スポーツニュートリションとしてのL-カルニチン(PDF:296KB)

スポーツニュートリションとしての L-カルニチン
ロンザジャパン株式会社
王堂 哲
新しいスポーツ栄養学と L-カルニチン
前回本誌で、L-カルニチンの生理機能や食品素材としての応用可能性について概観した(Vol.46(10))。今
回は特にスポーツニュートリションとの関連にスポットをあてて話題提供を試みたい。
とはいえ本稿を準備するに際していく人かの専門家からご教示を受け、あるいは改めて関連のある文献を
参照するうち、L-カルニチンのスポーツとのかかわりについて考えて行くことはそれほど単純なことではないこ
とを改めて認識させられることとなった。特に、糖質や脂質、あるいはアミノ酸をめぐるスポーツ生理学につい
ては古典的で体系的な知見が確立されているといえる半面、これまで常識とされてきたことが少なからず通用
しなくなってきている面もあるのである。もうひとつの難しさは、特に日本ではこれまで食品として利用されるこ
とのなかった L-カルニチンがスポーツ栄養学の観点からはそれほど留意されてこなかったという事情にある。
生体内の量的な点(成人一人あたり体内保有量約 20 グラム)から見ても無視できないこの多機能分子はアセ
チル CoA を介して、糖質および脂質の分解・合成系の双方に相当密接な接点を複数有している。従って私が
今般試たいと感じたことは、最近スポーツ栄養学で確立されつつある新しいエネルギー代謝の生化学に L-カ
ルニチンの全体像を重ね合わせ、いくらかでも動的で統一的な見通しを得ることである。
1.エネルギー代謝の「ハブ」としての L-カルニチン
L-カルニチンの生理機能について説明する際、最もオーソドックスなものは「長鎖脂肪酸のミトコンドリアへ
の運搬に必須の成分」というものである。しかし、スポーツニュートリションというテーマにあってはこの定義だ
けではきわめて不十分である。そこでより普遍的に、L-カルニチンとは「コエンザイム A(CoA)との間でアシル
基を交換する基質である」という定義を提案してみたい。このように考えると、L-カルニチンは CoA の存在する
ところにすべからく関与する分子としてとらえることができるようになる。そして CoA こそが脂質、糖質、アセチ
ルコリン、マロニル CoA、コレステロールなどの重要な多くの代謝の分岐点でサーバーのように働いている分
子であることを考え合わせると、そのカウンターパートといえる L-カルニチンもまたこれらの代謝におけるもう
一方の「ハブ(Hub)」として多様な働きを演じていることが予想される。
2.アセチル CoA の主要な生成起源
アセチル CoA の起源は、主として解糖系からもたらされるピルビン酸に由来するものおよび脂肪酸のβ-酸
化産物として生成するものが考えられる。さらに、解糖系起源のものは「寄り道なし」で直接グルコースからピ
ルビン酸を経てくるものと、いったん乳酸として蓄積されていたものが TCA サイクル側に放出されてくるものに
大別される。以下、CoA の生成に関するこれら 3 つの主要ルートを踏まえながら話を進めて行きたい。
3.スポーツ時の身体状況に応じた L-カルニチンの役割
「スポーツをしたときの身体状況」といってもこれがまた一筋縄では行かない。その運動が短距離走のような
一過性で激しいものか、フルマラソンのような長時間タイプのものかによってかなり事情が異なる。さらにその
中等度の 1500 メートル、10000 メートル競技もあればウルトラマラソンやトライアスロンのように大変過酷な条
件のもの、また球技や武道のように瞬発力と持久力の双方がアト・ランダムに要求されるスポーツもある。こ
れに加え、その競技者がいわゆるトップアスリートであるか一般の市民スポーツ愛好家かという違いも無視で
きないものである。従って、「スポーツ栄養素としての L-カルニチン」などといってみてもフェアに見れば見るほ
ど一言でオールマイティーな関係を論ずることは困難になり、いくぶん複雑なインストラクションを提案しなけ
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ればならなくなる。
しかし、あえて単純化して考えてみると、
① 糖質、脂質、アミノ酸などのうち、どの栄養素を用いるのが理にかなっているか
② 日々のトレーニングの量をどれだけ増やせるか
③ 日々のトレーニング効率をどれだけ上げられるか
④ 単シーズンあるいは複数シーズンを通じてのトレーニング効率をいかに向上させるか
などの諸点にポイントを要約できる。
さらにそのベースに、
⑤ 疲労をどのようにマネジメントするか
という課題を考慮しつつ、各々の運動負荷の特性に応じて以下に考えてみたい。
4.短距離走などの場合
短距離走などの(いわゆる)嫌気的運動においては選択の余地は少なく、まずクレアチンリン酸系が重要で
あるし、次いで解糖系からの ATP 供給がポイントとなることは周知のとおりである。ところがこれは本番のレ
ースという瞬間をとって考えてみた場合の話であって、このほんの 10 秒足らずから数十秒までの短時間の
競技に際しては当然日々のトレーニング
の積み重ね(これは長時間に及ぶ)が重
要である。L-カルニチンはこの場合、日々
のトレーニングや試合後のケアにとって
重要な栄養素と考えられる。中でも最も
注視すべき役割は、乳酸の速やかなエネ
ルギー化にある。図 1a に示すように、急
激な運動は一時的にピルビン酸から乳酸
の蓄積という形で現れる。乳酸そのもの
が疲労の原因物質でないことは近年の研
究がさまざまな角度から解明してきている
ところであるが、局所的な乳酸の高濃度
化はいわゆるアシドーシスを惹き起すの
でこの種の運動においてはできれば速や
かに体内分散化を図ることが好ましい。こ
の目的で実際に行われることは競技後に
急に運動を停止するのではなく、緩やか
な運動をしばらく継続し、滞留傾向にある
乳酸を TCA サイクルに導いてATPに変換
してしまうことである。そもそもグリコーゲ
ンの急激な分解にアセチル CoA 以下
TCA 回路の処理能力が追いつかなかっ
たことに起因して乳酸が蓄積してきたわ
けである。別の言い方をすれば、私達の
身体は急激な運動を要するときに、一時
的に乳酸の形で代謝中間体をストックす
ることによって糖質からのエネルギー調達を継続できる仕組みを備えているのである。生化学的にはアセチ
ル CoA 濃度の上昇によりピルベートデヒドロゲナーゼ系が阻害された結果ピルビン酸が蓄積、これが M4 型
ラクテートデヒドロゲナーゼによって還元されて乳酸が蓄積する。ここで L-カルニチンがアセチル CoA からア
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L-カルニチンは筋肉細胞内から血中に移行できる。したがって、遊離 CoA が増えることにより蓄積した乳酸
から逆にピルビン酸を経てアセチル CoA が再び生じることとなり、結果的に乳酸が減少する(図 1b)。時とと
もにグリコーゲンの激流的な分解が穏やかになるにつれ、アセチル CoA は TCA 回路に合流できるようにな
る。そうすると、先に生成したアセチル L-カルニチンは再び逆の反応によって CoA にアセチル基を転移して
自らは遊離の L-カルニチンに復元する。この一見迂遠なアセチル基の受け渡しであるが、実際に激しい運
動時に体内で起こっていることが、血中における乳酸濃度の減少、アセチル L-カルニチンの化学量論的な
増加として確認されている 1)(ただし、血中乳酸量の測定結果に関しては測定のタイミングや負荷のかけ方、
採血箇所の違いなどによって必ずしも変化量として現れないこともあり、論文データの参酌にはそれなりの
留意が必要である)。時に体力の限界を超えて激し
い運動を行うことで知られる競走馬でも同様な現象
が見られ、極度の筋肉疲労によって歩行困難に陥る。
この現象はスクミ(英語で tying up)と呼ばれてサラブ
レッドの休養牧場における治癒対象となるものであ
るが、近年日本でも L-カルニチンの投与によりこの
症状の緩和を図ることが行われている。参考までに
競走馬における L-カルニチンのアセチル L-カルニチ
ンの転換を表すデータを示す(図 2)。
以上述べた現象は L-カルニチンがアセチル基の
緩衝剤として働いているため、「L-カルニチンのアセ
チルバッファー作用」とも呼ばれているものである。アセチルバッファーは見方を変えれば乳酸のエネルギー
への転換を促進するプロセスとみなすこともできる。
5.中長距離競技
従来の認識では前述の短距離走などを無酸素運動、中長距離走を有酸素運動と区別し、前者のエネルギ
ー源をグリコーゲン、後者を脂肪といったふうに捉えることが多かった。しかし、現代のスポーツ科学によれば
車のギアチェンジを行うように段階的にすっぱりと代謝経路が切り替わるということではなく短距離走といえど
も有酸素的な燃焼が関係すること、また中長距離
といえどもグリコーゲンに対するエネルギー依存
が大きいことなどが説かれている
2)3)
。あるいは、
中長距離におけるエネルギー源の選択は運動時
間ではなく、LT(Lactate Threshold 乳酸性作業閾
値 ) や
OBLA ( Onset
of
Blood
Lactate
Accumulation)などの指標を目安とした運動強度
に依存するという。後者は 1~2 時間運動時に血
中乳酸濃度 4mMを与える運動強度と定義される。
前項のべたM4型ラクテートデヒドロゲナーゼは基
質であるピルビン酸濃度 3mMで最大活性を発現
するとされ、オーダー的にもLTという現象とおよそ
符合する説明が可能と考えられる。
中長距離での L-カルニチンの働きとしては筋肉内での長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの運搬促進に基づく脂
肪燃焼が主務とみなせる。脂肪燃焼過程のボトルネックプロセスを解消することによって結果的にエネルギー
源としての糖質の節約が行われ、特に長距離走の後半の場面で温存されていたグリコーゲンが利用できるこ
とになる 4)5)。体感としては「後半のスタミナ」がついたと感じられるようになる。また、心臓ではグリコーゲンより
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も脂肪に依存する割合が大きいといわれる。L-カルニチン摂取により運動負荷に対する心拍数が低減したと
する報告例を挙げる(図 3)。
.
L-カルニチンの過去研究例においては最大酸素摂取量(VO2max)の向上を示す研究例がいくつか知られて
いるが、筆者は今後むしろ「L-カルニチンによるLTの向上」に関する可能性の検討が必要なのではないかと
思っている。
中長距離のトレーニングを積むことにより、遅筋、速筋あるいはその中間型の筋肉構成比に変化が現れ、ミ
トコンドリアや毛細血管、MCT(モノカーボハイドレートレセプター)などの数が増えるという
2)5)
。このような知
見に接してみると、陸上競技というのは細胞レベル、オルガネラレベルでの肉体改造であることに改めて気づ
く。そして、とりわけミトコンドリア量の増加は L-カルニチンの脂肪燃焼過程との間にいくらかの相乗的な効果
を表すものと期待される。逆に言えば、被験者が一般の(特にトレーニングをしていない)人であるか、運動負
荷に十分適応した肉体の持ち主であるかによって実験結果も大いに左右されるはずである。L-カルニチンの
論文には 1980 年代 90 年代に専ら現象面を記述するにとどまっているものが少なくないので、最新の知見をも
とに過去データを再考することにより新たな発見がもたらされる可能性も十分考えられるところである。
6.トライアスロンやウルトラマラソンの場合
このカテゴリーではどういう記録を出すかということよりも、むしろ年間に何回大会に参加できるかとかレース
を完遂できるかといったことが興味の主眼となる場合も多い。つまり、完走を可能にするエネルギーの調達を
どのようにするかという課題とともに、肉体の破綻をいかに食い止めるかが切実な問題である。あまりに長時
間の負荷をかけすぎた場合にマクロには膝関節を傷めるとか、生爪がはがれるとかいうトラブルはもとより、ミ
クロには骨格筋の随所で細胞が物理的な磨耗や破断を受けるとともに活性酸素によるダメージをふんだんに
被るはずである。あるいは血球細胞や神経細胞、免疫細胞もストレスを受け、かなり抵抗力に欠けた、病的と
いってよい状況に陥ることもある。
ここでは L-カルニチンは過酸化脂質に由来する活性酸素の間接的な除去(細胞損傷の防止)、糖質源が枯
渇に瀕した後の脂肪の完全な燃焼によるエネルギーの産生、さらにそれに続く(筋肉など)構造タンパク質を
分解しながらの「炭素源としてのアミノ酸の燃焼」などに重要な役割を負う。活性酸素によるネガティブな影響
はキサンチンオキシダーゼ、マロンジアルデヒドの血中濃度として、また筋肉細胞の損傷は筋肉中から血中
に漏出してくるミオグロビン、クレアチンキナーゼ、脂肪酸結合タンパクの血中濃度変化などをバイオマーカー
として測定することにより推定することができる。L-カルニチン L-酒石酸塩の摂取によりこの傾向が有意に緩
和されることが米国の Volek らによって示されている 7)。
活性酸素によってダメージを被るケースのほか、自己分解的に筋肉細胞を消化し、タンパク質由来のアミノ
酸を燃料として利用することも筋肉の損傷の原因となる。生体はエネルギー源としては糖質(およびその代謝
中間体としての乳酸)や脂質を用いるほか、窮乏時にはケトン体も重要な素材となる。それでも追いつかない
場合に外来のアミノ酸を燃焼し、最終的には自己の細胞を取り崩して凌ごうとする。驚くべき適応性ではある
が、本来タンパク質の合成に充当すべきアミノ酸を食いつぶすことは、もとより有利なことではない。したがっ
て可能な間は L-カルニチンによって脂肪が優先利用され、それによってひいてはアミノ酸の取り崩しを最小限
に抑えることが可能になる。これが、前述の筋肉細胞の保護に間接的につながっているものと推定される。因
みに、鉄人レースほどではなくとも、あまり運動しない人が土日などに普段使わない筋肉を使ったりすると、そ
こで生じる筋細胞の損傷はいわゆる筋肉痛となってあらわれる。L-カルニチンを使用したときに比較的共通に
感じられる体感はこの筋肉痛の緩和であり、アスリートではない筆者なども往々経験するところである。
サプリメントとして摂取した大量のアミノ酸は筋肉の自己融解物よりはずっと容易に燃焼に用いられるものと
考えられる。アミノ酸が燃焼するときのステップとしてはデアミナーゼやトランスアミナーゼによってアミノ基が
外れ、α-ケト酸が生成する。このα-ケト酸はミトコンドリア内で燃焼過程に繰り込まれるが、ここでも細胞質
からミトコンドリアへの運搬には L-カルニチンが一定の役割を担う。
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7.「抗疲労」と L-カルニチン
疲労というあまりにも身近な、それでいて定量化の困難な現象をスポーツと L-カルニチンの立場から以下も
う一度整理することで、本稿のまとめに変えたい。
第一は、運動中にいわゆる体力が続かなくなる状態である。物質変化としてはATP量の枯渇、ADPやリン
酸の増加、ホスホクレアチンの減少などとして発現する。乳酸量の変化もひとつの指標となる。この場合パワ
ーの持続を栄養化学的に行うことが疲労の具体的なマネジメントの方法となる。L-カルニチンで脂肪を少しで
も優先的に燃焼させることができれば、血糖やグリコーゲンを節約することになり、この種の疲労の招来を遅
延させられる可能性がある。また間接的に乳酸のエネルギー化をスムースにする働きも期待される。アミノ酸
の燃焼プロセスにおいて生じるα-ケト酸をミトコンドリアに運搬することも炭素源のセーブに間接的に寄与す
る。
第二は、筋肉痛の防止や回復に対する効果である。この場合の疲労というコトバはいわゆる「金属疲労」「疲
労骨折」などというときのそれに近い。しかし原因は前述の通り、筋肉細胞の微視的な損傷(炎症)である。そ
してその損傷は過酸化物によって被るダメージと、筋肉細胞の取り崩し的な分解による損壊、そしてアミノ酸
から筋肉細胞(タンパク合成)への修復過程の不活性化などに分類された。L-カルニチンはこのいずれに対し
ても有意に働くことができる。
またこの他、慢性疲労症候群の患者血清にはアセチル L-カルニチン濃度が低いという発見 8)をもとに、疲労
と L-カルニチンとの直接的な関係について中枢神経系との相互作用の観点から検討することが、わが国でも
目下多面的に進められている。
おわりに
L-カルニチンの摂取がスポーツに与えるメリットについてはたとえば、1 日あたり 1 グラムの摂取を 120 日間
行った場合 9)、あるいは 2 グラムを 28 日摂取した場合に現れる
10)
等々の事例で報告されている。このような
L-カルニチンの活用方法から発想されていたことは、試合までの所定期間、所定量の L-カルニチンを毎日摂
取することにより、本番のレースでのパフォーマンスを向上させるという類のものであったと思う。しかしながら
最近の L-カルニチンの科学はもう少し幅の広い解釈を可能にしている。Wutzke らにより 2004 年に発表され
た論文によれば、経口摂取した L-カルニチンは摂取後 2 時間から 6 時間に最も高い効率で脂肪燃焼を促進
する
11)
。またこのタイムスパンは L-カルニチンの血中濃度の変化ともほぼ一致する
12)
。この事実の示唆する
ところによれば、L-カルニチンの作用は摂取後数時間にATPの産生が行われることを意味するから、この時
間範囲に日常のトレーニングを行えば合理的であると考えられる。このATPの調達を肉体のパフォーマンス
(記録)の向上に振り向けるか、あるいは疲労の防止や回復に充当するかは競技の種類や個々人のコンディ
ションによってケースバイケースに選択し得る。今日の疲れを明日に残さないことは、トータルに見れば単回
の効果というよりもシーズンあるいは年間を通じたトレーニング効率の向上を意味する。例えば、4 年に 1 回の
オリンピックにおいては 4 年間の継続的かつ合理的な練習メニューの実行が重要であるし、サッカーや野球、
競走馬などでもシーズン通じての出場率がまず前提として求められる。「無事これ名馬」という通り、筋肉に支
障をきたさないことは名選手名馬の条件である。
アインシュタインのことばに「科学の全体は、日常的な思考の練成に他ならない」というものがあるが、これを
スポーツにあてはめれば「競技成績の全体は、日常的なトレーニングの積み重ねに他ならない」といってみる
ことができるだろう。運動生理学の知見が深まるにつれ、L-カルニチンの生理機能についても新たな観点が
見いだされ、さらに革新的で合理的な用法が深められることを期待したい。
引用文献
1)
Siliprandi, N. et al. Exercise Physiology, McGraw Hill (1990)
2)
「乳酸を活かしたスポーツトレーニング」八田秀雄著、講談社サイエンティフィク刊(2001)
3)
「エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング」八田秀雄著、講談社サイエンティフィク刊(2004)
「スポーツニュートリションとしてのL-カルニチン」
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4)
Gorostiaga EM. Int. J. Sports. Med .10 169 (1996)
5)
Ibd.
6)
Quantitative immunohistochemistry; myosin heavy chain (MHC) isoforms (Harmeyer J. et al. in preparation)
7)
Volek J. S. et al., Am. J. Physiol Endocrinol Metab 282 : E474-482 (2002)
8)
Kuratsune H. et al. Int, J. Mol Med. Jul 2(1) : 51-56 (1998)
9)
Arenas J. et al. Muscle Nerve 14 : 598-604 (1991)
10)
Neary JP et al. Eur J Appl. Physilo 65 (1): 30-36 (1992)
11)
Wutzke K. D. et al. Metabolism 53 (8) : 2004, 1002-1006
12) Rizza V. et al. L-Carnitine and its Role in Medicine : p.63-77 Academic Press Ltd (1992)
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