こちら - 東北大学 理学研究科・理学部 技術部

平成24年度
技術研究会
発表予稿集
平成24年11月22日(木)
於:東北大学理学研究科数理科学記念館
東北大学大学院理学研究科・理学部
目次
平成24年度東北大学理学研究科・理学部技術研究会要項 ・・・・・・・・・・・・・1
【理学研究科技術賞受賞者講演】
「巨大分子解析研究センターの核磁気共鳴分光分析業務における教育と
研究支援への貢献」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
巨大分子解析研究センター
○吉田
慎一朗、近藤
武善
【特別講演】
『ミクロの水を観る』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
化学専攻
准教授
藤井 朱鳥
【技術関連発表】
1.「続・液体シンチレータ容器の開発」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
装置開発技術部門
千賀
信幸
2.「これまでの成果とこれからの課題」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
装置開発技術部門
藤井 登
3.「福島第一原発 30 キロ圏 土壌サンプル採取」 ・・・・・・・・・・・・・・・・7
電子計測技術部門
根本 憲一
4.「CMS を利用したHPの構築」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
電子計測技術部門
千葉 淳
5.「VLBI サンプラー用入力回路の製作」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
特殊技術部門Ⅰ
佐藤 愼也
6.「沈み込むプレートと地震活動の三次元表示」 ・・・・・・・・・・・・・・・・10
特殊技術部門Ⅰ
○海田
俊輝、出町
知嗣、平原 聡
7.「人事交流を通して」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
多元物質科学研究所
ガラス工場
齋藤 雄二
8.「平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員研修報告」 ・・・・・・・・・・12
芳賀
健也、佐藤
愼也、千葉 淳、安彦 里美
9.「平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員研修報告技術講習を担当して」・・13
電子計測技術部門
佐藤 健
平成 24 年度
東北大学大学院理学研究科・理学部技術研究会開催要項
目的
理学研究科・理学部技術系職員は、実験装置の維持、管理、改善、その他諸技術の
開発等を職務とし、広範な分野で教育・研究活動を支援している。この技術研究会
は、技術系職員が日常業務において創意工夫し努力する中から生まれた成果を発表
し、また広い分野での日頃の経験を発表し合うことによって技術の交流と向上を図
ることを目的とする。
日
時 平成 24 年 11 月 22 日(木) 9:00~17:00
場
所 東北大学大学院理学研究科 数理科学記念館
主
催 東北大学大学院理学研究科・理学部
参加対象者
内
技術職員全員、及びその他の聴講希望者
容
9:00
受
付
9:30
開
会
挨
拶 大学院理学研究科
研究科長
福村
裕史
講評 技術賞選考委員会委員長
飛田
博実
表彰 大学院理学研究科 研究科長
福村
裕史
新職員の紹介
【理学研究科技術賞表彰】
9:50
10:00 【理学研究科技術賞受賞者講演】
「巨大分子解析研究センターの核磁気共鳴分光分析業務における教育と
研究支援への貢献」
巨大分子解析研究センター
10:30
○吉田 慎一朗、近藤
武善
【特別講演】
『ミクロの水を観る』
12:00
化学専攻 准教授
藤井 朱鳥
装置開発技術部門
千賀
昼食・休憩
【技術関連発表】
13:00
1.「続・液体シンチレータ容器の開発」
-1-
信幸
13:20
2.「これまでの成果とこれからの課題」
装置開発技術部門
13:40
14:00
電子計測技術部門
根本
憲一
電子計測技術部門
千葉
淳
特殊技術部門Ⅰ
佐藤
愼也
4.「CMS を利用したHPの構築」
休憩
14:40
5.「VLBI サンプラー用入力回路の製作」
6.「沈み込むプレートと地震活動の三次元表示」
特殊技術部門Ⅰ
15:20
登
3.「福島第一原発 30 キロ圏 土壌サンプル採取」
14:20
15:00
藤井
○海田
16:50
齋藤
雄二
愼也、千葉 淳、安彦
里美
9.「平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員研修報告
技術講習を担当して」
16:10
ガラス工場
8.「平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員研修報告」
芳賀 健也、佐藤
16:00
聡
7.「人事交流を通して」
多元物質科学研究所
15:35
俊輝、出町 知嗣、平原
電子計測技術部門
佐藤
健
委員会・部門報告
総務委員会
総務委員長
柴崎 義信
企画小委員会
企画小委員長
中嶋
研修小委員会
研修小委員長
齋藤 誠
広報部会
広報部会長
扇
隆
充
装置開発技術部門
小野寺
電子計測技術部門
佐藤
健
特殊技術部門Ⅰ
平原
聡
特殊技術部門Ⅱ
川﨑
智之
安全管理室
佐々木
厚夫
ネットワーク管理室
川野部
裕之
閉会挨拶
研修委員長
閉会
-2-
飛田
知美
博実
巨大分子解析研究センターの核磁気共鳴分光分析業務における
教育と研究支援への貢献
巨大分子解析研究センター
○吉田慎一朗
近藤武善
巨大分子解析研究センター(以下「本センター」という)は大型分析機器を備え、各種
物性データの測定・構造解析を行い、物質科学に関する研究と教育の発展に貢献してきた。
本センターの核磁気共鳴(NMR)分光分析部門(以下「本部門」という)は原子レベルの
分解能によって幅広い構造情報を得る、物質科学で最も基礎的かつ重要な分析業務を担っ
ており、依頼分析業務を通じて教育・研究支援を行うことを目的に設置され、運営されて
いる。
本部門の依頼分析業務は理学研究科内外に対して行っている。測定依頼者は学生から研
究者まで幅広く、特に学生の場合は基礎知識が不足している場合が多い。そのため、学生
からの依頼に対してはサンプル調製から測定の目的・方法、結果の解説まで、教育支援の
取り組みとして詳細な説明を行っている。さらに、研究者からの測定依頼に対しては専門
的な視点からの理解と考察を深め、論文に対応できるデータが得られるように取り組んで
いる。このような測定以外の専門知識の積極的な提供や解説は他の類似の依頼分析担当機
関では通常行っていない。
本分析設備は他大学・他研究機関に対しても研究支援を積極的に行っており、その中に
は共同研究の実施により優れた成果を達成した事例もある。加えて、東北地区の連携共同
利用設備として活用されており、同地域の化学・材料科学・生物科学研究における中核的
な拠点として、本部門が果たしてきた役割は極めて大きい。これは、本センターが種々の
財源による依頼分析ができる体制を逸早く整備していることによるもので、特に学内で科
学研究費による測定料金の会計処理が行える唯一のシステムを導入している点が挙げられ
る。
本部門は依頼分析業務を通じて、学生に対しては具体的な実例に則した将来につながる
実践的な知識を涵養する教育支援を実施してきた。また、研究者に対する研究支援では、
研究目的に応じた最適な測定法を提案し、実施することにより、研究データの信頼性の確
保と保証に貢献してきた。さらに、教育・研究支援として、化学専攻の教職員・学生を対
象に本センター主催の NMR 勉強会を開催し、スペクトルの読み方のコツなどについて、実
例を含めて解説して装置の有効な活用法などの普及にも努めてきた。
このように、本センターの本部門は単に依頼分析を行うだけでなく、学内外の教育・研
究に対して効果的な支援も両立しながら業務を遂行している。
-3-
ミクロの水を観る
化学専攻 量子化学研究室 藤井朱鳥
水は人類にとって最も身近な化学物質であり、古代より強い関心の対象であった。文明
の夜明けと共に水の正体については様々な考察がなされ、洋の東西を問わず、水には最も
重要な物質要素のひとつとして「元素」の地位が与えられてきた。近代科学は水が元素で
はなく H2O で表される非直線形の3原子分子であることを明らかにした。1分子の水につ
いては非常に精密な実験と計算がなされ、驚くほどの高精度でその構造が決定されている。
しかし、孤立した1分子と我々にとって真に身近な液体や固体の水(~1023 個もの分子の
集合体)との間には大きなギャップがある。水分子は「水素結合」と呼ばれる力により互
いを繋ぎ、液体や固体を形成する。水においては多様な水素結合の組み方が可能となり、
非常に複雑な分子間の構造を作ることが出来る。更に、液体ではその構造は固定されたも
のではなく、時間と共に絶えず変化する。液体の水の構造を直接的に可視化する実験手段
はまだ無く、液体の水はあたかも「終わり無き物語」として現在でも多くの議論がなされ
ている。
水の構造に対するアプローチの一つとして、我々は「分子クラスター」の研究を行って
いる。クラスターは分子が有限個(2~数千個)集合したものを指し、「超音速ジェット」
と呼ばれる特殊な手法で生成させることが出来る。液体や固体を「切り出した」と見なせ
るクラスターは、その単純さ故に、水分子同士がどのように繋がり、そして分子数の増大
と共にどのようにその構造を発展させて行くかをまさに目で見て来たように教えてくれる
存在である。この極微の水を観る手法、そしてその結果が語る水の性質について紹介を行
う。
図
中性水クラスター(H2O)n とプロトン付加水クラスターH+(H2O)n の構造発展の様子
-4-
続・液体シンチレータ容器の開発
東北大学大学院理学研究科物理学専攻 千賀信幸
液体シンチレータとは?
シンチレータとは放射線が入ると発光する物質のことで、主に有機シンチレータと向き
シンチレータに分類される。液体シンチレータは、その名の通り有機シンチレータの一種
で、トルエンやキシレンベースの芳香族化合物の中に波長変換材を入れて使用する。
開発のコンセプト
これまで使用していた液体シンチレータ容器は 100 万円以上する高価なもので、検出器
を多数使用する実験では、多額の費用が発生する。また、容器内部はブラックボックス化
されている為、容易に模倣することは困難である。そこで、安全で安価な液体シンチレー
タを開発し、技術として蓄えることで今後予想される実験に対応することを目指す。
これまでの結果
開発は約 2 年前から始まり、4 台の試作機(0 号機~3 号機)を製作した。その結果から、
かなりの技術的な収穫を得ることができ、今回報告する 4 号機の製作へとつながった。な
お、過去 4 台の試作機についての詳細は、平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員
研修概要集に掲載されている。
4 号機の製作
液体シンチレータは、トルエンやキシレンベース
であり内部圧力の上昇による破損を防ぐ構造が必要
不可欠である。今回製作した 4 号機は、内部圧力抑
制用の機構を外部に設けたことが特徴である。また、
ガラス製の窓からの液漏れを防ぐために二重のシー
ル構造とした。内壁には反射板としてテフロン板を
設置した。
図 1 製作した 4 号機
安全試験
液体シンチレータ容器の開発で最も重要なことは安全性である。安全試験は、失敗した
場合を考慮し、液体シンチレータの代わりにエタノールを用いた。試験方法は、お湯の中
に容器を入れ、温度上昇によって破損しないかを確認をする。
結果
今回製作した 4 号機は温度変化にも対応し、安全性に問題ないことが確認できた。今回
の結果から、2 インチ PMT 用液体シンチレータ容器の開発を完了することができた。ま
た、すべて自前で出来るため、大幅なコスト削減も可能となった。
-5-
これまでの成果とこれからの課題
機器開発研修室
藤井 登
私は、平成23年に宮城県石巻工業高校を卒業し、機器開発研修室への配属となった。
この年は、東日本大震災が起こった年で実家のことや仕事に慣れることで一年目は過ぎて
いった。今年からは、仕事にも慣れてきて少しずつ出来ることも増えてきて少し加工工程
の多い加工も任せられるようになった。本発表では、今までを振り返り地震の後の工場の
様子と私の製作した製品で印象深かった製品の紹介をしていきたいと思う。
製品紹介
ホルダー
ファインダー取り付けAD
ボンベ立て
パッキングリング
-6-
福島第一原発 30 キロ圏 土壌サンプル採取
H24.10.10
ニュートリノ科学研究センター
根本 憲一
概要:
我々、ニュートリノ科学研究センターが昨年度から観測開始した「カムランド禅」実験
(ニュートリノを共わない2重ベータ崩壊観測)でのデータ中に東日本大震災で発生し
た福島第一原発事故からの放射性飛散物が、製作した部品の中に何らかの原因で
混入している可能性があり岐阜県飛騨市神岡鉱山内で行われてるカムランドデータ
に反映されてバックグランド値が高くなっている現象が現在発生している。
その原因と思われる放射性「銀 110m」を福島第一原発から30キロ圏の高線量の土
地にて土壌を採取し、ゲルマニウム検出器でスペクトル化し放射線核種を特定させる
事で部品製作時に混入したのか?または別な原因(反応として)で信号として出てる
のか?を確認しようとした実験報告である。
-7-
「CMS を利用した HP の構築」
情報基盤室
千葉
淳
平成 24 年 11 月 2 日(金)に「CMS(コンテンツマネージメントシステム)を利用した
HP(ホームページ)の構築」という内容で講習会をおこないました。講習会では、講義と
して CMS についての説明と利用する上での注意点の説明をおこないました。また、実技と
して「WordPress」と「MovableType」の2つの CMS を利用できる環境を準備し、記事と
写真の投稿までおこないました。
今回の講習会をおこなうにあたり工夫した点として、一人ずつ CMS を操作できるように
仮想環境で人数分のサーバを構築しました。発表では、仮想環境の構築に用いた Xen とい
う仮想化ソフトウェア、講習会の講義で説明した CMS についての説明と利用する上での注
意点をまとめて発表致します。
「講習会の様子」
-8-
VLBI サンプラー用入力回路の製作
惑星プラズマ・大気研究センター
佐藤愼也
太陽を巡る惑星は大気をまとい、その外側はプラズマに取り囲まれている。太陽からは超音速のプ
ラズマの風(太陽風)が、これらの惑星に吹き付け、それぞれの惑星で異なった惑星圏が造りだされ
る。太陽系最大の惑星である木星は、地球の約 30 倍の非常に強力な磁場を持っている。木星磁気圏
は非常に広大で、地球の 10 倍以上の明るさをもつオーロラや、高エネルギー粒子現象などが、極域
や赤道域で観測される。それらのうちの多くは、電波現象を伴って発生する。木星電波は、木星磁気
圏を出て宇宙空間を伝搬し、何億 km も遠くにいる地球でも観測できるほど強力に放射されている。
よって木星電波は、磁気圏の様々な領域でおきるオーロラ・高エネルギー粒子現象に関する多くのこ
とを、遠く離れた所からでも知ることのできる重要な現象だということができる。
惑星プラズマ・大気研究センターでは宮城、福島両県にまたがる 5 箇所の観測所(飯舘、蔵王、米
山、川渡、女川)とハワイ・マウイ島・ハレアカラ山頂の光学観測所を観測拠点として、宇宙現象に
ともなって放射され地球に届く微弱な信号を光と電波で遠隔観測することにより、さまざまな惑星環
境を探る研究を行っている。この微弱な電波を精度よく観測するため、より口径の大きい大型のアン
テナが必要となる。その大型のアンテナを実現させる方法の1つとして複数のアンテナを用いて近似
的に大型アンテナと同程度の精度を得る超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometry:
VLBI)がある。
VLBI は、電波の干渉を利用したもので、図 1 に示すように天体などの電波源から放射された電波
を、互いに離れた位置にある複数のアンテナで同時に受信し、電波の到達時間差を求め、そのデータ
を解析することで、電波源の位置・構造を特定す
ることや、受信アンテナ間の距離を測定する用途
で使用される。この方法では、構成する最も離れ
電波源
た 2 つのアンテナの距離に比例して解像度が良く
c
なる。
今回、飯舘観測所と蔵王観測所を観測点として
Dcosθ
VLBI 観測を行い、微弱な木星電波の電波源の構
θ
造・大きさを導出することを目標に、既存の前置
D
増幅器と VLBI データサンプラーとの間に接続し
て用いる信号変換回路を新たに製作した。本報告
では製作した回路の概要、特性試験結果について
観測点2
観測点1
図 1 VLBI の概念図
報告する。
-9-
沈み込むプレートと地震活動の三次元表示
○海田俊輝,出町知嗣,平原聡
地震・噴火予知研究観測センター
近年の稠密地震観測網のデータによって,地球内部構造やそこで生じている地震活動の
理解を格段に進展させつつある.例えば,日本列島下に沈み込む太平洋プレートとフィリ
ピン海プレートの形状や,東北地方太平洋沖地震における滑り分布について,詳細に推定
出来るようになった.このような最新の研究成果を研究者自身が深く理解し,他の人にき
ちんと理解してもらうために,三次元表示は重要である.
地震・噴火予知研究観測センターでは,地球内部の三次元コンテンツの制作を進めてい
る.震源やプレートといった各種物理データは,緯度・経度・深さの情報を持つ.これら
のデータを可視化・統合し,映像化する.図 1 は,日本列島下に沈み込む2枚のプレート
と震源分布の三次元表示を示す.厚みを持った水色の板で示す太平洋プレートが,日本列
島下のおよそ 600km まで沈み込んでいる様子が見られる.本コンテンツは,専用ソフトを
用いることで,パソコン上で自分の見たい角度から観察出来る.
さらに我々は,より直観的に理解出来るものを目指し,最新の三次元映像技術「複合現
実感(Mixed Reality; MR)
」に注目した.MR とは,現実の映像と仮想の CG とをシーム
レスに合成する技術であり,画期的な映像表示技術として注目されている.図 2 は,MR シ
ステムの外観を示す.ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは,姿勢を変えなが
ら 360 度見たい角度から CG オブジェクトを観察出来る.MR システムによって,自分自
身が地球内部にもぐりこんでいくような疑似体験が出来るようになった.本システムを用
いた地球内部の三次元コンテンツは,今年 5 月末の日本地球惑星科学連合 2012 年大会にお
いて,世界に先駆けて公開した.本講演では,連合大会での公開の様子を交えて,制作し
た三次元コンテンツについて紹介する.なお本成果は,株式会社電通国際情報サービスと
の共同研究の一環である.
図 1 三次元表示の例:日本列島下に
図 2 MR システム外観(Canon 製)
沈み込む2枚のプレートと震源分布
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人事交流を通して
多元物質科学研究所 技術室 ガラス工場
齋藤雄二
2012 年 9 月~11 月に実施された人事交流を通して感じた“ガラス加工”について発表す
る。発表では多元物質科学研究所(以下、多元研)の技術室・ガラス工場を紹介すること
で、理学部と多元研との交流の一助になればと思う。
理学部硝子機器開発・研修室と多元研ガラス工場では、同じガラス加工を業務としなが
らも製作支援している研究分野の違いにより、それぞれが特徴的な加工技術を蓄積してい
る。一方、各研究分野では高度な技術を要する機器製作の要望がある。今回、異なる部局
のガラス工作技術を経験し技術の幅を広げることが出来た。この経験を研究分野の新たな
要求へ応える力としてこれから活用していきたい。
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平成 24 年度東北地区国立大学法人等技術職員研修報告
○開催期日
平成 24 年 9 月 11 日(火) ~ 9 月 14 日(金)
○研修日程
9 月 11 日(火)
東北大学金属材料研究所 2 号館講堂
開講式
講演「放射性物質が及ぼす影響とその対応」
東北大学工学研究科
教授 石井 慶造
講演「震災とその後の安全管理」
東北大学環境・安全推進センター 助教・産業医 色川 俊也
9 月 12 日(水) 東北大学片平さくらホール
講演「水環境について」
東北大学工学研究科
技術発表 (口頭発表・ポスター発表)
教授 西村 修
9 月 13 日(木) 各講習会会場
技術講習
(1)環境中に存在する放射性物質の分析、(2)測定でおこる不確かさの推定、
(3)電子ビーム露光法による微細加工技術、(4)流れを計る、
(5)Web サイトデザイン、(6)固体表面分析の基礎と応用
9 月 14 日(金) 各実技講習会場・東北大学片平さくらホール
技術講習
閉講式
○受講者数
40名
○研修報告
1.4日間の概要と技術講習【流れを計る】の報告
物理学専攻
芳賀 健也
2.技術講習【測定でおこる不確かさの推定】の報告
惑星プラズマ・大気研究センター
佐藤 愼也
3.技術講習【Web サイトデザイン】の報告
教育研究支援部
千葉 淳
4.技術講習【環境中に存在する放射性物質の分析】の報告
巨大分子解析研究センター
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安彦 里美
H24年度東北地区国立大学法人等技術職員研修 技術講習を担当して
物理学専攻 佐藤 健
1.はじめに
平成24年9月11日~9月14日の4日間の日程で東北地区国立大学法人等技術職員
研修が開催された。今年度は当番校として東北大で行われ、内容は講演、技術発表及び技
術講習からなり、技術講習は6つのコースに分かれて受講する。
今回、技術講習のコースの一つ「電子ビーム露光法による微細加工技術」の講師を担当
したので、本報告ではその内容について報告する。
実技概要:電子ビーム露光装置を利用した微細加工について理解を深める。
9月13日:午前
講義(1)電子ビーム露光法の基本及びプロセス方法の解説
(2)AUTOCADの操作法について
実技
AUTOCADを利用して露光用パターンの作図
9月13日:午後
実技
半導体プロセス
①洗浄②レジスト塗布③電子ビーム露光④現像
9月14日:午前
実技
洗浄、エッチング処理
試料観察(顕微鏡、SEM)
顕微鏡画像
SEM画像
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