PDF版

論文作成のための Microsft Word2007 活用 第2回
1版 最終更新日:12/22/2009
論文作成のための Microsoft Word2007 活用 第2回
1.脚注の挿入
論文の構成要素として,一番重要なのが本文であるのは言うまでもないですが,脚注も非常に重要な
役割を担っています。
文献引用,データの出典,本文ではしきれない説明の追加・・・
学会誌への投稿などでも,脚注の使い方はかなり厳密に決まっています。つまり,脚注は論文を構成す
る欠かせない要素であるといえます。
個別の脚注の入れ方は,分野によって異なりますので,ここではスマートな脚注の「使い方」につい
て説明をしていきます。
(1)Wordでの脚注の挿入方法
Word での脚注挿入には,脚注(ページ末脚注)と文末脚注の二種類があります。
脚注の挿入方法は,両者とも共通しています。本文の脚注を入れたい部分にカーソルをあわせ,リボ
ンの「参考資料」タブを開きます。
「脚注の挿入」は脚注(ページ末脚注)に,
「文末脚注の挿入」は文
末脚注に対応しています。
「脚注(ページ末脚注)」を例に説明すると,下図の「脚注の挿入」をクリッ
クします。脚注を書くスペースが出てきますので,必要な内容や引用文献を記述します。
仮に脚注番号‘1’と‘2’の間に脚注を挿入すると,自動的に‘2’が‘3’変わります。
1
論文作成のための Microsft Word2007 活用 第2回
1版 最終更新日:12/22/2009
(2)脚注の表示方法
「脚注(ページ末脚注)」であれば,文書作成中にだいたい同じ画面に見えますが(ミニノートなど
では見えない場合もあります)
,「文末脚注」で脚注を挿入していくと,通常画面(「印刷レイアウト」)
だと文章の前と末尾を‘行ったり来たり’しなくてはなりません。本文と脚注の対照関係を見ながら文
書作成する方が,より効率的です。
■個別に注を表示する
文末脚注の例で説明しましょう。例えば 10 頁程度の文書があったとして,1頁目の注の内容を見た
い場合,通常ですと 10 頁目までスクロールする必要があります。しかし,注を挿入した箇所(番号の
前後)にカーソルをあわせ,リボンの「参考資料」→「脚注」の「注の表示」をクリックすれば,該当
番号の注へ飛びます。
反対に,注の箇所でリボンの「参考資料」→「脚注」の「注の表示」をクリックすると,本文の脚注
挿入箇所へと戻ります。
■画面を分割し,本文・脚注を表示する
本文の内容を確認しつつ,また,一つの注だけでなく前後の注を見渡して文章作成をする場合,個別
の注を‘行ったり来たり’するのは不便です。本文と注が同一画面上で両方表示されるようにすると,
よりスムーズな論文作成ができます。
この方法は,
「アウトラインモード」か「下書きモード」に切り替えてから行います。
「アウトラインモード」で説明をすると,表示を切り替えてから(リボンの「表示」→「文書の表示」
の「アウトライン」
)
,リボンの「参考資料」→「脚注」の「注の表示」をクリックするだけです。する
と次のような画面になります。本文または注のどちらかの画面スクロールすると,対応する箇所が表示
されるように他方の画面がスクロールします。
2
論文作成のための Microsft Word2007 活用 第2回
1版 最終更新日:12/22/2009
本文部分
注部分
(3)脚注⇔文末脚注の変換と書式の変更
「
(ページ末)脚注」
「文末脚注」は,一括で相互変換が可能です。論文執筆時は「(ページ末)脚注」,
提出時は「文末脚注」にするのが一般的ではないでしょうか。
仮に「
(ページ末)脚注」で書き進めたとして,「文末脚注」に変更する方法を紹介します。「文末脚
注」⇒「
(ページ末)脚注」も同じ方法でできます。まず,リボンの「参考資料」の「脚注」の矢印(下
図)をクリックします。
出てきたダイアログボックスで,
「変換」をクリックし,「脚注を文末脚注に変換する」で「OK」を
クリックします。あとは,元のダイアログボックスで「閉じる」をクリックすれば完了です。
≪POINT≫「書式」の「番号書式」を選択することで,注番号の書式を変更できます。通常,文末脚注はローマ数
字になっていますので,ここで算用数字に変更しておくとよいでしょう。
3
論文作成のための Microsft Word2007 活用 第2回
1版 最終更新日:12/22/2009
2.相互参照(クロスリファレンス)の設定
論文の脚注の中で,
「前掲注○○参照。
」のような形で既述の脚注を参照する場合があります。やっか
いなのは,論文編集の途中で注番号が増減した場合,○○の部分を都度修正しなければならないことで
す。相互参照(クロスリファレンス)を使えば,注番号がずれても,常に同じ箇所の脚注を参照するこ
とができます。
下の事例,注 24 の末尾に,
「および,前掲 15」という相互参照を挿入する方法を説明します。
リボンの「挿入」タブ,リンクの「相互参照」をクリックします。
出てきたダイアログボックスで,「参照する項目」を‘脚注’に(文末脚注であれば‘文末脚注’を
選択)
,
「相互参照の文字列」を‘脚注番号’とし,出てきたリストの中から目的の脚注(ここでは 15)
を選択します。そして,
「挿入」をクリックします。
4
論文作成のための Microsft Word2007 活用 第2回
1版 最終更新日:12/22/2009
ただし,これだけでは,注の番号がずれても「前掲 15」の表示は変わりません。注の番号が変わった
あとで,フィールドの更新をする必要があります。これを忘れると,設定が無駄になってしまいますの
でご注意を。
方法は,相互参照を挿入した箇所にカーソルをあわせて,
「F9 キー」を押します。注の番号が一つ前
へずれた場合,下のように変更されます。
≪POINT≫もし,全ての相互参照を一括で変更したい場合は,脚注のどこかにカーソルをあわせ,「CTRL キー
+A」のショートカットキー(すべて選択)を使い,脚注部分を全て選択した状態で「F9 キー」を押せば,全ての相互
参照が更新されます。
※図中で使用された Word 文書は,福本拓「1920 年代から 1950 年代の大阪市における在日朝鮮人集
住地の変遷」
『人文地理』56 巻 2 号,2004 年,pp.154-169,の著者原稿です。
(著者 特別研究員 福本
拓)
5