平成25年 - 和歌山県立医科大学

平成25年
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「日本のトップクラスを目指して」
和歌山県立医科大学は日本のトップクラスの医療系大学を目指しています。世界的なレベル
の高い研究のみならず、県民・国民の命を守る最先端の高度な治療を臨床の分野では行って
います。教育面では専門教育はもちろんのこと、人間教育にも力を入れています。将来、医
師や医学研究者を目指す人には医学・医療の専門教育はもちろんですが、人間教育はもっと
重要です。医師として専門技術を患者に適応する時に、その判断の基準になるのは、医師の
教養の深さと豊かさです。その意味で、本学では様々な教養教育に熱心に取り組んでいます。
本学のルーツである医聖・華岡青洲は紀州に生まれ育ち、世界で初めて全身麻酔下に乳がん
の摘出手術に成功したことで有名です。「活物窮理」という哲理を提唱し、物事の理を窮めて
から医療に応用することを説きました。特に教養、基礎医学の重要性を主張しています。23
歳の青洲が京に3年間遊学した際、西洋外科医学を学ぶとともに儒学の師のもとで、人間教
板 倉 徹
育に励んだことも忘れてはなりません。もちろん教育にも熱心で「春林軒」と呼ばれる私塾
の中で日本中から来た多くの門下生を育てました。そこで青洲は「この貧しい家でただ患者
の命を助けることだけを考えている。どうして富や名声を望むものか」
と熱く説いていました。
このような青洲の残した足跡が本学の根本精神となっています。
本学医学部は昭和 20 年の設立で 67 年の歴史を持つ伝統ある医学部です。医学における教育、研究そして臨床の3本柱を使命として
熱い教育を行っています。教育については、単なる医学的知識の修得が最終目標ではなく、崇高な人格形成への教育に取り組んでいます。
そのために学生が多くの友人、先輩、師と接して、書物にも親しんで人生について深い思索を巡らせるように指導いたします。医学的
知識のみならず、他人に共感できる「温かい心」を持った医師の育成を目指しています。
医学の研究は本学にとって重要なもので活発に行われています。癌、循環器病、消化器病、神経疾患や免疫疾患などの治療には、そ
の背景となる基礎的研究が重要です。医学部の各教室はこれら最先端の研究に日夜取り組んで、数々の高い水準の医学的研究を世界に
発信しています。青洲が世界に 40 年も先駆けて全身麻酔を行なったように、先見性と独創性のある研究を追及しています。
臨床的には医科大学として高度で最新の医療を県民、国民に提供することで社会に貢献します。臨床各科には日本でもトップクラス
の医師が教授として患者の治療や学生の臨床教育に当たります。とくに救急では附属病院の屋上にドクターヘリが常駐して和歌山県の
みならず三重県や奈良県へも出動して多くの命を救っています。また、がん末期の患者さんのケアを行う緩和ケアにも力を入れ、日本
の大学病院では数少ない「緩和ケア病棟」を開設し、患者さんのケアと医学生への教育を行います。その他、先進的な医療を広い分野
で絶えず追及し、外科手術症例数も日本のトップクラスです。
高度で最先端の医学を学び、同時に「心温まる」医師を目指したい人は、ぜひ私たち教職員とともに夢のある未来へ向かってチャレ
ンジしようではありませんか。
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来たれ和歌山へ、
和医大へ
医学を志す諸君、君たち一人ひとりを心から我が和医大へ歓迎します。
本学は、地域に密着した医科大学として、また、先進医学の情報発信源として着実な発展
を遂げてまいりました。
本学はその一つの伝統として、教授、教員と学生との距離の短い教育、すなわち、多様な
個性と才能に対応すべく、きめ細かな学生教育を実践してまいりました。最近、入学定員の
増員がなされましたが、それにこたえる教員の増強と環境づくりを図ることによって、以前
にも増して学生と教員がより密着した教育を実践していきます。
具体的には講義や実習の充実に加え、医学研究の態度を学生のうちから涵養する基礎配属
宮下 和久
実習、早期臨床体験型実習や PBL チュートリアル、地域実習を含む臨床実習、スキルラボも
完備した実技実習など、学生の能動的な学習の機会を積極的に取り入れています。また、学
生の自主カリキュラム等による国際交流、国際研修にも力を入れています。
医学部教育6年間と卒後臨床研修4年間を見据えた 10 年一貫教育を展開し、豊かな人間性
と医師としての高い倫理観をもち、高度な専門知識と技能を有する優れた医療人育成を目指
していきます。
本学では、医学研究の活性化に力を入れ、医学研究環境を整え、若い研究者の育成を図り
つつ、第一線の基礎医学研究、臨床医学研究が精力的に展開されています。最新の研究成果
を国内外に発信しつつ更なる発展を期してすべく着実に歩んでいるところです。また、本学
附属病院は、最新の医療を提供する医療機関として、和歌山の地域医療の中枢医療機関として、
大変重要な役割を果たしています。特定機能病院、
災害拠点病院、
公立大学ではじめてドクター
ヘリが配備された高度救命救急センターを有する病院として、先進医療をリードしています。
紀州、和歌山が生んだ医聖、華岡青洲は世界ではじめて全身麻酔下に乳がん手術を成功さ
せましたが、本学はその麻酔薬に用いた曼陀羅華の花を校章に戴き、青洲の医学への大いな
る志しを本学の教訓としています。また、
和歌山県は世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
としての高野山、田辺、熊野地域のいわゆる熊野古道、熊野三山にまたがる広大なエリアを
包括しています。本学で学ぶことによって、このような自然と文化に包まれた豊かな自然環
境のもとで、人間として、医学を目指す学徒として充実した学生生活を過ごすことができます。
さあ、諸君、医学の伝統と文化遺産の香り漂う和歌山の地で、最新の教育環境を具備する
和医大で共に学ぼうではありませんか!
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4
5
和医大生としての
スタート
一年生
岡部 友香
はじめまして、こんにちは。私は今、この和歌山県立医科大学で、毎日
●数学●統計学・医学統計学●物理学●化学●生物学●情報処理●英語・ドイツ
語・フランス語・中国語●保健体育●ケア・マインド教育●倫理学●法学●心理
学●哲学●医療社会科学●医療行動科学●医療経済学●物理学実習●化学実習
●生物学実習●心理学実習●早期臨床体験実習●教養セミナー●教養特別セミ
ナー●医学入門
充実した時間を過ごしています。授業の一端をご紹介しますと、1年生
は一般教養を学ぶのですが、高校時代には無かった心理学や医療社会
科学といった授業もあり、新鮮な気持ちで聞いています。また、思いや
りの心を持った医療人になる為、週一回ケアマインドという授業があ
ります。この授業では、実際に患者さんに学校に来てもらって、講義を
して頂き、その話を聞いて医学部と保健看護学部合同のグループワー
クを行います。まだ、専門的な医学の勉強は始まっていませんが、医療
人としての立場からものを考え、真剣に意見を交換し合う機会を得ら
れるのは、とても貴重なことだと感じます。
大学と高校の違いは、大学は自分で学ぶ所だという点にあると思い
ます。高校では、授業は一方的に与えられるものでしたが、自分で課題
を見つけ、目標に向かって学ぶのが大学生だと私は考えます。先生方
は、私たちが勉強するための門戸を開いて下さっているのであり、前に
進んでいくかどうかは私達次第なのです。和医大の先生方は、とても熱
心な方々ばかりで、質問に行くと丁寧に教えてくださいますし、意欲的
な学生の背中を喜んで押してくださいます。私は受験生の頃オープン
キャンパスに参加し、先生方の熱意と、先生と学生の距離が近いこの和
医大の雰囲気に惹かれたのですが、入学してあの時の印象は間違って
いなかったと確信しています。また、図書館や実験室等の設備も整って
おり、このような素晴らしい環境で勉強出来ることに感謝しています。
そして夏休みには、
Early Exposure という病院実習があります。
病院
では、手術や診察の様子等を見せてもらえたりするのですが、こんな未
熟な段階で実際に医療現場に行くのは、早いうちに医療人としての自
覚を持ち、自分の将来の目標を見出すためにあるのだと思います。和医
大では、机上で学ぶだけでなく、色んな体験をすることで、豊かな人間
性を持つ医師を目指せます。私は、スポーツ系のクラブに所属し、その
他臨床技能サークルやボランティア活動にも参加しています。学生の
間にせっかくのチャンスを逃さず、積極的に様々な活動に参加し、医師
としては勿論、
一人の社会人として成長していきたいと思っています。
また、和医大は単科大学なので、同級生や先輩との交流が多いところ
も魅力です。縦も横もつながりが深いと、将来仕事で本当に困った時に
助け合うことが出来ると思います。医療はどんどん進歩してきており、
医師同士支え合いながら患者を救うことが求められています。この和
医大なら、素晴らしい仲間が必ず見つかると信じています。
このように、和歌山県立医科大学は人間味あふれる大学です。私も本
格的に医学を勉強し始めるときが待ち遠しいですし、和医大で勉強出
来ることを本当に嬉しく思っています。今の新鮮な気持ちと目標を忘
れずに、6年の時間を有効に過ごし、和医大の求める温かい心を持つ医
師になりたいと思います。
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和歌山県立医科大学の
特徴
二年生
金井 峻太
はじめまして。2年生の金井です。僕がはじめて和歌山にきてからも
う1年以上が過ぎました。ここでは、私がその1年間で感じた和歌山県
立医科大学の魅力を紹介したいと思います。
まず、私が1年間過ごしてきて一番印象に残っている経験は、1
年生の夏休み時にケアマインド教育の一環として行われる、Early
Exposure 早期臨床体験実習です。この実習では、和歌山県内の病院で
働く先輩医師方に付いて、実際の医療現場を見学します。具体的には、
外来や入院患者の回診、手術の見学などをさせていただきました。私は
医学部に入学したのは良いが、いざ医師になるとなった時、何をどうす
ればいいのか、まったく将来のビジョンが見えませんでした。しかし、
1年生の夏という早い段階で臨床体験をして、先輩方の話を実際に聞
くことによって、医療現場で求められている医師像を直に体感し、自分
がどういう医師になりたいのかを考えるきっかけを得ることができま
した。この経験によって、普段の授業にもより一層真剣に取り組むこと
ができました。
次に、1年間にわたって勉強するケアマインド教育という科目を紹
介します。この科目は保健看護学部と合同の授業で、医療マインドを育
むことを目的としています。例えば難病を抱えた患者さんの講演を聴
き、その話からワーキンググループごとにテーマを決めて話し合い、そ
の内容をまとめて発表をしました。ワーキンググループは医学部だけ
でなく保健看護学部も合同で行うので、ディスカッションの時も、様々
な角度からの意見が飛び交い、みんなで“医療人としてどうすべきか”
を考えることによって、お互いに切磋琢磨できたと思います。
和歌山県立医科大学の最大の魅力は、教員の方と学生の距離が非常
に近いということだと思います。教員の方は熱意を持って授業をして
下さります。その熱意に対して学生が応えることによって教員と学生
の間に強い絆を感じることができます。私達が望めば、望んだだけ学び
の機会を得ることができる環境にあると思います。そして、教員はそれ
を待ち望んでいます。私は、熱意のある教員の方々のおかげで質の高い
医学を学び取ることができていると自負しています。
最後に、医学部を目指されているみなさんは辛い思いを今されてい
ると思います。私も3年間浪人している時は、先が見えず、不安で眠れ
ない夜もたくさんありました。しかし、どうして医師を目指そうとする
のかという目標をしっかり持って今は踏ん張ってください。来年の和
歌山県立医科大学入学式で会えることをとても楽しみにしています。
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●細胞の構造と機能●人体の正常構造と機能●生体物質の代謝●基礎医学英語
●地域医療学●特別講義●基礎医学PBL●生体と微生物●病因と病態●人の
死
(法医学)
●免疫と生体防御●生体と薬物●生態と病害動物●遺伝子と遺伝子
異常●医学英語●衛生学●公衆衛生学●解剖学実習●生理学実習●生化学実習
●薬理学実習●病理学実習●微生物学実習●衛生学実習●公衆衛生学実習●基
礎配属●地域実習
和医大で広がる
可能性
三年生
中尾 衣里
受験生のみなさん、勉強に励んでおられることと思います。今回、こ
れまでの学生生活の中で、私が感じた和歌山県立医科大学の魅力につ
いて、紹介させていただきます。
長年の地域医療に貢献したいという夢を実現するために、私は、県民
医療枠で入学させていただいたこともあり、定期的に地域医療支援セ
ンターの先生方からのお話を聞く機会があります。また、日本全国さま
ざまな大学の先生方から、そこでの地域医療について教えていただい
たり、部活の先輩で、ドクターヘリにのって和歌山における救急医療に
携わっていらっしゃる先生と、実際の医療の現場について一緒にお話
させていただいたり、社会が私に求める医師像はどんなだろう、と常に
考えさせられています。
昨年東日本大震災が起こった際には、多くの方が傷つき苦しんだ悲
惨な現状について、地震発生直後から救護活動なさった多くの和医大
の先生方から、お話を伺う機会がありました。法医学の先生からの、死
法解剖のため体育館に隙間なく横たえられた身元不明の無数のご遺体
と向き合われたお話、救護活動したくても交通ライン破壊により現地
入りできず、もどかしさを感じた救急の臨床医の先生のお話・・・。ボ
ランティアに行ってきました!と胸をはって話をなさる先生は誰ひと
りいなくて、
「現場で実際できることは少なかった、命を落としていか
れる人に出会う方がずっと多く、
自分の無力さにやるせなさを感じた。
」
と自身に対するもどかしさから、語尾を強くして話されるのをきいた
時には、医師にできることの限界に苦悩しつつ、ひたむきに医療行為に
取り組む先生方の姿が目に浮かび、ショッキングでした。
まだ高校生のみなさんが、こんな医師になりたい、というような具体
的な目標をみつけたり、こんな職業につくためにこの大学に入学した
い、と決めたりすることは決してたやすいことではないと思います。ま
だまだ自分の人生設計に悩んでいる方がほとんどだと思います。私は
幼い頃からずっと、家族の影響もあり自分の将来=医師としか考えず
にいて、がむしゃらに勉強してきました。しかし、いざ和医大に入学し
てすぐの間は、急に何をするにもやる気をなくしてしまった時期が長
く続きました。勉強も、慣れない運動系の部活も、何もかも中途半端に
しかできず、毎日が楽しくなかったです。特に2回生になって急に難し
い基礎医学の勉強に入った時は、とてもつらかったです。
でもそんな自分を脱出させたのは毎日学校へ行き、友達と共にこつ
こつ勉強する、という当たり前のことを日々こなしていくことでした。
和医大で与えていただくあらゆる機会-日々の授業、実習-に真摯に
向き合い、ひとつひとつ丁寧にこなしていくうちに、少しずつできるこ
とが増え、同時に、いろんなことに興味がわいてきたのです。それは熱
心に教えてくださる先生方や、共に志高く医師を目指す友達との出会
いがあってこそでした。やる気があればどこまでも飛躍できる環境が
整っている和医大だからこそ、よき師、友との出会いに恵まれ、充実な
日々に対して貪欲でいられるようになりました。
私が今挑戦したいことはいっぱいあります。日本、世界のいろんな場
所に行って自分の眼でみてもっと多くのこと知りたい!歴史、社会の
ことをもっと勉強したい!「わりんぎ」に参加したい!
(「わりんぎ」とは、実技の腕を早いうちから学ぶためのサークルで
す。)そして授業もすごく面白い!もっと病気のことが知りたい!そ
れってどういう意味?と、授業を受けているとどんどん興味、疑問があ
ふれてきます。
楽しく充実した毎日を過ごさせていただいて、今の私に育ててくれ
た、身の回りの地域の方々への感謝の気持ちを一番に感じ、和歌山の医
療に携わり、健康で楽しい毎日の手助けをできるようになりたいと純
粋に思います。
「明るく、元気に、ひたむきに」、みなさんと一緒に和医大
で頑張れるのを楽しみにしています!
●血液系●代謝内分泌系●感染・免疫系●循環器系●呼吸器系●消化器系●神
経系●腎・泌尿器系●特殊感覚系
(耳鼻咽喉科)
●特殊感覚系
(眼科)
●皮膚・結合
織系●運動器系●精神医学系●生殖系●小児科学●麻酔科学●救急医学●臨床
検査医学●画像医学●放射線治療●リハビリテーション●歯科口腔外科●緩和
医療●病態栄養治療学●在宅医療●東洋医学●医療情報学●個人情報●地域医
療●医と法●加齢と老化●医療安全●臨床腫瘍学●看護体験実習●臨床実習入
門●臨床実習
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受験生の
みなさんへ
積極的であればこそ
四年生
五年生
山根有希子
-with passion, your wonderful life
島 聖
医師を志す受験生のみなさん、こんにちは。数ある大学の中から、こ
皆さん、はじめまして。5年生の島です。入学後にも待ち構えていた
の和歌山県立医科大学に興味を持っていただいてありがとうございま
数々の試験をなんとかくぐり抜け、充実した大学生活を送っていまし
す。今回、医学部の4年生として、この大学のカリキュラムや特色、魅力
たが、その残り時間も早いものであと2 年を切りました。そんな私から、
の一部を、私なりにお伝えしたいと思います。みなさんの今後の勉強の
風変わりな医学生として一風変わったメッセージを書かせて頂きます。
励みになってくれれば嬉しく思います。
私は中学時代から理科、特に生物が好きで、興味の赴くままに学んで
本学の特色として、他大学と比べても実習が多いことが挙げられる
いたところ、行き着いた先が医学だった、というのが入学時の志望動機
と思います。その中でも、特に心に残っている実習をいくつかお話しし
です。思い返せば入学してからの4 年間はイベント盛りだくさんでし
たいと思います。
た。私はどちらかと言うと好奇心旺盛な性格で、医学に限らず手広く
まず、1年次のEarly Exposure です。1年次には一般教養の学習を
様々なことを学んでみたいと考えていました。
行い、高校の授業の延長のようなものが多く、正直、
“医学部らしい”科
学生生活もこれで終わりですし、それを目一杯楽しんでやろうと、カ
目はそう多くないです。しかし、夏休みにあるEarly Exposure では、手
リキュラム以外で長期休暇に何かしらの学びのイベントを体験しよう
術の現場や診察の様子など、実際の医療の現場を間近に見学させてい
と決めていました。生物の教授のもとで細胞培養の手技を学びました
ただける機会があります。早く自分も医師となって、患者さんを助けら
し、動画の撮影と編集スキルについて学ぼうと思い立って和歌山大学
れるようになりたい―そんな風に思える実習でした。
へお邪魔したり、基礎配属期間中にお世話になった研究室で統計解析
次に、2年次の後期にある、系統解剖実習です。ご遺体に触れ、自分の
のプログラムを教わったりと医学には直接関係しないことを色々させ
手でメスを入れながら得た知識は、教科書からは決して得ることので
て頂きました。医学に近いところでは、全国の医療系学生が集まる学生
きない、貴重な“生きた”知識となっていきます。それと同時に、命の尊
大会に参加して、著明な先生の講演を聞いたり、学生が開くセミナーに
さを痛感し、人間の体の精巧さに感動することと思います。御献体いた
出席して、学校では習わない医療問題などをたくさん学びました。他に
だいた方には、今でも、言葉にしきれないほどの感謝でいっぱいです。
も数々の体験をしてきましたが、これらはカリキュラムに含まれてい
他にも、高齢者福祉施設実習や保育所実習、障害者福祉施設実習など
ません。しかし、積極的に何かをしようとすれば、本学は規模が小さい
があり、また、五年次には医療問題ロールプレイも行われ、特色あるも
のになっています。知識や技術だけでない、人格的にも豊かな医師にな
れる環境が、和歌山県立医科大学にはあるのです。
ので講師陣との距離が近く、その分チャンスをつかみやすいのです。
私は上述の活動を通して高校と大学の違いを実感しました。一般に
高校は「教えられに行く所」であり大学は「学びに行く所」とよく言わ
大学では、高校までの“受け身”の学習と異なり、自主的な学習が求
れます。高校時代は苦手教科、すなわち興味のない教科を含め、多数の
められます。本学は先生方との距離も近く、学生の指導に熱心な方が多
教科について多くの知識を獲得できました。つまり、知識のベースライ
いため、自分が望みさえすれば、望んだだけの学習の機会が与えられま
ンを上げてくれるのが高校で、その点では大学に優っていると言えま
す。本学は規模が小さく、先輩との距離も近いので、先輩方には親身に
す。一方、大学では自分の興味のあることをとても深く学ぶことができ
なっていろいろ相談にのっていただけます。また、1学年の人数が少な
ます。興味のあることを学ぶのはそれ自体が快感で、学んだことをきっ
く、全員が同じ授業を受けるため、同級生との絆は深いです。辛い時に
かけに次の学びが始まる、学びのスパイラルが始まります。大学ではこ
は励まし合い、助け合い、切磋琢磨できるかけがえのない仲間と出会え
の感覚を思う存分楽しめます。しかし、高校とは違って自発的にベクト
たことは、わたしにとって大きな財産です。
ルを生み出さなければ何も起こりません。何も起こらなくても、大学で
和歌山県立医科大学に入学してからの3年間、ほどほどに学び、実習
はカリキュラム通りに授業が進むので、普段通り過ごせば医学に対す
に取り組み、そしてそれ以上に全力で遊び、クラブ活動をし、バイトも
る知識が深まります。しかし、興味を持たずして得た知識というのは記
してきました。大変な事もありましたが、仲間にも恵まれ、充実した毎
憶には残りにくいものです。臨床の現場では患者さんの安全が第一な
日を送っています。最後の学生生活を、ここ和歌山県立医科大学で過ご
ので、確かな知識を確かに身に付けることが重要です。皆さんが本学に
せる事を幸せに思っています。最後になりましたが、受験生のみなさん、
入学した暁には、キャンパスライフをより充実したものにするために、
先が見えずに辛いことも多いと思いますが、自分自身に負けないで頑
高校時代の受身な態度から自発的に学ぼうとする積極的態度に切り替
張ってください。Where there is a will , there is a way . 努力した分
えてみてください。そうすればここに待っていますよ。そう、飽きるこ
だけ、必ず充実した学生生活が待っています。来春、みなさんにお会い
とのない楽しい毎日がね。
出来ることを楽しみにしています。
9
和医大に
入学して良かったこと
六年生
新津 敬之
受験生の皆さん、初めまして!こんにちは!大学案内を読んでくれ
てありがとうございます。私は今6年生で、臨床実習を一通り全科回っ
た後、希望する診療科を選んで再び2カ月間実習させてもらっていま
す。私は和歌山県立医科大学に来て6年間在学し、私なりに良かった
なぁと思うところを挙げてみたいと思います。
まず一つ目は何と言っても自然が美しい事です。和歌山に来て驚い
たのは大学からすぐ近くに5分の所に海水浴場があり、マリーナとい
うリゾート地があるという事でした。部活を終えた後に皆で海に行っ
たり、川で泳いだり、クワガタを採ったり、魚を捕まえて大学の池に放
流したり。そして部活の後輩と星を見に行ったり。
私は大阪生まれで都会生活が長かったのですが、もしそのまま大阪
の大学に居れば、きっと繁華街に飲みに行ってばかりだったでしょう。
そして夜空を見上げて感動する事も、実習後、夕焼けが窓から見えたら
すぐに自転車を海岸まで走らせるといった事も、夏が来れば海だけで
なく山登りにも思いを馳せる事も無かったでしょう。現在もたまに後
輩と星を見に行って、語り合っています(笑)
かといって和歌山市内は生活に困らない十分便利な街だと思います。
気候も夏は風が心地よく、冬は暖かくというように、穏やかで大変過ご
しやすいです。和歌山に来て自分の中の感性が磨かれた気がします。
二つ目は、先生方と学生の距離がとっても近い事です。私が現在実習
する中で、例えば、学生が「○○に興味がある」と希望をすると、先生方
は「じゃあ~に行ってみようか」などと学生の熱意に興味を持って接し、
応えて下さります。学生のために忙しい時間の合間を縫って、飲みにつ
れて行って下さる事もあります。それは、私達にとって雲の上のような
存在である教授の方々でも同様です。
私達のようなまだ右も左もわからないような者にとって、第一線で
働く先生方の人生観を聞いたり、医療について話し合ったりする事は
大変貴重な機会です。よくこの大学で言われる「アットホーム」をまさ
に実感し、日々感謝しております。ここまで学生に近く接して下さる
大学は和歌山県立医科大学以外、なかなか見当たらないのではないで
しょうか。
最後に、何といっても和歌山の方々の心穏やかな気質です。例えば病
院内で挨拶すると必ず返して下さる。例えば人に道を聞くと、丁寧に教
えて下さる。勿論、全員がそのような人だと言っているのではありませ
ん。しかし、その「ちょっとした心遣い」
「ちょっとした優しさ」に触れ
る機会が多く、日々感謝しております。
以上の事から和歌山県立医科大学はよき人間になるための、よき医
者になるための下地を培ってくれる、素晴らしい大学だと私は思いま
す。現在、必死で勉強されている皆さんが来春、人格を磨き、感性を磨き、
医学の学び舎としてここの門を叩いて下さる事を、心から楽しみにし
ております。
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和歌山県立医科大学を
卒業して
輝かしい未来の
ために
研修医1年目
研修医2年目
田中 彩加
みなさん、はじめまして。私は、今年3月に和歌山県立医科大学を卒
井口 孝司
受験生のみなさん、はじめまして!
業し、4月から和歌山県立医科大学附属病院で研修医として働き始め
どのような気持ちでパンフレットを読んでいらっしゃるでしょう
ました。まだまだ自分に出来ることは少なく、日々新たな事を学び、勉
か?和歌山ってどんなとこだろう?和歌山県立医科大学では何が学べ
強していかないと、と感じさせられる毎日ですが、やりがいのある仕事
るんだろう?地域の大学病院でのキャンパスライフってどんなのだろ
であると実感しています。
う?こんなところでしょうか。
学生生活を振り返ってみると、入学時はこれから6年間なんて、すご
実際大学を選ぶ際に重要なのは、いかに充実した生活を送れるかだ
く長い年月だと思っていましたが、実際過ぎてみると、あっという間の
と思います。その充実した生活に必要なものはいろいろありますが、一
短い時間でした。医学部は6年間を通じて実習も多く、卒業前には国家
番大切なものは「人間関係」だと思います。これはどこに行かれるとし
試験もあります。ときに辛い時も、大変な時もありましたが、同じ目標
ても忘れないでいただきたいと思います。
に向かって進む同級生や、悩みを相談でき、導いてくれる先輩方に支え
られて、今の自分があります。
紹介が遅れましたが、私は和歌山県立医科大学を卒業し、同病院で研
修している2年目研修医です。学生時代は決して真面目とはいえない
国家試験に向けての勉学の環境としては、6年生時、24 時間利用可
学生でしたが、とても楽しく充実した大学生活を送れたと自負してい
能な勉強部屋があり、分らないところは友人同士で質問しあったり、た
ます。さらに、学生時代のみでなく研修もとても充実しています。これ
まには息抜きに食事や遊びに行ったり、と自分たちで計画的に勉強で
も、和歌山という土地柄と和歌山県立医科大学の教育プログラムのお
きる、とても良い環境にあるのではないかと思います。また、大学受験
かげであると思います。
の段階で将来の研修病院について考えている人は少ないかもしれませ
教育プログラムに関しては、
「自主性」を大切にしながらメリハリを
んが、和歌山県立医科大学附属病院は研修指定病院として人気が高く、
もって過ごせるようなものになっています。また、学生や研修医の意見
研修医の指導体制が十分に整っています。研修内容を自分で考えて枠
を取り入れて、常に現代の教育にあうように進化し続けています。土地
を組んでいける、という自由度の高いシステムも人気の高い理由の一
柄はぜひ来て見て触れて感じてください!ちなみに、私は大阪生まれ
つであると思います。
大阪育ちでしたが、和歌山色に染まってしまいました(笑)
私が大学受験をしたのは、はや6年前のことですが、当時は将来への
医師という仕事をしていくにあたって、和歌山県立医科大学で学び、
夢や希望と同時に、様々な不安や悩みを抱えていたことを覚えていま
現在も働いていることは私にとって大きな財産であると考えています。
す。受験勉強では、努力をしても結果を得られないときもあるかもしれ
みなさんもぜひ、この和歌山県立医科大学で充実したキャンパスライ
ません。しかし、将来医師になりたいという強い意志を持って、目標に
フをエンジョイしてください!いつの日か、活き活きと輝いた目をし
向かって努力を続ければ、きっと結果は得られるはずです。
たみなさんに出会えることを楽しみにしています。続きはweb で!
学生生活では勉強以外にも、クラブ活動やバイト、ボランティア、留
学など様々なことに挑戦でき、活動の幅を広げることができます。とき
には、楽しい大学生活を思い描き、それから、今までみなさんを支えて
下さった友人や家族を大切にして、受験勉強、頑張って下さい。将来、み
なさんとお会いできる日を楽しみにしています。
11
12
13
上
旬
春季休業 / 前期授業開始
中
旬
入学式 / 新入生ガイダンス
下
旬
学生健康診断
上
旬
中
旬
下
旬
上
旬
中
旬
下
旬
上
旬
西日本医科学生総合体育大会激励会
中
旬
夏期休業(7月下旬〜8月下旬)
下
旬
西日本医科学生総合体育大会
(7月下旬から8月中旬)
上
旬
中
旬
下
旬
上
旬
中
旬
下
旬
前期定期試験
上
旬
後期授業開始
中
旬
篤志解剖体慰霊祭
下
旬
上
旬
中
旬
下
旬
上
旬
中
旬
下
旬
上
旬
中
旬
大学入試センター試験
下
旬
一般入試願書受付
上
旬
入学式写真
新入生研修写
真
オープンキャンパス
慰霊祭写真
紀葉祭(大学祭)
冬期休業(12月下旬から1月上旬)
推薦入試願書受付
紀葉祭
写真
推薦入学試験及び合格発表
中
旬
下
旬
後期定期試験
医師国家試験
開学記念日
上
旬
卒業式
中
旬
学年末休業(3月中旬〜下旬)
下
旬
入学者選抜前期日程試験
前期日程合格発表
卒業式写真
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インターネット
(パソコン・携帯電話・スマホ)
自動音声応答電話
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IP電話
携帯電話・スマホでバーコードを
読み取り、
アクセスした場合は
資料請求番号の入力は不要。
050 -8601 -0101
(24時間受付)
※IP電話への通話料金は、一般電話回線からは日本全国どこからでも3分毎に約11円。
Tel.050-8601-0102
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平成25年