ハイパースペクトルカメラによる生鮮食品鮮度評価

ハイパースペクトルカメラによる生鮮食品鮮度評価
Perishable food freshness evaluation using a hyper spectrum camera
三浦 理恵
Rie MIURA
佐鳥 新
Shin SATORI
北海道工業大学
上野 宗一郎
佐藤 立博
Souitirou UENO
Tatuhiro SATOU
石村 康生††
福島 充†††
江良 聡†
Satoshi ERA
Kosei ISHIMURA
(株)エイティーエフ†
Hokkaido Institute of Technology
三橋 龍一
Mituru HUKUSHIMA
北海道大学††
Ryuiti MITUHASHI
(株)北海道衛星†††
ATF Corp. Hokkaido University
Hokkaido Satellite Corp.
1. はじめに
生鮮食品反射率
リモートセンシングは、離れた対象物に直接触れること
100
なく、対象物の形状や性質を調べる技術である。(1)すべて
80
体固有の電磁波を測定することにより、対象物を判定する。
ゆる分野で、その分光特性を利用した識別を応用すること
が可能となる。
なかでもハイパースペクトルカメラ(以下 HSC と称す)
は比較的狭いバンドを多数(数十~百数)を揃え、可視域
から赤外域にかけてのスペクトルを網羅的に観測する(2)
また、高波長分解能、高空間分解能という特徴から注目を
70
反射率
これにより、林業、鉱物、海洋、農業、地球環境などあら
さくらんぼ
キュウリ
トマト
小松菜
キウイ
90
の物体は固有の電磁波を反射または放射しており、その物
60
50
40
30
20
10
0
400
500
600
波長(nm)
700
800
集めている。
本研究では、HSC を使用した植生、食品の分光特性調査
図3
果実、野菜の分光特性
を行い、それらの品種を識別できるようシステム化を目指
している。
2.
HSC
本実験に使用している HSC1.7 号機は 400~800 nm の可視
から近赤外の波長領域を使用し、その波長を 72 のバンドに
分割した光の強さを 680×460 のピクセルデータで扱う。
図 1 に HSC1.7 の外観、図 2 に撮影風景を示す。
図 4 小松菜の NDVI 表示
まとめ
図1
3.
HSC1.7 外観
図 2 撮影対象(小松菜)
食品の分光特性
食品の分光特性について HSC1.0 により調査を行い、その
鮮度の違いによる反射スペクトルの違いを算出し、その特
徴を抽出する。
これまでに、果物、野菜、肉など食品の鮮度の違いに
よるスペクトル特性について調査を行ってきた。
今後も更なる品種の調査を行うとともに、NDVI 以外の
評価式を考え、評価法の検討を行う。
今後はあらゆる品質をデータベース化するとともに、
図 3 にさくらんぼ、トマト、キウイ、小松菜、キュウリ、
調査、データ解析分光特性の特徴を更に分かりやすく抽
の 5 種類の果実、
野菜の分光特性及び、
図 4 に小松菜の NDVI
出できるよう解析を行い、航空機や人工衛星に搭載し解
表示を示す。図 3 では品種による波形の違い、また図 4 で
析できる環境を整えることを目標とする。
は、小松菜の部分的な鮮度の違いが確認できる。