トレイルワールドに向けて! - worldtrail.org

開幕基調講演
トレイルワールドに向けて!
トレイルの歴史において重要な瞬間
ロバート・ショーンズ Robert Searns / アメリカントレイルズ名誉会長
2015/01/15
2p 北米地域の観点から見た“七つの歴史的瞬間*”
3p
1. "古道”
4p "古道"
ヨーロッパでは数世紀前に通行権として小道とトレイルに対する認識があった
5p. 全ての人たちの権利 (Allemansrätten, Free to Roam)
※訳者注 _一般大衆がレクレーション及び運動を目的として特定の共有地 (Public)
又は私有地(Private)にアクセス(Access)出来る権限
自然に害を与えない線に押さえながら、自然状態のあらゆる場所を歩く権利は誰に
でもある。歩き、泊まり、火を炊き、小川を泳ぎ、ナッツ類又は果実を食べなが
ら...マクファーレンの文章から抜粋
参照_ http://en.wikipedia.org/wiki/Freedom_to_roam
6P.スカンジナビア半島は土地を所有し自然景観を支配していた封建領主階層が存
在しなかった事から、一部国家に該当する。最近他の国家でも一般大衆が自由に出
入り出来る Free to Roam の概念が受け入れ始めた。
-ロバート・マクファーレン(Robert Macfarlane)から引用
7p. 2.神聖な道
8p. 神聖な道–カミノデサンチアゴの形成と21世紀トレイルへの影響
9p. 10 世紀スペイン・コンポ
ステラの
使途聖ヤコポ(St. James Apostle) の墓が
西ヨーロッパにまで有名になり数千年の間聖地巡礼地となった。
フランスとその他の地域から出発しスペイン北部を横断するこの道は旅行者にとっ
て精神的にも肉体的にも素晴しい経験を与え終着地である聖ヤコポの遺骨が有る大
聖堂で道は終わる。
–ユネスコ世界遺産センター(Unesco World Heritage Center) から引用
http://whc.unesco.org/en/list/669
10p. 1139 年に初めてサンチアゴ・デ・コンポステラを
世に知らせる最初の旅行巡
礼道“案内書”が登場し、巡礼者が利用出来る施設に関する情報が掲載された。
聖地巡礼道が出来上がり、大衆にも広まることとなり、結果的に巡礼の道にある一
部の村が経済的な恵みを得る事となった。サンチアゴへと向かう巡礼者の歴史はそ
れ以降、今日までも続いている。
–ユネスコ世界遺産センター (UNESCO World Heritage Center) から引用
http://whc.unesco.org/en/list/669
11P. 1987 年ヨーロッパ連合によってヨーロッパ初の文化財(European Cultural
Itinerary) として宣布した後、毎年数千人の巡礼者が徒歩や自転車で訪れた。–ユ
ネスコ世界遺産センター (UNESCO World Heritage Center) から引用
http://whc.unesco.org/en/list/669
12P. 1985 年にはサンチアゴ
・デ・コンポステラ
へ行くカミノ・デ・サンチアゴ
道
を 2,491 名が完走確認照明書を発行した。2010 年にはなんと 270,000 名以上が完
走!
13P. “巡礼の道を訪れる人が急増している。”
- 詩人エドモンド・ブランドン 1942
14P. 古道を復活させる運動が全世界的に進められ、巡礼地を訪れる人々の数が増え
て教会の訪問者の数は減った。
このような動きは,明らかに見える物質界から人々が自由になろうとする非物質化に
対する意識が増加する事で、自然や周辺景観へと戻りたいという広い意味での欲求
として解釈出来る。
-ロバート・マクファーレン(Robert Macfarlane)から引用
15P. 巡礼者原則
共鳴の原則(Rule of Resonance) –多くの人の反響を呼び起こす規模の小さい場所程、
どのような巡礼地よりも重要である。
符合の原則 (Rule of Correspondence) –自然に囲まれている場所は人々の心に残る
ようになっている。
16P. 3.経済恐慌の沼を脱出した救援策
経済恐慌の沼を脱出した救援策–
フランクリン・ルーズベルト大統領が 1930 年代に市民救済機構 (Civilian
Conservation Corps. CCC)を設立し、アメリカ内に数千マイルに至るトレイ
ルを作り、絶望に陥った若者の失業を救済
17P. 経済恐慌の沼を脱出した救援策
1930 年代アメリカ民主党時代の憂鬱な危機の時期に、
フランクリン・ルーズベルト大統領は若者の失業を救済すべく市民救済機構
(Civilian Conservation Corps. CCC)を設立した。
18P.このプログラムを通じて、3 百万以上の絶望と失意に陥った若者をトレイル造
成事業に投入、新しい職場を提供した。
19P. 若者には宿と衣服、食事だけでなく 給料として30ドルを提供。(その内、
25ドルは強制的に家族への仕送りとされる。)
20P. 雇用された若者たちは、アメリカの緑化事業を支援するため30億もの木を植
え、アメリカ全域に 800 個以上の公演を造成した。
21P. アメリカ共有地に 47,000km 以上ある距離のトレイルを造成しその名を今日ま
で引き継いでいる!
http://en.wikipedia.org/wiki/Civilian_Conservation_Corps
22P. 4.鉄道をトレイルに(Rails to Trails)
23P. 鉄道をトレイルに(Rails to Trails)
20 世紀校半から 鉄道をトレイルとして造成する動きがあり、最初の鉄道ト
レイルが作られ、アメリカにレイルズ・トゥ・レイルズ保存協会 (Rails to
Trails Conservancy) が創立された。
24P. 1965 年にオープンしたウィンスコンシンにある Elroy-Sparta State Trail は、
初の鉄路トレイルで、全世界的に12国家でこれと似たプログラムを進めている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rail_trail
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_rail_trails
25P. 1986 年、ピーター・ハーニック(Peter Harnik)とデービッド・ブルウェル
(David Burwell)は、アメリカ全域に捨てられた鉄道の数字が増加している事に着眼
し、レイルズ・トゥ・レイルズ保存協会(Rails-to-Trails Conservancy)を創立
26P. 1976 年にアメリカ議会は、公共トレイルを新しく造成するため、危機助成及
び情報交流、技術支援などを提供する鉄道復元及び規制改革法(The Railroad
Revitalization and Regulatory Reform Act)を通過させた。
また、鉄道付近で “築堤”し、土地の国有化で鉄道を保存する試み。
27P. 最近ニューヨークでは、放置されている路面電車道が増加し線形公園(linear
park)と歩行路が作られた。
28P. ニューヨーク・マンハッタンにあるハイラインパーク*(High Line Park)
に
は、年間 500 万名の訪問客が訪れ、訪問客が二番目に多い文化スペースでもある。
※訳者注 –アメリカ・マンハッタン南西部の先にある放置された高架鉄道を活用し
造成した都心内生態公園
220 億ドルの経済効果創出 –今後 20 年に渡り 98 億ドルに推算される税収の増
加–トロント・グローブ・アンド・メール(Toronto Globe and Mail) 2014. 9. 1-
29P. 5.国家別トレイル運動と組織
30P. 国家別トレイル運動と組織
ヨーロッパ徒歩旅行者協会/フランス·ランド
ネ
協会/リーム・オブ・アフリカ
/チェ
ジュオルレ/チャイナ・マウンテン・ジャーニー
/国際市民スポ
ー
ツ連盟中国本部/ア
メリカントレイルズ/そして、その他の団体
31P. 1968 年アメリカ国立トレイル・システム法
アパレチアンとパシフィック・クレスト・トレイルのような有名なトレイルを含め、
国家が直接トレイルを設計し許可する制定法
This legislation authorized a system of nationally designed trails
including the renown Appalachian and Pacific Crest National Scenic Trails .
アメリカ国立トレイルシステム法は、国立景観とレイルズ(National Scenic
Trails)、国立歴史トレイル(National Historic Trails)、国立レクレーショントレ
イル (National Recreation Trails)、連携またはサイドトレイルズ(Connecting or
Side Trails)といった、四つのトレイルの様な大規模国立トレイルに対する許可も
含まれている。
32P. アメリカ国立トレイル・システム法が通過した以降、数万 Km のトレイルが指
定された。
Since the passage of the Act tens of thousands of km of trails have been
designated.
33P.主要国立トレイル支援機構の一つであるアメリカンとレイルズが、1988 年に創
立された。
34P. 初期トレイル支援機構、アメリカン・トレイルズ
アメリカントレイルズは、数多くの徒歩旅行者を含め d、自転車とスノーモービル、
オフロード自動車の利用者、障碍者、クロスカントリー・スキーヤーとカヌー乗り、
乗馬をする者、烈々名スポーツマニア、環境運動家、土地管理者と計画家、大地と
水の上にある全てのトレイルを楽しむ人々の為の団体を代弁する団体。
http://www.americantrails.org/ee/
35P. アメリカントレイルズは下のような優秀なトレイルシステムを目指す。
• 2 年に一度国際シンポジウムを開催 a biannual international symposium
•トレイル教育プログラム
•国家及び地域レベルの支援
•トレイルの利益と投資と関連した政府関係者と企業オーナーに情報を提供
•教育の為のオンライン会議
•雑誌とオンラインニュースレター制作及び発送
•関連機関及び人的ネットワーク
http://www.americantrails.org/ee
36P. 6.グリーンウェイ運動
37P. グリーンウェイ運動
The creation of the first major greenway and the "greenway brand" in Denver.
初の主要 グリーンウェイ造成とデンバー地域の“グリーンウェイ・ブランド”
38P. グリーンウェイとは?(1)
グリーンウェイは、細く長い土地に植物が育つようにし、公共の力で再生を
手伝い、ゆったり歩く道を意味する。
--Wikipedia
39P. グリーンウェイとは?(2)?
グリーンウェイの概念は、本来ヨーロッパの散策路から由来し、19世紀ア
メリカのオルムステッド(Olmstead) 地域で公園と繋がる公園道を受け入れた事か
ら適用された。
40P. 1974 年に起きた大規模な洪水でデンバー地域は、車の無い街路に全て繋がっ
ている公園と機能地域はもちろん、都市の境界に流れる長い間荒廃状態であったサ
ウスプラット川(South Platte River)に沿って線形公園を造成した。
この新しく生まれた通行路を説明するために初めて“グリーンウェイ”を使った
ものと見える。(他の地域に類似した形態の自然通行路があったが)
41P. 1974 年以降グリーンウェイ運動は、グリーンウェイ・プログラムを運営
する数多くの国家と共に全世界へと広まった。
主要グリーンウェイ・プロジェクト(1,200Km 以上)が現在中国の主要都市と
重要な生態地域と連携したグリーンシステムである中国汎パール・リバーの
三角州(Pan-Pearl River Delta Region, Pan-PRD)に造成された。
42P. グリーンウェイ概念が拡大され広範囲に渡って広まり、生態保全と氾濫
源及び湿地保護、他の自然保全に利益を与える活動などを包括する。
–グリーンインフラ!
43P. 7.チェジュオルレ
44P. チェジュオルレ
トレイル運動を率先して全世界的に広め、ワールド・トレイルズ・ネットワーク形
成に素晴しい役割を遂行
45P. カミノ・デ・サンチアゴにインスピレーションを得て形成された道で、チェジ
ュ島一周を巡る徒歩道を造成、また世界トレイルを支援する機構である WTN が設立
された。
46P. チェジュオルレは、次のような地域民と観光客のため長距離徒歩道を地域レベ
ルでアプローチ出来る概念を供給する方式を先導する。
• ハイ・クオリティーなトレイル造成
• ワーキングフェスティバルなどといったイベント
• ワールドレイルズネットワークと共にトレイルワールドへの窓(チャンス)提供
47P. トレイルを全ての人が共通事項となるようにする。
48P. トレイルを全ての人が共通事項となるようにする。
“ひらめくアイデア”、ビジョン、リーダーシップ、実行、人々を受け入れ
るまで!
49P. “ひらめくアイデア” –
人々に必要なものや、より良いチャンスにな
りうるのか、周辺環境はどうなのか、問題と危機的状況などがどのようにな
っているかを考慮する。
50P. ビジョン
30秒内に明確に説明する事ができ無くてはならない。また、興味深くて、
人々にうまく伝わるようにする。多くの人々が共感できるように!
51P.
リーダーシップ
地域のオピニオンリーダーや主要人物を参加させると良い。熟練した専門家
を引き入れ、組織の真情性や合法性、透明性を認識させる。
52P.
リーダーシップ
効果的で、モチベーションが高く、持続可能な組織体系として新しいイノベーショ
ンだけでなく問題解決や適切な業務処理が可能とする。
53P. 合法性
財源を確保し、明確なコンセプトのプロジェクトやイベントの開催に置ける
経済的効果を作り出す。
54P. 実行
“現場性”に集中し、毎年向上させ、完成するまであきらめない。トレイル
を持続的に管理する。
55P. トレイルを受け入れる
People embrace it!
絶え間なく広め、構想し、デザインせよ!
56P. トレイルワールドに向けて–Toward A Trail Planet!
57P. 世界機構の価値 The Value of a Global Organization
58P. 世界的ネットワーキング及び協力の中心(hub)!
59P. ネットワーク機構の交流を通じて各国もしくは地域内トレイル組織の造成と
強化の為の協力
60P. 全世界決定権者と企業にトレイルの物理的、情緒的、精神的、経済的利益を共
同で説明出来る。
61P. トレイルは、グリーンインフラだと言う考えと資源管理の倫理的価値を全
世界に広めよ。
62P. 学校と大学でトレイル教育を向上出来るようにし、今までよりもっと優れた
“トレイル・ワールド”を作るための知識と理論を動員せよ。
63P. クオリティーの高いトレイルへ多くの人々が、そして多くの人々がクオ
リティーの高いトレイルへ
(“全ての家がトレイルのスタート地点となる日のために!”)
64P. 世界トレイル運動立ち上げのためのポイント
65P. 世界トレイル運動立ち上げのためのポイント
● 持続可能性–リーダーシップと熟練した人力を含めた耐久性がある組織体
系
● 実行計画–徒歩距離と移動経費
● 疎通–文化および言語の差を縮める方法を考える
● 定義–トレイルとトレイル利用者のタイプを定義
66P. 組織化
67P. 組織化
● 世界的に顕著に現れている利用者の要求やチャンスについて考える
● 必要ない重複をさける
● リーダーシップと持続可能にする
● 経営計画を立てる
● 度が過ぎる卓上空論はさけ、効果的な業務処理をする
68P. ビジネスを成功させる計画の為の要素
遂行するもの–簡潔な要約(ビジョンとミッション)
マーケット分析–誰がサービスを求め、購買をするのか?競走相手は誰なのか?
組織と管理–職員、諮問家、理事会など
マーケティング及び販売戦略–我々のサービスを必要とする対象とプログラムを支援
してくれる人にアプローチするには?
サービス及び製品系列–不必要なものでなく簡単かつ可能性があるもの
スタートアップファンド(Start-up Funding) –いくらを、誰から、何のために?
持続可能なファンディング–いくらを、どこから、どれくらいの持続可能か?
69P. この世の人々が求めているのは, The World Needs-道 !トレイル !通路!素晴しいクオリティー!(古いが新しい)
70P.‘道は人々が歩く程長く持続する’
ロバート・マクファーレン(Robert Macfarlane)から引用
71P. ありがとうございました。