エネルギーセンサー

エネルギーセンサー
パワー
パワー
超高速応答
エネルギー測定 エネルギーメータ パワーセンサー
エネルギーセンサー
エネルギーセンサーの原理
&
サーマルセンサーとは異なり、焦電気物質は温度値自体では
なくセンサー温度の変化率を検出します。そのため、一般に
焦電気物質の応答速度は温 度 特 性で は なく電 子 回 路 設 計
によってのみ制限され、ナノ秒以下のレベルに達することも
あります。一方、サーマルセンサー(サーモパイルやボロメー
タなど)は、温度応答速度(通常は、およそ数秒)によって制限
されるので、焦電気物質に比べて応答が遅くなります。焦電気
物質は、細断、パルス化、または変調される場合の変化にの
み反応するため、経時変化しない安定した放射には反応しま
せん。常温動作に加えて、広くて均一なスペクトル応答性、感
応性、および高速性により、焦電気物質は多くの電気光学用途
にとって最適な選択となります。
図1:焦電気等価回路図
CD
RD
RE
I = p(T) A dT/dt
&
ビーム診断
波長分析
図1のように電極を焦電気物質の表面に付け、外部回路を通じ
て接続した場合は、分極電荷を中和するために外部回路で電
流が生成されます。右の式で表されるように、
この電流は結晶
温度の変化率に比例します。
カスタム
is
アナログ出力
間、移動中のイオンは格子内で分極電流を発生します。温度変化
が止まると格子は移動を停止し、分極電流は止まります。焦電気
物質の応答速度は、原理的には結晶格子を再配列するために必
要な時間(およそ1ピコ秒)によってのみ制限されます。実際の焦
電気物質では、応答速度はコーティングからの熱移動によって
さらに制限されます。
I = 電流
p(T) = 温度Tにおける焦電気係数
A = 電極表面積
dT/dt = 温度変化の時間率
&
ビーム診断
図2:光学パワーのステップ入力に対する
一般的な焦電センサー出力
光学
パワー
入力
(W)
焦電
電流
出力
(µA)
校正と
サービス
焦電
電圧
出力
(V)
時間(秒)
索 引
焦電気物質は、非常に用途の広い光学センサーです。
これらの
センサーは、赤外、可視、および紫外にまたがる幅広い波長範
囲にわたって性能が保たれます。
これらのセンサーを使用する
と、10ディケードのダイナミックレンジでnWおよびnJからWお
よびJまで測 定できます。これらの 組 合わされ た 特 性 によっ
て、焦電センサーは他のタイプのセンサーと区別されます。
焦電センサーは、高エネルギーパルスレーザの直接ビーム
に耐えられるほど十分に堅牢であり、またnWの黒体放射を
測定できるほど十分に高感度です。
波長分析
焦電気物質の高周波応答は、抵抗器のRC電気時定数と電気回
路の実効静電容量によって決まります。図2のように、高速レー
ザパルスは、出力電圧信号を生成するためにセンサー回路に
よって電気的に統合されます。
この出力電圧には、総パルスエ
ネルギーに比例して急激に上昇するピーク振幅があり、その
後に、RC電気時定数によって決まる時間スケールにわたって
指数関数的な減衰が続きます。エネルギーセンサーは、この
焦電動作の原理を利用しています。
エネルギー
センサー
焦電気物質では、温度変化が発生すると、結晶格子はそれ自身を
再配列し、イオンポジションを移動します。温度が変化している
パワーセンサー
EnergyMax シリーズ
&
※性能を維持するために、
レーザパワー/エネルギーメータおよびセンサーは、少なくとも年に1回の校正をお奨めいたします。
www.coherent.co.jp ・ TEL 03-5635-8680 ・
本仕様は予告なく変更される場合がございます。
ご購入時必ずご確認ください。
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エネルギーセンサー
パワー
パワー
超高速応答
エネルギー測定 エネルギーメータ パワーセンサー
&
&
エネルギーセンサー
エネルギーセンサーの各種チャート
エネルギーセンサーはセンサーコーティングの種類によって損傷閾値に差があり、
また、波長によっても損傷閾値が変わります。
パルス照射によるエネルギーセンサーの損傷を避けるには、各センサーの波長による損傷閾値を把握し、実際にどれくらいのエネ
ルギー密度を照射するかを事前に見込んでおき、充分に安全な領域でお使いいただくことが必要です。下記にエネルギーセンサー
EnergyMaxシリーズの損傷閾値を示します。
パワーセンサー
下記の図は各モデルの主要波長ごとの損傷閾値をエネル
ギー密度で表示しています。つまり、パルスの1発当たりのエ
ネルギー値をセンサーに当たる時点での面積で割った値とな
り、
この値を上回るとセンサーを損傷します。
ここで注意すべ
き点として、
これらの値はビーム内でのエネルギー分布が均一
であることを想定していますが、実際のビームの強度分布は、
フラットトップなビームを除いて、ガウシアン分布などのよう
エネルギー
センサー
EnergyMaxシリーズのモデル別、波長別の損傷閾値(mJ/ cm2、パルス幅10 nsの時)
モデル
J-50MB-HE
193 nm
248 nm
266 nm
355 nm
532 nm
1064 nm
40
170
170
140
250
500
40
J-50MB-LE
J-25MB-HE
40
カスタム
アナログ出力
J-25MB-LE
40
J-10MB-HE
40
J-10MB-LE
40
170
170
170
140
170
170
140
170
170
140
170
170
140
170
140
250
250
250
250
500
200
390
500
J-10MT-10KHZ
40
40
40
50
50
ビーム診断
波長分析
J-50MB-YAG
&
J-50MUV-193
ー
J-25MB-IR
J-50MUV-248
J-50MUV-248
ビーム診断
J-50MUV-193
ディフューザなし
ディフューザなし
J-25MUV-193
1000
ー
750
ー
ー
ー
ー
260
260
300
520
520
500
50
2800
14,000
375
375
1500
5000
ー
ー
ー
375
375
200
260
260
300
ー
ー
ー
200
260
260
300
375
375
400
ディフューザ付
J-25MUV-248
390
200
400
ディフューザ付
200
500
500
200
200
500
500
500
150
150
500
250
J-50MT-10KHZ
J-25MT-10KHZ
&
に不均一なことが多く、部分的にエネルギー密度が高いことが
あります。
このようなケースではより安全な値を想定いただくこ
とになります。
なお、テスト用スライドで事前に試行し、損傷の有無を確認
いただいたうえで実際の測定を行うことをお勧めいたします。
200
520
520
260
260
300
375
375
EnergyMaxシリーズのメータ互換性
波長分析
J-10SI(GE)-HE(LE)
J-50(25,10)MB-HE(LE)
LabMax-Pro
LabMax-TOP
●
●
FieldMaxⅡ-TOP/-P
●
●
J-50(25,10)MT-10KHZ
●
●
●
●
●
J-50(25)MUV-248(193)
●
●
●
J-50(25)MB-YAG(IR)
●
校正と
サービス
索 引
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