定年後の継続雇用制度の基準について

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APO_社会保険労務士法人
社会保険労務士法人
第 34 号 発行日 2011.1.1
APO _社労士通 信
定年後の
定年後の継続雇用制度の
継続雇用制度の基準について
基準について
平成 18 年に高年齢者雇用安定法が改正され、事業主には①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入又は③定年の定めの廃止
のいずれかを講じることにより、年金支給開始年齢に合わせた安定した雇用の確保が義務付けられました。この中で最も多く
の企業が採択しているのが②の継続雇用制度です。導入に際しては、対象者や選定の基準などに関し決め事が必要です。
<1> 継続雇用の
継続雇用の対象者
原則:希望者全員を対象とすること
例外:労使協定(又は労働協約)により継続雇用制度の対象となる労働者の基準を定めたときは、基準に該当するものだけ
を対象とすることができる。(労働基準監督署への届出は不要)
特例:労使協定の締結に向け努力しても整わなかった場合は、労働者数 300 人以下の企業は H23 年 3 月 31 日までは就業規則
により定めることも認められる。
<2> 基準に
基準に対する考
する考え方
基準の設定は労使に委ねられていて自由ですが、労使で十分に協議されたものであっても、事業主が「恣意的」に雇用継続を
排除しようとするものや、他の労働関連法規に反する設定は認められません。
基準に対する考え方
①
意欲、能力を具体的に測るものであること(具体性)
⇒自ら基準に適合するかを予見でき、未到達者に能力開発を促す具体性を持つもの
②
必要とされる能力が客観的に示されていて、該当可能性を予見することが出来ること(客観性)
⇒主観的な選択ではなく、基準に該当するか自ら予見可能で、紛争のないよう配慮したもの
適切な基準例
・働く意思・意欲に着目⇒再雇用を希望し、意欲のあるもの
・勤務態度に着目⇒無断欠勤のないもの/懲戒処分のないもの/過去○年間の出勤率が○%以上
・健康に着目⇒直近○年間の健康診断により、就業が支障ないと認められるもの
・能力・経験に着目⇒過去○年間の社内考課が○以上であるもの/職能資格が○以上のもの
・その他⇒勤続○年以上のもの/定年退職後ただちに業務に従事できるもの
適切でない基準例
・会社が認めた者/上司の推薦がある者に限るに限る→基準がないことに等しい
・男性(女性)に限る/組合活動に従事していないもの→労働関連法規に反する
*
労使協定は企業単位ではなく、事業所単位で締結することが必要です。協定で定めた基準は、非組合員や管理職を含めた
労働者全てに適用されます。また、不適切な基準事例の場合は、ハローワークにおいて必要な報告徴収が行われ、罰則は
伴いませんが、助言・指導・勧告の対象となることもあります。
第 34 回
法定休日と
法定休日と法定外休日
労働基準法では、毎週1日以上の休日を与えることを原則とし、例外として 4 週 4 日以上の変形休日制も認めています。こ
の労働基準法で規定されている休日は「法定休日」と呼ばれ、それ以外の休日は「法定外休日」と呼ばれていますが、労働
基準法では「法定休日」を特定することまでは義務づけられていません。(S.63.3.14 基発 150 号)週休 2 日制の場合、2
日の内 1 日の休日は法定外休日となりますが、土日が休日で法定休日を特定していない場合(週の起算日を日曜日とする)
は、次のようになります。
・2 日とも労働した場合:後にくる土曜日⇒法定休日労働、日曜日⇒法定外休日労働
・日曜日:出勤、土曜日:休 ⇒ 日曜日:法定外休日労働、土曜日:法定休日
・日曜日:休、土曜日:出勤 ⇒ 日曜日:法定休日、土曜日:法定外休日労働
ところで、割増賃金率は、法定休日は 3 割 5 分以上、法定外休日労働は 2 割 5 分以上となりますが、昨年 4 月に施行された
改正労働基準法により、一定の中小企業以外では月の時間外労働と法定外労働の合計が 60 時間を超えた場合の割増率が 5
割以上となりました。労働基準法では、法定外休日労働は時間外労働と同様とみなされるため、時間外労働と合せて月 60
時間を超えた部分は 5 割増以上となり、法定休日労働の割増賃金率を上回ってしまうという逆転現象が発生します。このよ
うな場合に、法定休日を日曜日と特定することにより割増賃金の支払いを抑えることができるケースもあります。
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