特 許 公 報 特許第5791776号

〔実 14 頁〕
特 許 公 報(B1)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5791776号
(45)発行日
(P5791776)
(24)登録日 平成27年8月14日(2015.8.14)
平成27年10月7日(2015.10.7)
(51)Int.Cl.
FI
A01N 31/14
(2006.01)
A01N
31/14
A01N 51/00
(2006.01)
A01N
51/00
A01N 55/00
(2006.01)
A01N
55/00
D
A01N 43/40
(2006.01)
A01N
43/40
101E
A01N 37/36
(2006.01)
A01N
37/36
請求項の数15
外国語出願 (全22頁) 最終頁に続く
(21)出願番号
特願2014-205753(P2014-205753)
(22)出願日
平成26年10月6日(2014.10.6)
住友商事株式会社
平成26年10月31日(2014.10.31)
東京都中央区晴海一丁目8番11号
審査請求日
(31)優先権主張番号
14/284,658
(32)優先日
平成26年5月22日(2014.5.22)
(33)優先権主張国
米国(US)
(31)優先権主張番号
PCT/IB2014/001594
(32)優先日
平成26年5月22日(2014.5.22)
(33)優先権主張国
世界知的所有権機関(WO)
(73)特許権者 000002129
(74)代理人 100102978
弁理士
清水 初志
(74)代理人 100102118
弁理士
春名 雅夫
(74)代理人 100160923
弁理士
山口 裕孝
(74)代理人 100119507
早期審査対象出願
弁理士
刑部 俊
(74)代理人 100142929
弁理士
井上 隆一
(74)代理人 100148699
弁理士
佐藤 利光
最終頁に続く
(54)【発明の名称】局所用液状殺虫剤組成物
1
2
(57)【特許請求の範囲】
物。
【請求項1】
【請求項3】
非プロトン性極性溶媒に溶解可能な親水性ネオニコチノ
エーテルピレスロイド活性を高めるために0.1∼0.
イド成分およびエーテルピレスロイド成分、並びに非プ
3重量パーセントの相乗剤をさらに含む組成物であって
ロトン性極性溶媒を含む、組成物であって、
、該相乗剤がピペロニルブトキシドおよびn−オクチル
該組成物は溶液であり、
ビシクロヘプテンジカルボキシイミドより選択される、
エーテルピレスロイド成分がエトフェンプロックスであ
請求項2に記載の組成物。
り、
【請求項4】
親水性ネオニコチノイド成分がジノテフランであり、
昆虫成長制御物質が、ピリプロキシフェン、メトプレン
非プロトン性極性溶媒は、N−オクチルピロリドン、お 10
、またはフェノキシカルブである、請求項2に記載の組
よびN−メチルピロリドンの組み合わせであり、
成物。
エトフェンプロックスの重量パーセントが55∼65重
【請求項5】
量パーセントであり、
親水性ネオニコチノイド、エーテルピレスロイド、およ
ジノテフランの重量パーセントが4∼6重量%であり、
び昆虫成長制御物質の重量パーセントが、非プロトン性
N−オクチルピロリドンの重量パーセントが6∼10重
極性溶媒中で55∼65重量パーセントを構成する、請
量%である、
求項2に記載の組成物。
組成物。
【請求項6】
【請求項2】
エトフェンプロックスの重量パーセントが60重量パー
昆虫成長制御物質をさらに含む、請求項1に記載の組成
セントである、請求項1に記載の組成物。
( 2 )
JP
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【請求項7】
る場合がある。
ピリプロキシフェンの重量パーセントが0.3∼0.5
【0003】
重量%である、請求項4に記載の組成物。
ネコおよびイヌの両方の健康に影響を及ぼす多くの疾患
【請求項8】
は、血液由来の感染症を広め得る咬傷を介してウイルス
請求項5に記載の組成物の有効量を局所的に投与する段
および寄生虫の媒介物として働くダニ(tick)およびノ
階を含む、毛皮動物においてノミおよびダニを局所的に
ミによって引き起こされる。アメリカ合衆国におけるノ
処理するための方法。
ミおよびダニ用の製品の市場は、約5億5200万ドルであ
【請求項9】
り、約9社が市場を支配している。2007年∼2012年の間
ネコまたはイヌに少量が局所的に投与される、請求項8
に記載の方法。
の成長は0.6%であったが、ペットの飼い主、特に、ペ
10
ットを家族の一員とみなし、自分のペットの健康および
【請求項10】
幸福のためにお金を使うのをいとわない飼い主の数が増
前記量が1∼8mlである、請求項9に記載の方法。
えているため、今後5年間に渡って市場は拡大すると予
【請求項11】
想されている。
前記量が30∼60日毎に定期的に投与される、請求項
【0004】
10に記載の方法。
現在使用されているイヌおよびネコ向けのノミ/ダニ用
【請求項12】
製品にはいくつかの不都合な点がある。理想的には、現
N−メチルピロリドン、および6∼10重量%のN−オ
在入手可能なノミ/ダニ用製剤の欠陥のうちの1つまたは
クチルピロリドンの組み合わせである非プロトン性極性
複数に対処するために、製品は、以下を有するべきであ
溶媒に55∼65重量パーセントのエトフェンプロック
る:(1)小型のイヌまたはネコに適用するのに必要とされ
ス、4∼5重量パーセントのジノテフラン、および任意 20
る局所剤(topical)の量を最小限にするための、高濃度
で0.3∼0.5重量パーセントのピリプロキシフェン
の有効成分;(2)適用から少なくとも30日間までの間、ノ
が溶かされた溶液を含む、動物においてノミおよびダニ
ミの死滅が続くように安定かつ有効である液体製剤;(3)
を処理するためのキット。
万一の皮膚接触に備えた、消費者にとって安全な製品;(
【請求項13】
4)周囲温度、低温、および高温で安定であり、市販用に
0.3∼0.5重量パーセントのピリプロキシフェンを
適切な貯蔵寿命を有する製剤;(5)摂取された場合にもイ
さらに含む、請求項12に記載のキット。
ヌまたはネコにとって非毒性である製品;ならびに(6)イ
【請求項14】
ヌおよびネコの両方に使用するにあたって、理想的には
0.1∼0.3重量パーセントのピペロニルブトキシド
等しく安全かつ有効である製品。
またはn−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミ
【0005】
ドをさらに含む、請求項13に記載のキット。
30
入手可能な多くのノミ/ダニ用局所用組成物は、二大家
【請求項15】
庭用ペットであるイヌおよびネコの両方に使用するにあ
ネコまたはイヌのスポット治療(spot treating)のた
たって安全かつ有効ではない。現在使用されている製品
めの、0.5∼8mlより選択される量の個別に容器に
の別の欠点は、より効果的な高濃度の有効成分が、安定
入れられた溶液を含む、請求項12に記載のキット。
な液状形態で入手できないことである。
【発明の詳細な説明】
【0006】
【技術分野】
効果的な局所用「スポットオン」塗り薬は、動物の種に
【0001】
基づいてではなく体重に基づいて製剤を適用できる場合
本発明は、全体として、殺虫剤、より具体的には、ネコ
に特に、商業的に望ましい特徴である。イヌ向けの液状
およびイヌなどの飼育動物に使用するための殺虫製剤に
関する。
スポット製品の一部は、ネコに使用することができない
40
。
【背景技術】
【0007】
【0002】
特許文献1では、アルコールに溶解させたピリプロキシ
イヌおよびネコを飼う人(ownership)が増えるにつれ、
フェンおよび最高25重量%のジノテフランからなる殺虫
病気のペットおよび高齢ペットのニーズに取り組むため
剤製剤を説明しており、この製剤はイヌおよびネコの両
、ならびに幼若動物および健康な動物を維持するために
方への使用に適用可能と説明されている。特許文献2に
利用可能な医療サービスおよび保健サービスが急増して
おいて、内部寄生虫および外部寄生虫を死滅させる局所
いる。獣医は、きまった仕事として、寄生虫または様々
用製剤は、大環状ラクトンおよびネオニコチノイドを、
なタイプの癌の存在を含めてペットの疾患および感染症
ペルメトリンおよび昆虫成長制御物質に加えて組み合わ
の徴候を検査する。
せている。最初の2種の成分は、ペルメトリンとの相互
ネコは、ネコ白血病に特になりやすく、糖尿病を発症す 50
作用を防ぐために別個に包装され、安定な液体としては
( 3 )
JP
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供給され得ない。
アンショートヘア(Brazilian Shorthair)、ブリティッ
【0008】
シュショートヘア(British Shorthair)、ブリティッシ
ネコ科動物およびイヌ科動物の推定個体数
ュロングヘア(British Longhair)、バーミーズ(Burmese
アメリカ合衆国の家庭用ペットの数は数百万に達してお
)、バーミラ(Burmilla)、カリフォルニアスパングルド
り、ネコおよびイヌの寄与が圧倒的に大きい。2012年に
キャット(California Spangled Cat)、シャンティリー/
おけるアメリカ合衆国のネコの個体数は、ネコ7400万匹
ティファニー(Chantilly/Tiffany)、シャルトルー(Char
を超えると見積もられた。アメリカ合衆国の計数値は、
treux)、チャラウシー(Clausie)、チートー(Cheetoh)、
約5000万匹と考えられている野生ネコおよび地域ネコの
カラーポイントショートヘア(Colorpoint Shorthair)、
個体数は含まない。アメリカ合衆国の世帯の30∼40%が
、1匹または複数匹のネコまたはイヌを飼っている。一
コーニッシュレックス(Cornish Rex)、キムリック(Cymr
10
ic)、キプロスキャット(Cyprus cat)、デボンレックス
世帯当たりの年間の動物関連(veterinary)支出の平均値
(Devon Rex)、ドンスコイ(Doinskoy)、ドラゴンリー(
は、イヌの場合、ウマに使われる支出に匹敵する378ド
Dragon Li)、ドウェルフ(Dwelf)、エジプシャンマウ(Eg
ルであり、一方、ネコの場合、平均費用は191ドルであ
yptian Mau)、ヨーロピアンショートヘア(European Sho
る。(2012 U.S. Pet Ownership & Demographics Source
rthair)、エキゾチックショートヘア(Exotic Shorthair
book)。
)、ジャーマンレックス(German Rex)、ハバナブラウン(
【0009】
Havana Brown)、ハイランダー(Highlander)、ヒマラヤ
表1は、個体数が最も多い上位10カ国におけるネコおよ
ン/カラーポイントペルシアン(Himalayan/Colorpoint P
びイヌの推定数を示す。
ersian)、ジャパニーズボブテイル(Japanese Bobtail)
【0010】
、ジャバニーズ(Javanese)、カオマニー(Khao Manee)、
イヌ科動物およびネコ科動物の個体数は、アメリカ合衆 20
コラット(Korat)、クリリアンボブテイル(Kurilian Bob
国が最も多い。しかし、イギリスおよびドイツでは、ネ
tail)、ラパーマ(LaPerm)、メインクーン(Maine Coon)
コの方がペットとしてイヌよりも人気がある。
、マンクス(Manx)、メコンボブテイル(Mekong bobtail)
【0011】
、ミンスキン(Minskin)、マンチカン(Munchkin)、ネベ
イヌおよびネコは、アメリカ合衆国において大きな事業
ロング(Nebelung)、ナポレオン(Napoleon)、ノルウェー
である。ドッグフードおよびキャットフードの開発およ
ジャンフォレストキャット(Norwegian Forest Cat)、オ
び拡大は発展し続けており、専門店ブランドおよび有機
シキャット(Ocicat)、オホースアズーレス(Ojos Azules
飼料は、収益性の高いニッチ市場を享受している。イヌ
)、オレゴンレックス(Oregon Rex)、オリエンタルバイ
およびネコの新しい品種が出現しつつあり、ラブラドゥ
カラー(Oriental Bicolor)、オリエンタルショートヘア
ードルおよびコッカプーなどのいわゆるデザイナー品種
(Oriental Shorthair)、オリエンタルロングヘア(Orien
があり、American Kennel Clubのような組織によって、 30
talLonghair)、ペルシアン(Persian)、ピーターボルド(
その他の純血種のイヌが認識されている。
Peterbald)、ピクシーボブ(Pixie-bob)、ラガマフィン(
【0012】
Ragamuffin)、ラグドール(Ragdoll)、ロシアンブルー(R
また、消費者は、古代品種、飼いネコ雑種、および飼い
ussian Blue)、ロシアンブラック(Russian Black)、ホ
ネコ/野生ネコ雑種を含むネコ品種にも精通しつつある
ワイトオアタビー(White or Tabby)、サバンナ(Savanna
。ネコの登録簿間で品種分類に相違がある。少なくとも
h)、スコティッシュフォールド(Scottish Fold)、セル
55種の異なる品種が認識されているが、莫大な数のネコ
カークレックス(Selkirk Rex)、セレンゲティキャット(
が混血種である。認識されている品種には、天然種(nat
Serengeti cat)、セラデプチ(Serrade petit)、シャム(
ural)、交雑種、および変異種が含まれる。
Siamese)、シベリアンシンガプーラ(Siberian Singapur
【0013】
a)、スノーシュー(Snowshoe)、ソコケ(Sokoke)、ソマリ
認識されているネコ品種のリストは長く、次のものが含 40
(Somali)、スフィンクス(Sphynx)、スウェーディッシュ
まれる:アビシニアン(Abyssinian)、イジアン(Aegean)
フォレストキャット(Swedish forest cat)、タイ(Thai)
、オーストラリアンミスト(Australian Mist)、アメリ
、トンキニーズ(Tonkinese)、トイガー(Toyger)、ター
カンカール(American Curl)、アメリカンボブテイル(Am
キッシュアンゴラ(Turkish Angora)、ターキッシュバン
erican Bobtail)、アメリカンポリダクティル(American
(Turkish Van)、ウクラニアンレフコイ(Ukrainian Levk
Polydactyl)、アメリカンショートヘア(American shor
oy)、およびヨークチョコレートキャット(York Chocola
thair)、アメリカンワイヤーヘア(American Wirehair)
te Cat)。
、アラビアンマウ(Arabian Man)、アジアン(Asian)、ア
【0014】
ジアンセミロングヘア(Asian Semi-longhair)、バリニ
American Kennel Clubに認識されている品種のリストに
ーズ(Balinese)、バンビーノ(Bambino)、ベンガル(Beng
は、アーフェンピンシャー(Affenpinscher)、アフガン
al)、バーマン(Birman)、ボンベイ(Bombay)、ブラジリ
50
ハウンド(afghan hound)、エアデールテリア(Airedale
( 4 )
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Terrier)、アキタ(Akita)、アラスカンマラミュート(Al
iel)、イングリッシュトイスパニエル(English Toy Spa
askan Malamute)、アメリカンイングリッシュクーンハ
niel)、エントレブッハーマウンテンドッグ(Entlebuche
ウンド(American English Coonhound)、アメリカンエス
r Mountain Dog)、フィールドスパニエル(Field Spanie
キモードッグ(American Eskimo Dog)、アメリカンフォ
l)、フィニッシュラップフント(Finnish Lapphund)、フ
ックスハウンド(American Foxhound)、アメリカンスタ
ィニッシュスピッツ(Finnish Spitz)、フラットコーテ
ッフォードシャーテリア(American Staffordshire Terr
ッドレトリーバー(Flat-Coated Retriever)、フレンチ
ier)、アメリカンウォータースパニエル(American Wate
ブルドッグ(French bulldog)、ジャーマンピンシャー(G
r Spaniel)、アナトリアンシェパードドッグ(Anatolian
erman Pinscher)、ジャーマンシェパードドッグ(German
Shepherd Dog)、オーストラリアンキャトルドッグ(Aus
Shepherd Dog)、ジャーマンショートヘアードポインタ
tralian Cattle Dog)、オーストラリアンシェパード(Au 10
ー(German ShorthairedPointer)、ジャーマンワイヤー
stralian Shepherd)、オーストラリアンテリア(Austral
ヘアードポインター(German Wirehaired Pointer)、ジ
ian Terrier)、バセンジー(Basenji)、バセットハウン
ャイアントシュナウザー(Giant Schnauzer)、グレンオ
ド(Basset Hound)、ビーグル(Beagle)、ビアデッドコリ
ブイマールテリア(Glen of Imaal Terrier)、ゴールデ
ー(Bearded Collie)、ボースロン(Beauceron)、ベドリ
ンレトリーバー(Golden Retriever)、ゴードンセッター
ントンテリア(Bedlington Terrier)、ベルジアンマリノ
(Gordon Setter)、グレートデーン(Great Dane)、グレ
ア(Belgian Malinois)、ベルジアンシープドッグ(Belgi
ートピレニーズ(Great Pyrenees)、グレータースイスマ
an Sheepdog)、ベルジアンタービュレン(Belgian Tervu
ウンテンドッグ(Greater Swiss Mountain Dog)、グレー
ren)、バーニーズマウンテンドッグ(Bernese Mountain
ハウンド(Greyhound)、ハリヤー(Harrier)、ハバニーズ
dog)、ビションフリーゼ(Bichon Frise)、ブラックアン
(Havanese)、イビザンハウンド(Ibizian Hound)、ア
ドタンクーンハウンド(Black and Tan Coonhound)、ブ
20
イスランドシープドッグ(Icelandic Sheepdog)、アイリ
ラックロシアンテリア(Black Russian Terrier)、ブラ
ッシュレッドアンドホワイトセッター(Irish Red and W
ッドハウンド(Bloodhound)、ブルーティッククーンハウ
hite Setter)、アイリッシュセッター(Irish Setter)、
ンド(Bluetick Coonhound)、ボーダーコリー(Border Co
アイリッシュテリア(Irish Terrier)、アイリッシュウ
llie)、ボーダーテリア(Border Terrier)、ボルゾイ(Bo
ォータースパニエル(Irish Water Spaniel)、アイリッ
rzoi)、ボストンテリア(Boston Terrier)、ブービエデ
シュウルフハウンド(Irish Wolfhound)、イタリアング
フランダース(Bouview des Flandres)、ボクサー(Boxer
レーハウンド(Italian Greyhound)、ジャパニーズチン(
)、ボイキンスパニエル(Boykin Spaniel)、ブリアール(
Japanese Chin)、キースホンド(Keeshond)、ケリーブル
Briard)、ブリタニー(Brittany)、ブラッセルスグリフ
ーテリア(Kerry Blue Terrier)、コモンドール(Komon
ォン(Brussels Griffon)、ブルテリア(Bull Terrier)、
dor)、クーバーズ(Kuvasz)、ラブラドルレトリーバー(L
ブルドッグ(Bulldog)、ブルマスチフ(Bullmastiff)、ケ 30
abrador Retriever)、レークランドテリア(Lakeland Te
アンテリア(Cairn Terrier)、カナーンドッグ(Canaan d
rrier)、レオンベルガー(Leonberger)、ラサアプソ(Lha
og)、カネコルソ(Cane Corso)、カーディガンウェルシ
sa Apso)、ローシェン(Lowchen)、マルチーズ(Maltese)
ュコーギー(Cardigan Welsh Corgi)、キャバリアキング
、マンチェスターテリア(Manchester Terrier)、マスチ
チャールズスパニエル(Cavalier King Charles Spaniel
フ(Mastiff)、ミニチュアブルテリア(Miniature Bull T
)、チェスキーテリア(Cesky Terrier)、チェサピークベ
errier)、ミニチュアピンシャー(Miniature Pinscher)
イレトリーバー(Chesapeake Bay Retriever)、チワワ(C
、ミニチュアシュナウザー(Miniature Schnauzer)、ナ
hihuahua)、チャイニーズクレステッド(Chinese Creste
ポリタンマスティフ(Neapolitan Mastiff)、ニューファ
d)、チャイニーズシャーペイ(Chinese Shar-Pei)、チャ
ンドランド(Newfoundland)、ノーフォークテリア(Norfo
ウチャウ(Chow Chow)、チルネコデルエトナ(Cirneco de
ll'Etna)、クランバースパニエル(Clumber Spaniel)、
lk Terrier)、ノルウェジアンブーフント(Norwegian Bu
40
hund)、ノルウェジアンエルクハウンド(Norwegian Elkh
コッカースパニエル(Cocker Spaniel)、コリー(Collie)
ound)、ノルウェジアンルンデフント(Norwegian Lundeh
、カーリーコーテッドレトリーバー(Curly-Coated Retr
und)、ノーリッチテリア(Norwich Terrier)、ノバスコ
iever)、ダックスフント(Dachshund)、ダルメシアン(Da
シアダックトーリングレトリーバー(Nova Scotia Duk T
lmatian)、ダンディディンモントテリア(Dandie Dinmon
olling Retriever)、オールドイングリッシュシープド
t Terrier)、ドーベルマンピンシェル(Doberman Pinsch
ッグ(Old English Sheepdog)、オッターハウンド(Otter
er)、ドーグドボルドー(Dogue de Bordeaux)、イングリ
hound)、パピヨン(Papillion)、パーソンラッセルテリ
ッシュコッカースパニエル(English Cocker Spaniel)、
ア(Parson Russell Terrier)、ペキニーズ(Pekingese)
イングリッシュフォックスハウンド(English Foxhound)
、ペンブルックウェルシュコーギー(Pembroke Welsh Co
、イングリッシュセッター(English Setter)、イングリ
rgi)、プチバセットグリフォンバンデーン(Petit Basse
ッシュスプリンガースパニエル(English Springer Span 50
r Griffon Vendeen)、ファラオハウンド(Pharaoh Hound
( 5 )
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10
)、プロット(Plott)、ポインター(Pointer)、ポリッシ
ピリプロキシフェンまたは(S)メトプレンと組み合わせ
ュローランドシープドッグ(Polish Lowland Sheepdog)
て、様々な濃度のフィプロニル、ジノテフラン、イミダ
、ポメラニアン(Pomeranian)、プードル(Poodle)、ポー
クロプリド、またはエトフェンプロックスを使用してい
チュギーズウォータードッグ(Portuguese Water Dog)、
る。フィプロニルを含む製品に匹敵する効力を成虫のノ
パグ(Pug)、プーリー(Puli)、ピレニアンシェパード(Py
ミ、ダニ、およびシラミに対して有すると記載されてい
rencan Shepherd)、ラットテリア(Rat Terrier)、レッ
るSergeant's社販売の天然植物油の混合物を除いて、有
ドボーンクーンハウンド(Redbone Coonhound)、ローデ
効と思われる植物性薬品はわずかしかない。表2は、局
シアンリッジバック(Rhodesian Ridgeback)、ロットワ
所用治療剤として典型的に供給されているいくつかの評
イラー(Rottweiler)、ラッセルテリア(Russsell Terrie
判の良い市販製品の有効成分を一覧にしたものである。
r)、セントバーナード(Saint Bernard)、サルーキ(Salu 10
【先行技術文献】
ki)、サモエド(Samoyed)、スキッパーキ(Schipperke)、
【特許文献】
スコティッシュディアハウンド(Scottish Deerhound)、
【0017】
スコティッシュテリア(Scottish Terrier)、シーリハム
【特許文献1】米国特許第6,867,223号
テリア(Sealyham Terrier)、シェトランドシープドッグ
【特許文献2】米国特許第7,368,435号
(Shetland Sheepdog)、シバイヌ(Shiba Inu)、シーズー
【発明の概要】
(Shih Tzu)、シベリアンハスキー(Siberian Husky)、シ
【0018】
ルキーテリア(Silky Terrier)、スカイテリア(Skye Te
本発明は、高濃度の親水性殺虫剤および疎水性殺虫剤を
rrier)、スムースフォックステリア(Smooth Fox Terri
含む新しい液体製剤に関し、特に、活性成分(active co
er)、ソフトコーテッドウィートンテリア(Soft Coated
mponents)としてジノテフラン、エトフェンプロックス
Wheaten Terrier)、スピノーネイタリアーノ(Spinone I 20
、およびピリプロキシフェンを含む組成物に関する。ジ
taliano)、スタッフォードシャーブルテリア(Staffords
ノテフランは、水溶性であるネオニコチノイド化合物で
hire Bull Terrier)、スタンダードシュナウザー(Stand
あるのに対し、エトフェンプロックスは、本質的には水
ard Schnauzer)、サセックススパニエル(Sussex Spanie
不溶性である。ニテンピラムのような他の水溶性ネオニ
l)、スウェーディッシュバルハウンド(Swedish Vallhun
コチノイドが使用され得るが、ほとんどのネオニコチノ
d)、チベタンマスティフ(Tibetan Mastiff)、チベタン
イドは非プロトン性極性溶媒に比較的不溶性であり、疎
スパニエル(Tibetan Spaniel)、チベタンテリア(Tibeta
水性成分を含む安定な溶液を形成するほど十分には溶解
n Terrier)、トイフォックステリア(Toy Fox Terrier)
しない。最も好ましい製剤において、疎水性成分はエー
、ツリーイングウォーカークーンハウンド(Treeing Wal
テルピレトリンエトフェンプロックスであり、ジノテフ
ker Coonhound)、ビズラ(Vizsla)、ワイマラナー(Weima
ランおよびピリプロキシフェンと共に、非プロトン性極
raner)、ウェルシュスプリンガースパニエル(Welsh Spr 30
性溶媒中に40∼60%の重量パーセント範囲で調製され得
inger Spaniel)、ウェルシュテリア(Welsh Terrier)、
る。溶媒または混合溶媒の重量パーセントは35%未満で
ウェストハイランドホワイトテリア(West Highland Whi
ある。活性な親水性成分および疎水性成分は、貯蔵寿命
te Terrier)、ウィペット(Whippet)、ワイヤーフォック
が少なくとも数ヶ月である安定な溶液を形成する。
ステリア(Wire Fox Terrier)、ワイヤーヘアードポイン
【0019】
ティンググリフォン(Wirehaired Pointing Griffon)、
開示される液体製剤中で親水性有効成分および疎水性有
ショロイッツクゥイントリ(Xoloitzcuintli)、およびヨ
効成分の混合物を可溶化するのに使用され得る、いくつ
ークシャーテリア(YorkshireTerrier)が含まれる。
かの溶媒および溶媒の組合せがある。このような溶媒に
【0015】
は、N-メチルピロリドン(NMP)、炭酸プロピレン、酢酸
ノミおよびダニの駆除製品
エチル、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFFA)、
ネコ科動物においてノミおよびダニを駆除する際に使用 40
グリコフロール、グリセロールホルマール、ソルケター
するために現在利用可能なノミおよびダニの駆除製品は
ル(単独でまたはDMSOと組み合わせて)、4-ヒドロキシ-1
多数ある。主な製造業者による製品は、月1回の局所剤
,3-ジオキサン、1,2-グリセロール-ホルマール、および
として、大半は、動物の皮膚への「スポットオン」塗り
N-オクチルピロリドンが含まれる。好ましい溶媒はN-オ
薬として販売されている。いずれもノミ成虫を死滅させ
クチルピロリドンであり、これはNMPまたは炭酸プロピ
、大半はダニを死滅させるということになっているが、
レンと組み合わせられてよい。
大多数はノミの卵を死滅させない。フィプロニルを含む
【0020】
製品はシラミを死滅させるが、これらの製品のどれも、
本発明は、ネコ科動物およびイヌ科動物においてダニお
ハエを寄せ付けないとは主張していない。
よびノミだけでなく、ノミの卵、ノミの幼虫、ダニ、ダ
【0016】
ニの卵、ダニの若虫、ダニ(mite)、および蚊の局所治
ノミ/ダニ用製品の大半の主要(main line)製造業者は、 50
療に特に役立つ有効成分(「活性物質(actives)」)の組
( 6 )
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合せを提供する。
載の組成物;
【0021】
[5] ネオニコチノイドが、アセタミプリド、クロチアニ
開示される製剤の特に驚くべき局面は、非プロトン性極
ジン、イミダクロプリド、ニテンピラム、スルホキサフ
性液体中に可溶化され得る親水性活性物質および疎水性
ロール、チアクロプリド、チアメトキサム、またはジノ
活性物質の高濃度である。ジノテフランは親水性であり
テフランである、[1]に記載の組成物;
、水に容易に溶解するのに対し、エトフェンプロックス
[6] ピレスロイドまたはエーテルピレスロイドが、エト
は疎水性であり、本質的には水に溶解しない。ジノテフ
フェンプロックス、アレトリン、ビフェントリン、シフ
ランおよび最大40∼60重量%のエトフェンプロックスの
ルトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメ
組合せを非プロトン性極性溶媒中で実現することができ
トリン、エスフェンバレラート、フェンプロパトリン、
る。エトフェンプロックスのようなエーテルピレスロイ 10
フェンバレラート、フルシトリナート、フルメトリン、
ドを高濃度で含む液体製剤は、ノミおよびダニを駆除す
イミプロトリン、λ-シハロトリン、メトフルトリン、
るのに極めて効果的であり、局所剤として使用するにあ
プラレトリン、レスメトリン、シラフルオフェン、スミ
たって非毒性である。エトフェンプロックスではなくペ
トリン、タウ-フルバリナート、テフルトリン、テトラ
ルメトリンを使用する製品は、毒性があるためネコ科動
メトリン、トラロメトリン、およびトランスフルトリン
物に使用することはできない。高濃度のエトフェンプロ
である、[1]に記載の組成物;
ックスを含む開示される製剤は、イヌ科動物およびネコ
[7] 昆虫成長制御物質が、ピリプロキシフェン、メトプ
科動物、ならびに他の哺乳動物、例えば、ウサギ、マウ
レン、またはフェノキシカルブである、[2]に記載の組
ス、ラット、およびモルモットに効果的かつ安全に使用
成物;
することができる。
[8] ネオニコチノイド、ピレスロイド、および昆虫成長
【0022】
20
制御物質の重量パーセントが、非プロトン性極性溶媒中
好ましくは、局所用溶液は、N-オクチルピロリドンまた
で40∼65重量パーセントを構成する、[2]に記載の組成
はN-オクチルピロリドンとNMPの混合物中に配合された
物;
ジノテフラン、エトフェンプロックス、およびピリプロ
[9] 非プロトン性極性溶媒が、N-オクチルピロリドン、
キシフェンの混合物を含む。ピリプロキシフェンは、0.
N-メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコー
4∼0.5重量パーセントで存在する昆虫成長制御物質であ
ル、炭酸プロピレン、または酢酸エチルのうちの1種ま
る。典型的な好ましい組合せでは、34.6重量パーセント
たは複数種より選択される、[1]に記載の組成物;
のN-オクチルピロリドンまたは28.61重量パーセントのN
[10] エトフェンプロックスの重量パーセントが40∼60
MPと6.00重量パーセントのN-オクチルピロリドンの混合
重量%である、[1]に記載の組成物;
溶媒中に、ジノテフランが4.95重量パーセントであり、
[11] ジノテフランの重量パーセントが4∼6重量%であ
エトフェンプロックスが60重量パーセントであり、ピリ 30
る、[6]に記載の組成物;
プロキシフェンが0.44重量パーセントである。この溶液
[12] ピリプロキシフェンの重量パーセントが0.3∼0.5
は、65重量パーセントより多い有効成分を提供し、ネコ
重量%である、[7]に記載の組成物;
およびイヌにおいてノミおよびダニを駆除および死滅さ
[13] [8]に記載の組成物の有効量を局所的に投与する段
せるためのスポットオン製剤として有効である。
階を含む、毛皮動物においてノミおよびダニを局所的に
【0023】
処理するための方法;
より具体的には、本発明は以下を提供する:
[14] ネコまたはイヌに少量が局所的に投与される、[13
[1] 40∼65重量パーセントのエーテルピレスロイドを含
]に記載の方法;
む溶液を提供する、非プロトン性極性溶媒に溶解可能な
[15] 前記量が1∼8mlである、[14]に記載の方法;
親水性成分ネオニコチノイドおよび疎水性成分ピレスロ
イドまたはエーテルピレスロイドを含む組成物;
[16] 前記量が30∼60日毎に定期的に投与される、[15]
40
に記載の方法;
[2] 昆虫成長制御物質をさらに含む、[1]に記載の組成
[17] N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、炭
物;
酸プロピレン、テトラヒドロフルフリルアルコール、乳
[3] ピレスロイド活性を高めるために0.2∼0.3重量パー
酸エチル、またはそれらの混合物より選択される非プロ
セントの相乗剤をさらに含む組成物であって、該相乗剤
トン性極性溶媒に40∼60重量パーセントのエトフェンプ
がピペロニルブトキシドまたはn-オクチルビシクロヘプ
ロックス、4∼5重量パーセントのジノテフラン、および
テンジカルボキシイミドより選択される、[2]に記載の
任意で0.3∼0.5重量パーセントのピリプロキシフェンが
組成物;
溶かされた溶液を含む、動物においてノミおよびダニを
[4] 疎水性成分および親水性成分が、それらの薬学的に
処理するためのキット;
許容される塩、鏡像異性体、ラセミ体、プロドラッグ、
[18] 0.3∼0.5重量パーセントのピリプロキシフェンを
誘導体、または代謝生成物のいずれかである、[1]に記
50
さらに含む、[17]に記載のキット;
( 7 )
JP
13
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14
[19] 0.1∼0.2重量パーセントのピペロニルブトキシド
ましいが、ニテンピラムは親水性が高く、より高レベル
またはn-オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミド
のネオニコチノイドが望ましいと思われる製剤中で使用
をさらに含む、[18]に記載のキット;ならびに
され得る。エーテルピレスロイドのエトフェンプロック
[20] ネコまたはイヌのスポット治療(spot treating)の
スは、一部の非プロトン性極性溶媒に溶解して、最高で
ための、0.5∼8mlより選択される量の個別に容器に入れ
40∼60重量パーセントを構成するが、ほとんどのエーテ
られた溶液を含む、[17]に記載のキット。
ルピレスロイドは、ほんの少ししか溶解しない。他のエ
【発明を実施するための形態】
ーテルピレスロイドは、殺虫活性を有するならば有用で
【0024】
あり得、費用および比較的低い疎水性が理由となって望
態様の説明
発明の詳細な説明
ましい場合がある。
10
【0028】
ノミおよびダニを死滅させるか、または予防するように
説明される製剤は、0° Fから少なくとも120° Fまでの温
作用する、イヌに利用可能な製品が多数ある。イヌ用の
度で安定である。0° F、32° F、70° F、および120° Fの
周知の局所用スポット治療剤は、フィプロニル、シフェ
試験温度において1ヶ月。表5は、氷点から50° Fまでの
ノトリン、および(S)-メトプレンを含む製品である。45
範囲の温度で保管されたいくつかの製剤の結果を示す。
∼88lbs.のイヌ用の組成物中の有効成分は、約22.8重量
沈殿も結晶化も観察されなかった。
%の範囲である。イヌ用のSqueeze-On(登録商標)中の成
【0029】
分は、シフェノトリンおよびフィプロニルである。活性
エトフェンプロックスは、水に比較的不溶性[1mg/L]で
物質のこの組合せは、ノミ、ノミの卵、ノミの幼虫、お
ある疎水性化合物である。ジノテフランおよびエトフェ
よびダニを死滅させると記載されている。これらのノミ
ンプロックスの両方とも、ピロリドン化合物に可溶性で
/ダニ用製剤は、ネコには使用できない。
20
ある。N-オクチルピロリドンが、単独で、または他の非
【0025】
プロトン性極性液体と混合して使用され得る好ましい溶
ネコ用の典型的なノミ治療剤は、FRONTLINE(登録商標)F
媒である。他の溶媒系が適切であり、表2に挙げられて
elineであり、2種類のみの有効成分(フィプロニルおよ
いる。
びS-メトプレン)を含んで販売されている。後者は昆虫
【0030】
成長制御物質である。有効成分は、約12%しか占めず、
新しい製剤は、イヌ科動物およびネコ科動物の両方に使
不活性成分が製剤の78%超を占めている。比較すると、
用されるように作られている。
本明細書において説明するノミ/ダニ用製剤の方が、は
エトフェンプロックスは、ピレスロイドクラスの殺虫剤
るかに高濃度の有効成分を有しており、したがって、よ
の他のメンバーとは違って、ネコ科動物に有毒ではない
り効果的かつ持続性である。
。イヌに利用可能なほとんどの製品は、ネコ科動物に有
【0026】
30
毒なピレスロイドエステルを含み、したがって、ネコに
表3は、好ましくはジノテフラン、ピリプロキシフェン
は使用できない。エーテルピレスロイドのエトフェンプ
、およびエトフェンプロックスを含む、本発明を示す局
ロックスを高レベルで含む製剤は、ウサギ、マウスラッ
所用製剤を例示する。ジノテフランは、ネオニコチノイ
ト、ハムスター、およびモルモットを含む他の哺乳動物
ドクラスの殺虫剤のメンバーであり、エトフェンプロッ
に使用され得る。
クスは、エーテルピレスロイドである。ほとんどのピレ
【0031】
スロイドはエステルである。ピリプロキシフェンは、昆
本発明の重要かつ予想外の局面は、周囲温度および低温
虫成長制御物質である。ジノテフランはノミを死滅させ
で長期間に渡って安定である溶液中の殺虫剤活性物質の
るがダニは死滅させず、エトフェンプロックスはノミお
総量が高濃度(約45∼65%)であることである。エトフェ
よびダニの両方を死滅させる。ジノテフランは、エトフ
ンプロックスは、親水性物質を溶解させる溶媒に比較的
ェンプロックスは提供しない「迅速な死滅(speed of ki 40
不溶性であるため、これは特に予想外である。説明され
ll)」を提供する。表3は、動物に局所用「スポットオン
る混合物中の親水性活性物質および疎水性活性物質は、
」として塗布できる、ジノテフラン、エトフェンプロッ
温度安定性が良好である安定な溶液を形成する。濃度5
クス、およびピリプロキシフェンを含む製剤を示す。こ
%のジノテフランは、0° Fおよび32° Fで多くの親水性
れらの製剤は、ノミ、ダニ、およびノミの卵を死滅させ
溶媒から結晶化し得るものの、40∼60重量パーセントの
るためにイヌ科動物およびネコ科動物において局所用塗
エトフェンプロックスおよび最大5%のジノテフランを
り薬として使用するのに特に有効である。
含む液体製剤において、沈殿も結晶化も観察されなかっ
【0027】
た。この高濃度の有効成分を含んでさえも、これらの溶
ジノテフランは、水に溶解する(約40g/L)親水性化合物
液は、0° F、32° F、70° F、および120° Fの試験温度で
である。表4に示すように、数個を例外として、他のネ
1ヶ月間安定である。
オニコチノイドは溶解性が劣る。ジノテフランが最も好 50
【0032】
( 8 )
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ノミ疾患
ダニ咬傷からペットに伝染し得るいくつかの疾患がある
ネコにおける致死的疾患はサイトークスゾーン症であり
。アメリカ合衆国において認められる最も一般的なダニ
、これは、中央のカンザス州から南方および東方の、フ
媒介性疾患は、ライム病、ロッキー山紅斑熱、エールリ
ロリダ州ジャクソンビルあたりまでに一般に存在する血
ヒア症、およびダニ麻痺症である。これらおよび特にイ
液寄生虫である。サイトークスゾーン症の有効な治療法
ヌおよびネコを冒す他のダニ媒介性疾患のいくつかを下
はない。
記に挙げる。
【0033】
【0040】
ネコおよびイヌの両方におけるノミによる最も一般的な
ボレリア症とも呼ばれるライム病は、細菌ボレリア・ブ
問題は、ノミアレルギー皮膚炎である。ノミは、摂食し
ルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)によって引き起
ている際に皮膚に唾液を注入し、それが原因で、咬傷部 10
こされる。シカダニはこれらの細菌を運んで、動物の血
位で唾液タンパク質が沈着した場所に動物はかゆみを感
液を吸っている間にこれらの細菌をその動物に伝播させ
じる。その後の引っ掻き行動により、咬傷部分に著しい
る。細菌が動物の血流に送り届けられるためには、ダニ
脱毛が起こり得る。
は、約48時間、イヌ(またはネコ)に付着する必要がある
【0034】
。1日または2日以内にダニが除去された場合には、通常
ノミは、ペットおよびヒトの両方においてアレルギー反
、伝播は起こらない。
応を引き起こし得る。ネコまたはイヌにおけるノミ咬傷
【0041】
は、蕁麻疹または発疹をもたらし得、これらは重篤な皮
ライム病の一般的徴候には、跛行、発熱、リンパ節およ
膚感染症、例えば、ネコの粟粒性皮膚炎を進行させる場
び関節の腫脹、ならびに食欲減退が含まれる。重症症例
合がある。ヒトは、外寄生された動物から移動したノミ
では、動物は、腎臓疾患、心臓病態、または神経系障害
にしばしば刺され、その結果、かゆみ、発赤、および様 20
を発症する場合がある。動物は、ライム病に罹患したヒ
々な程度の皮膚炎が起こる。
トにおいて一般に認められる、見てすぐそれと分かる「
【0035】
ライム病発疹」を発症しない。
貧血は、重度のノミ外寄生においてノミが赤血球を餌に
【0042】
した結果として生じ得る、極めて重篤な病態である。こ
ペットのライム病を診断するには血液検査が必要である
の病態は、子ネコおよび子イヌにおいて特に重篤であり
。検査が陽性である場合、通常、経口抗生物質が処方さ
、赤血球の減少が、酸素を脳に効率的に運ぶ能力に影響
れる。免疫性が与えられないため、ライム病から回復し
を及ぼす。貧血の治療後でさえ、動物は、恒久的な脳損
たイヌは、再びこの疾患にかかり得る。ライム病用ワク
傷を患う場合がある。
チンをイヌに利用することができるが、あいにく、この
【0036】
ワクチンはネコに利用することができない。
サナダムシ(Tape Worms)は、ノミの体内に保有され、動 30
【0043】
物がノミ咬傷をなめるかまたは噛んだ場合にネコおよび
アメリカ合衆国の東部、中西部、および平原地域におい
イヌに伝播する。摂取されたサナダムシは、消化器系中
てイヌで一般に認められる疾患は、ロッキー山紅斑熱で
で繁殖し、数フィートの長さに成長し得る。感染したイ
ある。ネコはRMSFに感染し得るが、ネコの発病率ははる
ヌまたはネコ、特に幼いものは、丈夫に育つことができ
かに低い。RMSFを引き起こす微生物は、アメリカイヌダ
ず、通常は低体重である。
ニおよびロッキー山紅斑熱ダニを介して伝播する。
【0037】
【0044】
ペストは、現代でさえヒトを冒す疾患である。この疾患
微生物の伝播が起こるためには、ダニは、少なくとも5
は、ノミ咬傷を介してヒトに、最も頻繁には、ペットの
時間、イヌまたはネコに付着する必要がある。RMSFの徴
飼い主のノミ外寄生部位に、伝染する。典型的には、ノ
候には、発熱、食欲減退、うつ、関節の痛み、跛行、嘔
ミは、ノミの証拠を示すこともあれば示さないこともあ 40
吐、および下痢が含まれ得る。一部の動物は、心臓異常
るペットによって家庭に持ち込まれる。
、肺炎、腎不全、肝損傷、またはさらに神経学的徴候(
【0038】
例えば、発作、よろめき)を発症する場合がある。
南部諸州で最もよく起こる発疹熱は、野生動物およびネ
【0045】
コまたはイヌなどのペットの両方からノミによってうつ
微生物に対する抗体を検出するために血液検査が使用さ
される。発疹熱の典型的な症状には、背部痛、腹痛、頭
れる。これにより、動物が過去に一度感染したことが示
痛、悪心、嘔吐、および赤い発疹が含まれる。この病態
される。感染症を治療するために、経口抗生物質が約2
の最悪の症状は、この病態によって引き起こされる極め
週間使用される。ライム病と違って、その微生物が排除
て高い熱(105∼106度)であり、数週間続く場合がある。
された動物は、通常回復し、その後の感染に対して免疫
【0039】
性のままである。イヌまたはネコが、心臓、肝臓、もし
ペットのダニ疾患
50
くは腎臓を損傷している場合、かつ/または神経系が感
( 9 )
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染の影響を受けている場合、通常は病院での追加の支持
れる。この毒素は、哺乳動物の神経系に影響を及ぼす。
的治療が必要となる場合がある。
影響を受けたイヌは弱くなり跛行するのに対し、通常、
【0046】
ネコが影響を受ける程度はこれより低い。徴候は、動物
現在、RMSFを予防するために利用可能なワクチンはなく
がダニに最初に刺されてから約1週間後に始まる。典型
、したがって、風土病の地域に生息する動物にとって、
的には、これは、後肢の衰弱から始まり、最終的には四
ダニ駆除が重要である。
肢すべてに影響を与え、その後、呼吸および嚥下が困難
【0047】
になる。病態がさらに進行した場合には、死亡に至る場
エールリヒア症もまた、イヌを冒すダニ媒介性疾患であ
合がある。
る。これは、ブラウンドッグダニ(brown dog tick)およ
【0053】
びローンスターダニ(Lone Star Tick)によって伝染し、 10
動物の体表にダニが認められた場合、通常、除去するこ
リケッチア微生物によって引き起こされる。これは世界
とによって迅速に回復する。病態の重症度に応じて、生
中で発生しており、アメリカ合衆国のあらゆる州で認め
存のために支持的治療(例えば、呼吸補助)が必要とされ
られている。一般的な症状には、うつ、食欲減退(食欲
る場合がある。抗毒素が入手可能であり、これは、感染
不振)、発熱、関節の硬直および痛み、ならびに挫傷が
後すぐに病態が発見された場合に与えることができる。
含まれる。典型的には、徴候は、ダニ刺咬後1ヶ月未満
【0054】
で現れ、約4週間続く。
ヘモバルトネラ症は、ダニおよびノミの両方によって伝
【0048】
染する疾患である。これは、冒された動物の赤血球を標
エーリキア属(Ehrlichia)に対する抗体を試験するため
的にする微生物によって引き起こされて、貧血および衰
に、特殊な血液検査が必要とされる場合がある。通常、
弱をもたらす。ネコおよびイヌの両方が罹患する。ネコ
抗生物質は、微生物を完全に排除するために最長で4週
20
では、この病態は、ネコ伝染性貧血としても公知である
間与えられる。感染後、動物は微生物に対する抗体を持
。イヌでは、その動物がすでに潜在的な問題を抱えてい
つようになり得るが、再感染に対して免疫性ではないと
る場合を除いては、通常、この疾患は見た目に明らかで
考えられる。エールリヒア症に対して利用可能なワクチ
はない。
ンはない。この疾患が特有である国の地域において、ダ
【0055】
ニの季節の間、低用量の抗生物質が動物に推奨され得る
ヘモバルトネラ症の診断は、微生物に関して血液試料を
。
検査することによる。また、特殊な臨床検査も利用可能
【0049】
である。抗生物質を用いた治療を数週間継続しなければ
シカダニおよび西部クロアシダニは、イヌ科動物のアナ
ならず、一部の動物では輸血が必要となる場合もある。
プラズマ症を伝染させる細菌を運ぶ。異なる細菌によっ
【0056】
て引き起こされる別の形態のアナプラズマ症は、ブラウ 30
野兎熱としても公知の野兎病は、北アメリカにおいて4
ンドッグダニによって運ばれる。イヌおよびネコの両方
種のダニによって運ばれる細菌によって引き起こされる
とも、この病態のリスクを有する。シカダニは他の疾患
。ノミもまた、野兎病をイヌおよびネコに伝達し、伝染
も運ぶため、一部の動物は、複数のダニ媒介性疾患を同
させ得る。通常、ネコの方がイヌよりもこの病態に冒さ
時に発症するリスクを有し得る。
れやすい。イヌの症状は、食欲減退、うつ、および軽度
【0050】
の発熱である。ネコは、高熱、リンパ節腫脹、鼻汁、お
アナプラズマ症の徴候は、エールリヒア症と同様であり
よび場合によってはダニ咬傷部位における膿瘍を示す。
、関節の痛み、発熱、嘔吐、下痢、および起こり得る神
通常、幼い動物の方が、野兎病にかかるリスクが高い。
経系障害が含まれる。通常、ペットは、感染後数週間以
【0057】
内に疾患の徴候を示し始める。通常、アナプラズマ症の
通常、血液検査は、野兎病の原因となる細菌に対する抗
診断には、血液検査、尿検査、および時には他の特殊な 40
体を探すために使用され、この抗体が存在する場合、曝
臨床検査が必要である。
露されており感染がほぼ間違いないことが示される。抗
【0051】
生物質は、陽性が確認された動物においてこの病態を治
感染の重症度に応じて、アナプラズマ症の治療のために
療するために与えられる。この病態に対する予防的ワク
最長で1ヶ月間、経口抗生物質が与えられる。直ちに治
チンはなく、したがって、ネコを屋内で飼育することな
療された場合、ほとんどのペットは完全に回復する。ア
らびにノミおよびダニの駆除対策を使用することが重要
ナプラズマ症を患った後の免疫性は保証されておらず、
である。この疾患を保有するげっ歯動物、ウサギ、およ
したがって、再び曝露された場合にはペットは再感染し
び動物をペットが追って捕まえるのを制限することもま
得る。
た、ペットがこの疾患に罹患しないように保護するのに
【0052】
役立つ。
ダニ麻痺症は、ダニが分泌する毒素によって引き起こさ 50
【0058】
( 10 )
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19
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20
イヌおよびネコがバベシア症と診断された場合、原生動
最も明らかになる外見的症状はイヌの頭部周辺である。
物、すなわち、とても小さい単細胞の動物的微生物が、
目やにもまた、非常によく起こる。
責任がある群(parties)である。ダニは、原生動物門の
【0066】
微生物を動物に伝播させ、この微生物が赤血球中に住み
検査を実施して、イヌの血液、分泌物、または筋肉組織
着いて、貧血を引き起こす。通常、バベシア症はアメリ
中の寄生虫を見つけることができる。診断後しばらくの
カ合衆国南部で認められるが、この国の北東部にも存在
期間、抗炎症薬および抗生物質と共に抗寄生虫薬を用い
する。
た治療が必要である。イヌが回復した場合、この疾患は
【0059】
再発が起こり得るため、引き続き薬物治療を数年間行う
典型的には、イヌのバベシア症の徴候は重症である。こ
ことが必要となる場合がある。
れらには、青白い歯肉、うつ、暗色尿、発熱、およびリ 10
【0067】
ンパ節腫脹が含まれる。重症症例では、動物が突然倒れ
ネコおよびイヌの両方におけるノミによる最も一般的な
、ショック状態になる場合がある。血液検査および尿検
問題は、ノミアレルギー皮膚炎である。ノミは、摂食し
査、ならびに特殊な診断検査法が、罹患動物において微
ている際に皮膚に唾液を注入し、それが原因で、咬傷部
生物の形跡を探すのに使用される。
位で唾液タンパク質が沈着した場所に動物はかゆみを感
【0060】
じる。その後の引っ掻き行動により、咬傷部分に著しい
通常、この疾患を乗り越えて生き残ったイヌは感染した
脱毛が起こり得る。
ままであり、将来、再発が起こり得る。バベシア症から
【0068】
保護するために利用可能なワクチンはない。
ダニは、ネコおよびイヌの両方にいくつかの疾患を引き
【0061】
起こすが、イヌだけがライム病にかかる。ネコは、アナ
ネコは、サイトークスゾーン症に感染するリスクを有す 20
プラズマ症および野兎病にかかり得る。稀であるようだ
る。この寄生虫症は、ダニを介して伝染し、アメリカ合
が、ダニはネコをロッキー山紅斑熱に感染させ得る。
衆国の南部中央地方および南東地方において、より一般
【実施例】
的に報告されている。典型的には、感染した場合にネコ
【0069】
は重い病気になる。これは、寄生虫が身体の多くの部分
以下の実施例は、本発明の例証として提供され、限定的
に影響を及ぼすためである。
とみなされるべきでは決してない。
【0062】
【0070】
ネコは、貧血、うつ、高熱、呼吸困難、および黄疸(す
実施例1 ノミ/ダニ用製剤
なわち、皮膚が黄色くなること)を発症し得る。治療は
例示的な製剤
不成功に終わることが多く、感染後わずか1週間で死亡
(A)ジノテフラン4.95gおよびエトフェンプロックス60.0
する。
30
gをN-オクチルピロリドン54.6g中に溶解する。この溶液
【0063】
は、周囲温度で少なくとも1ヶ月間保管することができ
典型的には、特殊な薬物を用いた即時かつ積極的な治療
る。あるいは、最高60%のエトフェンプロックスおよび
、静脈内輸液、および支持療法が必要である。サイトー
4.95%のジノテフランという重量%比を実現する量で混
クスゾーン症から回復したネコは、それでも、一生、こ
合するために、各質量重量比が0.0825であるジノテフラ
の疾患の保有者であり得る。この疾患に対するワクチン
ンおよびエトフェンプロックスの乾燥混合物をN-オクチ
はなく、したがって、ダニの予防が重要である。
ルピロリドンとは別個に運ぶ(shipped)こともできる。
【0064】
【0071】
アメリカ合衆国の南部中央地方および南東地方のイヌは
(B)重量パーセント範囲がエトフェンプロックス40∼60
、アメリカ犬ヘパトゾーン症(ACH)にかかるリスクがよ
り大きい。メキシコ湾岸ダニ(Gulf Coast tick)が、こ
%、ジノテフラン4.95%、ピリプロキシフェン0.44%、
40
およびN-オクチルピロリドン6∼10%である溶液を提供
の特定の疾患を伝達する。このダニ媒介性疾患は、皮膚
するように選択されるN-メチルピロリドン34∼48gおよ
へのダニの付着および刺咬を介した伝染によってではな
びN-オクチルピロリドン6∼10gに、ジノテフラン4.95g
く、若虫期または成虫期のダニを実際に摂取することに
、エトフェンプロックス40∼60g、およびピリプロキシ
よって引き起こされる。摂取は、自分で毛づくろいをし
フェン0.44gを溶解する。この溶液は、周囲温度で少な
ている間に、またはイヌが感染動物を食べた場合に起こ
くとも1ヶ月間安定である。
ると疑われている。
【0072】
【0065】
(C)重量パーセント比がエトフェンプロックス40∼60%
感染は重症であり、致死的であることが多い。症状には
、ジノテフラン4.95%、ピリプロキシフェン0.44%、ピ
、高熱、運動時のこわばりおよび疼痛、体重減少、なら
ペロニルブトキシド0.2%、およびN-オクチルピロリド
びに食欲の完全な喪失が含まれる。筋肉は衰弱し始め、 50
ン6∼10%である溶液を提供するように選択されるN-メ
( 11 )
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チルピロリドン34∼48gおよびN-オクチルピロリドン6∼
【0078】
10gに、ジノテフラン4.95g、エトフェンプロックス40∼
(表3)
60g、ピリプロキシフェン0.44g、およびピペロニルブト
キシド0.2gを溶解する。この溶液は、周囲温度で少なく
とも1ヶ月間安定である。
【0073】
実施例2
高濃度のノミ/ダニ用製剤の適用
実施例1の製剤(A∼C)は、N-オクチルピロリドン/N-メチ
ルピロリドン溶媒中で調製され、名目上60∼65重量%濃
度のジノテフラン、およびエトフェンプロックス、なら 10
びに任意で、それぞれ0.5重量%未満のピリプロキシフ
ェンおよびピペロニルを含む。局所適用は、動物の体重
に応じて、0.5∼8ml、好ましくは1.2mlから最高5.96ml
までの投薬量でイヌまたはネコに月1回行う。
【0074】
実施例3
イヌにおける投薬適用
典型的には、実施例1の製剤は、体重に基づいてイヌ科
動物に適用する。表6は、エトフェンプロックスの質量
重量パーセントが55%である局所用製剤の典型的な投薬
量を示す。
20
この製品は、肩甲骨の間の首の付け根にスポットとして
、または首の付け根から始まって尾の付け根で終わるす
じ状に塗ることができる。
【0075】
実施例4
ネコにおける投薬適用
子ネコは例外として、ネコの体重は、イヌの体重が示す
のと同じ変動は示さない。実施例1のように調製した40
重量%のエトフェンプロックス製剤は、投薬量1.8mlで
適用する。
この製品は、肩甲骨のそばの首の付け根にスポットとし 30
て、または首の付け根から始まって尾の付け根で終わる
すじ状に塗ることができる。
【0076】
(表1)ネコおよびイヌの個体数
【0079】
【0077】
(表2)
(表4)
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( 12 )
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ニテンピラムおよびジノテフランは水溶性が高く、親水
性と説明され得る。
【0080】
10
(表5)室内(Ambient)、冷凍庫、および冷蔵庫での保
管
【0081】
(表6)
【要約】
(修正有)
【課題】飼育動物においてノミ及びダニを処理するための、局所的液体製剤の提供。
【解決手段】エトフェンプロックス等のエーテルピレスロイド及び非プロトン性極性溶媒
に溶解可能なニテンピラム等のネオニコチノイドからなる組成物。更に、ピリプロキシフ
( 13 )
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ェン等の昆虫成長制御物質を含む組成物。疎水性有効成分及び親水性有効成分の合計濃度
は 60重 量 パ ー セ ン ト を 超 え 得 る 。
【効果】前記殺虫剤組成物は、一般に入手可能なノミ処理剤とは異なり、ネコ科動物及び
イ ヌ 科 動 物 の 両 方 に 対 し て 安 全 か つ 有 効 で あ り 、 1回 の 局 所 適 用 が 、 少 な く と も 数 週 間 有
効であり得る。
【選択図】なし
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(51)Int.Cl.
FI
A01N
47/12
(2006.01)
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47/12
A01N
25/02
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A01N
25/02
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25/00
(2006.01)
A01N
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A01P
7/02
(2006.01)
A01P
7/02
A01P
7/04
(2006.01)
A01P
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A61K
31/085
(2006.01)
A61K
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A61K
31/695
(2006.01)
A61K
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A61K
45/00
(2006.01)
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A61K
31/4402
(2006.01)
A61K
31/4402
A61K
31/22
(2006.01)
A61K
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A61K
31/27
(2006.01)
A61K
31/27
A61K
31/44
(2006.01)
A61K
31/44
A61K
31/341
(2006.01)
A61K
31/341
A61P
43/00
(2006.01)
A61P
43/00
A61P
33/14
(2006.01)
A61P
33/14
A61K
47/22
(2006.01)
A61K
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A61K
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A61K
9/08
(2006.01)
A61K
9/08
(74)代理人
新見
小林
大関
雅人
五十嵐
川本
コットレル
和弥
イアン
アメリカ合衆国
審査官
(56)参考文献
義弘
100121072
弁理士
(72)発明者
智彦
100114889
弁理士
(74)代理人
浩一
100114340
弁理士
(74)代理人
121
100129506
弁理士
(74)代理人
102
100128048
弁理士
(74)代理人
Z
瀬下
フロリダ州
スプリング
ヒル ニュー
浩一
ポーランド国特許発明第209053(PL,B1)
特表2007−534714(JP,A)
特表2010−501470(JP,A)
特表2008−515912(JP,A)
ブリテン
ドライブ
11661
( 14 )
中国特許出願公開第102907454(CN,A)
米国特許出願公開第2007/0254927(US,A1)
米国特許出願公開第2007/0254951(US,A1)
特表2007−501840(JP,A)
特表2009−501231(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A01N
31/14
A01N
25/00
A01N
25/02
A01N
37/36
A01N
43/40
A01N
47/12
A01N
51/00
A01N
55/00
A01P
7/02
A01P
7/04
A61K
9/08
A61K
31/085
A61K
31/22
A61K
31/27
A61K
31/341
A61K
31/44
A61K
31/4402
A61K
31/695
A61K
45/00
A61K
47/14
A61K
47/22
A61P
33/14
A61P
43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JP
5791776
B1
2015.10.7