Calmita(カミータ): リサーチベースの 病院用授乳ソリューション 新生児の

Calmita(カミータ): リサーチベースの 
病院用授乳ソリューション
新生児の経口哺乳の習得をサポート
「Calmita  は乳児が自然な哺乳行動を習得
できるようにすることで、入院中の母乳育児
をサポート、促進させるだけでなく、入院期
間を短縮します。」Karen Simmer 教授
Calmita Starter(スターター)
Calmita
直接授乳と同様のメカニズムと舌の
移動を実現します。
Calmita Advanced(アドバンスド)
2 MEDELA
自然な母乳育児
胎盤の働きに支えられた子宮の中での生活と子宮外の生活は完全に異なるため、
産後は母親と新生児共に、大きな環境変化に適応することが求められます。母乳育
児は、乳児と母親の繋がりを維持し、子宮内生活から子宮外生活への移行・適応を
サポートします。授乳中の密接な肌の触れあいは、乳児の呼吸、酸塩基平衡および
体温を一定に保ち、エネルギーを維持し 1、乳児を安定させます 2,3。
栄養と免疫物質を摂取するために母乳を求め乳房を吸啜することは、哺乳類固有
の行動です。吸啜は母親と乳児両方のさまざまな反応を促し、
これらの反応は危険
な環境にいる乳児の生存を確保するために進化したと考えられています 4。
このよ
うに、人間の母乳は種固有のものであり、人間の乳児の栄養上の要件を満たすた
めに長い年月を経て徐々に調整されてきました 5。
ゆえに、人間の母乳は乳児にとって最も自然な栄養なのです。あらゆる乳児にと
って母乳は、かけがえのない唯一のものであり、最適な栄養として広く認識されて
います。世界保健機構 (WHO) のグローバルな公衆衛生に関する提言として、生後
6 ヶ月間の完全な母乳育児が推奨されています。直接授乳により母親の健康にも
たらされる物理的および心理的メリットに加えて 7、乳児が栄養、免疫および発育の
面で母乳から恩恵を受けることを促進するために提言がなされました 6。
早産児は、想定よりもかなり早い時期に子宮外生活への適応が求められるため、
多くの特殊で複雑な課題に直面します。早産児は単に「小さな」正期産児ではあり
ません。未発達の組織や器官を持つ、小さな乳児なのです。早産児の場合、妊娠後
期に外の生活に備えて通常蓄積される微量および多量栄養素が大幅に欠如してい
ます。にもかかわらず、正期産児と同様、早産児も子宮の 外の生活に適応する必要
があり、
これには多くの困難が課せられることとなります。
母乳育児の自然な行為は、複雑な生理学的過程であり、2 つの要素がその恩恵の
享受に重要な役割を果たします。
l 乳児が摂取するもの — 母乳
l 乳児の摂取方法 — 授乳のメカニズム
母乳
早産児の場合、母乳は特に消化器官や神経器官の発達、そして、免疫保護機能の形
成に重要な役割を果たします。正期産児の母親の母乳に比べて、早産児の母親の
母乳には、
より高い濃度のエネルギー、脂質、
タンパク質、窒素、脂肪酸、若干のビタ
ミンおよびミネラルが含まれています。加えて、早産児の母親の母乳に含まれる細
胞、免疫グロブリンおよび抗炎症要素を含む免疫性因子のレベルは、正期産児母
乳よりも高くなっています 8。
これらの母乳の強力なメリットは、すべての早産児が
享受すべきものです 9。
しかしながら、早産児には高い栄養要件があり、また早産児が安全に消化できる量
に制限があるため、早産児の母親の母乳でも超未熟児の微量および多量栄養素の
要件を満たすことはできません。早産児は通常、妊娠後期に経験する急速な胎児
発育と栄養蓄積が欠落しているため、正期産児よりも早いペースで成長する必要
があります。
MEDELA 3
このため、早産児の栄養は、より高いカロリー値を持ちながら、濃縮された少ない
分量にする必要があります。現在、多くの施設で、母親自身の母乳(新鮮母乳か冷
凍母乳)を早産児にとっての第一の栄養とする取り組みがなされています。出生
体重 1.5 kg 未満の乳児の場合、米国小児科学会 9  は、母乳から恩恵を受けつつ
も 11,12、最適な栄養摂取を確保するためにタンパク質、
ミネラルおよびビタミンで
母乳を強化するよう推奨しています 10。
授乳のメカニズム
超音波画像を用いた研究によれば、授乳期の乳房に「乳管洞」が確認できないこと
が判明しています 13。乳管洞がないことに加えて、乳管の数が少なく、サイズも短い
こと、乳輪の下で急激に分岐しているという研究結果は、乳管が母乳を貯蔵するよ
りも母乳を移動するための器官であることを示唆しています 13。
さらなる超音波画像を用いた研究によれば、授乳の間、乳頭の先端は硬口蓋と軟
口蓋の接合点には到達しないこと、そして乳頭から乳児の口腔への母乳の流れは、
乳児の舌の降下と最大吸啜圧の両方に一致することが判明しています。従って、
乳房から母乳が流れる際、吸啜圧が重要な役割を果たしています 14。
吸啜運動の間 14(図 1)、吸啜圧は、基準ライン(母乳の流れがなく吸啜を維持する
のに必要な最小吸啜圧)から開始します。舌が下がるにつれて、吸啜圧が増加し母
乳が流れ始めます。舌が最も低い位置にある時に、吸啜圧は最大になります。次に
舌は上昇して、基準ラインまで戻って休憩し、
ここで母乳の流れは停止します。
授乳時に用いられるこの哺乳テクニックは乳児にとってメリットがあります。吸啜
圧制御によって、乳児の意思による安全でバランスの取れた授乳が可能になり
ます。直接授乳のプロセスは乳児の正常な口腔や骨格の発達にも影響を及ぼし
ます。授乳のメカニズムは正しい形状の顎を形成することにつながると言われてお
り 15,16、さらには、直接授乳は、舌による嚥下のメカニズムの正常な発達、正常な歯
並び、および硬口蓋の形成にとって重要とされています 16–20。直接授乳の間に用い
られる哺乳テクニックは、従来の人工乳首による哺乳に比較して、中耳炎のリスク
が低くなることにも関係しています 21,22。いくつかの研究によって、直接授乳が正し
い口腔運動発達に寄与し、幼児後期における明確な発音やより明瞭な声質をもた
らすことが分かっています 23–25。
4 MEDELA
乳児の吸啜に関する科学
1
1
最小吸啜圧
5
1
最大吸啜圧
図 1 – 吸啜運動 14
2
l 舌が 最も低 い 位 置 にあ
る-ダウンポジション
l 吸啜 圧 がピーク
l 母乳 は 口 腔 に流 れる
l
l
l
l
l
3
顎 が 下 がる
舌と軟 口 蓋 が 下 に移 動
吸啜圧が増加
乳 管 が 拡 張 
母 乳 が 流 れ 始 める
9
4
l 舌と軟 口 蓋 は 最 初 の 位 置ま
で戻る
l 母 乳 は 咽 頭 へ 流 れ 始 める
1
29
l 舌がやや上昇
l 吸啜圧が低下
l 軟 口 蓋 の 下を母 乳 が 流 れる
© Medela AG/200.1921/2012-11/C
l 舌が高い位置にある
l 吸引圧と舌で乳頭 が 保 持さ
れている
l 舌は乳頭の下部をしご か
ない
26
キーポイント
l 母乳の移行には吸啜圧が重要な役割を果たす
l 舌は目立った蠕動運動を行いません
l 乳頭は舌によってつぶされない
23
l 乳頭の先端は硬口蓋と軟口蓋の接合点に到達しない
These diagrams are based on research conducted at The University of
Western Australia • Presented in: Geddes DT, Kent JC, Mitoulas LR
and Hartmann PE (2008) • Tongue movement and intra-oral vacuum in
breastfeeding infants • Early Human Development, 84:471-477
INTERNATIONAL SALES
Medela AG
Lättichstrasse 4b, 6341 Baar, Switzerland
Phone +41 (0)41 769 51 51, Fax +41 (0)41 769 51 00
[email protected], www.medela.com
母乳育児は自然な行為
何を?
母乳
どのように?
授乳のメカニズム
早産の場合、母乳育児というゴールドスタンダードにチャレンジするためには、乳児
だけでなく、母親も適応する必要があります。母乳分泌を促し、それ維持するために
は、母親は特別な支援を必要とします。乳児が直接授乳が困難な状況において、何を
代替物として乳児に供給すべきかは、個々の環境や条件に依存しますが、乳児の母
親から搾乳された母乳、母乳バンクの母乳、あるいは人工乳が想定されます。いずれ
の場合でも、代替物を乳児に与える際には、直接授乳時と同じように乳児が流量をコ
ントロールできるような方法を用いる必要があり、
これにより、自然な哺乳行動を学
ぶことができます。
MEDELA 5
母乳育児における課題
正期産児であっても早産児と同様に、体が非常に小さく、体力的にも弱く、自然な
哺乳スキルに関する問題を抱えている場合、母乳育児の課題に直面する可能性が
あります。
新生児集中治療室 (NICU) における母乳育児には多くの困難があります。未成熟
であることと医学的合併症により、早産児が生後その母親の乳房から直接かつ自
然に哺乳することは、
しばしば困難になります。安全で正常な経口哺乳は、無呼吸
の発作、徐脈、酸素飽和度の低下や誤嚥を防ぐために、適切な吸啜、嚥下および呼
吸、そしてそれら 3 つの機能の協調を必要とします 26。34週後に生まれた乳児は通
常、吸啜、嚥下および呼吸をバランス良く調整して、自然に哺乳をすることができま
す。未熟児の場合、神経学的に未熟であることや、呼吸機能障害により、経口哺乳は
安全ではないか、あるいは困難である可能性があります 27。
母乳の流量を制御するのに必要な耐久力と口腔内の陰圧を減少させる筋緊張低
下症は、超低出生体重児の経口哺乳能力に影響を与える大きな要因になっており、
吸啜はより困難になります 28。また、筋緊張低下症の乳児は口を大きく開いたり、吸
啜の休止状態の間に最低限の吸啜(基準ライン吸啜圧)を維持することができない
ため、効果的な吸啜を行うことが難しい可能性があります 29。
授乳の課題は乳児の側にのみ発生するわけではありません。早産児、特に超低出
生体重児の母親は、生理的、精神的課題に直面しており、そのことが母乳育児率の
低下に繋がっています30–32。母子分離によって、母乳分泌のための刺激は不十分に
なり33、そのことが授乳の障害となり、合併症の発生率を増加させます 34。
また、母親の母乳分泌が始まった後に、乳児のエネルギー需要を満たすために母
乳強化栄養が必要になることがあります10。
このような場合、乳房から搾乳した母乳
を強化し、乳児に与えるという哺乳プロセスが必要になりますが、
このことが 母子
分離に関する議論を複雑化させます。医学的理由で、正期産児の母親も母乳育児
が困難になる場合もあります。直接授乳できない場合、授乳と同様の経験をさせる
ことを第一のゴールとすることが重要であり、
これにより乳児は自然な哺乳行動を
習得し、その恩恵を受けることができます。
6 MEDELA
早産児の授乳
現在、早産児の栄養を確保するため、いくつかの方法が用いられています。
これら
は、乳児の在胎週数、出生体重、状態と医療機関に依存します。病院施設により栄
養供給に関する体制は異なります。非経口栄養で始まり、経管栄養へ移行して、経
口哺乳へ進み、完全な母乳育児へ移行するために、自然な哺乳行動を習得するこ
とを目指します。
妊娠 32 週以前に生まれた早産児は、最初からバランスの取れた吸啜、嚥下および
呼吸を効果的に行うことはできません。
これらの乳児は経腸栄養を行います。すな
わち、チューブを赤ちゃんの鼻(経鼻胃管栄養法)または口(経口胃管栄養法)から
胃まで挿入することによって赤ちゃんに栄養を注入します。
経腸栄養から完全な経口哺乳へ移行中の早産児を観察したところ、経口哺乳中に
飽和度低下となる例が経腸栄養時の約 3 倍観察されました 35。経口哺乳に移行し
た際、早産児は母乳分泌量にペースを合わせて哺乳するのが不得手であることが
しばしば観察されています。
したがって、早産児、特に妊娠 30 週以前に生まれた早
産児が経口哺乳を始めるときは、母乳分泌の制限されたパターンを用いることが
提案されています 36,37。
経口哺乳される乳児の場合、従来の人工乳首による哺乳瓶授乳と比較して、直接授
乳の方が生理的に安定します。母乳育児には、乳児の自然な哺乳行動が必要であ
り、成長する早産児に課せられる負担は少なくなります 38,39。例えば、従来の哺乳瓶
授乳よりも直接授乳時の方が酸素飽和度は高くなります40–42。嚥下により引き起こ
される呼吸停止は換気量を減少させます。つまり、
より急激な母乳流入は、
より頻繁
な嚥下となり重大な呼吸停止を引き起こします43,44。速い母乳流入は、特に早産児
に誤嚥と窒息を引き起こすことがあります37。ストレスと酸素飽和度の低下は乳児
の成長に悪影響を及ぼします。
健康な早産児では従来の哺乳方法を修正することで、経腸栄養から経口哺乳への
移行日数を減らして、成長を維持し、入院日数も減らすことができます 45。例えば、
非栄養的吸啜の介入を受けている早産児は、チューブから哺乳瓶哺乳への移行期
間や入院時間が減って、哺乳瓶哺乳のパフォーマンスも向上することがわかってい
ます46。
MEDELA 7
経口摂取するためには、乳児は覚醒状態を維持し、吸啜、嚥下、呼吸をバランス良く
行って、成長のために十分なカロリー容量を消化するために、安定した呼吸を維持
できなければなりません47。健康な正期産児にはこのような能力が備わっています
が、神経学的に未成熟な乳児(月経後週齢 32–34 週未満)にはしばしば備わってい
ないことがあります。従って、母乳育児は乳児にとって明らかに最良のものですが、
常に可能であるとは限りません。そのような場合、哺乳のメカニズムに近い機能を
持つとされる差別化された人工乳首が、特に哺乳瓶授乳中と直後の顕著な飽和度
低下を示す気管支肺異形成症の早産児に極めて有効です48。
NICU への入院 1 日あたりにかかるコストを考慮すれば、入院期間を短縮すること
がコスト低減の最も有効な手段であることは明らかです49。退院は完全な経口哺乳
が出来るか否かに大きく依存するため49、早期に完全な経口哺乳に移行することに
よって入院期間は短縮できます。自然な経口哺乳への移行を手助けするための最
も効率的な方法を見出す研究を実施することは、母親と乳児が母乳育児という目
標をより早く実現するために必要なのです。
8 MEDELA
課題を解決する
母乳育児を継続して行っていくという目標を達成するために、未成熟および虚弱
な乳児を助けるための病院向け授乳ソリューションが必要であることは明らかで
す。乳児の経口哺乳スキルを改善するには、自己のペースでの哺乳 37 や吸啜圧生
成46 といった、乳児に最も有効なトレーニングを実現できる哺乳デバイスが必要と
されます。母乳を飲むための新生児の自然な行動、特に乳児の舌の平行移動、なら
びに吸啜、嚥下、呼吸パターンを保持すると仮定される基本的な吸啜圧に基づくデ
バイスが必要です。
哺乳行動のスキルを向上させることは、自立した哺乳行動の習得を早め、入院期間
の短縮につながります。また、院内感染のリスクや家族や社会への経済的負担を減
らし、早い段階での家族形成を可能にして、母親と乳児の適切なふれあいと絆の形
成を促進します50。さらには、長期の授乳困難/障害の減少にもつながるでしょう26。 
Medela はキングエドワード記念病院と西オーストラリア大学(オーストラリア、パー
ス)
と連携し、Calmita 授乳ソリューションの開発およびテストを実施しました。
新生児専門医 Karen Simmer 教授は、100 人の早産児による治療企図解析を用い
たランダム化比較試験を実施しました(図 2)。対象となったのはその母親が母乳
育児を希望している乳児で、月経後週数 25–34 週(中間値 31週)でした。参加に同
意し、研究登録されたのは 97 人の乳児で、介入 (n=51) または 従来 (n=46) の 2 つ
のグループに ランダムに割り付けられました。
2つの研究グループ間の唯一の違いは授乳器具の使用になるよう、研究設計は実
際的に行われました。さらには、病院のポリシーや規定に変更が加えられることは
ありませんでした。このため、ポリシーに従い最初の吸啜哺乳は常に乳房で行わ
れました。乳房以外の吸啜哺乳が必要とされたとき、介入群では研究器具として
Calmita(Medela 開発)が使用され、従来群には標準的な病院ケア(一般的な従来
の早産児用人工乳首)が使用されました。加えて、
どちらかのグループの乳児は通
常の病院規定に従って、退院の前に 1 次研究施設から 2 次施設へ移動する場合も
ありました。
研究対象者
研究対象候補だった 100 人の乳児のうち
3 人の乳児が参加を辞退
ランダム化比較
A 群(介入:Calmita 使用群)B 群(従来:従来の標
準乳首使用群)
妊娠週数(確認済)
25-34 週の早産児 100 人
A群
介入
n = 51
B群
従来
n = 46
超音波診断 n=37
直接授乳時と Calmita 使用時の口腔内
吸啜圧及び超音波測定の実施
図 2 – 研究プロトコル
MEDELA 9
ランダム化比較試験の結果*
Calmita は入院期間の短縮をもたらした
介入群の乳児は、従来群に比較して合計入院期間が 2.5 日減少しました (p<0.05)。
従って、介入群の乳児が退院する時の修正在胎週数は、従来群に属する乳児よりも
平均で 2.5 日若くなっています (p<0.05)(図 3、赤)。
完 全 な 経 口 栄 養 摂 取 を 実 現 することが 、退 院 の 主 要 基 準 の 1 つで あるた め 、
Calmita で哺乳している乳児が完全な吸啜哺乳へ到達する(フィーディングチュー
ブの使用停止)修正在胎週数が 3.8 日若かった (p=0.19) という事実により、
この入
院期間の大幅な短縮が説明できます。
この理由は完全な経口栄養摂取までの移行
時間が 3.8 日短縮されたことにあります(p=0.19、図 3、青、完全な経口栄養の導入
時の中間修正在胎週数: 33 週)。
4
p=0.19
Calmita 使用による短縮日数
(日)
3.5
3
p<0.05
2.5
2
1.5
1
0.5
0
完全経口栄養への移行
入院期間
図 3 – 研究器具 Calmita により短縮された日数「完全経口栄養への移行、青」は、介入群と従来群との比較において、
最初の経口哺乳から完全な経口哺乳(フィーディングチューブの使用停止)にかかった合計日数の減少を示していま
す。「入院期間、赤」は、同様に介入群の入院日数(退院時週齢と同義)が従来群と比較して減った日数を示しています。
従来群の乳児の場合、最初の経口栄養から完全な経口栄養までの移行時間は 27 日で、修正在胎週数は平均 36.8 週
で完全な経口栄養(フィーディングチューブの使用停止)に到達しました。退院までの平均的な入院期間は 47 日で、
平均修正在胎週数は 37.7 週でした。
*Simmer, K., Kok, C., Nancarrow, K., Hepworth, A.R. Improving transition time
from tube to sucking feeds in breastfeeding preterm infants – Novel teat study.
原稿準備中。
10 MEDELA
Calmita は病院での母乳育児にポジティブな影響を与えた
1次研究施設から 2次施設または自宅への退院において、介入群の乳児の母乳育
児率は顕著に高くなる傾向が見られました (p<0.05)。また、通常退院(自宅への
退院)の場合は、顕著な差はないものの同様の増加傾向が見られました (p=0.10)
(図 4)。
p<0.05
p=0.10
100
児の母乳育児率(%)
80
60
 介入
 従来
40
20
0
研究施設退院時
自宅への退院時
図 4 – PRS(1 次研究施設から退院時)
(96% 対 78%、p<0.05)あるいは自宅への退院時(90% 対 76%、p=0.10)の介
入群および従来群における母乳育児率。PRS から退院した乳児は直接自宅に戻るか(介入群 n=15、従来群 n=21)、 
自宅へ戻る前に 2 次施設に移動(介入群 n=36、従来群 n=25)
します。PRS から直接自宅に戻る乳児あるいは 2 次施
設へ移動する乳児の割合は、両グループにおいて統計的に類似しています。乳児が PRS あるいは 2 次機関から退院
したかどうかに関わらず、
「自宅への退院」はすべての乳児に適用された結果を表示しています。
母乳育児に関する良い成果は、Calmita から哺乳する際に介入群の乳児が行う授乳
のメカニズムと舌の動きに密接に関わっています 51。
図 5 には、Calmita による哺乳時に用いられる舌の動きのパターンが直接授乳時に
似ていることが示されています。乳児は不自然な異なる授乳テクニックを習得する必
要がないという事実は、病院における授乳へプラスの影響を与えるかもしれません。
16
14

乳頭直径 (mm)
12
10
8







2
5












舌が下へ(直接授乳)
舌が上へ(直接授乳)
舌が下へ (Calmita)
舌が上へ (Calmita)
6
4
2
0
10
15
乳頭の先端からの距離 (mm)
図 5 – 同様の哺乳行動(直接授乳と Calmita): 乳頭径と乳頭までの距離。哺乳時に観察される舌の並行移動は、 
Calmita による哺乳でも観察されました。
グラフには、舌が上と下の位置にあるときに乳頭/Calmita の先端 (0 mm) の
2 mm 後方から移動を開始する際、各ポイントで変化する乳頭と Calmita の直径が示されています51。
MEDELA 11
Calmita のエビデンス
Calmita は研究に基づいて開発された、病院向け授乳ソリューションです。乳児は
個々の自然な哺乳行動を訓練し身に付けることが可能になります。内蔵された吸引
圧制御弁により、乳児のペースで母乳を飲むことができます。乳児の吸啜圧が一定
に達したときに、母乳が流れます。乳児は、独自の吸啜リズムを作り、自分にとって
最も適切なペースで適切な量の母乳を効率良く飲むことができます。
Calmita を使用することで、早期退院の基準を満たすことができ、入院期間を大幅
に短縮します*。完全な経口栄養が可能であることが、多くの NICU において退院の
主要基準になっています。Calmita は直接授乳と同様のメカニズムと舌の動きを可
能にするため、新生児は完全な経口栄養により早い時期に到達できます。経腸栄
養から完全な経口哺乳への移行が早まる場合、チューブを用いる日数は減って、医
原性感染症のリスクを低減することができます。
Calmita の独自の構造により新生児は自然な哺乳行動を身につけることができま
す。Calmita  により直接授乳と同様のメカニズムと舌の並行移動が可能になりま
す 51。Calmita を使用している乳児は、不自然な哺乳テクニックを学習する必要はな
くなります。Calmita は母乳育児をサポートします。Calmita を使用している乳児の
病院での母乳育児率の上昇がみられました。
Calmita には 2 つの製品があり、それぞれ吸引圧の閾値が異なります。それぞれの
レベルは乳児の経口哺乳の発達に基づいて設計されています。児の哺乳行動のト
レーニングにもなり、経口哺乳スキルを徐々に向上させることも可能です。新生児
の口腔内吸啜圧を生成する能力に応じて、Calmita を適切に選ぶ必要があります。
Calmita Starter(白)は低閾値レベルの吸引制御バルブを内臓していて、経腸栄養
から経口哺乳への移行期にある早産児、正期産児や、正期産に近い早産児で、吸啜
の弱い児に最適です。乳児が必要とされる口腔内の吸啜圧を生成できるようにな
ると、中程度の閾値レベルの吸引制御バルブを内臓した Calmita Advanced(黄)へ
移行できます。直接授乳できない正期産に近い早産児と正期産児は、直接 Calmita
Advanced から始めることができます。
Calmita Starter 35 ml 初乳容器付き
Calmita  の寸法(両方のタイプで等しい)は、小さな早産児の吸啜を促進します。 
Calmita  の乳頭の長さは、32  週の乳児の硬口蓋のサイズを参考に設計されてい
ます 52。乳児の口腔や骨格の発達には個性差があります。Calmita の形状やサイズ
は、さまざまな位置での異なるラッチングが可能になるようデザインされていま
す。乳児は、乳頭の先端が硬口蓋と軟口蓋の接合点から数ミリメートル離れた場所
に乳頭が来るように、個々に吸着をしなければなりません。
これにより直接授乳時
のように、前部密閉が生成できるようになります 14。
Calmita は、未成熟だけでなく、体力の欠如や吸啜 - 嚥下 - 呼吸パターンの不調和
による吸啜の問題を抱えている乳児の経口哺乳を促進するために使用できる優れ
た病院用授乳ソリューションです。病院で直接授乳が可能でない場合、Calmita は
乳児が直接授乳時と同様の自然な哺乳行動を取ることを可能にし、母乳育児の実
現をサポートします。
Calmita Advanced 80 ml ディスポボトル付き
12 MEDELA
l 早期の退院
Calmita 
を使用することにより、乳児の早期退院の基準を満たし、入院期
間を大幅に短縮します。多くの NICU において、完全な経口栄養が退院
の主要な基準と見なされています。
l 自然な哺乳行動
カミータの吸引圧制御弁により、新生児は自分自身で母乳の流れをコン
トロールできるため、自然な哺乳行動ができるようになります。
このた
め、乳児は母乳が流れない間に休憩および呼吸することができます。
l 病院内での母乳育児の促進
Calmita 
は、新生児が常に授乳できる機会を増加させます。直接授乳の
時と同様のメカニズムと舌の移動を可能にすることで、Calmita は母乳
育児をサポートします。
l 信頼性が高く、安全で使いやすい
Calmita 
の高品質でシンプルな設計により、安定した流量、安全な使用、
簡単な取扱い、そして Medela 製品と接続した際の漏れ防止性能が保証
されています。
Calmita の詳細内容については、www.medela-calmita.com または
www.medela.jp をご覧ください。
MEDELA 13
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metabolic adaptation and crying in healthy
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