経済統計Ⅰ 「企業物価指数」

経済統計Ⅰ
「企業物価指数」
2016年7月11日
日本銀行調査統計局
亀
卦
川
緋
菜
本日お話する内容
企業物価指数の概要
企業物価指数の目的、機能、実際の
調査方法に関し、実務内容をご紹介
しながらご説明します。
よりよい物価指数へ
向けた取り組み
5年に1度の大きな統計見直し作業に
関し、現在取り組んでいる2015年基
準改定の実例をご紹介しながらご説
明します。
本資料に記載されている内容は全て筆者個人の見解であり、所属組織の見解を表すも
のではない。また、資料内の例示は、全て仮設例であり、実際の調査内容ではない。
1
日本の主な物価統計
物 価 統 計
企業物価指数
(CGPI:Corporate Goods Price Index)
2
概
要
企業間で取引される財(商品)の価格
動向を捉える物価指数
作 成 機 関
日 本 銀 行
企業向けサービス価格指数
企業間で取引されるサービスの価格
(SPPI: Services Producer Price Index) 動向を捉える物価指数
日 本 銀 行
消費者物価指数
(CPI: Consumer Price Index)
全国の家計が購入する財(商品)・
サービスの価格動向を捉える物価指数
総
統
務
計
省
局
GDPデフレーター
名目GDP/実質GDPから算出される
物価指数
内
閣
府
物価指数とは
・品質を固定した商品(財・サービス)の価格動向を継続的に調査し、基準時点と比べ
て、現在(比較時点)、どの程度上昇・下落したかを測るために数値化した指数のこ
とをいいます。
・各商品の価格指数を取引金額ウエイトで加重平均し、品目以上の指数を対外公表
しています。
(例)品目「カラーテレビ」
2010年<基準時>
商品A
液晶32型 20万円<100.0>
シェア3割
商品B
有機EL32型 32万円<100.0>
シェア7割
3
2016年7月<比較時>
5万円 <25.0>
Q.品目「カラーテレビ」の指数は?
×
24万円 <75.0>
=
+
×
「企業物価指数」とは:目的・機能
財(モノ)の需給動向の把握
企業物価指数
の目的・機能
景気の評価や金融政策判断の材料
―― コスト転嫁の動向把握や
企業の収益環境の評価
業界での値決めの参考指標
他統計の基礎データ
(GDP統計のデフレーター用途など)
4
「企業物価指数」とは:指数体系
・「企業物価指数」は、国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成。
国内企業物価指数
(Producer Price Index)
輸出物価指数
(Export Price Index)
輸入物価指数
(Import Price Index)
調査対象
国内で生産した
国内需要家向けの財
国内で生産された
輸出品
輸入品
調査段階・
時点
生産者段階における
出荷時点価格
通関段階における
船積時点価格(FOB)
通関段階における
荷降ろし時点価格(CIF)
ウエイト算定
経済産業省「工業統計調査」
の製造品出荷額から財務省
「貿易統計」の輸出額を控除
財務省「貿易統計」
財務省「貿易統計」
採用品目数
822
210
254
調査価格数
5,977
1,277
1,538
カバレッジ
81.6%
68.2%
77.9%
(注)調査価格数は、2012年4月時点。
5
「企業物価指数」とは:採用品目
・国内企業物価指数の品目採用基準額:ウエイト対象取引額の1万分の1(10年基準:214億円)
類
別 (23)
食料品・飲料・たばこ・飼料
繊維製品
製材・木製品
6
ウエイト
主な品目等
小麦粉、なたね油、野菜缶詰、みそ、しょうゆ、食パン、チョコ
137.5 レート、豆腐、ワイン、ビール、たばこ、大豆かす、ペットフード
10.9 綿糸、シャツ・ブラウス、学生服、ふとん、漁網、タオル
8.2 ひき割、板、木材チップ、木箱、住宅建築用木製組立材料
新聞用紙、上質印刷用紙、段ボールシート、封筒、大人用紙
パルプ・紙・同製品
29.1 おむつ、子供用紙おむつ、トイレットペーパー
化学製品
92.1 塗料、石けん、家庭用合成洗剤、仕上用化粧品、農薬
石油・石炭製品
57.4 ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、アスファルト
プラスチック製品
38.5 プラスチック板、合成皮革、プラスチック製日用品
窯業・土石製品
23.7 板ガラス、電子機器用ファインセラミックス、炭素・黒鉛製品
鉄鋼
56.6 H形鋼、ステンレス熱延鋼板、鍛造品、機械用銑鉄鋳物
非鉄金属
27.1 金地金、アルミニウムはく、電力ケーブル
エチレン、ベンゼン、低密度ポリエチレン、医薬品、化学肥料、
「企業物価指数」とは:採用品目
類
別 (23)
主な品目等
金属製品
37.9 ボルト・ナット、鉄骨、橋りょう、アルミニウムサッシ
はん用機器
25.7 ボイラ、タービン、変速機、コンベヤ、バルブ
生産用機器
30.8 掘さく機、ろ過機、プレス機械、金型・同部品
業務用機器
19.2 娯楽機器、理化学機器、医療用機器
電子部品・デバイス
31.0 発光ダイオード、集積回路、ディスプレイデバイス
電気機器
49.0 監視制御装置、電気冷蔵庫、ルームエアコン
情報通信機器
40.4 携帯電話機、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型)
輸送用機器
軽乗用車、小型乗用車(除ハイブリッド車)、ハイブリッド車、
136.4 鉄道車両、航空機用原動機部品、自転車
その他工業製品
51.0 木製家具、印刷物、タイヤ、革製品、楽器、時計
農林水産物
33.9 玄米、精米、牛肉、原乳、こんぶ、ひのき丸太
鉱産物
電力・都市ガス・水道
スクラップ類
7
ウエイト
4.2 天然ガス、砕石、砂利・砂、石灰石
52.7 産業用特別高圧電力、大口都市ガス、工業用水
6.7 鉄くず、古紙
「企業物価指数」とは:採用品目
・輸出物価指数の品目採用基準額:ウエイト対象取引額の1万分の5(10年基準:301億円)
類
8
別 (7)
ウエイト
主な品目
繊維品
12.5 綿織物、合繊長繊維・紡績糸織物、不織布
化学製品
95.4 吸水性樹脂、合成ゴム、診断用医薬品、写真感光材料
金属・同製品
118.2 鉄くず、厚中板、銅地金、ボルト・ナット・ねじ
はん用・生産用・業務用機器
192.0 汎用ディーゼル機関、掘さく機、半導体製造装置、医療用機器
電気・電子機器
232.9 モス型メモリ集積回路、工業計器、ビデオカメラ・デジタルカメラ
輸送用機器
240.6 普通乗用車、駆動・伝導・操縦装置部品、航空機部品
その他産品・製品
108.4 ガラス基板・カバーガラス、軽油、プラスチックフィルム・シート
「企業物価指数」とは:採用品目
・輸入物価指数の品目採用基準額:ウエイト対象取引額の1万分の5(10年基準:285億円)
類
別 (10)
主な品目
食料品・飼料
75.8 とうもろこし、牛肉、チーズ、ワイン、たばこ
繊維品
53.5 綿糸、セーター、女子用スーツ類、リネン、タオル
金属・同製品
木材・同製品
石油・石炭・天然ガス
117.1 鉄鉱石、金地金、アルミニウム地金、ボルト・ナット・くぎ
16.5 米材丸太、広葉樹チップ、集成材
305.4 原油、ナフサ、一般炭
化学製品
83.3 酸化チタン、医薬品中間物、循環器官用薬
はん用・生産用・業務用機器
53.9 ポンプ、医療用機器、カメラ用レンズ・交換レンズ
電気・電子機器
9
ウエイト
184.3 モス型メモリ集積回路、ルームエアコン、X線装置
輸送用機器
34.1 普通乗用車、自動車部品、航空機用原動機・同部品
その他産品・製品
76.1 天然ゴム、プラスチックフィルム・シート、プラスチック製履物
「企業物価指数」とは:総平均の動き
(2010年=100)
(2010年=100)
(2010年=100)
140
140
140
130
130
130
120
120
120
110
110
110
100
100
100
90
90
90
80
国内企業物価指数「総平均」
70
60
10
年
11
12
13
14
15
16
80
輸出物価指数「総平均」
(契約通貨ベース)
70
輸出物価指数「総平均」
(円ベース)
年
11
12
13
14
15
輸入物価指数「総平均」
(契約通貨ベース)
70
輸入物価指数「総平均」
(円ベース)
60
60
10
80
16
10
(注)契約通貨は、実際の取引で使用されている通貨(例.米ドル、ユーロ)。
10
年
11
12
13
14
15
16
「企業物価指数」とは:参考指数
・ユーザーの利便性、分析ニーズを考慮して、参考指標も作成・公表(主なもの)。
参 考 指 数
11
概
要
消費財を除く国内企業物価指数
国内企業物価指数について、消費税を除いたベー
スで作成した指数
普通乗用車(北米向け、除北米向け)
輸出物価指数の品目「普通乗用車」に関し、北米
向けと北米以外向けに分割した地域別指数
需要段階別・用途別指数
商品の需要段階や用途に着目した分類に組み替
えて集計した指数
価格波及プロセスの把握など、物価動向の多面的
な分析に利用
戦前基準指数
戦前基準指数の分類編成に組み替えた指数
(1934年~36年=1、1900年以降作成)
連鎖方式による国内企業物価指数
国内企業物価指数を対象に、連鎖基準ラスパイレ
ス指数算式で算出した指数
「企業物価指数」とは:参考指数
・消費税を除く国内企業物価指数 最近の消費税改定:2014年4月
(2010年=100)
110
105
100
95
90
国内企業物価指数「総平均」
消費税を除く国内企業物価指数「総平均」
85
80
10
12
年
11
12
13
14
15
16
「企業物価指数」とは:参考指数
・需要段階別・用途別指数「素原材料」「中間財」「最終財」
(2010年=100)
150
140
130
120
110
100
90
素原材料
80
中間財
最終財
70
60
10
13
年
11
12
13
14
15
16
「企業物価指数」とは:参考指数
・戦前基準指数「総平均」
(1934~36年=1)
(1934~36年=1)
3
900
800
戦前基準指数
「総平均」
2.5
第2次石油危機
戦前基準指数「総平均」
700
2
663.0
600
500
1.5
朝鮮戦争
第1次石油危機
400
1
300
200
0.5
0.5
100
0
1900
年
14
1910
1920
1930
0
1900
年
1910
1920
1930
1940
1950
1960
1970
Q.1900(明治33年)の1円は、現在いくらでしょうか?
A.
Q.現在の醤油は、1900年当時は、いくらだったでしょうか?
A.
1980
1990
2000
2010
「企業物価指数」とは:指数算式
・固定基準ラスパイレス指数算式を使用。指数の基準年、ウエイト算定年は、2010年。
固定基準ラスパイレス指数算式: P0L, t 
p
p
t, i
q0, i
0, i q0, i

pt , i
p0, i
w0, i
P0L,t :基準時点を 0 とした比較時点 t における固定基準ラスパイレス指数
pt ,i :比較時点tにおける商品iの価格
p0,i :基準時点 0 における商品iの価格
w0,i :基準時点 0 における全取引額に対する商品 i の取引額シェア(ウエイト)
q 0,i :基準時点 0 における商品iの数量
15
「企業物価指数」とは:上位指数の計算
公表系列
【大類別】
(5)
【類別】
(23)
非公表
【小類別】
(93)
【商品群】
(241)
【品目】
(822)
【調査価格】
(5977)
調査価格0001
調査価格0002
小麦粉
調査価格XXXX
粉類
加工原料食品
食料品・飲料・
たばこ・飼料
工業製品
総
その他工業製品
平
均
スクラップ類 ─
調査価格XXXX
スクラップ類
古紙
─
古紙
─
古紙
調査価格5976
調査価格5977
・・・・・・・・・・
指数計算の基礎となるのは調査価格
調査価格指数の加重平均により、各分類の指数を算出。
注:( )は、2010年基準国内企業物価指数の各分類における項目数および2012年4月時点の調査価格数。
16
「企業物価指数」とは:指数算式
・「国内企業物価指数」総平均と「連鎖方式による国内企業物価指数」総平均
(2000年=100)
(2010年=100)
110
110
108
108
106
国内企業物価指数「総平均」
106
104
連鎖方式による国内企業物価指数「総平均」
104
102
102
100
100
98
98
96
96
94
94
92
92
90
00
17
年
01
02
03
04
05
国内企業物価指数「総平均」
連鎖方式による国内企業物価指数「総平均」
90
10
年
11
12
13
14
15
16
「企業物価指数」とは:実際の調査方法
・毎月、調査先企業の皆様から価格データ(調査価格)を入手し、物価指数を作成。
・調査価格は、①商品の代表性、②純粋な価格変化の捕捉の2点を重視して設定。
調査価格の種類
18
内
容
設
定
例
銘柄指定調査
商品の銘柄、取引条件・取引先など、品質を固
定した実際の取引価格を調査する方法
小型乗用車A(品番特定)、
販売子会社B 社向け、
工場出荷価格
平均価格
商品グループにおける個々の実際の取引価格
を加重平均した価格を調査する方法
精密測定器C(品番特定)、
全取引先向け出荷価格
利益率調査
調査対象商品の製造原価と、商品グループ全
体の粗利率(売上高/製造原価)を調査し、同
じ商品が継続して販売されると想定した価格を
算出する方法 ※オーダーメード財に広く利用
ろ過機D(品番特定)、
全取引先向け出荷価格
モデル価格
代表的な取引(商品の銘柄、数量、取引条件
などを特定した取引)を想定した場合の価格を
調査する方法
小口都市ガス(用途、熱
量、月間使用料を一定と
したモデル料金)
「企業物価指数」とは:実際の調査方法
実際の調査票の例
2016年7月
価格調査票
(銘柄番号: 品目)
価
格
条
件
調査価格記入欄
銘
柄
表示通貨
受渡条件・数量単位等
円
1台あたり、工場渡し
●▼□円
円
1台あたり、工場渡し
◎△◆円
(XXXXXXXXX:小型乗用車)
車名:○△□
☆☆工場
●▼向け
(YYYYYYYYY:大型トラック)
車名:◎▼■
★★工場
〇◇向け
19
備 考
「企業物価指数」とは:商品の変更と品質調整
・商品の世代交代、売れ筋の変化などに対応して、随時、調査対象商品を変更。
・「純粋な価格変化」のみを指数に反映するため、「品質調整」を実施。
新旧調査商品の
価格差
=
(a) 品質変化による
価格変動分
品質調整の対象
(例1)ペットボトル入りお茶
500ml 100円
→ 410ml 100円
(例2)自動車のモデルチェンジ
モデルチェンジ前 200万円
→ サイドエアバッグ標準装備205万円
※製造コストは7万円増加
20
+
(b) 純粋な価格変動分
物価指数に反映
Q.今回の商品変更は?
(例1) 価格変化なし 値上げ 値下げ
(例2) 価格変化なし 値上げ 値下げ
「企業物価指数」とは:品質調整方法
・調査対象商品変更時には、以下から適切な手法を選択して適用。
手
法
直接比較法
オーバーラップ法
21
内
容
新旧商品の品質差は無視し得るものと判断して処理する方法
並行販売された新旧商品の価格差を品質差とみなす方法
単価比較法
新旧商品は数量のみ異なる場合、新旧商品の単価比を価格比とみな
す方法
コスト評価法
企業からヒアリングした新旧商品の品質変化に要したコストを、品質差
に対応する価格差とみなす方法
ヘドニック法
商品間の価格差の一部は諸特性の品質差に起因していると考え、「品
質変化による価格変動分」を定量的に推定する方法
「企業物価指数」とは:品質調整の実例
・新旧商品の品質変化が「容量」のみの場合、「単価比較法」を適用。
(例1)ペットボトル入りお茶
価格 500ml 100円 → 410ml 100円
単価 1mlあたり0.2円 → 1mlあたり0.24円
⇒1mlあたり0.04円値上がりとして処理。
・新旧商品の品質変化に要したコストを企業から入手できた場合、「コスト評価法」を採用。
(例2)自動車のモデルチェンジ
モデルチェンジ前 200万円
→ サイドエアバッグ標準装備205万円
※製造コストは7万円増加
製造コストをそのまま転嫁すると、価格は、200万円+7万円=207万円
実際の販売価格205万円-207万円=-2万円
⇒2万円値下げとして処理。
22
「企業物価指数」とは:品質調整の実例
・ヘドニック法の例:ノートパソコン
今回(2015/1Q-2015/4Q)
-85,527.244
***
標準搭載メモリ容量(MB)
2.093
***
Box-Coxパラメータ
0.096
バッテリー駆動時間(分)
5.614E-06 ***
Box-Coxパラメータ
1.970
定数項
CPUの種類ダミー
・ノートパソコンの価格は、商品を構成する
要素で分解できると考え、各要素がどの
くらい価格に影響を与えるかを推計。
(例)
標準搭載メモリ容量が増大
→価格上昇
タッチパネルのスタイラスペン搭載→価格上昇
Intel Celeron
-3.062
***
Intel Atom
-9.018
***
AMD EシリーズAPU
-6.174
***
タッチパネル(スタイラスペン搭載)
2.706
***
タッチパネル(スタイラスペン非搭載)
0.781
**
ディスプレイ仕様ダミー
・
・
・
決定係数
0.957
自由度修正済み決定係数
0.951
サンプル数
23
218
よりよい統計に向けた取り組み:2015年基準改定
①経済・産業構造の変化への対応
・新しい財の取り込み
・輸入物価指数の拡充
②指数精度向上と報告者負担軽減
・輸出入物価におけるカバレッジ拡大
・外部データのさらなる活用
③品質調整方法の改善
・ヘドニック法の適用拡大
・新たな品質調整方法の開発・導入
24
統
計
法
の
指
針
に
沿
っ
た
5
年
毎
の
基
準
改
定
企業物価指数の
統 計 精 度
の維持・向上
よりよい統計に向けた取り組み:新規品目の候補
国内・輸出
キーワード
自動車の技術革新
環境技術(除く自動車)
高齢化・健康増進
日本企業に優位性の
ある技術
25
新規品目の候補
クリーンエネルギー車・同部品、安全運転支援システム関連部品
(車載カメラ等)
企業物価指数の
高効率火力発電関連、燃料電池・同関連部品
統 計 精 度
の維持・向上
シリアル、特定保健用食品・機能性食品、介護ロボット、物流ロボット
航空機部品、電子部品・デバイスにおける先端品の調査拡充
よりよい統計に向けた取り組み:新規品目の候補
輸入
新規品目候補
類 別
食料品・飼料
化学
はん用・生産用・業務用機械
電気・電子機器
26
冷凍調理食品、肉加工品
企業物価指数の
エチルターシャリーブチルエーテル(バイオ燃料の原料)
統 計 精 度
の維持・向上
はん用内燃機関、金属工作機械、プラスチック加工機械、農業用機械
無線応用装置・カーナビゲーションシステム、LEDランプ
よりよい統計に向けた取り組み:ヘドニック法の適用拡大
・2015年基準では、「乗用車」「スマートフォン」「テレビ」について、ヘドニック法の適用を
拡大する予定。「サーバ」「ビデオカメラ」などは他の品質調整方法への移行を検討。
2010年基準
2015年基準(案)
乗用車
( セダン・ワ ゴン、ハ ッチバ ック、
SUV、ミ ニバン、ハ イブリ ッドの5種)
スマートフォン
テレビ
パソコン(デスクトップ型)
パソコン(ノートブック型)
パソコン(タブレット)
デジタルカメラ(コンパクトデジカメ)
デジタルカメラ(ミラーレス一眼レフ)
デジタルカメラ(一眼レフ)
サーバ
ビデオカメラ
印刷装置(インクジェットプリンタ)
印刷装置(ページプリンタ)
27
企業物価指数の
統+ 計 精 度
の維持・向上
ヘドニック法の適用を継続
ヘドニック法から
代替的な品質調整方法
に切り替えを検討
よりよい統計に向けた取り組み:新しい品質調整方法の開発
手
法
内
容
属性コスト調整法
品質差を生む主要部品の価格の和が財の価格に等しいと仮定し、品
質差に見合う部品の価格差を品質向上分とする方法。
オプションコスト法
旧商品ではオプションとされていた装備が、新商品で標準装備となった
場合、旧商品のオプション価格の一定割合を品質向上に伴う価格差に
相当するとみなす方法。
ランニングコスト法
企業物価指数の
統 計 精 度
新旧商品の主な品質差が燃費改善や省エネである場合、平均的な需
の維持・向上
要者が享受する燃費・消費電力改善効果を金銭価値に換算し、それを
品質向上に見合う価格差とする方法。
オンライン価格調整法
28
新商品と旧商品の平均的なオンライン価格推移パターンから、ある時
点における価格差に品質差が占める割合を推計して、品質調整に用い
る方法。
よりよい統計に向けた取り組み:今後のスケジュール
日
程
2015年12月
2016年秋
2017年前半
29
イ ベ ン ト
基本方針ペーパー公表
パブリックコメント募集開始
最終案ペーパー公表
改定結果ペーパー公表
2015年基準「企業物価指数」へ移行
参考:企業向けサービス価格指数の概要
・「企業向けサービス価格指数」を1985年から作成・公表。
企業向けサービス価格指数
(Services Producer Price Index)
調査対象
企業間で取引されるサービスの価格
調査段階・時点
サービス提供者のサービス提供時点の価格
ウエイト算定
経済産業省『延長産業連関表』におけるサービス部門の企業間取引額
(中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出)から
輸入取引該当額を控除した取引額を利用
採用品目数
147
調査価格数
3,533
カバレッジ
50.5%
(注)調査価格数は、2014年5月時点。
30
参考:「企業向けサービス価格指数」の採用品目
類
別 (22)
主な品目等
金融
33.0 内国為替手数料、証券委託手数料、信用保証料
保険
11.3 火災保険、自動車保険(任意)、同(自賠責)
不動産賃貸
72.1 事務所賃貸(東京圏)ほか、店舗賃貸、駐車場賃貸
旅客輸送
38.6 新幹線、国内航空旅客輸送、国際航空旅客輸送(北米方面)ほか
陸上貨物輸送
77.1 鉄道貨物輸送、宅配便、貸切貨物輸送
海上貨物輸送
20.6 定期船、外航タンカー、自動車航送船
航空貨物輸送
1.5 国内航空貨物輸送、国際航空貨物輸送
倉庫・運輸附帯サービス
38.1 普通倉庫、こん包、高速自動車国道、水運附帯サービス
郵便
10.8 封書、はがき、国際郵便
通信
57.2 固定電話、インターネット接続サービス、携帯電話・PHS
放送
情報サービス
31
ウエイト
3.3 公共放送、民間放送
150.3 受託開発ソフトウェア、システム等管理運営受託、ASP
参考:「企業向けサービス価格指数」の採用品目
類
別 (22)
インターネット附随サービス
32
ウエイト
主な品目等
9.2 インターネット附随サービス
新聞・出版
17.8 新聞、書籍、月刊誌
リース・レンタル
60.7 機械レンタル、レンタカー
広告
63.4 告、インターネット広告、ダイレクトメール広告
下水道・廃棄物処理
25.8 下水道、一般廃棄物処理、産業廃棄物処理
自動車整備・機械修理
63.8 車検・定期点検・一般整備、電気機械器具修理
専門サービス
46.7 土地家屋調査士サービス
技術サービス
59.4 建築設計、測量、プラントエンジニアリング、商品検査
職業紹介・労働者派遣サービス
50.0 職業紹介サービス、事務職派遣
その他諸サービス
89.3
産業機械リース、電子計算機・同関連機器リース、建設
テレビ広告(タイム)、同(スポット)、新聞広告、雑誌広
弁護士サービス、公認会計士サービス、税理士サービス、
社員研修サービス、清掃、機械警備、テレマーケティング、
ホテル宿泊サービス、給食受託、リネンサプライ
参考:企業向けサービス価格指数の動向
(2010年=100)
115
企業向けサービス価格指数「総平均」
消費税を除く企業向けサービス価格指数「総平均」
110
105
100
95
00
33
01
02
年
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
参考:企業向けサービス価格指数・品質調整の取り組み
・時間とともにサービスの品質が変化するサービスに関し、品質調整を実施。
(例1)事務所賃貸:特定のオフィスビルの賃料を調査。同一のオフィスであっても
築年数の増加に伴い経年劣化が生じる→経年劣化を補整する品質調整を実施
34
参考:企業向けサービス価格指数・品質調整の取り組み
(例2)広告
:広告主にとって、広告効果(=広告の品質)の高さは、何人の消費者がその広告を
見て商品を購入するかで決まると考えられる。
→広告の品質は、広告閲覧者数に比例すると整理、品質変化を補整する品質調整を実施
<調査価格>
広告閲覧者1人あたり単価
=スポット広告収入÷総実績GRP
35
参考:製造業部門別投入・産出物価指数の概要
・「製造業総合部門別投入・産出物価指数(IOPI)」を1960年から作成・公表。
製造業総合部門別投入・産出物価指数
(Input-Output Price Index of the Manufacturing Industry by Sector )
調査対象
投入物価指数
製造業の各部門が経常的な生産活動の過程で消費する原材料、燃料・動
力(国内財および輸入財、投入屑・副産物を含む)、サービスの価格を集計
産出物価指数
製造業の各部門における産出物(国内財および輸出財、最終製品のほか
中間製品や発生屑・副産物を含む)の価格を集計
作成方法
36
製造業の生産活動において投入される「財」・「サービス」、産出される「財」
「企業物価指数」「企業向けサービス価格指数」の品目指数を転用
参考:製造業部門別投入・産出物価指数の動向
(2011年=100)
(2011年=100)
110
110
105
105
100
100
95
95
90
90
産出(製造業総合部門)
投入(製造業総合部門)
85
85
80
80
11
37
年
12
13
14
15
11
年
12
13
14
15
参考:作成部署のご紹介
名 称
在籍人数
日本銀行調査統計局物価統計課
約50名 うち7割以上が女性
価格調査約20名、基準改定約20名、システム約10名
※日本銀行全体(約5,000人)の約1%を構成
・実際の業務の様子は、弊行ホームページ掲載の「日銀探訪」第10回もご覧ください。
38
参考:長期時系列の検索
・弊行ホームページの「時系列統計データ検索サイト」から時系列データが利用可能です。
39
ご清聴ありがとうございました
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