分析
図の追加方法
続いて「線の定義変数」に
もう1つの要因を納めて上
から2番目の ボタンをク
リックし,その後「追加」
「続行」ボタンをクリックし
ます。そして次の画面左
下の「OK」をクリックすれ
ば完了です。
今回は「線の定義変数」に
「会社」を入れてみましょう。
SPSSで2要因参加者内分散分析
次のような出力が得られれば成功です。
SPSSで2要因参加者内分散分析
球面性の検定の結果,どの要因も球面性の仮定を逸脱してし
まうほどの(有意な)結果は得られませんでした。このため,こ
の先は球面性の仮定が成り立つと仮定した上での結果を解釈
していきます。
SPSSで2要因参加者内分散分析
要因A「会社」は有意なようです。クッキー会社によって味の評
価が異なることがわかりました。
SPSSで2要因参加者内分散分析
要因B「種類」も有意なようです。クッキーの種類によって味の
評価が異なることがわかりました。
SPSSで2要因参加者内分散分析
交互作用ABは有意ではありませんでした。クッキー会社とクッ
キーのある組み合わせによる評価の違いは有意といえるほど
あるとはいえませんでした。
SPSSで2要因参加者内分散分析
図からは,2.サクサク製菓のおいしさの評価点が高かったことがわかります。
レーズンクッキーは甘々堂の評価が高かったようですが,有意な差といえる
ほどではなかったようです。
2.分散分析
(2要因参加者内計画)
2-2.交互作用が有意でない場合の
多重比較
主効果が有意だった場合の多重比較
分散分析の方法は,参加者内2要因計画と同様です。
主効果が有意だった場合の多重比較
以下のような設定が残っているので,そのまま「オプション」をク
リックします。
主効果が有意だった場合の多重比較
「反復測定:オプション」画面を
開き,画面左上の変数欄から
主効果が有意だった変数を選
び, ボタンをクリックして画
面右上の「平均値の表示」の空
欄内に表示させます。
今回は「会社」「種類」を選択し
ましょう。
主効果が有意だった場合の多重比較
画面右上の「□主効果の比較」
にチェックを入れ☑とし,その下
の「信頼区間の調整」から
「Bonferroni」をクリックします。
その後,画面左下の「続行」ボ
タンをクリックし,次の画面で
「OK」ボタンをクリックすれば完
了です。
主効果が有意だった場合の多重比較
以下のような結果が得られれば成功です。会社については,ど
のクッキー会社の間にも有意な差がみられました。クッキー会
社によって味の評価が違ったようです。
主効果が有意だった場合の多重比較
以下のような結果が得られれば成功です。種類については,ど
のクッキー会社の間にも有意な差はみられませんでした。この
ように,全体では有意差はみられるものの,各ペアの間では有
意差がみられないこともあります。
2.分散分析
(2要因参加者内計画)
2-3.交互作用が有意だった場合の
多重比較(単純主効果の検定)
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
例えば次のような結果となったとします。OICクッキー
のプレーン味だけ非常に評価が高かった場合です。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
そしてこの組み合わせの効果から,交互作用ABも有意となっ
たとします。このような場合には,交互作用が有意ですので,単
純主効果の検定を行う必要があります。
SPSSへのデータの読み込み
簡単な方法
お配りした「クッキー(参加者内2要因・交互作用有)sav」をSPSS
の画面にドラッグ&ドロップして読み込ませてみてください。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
画面上部の「分析」→「一般線形モデル」→「反復測
定」をクリックします。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
「反復測定の因子の定義」画面が
現れたら,
因子Aの単純主効果をみたい場合
には因子Bの因子名を,
因子Bの単純主効果をみたい場合
には因子Aの因子名を
「被験者内因子名」に記入し,「水
準数」隣の空欄に当該の因子の水
準数を記入し,「追加」ボタンをク
リックします。そして画面左下の
「定義」ボタンをクリックします。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
次に「反復測定」画面が現れた
ら,先ほど指定しなかった方の
因子の水準を1種類に固定した
上で,単純主効果をみたい1つ
の変数群を選択します。その後,
「オプション」をクリックします。
今回は,先の画面で「種類」を
指定していたので,「会社」の方
をOIC/サクサク/甘々のどれか
一種に固定し,その会社の変数
を画面右上の空欄の「被験者内
変数」に納めていきます。今回
はOICクッキーを選択しています。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
「反復測定:オプション」画面を
開き,画面左上の変数欄から
主効果が有意だった変数を選
び, ボタンをクリックして画
面右上の「平均値の表示」の空
欄内に表示させます。
今回は「種類」を選択しました。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
画面右上の「□主効果の比較」
にチェックを入れ☑とし,その下
の「信頼区間の調整」から
「Bonferroni」をクリックします。
その後,画面左下の「続行」ボ
タンをクリックし,次の画面で
「OK」ボタンをクリックすれば完
了です。
交互作用が有意だった場合
単純主効果の検定と多重比較
以下のような結果が得られれば成功です。OICクッキーについ
ては,プレーン(1)が突然おいしくなったために,1-2, 1-3の間で
有意な差が表れています。今回は単純主効果をみたい因子を
「種類」に,会社をOICに固定して単純主効果をみました。このた
め,すべての単純主効果を確認するためには,すべての条件
分この操作を繰り返します。
3.分散分析
(2要因混合計画)
3-1. 2要因混合計画
2要因混合計画の分散分析
以下の例では,各会社(OICクッキー,サクサク製菓,甘々堂)のクッキーについ
て,プレーンとチョコチップの2種類の味の評価を収集した例です。要因は要因
A「会社」,要因B「種類」の2つです。水準は要因A「会社」が2,要因B「種類」が
3です。ただし各会社について別々の5名が評価をしているため,要因A「会社」
は参加者間要因であり,各参加者が2種類のクッキーを評価しているため,要
因B「種類」は参加者内要因です。
𝑨𝟏 :OICクッキー
𝑨𝟐 :サクサク製菓
氏名
𝑩𝟏 :プ
レーン
𝑩𝟐 :チョコ
チップ
岡田
1
3
田中
2
中西
𝑨𝟑 :甘々堂
𝑩1 :プ
レーン
𝑩2 :チョコ
チップ
氏名
𝑩1 :プ
レーン
𝑩2 :チョコ
チップ
本沢
6
9
野島
4
7
4
沢井
7
10
島山
5
6
4
4
井上
8
7
山寺
6
8
西川
3
5
上原
8
8
寺町
5
5
川本
2
4
原野
8
8
町岡
4
7
氏名
今回の分散分析の仮説
2要因参加者間計画の分散分析では,次のよう
に仮説を立てます。
𝐻0 :要因Aの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因Bの各水準の平均値はすべて等しい(主効果)
:要因AとBの組み合わせの効果はない(交互作用)
𝐻1 :𝐻0 ではない
要因が増えた分,仮説も多くなったね!
2要因の分散分析フローチャート
Yes
交互作用は有意?
No
主効果は有意?
No
分析終了!
単純主効果の検定
Yes
3以上
要因の水準数は?
2
多重比較
SPSSへのデータの読み込み
簡単な方法
お配りした「クッキー(2要因混合計画).sav」をSPSSの画面にド
ラッグ&ドロップして読み込ませてみてください。
データ内容の確認
データは次のように「会社」,「プ
レーン」,「チョコチップ」,「レーズ
ン」の順に納められています。
「会社」の値は「OICクッキー=1,
サクサク製菓=2,甘々堂=3」,
「プレーン」~「レーズン」には直
接評価値が入っています。
会社
プレーン
チョコ
チップ
レーズン
1(=OIC)
1
3
2
1
2
4
5
1
4
4
4
1
3
5
3
1
2
4
4
2(=サク
サク)
6
9
8
2
6
10
7
2
7
7
8
2
7
8
9
2
8
8
7
・・・
・・・
・・・
・・・
3(=甘々)
4
7
6
SPSSで2要因混合計画分散分析
(2MD-ANOVA)
画面上部の「分析」→「一般線形モデル」→「反復測
定」をクリックします。
SPSSで2要因混合計画分散分析
「反復測定の因子の定義」画面
が現れたら,まず一番上の「被
験者内因子名」に書かれてい
る’’factor1”を消して1つ目の因
子名を記入します。続いて「水
準数」隣の空欄に因子の水準を
書き入れ,「追加」ボタンをクリッ
クします。そして画面左下の「定
義」ボタンをクリックします。
今回はまず因子名に「種類」,
水準数を「3」として「追加」ボタ
ンをクリックしてみましょう。
SPSSで2要因混合計画分散分析
次に「反復測定」画面が現れ
たら,各変数を画面右の「被
験者内変数」に割り当ててい
きます。
今回は(1)~(3)に,「プレー
ン」「チョコチップ」「レーズン」
の変数を上から順に選択し,
ボタンをクリックして変数
を設定していきましょう。これ
で参加者内要因の完成です。
SPSSで2要因混合計画分散分析
次に参加者間要因となって
いる変数を左の空欄から選
択し,画面中央の ボタンを
クリックして「被験者間因子」
の欄に納めます。その後,画
面右の「オプション」をクリック
しましょう。
今回は「会社」を選択します。
SPSSで2要因混合計画分散分析
記述統計量の表示方法
左のような「反復測定:オ
プション」画面を開き,画面
左下の「□記述統計量」の
□をクリックして☑として,
「続行」をクリックします。
SPSSで2要因混合計画分散分析
図の追加方法
「作図」ボタンをクリックし
て,左のような「反復測
定:プロファイルのプロッ
ト」画面を表示させます。
まず「横軸」1つの要因をク
リックして一番上の ボタ
ンをクリックして,変数を納
めます。
今回は「横軸」に「種類」を
入れてみましょう。
SPSSで2要因混合計画分散分析
図の追加方法
続いて「線の定義変数」に
もう1つの要因を納めて上
から2番目の ボタンをク
リックし,その後「追加」
「続行」ボタンをクリックし
ます。そして次の画面左
下の「OK」をクリックすれ
ば完了です。
今回は「線の定義変数」に
「会社」を入れてみましょう。
SPSSで2要因混合計画分散分析
次のような出力が得られれば成功です。
SPSSで2要因混合計画分散分析
球面性の検定の結果,有意差がみられませんでしたので,球
面性の仮定は成り立つものとして結果を解釈していきます。
SPSSで2要因混合計画分散分析
要因B「種類」は有意,交互作用ABは有意ではないようです。クッキーの種
類によって味の評価が異なることがわかり,またある特定の会社とクッキー
の種類によって他とは異なる評価値が生まれていた組み合わせはなかった
ようです。
SPSSで2要因混合計画分散分析
要因A「会社」も有意なようです。製造会社によって味の評価が
異なることがわかりました。
SPSSで2要因混合計画分散分析
図からは,種類2(チョコチップ)の評価が高いことがわかります。
この先の分析を行うには
• 「竹原卓真「増補改訂版 SPSSのすすめ1」」。
北大路書房, 2013.
• SPSSの使い方が非常にわかりやすく掲載され
ている本です。
• 交互作用が有意でない場合(主効果が有意
だった場合)の多重比較
• 交互作用が有意だった場合の
単純主効果の検定
分散分析を理解するには
• 「山田剛史・村井潤一郎「よくわかる心理統
計」。ミネルヴァ書房, 2004.
• 心理学分野において,統計学の基礎を非常
に丁寧に説明した本です。
• 分散分析についても,各要因実験についてわ
かりやすく詳細にその方法が説明されていま
す。