講義概要(Presentation)

ニューマテリアル・デザイン 12/4/05 関学
ニューマテリアル・デザイン
ー量子力学と熱統計力学の基礎ー
こㆺ⁘ெ
http://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nishitani/
NewMaterialDesign/index.html
Outline
Tiの用途
材料設計の指針(状態図)
計算材料学
量子力学
熱統計力学
難しい数学・計算や,単なる知識はコンピュータが
請け負ってくれる.
見えないものを視る
ࢠ࢕ࢫ㞹Ꮔ࡛ࣆ࢚ࢿࣤ
圧力の定義?
比熱の定義?
石,金属,木の温感の違いは
量子効果?
共有結合,イオン結合,金属結合の違い?
巡回セールスマン問題
アインシュタイン結晶(模型)?
http://www.mtl.kyoto-u.ac.jp/users/bob/
Introductions/index.html
アインシュタインの比熱式
理化学辞典(第5版,岩波書店)
固体の定積モル比熱が低温で0に近づき,デュロン-プティの法則による値
3R(Rは気体定数)からずれることを説明するために,アインシュタイン(1907)
が提出した比熱式.
N個の同種の原子からなる結晶の格子振動を簡単に単一の振動数νをもつ3N
個の調和振動子の集まりとみなし,その熱振動を量子統計力学によって取り扱
えば,定積モル比熱は
Cv = 3Rf E (θE T )
という形で与えられる.fE(x),ΘEは
2 x
(
x
)
−2
f E ( x ) = x e e − 1 ,θ E = hν k
で与えられ,それぞれアインシュタイン関数,アインシュタインの特性温度と
よぶ.
Ti(チタニウムってどんな金属)
航空機部品
ロケット部品(H-IIA)
自転車,眼鏡のフレーム,
時計,ラップトップパソコン
生体材料(人工骨,人口歯)
村上晃一氏(58年卒)提供
村上氏提供
1999年11月15日
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• http://
www.nasda.go.jp/
Home/Press/Press-p/
199912/
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pg
• 打ち上げ費用190億円
• 開発費2000億円
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インデューサ欠損部の1つの破面
(a2破面:写真2.1参照)が、疲労
破壊であると判断された。疲労破
面に特有に見られるストライエー
ション等の破面観察結果から、金
属材料技術研究所では変動応力
範囲と破断繰り返し数を以下のよう
に算定した。
変動応力範囲:数百MPa
破断繰り返し数:105回程度
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/
Press/Press-p/200003/
h28_000317_f01_j.jpg
ᐠᗐ, ⼝Ⅴ
Mg(1.74) 649K
Al (2.70) 660K
Ti (4.5) 1670K
Fe (7.86) 1536K
Cu (8.93) 1083K
Au (18.86) 1063K
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Ti࡞⌟ࡿࡾ(a) bcc, (b) hcp, (c) Ȱ᰹Ꮔ
≟ឺᅒ (a) Ề㸡(b) Ti
連続体
部材
物質
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⇍⤣ゝງᏕ
部品
ゝ⟤ᮞᩩᏕ
組織
統計熱力学
原子
(分子動力学)
量子力学
電子
nm
μm
長さの単位
mm
m
㔖ᏄງᏕ
ࢨࣖࣝࢸ࢔࣭ࣤ࢝᪁⛤ᘟࡡᑙฝ
໩Ꮥ⤎ྙࡡ㉫″
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(de Broglie,1923)
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∸㈻ἴ
Schrödinger᪁⛤ᘟ
(1926)
k = p/ h
k ἴᩐ
p 㐘ິ㔖
h = h / 2π
h 5OFQHNᏽᩐ
Schrödinger方程式
導出(テキストp.32を参照して各自トライ)
Hψ=εψ
2
h
2
H=–
∇ +V
2m
トンネル効果
古典論
量子論
⠾༟࡝ౚ(ୌḗඔㄢ࿰ᣲິᏄ)
࣎ࢷࣤࢨࣔࣜ
K
V = 2 x2
࢙ࢾ࣭ࣜ࢟‵న
1
E n = n + 2 hω,
n = 0,1,2,
໩Ꮥ⤎ྙࡡ㉫″(ポテンシャルと準位)
ΨA
VA
EA
Free atom A
+
ΨB
VB
=
EB
Free atom B
EA
EB
AB diatomic
molecule
2
h
2
H=–
∇ + V AB
2m
H ψ AB = ε ψAB
ψ AB =c AψA + c Bψ B
• Linear Combination of
Atomic Orbitals
原子軌道の線形結合
固有値,永年方程式の解
(H − E )(c Aϕ A + cBϕ B ) = 0
 HAA − E

 HBA − ESBA
HAB − ESAB  c A 
  = 0
H BB − E   cB 
Hαβ = ∫ ϕα Hϕβ dr
Sαβ = ∫ ϕα ϕ β dr
結合,反結合準位(スペクトル)
化学結合の起源
原子軌道の重なり(相互作用)
共有結合
イオン結合
金属結合
不飽和な共有結合
その他の相互作用
ファン・デル・ワールス力,水素結合(揺らぎ)
強い,電磁弱,重力相互作用(素粒子論)
化学結合
共有結合
AB分子
エネル
ギー準位
A原子
B原子
イオン結合
金属結合
AB分子
AB分子
A原子
B原子
A原子
B原子
電子の分
布
二原子の間に
局在
片方の原子に
局在
非局在(拡張)
結合準位の距離依存性
平衡原子間距離
凝集エネルギー
(b)
原子間距離
ばねモデル
Tiの電子状態
Q"
Q"
Qc Q*
*QHUJ^OH[HO
≟ឺᅒ (a) Ề㸡(b) Ti
9Lࡡ⤎ྙ࢙ࢾ࣭ࣜ࢟ࡡమ✒౪Ꮛ
p=-dF/dS
F=E/x
p=-dE/dV
-6.2
-6.3
-6.585
bcc
-6.4
-6.584
ω
-6.586
ω
hcp
4 kbar
-6.5
hcp
0.97
0.98
Ω/Ω 0
-6.6
0.8
0.9
1
Ω/Ω 0
1.1
0.99
1
⇍⤣ゝງᏕ
⇍ఎᑙ㸡⇍ᐖ㔖
ฦᏄິງᏕ
࢓࢕ࣤࢨࣖࢰ࢕࣓ࣤࢸࣜ
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▴㸡㔘ᒌ㸡ᮄࡡῺវࡡ㐢࠷ࡢ㸴㸴
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࣓ࣤࢷ࢜ࣜࣞ(MC)ࢨ࣐࣭ࣖࣝࢨࣘࣤ
ิ᭿≟ឺ࠾ࡼᑛࡊࡡ࢙ࢾ࣭ࣜ࢟ᕣࢅ௫
ᏽࡊ࡙㸡ฝ⌟ࡌࡾྊ⬗ᛮࡡ㧏࠷≟ឺࢅ
ḗࠍ࡛⏍ᠺࡈࡎ࡙࠷ࡂ
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ᚺ⏕㸝↕ࡀ࡝ࡱࡊἪ㸞
ᕙᅂࢬ࣭ࣜࢪ࣏ࣤၡ㢗
(5:㒼⨠㸡㒼⥲
simulated annealing(1)
巡回セールスマン問題は最適化問
題の代表例.
巡回セールスマン問題とは,ある街か
ら出発していくつかの街を次々とめ
ぐって元の街に戻ってくる最短の経
路を求める問題.
simulated annealing法(焼きなまし
法)は金属の熱処理からの類推で付
けられた呼び名.
simulated annealing(2)
アルゴリズム
5.
配置 a を仮定しE(a) を求める.
a からすこし違った配置 a + δa を作る.
ΔE = E (a+ δa) - E (a) を求める.
ΔE < 0 なら新たな配置を採用する.
ΔE > 0 なら新たな配置を exp( - ΔE/T) の確率で
6.
受け入れる.
手順2以下を適当な回数繰り返す.
1.
2.
3.
4.
a= [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 1]
1.
2.
3.
a+δa= [1, 2, 3, 4, 10, 6, 7, 8, 9,
5, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 1]
E(a)=9.6013
E(a)=9.5595
配置 a を仮定しE(a) を求める.
a からすこし違った配置 a + δa を作る.
Δ E = E (a + δa) - E (a) を求める.
4. ΔE < 0 なら新たな配置を採用する.
5. ΔE > 0 でも新たな配置を exp( - ΔE/T) の確率で受け入れる.
న┞✭㛣
࢓࢕ࣤࢨࣖࢰ࢕࣓ࣤࢸࣜ
࣎ࢷࣤࢨࣔࣜࡡ↕ࡀ├ࡊ
⠾༟࡝ౚ(ୌḗඔㄢ࿰ᣲິᏄ)
࣎ࢷࣤࢨࣔࣜ
K
V = 2 x2
࢙ࢾ࣭ࣜ࢟‵న
1
E n = n + 2 hω,
n = 0,1,2,
E = 3N n hω
3Nhω
= hω
e
kB T
−1
 ∂E 
CV =
 ∂T  V
Energy [eV/atom]
*QHUJ^ゝ⟤
Einstein࣓ࢸࣜࡡゝ⟤⤎ᯕ
Diamond(θE=1320K)
 ∂E 
CV =  
∂T V
2
hω
k BT
 hω 
e
= 3NkB 

2
 kBT   hω

k BT
 e − 1


hω
θE =
kB
2
θE
T
θE
e

= 3NkB
 T   θE 2
 e T − 1
Cv = 3Nk B
)XORQJ5HWLWࡡἪ์
アインシュタインの比熱式
理化学辞典(第5版,岩波書店)
固体の定積モル比熱が低温で0に近づき,デュロン-プティの法則による値
3R(Rは気体定数)からずれることを説明するために,アインシュタイン(1907)
が提出した比熱式.
N個の同種の原子からなる結晶の格子振動を簡単に単一の振動数νをもつ3N
個の調和振動子の集まりとみなし,その熱振動を量子統計力学によって取り扱
えば,定積モル比熱は
Cv = 3Rf E (θE T )
という形で与えられる.fE(x),ΘEは
2 x
(
x
)
−2
f E ( x ) = x e e − 1 ,θ E = hν k
で与えられ,それぞれアインシュタイン関数,アインシュタインの特性温度と
よぶ.
ṟࡈࡿࡒㄚ㢗
bcc-TiࡡᏭᏽᛮ
┞ንឺ
⤄⧂ᙟᠺ
ᶭ᲌Ⓩᛮ㈻
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難しい数学・計算や,単なる知識はコンピュータが
請け負ってくれる.
WEB, 電子辞書,Maple
見えないものを視る
電子,熱
エレクトロン,フォノン
量子力学,熱統計力学
物性物理,固体物理