アジアとヨーロッパの比較文化論A アジアとヨーロッパの比較文化論A

アジアとヨーロッパの比較文化論A
教授 小川 明
1.授業のねらい・概要
比較論という学問は、いわば幼年期にある、すなわち学問的有効性を発見するべく、その進化過程に
在ると言える.言い方を変えれば、多種多様なアプローチが試されている。時代と共にそれらは一定の
方向に収斂されようが、講義では,そうした事を踏まえたうえで、ステレオタイプの比較は行わない.
そうではなく、個々の文化的要素を並列に考察し、地域性,民族性を考慮して、個々の文化的要素に,
他文化との相互的関係性等を見出しながら学習することを、ねらいとする.
前期—(A)では、
“日本人の精神性”を考察対象に、東・西文化の宗教における比較を行う.具体的に
は仏教思想の変遷とキリスト教及びイスラーム教の宗教的類似点,相違点について考察する.
日本人の“特異性、宗教観”は“日本仏教”の特性、さらにはイスラーム教,キリスト教との差異を
知る中で徐々に明らかとなる。比較論に有効性を求めるなら、まずは自らの“立ち位置”を明瞭にする
必要があるだろう.
2.授業の進め方
最初に比較論の陥りやすい曖昧性について検討し、次に日本仏教の変遷考察する.次にイスラーム文
化とイスラーム教について、ユダヤ教、及びローマカトリックとの関係性を軸に考察する.
なお、ヨーロッパ文化とキリスト教の関係については、本講義の後期(B)で詳しく扱うので確認のこ
と.
3.授業計画
1.比較論は有効か否か?
2.仏教の変遷—インド仏教、ラマ教、中国仏教
3.日本仏教の変遷—(1)奈良から平安へ
4.日本仏教の変遷—(2)鎌倉仏教
5.仏教と宋学
6.仏教と神道(1)
7.仏教と神道(2)
8.日本の近代化と宗教
9.イスラーム教の起源とキリスト教
10.ムハンマドとイスラーム文化
11.イスラーム文化とヨーロッパ文化(1)
12.イスラーム文化とヨーロッパ文化(2)
13.共同体“ウンマ”について
14.イスラーム文化と世界
15.イスラーム教と社会
4.成績評価の方法・基準
毎回の出席状況と期末試験の結果,提出レポートの成績を総合的に判断する。
講義を三分の一以上欠席した学生には、期末試験の結果に関わらず、成績 A は与えない。
5.テキスト・参考文献
テキストは毎回の講義前に配布する。
毎回配布する講義資料に基ついて、参考図書については講義中に指示する。
6.受講上の留意事項
6.受講上の留意事項
受講には特に制限は設けない。
*出席は毎回取り、欠席の多い学生には期末試験の受験資格を拒否する場合が在るので注意。