フェーズエンジニア・スキル基準 (PDFファイル:952KB)

フェーズエンジニア・スキル基準 1/31
資格認定評価制度
フェーズエンジニア・スキル基準
Revision 1.0
2009年12月
組込みソフト産業推進会議
資格認定評価制度検討部会
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本 成 果 物 に つ い て は 、 組 込 み ソ フ ト 産 業 推 進 会 議 ホ ー ム ペ ー ジ
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変更履歴
Revision
日付
1.0 2009.12.11
内容
新規策定
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作成者
資格認定評価制度
検討部会
フェーズエンジニア・スキル基準 4/31
目
次
I. 概要 ........................................................................................................................................ 5
1. フェーズエンジニア・スキル基準の概要 ........................................................................... 5
2. フェーズエンジニア・スキル基準の必要性 ....................................................................... 5
3. フェーズエンジニア・スキル基準で期待される効果 ........................................................ 5
4. フェーズエンジニア・スキル基準では解決されない問題 ................................................. 6
II. フェーズエンジニア・スキルフレームワーク ................................................................... 7
1. 概要........................................................................................................................................ 7
1.1. フェーズエンジニア・スキルの定義 .............................................................................. 7
1.2. フェーズエンジニア・スキルフレームワークの構造 ................................................. 8
2. フェーズエンジニア・スキルカテゴリの説明.................................................................. 10
3 フェーズエンジニア・スキルレベルの説明 ...................................................................... 10
3.1. フェーズエンジニア・スキルレベルの定義 ............................................................... 10
3.2. フェーズエンジニア・スキルレベルの評価 ................................................................11
III. フェーズエンジニア・スキル基準 .................................................................................. 12
1. フェーズエンジニア・スキル項目 .................................................................................... 12
1.1. 技術要素スキル項目 .................................................................................................... 12
1.1.1. 携帯電話開発におけるスキル項目 ....................................................................... 13
1.1.2. デジタルAVプレーヤ開発におけるスキル項目 ................................................ 16
1.1.3. その他のスキルカテゴリ定義について ............................................................... 20
1.2. 開発技術スキルカテゴリ ............................................................................................. 24
1.3. 管理技術スキルカテゴリ ............................................................................................. 28
2. フェーズエンジニア・スキルの記述範囲 ......................................................................... 29
3. 継続的な見直し ................................................................................................................... 29
Ⅳ. フェーズエンジニア・知識カテゴリ ............................................................................... 30
1. フェーズエンジニア・知識カテゴリの説明 ..................................................................... 30
付録 ETSS との関連 ................................................................................................................ 31
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I. 概要
関西における組込みシステム受託開発における形態として、特定フェーズを分担する形
態が多く見られる。この形態における受発注時のエンジニアスキルの可視化に向けた「フ
ェーズエンジニア・スキル標準(以下、ETSS-KANSAIと略称する)」において、開発スキル
を体系的に整理するためのフレームワークがフェーズエンジニア・スキル基準である。
1. フェーズエンジニア・スキル基準の概要
スキル基準は、フェーズエンジニアによる開発に必要なスキルを明確化・体系化したも
のであり、受発注時における活用や人材育成に有用な指標(共通基準)を提供しようとす
るものである。
フェーズエンジニアによる組込みシステム開発に必要なスキルは多岐にわたるが 、スキ
ル基準では“技術”のみに着目し、ビジネスやパーソナルなどのスキルは定義していない。
これらについては、利用者側で必要に応じて追加するなどして対応することが望まれる。
2. フェーズエンジニア・スキル基準の必要性
組込みソフト開発においては、様々な業種ドメインが存在し、様々な開発形態が存在し
ている。関西における、代表的な業種ドメインのスキルを体系的に整理し、明確にするこ
とで、その業種ドメインにおける受発注の見える化を実現することが可能とな る。
3. フェーズエンジニア・スキル基準で期待される効果
スキル基準は、フェーズエンジニアによる製品開発における技術スキルを体系的に整理
するものである。体系的に整理されたスキルを利用し、 受発注におけるスキルの可視化や
効果的な人材の育成と活用を実現する。更にはエンジニアリングにおけるツールや情報と
しても利用できる。
(1)受発注時におけるスキルの可視化
受託開発の受発注において、発注側がスキル基準を共通言語として活用することにより、
受注側に対して必要なスキルを明確に示すことがで きる。受注側としても、発注側に対し、
自社のエンジニアのスキルを共通言語を使ってアピールすることができる。これにより、
発注側と受注側の双方が安心して契約できる様になり、ひいては力のあるソフトハウスの
新規参入が可能となり、業界の活性化に繋がる。
(2)人材育成
人材育成においては、スキル基準を用いることで育成ビジョンを示し、育成対象を明示
することが可能となる。また、育成状況の確認においては、育成前と育成後のスキルアッ
プが可視化され育成に関するモチベーションを確保することにも効果が期待できる。
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(3)人材活用
スキル基準は開発者個人や組織(企業やチームなど)のスキルを可視化するものであり
可視化された情報は、以下の様なシーンで活用される。
①計画 :経営戦略やプロジェクト計画の立案
②採用・調達 :上記「計画」に従った人材の採用・調達
③業務遂行 :上記「計画」に従い上記「採用・調達」された人材(スキル)による業務遂
行
④評価(*) :業務の遂行状況や結果を評価し、組織や個人の行動にフィードバック
* スキル基準を人材の評価や処遇に適用することについては、「スキルの可視化による企
業競争力の強化と人材育成」という本来主眼とする趣旨とは異なるものであり、場合に
よっては技術者のモチベーションを減退させ、結果としてマイナスインパクトを与えか
ねないということに充分留意が必要である。
(4)エンジニアリング
スキル基準は、開発プロジェクトの特性とスキルの関係を整理することから、開発にお
けるエンジニアリングのツールとして利用することができる。
例えば、開発プロジェクトで必要とするスキル(技術要素、開発技術、管理技術)の観
点で、リスクマネジメントをする際などに利用できる。開発プロジェクトにおいて、その
技術の特性(品質特性など)を評価・検討し、リスクの識別を含むリスクマネジメントを
実行する。
4. フェーズエンジニア・スキル基準では解決されない問題
スキル基準は一つの指標であり目的や戦略がなくその適用や測定を行っても、開発力強
化にはつながらない。この基準に基づくキャリア開発や教育への適用も同様である。
各企業や機関で目的や戦略を明確にしてこの基準を利用していただければ、有効な活用
が期待できる。
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II. フェーズエンジニア・スキルフレームワーク
1. 概要
1.1. フェーズエンジニア・スキルの定義
スキルとは熟練や技能と表現されることが多い。スキル基準では、スキルとは作業の遂
行能力を指し、「~ができること」を表現するものであり、知識を有するだけではスキル
とは扱わない。知識はスキルを発揮するために必要な構成要素で、特に業種ドメインに関
する製品知識と工学基礎知識はフェーズエンジニアに必要な知識である。スキルと知識の
関係は図Ⅱ.1.1-1のように示される。
スキル
基準
技術要素
工学 知 識
製品 知 識
開発技術
センサの
スキル
センサの
活用設計
熱力学
作業遂行能力
作業、行動
管理技術
○○工学
業種 ドメイン
の製 品知 識
業種 ドメイン
の工 学知 識
知識体系
ぎょ 図
Ⅱ.1.1-1 スキルと知 識の関係
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1.2. フェーズエンジニア・スキルフレームワークの構造
フェーズエンジニア・スキルフレームワークは、図Ⅱ.1.2-1のような構造をもち、業種ド
メイン毎の技術を整理することを目的としている。
ETSSやETSS-JMAABでは、フレームワークを提供するという目的から、 第2階層までを定
義し、第3階層は例として提供しているのみである。
ETSS-KANSAIでは、共通言語として活用することを目的としており、第3階層は例ではな
く、実際の項目として定義している。
ただし、これらの項目で全てを網羅できるものではないため、受発注の際に、本規約で
提示したスキル項目に対する過不足を明示(スキル項目の中から期待するものを明示する
と同時に、不足しているものを別途提示)するなど して活用することが必要となるであろ
う。
スキル
カテゴリ
↓
技術を体系的に整理
第1階層
第2階層
第3階層
説明
レベル1 レベル2 レベル3 レベル4
技術
要素
開発
技術
管理
技術
図 Ⅱ.1.2-1 スキルフレームワーク
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◆スキルカテゴリ
業種ドメイン毎に必要な技術を「技術要素」「開発技術」「管理技術」の 3つに区分し、
各々を階層的に整理するための起点
◆スキルレベル
階層的に整理された技術に対する作業遂行能力の期待値を4段階で表したもの。
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2. フェーズエンジニア・スキルカテゴリの説明
ETSS-KANSAIスキルフレームワークのスキルカテゴリは、業種ドメイン毎に技術を体系的に
分類・整理するための起点となる。
◆スキルを「技術要素」「開発技術」「管理技術」のスキルカテゴリで整理
技術要素:組込みシステムの機能を実現する技術項目を「技術要素」に分類する
開発技術:組込みシステムに各種技術要素を実装するために開発時に使用する技術項目
を「開発技術」に分類する
管理技術:組込みシステム開発を円滑かつ的確に進行させるために使用する技術項目を
「管理技術」に分類する
◆スキルカテゴリを起点として階層的に第1階層から第3階層(具体的スキル項目)へと組
込みシステムの技術を詳細・具体化する。
3 フェーズエンジニア・スキルレベルの説明
3.1. フェーズエンジニア・スキルレベルの定義
ETSS-KANSAIスキルフレームワークのスキルレベルは、各スキルカテゴリ共通の定義を持つ。
ETSSのスキルレベル定義と同じ定義とした。
<フェーズエンジニア・スキルレベル定義>
◆レベル4:最上級 新たな技術を開発できる
◆レベル3:上級 作業を分析し改善・改良できる
◆レベル2:中級 自律的に作業を遂行できる
◆レベル1:初級 支援のもとに作業を遂行できる
ETSS-KANSAIでは”~できる”の査証として”経験”を重 要視する。
以下に査証の例を示す。
<経験を加味した査証の例>
レベル4: 経験を体系化し、スキルを伝授することができる。
レベル3: リーダとして作業した経験があり、下位者の指導ができる。
レベル2: 自律的に作業した経験がある。
レベル1: 上位者の指導のもとに作業した経験がある。
検討過程においては、経験を加味した内容をスキルレベルの定義としようとしたが
、最終的にはETSSのスキルレベル定義に合わせ、スキルレベルとしては“~できる”の形
で定義し、経験の有無については“~できる”の査証として活用することとした。
これは、今後、IPA/SECのETSS導入推進者の認定を推進・拡大していく動きに絡み、ETSS
の定義に合わせることの方がメリットが大きいと判断したためである。
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また、スキルレベル1まで到達しておらず、知識のみを有している人材を
識別するために知識レベルとして以下の2つのレベルを定義した。
<フェーズエンジニア・知識レベル定義>
◆レベル2:学習(独学、研修など)により、知識がある。
◆レベル1:知識も経験もなく、わからない。
3.2. フェーズエンジニア・スキルレベルの評価
「スキル(業務遂行能力)がある」ということの要件を明確に定義するのが、スキル評
価要件である。個々のスキルについて、具体的な評価要件を提供するアプローチもあるが、
ETSS-KANSAIのスキルフレームワークでは共通的な評価要件を提供する。
◆ 技術要素
作れる:「与えられた環境の下で、○○技術要素を実現することができる」
→○○:技術要素名称
使える:「与えられた環境の下で、要求された機能を実現するために○○技術要素を組み
込むことができる」
→○○:技術要素名称
環境とは「仕様・条件・特性・事例・情報など」である。
◆ 開発技術
「□□を使って、△△ができる」
→□□:開発技術手法、開発ツール名称、△△:開発プロセス名称
◆ 管理技術
「□□を使って、△△ができる」
→□□:管理技術手法、管理ツール名称、△△:管理プロセス名称
評価要件で使用している「~ができる」には動作と知識に関する2つの視点が必要とな
る。「~ができる」ということは、実際に動作としての作業が行えるということを意味す
る。作業を行う際には、「正確性」や「効率性」などが基本的に求められ、更に適切な「状
況判断」といった応用力も求められる。
また、このような動作をするための前提として、作業に使用する手法やツールに関する
知識が必要となる。したがって、手法やツールを使う対象物や環境、手順などに関する知
識も必要である。
これらの動作や知識をチェックすることで「~ができる」ということを判断することが
できるようになる。
スキル評価は評価方法と評価体制、特に技術項目について高い知見を有しているかどうか
といった評価者の適格性が重要である。開発業務の実施状況からスキルのレベルをどのよ
うに評価するのかについて十分に検討し明示する必要がある。
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III. フェーズエンジニア・スキル基準
組込みシステム開発において、様々な業種ドメインに属するメンバが中心となり、共通
項と成りうるフェーズエンジニアに求められるスキル基準の検討を 進めてきた。本基準を
定義する上で配慮した点は、業種ドメイン毎の特異性を踏まえて検討すること、である。
1. フェーズエンジニア・スキル項目
このスキル項目定義は、組込み開発のフェーズエンジニアをイメージしてまとめた内容
である。内容はETSSを参考に設定を行った。
1.1. 技術要素スキル項目
本節では、携帯電話開発、デジタルAVプレーヤ開発における技術要素スキル項目を示し、
その他の機器開発における技術要素スキルの取扱いについて記載している。
携帯電話用、デジタルAVプレーヤ用として提示する技術要素は、それぞれ携帯電話やデ
ジタルAVプレーヤを開発するのに必要な技術要素を必ずしも網羅している訳ではない。し
かし、受発注の際に、発注側/受注側が、過不足を明示する事により、発注側/受注側の
共通言語として、利用できると考えられる。
例えば、発注側が発注の際に、本規約で提示した携帯電話用の技術 要素の中で、期待する
ものを明示すると同時に、本規約では不足している技術要素を別途提示することにより、
発注側の期待する技術要素をより具体的に、受注側に通知することができる。
また、受注側は、自分のアピールしたい技術要素を、本規約で提示した携帯電話用の技術
要素の中で明示すると同時に、本規約では不足している技術要素を別途提示することによ
り、自分のアピールしたい技術要素をより具体的に、発注側に通知することができる。
これらの行為を繰り返す内に、本規約で不足している技術要素が明らかになってくれば、
本規約自身を改訂して行くことになろう。
技術要素は、お互いに独立した意味合いが強いものであり、個々の技術要素に付きレベ
ルを設定可能であって、「1.1.1節で示す携帯電話用の技術要素に関するハイレベルな技術
者」という表現は、非常に曖昧になりがちであることに注意されたい。発注側も受注側も、
より具体的に、本規約で提示した技術要素のリストを交換する事により、互いの求める/
アピールしたい内容を明確にすることを心がけるべきであろう。
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1.1.1. 携帯電話開発におけるスキル項目
本節では、携帯電話開発における技術要素スキルを記載した。
表 Ⅲ.1.1.1-1 携帯電話開発における技術要素スキル
第1階層
第2階層
第3階層
説明
アナログ電話通信モデム
有線 WAN
DSL(ADSL など)
有線広域通信網に関する技術
光
Ethernet
有線 LAN・MAN
PLC
CAN/LIN
有線 Local Area Network, Metro
Area Network に関する技術
RS232C(Serial)
Standard(Serial)
I2C(Serial)
UART(Serial)
有線 PAN
USB(Serial)
有線 Personal Area Network に
関する技術
3線式(Serial)
IEEE1394
GP-IB(Parallel)
セントロニクス(Parallel)
PDC
通信
無線 無線 WAN
W-CDMA
無線広域通信網に関する技術
PHS
IEEE802.11
無線 無線 LAN-MAN
IEEE802.16(WiMAX)
IEEE802.20(MBWA)
IrDA
無線 無線 PAN
Bluetooth
無線 Local Area Network, Metro
Area Network に関する技術
無線 Personal Area Network に
関する技術
IEEE802.15
放送 テレビ・ラジオ放送
放送 データ放送
インターネット 透過的データ
転送
地上デジタルテレビ放送
FM ラジオ放送
GPS
VICS
TCP
UDP
データ放送に関する技術
インターネット通信、透過的デー
タ転送に関する技術
IP
HTTP
インターネット セッション
テレビ・ラジオ放送に関する技術
SMTP
インターネット通信、セッションに
関する技術
SIP
情報入力 タイプ入力補助
情報処理
情報入力 コード入力
カナ漢字変換
情報入力 タイプ入力補助に関
入力予測
する技術
バーコード
情報入力 コード入力に関する
QR コード
技術
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セキュリティ 暗号化
セキュリティ 著作権保護
データ処理 データ圧縮・伸長
データ処理 サーバーソフトウ
ェア
情報出力 マークアップ・ランゲ
ージ
情報出力 ビューア・ソフトウェ
ア
音声 データ処理
音声 圧縮・伸長
静止画 データ処理
静止画 圧縮・伸長
マルチメディア
動画 データ処理
動画 圧縮・伸長
統合 ネットワーク
統合 メディア
人間系 入力 キー入力
人間系 入力 座標入力
ユーザインタフェ
ース
人間系 入力 音声入力
人間系 出力 音声出力
人間系 出力 表示出力
メディア
ストレージ
インタフェース
ファイルシステム
DES
セキュリティ 暗号化に関する技
RSA
術
CSS
セキュリティ 著作権保護に関 す
る技術
CPRM
LHA
データ処理 データ圧縮・伸長に
ZIP
関する技術
HTTP サーバー
データ処理 サーバーソフトウェ
アに関する技術
FTP サーバー
HTML
情報出力 マークアップ・ランゲ
ージに関する技術
SVG
DVD 再生アプリケーション
画像ビューア・アプリケーショ
情報出力 ビューア・ソフトウェア
に関する技術
ン
PCM
MIDI
G.729
MP3
ノイズ除去
音声 データ処理に関する技術
音声 圧縮・伸長に関する技術
静止画 データ処理に関する技
補正
術
JPEG
静止画 圧縮・伸長に関する技
術
GIF
ノイズ除去
補正
MPEG2
H.264
Volp
VoD
DVD-Video
SD-Video
ボタン
動画 データ処理に関する技術
動画 圧縮・伸長に関する技術
統合 ネットワークに関する技術
統合 メディアに関する技術
人間系 入力 キー入力に関す
10 キー
る技術
マウス
人間系 入力 座標入力に関す
る技術
タッチパネル
マイク
ブザー・ビープ
人間系 入力 音声入力に関す
る技術
人間系 出力 音声出力に関す
る技術
サウンドデバイス
LED
人間系 出力 表示出力に関す
LCD
る技術
NAND 型フラッシュメモリ
ストレージ、メディアに関する技
術
DVD-ROM
ATA
ストレージ、インタフェースに関す
SCSI
る技術
FAT
ストレージ、ファイルシステムに関
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ext2
理化学系入力
計測・制御
計測・制御処理
理化学系出力
光センサ
温度センサ
メータ制御
行動制御
直流モータ
ステッピングモータ
演算器
プロセッサ プロセッサ・コア
プロセッサバス
する技術
理化学系入力に関する技術
計測・制御処理に関する技術
理化学系出力に関する技術
プロセッサ プロセッサ・コアに関
する技術
MMU
タイマ
プロセッサ プロセッサ周辺
DMA
プロセッサ プロセッサ周辺に関
する技術
WDT
ROM
プロセッサ メモリ
RAM
プロセッサ メモリに関する技術
EEPROM
プラットフォーム
基本ソフトウェア ブート
スタートアップ・ルーチン
技術
ブートストラップ
割り込み制御
基本ソフトウェア カーネル
基本ソフトウェア ブートに関する
スケジューラ
基本ソフトウェア カーネルに関
する技術
システムコール・サービス
支援機能 ユーザインタフェー
ス
支援機能 インタプリタ
支援機能 デバック機能
X-Window
オリジナルウインドウシステ
支援機能 ユーザインタフェース
に関する技術
ム
Java
支援機能 インタプリタに関する
技術
オリジナル言語
デバッガ
支援機能 デバック機能に関す
走行記録
る技術
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1.1.2. デジタル AV プレーヤ開発におけるスキル項目
本節では、デジタルAVプレーヤ開発における技術要素スキルを記載した。
表 Ⅲ.1.1.2-1 デジタルAVプレーヤ開発における技術要素スキル
第 1 階層
1
第 2 階層
1
有線
2
無線
3
放送
4
インター
ネット
通信
第 3 階層
Ethernet
光通信
USB
DSL
PLC
公衆無線 LAN サービス
802.11 a/b/g/n
WISPr
PPPoE
IrDA
Bluetooth
WiMAX
3G
WiFi 認証
TELEC 認証
地上デジタル放送
1セグ
IP 放送
OSI 基本参照モデル
TCP
UDP
IP v4
IP v6
ARP/RARP
DNS
DHCP
TFTP
LDAP
NTP
SNMP
HTTP/HTTPS
SSL(TLS)
IPSEC
メール関係(POP/IMAP/SMTP)
ストリーム関係
(RTP/RSVP/SCTP,MMS,RTSP)
DLNA
DTCP-IP
説明
WAN、LAN など有線通信技術
電気通信事業用無線、一般業
務用無線など無線通信技術
デジタル放送、アナログ放送な
ど放送技術
透過的データ転送、アプリケー
ションなどインターネット通信技
術
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2
3
情報処
理
マルチ
メディア
1
情報入
力
2
セキュリ
ティ
3
データ処
理
4
情報出
力
1
音声
2
静止画
3
動画
4
統合
SIP
モーションセンサー
仮名漢字変換
ポインティングデバイス
リモコン
タッチセンシング
ゼスチャー
カメラ
人感
音声入力
RFID
SSL(TLS)
DRM
AES
DES
VPN
ZIP
LHA
データマイニング
データベース(組込)
XML
XML
HTML
コンテンツビューア(オーディオ、
静止画、動画、ストリーム、
Web)
コンテンツ再生アプリケーション
WMA
MP3
AAC
音声加工
DirectShow
JPEG
JPEG2000
GIF
PNG
BMP
WMV
MPEG1/2/4
H.264
DirectShow
AVIN
FlashPlayer
Silverlight
データ入力,音声入力など情報
入力技術
暗号,著作権保護などセキュリ
ティ技術
圧縮,データベースなどデータ処
理技術
マークアップランゲージや文書
ビューアなど情報出力技術
データ処理,圧縮・伸張など音
声処理技術
データ処理,圧縮・伸張など静
止画処理技術
データ処理,圧縮・伸張など動
画処理技術
音声・画像などの統合処理技
術
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4
5
6
ユーザ
インタ
ー
フェー
ス
ストレ
ージ
計測・
制御
1
人間系
入力
2
人間系
出力
1
メディア
2
インタフ
ェース
3
ファイル
システム
1
理化学
系入力
2
7
プラット
1
計測・制
御処理
プロセッ
JavaFX
MTP
モーションセンサー入力
ポインティングデバイス入力
キーでのマウスエミュレーション
タッチパネル
生体認証(指紋、網膜、静脈)
視線感知
ボタン操作
LCD
スピーカ
バイブレーション
LED
NAND メモリ
NOR メモリ
CD デバイス
DVD デバイス
SD
SSD
BD
CF
HDD
ATA
S-ATA
SCSI
iSCSI
USB
FAT12/16/32
NTFS
ext2/3/4
JFS
XFS
UFS
CIFS
NetBIOS
NFS
輝度センサー
温度センサー
圧力センサー
静電センサー
赤外線センサー
ジャイロ
画像処理
CPU
ボタン,座標など人間系入力デ
バイス制御技術
表示,音声など人間系出力デバ
イス制御技術
リムーバブル,メモリなどストレ
ージメディア技術
リムーバブル,常時接続型など
ストレージインタフェース技術
ISO や OS ネイティブなどファイ
ルシステム技術
各種センサー系入力技術
PMT(Photomultiplier Tube)
座標・運動,信号処理などの計
測・制御技術
CPU,GPU などプロセッサ技術
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フォー
ム
サおよび
デバイス
GPU
FPGA
DSP
プロセッサバス
DMA
WDT
MMU
ROM
RAM
EEPROM
タイマー
Windows Embedded
組込み Linux
iTRON
T-kernel
Android
OAL
基本
2 ソフトウェ 割込み制御
ア
スケジューラ(プロセス、タスク)
SMP 制御
システムコール・サービス
ブートローダ
ネットワークブートローダ
デバイスドライバ
ウインドウズシステム
ソフトウェアアップデート
支援機 死活監視
3
能
リモート保守
HW 検査プログラム
ロギングシステム
JAVA
C
C++
C#
Visual Stadio
Eclipse
開発環
4
UML
境
ICE
デバッガ
JTAG ICE
ダンプ採取、解析
エミュレータ
シミュレータ
カーネル,ブートなど基本ソフト
ウェア技術
情報記録,情報収集など支援
機能技術
開発言語、開発環境、設計、デ
バッグツール活用技術
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1.1.3. その他のスキル項目定義について
前述の携帯電話およびデジタル AV プレーヤー以外にも、関西においては FA 機器や医療
機器の開発を行っている有力企業が多い。これらの領域に関するスキルの取扱いについて
記載する。以下に、一例として医療機器向け分析装置開発での技術要素スキル項目を示す。
表 Ⅲ.1.1.3-1
第 1 階層
1
通信
医療機器向け分析装置開発における技術要素スキル
第 2 階層
1
有線
2
無線
3
放送
4
インター
ネット
第 3 階層
Ethernet
パラレルポート
USB
RS-232C
TCP/IP(OSI7 階層)
TELNET
FTP
HTTP
HTTPS
規格
HL7
2
情報処
理
1
情報入
力
2
セキュリ
ティ
3
データ処
理
4
数値処
理
5
情報出
力
LAN および、パラレル、シリアル
有線通信技術
電気通信事業用無線、一般業
務用無線など無線通信技術
デジタル放送、アナログ放送な
ど放送技術
ASTM
5
説明
BCR(バーコードリーダ)
RFID
ファイル(バイナリ、CSV)
SSL
VPN
データベース(組込/大規模)
XML
統計処理
画像処理
ディジタル信号処理
数値計算
LED
ブザー
ファイル(バイナリ、CSV)
透過的データ転送、アプリケー
ションなどインターネット通信技
術
ASTM(American Society of
Testing and Materials)
E-1381-915)および
E-1394-916)、
HL7(Health Level Seven)等保
健医療情報交換のための標準
規格
情報入力技術
暗号などセキュリティ技術
XML(eXtensible Markup
Language)やデータベースなど
データ処理技術
統計解析や画像、信号処理等
数値処理技術
情報出力技術
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プリンタ
3
マルチ
メディア
1
音声
2
静止画
3
動画
4
統合
ユーザ 1
4 インター
フェース 2
5
6
7
ストレー
ジ
人間系
入力
人間系
出力
1
メディア
2
インタフェ
ース
3
ファイル
システム
1
理化学
系入力
2
計測・制
御処理
3
理化学
系出力
計測・
制御
プラット
フォー
ム
1
プロセッ
サおよび
デバイス
・JPEG/PNG/GIF/BMP
・タッチパネル
・パトライト
CD-R/DVD-R
RAID
CF
HDD
データ処理,圧縮・伸張など音
声処理技術
データ処理,圧縮・伸張など静
止画処理技術
データ処理,圧縮・伸張など動
画処理技術
音声・画像などの統合処理技
術
ボタン,座標など人間系入力デ
バイス制御技術
表示,音声など人間系出力デバ
イス制御技術
リムーバブル,メモリなどストレー
ジメディア技術
リムーバブル,常時接続型など
ストレージインタフェース技術
FAT
FAT32
NTFS
ext2
レーザー
PMT
圧力センサー
静電センサー
サーミスタ
画像キャプチャ/フレームグラ
バボード
アナログ/デジタルカメラ
ステッピングモータ
電磁弁
流体制御
DC モータ
フィードバック制御
ISO や OS ネイティブなどファイ
ルシステム技術
各種センサー系入力技術
PMT(Photomultiplier Tube)
座標・運動,信号処理などの計
測・制御技術
アクチュエータ,光,熱などの理化
学系出力技術
CPU
GPU
ROM
RAM
EEPROM
タイマー
CPU,GPU などプロセッサ技術
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基本
2 ソフトウェ
ア
3
補足
リアルタイムクロック
Windows Embedded
組込み Linux
リアルタイム OS
Windows
割込み処理
ブートローダー
デバイスドライバ
カーネル,ブートなど基本ソフト
ウェア技術
支援機
能
情報記録,情報収集など支援機
能技術
VC++/MFC
C#/.Net Framework
開発環
開発言語、開発環境、設計、デ
4
UML
境
バッグツール活用技術
ICE
SQL
Javascript
IIS
5 Web 環境
Web 環境開発技術
Flash
マルチブラウザ対応
ETSS の第 2 階層の項目の内、本ドメインにおいて不要なものは網掛けをした。
表 Ⅲ.1.1.3-1で医療機器用として提示した技術要素は、実際の開発現場からの声を反映
させたものであり、ある種の医療機器用の技術要素を網羅しているが、他の医療機器用と
して使用することは現実的でないように思われる。一般に、FA系/医療機器用の技術要素
は、ETSSで定義されている技術要素の(極端な)サブセットになっているケースが多いと
推測されるからである。携帯電話やデジタルAVプレーヤの場合との違いは、図Ⅲ.1.1.3-1
の様にイメージできる。
携帯電話、デジタルAVプレーヤ領域と
ETSSスキル領域との差異
FA系/医療機器における個別技術領域とETSSスキル領域との差
異
ETSSスキル領域
ETSSスキル領域
技術Fスキル領域
技術Aスキル領域
技術Eスキル領域
技術Bスキル領域
携帯電話スキル領域
デジタルAVプレーヤスキル領域
技術Dスキル領域
技術Cスキル領域
FA系/医療機器全体のスキル領域
図 Ⅲ.1.1.3-1 技術スキル領域のETSSスキル領域との差異の業種別比較
従って、FA系/医療機器用の技術要素は、本規約で提示した携帯電話用やデジタル AV
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プレーヤ用の技術要素から、必要技術を明示しつつ(多分それは、極端なサブセットにな
ることもあるだろう)、不足する技術を別途提示する事が必要と思われる。
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1.2. 開発技術スキル項目
本節では、携帯電話およびデジタル AV プレーヤー開発における開発技術スキル項目を
記載したが、必ずしも網羅している訳ではない。しかし、受発注の際に、発注側/受注側
が、過不足を明示する事により、発注側/受注側の共通言語として利用できると考えられ
る。携帯電話およびデジタル AV プレーヤー以外の業種ドメインについては T.B.D.である。
表 Ⅲ.1.2-1
第 1 階層
1
システ
ム
要求分
析
第 2 階層
1
要求の獲
得と調整
2
システム
分析と要
求定義
3
システム
分析と要
求定義の
レビュー
1
2
システ
ム
設計
ハードウ
ェアとソフ
トウェア
機能およ
び性能分
担の決定
ソフトウ
ェア
第 3 階層
現行システムの問題点の把
握
新しい要求に関する情報収
集と分析
制約条件の把握・要求内容
の整理
調整
要求内容の分析
システムの機能
性能等の定義
テスト方針、要求事項の設定
システム要求仕様書の作成
ユーザ要求への追跡性検討
ユーザ要求との一貫性検討
実現性の検討
レビューと評価
システムアーキテクチャの明
確化
システム要求事項の割り振
り
データ辞書設計
システム適格性確認テスト
の計画・仕様書作成
システム方式設計書の作成
実現可能
性の検証
2
とデザイ
ンビュー
3
開発技術スキル
1
ソフトウェ
ア要求事
システム要求事項への追跡
性検討
システム要求事項との一貫
性検討
品目・運用・保守の実現性
検討
シミュレーション・レビューと
評価
要求モデル作成
ソフト/モデルへの要求割振
説明
・インタビュー手法、マーケティン
グ手法など
・RFP (request for proposal)、
契約など
・モデリング手法、分析手法、要
求定義
・システム適格性確認に対して
・レビュー手法、インスペクション
手法など
・システム設計・運営・保守
・システム要求仕様書
・設計手法、性能見積もり、
FMEA/FTA (Failure Mode and
Effect Analysis/Fault Tree
Analysis)、ソフトウェア見積り、
知的財産権他
・モデリング手法、インタフェース
設計、品質設計(機能性、信頼
性、効率性)
・ツール、テストシナリオ、クリティ
カル・ハザード・リスク分析など
・レビュー手法、インスペクション
手法など
・割り振られた機能を満たすモ
デル
・モデリング手法、シミュレーショ
ン技術
・システム方式設計書、テスト仕
様書に対して
・モデリング手法、分析手法、要
求定義など
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要求分
析
項の定義
2
4
5
ソフトウ
ェア
方式設
計
ソフトウ
ェア
詳細設
計
1
ソフトウェ
ア構造の
決定
2
ソフトウェ
ア構造の
デザイン
レビュー
1
6
ソフトウェ
アの詳細
設計
要求事項とテスト仕様書の
レビュー・評価
ソフト/モデルの構成設計(コ
ンポ、I/F 等)
ライブラリ設計、データ設計、
モデル設計
モデルのテストデータ作成
ソフトウェア構造設計書の作
成
テスト計画とテスト設計
シミュレーション
構造設計書のレビューと評
価
離散化、量子化
モジュール化
モデリング記述
組込みモデル作成
テスト設計
2
ソフトウ
ェアコー
ド
ソフトウエ
ア要求事
項の評
価・レビュ
ー
り
ソフト/モデルに要求される
機能
性能の定義
ソフトウェアとモデルのインタ
フェース定義
データの定義
要求事項の設定とテスト仕
様書作成
ソフトウェア要求仕様書の作
成
要求事項への追跡性検討
要求事項との一貫性検討
実現性の検討
シミュレーション
1
ソフトウェ
アの詳細
設計のレ
ビュー
プログラ
ムの作成
とプログ
C コード
Java コード
シミュレーション
モデル解読・モデルから組込
コード生成
単体テスト仕様の設計
・実現可能性、性能、制約条件
・ソフトウェア適格性確認テスト
の方針に対して
・システム要求事項と設計の整
合
・モデル設計・運用・保守
・モデリング手法、シミュレーショ
ン技術
・レビュー手法、インスペクション
手法など
・性能、信頼性設計、フォールトト
レラント、 知財権、再利用など
・RCP
・モデルカバレッジ測定ツール
・制御仕様とモデルの一致性確
認、レビュー手法、インスペクショ
ン手法など
・設計手法、設計ツール、実時間
性設計など
・モデリング手法、インタフェース
設計、品質設計(機能性、信頼
性、効率性)
・テストシナリオ作成、クリティカ
ル分析、ハザード分析、リスク分
析など
・レビュー手法、インスペクション
手法など
・モデリング手法、ツールとコン
パイル機能
・プログラミング手法、テスト手
法、カバレッジ測定、シミュレーシ
ョンなど
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作成と
テスト
ラムテスト 自動コード生成
項目の抽
データ生成
出
テストデータ設計
コードレビ
静的/動的解析
ューとプ
規約チェック
ログラム
モデルとコードのレビュー
2 テスト項
目のデザ
コードとテスト仕様のレビュ
インレビュ
ー
ー
シミュレーション
7
3
プログラ
ムテスト
の実施
1
ソフトウェ
ア結合テ
スト仕様
の設計
ソフトウ
ェア
結合
2
8
ソフトウ
ェア
適格性
確認
テスト
1
2
9
システ
ム
結合
1
2
ソフトウェ
ア結合テ
ストの実
施
ソフトウェ
ア適格性
確認テス
トの準備
とレビュ
ー
ソフトウェ
ア適格性
確認テス
トの実施
テスト項
目抽出と
テスト手
順の決定
およびレ
ビュー
システム
結合テス
各種テスト
ソフトウェア結合テスト仕様
の設計
ソフトウェア結合テスト仕様
のレビュー
シミュレーション
実装確認・レビューと評価
テスト計画と仕様の更新
・プログラミングツールおよび環
境
・レビュー手法、インスペクション
手法、静的・動的解析など
・自動テストデータ生成
・IPA 組込みソフトウェア開発向
けコーディング作法ガイド[C 言
語版]、社内規約などに対して
・モデルとコードの一致性確認
・組込みコードと単体テスト仕様
・コードカバレッジ、モデルカバレ
ッジ測定
・ブラックボックステスト、ホワイト
ボックステスト、限界値
・境界値テスト
・ICE、開発環境、スクリプト、テス
トツール、回帰テスト
・テスト設計手法、カバレッジ測
定、シミュレーション
・エミュレーションなど
・テストツール、ICE、アナライザ、
回帰テストなど
・コードカバレッジ測定
・容量、実行時間、割り込み処理
チェック
・レビュー手法、インスペクション
手法、受け入れテストなど
テスト計画と仕様のレビュー
・レビューと評価
システム結合テスト仕様の
設計
・テストツール、ICE、アナライザ、
回帰テストなど
・レビュー手法、インスペクション
手法など
システム結合テスト仕様のレ
ビュー
システム結合テストの実施と
評価
・テストツール、ICE、アナライザ、
回帰テストなど
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トの実施
10
システ
ム
適格性
確認
テスト
システム
適格性確
1 認テスト
の準備と
レビュー
システム
適格性確
2
認テスト
の実施
シミュレーション
実機確認
テスト計画と仕様の更新ま
たは設計
・各種入力の取込み、各種出力
の動作確認
・レビュー手法、インスペクション
手法、受け入れテストなど
テスト仕様のレビュー
システム適格性確認テスト
の実施と評価
・テストツール、回帰テスト、適合
ツール
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フェーズエンジニア・スキル基準 28/31
1.3. 管理技術スキル項目
本節では、携帯電話およびデジタル AV プレーヤー開発における管理技術を記載したが、
必ずしも網羅している訳ではない。しかし、受発注の際に、発注側/受注側が、過不足を
明示する事により、発注側/受注側の共通言語として利用できると考えられる 。携帯電話
およびデジタル AV プレーヤー以外の業種ドメインについては T.B.D.である。
表 Ⅲ.1.3-1 管理技術スキル
第 1 階層
第 2 階層
第 3 階層
説明
プロジェクト計画書の策定
統合
1 マネジメン プロジェクト計画の実行
ト
プロジェクト進捗管理
プロジェクトの立上げ
スコープ記述書の制定
スコープ スコープマネジメント計画の
2 マネジメン 策定
成果物の検収
ト
スコープの変更管理
タイム
3 マネジメン
ト
1
プロジェ
クト
マネジメ
ント
コスト
4 マネジメン
ト
品質
5 マネジメン
ト
中間成果物とタスクの定義
各タスクの実行順序の設定
各タスクの所要時間の見積
り
スケジュールの作成と管理
所要リソースの見積り
コスト管理計画の作成
予算の設定
コスト管理
品質管理計画の策定
品質システムの構築と運用
品質の管理
組織管理の制定
必要な要員の調達
組織メンバへの育成
管理計画の策定
プロジェクト情報の展開
プロジェクトの進捗管理
・WBS、EVM、会議運営メソドロ
ジ、レビュー手法など
・変更を計画書へ反映
・WBS、変更管理など
・プロジェクト憲章の作成
・プロジェクトの目的・成果物を
明確化
・プロジェクトの担当組織・変更
手順の明確化
・各段階での実施手順
・パート図、ガント図、見積り手法
など
・中間の各段階で定義
・ROI、ROE、見積り手法、EVM な
ど
・所要コストの見積り
・監査、故障解析、統計的手法、
傾向分析など
組織
6 マネジメン
ト
コミュニケ
ー
7
ション
マネジメン
プロジェクト報告書の作成
ト
リスクの特定
リスク
リスク分析と識別
8 マネジメン
ト
リスク対応計画の作成
・チームビルディング、OBS など
・責任分担表、組織編成表など
・育成活動
調達管理計画の策定
調達
マネジメン 契約管理
・企画、調達先選定、契約、実績
管理など
9
・情報配布手法など
・プロジェクトの終了手続
・リスク分析、デシジョンツリー分
析、リスク等級など
・定性的/定量的な分析
・リスクの予防策と発生時対策
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フェーズエンジニア・スキル基準 29/31
ト
アクティビティの設定
開発プロ 開発プロセス実行計画の作
1
セス設定 成
アクティビティごとのレビュー
特許知識
知財
2 マネジメン 知的財産権の侵害回避
ト
知的財産権の取得
開発プロ
セス
2
開発環境
マネジメ
3 マネジメン
ント
ト
環境管理計画の策定
開発環境の構築、維持・修
正
ルールの構築、維持・修正
設備導入と保守
4
構成管
理・
変更管理
構成管理計画の作成
構成識別体系の確立
構成の変更管理
構成の評価
リリース管理
・システム開発プロセス設定、レ
ビュー設定など
・関連法規、管理システムなど
・知的所有権(著作権など)
・企画、設計、構築、運用管理
・開発環境の構成及び整備
・ガイドライン、ワークフロー、チェ
ックツールなどの作成
・ガイドライン、ワークフロー、チェ
ックツールなどの維持・修正
・識別、統制、記録、監査など
2. フェーズエンジニア・スキルの記述範囲
スキル基準で定義する技術の範囲は、携帯電話およびデジタル AV プレーヤー開発で共
通的に利用されるものを想定している。これらについては ETSS のスキル基準では第2階
層までしか定義されていないものを第3階層まで詳細化したものになっている。医療機器
向け分析装 置に関す る 技術要素ス キルは特定 の応用ドメイ ン向けに なっているが 、 ETSS
のサブセットになっていると見なせる。それ以外の各企業や応用ドメインで利用される固
有の技術に関しては扱っていない。
このような固有の技術スキルに関しては、各企業や応用ドメインの団体・グループにて
標準化を行い、固有スキルの扱いを検討して欲しい。技術スキルの流出による競争力低下
が懸念される場合には非公開で運用するべきである。逆に広く技術スキルを公開し、企業
が必要とするスキルを持った人材の獲得を実現することや、ETSS-KANSAI 共通のものと
してスキル基準に反映することも可能である。
3. 継続的な見直し
組込みソフトウェア開発における急激な技術変化や進展に対して、スキルの項目や価値
は一定でなく刻々と変化し続けていくことが想定できる。当スキル基準においても、スキ
ルの体系的な整理として継続的かつ適切に内容の妥当性を検証し、柔軟な改訂を行ってい
くこととする。
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フェーズエンジニア・スキル基準 30/31
Ⅳ. フェーズエンジニア・知識カテゴリ
1. フェーズエンジニア・知識カテゴリの説明
携帯電話開発やデジタル AV プレーヤ開発のように幅広い技術が必要な業種ドメインに
ついては、知識カテゴリの範囲が広くなりすぎるため定義することが非常に難しい。よっ
て、ここではあえて定義しないものとする。
FA/制御機器や医療機器関連については、狭い特異な領域においては定義 可能である。
以下の図Ⅳ.1-1 に医療機器向け分析装置に関するサンプルを示す。ただし、これは、あく
までも医療機器向け開発における一部分でしかなく、全ての知識カテゴリを表すものでは
ない。
表Ⅳ.1-1 医療機器向け分析装置に関する知識カテゴリ
第1階層
1
2
工学基礎
知識
製品に関連
する知識
第2階層
熱力学
流体力学
運動力学
機械
電磁気学
電子工学
ソフトウェア
7
工学
8
制御工学
数学・
9
工業数学
10
統計学
11
人間工学
1
2
3
4
5
6
第3階層
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
説明
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・一般工学基礎
・血液学
・臨床検査
・血栓・止血・循環器
・免疫・生化学
・がん
1 臨床検査・診断
・腎臓
・泌尿器
・感染症
・血液形態学
・血液疾患
・FDA
・薬事法/保険点数
・IVD指令
2 法規制・規格
・IEC62304
・CLIA・精度管理手法
・ISO15189/ISO13485など
FDA: Food and Drug Administration
IVD指令: In-Vitro Device Directives
CLIA: Clinical Laboratory Improvement
Act
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フェーズエンジニア・スキル基準 31/31
付録 ETSS との関連
○
「組込みスキル標準
No.
本スキル基準
項番
1
Ⅰ
2
Ⅱ-1.1
3
4
Ⅱ-1.2
Ⅱ-2
5
Ⅱ-3.1
6
Ⅲ
7
Ⅲ-1.1
8
Ⅲ-1.1.1
9
Ⅲ-1.1.2
10
Ⅲ-1.1.3
11
12
Ⅲ-1.2
Ⅲ-1.3
13
Ⅲ-2
スキル基準 Version 1.2(2007 年 6 月)」に準拠して作成した。
「組込みスキル標準
ETSS からの拡張
スキル基準 Version 1.2」
または変更部分
オリジナル部分
1~4 の節分類
記述は仕立て直した。
スキ ル と知 識 の関 係 に つい て 言及
スキルの定義
した。
スキルフレームワーク
第 3 階層まで定義した理由に言及。
スキルカテゴリの説明
第 3 階層まで定義する。
経験を重視する記述を追加。
スキルレベル
知識レベルの定義を追加。
最初 に 、業 種 ドメ イ ン 毎の 特 異性
-
に配 慮 して 検 討し た こ とを 明 記し
た。
対象 と した 業 種ド メ イ ンの 記 載と
技術要素スキルカテゴリ 本規 約 を受 発 注に お い て 活 用 する
ための考え方を明記した。
第 3 階層まで定義した携帯電話開
-
発に お ける 技 術要 素 ス キル を 記載
した。
第 3 階層まで定義したデジタル AV
-
プレ ー ヤー 開 発に お け る技 術 要素
スキルを記載した。
その 他 とし て 医療 機 器 向け 分 析装
置開 発 にお け る技 術 要 素ス キ ルを
-
記載し、制御/FA 機器開発における
スキル基準の考え方を記載した。
開発技術スキルカテゴリ 第 3 階層まで定義した。
管理技術スキルカテゴリ 第 3 階層まで定義した。
定義した業種ドメインを明記し
スキル基準の記述範囲
た。
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