1-1 顧客管理システムを設計する

1-1
顧客管理システムを設計する
1-1では、顧客管理システムの使用目的から、作成するフォーム、レポートのイメージを確認し、
必要な項目を分類してテーブルの設計、作成するオブジェクトの確認を行いましょう。
顧客管理システムで行いたいこと
このDVD通信販売会社では、次のようなことを行いたいと考えています。
1.顧客情報の管理
2.購入履歴情報の管理
入力
入力
顧客情報
入力画面
3.ターゲット情報の管理
顧客
情報
購入履歴
情報入力
画面
表示
表示
商品キー
ワード情報
入力画面
購入履
歴情報
集計・
印刷
集計・
表示
お気に入り
検索画面
お得意様
アドレス帳
集計・
印刷
入力
ターゲット
情報
集計・印刷
ごひいき
ジャンル別
アドレス帳
ターゲット
顧客宛名
印刷
:顧客の名前、性別、住所などの個人情報です。
:顧客が購入した商品(タイトル)の履歴情報です。
ターゲット情報 :タイトルとキーワード(出演者や監督)の関連と、顧客が興味を持っているキーワードはどれかという情報です。
顧客情報
購入履歴情報
必要な項目の確認
フォーム、レポートのイメージをもとに、必要な項目を洗い出してみましょう。
◆顧客情報に必要な項目
◆購入履歴情報に必要な項目
◆ターゲット情報に必要な項目
登録日
伝票番号
商品タイトル
顧客名
日付
キーワード(N)
顧客ふりがな
顧客名
顧客名
性別
商品タイトル
郵便番号
生年月日
キーワード(N)
住所
職業
ジャンル
メールアドレス
数量
郵便番号
金額
住所
電話番号
必要な項目について、以下の点に注目します。
①青い色の項目は、重複している項目です。
②キーワード(N)は、1つの商品に対して複数のキーワードがあることを示しています。
12
1-1 顧客管理システムを設計する
Chapter1
テーブルの設計
テーブルは、同じデータが重複しないように、また関連するデータが1つのテーブルにまとまるように、設計する必要があ
顧客管理システムでは、項目を「顧客マスタ」、「商品マスタ」、「キーワードマスタ」、「商品キーワード情報」、「購入履歴情
報」の5つのテーブルに分け、「顧客ID」
、「商品ID」
、「キーワードID」を使って関連づけるようにします。
◆作成する5つのテーブルと関連付け
「◎」は主キーを設定する項目です。「顧客ID」、「伝票番号」、「商品ID」、「キーワード情報番号」はオートナンバー型とし、
「キーワードID」は、先頭1文字にキーワードの分類を表すアルファベットを使うためテキスト型4桁とします。
「商品キーワード情報」テーブルの「○」は、
「商品ID」と「キーワードID」の組み合わせで、重複する値が設定されないよ
顧客管理システムの概要
ります。項目をテーブルに分けてみましょう。
うにインデックスを設定することを示しています。
(1)
(2)
(3)
顧客マスタ
購入履歴情報
◎ 顧客ID(オートナンバー型)
商品マスタ
◎ 伝票番号(オートナンバー型)
◎ 商品ID(オートナンバー型)
登録日
日付
タイトル
顧客名
顧客ID(長整数型)
タイトルふりがな
顧客ふりがな
商品ID(長整数型)
ジャンル
性別
数量
金額
生年月日
職業
(4)
メールアドレス
(5)
商品キーワード情報
キーワードマスタ
郵便番号
◎ キーワード情報番号(オートナンバー型)
◎ キーワードID(テキスト型4桁)
住所
○ 商品ID(長整数型)
電話番号
○ キーワードID(テキスト型4桁)
キーワード
● 商品マスタとキーワードマスタの関連づけ
1つの商品(タイトル)に対して、任意の数のキーワードを持たせることができるように商品キーワード情報というテーブ
ルを設けています。このテーブルにより、下図のようにタイトルを複数のキーワードと関連づけることができます。
「商品キーワード情報」テーブルには、同じ商品に同じキーワードを重複して設定しないように、フィールドの組み合わせ
によるインデックスを設定します。
「商品マスタ」テーブル
「商品キーワード情報」テーブル
⋮
2
エド・ウード
⋮
⋮
⋮
「キーワードマスタ」テーブル
⋮
2
M001
2
D002
⋮
⋮
M001
ジョニー・ベップ
⋮
⋮
⋮
⋮
D002
ティム・バートントン
⋮
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作成するオブジェクト
テーブル以外では、各Chapterで以下のオブジェクトを取り扱います。オブジェクトは作成するものも、あらかじめ作成済
のものもあります。
◆顧客情報の表示、入力(Chapter3
3-2)
◆ごひいきジャンル別アドレス帳の印刷(Chapter4 4-2)
顧客情報を新規登録したり、登録済みの顧客情報を表示
タイトルのジャンル別に購入回数の多い顧客を抽出し、
したり修正したりできるフォームを作成します。
メールアドレスを表示するレポートを作成します。
「F01_顧客情報入力画面」フォーム
「Q08_ごひいきジャンル別の顧客リストを表示する」クエリ
「M01_顧客情報入力画面」マクロ
「R02_ごひいきジャンル別アドレス帳」レポート
「M07_ごひいきジャンル別アドレス帳印刷」マクロ
◆商品とキーワードの情報入力(Chapter3
3-3)
商品マスタに新しいタイトルを登録し、そのタイトルに
◆ターゲット顧客宛名印刷(Chapter4
関連するキーワードの情報を入力できるフォームを作成
新商品と同じキーワードを持つタイトルを購入したこと
します。
がある顧客を抽出し、宛名を印刷することができるレ
「Q01_商品IDからキーワードを表示する」クエリ
4-3)
ポートを作成します。
「F02_商品マスタ入力画面」フォーム
「Q09_キーワードから顧客を検索する」クエリ
「M02_商品マスタ入力画面」マクロ
「Q10_ターゲット顧客の住所を表示する」クエリ
「R03_ターゲット顧客宛名印刷」レポート
◆購入履歴の表示、入力(Chapter3
3-4)
「M08_ターゲット顧客宛名印刷」マクロ
顧客ごとの購入履歴を表示して、追加することができる
◆処理の自動化(Chapter5)
フォームを作成します。
「Q02_購入履歴情報を入力する」クエリ
作成したフォーム、レポートをメニュー画面から呼び出
「Q03_五十音順でタイトルを一覧表示する」クエリ
すことができるようにします。また、レポートの印刷開
「F03_購入履歴情報入力画面」フォーム
始をコントロールするレポート印刷画面を作成します。
「M03_購入履歴情報入力画面」マクロ
「F00_メニュー画面」フォーム
「F06_レポート印刷画面」フォーム
◆顧客のお気に入り検索(Chapter3
3-5)
顧客のお気に入りのキーワードと、それに対応する商品
のタイトルを表示するフォームを作成します。
「Q04_キーワードから商品を表示する」クエリ
「Q05_購入された商品のキーワードを一覧表示する」クエリ
「Q06_お気に入りを検索する」クエリ
「F04_お気に入り検索画面」フォーム
「F05_お気に入り検索画面のサブフォーム」フォーム
「M04_お気に入り検索画面」マクロ
◆お得意様アドレス帳の印刷(Chapter4
4-1)
顧客の購入額を集計し、多いほうから10番目までのメー
ルアドレスを表示するレポートを作成します。
「Q07_お得意様のリストを作成する」クエリ
「R01_お得意様アドレス帳」レポート
「M06_お得意様アドレス帳印刷」マクロ
14
「M00_メニュー画面」マクロ
「M05_レポート印刷画面」マクロ