医療産業への参入促進に向けた「医療現場見学会」開催報告 (福井県

医療産業への参入促進に向けた「医療現場見学会」開催報告
(福井県/ふくい医療産業創出研究会 主催)
福井県では、県内企業が有する繊維・メガネ・機械などの高度な加工技術を活用することで、今後成
長が見込まれる医療産業への県内企業の進出を促進するため、医療現場サイドと企業との情報交流、販
路開拓等を支援しています。この一環として、平成 28 年 2 月 27 日(土)に、福井大学医学部付属病院
のご協力の下、医療現場で使用されている手術機器・用具、医療用品・材料等を見学する「医療現場見
学会」を開催しました。見学会および医療者との意見交換を通じ、医療現場のニーズ・シーズに関する
情報交換や、県内企業が開発すべき医療機器のイメージづくりを進める事を目的にしており、14 企業、
18 名が参加しました。
日時:平成 28 年 2 月 27 日(土)午後
場所:福井大学医学部附属病院 臨床大講義室 ほか
対象:医療機器関連分野への参入意欲のある県内の企業関係者
内容
(1)福井大学医学部附属病院の施設概要説明
(2)医療現場からのニーズ説明
「耳鼻咽喉科・頭頸部外科医とドラえもん」/「看護業務で必要なもの」
「医療機器・材料の開発ニーズと選択を流通の立場から考える」
(3)施設等見学
・内視鏡部門
・放射線部門
・メディカルサプライセンター
・栄養部
・手術室
・滅菌管理部門
・リハビリテーション部
・メディカルシミュレーションセンター
(4)企業側プレゼンテーション(希望者)
手術室内に入っての低侵襲外科手術システム見学
「医療現場見学会」開催報告
1.挨拶
医学や病院と企業を繋ぐ志向性にはニーズとシーズの二つの方向性がある。シーズ志向は大学が持つ
知財等を企業にお渡しして製品化につなげる事例だが、知財は福井県内企業向け特化して作られるもの
ではないので、県内企業とのマッチアップには難しい点がある。一方のニーズは現場の要望を製品化に
繋げるもので、企業様とはフェイス・トゥ・フェイスの関係で起業化できる。見学会を通して何かでき
ればと期待したい。そしてニーズとは医師、看護師、そして患者さんの要望である。医療と言うと医療
器具開発を想定されがちであるが、日常の生活に必要なものや道具の延長であり、患者さんは病気を持
っているから、日常の生活をスムースに支援できる製品類がニーズに含まれる。これらの分野を含めて
起業化に繋がるものの発見を期待したい。本日は宜しくお願いしたい。
2.病院概要説明
福井大学医学部から概要説明があった。付属病院に限定しての職員数とスタッフの内訳、事業規模と
しての収入と支出の現況、
日本にある 43 国立大学で厳しい運営状態の中、福井大学は全国 8 番目であり、
地元住民の健康福祉に貢献しつつ、黒字決算を維持している事が説明された。また、国民総医療費が 40
兆円で右肩上がりであり、新事業としての可能性があること、総医療費の多くが外資に流出しているの
で、これを国内・県内の皆様に吸収して欲しい事などが伝えられた。
『大学の使命としては、最高・最新の医療を安心と信頼の下で地域医療の理念を持ち、
「特定機能病院」
として先進医療・臨床研究と、
「医師養成機関」として医学生教育、専門医教育を行っている。教育・研
究・診療のバランスの取れた大学病院としてがんばっていきたい。』と意気込みが伝えられた。
3.医療現場からのニーズ提供
(1)『耳鼻咽喉科・頭頸部外科医とドラえもん』
福井大学医学部耳鼻咽喉科から表記のタイトルで、現場からのニーズ提供がなされた。医師の腕の増
加、手術中に体を保持させるスーツ、普段は柔軟だが任意のタイミングで先端だけを硬性鏡に早変わり
させる治具、電子機器が頭に直接埋め込まれている事への抵抗と外部聴覚臓器の対処、骨の裏側を削る
方法があれば良いなど、現場の直接的な声をお聞かせ頂いた。
(2)『看護業務で必要なもの』
福井大学医学部付属病院看護部から、看護師の業務紹介と、患者や看護師にとって安全・安楽・効率
的(操作が簡単)な物に関する要求があった。また、手術部で欲しい物や滅菌管理部で必要な物、過去
に必要性が議論されたが導入に至らなかった案件、感染予防機能に関すること、
『あるといいな、こんな
のが欲しい』といった具体的なニーズ情報の提供があった。
(3)『医療機器・材料の開発ニーズと選択を流通 の立場から考える』
福井医療株式会社から、医療業界でのビジネスチャンスの確認法が紹介された。新技術が市場に投入
される場合の、導入技術の革新性と製品化コストの関係で採算領域・不採算領域が決定される事、包帯
や圧迫包帯や代用皮膚等の一材料と導入を事例に説明さた。このほか、ニーズの選択と開発・事業化の
一例が示された。
以上のプレゼンを受講した企業からは、早々に提案意欲が示されていた。
4.施設見学
参加者を二班に分けて現場見学会を開催した。これらの様子を示す。
放射線部:(a)放射線から身を守る衣料に関する説明
(b)データから製作する脳内血管モデル
内視鏡部:体内洗浄に連続的に液体を注入できる技術についての要望
リハビリテーション部:各種機器の機能説明や治具の説明
滅菌管理部:滅菌された衣料用具の扱いについての説明
手術室:手術室の全室および内部での各種要望説明
実際に低侵襲外科手術システムに触れてみる貴重な経験
5.情報交換会
施設見学の後、見学してきての質問や感想などを述べ合い、また、企業側からは自社の事業内容を告
知するなどの情報交換を行った。企業側からの各種提案に対し、医学領域で機能や効果を議論するには
症例の定量的評価結果が必要であることなどが示されるなど、業界を超えた情報交換を行うことができ、
双方に取って有用な見学会となった。
ニーズ・シーズ側の意見交換と感想等
県内企業からの事業取組説明
「医療現場見学会」についてのお問い合わせ先
福井県産業労働部地域産業・技術振興課 髙﨑、冨田
〒910-8580 福井県福井市大手3丁目17-1
Tel:0776-20-0374
e-mail:[email protected]
HPに関するお問合わせ先
公益財団法人ふくい産業支援センター オープンイノベーション推進部 松井
〒910‐0102 福井市川合鷲塚町61字北稲田10(福井県工業技術センター内)
Tel:0776-55-1555
e-mail:[email protected]