中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

2015 年 4 月(第 34 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■ 新たな資金調達方法 『店頭(OTC)市場への株式公開』
中国国内販売が活況な日本企業は、円安・人民元高の追い風に乗って、右肩上がりの成長を遂げています。
日本国内の市場が縮小傾向にある中、中国に現地法人を有する日本企業にとって、現地調達や現地販売を推進
することは日本本社の経営を支えることにつながっています。
先日、中国の店頭取引(OTC)市場の一つである上海股権托管交易センター内に事務所を構える投資コンサル
ティング会社を訪問した際に、最近は資金調達でも現地化のニーズが高まっているという話を聞きました。例えば
日本でも報道されているとおり、今年1月末には日系企業4社が上海股権托管交易センターでの株式公開を果た
しました。これは日系企業としては初めてのケースです。4社の業界はブライダル・美容・不動産・教育関連などい
ずれもサービス業で、中国市場における事業拡大のための資金調達やブランド力向上を目的としています。その
ほか、現地での販売インフラやノウハウを持つ投資家を探す手段にも活用されるようです。
上海股権托管交易センターの店頭取引市場には「Qボード」と「Eボード」という2つの市場があります。上述の日
系企業4社は参入が比較的容易なQボードで株式公開しました。中国国内に複数あるOTC市場の中でもQボード
があるのは上海股権托管交易センターだけです。QボードとEボードの参入条件は以下のとおりです。
Qボード
Eボード
以下の事項に該当しない非上場企業であること。
Eボードに株式公開するためには、以下の要件を満た
① 固定の事務所がない。
さなければならない。
② 常勤の従業員がいない。
① 独立して持続可能な経営能力がある
③ 営業許可が取り消されている。
② 顕著な同業他社との競争がなく、大株主による資
④ 重大な不法行為あるいは違法行為により厳罰に処
されている。
⑤ 役員に犯罪歴がある。
産乱用等の投資者への利益損害がない。
③ 経営管理におけるリスク制御能力を有する
④ コーポレートガバナンスが規範化されている。
⑤ 合法的に株式を発行及び譲渡している。
⑥ 登録資本金に現物出資がある場合、設立後満1会
計年度を経過している。
以上のとおり、Qボードでは実態のないペーパーカンパニーや重大なコンプライアンス違反がある企業以外の
非上場企業であれば、株式公開することができます。そして、Eボードに株式公開する企業は、Qボードへの参入
条件に加えて、経営管理における安定とコーポレートガバナンスの確立が条件とされています。この店頭取引市
場の投資家は、上海証券取引所などのメイン市場に比べて、機関投資家やプロの個人投資家が多い傾向にあり
ます。また、オンライン上で株式公開されても実際の売買取引は企業と投資家の間での個別交渉によって行われ
るため、企業自身が投資家を選ぶことができます。そこで注意すべき点は、市場によって投資家の募集が行われ
るものの、必ずしも投資家が見つかるわけではないこと、また見つかったとしても企業がその投資家との売買取引
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に成功するとは限らないということです。
訪問した投資コンサルティング会社によると、日系企業は技術力を持って安定的な経営をしている企業が多く、
投資家にとって非常に魅力的な投資先と考えられている傾向があるようです。全ての日系企業にQボードやEボー
ドへの参入が適しているわけではありませんが、飲食サービス産業のように中国国内においてフランチャイズや店
舗展開を行っていく上で、中国側投資パートナーを求めたい分野の企業にとっては、新たな選択肢の1つになると
期待できます。
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■輸出税還付 中央財政で
国務院は「輸出税還付負担構造健全化に関連する問題についての通知」を公布した。2015 年1月1日から輸出時
の税還付金の支払いを地方政府ではなく中央政府が担う。
■直接投資の外貨管理を改善
国家外貨管理局は「直接投資の外貨管理政策の更なる簡素化及び改善に関する通知」を公布した。2015 年6月
1日より施行される。直接投資項目内における外貨の登記認可を取り消す等、企業のクロスボーダー投資の資金
運営に便宜をはかる。
■7%成長に 目標下げ
第 12 期全国人民代表大会(全人代)の第3回会議が3月5日、開幕した。李克強首相は 2015 年の実質経済成長
率の目標を「7%前後」とする方針を正式に表明した。2014 年より 0.5 ポイント低い。中国政府が成長目標を下げる
のは3年ぶり。14 年の実質成長率は 7.4%と 24 年ぶりの低い伸びだった。
■全人代 市民生活の改善を強調
3月5日の全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で、市民生活の改善に取り組む方針が強調された。企業
の定年退職者に対する年金給付基準の 10%引き上げ、基本医療保険の財政補助基準を1人当たり年間 60 元引
き上げ、二酸化炭素(CO2)排出量の 3.1%削減などを目指す。
■上海の外資企業 ウェブサイトで年度報告を
上海市工商行政管理局は「外国企業駐在員事務所 2014 年の年度報告提出に関する公告」を公布した。2014 年
12 月 31 日までに登記設立された外国企業駐在員事務所は、2015 年3月1日~6月 30 日に上海市工商行政管理
局のウェブサイトで 2014 年の年度報告及び関連資料提出を行わなければならない。
■失業保険 1%引き下げ
人力資源社会部と財政部は「失業保険率調整関連問題に関する通知」を公布した。2015 年3月1日より、失業保
険率を従来の3%から2%に引き下げる。企業と個人の負担比率については省・自治区・直轄市の人民政府が確
定する。
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2015 年 4 月(第 34 号)
■外資規制業種 半減に
国家発展改革委員会は「外商投資産業指導目録(2015 年改正版)」を発表した。外資による出資規制を緩和す
る。外国企業出資の制限業種がこれまでの 79 業種から 38 業種にまで減った。4月 10 日より施行。
■全人代閉幕 7%成長へ
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は3月 15 日に閉幕した。2015 年の成長率の目標を前年比 0.5 ポイント
低い「7%前後」とする方針を正式に確認した。7%前後の成長が続く「新常態(ニューノーマル)」の安定成長を保
つ。
■環境保護法 厳格に執行
3月 15 日、李克強首相は今年1月より施行されている「改正環境保護法」を厳格に執行すると表明した。環境破壊
の解決を目指す決意を強調し、環境対策に懸命に取り組む姿勢を確認した。
■天津・福建・広東の自由貿易試験区 承認
3月 24 日、中国共産党の中央政治局の会議で、天津市、福建省、広東省における自由貿易試験区の基本計画
と、上海自由貿易試験区の改革案が承認された。自由貿易試験区の開設を、中国の経済発展が「新常態(ニュー
ノーマル)」の段階に入る中で改革を深化し、開放を進める新たな方法と位置付けている。
■食品リコール管理弁法
国家食品薬品監督管理総局は「食品リコール管理弁法」を発表した。9月1日より施行される。食品の製造及び販
売過程で安全性に問題が発見された場合のリコール期限を明確にした。また、製造・販売を即時停止しない、自
主的にリコールしない、リコール計画に従った回収をしない、リコールした食品を規定に沿って処分しない場合、法
的責任を負うことを規定した。
■EV車の新規参入基準 引き上げ
国家発展改革委員会は、電気乗用車(EV乗用車)を生産する企業の新設と生産参入管理規定の意見募集稿を
発表した。新規参入の技術条件を引き上げた。新設はEV乗用車の研究開発で3年以上の実績があり、車載電池
システム、制御システム等の知的財産権・特許があること等が条件。
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【経済・産業】
■製造業景況感 2月も 50 割れ
国家統計局と物流購入連合会が発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月比 0.1 ポイント上昇
したものの 49.9 と2カ月連続で 50 を下回った。生産指数は 51.4 と、前月比 0.3 ポイント低下した。
■3カ月ぶり 追加利下げ
中国人民銀行は、3月1日から銀行の貸出と預金の基準金利を引き下げた。
人民元預金金利
項
目
金利
普通預金
0.35%
定期預金 3カ月
2.10%
半年
2.30%
1年
2.50%
2年
3.10%
3年
3.75%
人民元貸出金利
期
間
金利
1年以内(1年含む)
5.35%
1-5年(5年含む)
5.75%
5年以上
5.90%
■工業生産 6年ぶり低い伸び
国家統計局によると、1~2月の工業生産が前年同期比 6.8%増と、リーマン・ショック以来6年ぶりの低い伸びだ
った。昨年通年の工業生産は 8.3%増。特に、粗鋼、板ガラスなど設備過剰な産業が前年の水準を下回った。
■消費者物価 1.4%上昇
国家統計局によると、2月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比 1.4%上昇した。全体の3割にあたる食品は
2.4%上昇、食品以外は 0.9%上昇となった。国家統計局は1月より上昇幅が上がったのは「春節期間に生鮮食料
品の価格が大幅に上がった」からとしている。卸売物価指数は 4.8%下落と、36 カ月連続で前年水準を下回ってい
る。
■輸入額 20%減
税関総署によると、2月の米ドルベースの輸出額は前年同月比 48.3%増、輸入は同 20.5%減となった。輸出額か
ら輸入額を差し引いた貿易収支は 606 億ドル(約7兆 2700 億円)の黒字となった。
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■世界からの直接投資 17%増
商務部によると、1~2月の世界からの対中直接投資(実行ベース、金融除く)は前年同期比 17%増の 224 億8千
万ドル(約2兆 7300 億円)となった。その一方で、日本からの投資は 15.9%減、米国からも 31.8%減った。
■人民銀 スリナムと通貨交換協定
中央銀行の中国人民銀行は、南米のスリナムと通貨交換(スワップ)協定を結んだ。限度額は 10 億元(約 190 億
円)。両国間の貿易や投資で人民元の使用を促す。
■中国化工集団 伊タイヤ大手を買収
国有化学大手「中国化工集団」はイタリアのタイヤ大手「ピレリ」を買収する。買収額は 71 億ユーロ(約 9200 億
円)。中国製造業の国外買収で過去最大級になる。
■北京汽車 独ダイムラー系の中国金融に出資
国有自動車大手「北京汽車集団」は、独ダイムラーの中国金融子会社「メルセデス・ベンツ・リーシング」(北京市)
に 35%出資する。両社は高級車「メルセデス・ベンツ」の合弁生産などで提携関係にあり、自動車金融にも事業連
携を広げ、中国での高級車販売を強化する。
■3月PMI 11 カ月ぶり低水準
英金融大手HSBCによると、中国の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は 49.2 となった。2月確報
値(50.7)より 1.5 ポイント低下した。昨年4月以来 11 カ月ぶりの低水準となった。
■国際特許出願 中国が 19%増
世界知的所有権機関(WIPO)によると、2014 年の特許の国際出願件数で、昨年3位だった華為技術(ファーウェ
イ)が首位に浮上した。同社は出願件数を前年より6割以上増やした。国別の出願件数で中国は前年比 19%増と
なった。
【日系・外資企業動向】
■ドコモ チャイナモバイル他と5G技術開発協力推進
NTTドコモ(以下ドコモ)は、中国の通信事業者チャイナモバイル、及び韓国の通信事業者 KT Corporation(以下
KT)と5G技術開発推進に向けた協力について、スペイン・バルセロナで合意した。3社は5G技術開発で協力し、
具体的サービスを見据えた検討を進め、世界のさまざまな企業や研究機関と5Gの実現に向けた取り組みを推
進しいく。
■日通 江蘇省の太倉港に新事務所
日本通運の中国現地法人「上海通運国際物流」(上海通運)が江蘇省太倉市に新事務所を設立し、営業を開始
した。太陽光パネル関連と自動車部品関連をターゲットとした輸出入フォワーディング業務をはじめ、長江流域物
流、太倉港発華北、華南地区沿岸部向けの物流サービスを提供する。
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■ダイハツ 東風に低燃費エンジン
ダイハツ工業は東風汽車集団(湖北省)に低燃費エンジンを供給する。年内にもインドネシア工場から年約5万基
を輸出する。排ガス規制の強化で小型車需要が伸びる見通し。
■日東工業 建機部品工場
産業用エンジン部品の日東工業は中国に2カ所目の生産拠点を設けた。これまではディーゼルエンジンの燃料
噴射ポンプに搭載する円筒状のタペットを生産していたが、新工場では周辺部品もつくる。
■日東工業 河南省の工場を閉鎖
日東工業の子会社「日東工業(中国)」は、河南省西平工場の操業を停止し閉鎖手続きに入った。中国市場向け
キャビネットの生産を行ってきたが継続困難と判断した。上海地区を拠点とした営業活動や浙江省嘉善工場での
生産、設計業務に移行する。
■爽快ドラッグ 越境EC事業参入
爽快ドラッグは、住商電子商務(上海)有限公司と共同で、中国の消費者をターゲットとした越境EC事業に参入
する。爽快ドラッグが日本で培った商品調達力や物流機能と、住商電子商務の中国で培ったインターネット店舗
運営やマーケティング、中国国内物流のノウハウ、顧客サポート機能等を活用し、越境EC事業を通じて日本製
品の販売支援を行う。
■三菱電機 「上海新世界大丸百貨」にエスカレーター等納入
三菱電機は大型商業施設「上海新世界大丸百貨」に、らせん状に昇降するスパイラルエスカレーターを 12 台納
入した。このほかエレベーター15 台、通常のエスカレーター24 台も納めた。
■住友重機械工業 上海で産ロボ向け減速機の組み立て
住友重機械工業は減速機事業子会社の上海工場で産業用ロボット向け精密減速機の組み立てを始める。名古
屋製造所で手がける精密減速機の約2割を移管する。産業用ロボメーカーからの短納期での増産要請に応え
る。
■日本家庭薬協会 大衆薬の飲み方中国語で
日本家庭薬協会は一般用医薬品(大衆薬)の飲み方を中国語に翻訳し、ウェブサイトで検索できるサービスを始
める。中国や台湾からの観光客に正しい情報を伝えるため。中国の観光客向けに数十種類の大衆薬の使用上
の注意や成分などが中国語で読めるようにする。サイトについてはドラッグストアの店頭などで知らせる。
■ソニー 20 日からPS4発売
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」と携帯ゲーム機
「PSVita」を3月 20 日に発売する。当初は1月 11 日の発売の予定だった。
■P&G 歯磨き粉CMに罰金
上海市工商行政管理局は、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の歯磨き粉のテレビ広告に対し、歯を白くす
る効果を誇張しているとして 603 万元(約1億 1500 万円)の罰金を言い渡した。「虚偽広告」の罰金としては過去
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最高額。
■JPR 上海に新会社を設立
日本パレットレンタル(JPR)は上海市に新会社「ジェイパンリュウ シャンマオ(上海)」を設立した。登録資本金は
6000 万円。顧客企業の中国進出に伴い、現地サービスの充実・拡大の必要性から設立。事業内容は、レンタル
パレットサービスの提供、物流機器等の輸出入、販売調査、コンサルティング業務、T-11 型パレットの中国国内
における普及活動等。
■ポジティブワン ボードコンピュータのデザインセンター開設
ポジティブワンは、深センにデザインセンター「ポジティブワンワン・システムズ(深セン)カンパニー・リミテッド」を
2015 年4月1日より開設する。ボードコンピュータのデザインから製造を一括して行う。
■安川電機 産業用ロボットのSI工場を新設
安川電機は広東省広州市付近に産業用ロボットのシステム構築(SI)工場を新設する。ロボット単体ではなくシス
テムでの供給が求められていることに対応し、差別化につなげる。中国でのSI工場は4カ所目、需要地近くでの
システム構築体制を整える。
■アイロムHD 遺伝子治療剤の治験認可を取得
アイロムホールディングス(HD)は、中国で足の難病「虚血肢」の遺伝子治療剤の臨床試験(治験)を始める認可
を取得した。特殊なウイルス素材「ベクター」という遺伝子を体内に送り、新たな血管を作り血流を改善させるも
の。
■電気化学工業 食品包装材生産
電気化学工業は江蘇省蘇州市で4月から食品包装材料の生産を始める。専用の新工場で開業式典が行われ
た。食品の劣化を防ぎ、賞味期限を延ばす多層シートやバリアーシートを生産する。
■米ヤフー 完全撤退へ
米ヤフーは北京の研究開発施設を閉鎖し、中国から完全撤退する。これに伴い 200~300 人を解雇する。従業員
には3月 18 日に解雇を通知した。
■英財務相 中国向け輸出支援拡充
英国のオズボーン財務相は3月 18 日、2015 年度の予算演説で、中国向けの輸出の支援策を拡大すると表明し
た。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加方針を説明し、中国との関係強化を経済成長に結びつ
けると強調した。
■シャープ液晶のスマートテレビ 小米が発売
通信機器メーカー「北京小米科技」(小米)は、シャープ製の液晶を使用したスマートテレビ「小米電視」を発売す
る。価格は,画面サイズ 40 インチで 1,999 元(約3万 8,000 円)。また、シャープは中国の液晶パネルメーカーの京
東方科技集団(BOE)や天馬微電子など数社からの要請を受け、最先端の液晶技術の供与を検討している。
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■パナソニック デジカメ生産を中国工場へ
パナソニックは、福島工場のデジカメ生産の大半をアモイ工場に移す。福島工場では自動車や照明器具に使うプ
リント基板の生産を始める。
■小売り・サービス業界 中国語・英語の接客スタッフ確保急ぐ
小売りやサービス業界は、中国などからの訪日客の増加に対応し、接客スタッフの採用を急いでいる。留学生の
雇用も増やし、一般の販売職より高めの時給で派遣社員を求人する動きも広がっている。中国語や英語ができ
る販売職の派遣社員の時給は、現在 1450 円前後が中心で、一般販売職よりも1~2割程度高い。
■シチズン ウエアラブル向け世界最薄級スイッチ生産
シチズン電子は、スマートフォン(スマホ)やウエアラブル端末向け薄型スイッチを開発し、4月から江門市の製造
拠点で生産する。中国や韓国のスマホメーカーからの部品の薄型化要求にいち早く対応した。
■米フォード 杭州で新工場稼働
米フォード・モーターが浙江省杭州で新工場を稼働した。中国で6カ所目の工場となる。合弁相手の「長安汽車集
団」(重慶市)と共同で7億 6000 万ドル(約 910 億円)を投じた。年間の生産能力は 25 万台。新型多目的スポーツ
車(SUV)「エッジ」を生産する。
■英ロイズ保険組合 北京に支店開設
英国のロイズ保険組合は北京に支店を開設した。保険料収入を年内に9億元(約 175 億円)にする。同社は今
回、新免許を取得し、サプライチェーン、対サイバーテロ、評判管理など新たな特殊保険も提供できるようになっ
た。
【人民元情報】
人民元市場レート(2015 年4月1日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.1353 人民元
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
 技術取引契約締結における注意事項
前回は、技術取引契約の種類や締結の際に注意すべき点についてご説明しました。今回は、技術取引契約締
結後に必要な許認可・登記機関での申請手続と注意事項についてご紹介します。
技術取引契約に基づき、中国の取引契約企業から日本に対して送金をするには、中国当局で同契約の登記手
続を行う必要があります。この手続は通常、中国企業がその所在地を管轄する各当局にて行います。以下は、一
般的な登記手順をまとめたものですから、実際の手続の際には、事前に管轄当局に確認する必要があります。
(1) 国務院貿易主管官庁における登記手続
中国技術輸出入管理条例第 18 条及び第 40 条によると、以下 3 つの資料の提出が必要です。
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・ 技術輸入契約登記申請書
・ 技術輸入契約の副本
・ 契約者双方の法的地位を示す書類:営業許可証(中国法人)、法人登記簿謄本(日本法人)
※ 個人での申請の場合:身分証明書(中国人)あるいはパスポート(日本人)
技術輸入契約が登記され、技術輸入契約登録証が発行されます。
(2) 商務委員会における登記
・ プロジェクト申請書
企業概況、輸入技術サービスの基本状況(導入の背景なども説明)、申請企業が技術輸入契約の真
実性を担保することの明記、契約内容の実施マニュアルの明示など。
・ プロジェクトの批准文書あるいは状況説明報告書
FS報告書、プロジェクト投資総額、資金源、同プロジェクトが政府主管部門での批准許可を必要とし
ない旨の説明など。
・ 技術使用費予測の算出報告書
上記のFS報告書に基づき、合理的に算出すること。算出の根拠となる計算方法及び結果の説明が
必要。
・ 『技術輸入契約申請表』及び『技術輸入契約データ表』
通常は所定フォームに記入するため、所轄の商務委員会 HP を参照。
・ 技術輸入契約原本及びその中国語翻訳
・ 各種許認可書類
対外貿易経営者備案登記表(あるいは批准証書)、営業許可証コピー(公章印押印)。
注)代理申請の場合:委任状、委託者及び申請代理者が締結した正式な協議書の提出が必要。
技術輸入契約が登記され、技術輸入契約登録証が発行されます。
【参考】
中国技術管理条例原文:http://www.gov.cn/gongbao/content/2011/content_1860867.htm
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