ミネソタ州安全情報(10月) 1 ミネソタ州の危険度 ミネソタ州の犯罪発生

ミネソタ州安全情報(10月)
1 ミネソタ州の危険度
ミネソタ州の犯罪発生率は全米平均を下回っており,最新の経済安全研究所のレポー
トでは全米で4番目に安全な州と報告されています。
2 最近の犯罪と傾向
(1)不法移民による偽造IDの入手を食肉処理場の従業員が幇助。
グアテマラ国籍の少女(14才)を含む複数の移民に虚偽の身分証明を入手させ,
ミネアポリス市近郊の食肉処理場で働かせていた同処理場の従業員が逮捕されました。
今年だけで十数名の移民がミネソタ州発行のIDカードを不正に入手するのを幇助
していた容疑者は,前述の少女から150ドルの手数料を受け取っていました。本件
に関連して同食肉処理場の従業員10名が逮捕されましたが,会社自体は事件に関与
していないとされ訴追されませんでした。
(2)サウス・ミネアポリスの数カ所で暴力犯罪が増加。(ミネアポリス市)
警察の統計によるとミネアポリス市南地域における暴力犯罪発生件数が増大してい
ます。Nokomis地区では1月から9月までの暴力犯罪発生件数は92件であり,
昨年比26%増加しました。
警察は,市南地域における暴力犯罪増加の理由について明確な回答を持ち合わせて
いないようです。一方で警察が執行力を強化した市北西地域やNear North
地区では暴力犯罪が減少しています。
市全体で見ると暴力犯罪の発生率は昨年に比べ微増しています。本年9月までの暴
力犯罪(殺人,強姦,強盗及び加重暴行の4種)の発生件数は合計3,111件で昨
年同期比5%増加しました。
Powderhone地区では,暴力犯罪が昨年比75件,19%増加しています。
強盗が71件増加し,加重暴行が微減したものの,強姦が昨年31件から本年40件
と29%増加しました。
Nokomis地区では,4種の暴力犯罪全ての発生件数が増加し,特に強姦の増
加が目立っています。(昨年31件,本年41件)
Near North地区は暴力犯罪が多少減少している(昨年674件,本年6
52件)ものの,殺人及び加重暴行の発生件数が市内で最も多い地域となっています。
ミネアポリス市警は,暴力犯罪の押さえ込みは概ね成功しており,ここ30年で最
低の水準に達する見込みであり,一時的な犯罪の増加は異常なことではないと述べて
います。
ダウンタウンでは,昨年比14.5%増加した加重暴行(昨年124件,本年14
2件)の発生件数が同地区の暴力犯罪増加の要因となっています。
(3)強姦の容疑者が更に2件の強姦容疑で起訴された。(ミネアポリス市)
ダウンタウンの駐車場における強姦容疑で起訴された容疑者(22才)が,更に2
件の性的暴行容疑で起訴されました。これら3件の事件は9月26日に1件,10月
7日に2件発生しました。
容疑者は,10月7日に駐車場の自動車内での強姦容疑で10月9日に逮捕されま
したが,逮捕事案のおよそ2時間前にも同じ駐車場内で別の女性を襲っていました。
10月7日,午後1時40分頃,2件目の事件の被害者が2nd Avenueの
駐車場に車を止め,徒歩で出口に向かっていたところ,容疑者が被害者に小銭を要求
してから襲いかかり,車の間に押し倒しました。被害者が抵抗し,助けを求めたとこ
ろ,エレベーターから降りてきた男性が犯行に気づき大声を上げたため,容疑者は逃
走しました。被害者は背中と顎を負傷しました。
同日午後4時30分頃,同じ駐車場内で,車に戻るためエレベーターに乗った女性
の後に続いてエレベーターに乗り込んだ容疑者は,駐車場の7階で降りた女性を襲っ
て車のキーを奪うと,被害者を被害者の自動車の後部座席に押し込み強姦しました。
9月26日の事件では,容疑者は,渡り廊下を渡って1st Avenueの駐車
場に戻ってきた女性に小銭を要求すると卑猥な言葉を投げかけ,女性の尻と胸を掴み
ました。女性がセキュリティーに駆け込み,セキュリティーが警察に通報しました。
(4)監禁されていた2人の少女(13才)が救出された。(バーンズビル市)
ネットで知り合った13才の少女2人を自宅地下室に監禁したBurnsvill
e在住の男(23才)が性的暴行及び誘拐の容疑で起訴されました。
容疑者は,「Omegle」という無料のインターネット・チャットサイトを介し
て知り合った少女2とAndover市で待ち合わせた後,自宅地下室に監禁しまし
た。警察が少女らの電子機器内の情報を捜査して容疑者の自宅を突き止め,翌朝少女
2人を救出しました。
容疑者と少女らは,テキストメッセージや何種類かのソーシャルメディアを通じて
1ヶ月近く連絡を取り合っており,チャットには「性的にきわどい」内容が含まれて
いました。
サイバーセキュリティーの専門家は今回の事件に関し,よく知られた新たしく簡単
なプログラムが危険と隣り合わせである事を例証していると警告しています。
(5)ヘロイン密売組織の摘発で8人が起訴された。(ミネアポリス市)
市内の地下鉄エリア内でモバイル機器を使用してヘロインを密売していた麻薬組織
の構成員8人が起訴されました。同組織は「The Crew」と呼ばれ,ここ数年
ミネアポリス市で年間160万ドルを売り上げていました。
起訴された8人のうちリーダーと目されているシカゴ市在住の男(37才)ともう
一人の男は,早朝のダウンタウンでの交通検問で逮捕されました。
同組織は,メキシコから密輸されたヘロインを月2回,1回の運搬で300~40
0グラムのヘロインを自動車の秘密の収納場所に隠してシカゴ市からミネアポリス市
に運び込んでいました。
(6)侵入強盗及び性的暴行の容疑者が起訴された。(セントポール市)
容疑者(25才)は,数人の仲間と共謀し,被害男性の居住する住宅に押し入り,
室内にいた男性と女性を殺害すると脅し,男性に対しては拳銃で殴ったり熱したワッ
クスをかけたりするなどの暴行を加え,女性に対しては性的暴行を加えました。
起訴状によると,容疑者は被害者に対し,被害者が多額の現金を持っていると「助
言」されたと話したとされています。
(7)ハロウィーンのマスクを被った強盗が銀行を襲撃。(セントポール市)
午前7時頃,開店直後のリトル・カナダ銀行に,ハロウィーンのマスクを被った2
人組の強盗が侵入しました。強盗は行員に金庫を開けさせるとビニール袋と鞄に現金
を詰め逃走しました。容疑者の1人は筋肉質で黒色フード付きスウェットシャツ,黒
色ズボン,黒色手袋に赤いマスクを被っていました。もう一人は中肉で黒色フード付
きスウェットシャツ,黒色ズボン,白色手袋に骸骨のマスクを被っていました。
3 衛生情報
(1)ミネソタで4つの病院がエボラ対応病院として指定された。
州内の病院が参加した会議により,ミネソタ大学メディカルセンター(ミネソタ市),
Mayoクリニック(ロチェスター市),Unityホスピタル(Fridly市),
チルドレンズ・ホスピタル(セントポール市)がエボラ対応病院に指定されました。
州内全ての病院がエボラ出血熱の疑いのある患者(特に,高熱を発症し,最近西ア
フリカへの渡航歴がある患者)を扱うための隔離手順を訓練することが予定されてい
ますが,エボラ出血熱が確認された患者は指定された4病院に移送されます。
上記4病院が選ばれたのは,現時点でエボラ出血熱患者を処置するための十分な訓
練,装備,隔離手順そして施設が備わっているためであり,近々,CDCが各病院の
準備状況を確認する予定です。
(2)ミネソタでドラッグの過剰摂取による死亡事案が増加。
ミネソタで処方箋が必要な鎮痛剤とヘロインの過剰摂取による死亡事案が急上昇し
ており,交通事故による死者数を上回っています。
この傾向は,地元の警察関係者に不安と挫折感を与えています。警察によると,中
毒性が非常に高い鎮痛剤が闇市場で流通しているため,容疑者の逮捕とその刑事手続
きに終わりが見えないとのことです。
統計によれば2013年ミネソタ州で507人が薬の過剰摂取で死亡し,その内3
29人が都市圏の11郡で死亡しています。死因の多くが処方箋の必要な鎮痛剤と違
法なヘロインの過剰摂取です。一方で2013年のミネソタの交通事故による死者数
は374人です。