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Brexit:(ブレグジット:英国の離脱)
その中身と英国および世界にとっての意味合い
マーク・ウィルズ
アジア太平洋インベストメント・
ソリューション・グループ ヘッド
国民投票は英国民のEUに対する賛否入り混じ
った感情を反映
果たして英国は欧州連合(EU)に留まるべきなのでしょうか。それと
も離脱すべきなのでしょうか。
これこそが、ブレグジット(「英国の離脱」)論争の核心とも言える
問いかけなのです。今現在、英国はEUの単一市場に参加してはいる
ものの、自国の通貨を維持すると同時に、EUのパスポートなしの自
由移動圏には参加していません。こうした状況は6月23日の国民投
票を境に変わる可能性があります。
デービッド・キャメロン首相は、2015年の再選に向けた選挙運動の
中でEUに残留するかどうかを決する国民投票の実施を約束しまし
た。キャメロン首相が国民投票を約束した背景には、英国民がEU
加盟に対して抱いてきた疑念の歴史がありました。EU加盟に関して
保守派を2分する議論が少なくとも25年は続いてきました。野党労
働党は当初EU加盟に反対していましたが、最後には妥協しました。
英国が前回EU加盟に関する国民投票を実施したのは1975年のこと
です。
キャメロン首相は2016年2月に、ユーロを導入していない国の利益
を保護すること、上訴する権利、非ユーロ通貨の明示的な認知、そ
れから英国在住のEUからの移民に対する福祉の受給制限といった
問題に関わる譲歩をEUから引き出しました。
残留あるいは離脱の可能性
6月23日の国民投票に掛けられる問いかけは、次のようなものです。
「英国は欧州連合の加盟国として留まるべきか、それとも欧州連合
を離脱すべきか。」 有権者は「欧州連合の加盟国として留まる」
か、あるいは「欧州連合を離脱する」かのいずれかを選択します。
EU加盟に反対する申立てをしているのは、公式のEU離脱派団体
「Vote Leave(離脱に投票せよ)」です。Vote Leaveが訴えている
のは、英国の独立国家としての主権喪失、欧州への財政移転、それ
にEUに対する国際的な影響力の喪失です。規制を減らして貿易の
拡大を目指すVote Leave は、EUが官僚的かつ非効率的で、余りに
も行動が遅く、生産性の向上を阻害しているだけだと主張していま
す。Vote Leave は、欧州になだれ込むシリア難民の問題に対して
EUの諸機関が効果的に対応できていないことも示唆しています。1
Vote Leave は当初他のブレグジット推進団体が掲げる反移民の
論点を避けていましたが、よい職を探そうと英国に流れ込む不法
移民の増加を英国民が恐れるようになるにつれ、姿勢を変えてき
ているようです(フランスのカレーから英国に渡ろうとする不法移
民は日常茶飯事になっています)。Vote Leaveは、現政権が公約
通り年間の正味移民者数を10万人にまで削減できるとは考えてい
ません。実際に、2015年に正味移民者数が史上最高を記録したの
です。2
EU残留派の視点は、公式には「英国は欧州でより強くなる)」と
表現されています。この団体はブレグジットが英国の失業者を増や
すことになると強調しています。
5月初めの世論調査の結果はどっちつかずの接戦になっています。5
月3日に実施されたICMによる世論調査では、44%対45%、11%が未定
という結果でした。3
経済と政治が受ける影響
EUを離脱すれば、英国の経済が縮小し、国際金融センターとしての
ロンドンの地位を弱めることになり、同国を傷つけることにもなり
かねません。経済的な側面を見れば、英国はEUとの間で巨額の貿
易黒字をあげており、2016年2月には史上最高を更新する4など十分
な利益を得ています。英国財務省は、EU離脱は英国の経済産出量
を低下させると推計しています。5 他にも問題はあり、EUが金融取引
税を導入すればユーロ建て金融取引を決済する上でロンドンにとっ
て試練となります。
英国がEUから離脱すれば、EUから世界的な影響力が失われます。
英国には頼りになる軍隊と米国との外交関係を始め各方面にわた
る外交上の影響力があるのです。英国には強固な民主主義、開放
的で現代的な経済、それに先進的な教育制度があります。ブレグジ
ット推進派が成功すれば、2014年の欧州議会選挙で大きな投票率
を獲得した欧州の反EU政党を勢いづける可能性もあります。一言
で言って、ブレグジットはEUを弱体化することになるでしょう。
EU離脱を支持する国民投票結果になれば、金融市場のボラティリ
ティは否応なく高まるでしょう。英国はMSCIワールド指数のうちの
7%以上を占めています。6英国の国債市場は巨大であり、英ポンド
が広くトレードされていることから、ボラティリティは英国外に伝播
するものとみられます。市場は不確実性を嫌います。
「離脱」投票
は市場にとって無益だと思われます。
1
Vote Leave Take Control のウェブサイト、http://www.voteleavetakecontrol.org/
2
国家統計局、英国内務省
FT のウェブサイト: https://ig.ft.com/sites/brexit-polling/
3
4
英国国家統計局ウェブサイトおよびトレーディング・エコノミクス・ウェブサ
イト。
5
英国財務省の分析: EU加盟の長期的経済上の影響と代替案、2016年4
月。
6
MSCI, 2016年4月29日現在。
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