平成22年度事業計画 - JCTEA 一般社団法人日本CATV技術協会

平成22年度事業計画
我が国の放送界にとって最大の課題となっているテレビジョン放送の完全デジタル
化について、その期限である2011年7月までいよいよ残すところ1年余りとなって
いる。
(社)日本CATV技術協会(以下、JCTEA)としては、これまでアナログ周波
数変更対策における調査業務の実施や共同受信施設地上デジタル放送対応推進本部の
設置、受信障害対策共同受信施設の実態調査など、国のデジタル化政策に貢献してきて
おり、平成21年度は、(社)デジタル放送推進協会(Dpa)からのデジタル個別受信
可否個別調査の受託など、完全デジタル化のための事業を積極的に推進してきた。
しかしながら、受信障害対策共同受信施設の改修や共同受信加入者の個別受信化など
デジタル化対策は、アナログ放送個別受信視聴者のデジタル化対策に比べ大きく遅れて
おり、共同受信施設・加入者のデジタル放送受信対策が緊急の課題となっている。
総務省では、共同受信施設のデジタル化を加速する緊急対策を含めたデジタル放送推
進のための行動計画(第10次)を平成21年12月にとりまとめている。
一方、2011年以降は、地上デジタル放送のリパッキング、ギャップフィラーの推
進やアナログ放送用周波数の跡地利用の新サービスの開始など新しい取り組みが予定
されており、総務省においても放送と通信の総合的法体系の検討が進んでいる。
このような状況により、会員各社の業態変化も進んでいき、JCTEAに求められる
役割も変化していくことが予想される。
このため、平成20年3月より「JCTEA将来像検討委員会」を設置して、JCT
EAの今後の課題・中期計画をまとめ、その初年度として平成21年度に設置した緊急
プロジェクトの成果をとりこみ、デジタル化へのより一層の対応や規格・標準化、調査
研究、技術資格の認定、建造物障害調査等の事業を積極的に推進することとする。
平成22年度は、特に次の事項を重点として活動する。
① 地上デジタル放送については、総務省や(社)デジタル放送推進協会等の関係機
関と連携して会員あげて共同受信施設のデジタル化改修、調査に取り組んでいく。
また、ケーブルテレビでのデジアナ変換伝送に伴いアナログ放送跡地利用の新サー
ビスとの干渉問題等の技術的検討、リパッキングによる共同受信施設の改修対策な
ど、2011年7月以降に向けた課題にも取り組んでいく。
② 建造物受信障害調査については、これまでJCTEA及び会員にとっての主要な
業務であり収入源でもあったが、地上デジタル放送の開始以降、受信障害調査業務
は減少してきている。しかし、弱電界地域等においては受信障害が残るため、調査・
対策がアナログ放送時代と同様に必要となる。これらの現状を建築主や自治体に理
解を求めていくとともに、地上デジタル放送の受信障害の実態把握や適切な調査手
法を確立していく。
③ 技術者養成については、約 18,000 人の有線テレビジョン放送技術者を養成してき
た成果を踏まえつつ、完全デジタル化時代に向けた新しい資格に発展させるため、
試験内容の見直しなどを積極的に検討していく。
④ 規格・標準化や技術調査については、次世代HFCなど新時代に対応した技術調
査にも取り組んでいく。
⑤ 業務運営の効率化については、平成20年来、検討を進めてきたJCTEA将来
像検討委員会での報告をふまえつつ、技術資格制度など早急に対応が必要な項目に
ついては、平成21年度に設置した緊急プロジェクトにて検討を継続する。また、
財政の健全化や業務運営の効率化を不断に推進しつつ、会員にとって役立つ活動を
より積極的に推進し、急速に変わりつつある環境に迅速に対応していく。
1
ネ
ケーブルテレビ産業の発展に向けた活動の推進
ク ス ト
イ レ ブ ン
(1)NEXT 2011 Step1「創る(クリエイティブ)
」の実施
2011年7月の地上テレビジョン放送の完全デジタル化移行に伴うケーブルテ
レビ産業は、放送と通信の融合・競合など、激しく変化する時代に入ってきている。
JCTEAでは、会員社の業態変化やJCTEAがなすべき社会的な役割などの指
針を示すべく、平成20年3月にJCTEA将来像検討委員会を設置し、平成21年
2月に中間報告を発表し、その後、本部・支部の総討議や隣接業界を含むヒアリング、
全会員へのアンケート調査等を実施してきた。
平成22年2月には、これら検討結果を基に『NEXT 2011 完全デジタル
時代に創るCATV技術集団の進むべき道(仮称)』を報告した。
この報告書の中で提起した中期行動計画(アクションプラン)を確実に実施してい
くことにより、会員社の発展に寄与するとともに、関係業界や隣接業界へ本報告を提
案し、JCTEAの存在価値を高めていく。
<行程(ロードマップ)>
2010年度(平成22年度)
Step1「創る(クリエイティブ)」
2011年度(平成23年度)
Step2「行う(アクション)」
2012年度(平成24年度)
Step3「広げる(エクスパンド)」
将来像の初年度となる平成22年度は、地デジ完全移行・アナログ円滑終了のため
の最終年度として、これまでの活動を集大成した総力戦を行いつつ、2011年度以
降を見通した準備を確実に行うことが必要となる。
さらに、優先度を見定めつつ、取り組むべき業務対応や規模・システム等を検討す
ることとするが、緊急に対応が求められる次の3事項は、「NEXT2011実現に
向けた緊急プロジェクト(以下、緊急プロジェクト)」として取り組む。
①
技術者資格制度の見直し
②
受信障害予測調査の提唱と地方自治体の条例化促進
③
公益法人改革対応
(2)「ケーブルテレビショー2010」の開催
従来から(社)日本ケーブルテレビ連盟と共催で実施してきたケーブルテレビショ
ーは、本年度から(社)衛星放送協会の参加を得て、ケーブルテレビ3団体が共催す
る「ケーブルテレビショー2010」として新しくスタートする。
これまでのケーブルテレビショーは、機器メーカー・ベンダーや番組サプライヤー
からケーブルテレビオペレーターへのビジネスショー的性格が強かった。
本年は、さらに加えて、一般生活者へのケーブルテレビの魅力を一層アピールする
場として位置づけ、会場も東京ビックサイトから一般生活者の参観が多く見込める池
袋に移転する。また、ケーブルオペレーターも「未来のケーブルテレビ生活展(仮称)」
を積極的に展示するなど、ケーブルテレビ業界の大競争時代に対応するイベントとし
て取り組むこととしている。
このようにケーブルテレビ業界が一体となって、その産業の発展・拡大を図る一大
イベントへJCTEAとしても積極的に参画していく。
なお、「ケーブルテレビショー2010」の実施は、次のとおり。
①
期 日
平成22年6月24日(木)~26日(土)
②
会 場
池袋サンシャインシティ
(3) 「情報通信月間」及び「受信環境クリーン月間」等への積極的な参加
総務省や関係機関・団体等が実施する5月15日~6月15日までの「情報通信
月間」及び10月1日~10月31日までの「受信環境クリーン月間」の活動に積
極的に参加するとともに、テレビジョン放送の完全デジタル化を翌年に控え、各種
の行事へ積極的に参加し、デジタル化推進の一翼を担うこととする。
2 地上デジタル放送の円滑な普及への貢献
2011年7月の地上放送完全デジタル移行まで1年余りとなり、今年は、共同受信
施設の地デジ対応最後の年との認識で取り組まなければ間に合わない状況となってい
る。
共同受信施設の地デジ対応は、調査から地元説明・施設改修等までに時間を要するこ
とから、平成22年末での対応完了を目標に、多くの課題を解決していくことが必要と
なる。
なかでも受信障害対策施設における施設管理者不明や届出未確認施設への地デジ改
修を積極的に取り組む。
なお、地デジ移行後に不用となるアナログ施設部分について、そのまま放置にしてお
くと老朽化によるケーブルのたるみや切断、機器の落下等の事故につながることが懸念
されることから、不要となる施設の撤去も含め適切に進めていくことを施設管理者等へ
働きかける。
2011年以降、VHFやUHFアナログ放送チャンネルの一部は、新たな放送や通
信等の用途に使用されることが予定されているが、地域によっては、新たな放送・通信
用電波による既存受信ブースターへの過入力障害やデジ・アナ伝送共同受信施設への飛
び込み障害などの発生が危惧されている。
また、2012年(平成24年)7月までに予定される地上デジタル放送の周波数リ
パッキング地域における共同受信施設の対応検討も喫緊の課題となっている。
これらアナログ放送終了からデジタル放送移行における様々な課題に専門技術やノ
ウハウを生かし、これまでの検討・分析をもとにより一層積極的に取り組んでいく。
一方、地デジ完全移行が迫ってきたこともあり、地上デジタル放送に関する相談件数
が増加し、相談内容も専門的・長時間となってきている。JCTEAを頼って寄せられ
る受信相談については、「ワン・ストップ」を基本に対応する。
なお、平成22年度は、「共同受信施設地上デジタル放送対応推進本部(略称:共聴
地デジ推進本部)」を中心に各支部と連携しつつ、国の諸施策に対応するため、関係組
織・団体等と連携して次の活動を行う。
(1)総務省およびテレビ受信者支援センター等への協力
平成21年度は、デジタル個別受信可否個別調査や受信障害対策共聴施設整備事業
費補助事業における事務補助業務、デジタル混信対策事業費補助事業における事務補助
業務、共聴施設整備事業費補助事業における事務補助及び助成金相談窓口業務について、
(社)デジタル放送推進協会より業務を受託し、地上デジタル放送の普及を推進した。
「デジタル放送推進のための行動計画(第10次 )」には、「受信障害対策共聴に対
するより具体的な働きかけ」や「ケーブルテレビにおけるデジアナ変換の暫定的導入」
などが掲げられている。
これら残された課題の解決に向け積極的に取り組むとともに、JCTEAの視点から
アナログ終了における課題を明確にする。また、国やテレビ受信者支援センターの活
動に参画するなどして、次の活動を重点的に行い地デジ普及推進を図る。
① 施設管理者不明や届出未確認の共同受信施設に対する地デジ対応促進
② ケーブルテレビ設備での地上デジタル放送のデジアナ変換伝送への技術支援
③ 地デジ移行に伴い不用となるアナログ共同受信施設の撤去の徹底
④ アナログ放送跡地利用や周波数リパック等に向けた共同受信施設調査への協力
(2)共聴地デジ受信相談および地デジ導入コンサルタント事業の推進
共同受信施設の地デジ受信相談は、相談内容もますます専門的で長時間の対応と
なっている。総務省地デジコールセンターや各地区デジサポからの紹介で、JCTE
Aに相談が寄せられるケースも増加しており、ホームページ「地デジ相談室」の充実
を図るとともに、本部・支部が連携した専門技術者による丁寧な受信相談を継続して
実施する。
地デジ導入コンサルタントは、平成18年度より行っており顧客に安心して受
け入れられている。今後、より一層信頼されるコンサルタント事業を推進すると
ともに、平成20年度に定めた「地デジコンサル業務等におけるガイドライン」
に基づいて公正な調査・報告に努める。また、「でじ郎Ⅱによる共同受信施設へ
のデジタル放送導入」等の技術セミナーを積極的に開催し、会員の技術力向上、
報告書の品質確保を図る。
さらに、地上デジタル放送のギャップフィラーの設置届について、今後の事業
性や会員社の意向把握をもとに「ギャップフィラーの設置届支援マニュアル(仮
称)」の作成など、具体検討を継続する。
(3)本部・支部連携による地デジ普及推進と今後の事業展開
総務省の地デジ普及推進に関する「スクラム2011」等の各種情報については、
本部から支部へ的確な情報発信を行い、地デジ普及推進を加速するとともに、国およ
び自治体による地デジ普及推進活動への支援・協力を本部・支部が連携して推進する。
3 ケーブルテレビ技術に関する標準化の推進
JCTEAは、(社)電波産業会(ARIB)、(社)電気通信技術委員会(T
TC)と並んで我が国の電気通信技術分野におけるケーブルテレビ技術に関する
標準化団体であり、これまで日本ケーブルラボによる運用仕様とあわせて、車の
両輪としてケーブルテレビのデジタル化に寄与してきた。
平成22年度は、これまでの活動を継続するとともに、新たな技術の標準化を
推進し、ケーブルテレビシステムの品質・信頼性の向上によりケーブルテレビ業
界の発展と加入者の利便性向上に努める。
なお、標準規格の策定に当っては、総務省情報通信審議会や民間標準化機関で
あるARIBやTTC及び(一般社団法人)日本ケーブルラボ(JLabs)等
の関係機関・団体及びITU等の国際機関との連絡調整を図りつつ取り進める。
なかでも、JLabsが実施する事業戦略や新技術開発動向を踏まえ、ケーブ
ルテレビの標準機関としての役割を果たしつつ、JLabsへの技術面のサポー
トを積極的に行う。
また、2011年7月の地上放送完全デジタル化に向けた活動や放送・通信融合法
制改正等に伴う新たな技術基準の改正施行や制度改正に対応して標準規格の制定・改
定を推進するとともに、JCTEAの活動や規格・標準化委員会の活動、その他の
活動を通じて、制定・改定された標準規格の普及を図る。
(1) 規格・標準化委員会の活動
①
2011年地上放送デジタル化の完全移行に関する事項
地上デジタル放送の完全デジタル化に向けた送信対策、受信対策等の各種の施
策に伴う技術基準の改正、制度改正を踏まえ標準化を推進する。
ア
ギャップフィラーについては、ケーブルテレビ施設に接続して地上デジタル
放送の信号の供給を受ける場合あるいは供給する場合、技術基準適合証明や工
事設計認証の利用が難しかった。このほど制度改正が行われたことを受け、制
度に適応してSTD-019-1.0「ギャップフィラーシステムとその機器」
の改定を行い、これに関連してSTD-020-1.0「ギャップフィラーシ
ステムとその機器測定法]の改定も行った。今年度は、これら標準規格の周知・
普及とギャップフィラーシステムの普及を推進する。
イ
これまで公共の電気通信業務用に使用されていた18GHz帯無線システ
ムについて、平成21年2月の電波法関係審査基準の改正により電気通信業務
に加えて地上デジタル放送やコミュニティ放送等の信号伝送も可能となった。
そこで、準ミリ波帯無線アクセスシステムWGを設置して標準規格STD-0
21-1.0「18GHz帯無線アクセスシステムの性能」を制定した。
これら標準規格の周知・普及と18GHz帯無線アクセスシステムの条件不
利地域への活用を推進する。
ウ
ケーブルテレビ設備でのデジアナ変換伝送技術等の新技術の動向を踏まえ、
必要により標準化を推進する。
②
ケーブルテレビの高度化に関する事項
ケーブルテレビ施設のFTTH化や伝送方式の高度化等伝送技術の動向を踏
まえ必要により標準化を推進する。
ア
ケーブルテレビ施設のFTTH化において、現有のHFCシステムおいて使
用しているインターネット等各種設備の有効利用のための技術としてRFo
G技術(RF over Grass:ケーブルモデム等の上りRF信号をFTTHの光ファ
イバーで返す技術)が注目されている。RFoG技術の動向を踏まえ標準化を
推進する。
イ
ケーブルインターネットの高度化等の技術動向を注視し、適宜標準規格の制
定・改定を行う。
③
デジタルケーブルテレビに関する事項
2011年のデジタル放送への完全移行に向けた活動やケーブルテレビシス
テムの高度化など市場からの技術的要求に対応して標準規格の制定・改定を推進
する。
平成21年度においてデジタル放送技術の動向に適切に対応するため「デジタ
ル放送WG」を設置し、デジタルケーブルシステムに関して送信技術及び受信技
術について一括にして標準化検討を進めることになった。
ア
平成21年度末には、地上デジタル放送における緊急地震速報の迅速化に
関する有テレ施行規則告示の改定に対応してデジタル放送関連規格の改定
を行った。今年度はこれら規格の周知普及を推進する。
イ
今後の256QAM対応やH.264対応のSTBの市場投入等の技術動
向を踏まえて標準規格へ反映させる。
④ 新技術に関する事項
地上デジタル放送普及推進やBS/CS放送の増強、IPTV、ホームネット
ワーク、無線ケーブルテレビ等の進展などに伴うケーブルテレビ関連の技術動向
を踏まえ関連技術の標準化を推進する。
ア
IPTV、NGN、ホームネットワークなどの国際的議論が高まるなか、
ケーブルテレビ業界の対応を検討するためGS対応WGにおいて議論を進
めており、ITU―T等の寄書活動の推進及びTTCやITU-Tなど関係
外部機関に対して適宜ケーブルテレビ側の意見の反映に努める。
イ
IPTV、ホームネットワーク等の新技術と既存CATV技術との円滑な
融合を図るべくケーブルテレビ側の意見反映に努める。
⑤ ケーブルテレビ技術の国際化に関する事項
地上デジタル放送の日本方式(ISDB-T)がブラジルにおいて採用された
ことにより、南米各国においてこの日伯方式の採用が決まっておりケーブルテレ
ビに関する問い合わせも出てきた。
一方、政府や放送産業界では、ISDB-T方式のアジアにおける普及も推進
しており、その動向を勘案しつつJCTEA標準規格書の英文化等、国際化への
対応について検討する。
(2)規格適合性管理業務の推進と標準規格の普及
次の規格適合性管理業務を推進するとともに支部開催講習会等において標準
規格等の技術解説等を行い標準化の重要性を周知するとともに標準規格の普及
を図る。
①
妨害評価試験確認業務の円滑な遂行
ケーブルテレビサービスの多様化に伴い有線テレビジョン放送信号の正常な
受信を確保するために本業務を推進している。本業務に関する業務マニュアル、
試験マニュアルなどを整備して業務の標準化により円滑な運営を図ってきたが、
今後もマニュアル等の整備を推進して申請者の利便性の更なる向上を図るとと
もに、確認会議の円滑な運営に努める。
②
デジタルケーブルテレビ用ネットワーク識別子(NW-ID)管理業務の円滑
遂行
秩序あるNW-IDの利用を推進するためネットワーク識別子管理委員会は
平成19年に管理業務を開始し、その後、申請手続きや審査関連のマニュアル等
の整備を推進し、管理・運用の充実を図ってきた。今後もマニュアル化を推進し
て円滑な運営を図る。
(3)外部の標準化推進機関や技術機関への対応
①
情報通信審議会の各種委員会やITU-T等への対応
情報通信審議会のケーブルテレビに関係する委員会等の動向を注視し、委員会
や作業班に参加して、ケーブルテレビ側の意見反映に努めるとともに、委員会報
告書やITU―T関係文書を検討しJCTEA標準規格への反映を図る。
②
(一般社団法人)日本ケーブルラボ(JLabs)への協力
新たに発足したJLabsとの情報交換を密にし、JLabsの事業戦略や技
術開発を踏まえた関連技術の標準化を推進し、JLabs運用仕様化活動その他
の技術活動との連携、協力を図ってケーブルテレビ業界の発展に寄与する。
③
(社)電波産業会(ARIB)のデジタル放送関連部会やWGへの対応
ARIBにおけるデジタル放送関連の作業班や部会等に参加しケーブルテレ
ビ側の意見の繁栄を図るとともに、必要により関連するARIB規格の制定・
改定をJCTEA標準規格の制定・改定に反映させる。
④
ICT標準化・知財センター(iSIPc)への協力
iSIPcにおいては、ICT技術に関する国際競争力を強化するため国際標
準化活動や標準化人材育成を戦略的に推進すべく、NGNやIPTV、ホームネ
ットワークなど10の重点技術分野について国際標準化戦略、パテント分析や人
材育成などの検討チームを結成して活動している。当協会も民間標準化団体の一
員として、これらiSIPcの活動に対してTTC、ARIBの標準化団体やそ
の他関連団体、CIAJ、TELEC、SCAT、JATE、ITU-AJとと
もに協力して支援していく。
②
(社)電子情報技術産業協会(JEITA)等との情報交換
JEITA、JCTA、JLabs、JCTEAの4団体は主として地上デジ
タル放送方式に基づく放送とその受信機に関して市場における各種問題等につ
いて情報交換会を行い、受信者の利便性等の向上を図って来ている。今年度もこ
れら情報交換を密にして地上デジタル放送方式におけるケーブルテレビ受信及
び共同受信の問題解消に努める。
4 新技術・施工技術等についての調査研究
有線テレビジョン放送施設の技術に関連する調査研究を推進し、ケーブルテレビや
集合住宅共同受信施設、山間部の共同受信施設等CATV施設の普及発展に寄与する。
なお、調査研究の実施に当っては、一般社団法人日本ケーブルラボや (社)日
本ケーブルテレビ連盟、(社)電子情報技術産業協会等、関係機関・団体との連
絡調整を図りつつ取り進める。
(1)調査研究の推進
次の項目についてWGを設置して調査研究を推進する。
①
地上デジタル放送の無線共聴システムに関する調査研究
有線テレビジョン放送施設と接続する地上デジタル放送のギャップフィラー
システムについて、平成22年1月に技術基準適合証明等の省令改正が行われた。
これに伴い、規格・標準化委員会の受信対策中継局機器WGと連携を取りつつ、
ギャップフィラーシステムの実用化例や新たな難視対応等を調査し、「地上デジ
タル放送の無線共聴システムの設置ガイドライン(平成20年5月策定)」の修
正・追加等の改定作業を行い、ギャップフィラーシステムの導入を加速させると
ともに、周知活動も積極的に行う。
②
23GHz無線利活用に関する調査研究
地方公共団体等が利用している18GHz帯無線アクセスシステムを活用し
たケーブルテレビ事業者による地上デジタル放送再配信サービスや、ケーブルテ
レビ用に割り当てられている23GHz帯域においてデジタル放送配信や多点
中継等に利用するための調査検討および技術試験が総務省等において進められ
ているので、中断しているWGを再開し、調査研究を推進する。
③
海外技術動向の調査
平成21年度に引き続き、「諸外国におけるIPTVのサービス動向」に係る
サービス内容、ネットワーク技術、端末技術動向等について調査する。
また、米国・南米および欧州のケーブルテレビの技術動向調査も実施する。こ
のため、SCTE Cable-Tech 2010(2010年10月20~22日,ニューオリンズ)について
も定点観測のために視察調査を実施する。
④
地上アナログ放送周波数跡地利用に関する調査研究
地上アナログ放送停波に伴う無線周波数跡地利用として、新たにマルチメディ
ア放送や公共ブロードバンド通信、ITS、携帯電話の導入が具体的に検討され
ており、ホテル・事業所やケーブルテレビにおけるデジアナ変換等の跡地利用サ
ービスとの相互干渉についてシミュレーションできる状況になってきたが、今後
の実フィールドにおけるデジアナ変換信号に対するアナログテレビ放送やマル
チメディア放送の飛び込み干渉等の調査方法や障害対策等について引き続き検
討を行う。
⑤
3D映像の伝送表示技術に関する調査研究
3D映画「アバター」が空前の大ヒットとなり話題を呼んでおり、電機メー
カも本年より3DテレビやBDを発売する予定であり、米国において衛星放送の
DirecTVが本年6月より3Dサービスを開始することになっている。
また、米国ではケーブルテレビの3D伝送技術について、すでにSCTEが標
準化に取り組んでいる。3D映像の表示方式にも、液晶シャッター型の時分割方
式やパッシブ型の偏波分割方式などいろいろな方式があるため、3D映像の伝送
表示技術や3D製品の動向の調査を行い、報告書を作成する。
⑥ その他ケーブルテレビ技術に関する調査研究
ケーブルテレビのシステムや施工技術などについて、サービス動向や技術動
向を勘案しつつ適宜新たなテーマで調査研究を行う。
また、ホワイトスペースに関するルールづくりへの参画を通じて、既存有線
システムとの混信保護や新たなサービスの創造等についても、状況を見つつ検
討を行う。
⑦
ケーブルテレビの周辺技術に関する調査研究
ケーブルテレビの周辺技術について、技術動向を勘案しつつ適宜新たなテーマ
で調査研究を行う。特に、IPTVやホームネットワーク関連の調査研究に注力
する。
(2)調査研究業務の受託
調査研究に関する各種業務を積極的に受託する。
(3)国および関係機関・団体の調査研究会等への参加
国および関係機関・団体が行う調査研究会等に積極的に参加し、ケーブルテレ
ビに関する技術の向上に寄与する。
5 有線テレビジョン放送技術者資格制度推進と改定
有線テレビジョン放送技術有資格者の社会的ニーズは、昨年度(平成21年度)地
デジ普及推進事業としてデジサポが実施した「電波遮へい対策事業に関する委託企業
の公募について」の事業において、「第1級有線テレビジョン放送技術者の配置」が
条件になったことや試験実施後に試験問題をホームページに掲載することで自治体
や関連業界の方々に有テレ放送技術者の技術・知識レベルについて、再評価されてい
る。
現在、全国の約44%の世帯(2,300万世帯:平成21年3月末、総務省発行「ケー
ブルテレビの現状」による)がケーブルテレビによってテレビジョン放送を視ている
ことから、地デジ対応への改修工事や新たな受信障害対策等のために、より高度な専
門技術を有するケーブルテレビ放送技術者が求められている。
ケーブルテレビの完全デジタル化時代にあっては、地デジにおいては弱電界地域や
同一チャンネル放送局間の混信障害等の発生が想定されることやケーブルテレビ施
設を活用したブロードバンドサービス(インターネット、電話、VOD等)を提供す
るシステムの構築、更にはシステムの性能維持及び安全・安心運用ための技術等、そ
れぞれ専門分野の技術・知識有するスペシャリストが求められている。
このような背景を踏まえ、有線テレビジョン放送技術者資格制度における講習・試
験内容の改正・改定を検討し、これまでは受講・受験者の拡大及び更新対象者の更新
率を高めるために、第2級テレ有資格者が第1級を受験する場合に法規科目の試験を
免除することや、更新手続きをインターネットからも可能にする等の改正を行ってき
た。
平成21年度においては緊急プロジェクトの課題として取り上げ、新制度の設計、
実施のための課題抽出と推進体制の検討等を行った。
平成22年度においては、2011年度からの新制度運用開始を目標に具体的な実
施計画案を作成し、決定機関に諮り可能な分野から着手する。
(1)新資格制度と講習・試験実施体制の検討・準備
ケーブルテレビシステムは放送の完全デジタル化、ブロードバンドサービスの導入、
更にはギャプフィラーシステムや18GHz帯無線による伝送、21/23GHz帯
無線による伝送・分配システムの実用化検討等、有線・無線システムの融合が急速に
進んでいる。
有線テレビジョン放送技術者の講習・試験においては、これまでも時代の要請に応
えるために新技術・新分野について、その都度取り入れているが、最近の動向には十
分対応できているとは言えない。
新資格制度における技術者像としては、デジタル放送とブロードバンドサービス、
無線技術を加えた新分野の技術・知識を大幅に取り入れること及び施設の安全・安心
運用を目指した放送通信融合法制の制定・施行等を視野に入れた内容への移行を目標
とする。このため次の項目についてWG等を設置して具体的に推進する。
ア 新資格制度の骨格及び名称
イ 習得すべき技術課題とテキストの編集
ウ
講習・試験の実施体制
エ
資格の
オ
現行制度の有資格者の扱い及び移行策
維持・更新の方法
(2)現行制度における有資格者及びこれから受講・受験する者への周知
新制度のスタートを2011年度に設定し、今年度は現行制度による最終の実施年
度と位置付ける。これにより、これまでの有資格者の新制度への移行と新たに有資格
者となる受講・受験者が新制度の発足により不利益を被らないように、周知・広報を
徹底実施する。
(3)現行制度による資格認定講習・試験の実施
①試験
次の日程で試験を実施する。
第28回第2級試験:平成22年8月 8日(日)
第28回第1級試験:平成23年2月13日(日)
②更新講習
次の日程で更新講習を実施する。
・第23回第2級資格更新
受付締切り:平成22年6月30日
レポート提出期限:平成22年7月31日
・第23回第1級資格更新
受付締切り:平成22年11月30日
レポート提出期限:平成23年1月31日
(4)有線テレビジョン放送技術者資格制度の周知と活用推進
これまで約18,000人の有線テレビジョン放送技術者資格保有者を育成し、一部
の自治体等では建造物障害予測調査書の作成や評価に有線テレビジョン放送技術者資
格を有する者の活用を義務づけている事例もある。7項「建造物によるテレビ電波障害
予測調査等」にある自治体等への働きかけにあたっては、これまで採用されている自治
体の例を踏まえ、有線テレビジョン放送技術者資格の活用を働きかけていくとともに、
有線テレビジョン放送技術に関する唯一の業界資格としての技術者制度の周知を進め
ていく。
6 会員の技術力向上と新技術セミナー等の開催
デジタル時代における有線と無線の融合されたシステムにおけるそれぞれの分野
について、専門技術講習会を計画するとともに新技術セミナー等を支部の実情に合わ
せて開催する。
技術セミナー・講習会の例を次に示す。
①
地デジ受信技術と障害対策
② ギャプフィラーシステム及び無線伝送・分配システム関連技術
③ FTTHシステム関連技術
④ DOCSISシステム関連技術
⑤ 施設の安全・安心とシステムの信頼性確保等、放送・通信融合法制関連
また、(財)NHK放送研修センターが行うケーブルテレビ関連の研修については、
これまでどおり共催する。
7 建造物によるテレビ電波障害調査業務等の推進
地上デジタル放送の電波障害調査は、これまでの地上アナログ放送以上に高度な
技術力やデジタル測定器などの調査用装備が求められる。一方で、地上デジタル放
送は電波障害に強いとの認識から、「地上デジタル放送になれば電波障害の調査は
不要」との誤解も生じている。
これまでJCTEAが進めてきた、デジタル放送受信状況調査技術者の育成とと
もに、デジタル化後も建造物による電波障害調査が今後とも必要であることの社会
的な啓発を推進していく必要がある。
平成22年度は、「建造物によるテレビ電波障害調査」の自治体建築指導課等
への働きかけ活動の事業化や、電波障害に関する自治体条例化の実態調査とその公
表等を行っていく。また、調査技術資料として、地上デジタル放送受信障害トラブ
ル事例の収集などを推進する。
これら活動において、複雑化する受信障害の実態分析を行い、社会のニーズに対
応すべき調査業務の充実を図り、官公庁が実施する大規模なテレビ電波障害調査業
務に協力する。
(1)地上デジタル放送の建造物障害調査の充実
① 地上デジタル放送の建造物障害予測調査技術の向上を図るための検討を行う。
建造物障害地域におけるフェージングマージンや受信マージン、ビットレート
マージン等の検討を行う。
②
地上デジタル受信障害予測の技術審査の推進地上デジタル受信障害予測報
告書について予測の高精度を確保するため、各支部会員に対しJCTEAの技
術審査を受けることの徹底を図る。
(2)「ビルエキスパート Ver4.0」バージョンアップの検討
地上デジタルテレビジョン放送建造物障害予測ソフトの動作OS(現状
WindowsXP)のWindows7への対応やソフト仕様等(操作性の向上、プロフィー
ル、見通し図作成、斡旋価格等)について支部、部会の意見を集約し、需要が見
込める場合、ビルエキスパーVer.5へのバージョンアップを進める。
(3)ケーブルテレビ施設の施工売上額調査の実施
従来から継続的に実施しているケーブルテレビ施設の施工売上額調査を、工事
の時代変遷を踏まえて実施し、ケーブルテレビ施設施工業界の産業動態を一層的
確に把握するように努める。
(4)届出指導事業の推進
会員各社からの届出依頼業務に対し迅速に対応する。
(5)有線テレビジョン放送関連法令遵守(コンプライアンス)の徹底
共同受信施設の設置、変更、廃止等に関する法令の遵守を徹底する。
会員各社に対し共同受信施設の設置工事を行う場合は、必ず設置届について施
設管理者に確認するなど、無届け施設の工事をしないよう周知する。
(6)地上デジタル放送の弱電界地域における建造物障害調査の必要性の働きかけ
地上デジタルテレビジョン放送はアナログ放送に比べて障害に強いとされて
いるが、弱電界地域における建造物障害はアナログ放送と同程度、もしくはそ
れ以上の障害が発生する。地上デジタル放送の弱電界地域の自治体を訪問し、
地上デジタル放送の障害調査が必要なことの働きかけを積極的に行う。
8 海外動向調査・交流
平成21年度は新型インフルエンザの猛威や製造業を中心とした未曾有の不況な
ど、様々な困難な事情により調査団を組織した海外技術調査を実施することはできな
かった。
平成22年度は、(社)日本ケーブルテレビ連盟や(社)電子情報技術産業協会等
との共催により、調査団を派遣して、海外技術動向の調査、海外レポートの収集、現
地技術者との交流を通じたケーブルテレビ事情の調査を行う。特に、米国については、
通信事業の映像サービスの動向や完全デジタル化移行後のケーブルテレビ業界の調
査等も行うこことする。
さらに、JCTEA将来像検討委員会報告において「JCTEAが担うべき分野」
で、地上デジタル放送の日本方式(ISDB-T)を導入する南米各国のケーブルテレ
ビ技術の情報把握・共有活動や、近隣の中国・韓国などアジア圏でのケーブルテレビ
技術交流などを各国の関係機関と行うことが必要と考えると指摘されており、平成2
2年度においては、これら関係各国の調査等の検討を行い、恒常的な調査・意見交流
の場が構築できるよう努める。
なお、これらのほか、㈳電子情報技術産業協会が企画するケーブルテレビ事情を含
む海外調査については共催していく。
9 組織強化および協会運営の充実
テレビジョン放送の完全デジタル化や高速ブロードバンドの普及など通信と放送
の融合が一層進展し、ケーブルテレビ業界の環境が激変する中で、喫緊の課題は、協
会財政の健全化とその組織体制の維持・充実であり、将来的には、2011年7月の
完全デジタル化以降の協会業務の見直し・再編と公益法人改革への対応が最重要課題
となる。
このため、平成22年度においては、健全な財政を維持しつつ、組織体制の簡素化
を図っていく。
さらに、長期的には、平成20年3月から検討してきたJCTEA将来像検討委員
会の報告を踏まえた、2011年7月以降の協会の具体的な事業形態、財政計画等を
検討していく。
(1)正会員及び賛助会員の拡大
平成20年度に新たに会員入会資格審査規程を制定し、これまでの入会審査基準
の新会員の会費納入について推薦者に負わせていた責務を外す等の見直しを行い
一層の新規会員の増加を図ってきた。
平成22年度は、JCTEA将来像検討委員会の報告を広く関係業界に周知する
ことによりJCTEAの役割の理解と新規会員の開拓を行う。
また、開かれた組織・制度体制を維持しつつ、本部と支部が緊密に連携して、積
極的に入会活動を行うなど、さらに一層の会員増加に努める。
(2)協会財政の安定化
協会財政の健全化は協会の喫緊の課題であり、平成21年度には「平成21年度
財政改革マニフェスト」を策定して経費削減に取り組んできた。平成22年度にお
いても、さらに一層の効率化・簡素化を推進し、「無駄の撲滅」に取り組むことと
する。
また、本部・関東支部の居室併合や兵站業務の一元化など間接業務のコンパクト
化を図り、効率的な運営に努める。
さらに、1年余りに迫った地上テレビジョン放送の完全デジタル化に向けて、J
CTEAが持つノウハウを最大限活用し、受信障害設備や共同住宅等の共同受信設
備のデジタル化に積極的に取り組み、総務省や(社)デジタル放送推進協会等から
の業務の受託を行い、協会の業務収入の拡大を図る。
(3)公益法人改革への対応
平成18年6月に公布された公益法人制度改革関連三法の施行により、JCTE
Aは平成20年12月から特例民法法人に移行したが、平成25年11月末までに
公益社団法人または一般社団法人のいずれかに移行する必要がある。
前記関連三法が公布されて以来、公益社団法人・一般社団法人のメリット・デメ
リットを検討し、平成20年3月からはJCTEA将来像検討委員会においても議
論するとともに、通信・放送関連の他の社団法人の動向を注視してきた。
平成22年度においては、さらに一層深化して検討するとともに、総会におい
て一定の方向性を組織提案するとともに、その結果に基づいた定款等規程類の見
直し素案を策定する。
(4)会員への情報提供サービスの拡充強化
協会の本部・支部の動向情報は、より詳細・迅速な提供対応が求められている。
このため、平成21年12月から協会のホームページの会員専用サイトを大幅に
拡充し、技術コーナー、理事会・各種委員会などの会議開催状況・配布資料、各
支部情報、関係機関の動向、その他のお知らせ等の多様な情報を提供することと
した。平成22年度においては、これらの情報項目を追加するとともに、その内
容も充実を図り、会員のホームページの更新情報等をメルマガで連絡することや
会員の求めに応じた情報の提供サービスなどを実施する。
さらに、会員専用サイトだけでなく、JCTEAの社会的認知度アップ、存在
意義の向上を図るため、一般向けの協会ホームページの拡充を図る。
これら情報提供の充実・迅速化の措置により、従来毎月発行していた協会の会
報については、経費削減の観点からも隔月発行に切り替えることとした。
(5)功労者の表彰等
JCTEAは、我が国唯一つのケーブルテレビ技術を集積した会社・技術者の
集まりである。このことを一般社会に高く認知されるように、永年これらの技術
に携わられた幾多の先輩や優れた技術開発・研究に功績があった技術者を積極的
に顕彰していく。
具体的には、総会、ケーブルテレビショー、受信環境クリーン月間など各種の
表彰機会をとらえて、積極的に候補者を推薦してその受賞を図ることとする。
平成 22 年度委員会事業活動計画
定款細則第 10 条等で定める次の委員会における平成 22 年度事業活動計画につ
いて再掲する。
1. 総務委員会
2. 事業推進委員会
3. 資格・技術向上委員会
4. 技術証明委員会
(※有線テレビジョン放送技術証明事業 実施要領等で規程の委員会)
5. 技術調査研究委員会
定款
第 29 条で定める次の委員会における平成 22 年度事業活動計画について
再掲する。
1. 規格・標準化委員会
平成 22 年度総務委員会事業活動計画
総務委員会運営規程(平成 20 年 4 月 1 日付)に基づき、理事会からの諮問事項を審
議・答申すると共に、平成 22 年度事業における総務委員会関連活動の円滑な遂行を図
る。
[平成 22 年度事業計画 総務委員会関連活動(抜粋)]
○ケーブルテレビショー2010の開催
(社)日本ケーブルテレビ連盟と(社)衛星放送協会、(社)日本CATV技術協会の三団体
共催によるケーブルテレビ業界最大のイベントを次により開催する。
①期 日
平成22年6月24日(木)~26日(土)
②会 場
池袋サンシャインシティ
開催にあたってケーブルテレビ業界が一体となって実施できるよう助言・支援を行う。
また、「ケーブルテレビショー2010」の実施結果を総括し、2011年以降のケ
ーブルテレビ業界のイベント等のあり方や開催内容等について検討・提言する。
○「情報通信月間」及び「受信環境クリーン月間」等への積極的な参加
テレビジョン放送の完全デジタル化を翌年に控え、各種事業へ積極的に参加し、テレ
ビジョン放送のデジタル化推進の一翼を担う。
○海外動向調査・交流
JCTEA将来像委員会報告において指摘されているように、地上デジタル放送の日
本方式(ISDB-T)を導入する南米各国や導入検討のアジア各国との技術情報調査に合
わせて、各種イベント時の人的交流や情報共有を検討する。
○組織強化および協会運営の充実
JCTEA将来像委員会報告を広く関係業界に周知すると共にJCTEAの役割の
理解を深め新規会員の開拓を行う。
昨年度は、「平成21年度財政改革マニュフェスト」を策定して経費削減に取り組ん
できた。平成22年度においても、さらに一層の効率化・簡素化を推進し「無駄の撲滅」
に取り組む。また、JCTEAのノウハウを最大限活用して総務省や(社)デジタル放送
推進協会等からの業務受託を行い、協会の業務収入の拡大を図る。
そのための「平成22年度財政改革マニュフェスト」を作成する。
○公益法人改革への対応
JCTEAは、平成20年12月から特例民法法人に移行し、平成25年11月末ま
でに公益社団法人または一般社団法人のいずれかに移行する必要がある。
今後のJCTEA将来像を踏まえて平成22年度には一定の方向性を組織提案する。
○会員への情報提供サービスの充実強化
平成21年12月には、協会ホームページの会員専用サイトを大幅に拡充した。平成
22年度においては、これらの情報項目の追加と内容の充実を図るとともに、更新情報
の会員へのメルマガサービスや会員の求めに応じた情報の提供サービスなどきめ細か
いサービスの充実強化を図る。これら情報提供の充実・迅速化の措置により、従来毎月
発行していた協会の会報については、隔月発行としていく。
○功労者への表彰等
JCTEAは、我が国唯一のケーブルテレビ技術を集積した会社・技術者の集まりで
ある。このことを一般社会に高く認知されるように、永年これら技術に携わられた先輩
や技術開発・研究に功績があった技術者を積極的に顕彰していく。
平成 22 年度事業推進委員会事業活動計画
事業推進委員会運営規程(平成 20 年 4 月 1 日付)に基づき、理事会からの諮問事項
を審議・答申すると共に、平成 22 年度事業における事業推進委員会関連活動の円滑な
遂行を図る。
[平成 22 年度事業計画 事業推進委員会関連活動(抜粋)
]
○地上デジタル放送の円滑な普及への貢献
2011年7月の地上放送完全デジタル移行まで1年余りとなり、今年は、共同受信施設
の地デジ対応最後の年となっている。昨年末に発表された「デジタル放送推進のための
行動計画(第10次 )」には、「受信障害対策共聴に対するより具体的な働きかけ」や
「ケーブルテレビにおけるデジアナ変換の暫定的導入」などが掲げられている。
これら残された課題の解決に向け積極的に取り組むとともに、JCTEAの視点から
アナログ終了における課題を明確にする。また、国やテレビ受信者支援センターの活
動に参画するなどして、次の活動を重点的に行い地デジ普及推進を図る。
① 施設管理者不明や届出未確認の共同受信施設に対する地デジ対応促進
② ケーブルテレビ設備での地上デジタル放送のデジアナ変換伝送への技術支援
③ 地デジ移行に伴い不用となるアナログ共同受信施設の撤去の徹底
④ アナログ放送跡地利用や周波数リパック等に向けた共同受信施設調査への協力
○共聴地デジ受信相談および地デジ導入コンサルタント事業の推進
共同受信施設の地デジ受信相談は、相談内容もますます専門的で長時間の対応となって
いる。ホームページ「地デジ相談室」の充実を図ると共に、本部・支部が連携した専門技
術者による丁寧な受信相談を継続して実施する。
また、より一層信頼されるコンサルタント事業を推進するとともに、平成20年
度に定めた「地デジコンサル業務等におけるガイドライン」に基づいて公正な調査・
報告に努めるとともに、「でじ郎Ⅱによる共同受信施設へのデジタル放送導入」等
の技術セミナーを積極的に開催し、会員の技術力向上、報告書の品質確保を図る。
さらに、地上デジタル放送のギャップフィラーの設置届について、今後の事業性
や会員社の意向把握を基に「ギャップフィラーの設置届支援マニュアル(仮称)」
の作成など、具体検討を継続する。
○本部・支部連携による地デジ普及推進と今後の事業展開
総務省の地デジ普及推進に関する「スクラム2011」等の各種情報については、
本部から支部へ的確な情報発信を行い、地デジ普及推進を加速するとともに、国およ
び自治体による地デジ普及推進活動への支援・協力を本部・支部が連携して推進する。
○建造物によるテレビ電波障害調査業務等の推進
地上デジタル放送の電波障害調査は、これまでのアナログ放送以上に高度な技術
力やデジタル測定機などの調査用装備が求められる。一方で、地上デジタル放送は
電波障害に強いとの認識から、「地上デジタル放送になれば電波障害調査は不要」
との誤解も生じている。
平成 22 年度は、「建造物によるテレビ電波障害調査」必要性の自治体建築指導課
等への働きかけ活動の事業化や、電波障害に関する自治体条例化の実態調査とその
公表などを行っていく。また、調査技術資料として、地上デジタル放送受信障害トラブル
事例の収集などを推進する。
また、JCTEAが従来から実施している「ケーブルテレビ施設の施工売上額調査」を
継続実施し、ケーブルテレビ施設施工業界の産業動態の的確な把握に努める。
法令遵守の立場から、共同受信施設の設置、変更、廃止等に関する届け出等の必要性
を徹底周知する。
平成 22 年度資格・技術向上委員会事業活動計画
資格・技術向上委員会運営規程(平成 20 年 4 月 1 日付)に基づき、理事会からの諮
問事項を審議・答申すると共に、平成 22 年度事業における資格・技術向上委員会関連
活動の円滑な遂行を図る。
[平成 22 年度事業計画 資格・技術向上委員会関連活動(抜粋)
]
○現行資格の周知と活用推進
ホームページへの試験問題・解答の掲出や自治体建築指導課等への周知などを徹底し、
資格保有者の社会的認知の向上と入札案件等への資格記載などにより、社会的な信頼の
向上を図る。
○新資格制度と講習・試験実施体制の検討・準備
緊急プロジェクトの課題としてとり進めている新資格制度については、平成23年度
(2011年度)実施を目途にWGを設置し具体検討に入る。
<WG検討項目>
① 新資格制度の骨格及び名称
③ 習得すべき技術課題とテキストの編集
④ 講習・試験の実施体制
⑤ 資格の維持・更新の方法
⑥ 現行制度の有資格者の扱い及び移行策
セミナー等○会員の技術力向上と新技術の開催
支部の実情に合わせて開催される専門技術講習会や新技術セミナー等を支援する。
技術セミナー・講習会の例を次に示す。
①
地デジ受信技術と障害対策
② ギャプフィラーシステム及び無線伝送・分配システム関連技術
③ FTTHシステム関連技術
④ DOCSISシステム関連技術
⑤ 施設の安全・安心とシステムの信頼性確保等、放送・通信融合法制関連
また、(財)NHK放送研修センターが行うケーブルテレビ関連の研修については、こ
れまでどおり共催する。
平成22年度技術証明委員会事業活動計画
有線テレビジョン放送技術証明事業実施要領(平成 19 年 4 月 1 日付)および、同細
則(平成 19 年 5 月 14 日付)に基づき、平成 22 年度事業の円滑な遂行を図る。
[平成 22 年度事業計画 技術証明委員会関連活動(抜粋)
]
○有線テレビジョン放送技術証明制度による資格認定講習・試験の実施
次の日程で試験ならびに資格の更新講習を実施する。
なお、実施にあたってデジタル放送時代に即した適切な問題の作成や講習・試験を実
施し社会の負託に応えられる技術者の育成を図る。また、関連法規や新しい技術内容を
盛り込んだ教科書の修正を実施する。
① 試験
次の日程で試験を実施する。
第28回第2級試験:平成22年8月
8日(日)
第28回第1級試験:平成23年2月13日(日)
②更新講習
次の日程で更新講習を実施する。
・第23回第2級資格更新 受付締切り:平成22年 6月30日
レポート提出期限:平成22年 7月31日
・第23回第1級資格更新 受付締切り:平成22年11月30日
レポート提出期限:平成23年
1月31日
平成 22 年度技術調査研究委員会事業活動計画
技術調査研究委員会運営規程(平成 20 年 4 月 1 日付)に基づき、理事会からの諮問
事項を審議・答申すると共に、平成 22 年度事業における技術調査研究委員会関連活動
の円滑な遂行を図る。
[平成 22 年度事業計画 技術調査研究委員会関連活動(抜粋)]
○新技術・施工技術等についての調査研究
次の項目についてWGを設置して調査研究を推進する。
① 地上デジタル放送の無線共聴システムに関する調査研究
② 23GHz無線利活用に関する調査研究
③ 海外技術動向の調査
④ 地上アナログ放送周波数跡地利用に関する調査研究
⑤ 3D映像の伝送表示技術に関する調査研究
⑥ その他ケーブルテレビ技術に関する調査研究
⑦ ケーブルテレビの周辺技術に関する調査研究
また、JCTEAのノウハウが発揮できる分野において調査研究業務を積極的に受託
するとともに、国および関係機関・団体が行う調査研究会等に積極的に参加し、ケーブ
ルテレビに関する技術の向上に寄与する。
○海外動向調査・交流
平成22年度は、(社)日本ケーブルテレビ連盟や(社)電子情報技術産業協会等
との共催により、調査団を派遣して、海外技術動向の調査、海外レポートの収集、現
地技術者との交流を通じたケーブルテレビ事情の調査を行う。特に、米国については、
通信事業の映像サービスの動向や完全デジタル化移行後のケーブルテレビ業界の調
査等も行うこととする。
さらに、JCTEA将来像検討委員会報告において「JCTEAが担うべき分野」
で、地上デジタル放送の日本方式(ISDB-T)を導入する南米各国のケーブルテレ
ビ技術の情報把握・共有活動や、近隣の中国・韓国などアジア圏でのケーブルテレビ
技術交流などを各国の関係機関と行うことが必要と考えると指摘されており、平成2
2年度においては、これら関係各国の調査等の検討を行い、恒常的な調査・意見交流
の場が構築できるよう努める。
なお、これらのほか、㈳電子情報技術産業協会が企画するケーブルテレビ事情を含
む海外調査については共催していく。
平成22年度規格・標準化委員会事業活動計画
規格・標準化委員会規程(平成18年11月9日付)および同運営細則(平成15年5月21
日付)に基づき、平成22年度事業の円滑な遂行を図る。
[平成22年度事業計画 規格・標準化委員会関連活動(抜粋)]
○ケーブルテレビ技術に関する標準化の推進
JCTEAは、(社)電波産業会(ARIB)、(社)電気通信技術委員会(TT
C)と並んで我が国の電気通信技術分野におけるケーブルテレビ技術に関する標準
化団体であり、これまで日本ケーブルラボによる運用仕様とあわせて、車の両輪と
してケーブルテレビのデジタル化に寄与してきた。
平成22年度は、これまでの活動を継続するとともに、新たな技術の標準化を推進
し、ケーブルテレビシステムの品質・信頼性の向上によりケーブルテレビ業界の発
展と加入者の利便性向上に努める。
平成22年度の主な活動は次の通り。
① 規格・標準化委員会の活動
ο2011年地上放送デジタル化の完全移行に関する標準化
οケーブルテレビの高度化に関する標準化
οデジタルケーブルテレビに関する標準化
ο新技術に関する標準化
οケーブルテレビ技術の国際化に関する標準化
② 規格適合性管理業務の推進と標準規格の普及
ο妨害評価試験確認業務の円滑な遂行
οデジタルケーブルテレビ用ネットワーク識別子(NW-ID)管理業務の円滑遂行
③ 外部の標準化推進機関や技術機関への対応
ο情報通信審議会の各種委員会やITU-T等への対応
ο一般社団法人 日本ケーブルラボ(Jlabs)への協力
ο(社)電波産業会(ARIB)のデジタル放送関連部会やWGへの対応
οICT標準化・知財センター(iSIPc)への協力
ο(社)電子情報技術産業協会(JEITA)等との情報交換