539.シャープの液晶事業が掴んだ サムスン向けという “命綱

“命綱”
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539.シャープの液晶事業が掴んだ サムスン向けという“
DIAMOND Online 2012.10.17.
シャープの経営危機が、ほっと一息ついたかのように見える。
同社は9月下旬、みずほコーポレート銀行や三菱東京UFJ銀行などの主力取引銀行に対して、再
建計画を提出。それと引き換えに3600億円の協調融資を引き受けてもらうメドがついた のだ。
再建計画では、売れるものは、まず売ることが原則となる。海外にあるテレビ工場(中国、メキシ
コ、マレーシア)を売却し、買ったばかりの米国の太陽光発電子会社リカレント・エナジーも手放す。
東芝など保有している有価証券も軒並みおカネに換える。
さらに人員削減数も連結グループの2割に当たる合計1万1000人に上り、ボーナスの半減や給
与削減も進めて体質を改善する。
この再建策に応じるかたちで、主力2行を中心に、りそな銀行や地方銀行、生命保険などが前述
の3600億円を協調融資する。資金繰りショートが懸念されていた、巨額のコマーシャルペーパー
(6月末時点で約3600億円)の償還を乗り越えることができそうだ。
ところが、年間売上高で1兆円を超え、シャープの「存在意義」そのものである液晶事業では、異
常事態が続いている。
「サムスンからの受注がなければ、とんでもないことになる」
ある関係者は、シャープの液晶工場の多くが、韓国サムスン電子の液晶テレビやスマートフォン
向けの大量発注によって、何とか命脈を保っているという苦しい内実を明かす。
今月1日、同社が「世界最高レベル、リアリティあふれる映像」と発表した小型液晶パネルも、実は
サムスンのスマートフォンの大ヒット作「ギャラクシー」の次世代機に使うもの。うまくいけば月産
200万台近く受注できるとあり、目下、多気工場(三重県)でサンプル生産が始まっている。
一方、台湾の鴻海グループのテリー・ゴウ会長から出資を受けた堺工場もサムスン頼みだ。シャ
ープは自社ブランド「AQUOS」が不振を極めているだけに、月10万台分の液晶パネル(主に40イ
ンチ)を買い上げるサムスンは、最大の“お得意さま”だ。「サムスン向けビジネスがなければ、工場
の稼働率は2割近く落ちる」(関係者)という依存ぶりである。
サムスンといえば、2000年代前半にシャープの液晶テレビ事業を抜き去り、06年には市場シェア
で世界一に。デザイン重視のマーケティングや価格競争などで、シャープのテレビ事業を崩壊させ
た張本人であるだけに、「あまりにも切ない話」(金融関係者)。
それでも、糊口をしのげているうちはまだ幸せだ。
来年には「サムスンが発注先をシフトするのでは」(業界関係者)という声も上がっている。シャー
“命綱”
”は、ことのほか切れやすいのかもしれない。
プがつかんだ“
(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)
ヨシダコメント:
シャープさんは私の第二の故郷・東広島市の産ゆえに気になる動向。シャープのテレビ事業を崩壊
させた張本人のサムスンに助っ人を期待する因縁の深さ(?)。ホントに切ない話ではあります。
No.1(1-300)
No.2(301-400)
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