世界的長寿郷の食生活

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全日本鍼灸学会雑誌,
2003年第53巻5号,
588-600
第52回 全日本鍼灸学会学術大会(香川)
特別講演Ⅲ
世界的長寿郷の食生活
森下 敬一
国際自然医学会会長
司会:越智久男(第52回全日本鍼灸学会実行委員長)
要
旨
・1975以降、森下世界的長寿郷調査団は、毎年2∼3回の頻度で「世界三大長寿郷(コー
カサス、フンザ及
び南米・ビルカバンバ)」の実地調査を実施してきた。
・1984年――新疆ウイグル特に南疆が「第四の世界的長寿郷」であることを認定した。
・1987年――コーカサス、中央アジア、パミール高原周辺(フンザを含む)及び南疆
の北緯40度前後、東 西8000kmに及ぶベルト地帯を「絲綢之路・長寿郷」と命名し、
第16回・自然医学・国際シンポジウム
に於いて研究発表を行った。
・1991年――広西壮族自治区・巴馬の実地調査を試み、是が「第五の世界的長寿郷」
である事を認定した。
世界の百歳長寿者達は、シルクロード沿いのベルト状地帯に多く存在し、幾つかの共
通項があることが判明した。主食が挽きぐるみの未精白穀物であり、竈に貼り付けて焼
くこと。生まれた土地を離れず、その土地で収穫できる作物を食していること。文明の
侵襲を受けていない長寿郷では、土壌→食物→身体の生命エネルギーが循環していた。
キーワード:シルクロード長寿郷、ナン、エーケンス、土塩、氣能値、生命エネルギー
循環
皆さん、こんにちは。森下でございます。本日
ドを用いて、4時間の講義内容を1時間に圧縮して
は、全日本鍼灸学会香川大会にお招き頂き大変に
お話致しますので、お含みおき頂きたいと存じま
ありがたく思っております。
す。
先月私は、韓国の名門校である朝鮮大学校で12
最初の写真はユーラシア大陸全体を現しており
時間にわたって講義を行ってまいりました。朝鮮
ます。西洋文明はユ−ラシア大陸辺縁の平野部に
大学校は、ソウル大学と肩を並べる有名な大学で
あり、文明は大陸の周辺から浸食を始めていきま
すが、教授を仰せつかり前期の講義に招かれた次
す。
第です。
いわゆる西洋文明は、生態系を破壊する一方通
私独自の「血液理論」「癌理論」そして「長寿
行の文明であり、反生命文明であります。従って
問題」の3つのテーマに分け、大学院生を対象に
各4時間ずつ12時間の講義を致しました。本日は
欧米の文明がある所に「長寿」は存在しません。
ヨーロッパ・アメリカは勿論のこと、日本にも
その時に使用した「世界的長寿郷」関係のスライ
本当の意味での「長寿」は存在しません。
〒113-0033 東京都文京区本郷1-7-3 唐木ビル3F
Karaki Bldg., 1-7-3, Hongo, Bunkyo-ku 113-0033, Japan
2003.11.1
森下 敬一
その点、ユーラシア大陸中央部は、厳しい自然
環境に阻まれ西洋文明が余り入って来ておりませ
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新疆ウイグル自治区につきましては、後程スライ
ドでご説明致します。
ん。まだ文明に浸食されていないユーラシア大陸
もう一つ重要なのが、ベトナムと中国の国境付
中央部にのみ、本当の意味での長寿が存在すると
近にある広西壮族自治区という地域であります。
いうことです。
この地域に巴馬瑤 族という少数民族の集団があり
ヤオ
28年前から開始した私共長寿郷調査団の経緯を
まして、調査の結果、巴馬も百歳長寿者を多数輩
簡単にご説明致します。
1970年当時、コーカサス地方のグルジア共和国
出しており、私共は「第五の長寿郷」と認定致し
ました。
が世界一の長寿郷であるという考えが支配的でし
このように新疆ウイグル地区を「第四の長寿郷」、
たので、私も早速グルジアへ飛び長寿調査を開始
巴馬を「第五の長寿郷」と認定し、私共が国際的
致しました。
に発表致しましたので、中国の新疆ウイグル自治
通称アジアの西方に、カスピ海と黒海が見られ
区と広西巴馬が世界的に有名になり、今や「世界
ます。カスピ海は完全に湖でありますが、黒海は
五大長寿郷」と呼ばれるようになったという、い
トルコのボスポラス海峡を通って外海につながっ
きさつがございます。
ております。カスピ海と黒海の間にコーカサス山
余談ではありますが、「カスピ海ヨーグルト」
脈があり、山脈の南側にグルジア、アルメニア、
なるものにつき、グルジアの長寿者が常食し、長
アゼルバイジャンの各共和国があります。先ずこ
の三国から私共は調査を始めることに致しました。
寿をもたらす食物であるかのような誤った情報が
流れておりますので、一言つけ加えさせて頂きま
しかし、私共調査団だけの力では調査進行は叶わ
す。
ぬ話であり、当時の旧ソ連科学アカデミーや地元
グルジアという国は、黒海に面しております。
長寿学研究所の協力を得て約20回に亘って調査致
カスピ海に面しているのは、コーカサスではアゼ
しました。
ルバイジャンという国です。「グルジアの長寿者
ことに、グルジア共和国にある長寿科学研究所
達が食べているグルジアから持ってきたヨーグル
所長・ピッツヘラウリー教授と大変に意気投合し、
ト」であるならば、正確には「黒海ヨーグルト」
全面的支援を得て、コーカサス山脈南側に点在す
であって、「カスピ海ヨーグルト」というのは誤
る長寿村を1つ残らず片端から調査したわけです。
りです。それにも拘らず、カスピ海ヨーグルトと
コーカサスの他に長寿郷として重要な地域が二
箇所あります。一つはパミール高原です。パミー
名付けられ、堂々と日本の社会を罷り通っている
という、全くいい加減な状況があります。しかも、
ル高原の東側にタクラマカン砂漠が広がっていま
日本で流行しているカスピ海ヨーグルトと称する
す。パミール高原から東に延びているのが天山山
物は、はっきり申し上げて、グルジアの百歳長寿
脈で、南には崑崙山脈があります。この一帯が中
者達が常食している「マツォーニ」というヨーグ
国の西域にある新疆ウイグル自治区であります。
ルトとは似て非なるものです。私共がコーカサス
当時、新疆ウイグル自治区への外国人入域は認
地方、特にグルジアの調査を行なった時は、必ず
められておらず、1984年、世界で初めて中国政府
長寿者のお宅でマツォーニをご馳走になり、一部
の特別許可を得て、私共がこの地域の医学的学術
を頂いてホテルに持ち帰り自分の部屋で培養しま
調査を開始致しました。
す。毎日自分の部屋でも食べておりましたので、
当時一般的には、コーカサス、フンザ(現・パ
キスタン)、ビルカバンバ(南米・エクアドル)
肉眼的にも、長寿者達が召し上がっていた「マツォー
ニ」がどういう食物であるのか、はっきり判別出
が世界の三大長寿郷と呼ばれておりましたが、新
来ます。現在日本で流行っている「カスピ海ヨー
疆ウイグルを調査した結果、大変な長寿郷である
グルト」は、百歳長寿者達が召し上がっている物
ことが判明致しました。そこで私共は新疆ウイグ
ではありません。日本で言えば、町中のスーパー
ル自治区を「第四の長寿郷」と認定致しました。
マーケットで売られている普通のヨーグルトの一
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図1 シルクロードの地図
種であり、召し上がったところで、百歳長寿間違
卓並べ、学術講演や長寿食パーティーを行ないま
いなしという事は決してあり得ない、とお考え頂
した。写真の講演者は、当時非常に有名だったア
きたいと思います。
メリカのサティロラ博士です。博士の著書『私は
玄米食でガンを治した』がアメリカでベストセラー
この地図(図1)はシルクロード部分を赤く強
調して描いたものです。
カスピ海、黒海。それからタクラマカン砂漠、
そしてパミール高原があります。シルクロード沿
いに長寿郷が存在しているという事実は、20年以
になりました。日本にお招きし、講演して頂きま
した。
次の写真(図2)は、1983年の調査時にグルジ
アで撮影しました。
上の長期間、長寿調査を実施して初めて判った事
この方(上段・左端)はヤソン・シェロズイさ
です。大体北緯40度辺りに広がるシルクロード沿
ん(男性105歳)。何回も訪問し、親しくさせて頂
いのベルト状地帯に、世界的な長寿郷が点在して
いた方です。大変な愛煙家で、普段は強いトルコ
いた、というわけです。
たばこを吸っていました。私はいつも日本のたば
こをお土産に1カートンずつ差し上げていたので
この写真は、私共が1979年から毎年開催してま
すが「日本のたばこは吸った気にならん」と言っ
いりました「国際シンポジウム」会場です。
ておられました。
私の長寿郷調査報告は勿論ですが、自然医学の
学術報告の場として東京・赤坂プリンスホテルの
こちらの方(上段・中央)は、テオ・カシワー
ゼさん(女性107歳)です。カシワーゼさんと再
クリスタルパレスで、毎年世界各国の自然医学に
会した時に杖を持っておられたので、「どうされ
携わる諸先生方を招聘してご講演頂き、過去20回
たのですか」と尋ねると「つい10日程前に山から
主催して参りました。
転げ落ちて、足首の骨を折った」という返事でし
会場には10人づつ座れるテーブルを、90∼100
た。その話を聞いて実に驚きました。カシワーゼ
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図2 黒海沿岸の“保養地”グルジア
さんは107歳なのです。10日前に山へ柴を取りに
しておりましたが、遠距離の上、険しい道に阻ま
登り、足を踏み外し急な坂を転げ落ちて、足を骨
れ1日1軒しか調査出来ません。いくら時間があっ
折したということでした。 カシワーゼさんは、
ても足りず、地元の有力者にお願いして10人の百
「生まれてからこのかた風邪一つひいたことがな
いのに、足の骨を折るなんて、全く107年目の不
歳長寿者の方々に私共が宿泊していた招待所(日
本流に言えばホテル)へ集って頂きました。おか
覚だった」と言われました。その言葉が印象に残っ
げで、長寿調査が大変はかどりました。この百歳
ています。
長寿者の方々と私の間に3人か4人(家族の方→ウ
イグル語→北京語→日本語)の通訳が入りました。
これは、1985年度の「国際シンポジウム」プロ
例えば「昨日の朝何を召し上がりましたか?」
グラムの表紙で、写っておられるのは、中国・新
と伺いますと、ご老人方はいっせいに「ナンとチャ」
疆ウイグル自治区に生まれ育った10人の百歳長寿
と返事をされました。「ナン」というのは後程出
者の方々です。
て参りますが、世界的長寿郷において共通して召
この前年に中国政府から「新疆ウイグル地区は、
し上がっている主食のパンです。「チャ」という
原則として外国人入域禁止だが、貴方達は特別だ
から」、と特別入域許可を得まして、1984年の春
のは、正にお茶であります。ただし日本の緑茶と
は違い、緑茶を発酵させて真っ黒になった黒茶で
と秋、そして1985年春…というように連続して長
す。中国には、紅茶、緑茶、黒茶、白い茶、黄色
寿調査を行ないました。
い茶など多種類のお茶がありますが、百歳長寿者
最初はパミール高原の東麓にあるカシュガルと
いう有名な町で一軒一軒長寿者宅をジープで訪問
の方々は黒茶を飲んでいたわけです。「それでは、
お昼はなんですか?」と質問しましたら「ナンと
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チャ」。「夜はなんですか?」と聞いても「ナンと
いして、食生活は他の長寿郷と全く同じであり、
チャ」です。そこで「今朝はなんでしたか?」と
ナンを主食とし野菜を副食しておられることが明
伺ってみると、やはり「ナンとチャ」なのです。
確になりました。日本で言えば「玄米と野菜」中
しまいには、通訳の返事を待たずにご老人達が発
心の食生活に終始しておられたのです。
する言葉を聴いただけで、その答えが理解できる
下の写真は、縦穴式竈にナンを貼り付ける作業
ようになりました。
をしているところです。粘土で出来た竈の底に炭
かなり標高が高いカシュガルでは、長期間農作
物の収穫の無い季節があります。温室栽培もせず
火を熾しておき、竈の内側にナンを貼り付けて焼
きます。竈の内側にナンを貼りつけるため、竈に
化学肥料も一切使わず、全部自然栽培で農作物を
縦穴があいており、丁度穴の中に上半身を突っ込
作っていますから、調査時の5月は、まだ収穫物
んでいる状態です。炭火の熱が粘土或いはレンガ
の無い時期だったのです。従って野菜が収穫出来
に伝わり、遠赤外線が輻射されてパンを焼き上げ
る時は食べるのですが、出来なければ「ナンとチャ」
るわけです。
だけで過ごすのです。ひと冬「ナンとチャ」だけ
の生活でも、ご老人たちは百歳を通り超して元氣
1990年度の国際シンポジウムで、世界各国の百
に生活しておられたという事実を目の当たりにし
歳長寿者達の生活における共通項として、規則的
ました。
労働、大家族主義、主食中心の食生活をあげ、写
次の写真(図3)は、天山南路のアクス県で撮
真(図4)で報告しました。
こちらの方は、南米エクアドルの有名なカルメ
りました。私の左隣におられるのが、アクス県で
ン・アルディアン・カマチョさん(女性)で、
長寿ナンバー2のダウチ・イーミンさん(男性)、
1848 年6月8日生まれです。数年前に亡くなられ
118歳の長寿者です。ダウチ・イーミンさとお会
ましたが、154歳位までの生存は確認しています。
図3 アクス、トルファンの写真
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私は、二十数年前に、この方が畑で仕事をしてお
物の「マツォーニ」は、1982年と85年、モスクワ
られる所へ訪ねて行き、小一時間作業を拝見させ
経由で日本に大量に持ち帰り、日本の牛乳に移植
て頂きながら会話を致しました。
いたしました。北海道から九州に至る全国から、
写真右上部に写っているのが、主食のナンです
生の牛乳を東京に集め、その生の牛乳に「マツォー
ね。ナンの作り方の重要ポイントは、小麦、又は
ニ」を加え、そして増殖させることが出来るかど
玉蜀黍の粒を、食事の都度、毎回、必ず石臼で挽
うかを実験致しました。結果は、1本もつきませ
くことです。文明人のように、どうせ同じ物を食
べるのだから1週間分作り置きをする、というよ
んでした。「マツォーニ」の種菌に原因があるの
では無く、日本の牛乳自体が本来の牛乳とは異質
うな横着な考え方はしません。朝・昼・晩その都
の物質になっているということです。牛の飼料に
度、小麦や玉蜀黍の粒の中に含まれている生命エ
諸々の化学薬剤が含まれており、牛乳にまで残存
ネルギーが逃げない程度の荒碾きにし、その場で
するそれ等の化学薬物の痕跡によってマツォーニ
焼き上げて「碾き割のパン」にします。
の菌が死滅してしまいます。長寿者達が飲用して
右最上段に写っているのが、グルジアの長寿者
いる極めて純粋な種菌は、日本の牛乳の中では完
達が飲んでいる「マツォーニ」という飲物です。
全に死滅してしまいます。またグルジアの気候風
最初に申し上げましたように、今流行っている
土に適合し、純粋であるが故に、日本の環境下で
カスピ海ヨーグルトの類の飲物には、長寿者は見
は非常に培養の難しいヨーグルトでもあります。
向きもしないでしょう。日本人が、グルジアの百
歳長寿者達が飲用しているヨーグルトだと思い込
従って、逆に日本で「カスピ海ヨーグルト」が繁
殖しているということは、日本の公害物質一杯の
んで、町中で見られる極く普通のヨーグルトの一
牛乳でも生存できる雑菌に近い一般的な乳酸菌の
種を摂取しているところに問題があるのです。本
ヨーグルトである、と考えられるべきでしょう。
図4 規則的な労働、主食中心主義、大家族主義の写真
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写真右側には、各地域で作られている各種のナ
きの碾き割を塩水で練り薄く伸ばした生地)を作
ン焼きの竈が写っています。世界的長寿郷として
り、さらに延べ棒で延ばして、竈の内側に写真の
有名であったフンザの竈、上の方がグルジアの竈
ように貼り付けます。底の方に炭火を起こして熱
ですね。それから、新疆・アクス、新疆・クチャ
・・・
の竈です。天山南路のシルクロード沿いをしらみ
・・・
つぶしに調べて行きました。クチャの竈の上に写っ
を伝え、レンガの竈から輻射される遠赤外線を使っ
ているのが、ソ連領フェルガナでタンドールと呼
ばれている、少し近代化されたパン焼きの竈です。
す。各家庭に常備されている塩の壺です。表面に
塩の結晶が析出しています。塩は畑の至る所で取
こちらがタシケントの竈。
れます。畑で農作業中、カツンと石みたいな物に
てパンを焼き上げます。並んでいる容器には塩水
が入っています。壷状の容器は塩水貯蔵の容器で
調査した全ての長寿郷で、民族、人種、宗教、
ぶち当たると、全部塩の塊なのです。私共は、土
習慣が違うにも拘らず未精白穀物の主食中心の食
塩と命名しましたが、その土塩を、ホータンを流
生活は同一であり、全く同じ製法であったことが
れる河の水の中に入れて飽和食塩水を作り置きす
私共の調査によって初めて発見されたわけです。
るのです。5年、10年、20年と長年月、不足すれ
ば畑から土塩を拾ってきて入れる作業を繰り返し、
ナンの写真(図5)です。これは西域南道のホー
貯蔵します。ナンを作る時には皿に入れて、碾き
タンという町ですが、長寿者のお宅に向かってい
割小麦粉を練る時に使用したり、或いは、竈の中
る途中で見かけた風景を、車を止めて撮影させて
もらいました。写真下方は、長寿者宅のナン作り
に入れて焼き上げる時に、手の平に塩水をまぶし
て生地の表面につけてから竈に貼り付けるわけで
の様子です。
す。従って、塩分はしっかり摂取しているという
塩水を使い野球ボール大のドウ(粒が残る荒碾
ことです。計算によると、この地区では平均して
1日30グラム程度の塩を摂取していました。
シルクロードの地域は塩が無尽蔵に析出してお
り、周辺で栽培される農作物の中にも、ナトリウ
ムが非常に多く含まれています。私共の調査でも、
ヨーロッパの学者による調査でも、同様の結果が
報告されております。驚くべきナトリウム量であ
る、とある学者は報告しておりますが、タクラマ
カン砂漠の辺縁ですから、塩がどんどん太陽熱に
よって地下から吸い上げられて、一部では肉眼で
もはっきりと雪のように真っ白く見えます。そう
いう土地柄ですので、彼らは知らず知らずの間に、
塩分を大量に摂取しているということになります。
再びシルクロード地図の部分拡大図です。これ
がアフガンニスタンとの国境にあるテルメスです。
私共は、ここまでやって参りました。有名な長寿
郷フンザへは、イスラマバードから丸一日かかり
ます。明け方2時か3時頃ホテルをジープで出発し、
夕方ようやくギルギットへ辿り着きました。調査
に出かけた30人全員が脱水状態になり、ギルギッ
トに着いた時には、仲間のほとんどが倒れてしまっ
図5 ナンの写真
た経験もあります。カラコルムハイウェィから少
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し横道にそれて、更に小型の車かロバに乗らない
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『中老年保健』誌の中で報告されています。
とフンザまで辿り着けないのです。しかし、カラ
コルムハイウェィが出来た為に、色々な物資がフ
これは、私どもの月刊『自然医学』誌に掲載し
ンザに流れ込んで参りまして、伝統的な食生活が
た写真です。写真の方々は非常に印象に残ってい
破壊され、百歳長寿者がどんどん少なくなって来
る百歳長寿者です。
ている現状です。
これは1987年に出版された中国の『中老年保健』
私は、1986年に「シルクロード長寿郷」という
概念を提唱いたしました。写真にあるアブストラ
という雑誌です。私共を紹介する記事(図6)が
クトは87年度の国際シンポジウムで報告をした内
掲載されています。「国際自然医学会会長森下敬
容です。
一博士、その他が1985年の11月に東京で開かれた
シルクロードを踏破するために必要とした超長
国際シンポジウムにおいて新疆ウイグル地区を正
距離の耐久食(ナン)が、実は長寿食に変わった
式に世界的な長寿郷と認定をした」と書かれてい
のだという私見をこの時に述べました。途方もな
ます。それを受けて中華医学会では、その2年後
い長い距離を、超長距離耐久食を食べながら何ヶ
の1987年に本格的な調査を行いました。その結果
月も彼らは旅を続けたわけです。その後、ある地
「森下調査団の研究成果は全く正しかったので、
点に定着し、周囲に畑を作り初めて、その超長寿
森下調査団の成果を追認すると共に、新疆ウイグ
ル地区が世界的な長寿郷であると提案する」と
食は、距離的な横の長さではなく、時間的な縦の
長さとして機能した、つまり「超長距耐久食が長
寿食に変わったのだ」と私は考えています。
ここで、ピッツへラウリー教授に対する感謝の
言葉を述べておきます。実際、グルジア長寿科学
研究所の絶大なる協力がなければ、私共の28年に
亘る長寿調査はあり得なかったとも言えましょう。
惜しみない協力の手を差伸べて下さった研究所長、
故ピッツヘラウリー教授がおられたからこそ、今
日の長寿実態調査の成果があるのです。
実は自然医学「お茶の水クリニック」(通称森
下クリニック)を開設したのが1970年です。長寿
の調査を始めたのが75年ですから、その5年間に、
私は、クリニックにおける患者さん達が玄米・菜
食だけで驚くほど治癒力が高まり、癌をはじめと
する慢性病、難病がどんどん治っていくのを目の
前に致し、逆に不安になってきました。これが、
血液生理学上、浄血し健康的な細胞を形成して病
的細胞も消失せしめる食物である事は明白ではあ
りましたが、一般の栄養学から言わせれば反栄養
的なやり方にも拘らず、実際は皆逆にどんどん元
気になり、回復される。これは、どういうことな
のだろう、裏づけを取りたい、と考えたのです。
長寿調査を実行せしめる大いなるきっかけになり
図6 『中老年保健』新疆長寿老人調査情況
ました。結果的に、ここに報告してありますよう
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に、コーカサス、フンザ、ビルカバンバ、新疆ウ
に変わり、そのエネルギーを人間がもらっている
イグル、巴馬、どの長寿郷でも共通の食生活を実
ということです。ここで循環が成立するわけです。
践しているということに、実際に調査を行なって
2度びっくりしたような次第です。
「生命エネルギーの循環」が成立することこそ、
実は大事なポイントなのです。長寿郷だからといっ
て特別な食物を召し上がっているわけではなく、
1988年の国際シンポジウムで発表した『シルク
生命エネルギーの循環が行なわれているのです。
ロード長寿郷補遺』のアブストラクトです。シル
クロード長寿郷調査報告の不足を補うという意味
土壌のエネルギーを植物がもらい(野菜になる)、
その植物のエネルギーを動物・人間がそれを食す
です。88年は第10回目の節目の国際自然医学会シ
ることによって成長し、人間そのものはまた土に
ンポジウムに当たり、海外から11人の講師を招待
還っていく。人間の排泄物も全部土に戻していく
しました。アメリカ、ヨーロッパ、ソビエト、中
ことによって生命エネルギー循環が成立すること
国の各国からお招きして、盛大に開催致しました。
が大事なポイントだ、と長寿郷調査を通して教え
余談ですが、肉食が実は病気を作る。更に化学
られました。
療法、化学薬剤使用により病気が複雑になり多様
実際に調査を行なう前には、微塵もそのような
化し始めています。つまり、現代西洋医学が行な
考え方はありませんでした。むしろ、何か特別な
われる世界においては、病氣はなくなるわけがな
食べ物、特別な元素があるに違いない、それが何
いのです。西洋医学の治療法、特に化学療法が病
気を増大せしめている状況です。
であるか、早く見つけたいという野心に燃えてい
なかったと言えば嘘になります。しかし、調査を
この現実に対し、批判も含めて、私共は世界的
している間に、実際に大きなエネルギーや氣が廻っ
な長寿郷の調査を行なってきました。当時は高肉
ているということに氣付かされた次第です。文明
食・高栄養食論が罷り通っていました。
社会に長寿が存在しないのは、物流が一方通行だ
現代医学・栄養学というのは、いわば肉食人種
からです。消費都市があり、その周辺に消費物質
が作った栄養学ですから、当然日常食べている肉
を作る衛星都市があり、衛星都市は物を作るだけ。
食が悪いという考え方はしません。「カスピ海ヨー
それをトラックや汽車で消費都市に運び、都市は
グルト」のような物が流行ったりする事からも判
消費するだけ。後に残るのはゴミの山です。或い
るように、批判精神が欠如する日本人は、事実を
は、公害物質しか残らない。このような一方通行
確認する以前に鵜呑みにしてしまいがちです。高
肉食・高栄養食論というのも、その一つでありま
の物流の中では長寿はあり得ません。私共が実際
に長寿者達がたくさん住んでおられる世界の眞正
す。実は病氣を作っている原因食物であるのに、
長寿郷をくまなく歩き回ることによって、初めて
未だに、高蛋白・高栄養にこだわっている医学者
教えられた大いなる結論であると考えております。
や栄養学者が少なくありません。昔に比べ、かな
長寿村は山間僻地にあります。そもそも動物を
り判っている人も増えてきてはいるようですが、
飼うスペースは存在しないのです。従って、肉食
理解し得ない人も依然として判らないまま残って
は出来ない。食べたい物は自分で作る以外にない。
います。
結局、自給自足体制になります。自給自足でなけ
ここに挙げていますように、世界的な長寿郷に
れば、生命エネルギーの循環はあり得ません。
おいては穀物と菜食中心の風土食を、毎日確実に
文明国における平均寿命を中心にした寿命問題
召し上がっているということをしっかり記憶に留
めておいて頂きたいと思います。肉食や高栄養食
と、この生命エネルギーが循環している生態学的
人間生活の理想像としての長寿郷における長寿問
の百歳長寿者は世界のどの長寿郷にも存在してい
題とは切り離し、別の問題として取り扱い考察し
ません。
ていかなければならないということです。
もう一つ大事なことは、土壌エネルギーの問題
日本では平均寿命が延びているからそれで良い
です。つまり土のエネルギーが農作物のエネルギー
かのように錯覚されていますが、実は現代科学文
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森下 敬一
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明が生み落とした病理現象の仇花に過ぎません。
リ金属とアルカリ土金属、両方合わせたミネラル
その昔、大学研究室時代にネズミの寿命について
が多いのかも知れない、との推測は出来そうです。
研究したことがあります。ネズミの場合、過激に
大事な問題は、「眞正長寿」と「擬似長寿」と
運動をやらせすぎると寿命は縮みます。むしろ何
いう問題を分けて考えるべきだということです。
もさせずに低酸素、低代謝条件下に於いても寿命
眞正長寿というのは、あくまでも私共が、長い時
は延びていきます。日本人の平均寿命の延びも、
間を掛けて自分の足で調査をしてきた世界的な眞
その動物実験的な一過性の平均寿命の延びである、
と考えて頂ければ良いと思います。
正長寿郷における生命エネルギー循環型の長寿で
す。学ぶべきところは、たくさんあります。
一方、文明社会における平均寿命を中心とした
先程申し上げましたが、私は長寿元素を発見し
長寿は、擬似長寿として分けて考えるべきだと思
よう、と全世界の長寿郷から各種の資料を持ち帰
います。平均寿命が延びつつあるという問題を、
り、39種類の元素を分析・調査いたしました。天
どう考えるべきかは大変大きな問題です。平均寿
井に届く位、データは積み上がっております。し
命というのは0歳児の平均余命のことです。現在
かし、そのデータをくまなく調べてみましても、
の乳幼児死亡率減少が平均寿命に跳ね返り、数字
長寿元素は見つかりませんでした。そこで、私は
の上で延びているだけのことです。しかし、世界
ここに挙げてありますように、遷移性の金属錯体
の長寿地域では平均寿命はみな低いのです。何故
元素と、アルカリ金属元素、そしてアルカリ土金
属元素などの各グループごとの比較・検討を致し
かと申しますと、乳児・幼児の時期にハードルが
いくつもあり、超えるのが非常に難しい。超えら
ました。
れない子供が多い。従って、平均寿命は低下しま
遷移性の金属錯体元素というのは、ここに挙げ
す。しかし、子供時代のハードルを乗り越えた人
てありますように、鉄、銅、コバルト、マンガン、
は皆、百歳以上長生きするということなのです。
モリブデンです。これらは人間の身体において大
現在、両者を混同して、平均寿命の数字が延び
変大事なもので、身体の中で新しく色々な有機物
ているから現在の日本の食生活が良いかのような
を作る際、その骨格になる元素なのです。従って、
現状肯定論が、学会の趨勢になっているように思
これらがないと新しく有機物は作られません。遷
われますが、決して良い傾向とは言えません。実
移性金属錯体元素はここに挙げてありますように、
態を正しく見ていない、本物が見えていないこと
アプハジア、フンザ、それからアクスなどの場所
で大変に多かったのです。フンザの水には鉄分が
の証明でもあります。
平均寿命を基準にして物事を考える危険性を、
非常に多い。アクスではマンガンが多い。グルジ
私共ははっきりと認識しなければなりません。先
アの中の自治共和国であるアプハジアでは鉄とマ
程申し上げた眞正長寿郷の人間の最長寿命は150
ンガンが大変に多いことが判りました。
歳です。人間の寿命は120歳という説もあります
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属元素
が、彼らのような生活をしたならば、150歳です。
は、アプハジア、アクス、ライソ(ホータン近郊
事実、私共が調査を始めた1970年代には150歳代
の砂漠の部落)に多い。
の長寿者はざらにいました。28年間、調査を重ね
一方、カルシウム、マグネシウムなどのアルカ
ていく度に、どんどん最長寿命が低下し、今は120
リ土金属は、アクス、ウズベク、アプハジアの順
歳ぐらいになっています。紛れもなく文明が長寿
に多く、次に多いのがホータン近くのライソで、
それから、カシュガルです。
を侵食していることを示しています。現代文明が
我々の寿命低下を齎しているということです。文
アルカリ金属とアルカリ土金属を合わせたトー
明社会においての、最長年齢はおおよそ百歳と考
タルを並べて見ますと、ほぼ百歳長寿率と比例す
る感じの結果になりました。まだ断定は出来ませ
んが、百歳長寿率の高い地域においては、アルカ
えておけば宜しいでしょう。
この表は、世界各地域の水の分析値の一部です。
39項目の中の20項目だけ並べてみました。これを
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特別講演Ⅲ
全日本鍼灸学会雑誌53巻5号
見ると、例えば東京の場合、クロムだとか、カド
ミウム、鉛、こういう余計な元素が非常に多いの
です。一方、グルジアでは、我々の身体が必要と
するミネラルが非常に多いと言えるだろうと思い
ます。
いま申し上げました通り、1970年代は150歳代
の長寿者が結構たくさんおられました。1980年代
では、最大長寿寿命がだいたい140歳。1990年代
になると130歳。現在は120歳というように、どん
どん寿命が縮まってきている事実があります。百
歳長寿率、最大寿命の低下が現在進行中なのです。
同じウイグル族でも、農耕を主にしているウイグ
ル族からは百歳長寿者はたくさん出ているのです。
しかし、牧畜を中心にしているカザフ族には百歳
長寿者は一人もいませんでした。
ところで、これからの研究課題として、水と塩
が非常に大きな意味を持っております。私共は今、
身体に良い水とはどういう水なのか、良い塩とは
どのような塩なのか、水と塩について研究してお
ります。水素イオンを多く含んだ還元性の強い、
生命エネルギー溢れる「水と塩」がこれからの研
図7 新疆・和田と東京の氣能値比較図
究課題であります。
選択して数値化した作用力の事であります。
1991年、最近、私共が発見した長寿郷、中国広
ホータンから持ち帰った水、塩、その他の減衰
西・巴馬についても国際シンポジウムで報告致し
率を測定し、加算して元のオリジナルの状態に数
ました。
食物は、主食中心であります。ただし、亜熱帯
値を戻して表を作りました。この図(図7)は、
20 点満点で表した図です。隅田川の水の生命エ
の氣候のため水分が常に自然蒸散している関係で、
ネルギー値(氣能値)は1.6しかありませんが、ホー
他の長寿郷と違い必然的に主食は粥食の形態です。
タンから持ち帰って来た川の水は16.3あります。
副食としては、芋の葉、かぼちゃの葉、筍、豆で
それから、エーケンス(彼らが生活に使っている
す。豆と言いましても、大豆はほんの少しで、そ
灌漑用水路)の水ですが、23.8もあります。ホー
ら豆(おたふく豆)を食べています。世界の長寿
タンの川の水も非常に高い数値であることがわか
郷で大豆を食べている地域はありません。
りました。それに対し東京のお茶の水の水道水は
2.4、千葉県のある町の水道水は1.0のパワーしか
1995年の第四次新疆ウイグル調査では、ホータ
無く、長寿郷の環境とは比較になりません。
ンに的をしぼり、長寿者を取り巻く直接的な環境
要素、特に水と塩、土壌、ナン(主食)などを持
塩ですが、精製塩は6.5、自然塩が15.7ですが、
ホータンで長寿者が畑の中で拾って来る塩は総て
ち帰り、人体氣能値を測定し氣能医学的考察を試
18.2から19.3までの高い数値を示しています。
みました。ちなみに人体氣能値とは、生物や鉱物
それから主食ですが、 白米飯は9.0しかありま
等の万物が保有し輻射している生命エネルギーの
せん。私共が推奨している玄米飯は、18.4ありま
中で、特に人体諸臓器に影響を与える部分だけを
す。ホータンの長寿者が召し上がっている主食の
2003.11.1
森下 敬一
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「ナン」は、20点を超えるほどの高い数値を示し
品ですが、黒砂糖になると中氣能食品にまで上が
ていました。
ります。塩も精製塩は中の下ですが、自然塩にな
ると高氣能食品になります。
最後のスライド(図8)は、種々の食材の人体
氣能値をまとめた図です。
前のスライドからもお判り頂けたと思いますが、
穀物は高氣能食品の中でも上位にあり、非常に
大事だということが判ります。野菜も海産物も高
氣能食品です。刺身と干物を比べると、天日干し
文明国と言われる我々を取り巻いている環境の水
や塩に比べ、長寿郷の水や塩は、元素分析値では
の干物の方がパワーが高いようです。漬物、すな
わち梅干、沢庵、キムチですが、これらは意外に
結論が出せない状態でしたが、氣能値という生命
高い氣能食品だということが初めて判りました。
エネルギー値を測定することによって両者の違い
が判然としてきました。
私共が10年の時間をかけて、氣能医学的調査を
行った結果です。
そして、言うまでもなく、鳥肉、豚肉、牛肉等
の肉類は低氣能食品です。
平均的な健康体であれば、我々の身体全体の氣
能値そのものは60点から70点ぐらいですので、自
水はピンからキリまであります。環境の情報を
分の身体より高い氣能値の食品を摂る必要があり
キャッチしそれを許容する性質から、悪い水から
ます。その意味において、肉を食べると病気にな
良い水まで様々であることが判ります。
るというのも当然の話です。白砂糖、精製塩もも
100点満点として、氣能値によって、高・中・
低氣能食品に分けてみました。白砂糖は低氣能食
ちろん体力や自然治癒力を低下させるということ
になります。
このように、マクロの視点で正しく捉える考え
方が今の医学、西洋医学の中に欠落しており、ミ
クロの枝葉末節の世界に入り込み、分析学に終始
しているところに問題の所在があります。
会場におられる多くの諸先生方は、患者さんと
接触しておられるわけですから、巨視的な考え方
で治療を施されるのと同時に、食事指導を行なわ
れれば的確に効果は上がって参ります。現代の医
学・栄養学で病氣を根本的に治す事は不可能であ
り、逆に病氣を製造して来たわけですから、「何
が本物であるか」を、しっかり認識していただく
必要がある、ということを申し上げまして、私の
話を終わらせて頂きます。ご静聴有難うございま
した。
図8 食物(食材)の人体氣能値
600
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特別講演Ⅲ
全日本鍼灸学会雑誌53巻5号
The 52nd Annual Meeting (Kagawa)
Special Lecture Ⅲ
The Dietary Life of the Longevitists
of the World-wide Longevity Regions
MORISHITA Keiichi
President, International Natural Medicine Society
Abstract
・Since 1975 the Morishita Worldwide Longevity Regions Research Delegation has conducted in the regions
of Caucusus, Hunza and Vilcabamba several times per annum.
・In 1984, we designated Xinjiang Uygur as the world's fourth longevity region.
・In 1987, we named the regions of Caucusus, Middle Asia, on the periphery of Pamir plateau (including
Hunza) and the area extends for 8,000km from east to west in latitude about 40°N "The Silk Road Longevity Region". And we presented of the results of our research at the 16th Natural Medicine International
Symposium.
・In 1991, we have conducted on the spot research of Pama of Guangxi district. In the process, we designated
this area as the world's fifth longevity region.
We proved that most longevitists of more than 100 years live along the Silk Road and have a lot in common. That is, they eat unpolished grains as a staple diet and do not live far from the place of their birth. And
they also eat crops they cultivate themselves. Life energy, the healthy condition of the earth revealing morphologically interdependent life pattern found in their living, has cycled in the uncivilized longevities.
Zen Nihon Shinkyu Gakkai Zasshi (Journal
of
the
Japan
Society of
Acupuncture
and
Moxibustion,
JSAM).2003; 53(5): 588-600
Key words:Silk Road Longevity Region, Nan, Aquaence, Salt Crystals on the Ground, Ki'no Function Values, Circulation of Life Energy