写真デジタル化のためのスキャナー

写真デジタル
写真デジタル化
デジタル化のためのスキャナー
のためのスキャナー
先ずスキャナーを選定する必要があります。 この章はスキャナーの選定に関する参考
としてご用意いたしました。 また、デジタル化のツールとして販売されていても、スキ
ャナータイプではない物は載せておりません。
<<1プリント写真用スキャナーの種類と特徴>>
1.1
CCD方式フラットベッドスキャナー
CCD フラットベッドスキャナ原理
1
原稿をガラスの資料台に載せてスキャンします。原稿は固定で読取りヘッドが移
動し読取ります。
2
センサーはCCDと呼ばれる物を使用します。 写真からの散乱光をミラーやレン
ズを介して画像をCCDに投影し、電気信号に変換しています。
3
光学系を使用しておりますので比較的に高い解像度で読み取れます。
4
ガラス面から資料が多少(2~3mm)浮いても読取りには殆ど影響が出ません。
従ってアルバム写真の入力にも適しています。
5
光学系が入っているので、本体装置の厚みがあります。
6
A4サイズまでであれば、比較的にリーズナブルな価格で入手できます。
7
複数の写真を資料台に載せて、それぞれに最適化した入力を設定できます。
8
複数の写真を資料台に載せても、自動的に個々の写真をデータとして切り出して
くれます。
9
ホコリやヨゴレがガラスに付着しやすいので頻繁に清掃が必要です。
10 清掃は資料台となるガラス面の清掃であるため、比較的容易です。
11 処理能力は多少劣ります。
12 反ってしまった写真でも入力は可能。
13 光沢写真をガラス面に強く密着させると、画像にムラが発生します。
14 長期間の使用で、ガラス面のキズ、ガラス面のくもり(内側のくもり故清掃は不
可能) が生じますが交換費用の方が高くなりますので買い換えた方がお得です。
(まとめ)
アルバム写真も含めてプリント写真の入力には最も適したタイプと考えています。
難を言えば処理能力の低さでしょう。 画像品質という意味ではそれほど問題はありませ
ん。 解像度も600DPIの入力が可能であればプリント写真の入力という点では問題
ないと思います。 入力した画像の色合いはメーカによって多少クセがあります。 ゴミの
除去機能も普通装備されていますが、メーカ、機種により能力の差がありますので使用す
る前に確認が必要です。 同じメーカのものでも機種が変わった時には確認した方が良い
とでしょう。
このタイプでも機種による画質の差はあります。 良い性能を期待するのであれば、ス
キャナーの厚み(カバーを除いた厚み)が厚い方が有利です。 スリムなものは恰好は良
いのですが、処理能力、画質という点で劣る傾向があります。
1.2
CIS方式フラットベッドスキャナー
CIS フラットベッドスキャナ原理
15 原稿をガラスの資料台に載せてスキャンします。原稿は固定で読取りヘッドが移
動し読取ります。
16 センサーはCISと呼ばれるスキャン幅と同じ長さのセンサーを使用します。 レ
ンズやミラーを介さず直接読取りヘッドが資料に近接して読取り。
17 光学系が入らないので、解像度は資料とヘッドの間隔で決まります。 解像度はセ
ンサーの画素密度に依存しますので高い解像度は期待できません。
18 ガラス面から資料が多少浮くとボケが出やすくなります。
19 光学系が入っていませんので、装置の厚みを薄くできるのが最大の特徴です。
20 構成がシンプルで最も価格が安い方式です。
21 複合型のプリンタに搭載されているスキャナーは殆どがこのタイプです。
22 複数の写真を資料台に載せて、それぞれに最適化した入力を設定できる
23 USB経由で電源を供給するタイプは光源パワーも少なめでその分処理能力は低
くなります。 モータも低速となり、処理能力はさらに低くなります。
24 反ってしまった写真でも入力は可能です。
25 光沢写真をガラス面に強く密着させると、画像にムラが発生しますので要注意で
す。
26 長期間の使用で、ガラス面のキズ、ガラス面のくもり(内側のくもり故清掃は不
可能) が生じますが交換費用の方が高くなりますので買い換えた方がお得です。
(まとめ)
プリンタ複合機組み込みタイプで無ければとにかく薄くて軽くて持ち運びには便利で
す。 コスト的に一番導入しやすいのですが、アルバム写真を読み取ろうとするとボケが
発生しやすいので アルバムから剥がして入力する必要があります。簡易的に使うのであ
れば 問題ないと思います。画質を気にする向きにはお薦めできません。
1.3
CCD方式ドキュメントスキャナー
CCD ドキュメントスキャナ原理
27 原稿をローラーで搬送して読取り。読取りヘッドは固定。
28 センサーはCCDと呼ばれる小型の一次元センサーを使用します。 写真からの散
乱光をミラーやレンズを介して画像をCCDに投影し、CCDが電気信号に変換しま
す。 但し、ドキュメントスキャナーではCCDタイプは機種が限られます。
29 光学系を使用しておりますので比較的に高い解像度で読み取れます。
30 資料はローラーで搬送されますので浮くことによるボケは発生しません。 アルバ
ム写真は台紙についたままでは入力は不可。
31 装置の大きさはさまざまですが、次項のCIS方式とはさほど差がありません。
32 価格は比較的高い部類に入ります。
33 処理能力が非常に高いのがこの方式の特徴です。
34 写真を一枚づつ搬送するため、時々重送と呼ばれる重なって搬送されるトラブル
があります。極端に 反った写真も搬送できません。
35 写真にローラー痕が残る場合があります。
36 写真を重ねて装填するため、写真同士がこすれ、写真にキズが発生したり、ホコ
リが出やすいというのが欠点です。
37 ホコリが読取り部に付着するとライン状のスジが画像データに発生するため、頻
繁に清掃が必要です。
38 清掃には内部を開ける必要があり、少し手間がかかります。
39 連続的に写真を入力しますので写真毎に異なった設定の入力は出来ません。
40 高速ですから、読取った画像のノイズはフラットベッドスキャナーより大きくな
ります。 また、ドキュメントの読取りに最適化されている ため、写真の明暗と出力
の画像との対応が厳密ではありません。
(まとめ)
画像の品質は二の次で、とにかく大量にデジタル化する場合には向いています。解像度
も せいぜい600DPIまでです。但し 初期投資が高額になるため、一般家庭で使用す
るには多少抵抗があります。ドキュメントなどのデータ化もかなりの頻度で 行うのであ
れば、このタイプを選定する解はあるでしょう。 アルバム入力が出来ないので、アルバ
ム写真は剥がす必要がありますが フエルアルバム形式のアルバムでは、写真裏面に粘着
剤が付着してしまう場合が多々あり、 この場合ローラ搬送が出来なかったり重送が頻発
することになります。 従って、古いアルバム写真の入力には使えない可能性があります。
また、写真を剥がす時に写真を破損する可能性が高いので、大切な写真の入力には適さな
いでしょう。
1.4
CIS方式ドキュメントスキャナー
CIS ドキュメントスキャナ原理
41 原稿をローラーで搬送して読取ります。読取りヘッドは固定。
42 センサーはCISと呼ばれるスキャン幅と同じ長さの一次元密着型のセンサーを
使用します。 レンズやミラーを介さず直接読取りヘッドが資料に近接して読取りま
す。
43 光学系が入らないので、解像度は資料とヘッドの間隔で決まります。 解像度はセ
ンサーの画素密度に依存しますので高い解像度は期待できません。
44 資料はローラーで搬送されますので浮くことによるボケは発生しません。 アルバ
ム写真は台紙についたままでは入力は出来ません。
45 装置の大きさはさまざまですが、安価なものは比較的に小型です。
46 ドキュメントスキャナーとしては比較的に安く手に入るものがあります。
47 処理能力が非常に高いのが特徴です。
48 写真を一枚づつ搬送するため、時々重送と呼ばれる重なって搬送されるトラブル
があります。極端に 反った写真も搬送できません。
49 ローラー搬送ですから、写真にローラー痕が残る場合があります。
50 写真を重ねて装填するため、写真同士がこすれ、写真にキズが発生したり、 ホコ
リが出やすいというのが欠点です。
51 ホコリが読取り部に付着するとライン状のスジが画像データに発生するため、頻
繁に清掃が必要です。
52 清掃には内部を開ける必要があり、少し手間がかかります。
53 連続的に写真を入力しますので写真毎に異なった設定の入力は出来ません。
54 高速ですから、読取った画像のノイズはフラットベッドより大きくなります。 ま
たCCD方式のドキュメントスキャナよりもノイズは多くなる傾向にあります。 ま
た、ドキュメントの読取りに最適化されている ため、写真の明暗と出力の画像との
対応が厳密ではない傾向があります。
(まとめ)
ドキュメントの入力に特化したスキャナーであるため、写真にはあまりリコメンドできま
せん。 解像度も大半が300DPI以下。 画質はプリント用のスキャナーでは一番劣る
と思った方がよいでしょう。
<<2
フィルム写真用スキャナーの種類と特徴>>
2.1
CCD フィルム専用スキャナー
フィルム専用スキャナ原理
55 透過光を読取りヘッドで検出します。 読取りヘッド固定の為、原稿を移動。
56 センサーはCCDと呼ばれる小型のセンサーを使用し、ミラーやレンズを介して
画像をCCDに投影します。
57 フィルム読取りに特化した専用レンズで倍率をかけて結像するため高い解像度で
読み取ることが出来ます。
58 現在国産のものは全て生産が終了しているため、中古品しか手に入りません。価
格も高い状態が続いています。
59 フィルムの入力はゴミが非常に入り易いので、ゴミ除去機能は必須です。中でも
Digital Ice と呼ばれる ゴミ除去機能は非常に強力な機能です。この機能が無いと使
い物にならないほどです。 プリントに較べてホコリは非常に気になります。
60 処理能力は多少劣りますが、下のフラットベッドタイプよりは高速です。
(まとめ)
国内で生産がおこなわれてないのが最大のネック。 現在生産しているのはおそらく台湾
メーカ製くらいでしょう。
2.2
フィルム対応CCD方式フラットベッドスキャナー
フィルム対応フラットベッドスキャナ原理
61 プリント写真用のフラットベッドスキャナのカバー側に光源を搭載し、透過光で
フィルムを 照明する方式。通常、フラットベッドスキャナの上位機種に限られます。
62 フラットベッドであるため、フィルムは固定で読取りヘッドと光源が同期してフ
ィルムをスキャンします。
63 センサーはCCDと呼ばれる小型のセンサーを使用し、ミラーやレンズを介して
画像をCCDに投影します。
64 高品質フィルム入力用としては国産品では唯一この方式の物が手に入る方式と言
ってよいと思います。
65 フィルム専用スキャナに較べて解像度、像のキレは見劣りします。ベースがフラ
ットベッドであるため 光学性能に限界があるのでしょう。
66 高い入力解像度としてカタログなどに記載されていますが、基本的にサンプリン
グの解像度であり 実際の解像度(光学性能も含めた解像度)はフィルム専用のスキ
ャナに較べて劣ります。
67 Digital Ice もフィルム専用スキャナに較べて性能的に劣っています。また、
Digital Ice 使用時の処理能力は 非常に悪くなります。
家庭で写真のデジタル化をする場合、CCD フラットベッドスキャナ、CCD フィルム専用
スキャナーがあれば写真、ネガフイルムからの画像取り込みは大丈夫でしょう。
ただし、現在発売中の CCD フィルム専用スキャナーは35mm 専用ですのでブローニーフ
イルムや4×5フイルムのスキャニングは CCD フラットベッドスキャナを使う事になり
ます。これらのスキャナはポジフイルム(スライドフイルム)も取り込む事が出来ます。
最近、フイルムスキャナーと称して、安価な物が出回っていますが、このような物は写真
のデジタル化には使えませんのでご注意を
フラットベッドスキャナのガラス面はスキャナ上面より少し低いところにあります。 従
って、台紙アルバムのようなものをフラットベッドスキャナにセットすると写真はガラス
面から少し浮き上ってしまいます。
Digital
Ice
:
America)eastman kodak 社の登録商標です。赤外線を用いた ゴミ
の検出と除去を行う技術です