2015年11月号

審査番号: 151102-A1
アイザワ証券 投資リサーチセンター
アジア・マンスリー / 2015年11月号 (2015年11月9日発行)
(今月号は 10 月 30 日時点の情報を基に作成しています。)
CONTENTS
● 中国
TPP、ベトナムを取り巻く期待と課題
2~5
中国の7~9月期GDPは消費・サービ
スが牽引
中国株の業種別動向
減税を起爆剤に自動車市場は緩やか
に回復へ
● コラム
5
映画市場の急成長から見える、加速す
る中国のサービス消費
● グローバル
6~7
ASEAN経済共同体設立への期待
● 銘柄研究
8~10
東風汽車集団
中国鉄建
ミトラ・クルアガ・カヤセハット
● 経済統計&ランキング
主要株価指数
NYダウ工業株30種
日経平均225
上海総合指数
香港ハンセン指数
香港H株指数
韓国総合株価指数
台湾加権指数
シンガポールST指数
FTSEブルサマレーシア KLCI指数
タイSET指数
ジャカルタ総合指数
フィリピン総合指数
ベトナムVN指数
イスラエルテルアビブ25種指数
北野 ちぐさ
11
先日、アジア開発銀行と世界銀行が相次いでベトナムの今年の経済成長
見通しを上方修正した。一方でASEAN全体の見通しは引き下げられてお
り、対照的な評価となった。背景にはベトナムの好調な国内消費に加えて、
TPP発効を見据えた対内直接投資の増加があるようだ。先月ようやく大筋合
意に至ったTPPでは、最も恩恵を受ける国にベトナムが挙げられている。輸
出依存度が高く、その4割がTPP加盟国向けであること、ASEANの競合国に
加えて中国やインドなどが参加を見送ったことから、生産コストの面で優位
性が高まったことなどがその理由だ。
産業別では特にベトナムが強みをもつ繊維・縫製、水産、木材加工などに
とって追い風となりそうだ。さらに中長期的には物流、港湾、インフラ、建設、
不動産など幅広い分野への波及効果も期待される。反面、生産の効率化な
どの面で米国等に大きく遅れをとる畜産をはじめ、酪農、自動車製造、医薬
などには逆風が吹くことが予想される。また、税優遇を受けるためには加盟
国内から輸出するだけでなく、一定以上の原材料や部品をTPP加盟国内か
ら調達しなければならないという、原産地規制がTPPには課された。現在、
ベトナムの輸出品の多くは原材料を輸入に依存していることから、今後、裾
野産業の育成が急務となるだろう。一部の現地シンクタンクからは、ベトナム
のGDP成長率を最大2%押し上げることが予想されているTPP。その恩恵を
享受するためには、超えるべき大きなハードルも待ち構えていそうだ。
2014年12月末 2015年10月末
17,823.07
17,450.77
3,234.68
23,605.04
11,984.69
1,915.59
9,307.26
3,365.15
1,761.25
1,497.67
5,226.95
7,230.57
545.63
1,464.99
*時価総額は各国・各地域の市場全体の時価総額を記載
17,663.54
19,083.10
3,382.56
22,640.04
10,396.58
2,029.47
8,554.31
2,998.35
1,665.71
1,394.94
4,455.18
7,134.26
607.37
1,573.54
年初来
時価総額
為替レート(10月30日)
実績PER
騰落率
(百万米ドル)
1ドル= 120.620 円
-0.90%
15.82
24,088,232
―
9.35%
19.77
4,884,613
1元=
4.57%
17.70
6,137,695
19.091 円
-4.09%
9.79
4,147,579 1香港ドル= 15.563 円
-13.25%
7.65
5.94%
17.43
1,254,052 100ウォン= 10.570 円
-8.09%
13.12
877,829 1台湾ドル=
3.701 円
-10.90% 13.80
486,662 1シ ンガポ ールドル = 86.070 円
-5.42%
17.25
368,606 1リンギット= 28.082 円
-6.86%
16.13
363,761 1バーツ=
3.387 円
-14.77% 24.80
342,258 100ルピア=
0.881 円
1ペソ=
-1.33%
20.17
241,676
2.575 円
100ドン=
11.32%
11.73
63,058
0.540 円
7.41%
15.79
160,658 1シェケル= 31.203 円
[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
2
Asia Monthly
中国
経済
中国の7~9月期GDPは消費・サービスが牽引
柳 林
中国の2015年7~9月期実質GDP成長率は前年同期比
6.9%増と、リーマンショック直後以来の6%台となった。サー
ビス部門は同8.6%増と加速し、鉱工業部門の不振(同5.8%
増)を補なった。中でも金融サービスは、7~9月期に株式市
場が混乱したものの、売買代金や株価水準が前年同期を大
きく上回ったことから、同16.0%増と全体を牽引した。さらに、
1~9月期の賃金や小売売上高はそれぞれ同9.1%増、同
10.5%増、都市部の新規雇用者数も1066万人と堅調に推移
した。その結果、GDPにおけるサービスと消費の寄与度は
60%近くまで高まり、中国経済は持続的な成長に向けて、経
済の牽引役を投資・輸出から消費・サービスへと転換していく
ことが強く印象づけられた。
一方、生産の鈍化は、6月以降の金融ショックに起因した商品安が輸入物価を通じて工業部門にデフレ圧力
を強めたところが大きいと思われる。例えば、中国の輸入は数量ベースではほとんど減少していないのに対し、
金額ベースではリーマンショック以来の落ち込みを記録。突如の人民元切下げと相互して、世界金融市場に大
きな動揺を与えた。だが、その悪影響は一時的なものに過ぎず、株式市場と為替市場は落ち着きを取り戻しつ
つある。また、8~9月の財政支出が2ヵ月累計で前年同期比27%増と大幅に増加するなど、鉄道など大型プロ
ジェクトが進捗し始めており、固定資産投資の急減速には歯止めがかかりそうだ。さらに今後、住宅ローン頭金
比率の引下げやエコカー減税、追加利下げなどにより、不動産及び自動車市場の回復傾向も一段と強まる見
通しだ。中国本土株式市場については、当面、信用残の減少や、割高感の解消に加えて、①五中全会(改革
機運の強まり)、②人民元のIMF準備通貨採用(元高要因)、③追加緩和・金利安(景気安定期待)など、好材料
を控えているため、リスクオンムードになりやすい相場が続きそうだ。
中国株の業種別動向
/
王 曦
10 月の香港市場は 4 ヵ月ぶりに反発、中国本土株の安定化と政策期待が背景
10月の香港市場は主要株価指数が4ヵ月ぶりに反発した。香港ハンセン指数と香港H株指数の月間騰落率
はそれぞれ前月比+8.6%と+10.5%となっており、香港市場の1日当たり売買代金は788億香港ドルと前月に比
べて約3.4%減少した。香港市場が反発した背景としては、中国本土市場の値動きが安定し始めたほか、「五中
全会」の開催をきっかけに政策期待が高まったことなどが考えられる。
アイザワ中国株業種別指数(ACSI)(注) の業種別月間騰落率(10月1日~10月30日)を見ると、10月はほぼ全
面高だった中で、「娯楽・カジノ」や「空運」、「証券」、「家電」、「ホテル・その他サービス」、「自動車」、「IT」、「石
油化学」などの株価上昇が目立った。このうち「娯楽・カジノ」と「証券」、「ホテル・その他サービス」、「石油化学」
については、年初来の株価下落率が大きいことから、相場環境の改善に伴って自律反発したと考えられる。た
だ、マカオのカジノ業収入や原油価格といった注目指標はまだ底打ちの気配を見せていないほか、中国本土
市場の売買代金も急増する可能性が低いため、持続的な株価上昇は当面期待しにくいと見ている。一方、「空
運」や「家電」、「IT」、「自動車」については、海外旅行ブームや好業績期待、自動車購入税の優遇措置などを
背景に、主要銘柄の株価が再び上昇トレンドを形成しつつある。これらの業種は年末にかけて業績の成長や回
復が見込まれていることから、今後株価は堅調に推移する可能性があると見ている。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
3
Asia Monthly
中国
経済
/ 11 月は「第 13 次 5 ヵ年計画」の詳細に注目、政策関連株に追い風
中国共産党の重要会議である「五中全会」は10月29日に閉幕したが、その重要議題である「第13次5ヵ年計
画」の方向性と内容が一部明らかとなった。現段階では、①経済成長の維持や②経済発展モデルの転換、③
産業構造の効率化、④技術革新の促進、⑤農業の近代化、⑥改革体制の構築、⑦均衡ある発展の促進、⑧
環境保護の強化、⑨社会保障の充実、⑩貧困の解消といった大きな方向性が示された。
また、2020年までに小康社会(ゆとりある社会)を実現するために、国民所得倍増計画や「インターネット・プラ
ス」計画、「メイドイン・チャイナ2025」計画、大気・水・土壌汚染対策、国民皆保険制度、一人っ子政策廃止など
の政策が「五中全会」後の声明文に盛り込まれた。今後、具体的な数値目標を伴った各業界の「第13次5ヵ年
計画」が続々と発表されれば、株式市場では幅広い業種に物色が広がりそうだ。
上記のことを考慮すると、11月の香港市場では基本的に10月と同じように政策関連株に追い風が吹くことが
予想されよう。代表的な政策関連株としては、「インターネット・プラス」(インターネットを利用した既存産業の効
率化)関連のテンセン・ホールディングス(香港:700)、「メイドイン・チャイナ2025」(ハイエンド製造業の育成)関
連の中国中車(香港:1766)、大気・水・土壌汚染対策関連のペキン・エンタープライゼス・ウォーター・グループ
(香港:371)、国民皆保険制度関連の中国平安保険(香港:2318)、一人っ子政策廃止関連の中国蒙牛乳業
(香港:2319)などが挙げられる。また、中国では経済構造転換が進むのにつれて、エネルギー政策が大きく変
わろうとしており、新エネルギーやエコカーの分野で具体的な数値目標が示される可能性が高い。その意味で
は原発の中国広核電力(香港:1816)やエコカーのBYD(香港:1211)にも注目したいところだ。これらの銘柄は
既に株価が上昇したものもあるものの、まだ出遅れているものも多く、投資を検討する余地は大きいと見ている。
(注):アイザワ中国株業種別指数(ACSI)の構成については11ページをご覧下さい。
10月の上海・香港間相互取引の銘柄別売買状況
北上取引(香港経由→上海)の 売買代金上位 10銘柄
順
位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
順
位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
アイザワ中国株業種別指数の月間騰落率(10月1日~10月30日)
娯楽・カジノ
空運
601318
68.2
10.6
0.9
証券
中国平安保険
○
家電
600519 貴州茅台(モータイ)
20.7
16.1
ホテル・その他サービス
600887
18.9
19.2
伊利股フン
自動車
600036
18.8
7.6
1.1
招商銀行
○
IT
石油化学
600009
15.8
23.1
上海国際機場
不動産
601601 中国太平洋保険
15.6
13.7
1.0
○
陸運
600016
15.0
6.6
1.4
中国民生銀行
○
公益事業
600881
14.5
36.7
亜泰集団
上海総合指数
香港H株指数
600030
14.2
9.8
1.2
中信証券
○
銀行
601166
13.1
5.8
興業銀行
日用品
石炭
南下取引(上海経由 →香港) 売買代金上位10銘柄
保険
香港ハンセン指数
ティッカー
月間売買代金 2015年 上海・香港
銘柄名
A/H倍率
(香港)
(億香港ドル) 予想PER 同時上場
医薬品
機械
493
10.0
14.6
国美電器
一般素材
1060
アリババ・ピクチャーズ
7.8
インフラ建設
順風国際清潔能源
1165
6.4
5.1
非鉄金属
998
6.3
4.7
1.6
中信銀行
○
小売
電子機器
6837
5.6
8.6
1.3
海通証券
○
海運
1378
5.5
3.7
中国宏橋集団
鉄鋼
3333
5.3
10.7
恒大地産集団
輸出関連
通信
6863
4.8
40.1
輝山乳業
産業用設備
中国信達資産管理
1359
4.4
5.8
-1.3
新エネルギー
テンセン・ホールディングス
700
4.1
35.7
-1.4
電力
-3.8
※2015年予想PERは2015年予想EPSと2015年10月30日の終値をもとに算出
食品
[出所:香港証券取引所、アイザワ証券作成]
-20
-10
0
ティッカー
(上海)
銘柄名
月間売買代金 2015年 上海・香港
(億人民元)
予想PER 同時上場
A/H倍率
(%)
16.3
16.2
25.6
10.8
10.5
8.6
10
20
30
[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成 ]
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4
Asia Monthly
中国
トピックス
減税を起爆剤に自動車市場は緩やかに回復へ
柳 林
/ 販売低迷の背景
2011年以降、経済成長の鈍化に伴って、中国の自動車市場は減速傾向を強めている(図1参照)。今年4月
から8月にかけて、新車販売台数は5ヵ月連続で前年同月比マイナス成長を記録した。その背景には主に次の5
つが挙げられる。①生産・投資活動の低迷を受け、自動車販売全体の2割を占めるトラックなどの商用車やクロ
スオーバー(多くが商用目的)が2桁減となった、②裕福な沿岸都市部を中心に乗用車の保有率が上昇し、マイ
カーブームが一巡した(図2参照)、③大気汚染や交通渋滞などを理由に、乗用車購入制限措置を導入した都
市数が増加傾向にある(現在は8都市)、④新車販売との相関性が高い不動産販売が低迷した、⑤6月以降の
株式市場の混乱が消費者マインドを押し下げ、逆資産効果をもたらした、などである。
/ 商用車は低迷、新エネルギー車や SUV は好調
1~9月累計の新車販売台数は種類別で、トラックが前年
同期比13.3%減、中でも特に大型トラックは同43%減少した。
投資減速を受けて鉱業や物流業などの業況が悪化したほ
か、今年からより厳しい排気基準が導入されたことに伴う値
上げも響いたもようだ。一方、乗用車についてはセダンが前
年同期比8.8%減少したのと対照的に、SUV(スポーツ用多
目的車)は同47%増の408万台と人気は衰えを見せず、乗
用車全体の約3割を占めた。また、2台目としての購入が多
いMPVも同8%増と堅調に推移した。メーカー別では、欧米
勢が中高級セダンを中心に低迷したのに対し、在庫調整を
終え新車投入を加速した日系メーカーは同14%増と市場シ
ェアを回復傾向、ローカル勢も新車攻勢で健闘した。
さらに、新エネルギー車の販売台数は1~9月累計で13.7万台と昨年同期の3.6倍に達し、爆発的な売れ行き
となった(図3参照)。うち、電気自動車(EV)が64%、プラグインハイブリッド車(PHV)が36%を占めた。省エネや
産業の高度化を目指す国家戦略の一環として、政府は充電施設の設置を促進し、補助金制度を充実させるな
どハードとソフトの両面から新エネルギー車の普及を後押ししたことが追い風となった。さらに、製造分野におい
てもリチウム電池や電機などサプライチェーンの整備も急速に進み、ローカル勢を中心に次々と新車モデルが
投入されたことが市場拡大に弾みを付けた。なお、政府は補助金制度を2020年まで延長し、大規模な充電施
設の建設を計画、政府官庁やタクシー会社に対して新エネルギー車の導入を従量的に義務付けている。
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5
Asia Monthly
中国
トピックス
/ 自動車市場は最悪期を脱し、購入減税を起爆剤に緩やかな回復に向かう見通し
中国政府は9月末に景気テコ入れに向けて、①2016年まで
排気量1.6リットル以下の乗用車購入税を5割減税する、②新
エネルギー車の販売・開発支援を一段と強化し、排気基準を
満たさない老朽化したミニバンを強制的に排除する、など一
連の措置を発表した。これらは2009~2010年に自動車市場を
急回復させた消費支援策に類似する。しかし今回は、排気量
1.6リットル以下のモデルの月間販売台数は約110万台に達し、
乗用車販売全体の約3分の2を占めるものの、中国の乗用車
市場は2009年の2倍以上に拡大しているため、前回ほどの効
果は期待できないだろう。とはいえ、向こう15ヵ月間で10%前
後乗用車販売が押し上げられそうだ。加えて、新車販売と相
関性が高い不動産市場を見ると、昨年後半に金融引締め局面が終結し金利も低下する中で、新築住宅販売
は回復傾向を強めており、不動産販売に遅行する新車販売は今後改善に向かう公算が高い(図4参照)。
ただ、2009~2010年の回復局面と異なり、商用車は引き続き低迷し、新エネルギー車やエコカー、SUVなど
が市場の回復をリードする可能性があるだろう。また地域別では、マイカーの普及率が高まった大都市から地
方の中小都市へとシフトしていくと考えられる。メーカー別では、減税対象モデルの販売比率が高い長城汽車、
重慶長安汽車、BYD、東風汽車集団、吉利汽車などが有利な展開となりそうだ。
コラム:
映画市場の急成長から見える、加速する中国のサービス消費
― 姚 莉
中国の映画産業リサーチ大手エントグループの調査データによると、2015 年 1~9 月の中国
映画市場における興行収入が 330 億元(約 6200 億円)を突破し、前年同期比 50.4%増と急激
に伸びている。その間に『STAND BY ME ドラえもん』や『ワイルド・スピード 7』、『アベンジャ
ーズ 2』など大ヒット海外映画が公開されたほか、興行収入が 1 億元を超える国産映画のヒッ
トも続いており、興行収入の急拡大に貢献した。中国では興行収入が 2012 年に日本を追い越し、
米国に次ぐ世界 2 位の市場になったばかりだった。この勢いを維持すれば、中国が 3 年以内に
米国を抜き、世界最大の映画市場になると予測されている。13 億の人口を持つ有望な中国映画
市場だけにハリウッドの映画製作会社や投資家も中国進出に大きな期待を寄せる。しかし、当
局による上映規制で外国映画の配給が年間最大で 34 本までという制約があり、ハリウッドも枠
の争奪に必死。例えば、トムクルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイショ
ン』やゲームでお馴染みの『バイオハザード 5』、
『トランスフォーマー/ロストエイジ』など大
ヒット映画に中国人気女優を起用、
『アイアンマン 3』は中国向けに再編集、また、中国ロケを
敢行するなどあの手この手を使って懸命にアピールしている。
中国の映画市場が急成長を遂げている背景には、近年、所得水準の上昇に伴い、モノの消費
に対して高品質を追及する傾向が強まっていることに加えて、教育やレジャー、趣味といった
サービス消費への支出が顕著に伸びていることがある。これに加え、設備が充実した映画館が
次々とオープンされ、2015 年 6 月末時点で全国でおよそ 5700 の映画館があり、総スクリーン
数は約 2 万 7000 に上った。ショッピングモールやデパートに併設されている映画館も多く、週
末や連休には買い物や食事を楽しみ、そして映画を見に行くというのは、日常的な娯楽に定着
しつつある。
中国は「価格」より「価値」を追及する時代へと突入し、今後サービスの消費がますます加
速しそうだ。
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6
Asia Monthly
グローバル
トピックス
ASEAN経済共同体設立への期待
明松 真一郎
2015 年末に ASEAN 経済共同体の設立期限を控えて、消費市場としての ASEAN の発展余地に対して注目
度が高まりつつある。域内経済への波及効果、域外に対する影響など、存在感が増している ASEAN の共同体
設立に向けた取組みを追ってみよう。
/ 生産拠点の ASEAN から消費市場の ASEAN へ
ASEAN周辺の大国(中国、韓国、台湾、日本な
アジア新興国の名目賃金上昇率
(%)
25
ど)が、少子高齢化の進展などによる内需の伸び
悩みに直面している一方で、安定的な人口増加と
2012年
20
2013年
所得水準の高まりが顕著なアジア新興国に期待す
る向きが増加している。以前であれば、安い人件
15
費、豊富な人材などが、アジア新興国の最大の武
器であったが、各国ともに人件費が上昇する中で、
そのメリットは失われつつある。その一方で、単なる
10
5
生産拠点としてアジア新興国を捉えるのではなく、
消費市場としての魅力を評価するという流れに変
0
わりつつある。アジア新興国に対して、以前の評価
のモノサシは通用しなくなってきているといえるだ
ろう。
[出所:ジェトロ資料、アイザワ証券作成]
/ 消費市場拡大期待と消費スタイルの変化
アジア新興国の消費市場への注目度が高い理
由としては、消費スタイルの変化が大きい。生活水
アジア新興国の民間消費(対GDP総額比)
準が上がってきたなかで、生活必需品以外の外食、
90%
レジャー、スポーツなどに生活費を振り向ける割合
80%
は確実に増加している。前ページ(コラム)の、中国
70%
における映画産業の隆盛などは象徴的な例といえ
60%
よう。
50%
例えば、9月に米国系市場調査会社である「ニ
ールセン・ベトナム」が市場調査した調査結果を発
表した。その調査によると、ベトナムの消費者の
73%が、生活の質を向上させるためなら支出が拡
84.1%
69.4%
40%
67.2%
54.8%
52.0%
50.8%
36.2%
30%
20%
10%
0%
大しても構わない、と回答している。右グラフが示
す通り、所得増加ペースが最も速く、消費の比率
が大きいベトナムでは、消費対象が明らかに変化
[出所:ジェトロ、アイザワ証券作成]
してきていると推測される。
/ 共同体設立に伴って域内貿易は加速する見込み
消費市場としてアジア新興国に対する注目度が高まるなか、工業製品等の産業レベルでの貿易は明らかに
増加している。ASEANの国・地域別輸出入実績をみると、最も多いのはASEAN域内での取引だが、今後共同
体設立に伴って、これまで以上に域内の貿易は拡大すると予想される。共同体設立後は、これまで自国で調達
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7
Asia Monthly
グローバル
トピックス
できなかった部品をASEAN域内の他国から関
税の制限を受けずに調達する、という流れがよ
り一層強まってくるだろう。豊富な人口、今後の
成長余地などを考えれば、共同体設立を機に
可能性は大きく広がってきそうだ。
(100万米ドル)
ASEANの相手国、地域別輸出入額
インド
輸出
オーストラリア
輸入
韓国
米国
/ TPPによって新たな駆け引きも
日本
ASEAN経済共同体の設立に加えて、ここに
きて注目度が高まりつつあるのはTPPに絡んだ
EU
各国の動きだ。今後、TPP参加に向けた議論が
中国
高まってくると予想されるが、アジア新興国各
アセアン域内
国はいずれも外資参入規制の複雑さや未整備
な法制度など、改善すべき課題を多く抱えてお
り、国内企業保護の問題を含めて、各国とも国
0
200,000
400,000
600,000
800,000
[出所:ASEAN事務局、アイザ ワ証券 作成]
内での意見のすり合わせが重要になってくると思われる。現時点では、特にベトナムがTPPによって最も恩恵を
受けやすいと評価されているが、アジア周辺国もベトナムと同様の強みを持つ分野が多く、ベトナムの一人勝ち
を阻止するために何らかの動きを見せてくる可能性がある。引き続き、各国のTPPへの対応については、注意し
て見守っていく必要がありそうだ。
主なアジア新興国のTPPに関連した直近の動き
マレーシア
伝統的に国内のマレー系企業を優遇する「ブミプトラ政策」を取ってきたため、既
得権益で守られてきた分野が海外から奪われるのではないか、と危惧する声が
高まっており、国内世論が揺れている。
ベトナム
TPP参加国の中で経済発展レベルが最も低く、かつ、生産コストが低く、輸出依
存型経済であるベトナムにとって享受するメリットは大きい。ベトナム政府は、
TPPによってベトナムのGDPは今後10年間で20%程度伸びると試算している。
参加
参加濃厚
ジョコ大統領はオバマ大統領にTPP参加を表明したものの、国内からは利益と損
インドネシア 失の予測ができておらず、見切り発車との批判が出ている。未成熟な国内産業
にとって打撃が大きい、との懸念も根強く、参加するかどうかはまだ流動的。
タイ
ベトナムやマレーシアなどタイにとっての競争相手国に対して優位性を保持する
ためには参加すべきとの見方がある一方で、皮革や自動車部品などの国内産業
保護のために参加見送りを主張する声も。
フィリピン
10月上旬、アキノ大統領は、「TPP参加国の大半がフィリピンの同盟国で、フィリ
ピンがTPPに参加を表明するのは理に適っている」と、参加に意欲を示した。
検討中
[出所:各種資料、アイザワ証券作成]
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
8
Asia Monthly
銘柄研究
香港:489/Z4436
東風汽車集団[ドンフォン・モーター・グループ]
柳 林
業種: 自動車
/ 中国 3 大自動車メーカーの一角
東風汽車集団(以下同社)は、上海汽車、第一汽車と並ぶ
中国3大自動車グループの一角。前身は1969年に湖北省に
設立された第二汽車で、1992年に主力のトラックブランド名か
ら東風汽車へ社名変更した。傘下企業23社のうち、中核事業
は日本のホンダや日産、仏プジョー・シトロエンと合弁を組む
乗用車事業と上海上場の商用車事業。2014年の自動車販売
台数は273万台で国内全体の11.6%を占めた。2005年末に
香港上場。2014年2月には、新興国開拓のためプジョー・シト
ロエンから14%の株式を取得し、資本提携を結んだ。
/ 上期は 19%減益、ベース効果や販売低迷が響く
2015年上期(1~6月)の新車販売台数は前年同期比4.9%
株式データ
2015/10/30 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
11.24香港ドル
2000株
968億4519万香港ドル
6.18倍
0.99倍
14.48香港ドル
7.02香港ドル
業績推移
【連結】
決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
‘13/12 37,263 511.9%
10,528
15.8%
1.22
0.18
‘14/12 80,954 117.3%
12,845
22.0%
1.49
0.20
単位:百万元、ただし 1 株利益、1 株配当は元
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
株価チャート(週足2014年11月14日~2015年10月30日)
減の134万台となった。うち、乗用車が116万台と同1.6%減に
とどまったものの、商用車は投資の低迷や排気基準強化が響
1,000
株価
(香港ドル)
出 来高
(百 万株)
15
き、18万台と同21.5%減少した。乗用車については在庫調整
900
14
や値引き競争激化を受け、東風日産の新車販売台数が同
800
13
700
12
600
11
500
10
400
9
300
8
200
7
100
6
0
5
10.0%減の43万台、東風本田が同2.0%減の17万台となった。
反面、東風PSA(注) と自社ブランドはSUVなど新車投入が寄与
し、それぞれ3.4%増の36万台、21.0%増の5万台となり販売
台数を下支えした。また、純利益は68.85億元と同19.0%減少
したが、前年上期に計上したプジョー・シトロエンへの出資に
よる一過性の投資収益を除けば、税引き前利益は小幅減にと
どまると試算される。そのほか、自動車市場の成長鈍化による
供給過剰感から販売価格の値下げを余儀なくされ、粗利益率
は18.5%と前年より2.5ポイント低下した。
/ 在庫調整の終了や減税を追い風に下期業績は改善へ
商用車の不振は続いているものの、乗用車は在庫調整の
終了に伴い、9月単月の販売台数が東風日産は前年同月比
18.0%増、東風本田は同151.0%増となった。足元の急回復
を受け、乗用車販売台数は1~9月累計で170万台と前年比
で増加に転じ、市場シェアも拡大した。加えて、粗利益の高い
SUVの販売比率上昇により、収益性の低下傾向にも歯止めが
[出所:株式データ、業績推移、株価チャート共 にブルームバーグ等、
アイザワ証券作成]
その他
東風汽車の販売台数(万台)
300
250
商用車
200
乗用車
150
100
50
0
かかったもようだ。中国政府は9月末に、景気テコ入れの一環
として排気量1.6リットル以下の乗用車に対する購入税の5割
減税を発表した。すでに同社モデルの約5割は減税対象とな
っており、政策を追い風に販売回復に弾みが付きそうだ。
[出所:ブルームバーグと会社発表、アイザワ証券作成]
(注)東風 PSA は東風汽車集団とプジョー・シトロエンの合弁会社
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
9
Asia Monthly
銘柄研究
香港:1186/Z4746
中国鉄建[チャイナ・レールウェイ・コンストラクション]
王 曦
業種: インフラ
/ 中国の大手インフラ建設会社
中国鉄建[チャイナ・レールウェイ・コンストラクション](以下同社)は、中
国の大手インフラ建設会社。同社は主に鉄道や道路、橋梁な
どの建設工事を手掛けており、中国本土を中心に世界78ヵ国
で事業を展開している。2015年上期の売上構成は、工事請
負が86.9%、測量・設計・コンサルティングが1.6%、機械製造
が2.4%、不動産開発が2.3%、その他が6.8%。米国の建設
関係の業界誌であるENRの調べによると、同社は世界の建設
業者ランキングで世界3位の売上規模を誇っている。
/ 2015 年上期決算は小幅増益、下半期の業績に期待
同社の2015年上期(1~6月)決算は、売上高が前年同期
比0.3%増の2億6289万元、純利益が同3.4%増の533万元と
株式データ
2015/10/30 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
11.66香港ドル
500株
2399億8928万香港ドル
10.33倍
1.24倍
17.70香港ドル
7.85香港ドル
業績推移
【連結】
決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
‘13/12 586,790 21.2%
10,345 19.9%
0.84
0.13
‘14/12 591,969
0.9%
11,343
9.6%
0.92
0.15
単位:百万元、ただし 1 株利益、1 株配当は元
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
株価チャート(週足2014年11月14日~2015年10月30日)
小幅増益。中国では鉄道プロジェクトの着工開始が下期に集
中する傾向があるため、その関係で同社の上期業績は小幅
出来高
(百万株)
株価
(香港 ドル)
1,000
18
増益にとどまったと考えられる。新規受注の方を見ると、上期
900
の新規受注総額は前年同期比18.4%減の3179.4億元、うち
700
14
工事請負は同21.1%減の2540.8億元、その他は同5.8%減の
600
12
638.6億元、新規受注総額の年間目標に対する進捗率は
400
10
300
8
38.8%。工事請負の新規受注が減少したのは、昨年5月に受
注したナイジェリアの鉄道建設プロジェクトの金額(約807.8億
16
800
500
200
6
100
0
4
元)が大きく、その反動が生じたことが主な原因。ただ、2015
年7月以降は鉄道プロジェクトの着工が増加し始めているため、
下期の増益幅は拡大すると見ている。
/ 財政出動の拡大と海外進出の加速が業績の追い風に
[出所:株式データ、業績推移、株価チャート共にブルームバーグ等、
アイザワ証券作成]
その他
V
国内の景気減速を受けて、中国政府は金融緩和に加えて、
中国鉄建の売上構成
財政出動も拡大させるなど、インフラ投資による景気の下支え
(2015年1~6月期)
に力を入れている。中国の現地報道によると、国家発展改革
委員会は9月の1ヵ月間だけで総額8800億人民元に上る鉄
道・地下鉄の建設プロジェクトを認可しており、これらのプロジ
その他
6.9%
不動産開発
2.3%
機械製造
2.4%
ェクトは今後数年にかけて同社の業績成長に寄与する見通し。
他方、海外に目を向けると、中国企業がインドネシアの高速
鉄道プロジェクトを受注したほか、米国、英国、タイなどにも高
速鉄道を輸出しようとしている。現在、同社の売上高に占める
海外比率はまだ5%程度と低いものの、今後、高速鉄道の海
測量・設計・
コンサル
ティング
1.6%
工事請負
86.9%
外輸出が加速すれば、業績の新たな成長エンジンになる可
能性があると見ている。
[出所:会社資料、アイザワ証券作成 ]
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
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10
Asia Monthly
銘柄研究
インドネシア:MIKA/Z6539
ミトラ・クルアガ・カヤセハット
北野 ちぐさ
業種: 病院
/ インドネシアの病院経営大手
国内製薬最大手カルベ・ファルマの関連会社で、ジャカルタ
首都圏で8軒、東ジャワ州スラバヤ市で3軒、中部ジャワ州テガ
ル市で1軒の総合病院を経営する。2014年の年間患者数は約
200万人と国内最大規模、病床数は1953床で国内2位。
/ 足元患者数が伸び悩むも好業績を維持
株式データ
2015/10/30 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
2795ルピア
100株
40兆6693億ルピア
74.73倍
22.17倍
3230ルピア
1700ルピア
2014年本決算は、売上高が前年比11.7%増の1兆9455億ル
ピア、純利益が同29.7%増の5170億ルピアとなった。インドネ
業績推移
参加を見送ったことで患者数の伸び悩みにつながった。中で
【連結】
決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
‘13/12
1,742 18.1%
399
37.9%
28.8
―
‘14/12
1,946 11.7%
517
29.7%
37.4
200
も売上高の6割以上を占める入院診療については病床利用率
単位:十億ルピア、ただし 1 株利益、1 株配当はルピア
シアでは昨年、国民皆保険制度が開始されたものの、同社は
が前年の72.4%から63.6%へと低下した。しかし、診療分野の
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
株価チャート(週足2015年4月3日~2015年10月30日)
拡大や高難易度の手術の増加、集中治療室(ICU)の病床数
増設などにより、患者1人当たりの売上高は入院診療で前年比
12.1%増、外来診療で同13.3%増となり業績を下支えした。
2015年1~6月期決算は前年同期比10.2%増収、15.6%増
益となり、引き続き底堅い業績を維持した。
/ 国民健康保険制度が新たな患者の掘り起こしに
インドネシアでは、2014年1月に国民皆保険制度が開始され、
1,000
株価
(ルピア)
出来高
(百万株)
900
3500
3250
800
700
3000
600
2750
500
400
2500
300
2250
200
2000
100
0
1750
国内に約2300軒ある総合病院のうち 公立病院を中心に約
1700軒が同制度に参画した。一方で、保険料回収の懸念など
から同社を含む約600軒の民間病院が参加を見送った。その
[出所:株式データ、業績推移、株価チャート共 にブルームバーグ等、
アイザワ証券作成]
結果、公立病院に患者が殺到し、診療待ち時間の長期化や
その他
病床数不足などの問題が急浮上した反面、民間病院では患
者数の伸び悩みに直面している。今後、中間・富裕層はより診
療分野が広く、快適かつ充実した医療を求めて民間病院に流
れることが予想される。長期的に見れば、民間病院にとっても
同制度は新たな患者の掘り起こしにつながり追い風となろう。
会社側は短期的な業績悪化懸念に対して、医薬品購入に
係るコスト圧縮や院内システムのIT化等の経営効率化、病院
ミトラ・クルアガ・カヤセハット
売上高構成(2014年)
その他
13%
入院料・
室料等
19%
投薬料
45%
診療費
23%
新設と病床数増加により収益を確保していく計画だ。2019年ま
でに総合病院6軒を開設する計画で、うち4軒についてはすで
に土地収用を終えている。さらに、臨床経験の積み重ねによる
医療サービスの高度化は、早晩、インドネシアから周辺国へ医
療ツーリズムとして流出する年間60万人の富裕層患者の受け
皿となることも期待され、しばらく高成長が期待できそうだ。
外来
診療
34%
入院
診療
66%
[出所: ミトラ・クルア ガ・カヤセハット、アイザワ 証券作 成]
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11
Asia Monthly
DATA
経済統計&ランキング
/ アジア各国の経済統計 (2015年10月30日現在)
日本
2012
中国
2013
2014
2012
台湾
2013
2014
2012
2013
韓国
2014
2012
シンガポール
2013
2014
2012
2013
2014
実質GDP成長率(%)
1.5
1.5
-0.1
7.7
7.7
7.4
1.5
2.1
3.7
2.3
3.0
3.3
2.5
3.9
2.9
1人当りGDP(米ドル) 46,531 38,468 37,540 6,194 6,959 7,572 20,386 20,925 21,572 24,454 25,975 28,739 54,007 55,182 56,113
外貨準備高(億米ドル) 11,930 12,024 11,997 33,120 38,213 38,430 4,030 4,168 4,190 3,270 3,465 3,636 2,590 2,731 2,569
経常収支(億米ドル)
587
336
243
2,154 1,828 2,098 506
573
601
508
799
842
502
546
540
2015年
8月
2015年
9月
2015年
10月
2015年
8月
鉱工業生産(%)
-0.40
消費者物価指数(%) 0.20
政策金利(%)
0.10
1.00
0.00
0.10
タイ
―
―
0.10
6.10
2.00
4.60
2012
2013
2014
2012
2015年
9月
2015年
10月
5.70
―
1.60
―
4.60
4.35
マレーシア
2013
2014
2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年
8月
9月
10月
8月
9月
10月
8月
9月
10月
-5.46 -5.32
―
-0.45 0.28
―
1.875 1.75 1.75
インドネシア
2012
2013
2014
0.30
0.70
1.50
2.40
―
0.60
―
1.50 1.50
フィリピン
2012
2013
-7.00 -4.80
―
-0.80 -0.60
―
―
―
―
ベトナム
2014
2012
2013
2014
実質GDP成長率 %
1人当りGDP(米ドル)
6.5
2.9
0.7
5.6
4.7
6.0
6.3
5.8
5.0
6.8
7.2
6.1
5.2
5.4
6.0
5,390 5,676 5,550 10,331 10,457 11,062 3,591 3,510 3,404 2,612 2,791 2,913 1,753 1,902 2,073
外貨準備高(億米ドル) 1,710 1,590 1,491 1,340 1,318 1,215 1,130 994 1,119 838
832 798
256
259
342
経常収支(億米ドル)
-15
-25
142
176
123
151 -244 -291 -262
69
94
92
93
95
78
2015年
8月
2015年
9月
鉱工業生産(%)
159.0 158.5
消費者物価指数(%) -1.19 -1.07
政策金利(%)
1.50 1.50
※
2015年
10月
2015年
8月
2015年
9月
2015年
10月
2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年 2015年
8月
9月
10月
8月
9月
10月
8月
9月
10月
―
-0.77
1.50
3.00
3.10
3.25
―
2.60
3.25
―
―
3.25
―
7.18
7.50
―
6.83
7.50
―
6.25
7.50
―
0.60
4.00
―
0.40
4.00
―
―
4.00
9.00
0.61
6.50
10.10
0.00
6.50
8.80
0.00
6.50
鉱工業生産は前年同期比を掲示していますが、タイ は鉱工業生産指数の原数値を掲示しています。
[出所:各種データ、アイザワ証券作成]
/ アイザワ証券 アジア株売買代金上位ランキング (2015年10月1日~10月30日統計)
アジア株式(買い手口)
順位 ティッカー 銘柄名
瑞声科技[AACテクノロジーズ・
1
2018
ホールディングス]
北控水務集団 [ペキンエンター
2
371
プライゼス・ウォーター・グループ]
3
4
SMGR セメン・インドネシア
700
騰訊 [テンセン・ホールディングス]
5
CII
ホーチミン市インフラ投資
6
750
China Singyes Solar
Technologi
7
777
NetDragon Websoft Inc
8
GL
9
3898
アジア株式(売り手口)
終値
市場
騰落率
49.40
香港
18.9%
1
6.19
香港
18.8%
2
9800 インドネシア -39.5%
146.60
24400
香港
30.3%
順位 ティッカー 銘柄名
1211
比亜迪 [BYD]
CPALL CPオール
3
8058
山東羅欣薬業集団[シャンドン・
ルオシン・ファーマgp]
4
STEC
シノ・タイ・エンジニアリング
市場
騰落率
48.40
香港
59.5%
50.00
タイ
17.6%
11.96
香港
-20.3%
25.25
タイ
8.4%
6.19
香港
18.8%
7.38
香港
15.7%
北控水務集団 [ペキンエンタープ
ライゼス・ウォーター・グループ]
中国中鉄[チャイナ・レールウェイ・グ
ループ]
ベトナム
20.2%
5
371
6.09
香港
-43.2%
6
390
21.50
香港
57.4%
7
LPKR
リッポー・カラワチ
1190 インドネシア 16.7%
3.13
香港
-37.6%
Group Lease PCL
13.90
タイ
141.7%
8
1313
華潤水泥控股 [チャイナ・リソーシ
ズ・セメント・ホールディングス]
株洲南車時代電気 [CSRタイ
ムズエレクトリック]
50.55
香港
11.7%
9
2202
万科企業
18.18
香港
5.1%
26800
ベトナム
76.5%
14.96
香港
37.8%
10
763
深セン市中興通訊 [ZTE]
18.74
香港
33.5%
10
BMI
バオミン保険 [バオミン・インシュア
ランス]
11
941
中国移動 [チャイナ・モバイル]
92.80
香港
2.5%
11
895
東江環保
SEM
7-Eleven Malaysia Holdings
Bhd
12
LPKR
リッポー・カラワチ
1190 インドネシア
16.7%
12
13
WIKA
ウィジャヤ・カリヤ
2940 インドネシア -20.1%
13
14
RHT
レリゲア・ヘルス・トラスト
1177
中国生物製薬 [シノ・バイオ
ファーマシューティカル]
15
終値
0.995 シンガポール
9.69
香港
035420 Naver[ネイバー]
-0.5%
14
AOT
タイ空港公社
37.8%
15
2899
紫金礦業 [ツージン・マイニング]
☆終値は現地通貨 ☆騰落率は年初来
1.42 マレーシア
-3.7%
600000
韓国
-15.7%
298.00
タイ
5.7%
2.09
香港
-5.0%
(2015 年 10 月 30 日現在のデータ)
☆アジア株売買代金上位ランキング は当社取扱いのアジア株式市場(香港、中国 B 株、上海 A 株を含む)すべてを対象としています。
(注)アイザワ中国株業種別指数(ACSI)は、アイザワ証券が独自に作成した大分類 8 区分 30 の業種別指数です。
当指数は、香港市場と中国本土の上海 B 株および深セン B 株市場から中国関連銘柄を選定し、構成銘柄の浮動株
時価総額の加重平均で算出しています。 2015 年 9 月 1 日時点で選定した 323 銘柄の時価総額合計は、約 28.5 兆
香港ドル(約 440 兆円)に上り、中国・香港両市場の約 5 割強を占めています。当指数は不定期に構成銘柄の調整
を行うことがありますのでご留意ください。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
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Asia Monthly
各市場の取引時間(日本時間)
日本(東証)
中国
香港
9:00~11:30
10:30~12:30
10:30~13:00
12:30~15:00
14:00~16:00
14:00~17:00
マレーシア
タイ
インドネシア
台湾
韓国
10:00~14:30
9:00~15:00
フィリピン
シンガポール
10:00~18:00
ベトナム
イスラエル
10:00~13:30
12:00~14:30
月~木
金
10:30~13:00
11:00~13:30
16:45~24:15
15:30~18:00
16:30~18:30
11:00~14:00
15:30~18:00
11:00~13:30
16:00~18:00
14:30~16:30
15:00~17:00
(現地サマータイム時)
15:45~23:15
外国株投資の主なリスクと留意点
株価・為替の変動リスク:
株式は株価の変動等により、損失が生じるおそれがあります。外国株式は、為替の変動等により、損失が生じ
るおそれがあります。
時価総額リスク:
時価総額による企業の社会的信用度、規模の把握をお勧めします。小型株は、流動性の低さ/企業の情報開示
/コーポレートガバナンス等に問題がある場合があります。また、客観的投資情報が不足しているため、投資
対象として安全なのは、情報量が豊富で、時価総額の大きな代表企業と思われます。
政策リスク:
突発的な政情変化や政策変更など、また、各国の慣習や文化などの違いにご注意ください。
会計基準変更リスク:
国や企業により会計基準が違いますので、ご注意ください。
投資家の皆様へ
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本資料に掲載されている情報は、信頼できると思われる情報に基づいて作成時点での見解で作成しておりますが、これらによって
生じるいかなる損害や不利益について、当社では責任を負いかねます。
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、情報の被提供者自身による判断でお
決め下さい。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論
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お客様にご負担いただく外国株式委託手数料等について
(1)委託取引の場合
外国証券の外国取引にあたっては、取引口座に応じて以下の委託手数料(税込)をいただきます
対面口座: 売買代金に対し、最大 0.8640%(2,700 円に満たない場合は 2,700 円(買付けの場合のみ))
インターネット口座 「ブルートレード」: インターネット発注 2,160 円/コールセンター発注 4,320 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエル株はコ
ールセンター発注のみ)
コンサルティングネット口座「アイザワプラス」: インターネット発注 6,480 円/コールセンター発注 12,960 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエ
ル株はコールセンター発注のみ)
(2)国内店頭取引の場合
外国証券の国内店頭取引の場合は、所定の手数料相当額を含んだお客様の買付け及び売却の単価を当社が提示いたします。
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外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料及び公租公課その他の賦課金が発生します。外国取引に係
る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額を予め記載することができません。
外国証券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものと
します。
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商 号 等 : 藍澤證券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 6 号
(本社)東京都中央区日本橋 1-20-3
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当社が契約する特定第一種金融商品取引業務に係る指定紛争解決機関
:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMAC)