会社法・商法 会社法・商法

K
DIC156
DIC642
2016
定価 本体4,500円 +税
SD08020
合格ゾーン
司法書士
試験
過去問題集 会社法・商法
択一式
年分の本試験
問題を収録!
35
● 学習の目安となる重要度をABCランクで表示
● 学習の便宜を考え、本試験問題を体系別に編集
● 切り離して使用できるよう問題・解説は表裏一体!
東京リーガルマインド
8020
2016
年版
司法書士試験
合格ゾーン
択一式
過去問題集
会社法・商法
法改正に対応、要点をおさえた詳細な解説!
35年分(昭和56年∼平成27年)の
本試験問題を収録!
はしがき
急増するニーズ・拡がる活躍フィールド
司法書士の業務分野は,高齢化社会や不況を反映し,従来の登記業務に加えて格
段に幅が拡がりました。例えば,①認知症高齢者・知的障害者等の意思を補完する
ための後見人となる業務(成年後見制度)
,②クレジット会社・サラ金等へ借金を
返済できなくなってしまった方への相談業務(クレサラ問題)
,③調停・仲裁など訴
訟手続以外の紛争処理手続(ADR)での業務があります。
更に,2003 年 4 月には改正司法書士法が施行され,これまで弁護士にだけ認め
られていた訴訟代理権が付与(簡易裁判所に限る)されました。これは紛争性のあ
る事件について法律相談を受け,本人の代理人として法廷に出廷したり,弁論や証
拠調べを行うなど様々な法廷活動を行ったり,相手方との和解に応じたりすること
も可能となり,そのビジネスフィールドはますます大きくなります。
日本のホームロイヤーとして
司法書士は,司法サービスの規制緩和により弁護士と並ぶ法律家としての地位を
築きつつあり,今後最も身近な法律家として国民に認識される日も近いことでしょ
う。確かに,法律家としての業務は重い責任を背負うことになります。しかし,自
らの考え・判断で報酬を得られる喜びを考えますと,一生の仕事とするにふさわし
い職業といえるでしょう。
弊社では,司法試験をはじめとした法律系資格を目指される方を支援して参りま
した。これは知識社会といわれる 21 世紀の日本を支える人材育成のためです。中
でも司法書士は活躍の場が広範で,最も魅力的な資格の一つといえます。
私どもは,皆さまが早期に合格を果たされご活躍されることを心より祈念致し
ます。
過去問分析の意義
試験合格の勉強方法が,学問研究と根本において異なるのは,クリアすべき目標
が明確になっていることです。学問の真理発見への途は永遠ですが,合格への途は
出口のはっきりした,期限つきの道程にすぎません。そして,その出口=ゴールは,
過去問に示されているのです。過去問攻略が試験合格のための最も有効な手段であ
ることは言うまでもありません。
本書の特長
本書は,司法書士試験における過去問分析の重要性に着目し,その徹底的な分析
のうえに作成されました。以下を特長とします。
☆ 昭和 56 年以降平成 27 年までの過去 35 年分の過去問を掲載しました。
☆ 平成 27 年 8 月現在公布されている法律に基づいて解説の改訂を行い,最新
のものとなっています。
☆ 個々の問題肢の内容にとどまらず,関連事項を含め合理的に学習ができるよ
う,随所に図表を掲載するなど,解説を充実させています。
☆ 学習の便宜を考え,本試験問題を体系別に編集しました。
☆ 体系番号だけではなく,出題番号も明記することで出題年度順に問題を解く
ことができるようにしました。
☆ 切り離して使用できるよう問題と解説を表裏一体とし,解説も可能な限りコ
ンパクトにまとめました。
本書利用の効果
☆ 本書で出題の範囲,出題の深さの程度が判明するので,効率的な学習が可能
となり,短期で合格を勝ち取ることができます。
☆ 本書の利用とともに,実践的な演習講座として,
「精撰答練」を併用すれば,
より一層の効果が期待できます。
司法書士試験合格をめざす多くの方が本書を有効活用することにより,短期合格
を果たされることを期待します。
2015 年 10 月吉日
株式会社東京リーガルマインド
LEC 総合研究所 司法書士試験部
本書で学習するにあたって
一 法改正等により,出題当時のままでは不適当な問題については,新法に則した
修正を行い,問題文末尾に「
(改)
」と記載しています。本書作成時点において,
新法による取扱いが判明していない論点に関する問題については,取扱いが不明
である問題としています。
二 平成 18 年 5 月の会社法施行により,過去の本試験問題も極めて大きな影響を
受けることになりました。本書では,以下の方針に沿って改訂を行い,可能な限
り問題を成立させています。
〈問題についての改訂方針〉
① 会社法で廃止された論点についての問題は,廃止論点を前提としたものを
除いて,成立させています。
② 旧商法と同趣旨の会社法の制度については,会社法上の規定に置き換えて
問題を成立させることにしています。
③ 平成 18 年会社法施行前は,すべての株式会社において,取締役会及び監
査役が当然に置かれていたことから,本書中の株式会社については,会社法
で規定されている取締役会設置会社であり,かつ監査役設置会社としていま
す。なお,本書では,機関設計の相違によって問題の正誤が変わってくるも
のについては,
「監査役を置く取締役会設置会社で,かつ,監査役の監査の
範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めのない会社であるものと
する」などの旨を特別に明示しています。
④ 問題文では,会社法上で規定された定義語をそのまま使用しています。
⑤ 本書においては,
「募集株式」に自己株式の処分は含まれないことを前提
に出題しています。
⑥ 会社法 309 条は,株主総会の決議要件を定めています。本書では,その決
議要件を以下のように分類して出題しています。
・普通決議→定款に別段の定めがある場合を除き,議決権を行使することが
できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)
,出席した当
該株主の議決権の過半数をもって行われる決議
・特別決議→議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3 分の
1 以上の割合を定款で定めた場合にあっては,その割合以上)を有する株
主が出席し(定足数)
,出席株主の議決権の 3 分の 2 以上(これを上回る
割合を定款で定めた場合にあっては,その割合)に当たる多数をもって行
われなければならない決議
また,問題についての改訂方針を考慮して,解説では,以下のとおりの改訂方
針をとることにしました。
〈解説についての改訂方針〉
① 平成 28 年度以降の司法書士試験に対応するため,可能な限り多様な機関
設計に則した解説となっています。
② 本書においては,平成 18 年会社法施行に対応させるため,改訂した問題
が非常に多いことから,解説にその改訂の理由及び改訂箇所を掲載すること
を省略しています。
③ 会社法施行前の判例については,原文を確認し,新法下においても適用が
あると判断したものを「参照」形式で掲載しています。
④ 本書の解説中の「旧商法」とは,平成 18 年 5 月の会社法施行以前に施行
されていた商法のことを指しています。なお,会社法の条文を根拠とした場
合には,特に法令名は記載していません。
三 平成 26 年会社法改正により,過去の本試験問題も影響を受けることになりま
した。本書では,以下の方針に沿って改訂を行うことによって,可能な限り問題
を成立させています。
〈問題についての改訂方針〉
① 監査等委員会設置会社制度の創設のため,本書では,機関設計の相違によ
って問題の正誤が変わってくるものについては,
「監査等委員会設置会社を
考慮しないものとする」などの旨を特別に明示しています。
「委員会設置会社」を「指名委員会等設置
② 委員会設置会社の改名のため,
会社」に置き換えています。
③ 反対株主の株式買取請求権に関する改正のため,問題の正誤が変わってく
るものについては,
「簡易な合併の手続は考慮しないものとする」などの旨
を特別に明示しています。
また,問題についての改訂方針を考慮して,解説では,以下のとおりの改訂方
針をとることにしました。
〈解説についての改訂方針〉
平成 28 年度以降の司法書士試験に対応するため,可能な限り多様な機関設計
に則した解説となっています。
目 次
第
1編 商法─────────────────
第 1 章 商法総則
1
〈体系問題 1〉………………… 3
a 商業登記
b 商 号… ………………………………………………………………… 3
c 商業帳簿… ……………………………………………………………… 15
d 商業使用人… …………………………………………………………… 17
第 2 章 商行為法
〈体系問題 2〉………………… 29
a 商行為の意義と種類… ………………………………………………… 29
b 商行為の通則… ………………………………………………………… 35
c 商行為の各則… ………………………………………………………… 55
第
2編 会社法───────────────
61
第 1 章 株式会社… ………………………………………………………… 63
第 1 節 株式会社の設立
〈体系問題 3〉………………… 63
a 設立全般… …………………………………………………………… 63
b 定款の作成… ………………………………………………………… 119
c 発起人等の責任… …………………………………………………… 133
d 設立無効及び不成立… ……………………………………………… 139
第 2 節 株 式
〈体系問題 4〉………………… 141
a 株主等の権利・義務… ……………………………………………… 141
b 株主名簿… …………………………………………………………… 191
c 株式の譲渡等… ……………………………………………………… 199
d 株式の併合等… ……………………………………………………… 225
e 単元株式数… ………………………………………………………… 229
f 募集株式の発行等… ………………………………………………… 231
g 株 券… ……………………………………………………………… 279
第 3 節 機 関
〈体系問題 5〉………………… 285
a 株主総会… …………………………………………………………… 285
b 取締役・取締役会… ………………………………………………… 373
c 監査役・監査役会… ………………………………………………… 445
d 会計監査人… ………………………………………………………… 467
e 指名委員会等及び執行役… ………………………………………… 471
f 機関全般… …………………………………………………………… 475
第 4 節 計算等
〈体系問題 6〉………………… 503
a 資本金の額等… ……………………………………………………… 503
b 剰余金の配当… ……………………………………………………… 547
第 5 節 事業譲渡
〈体系問題 7〉………………… 555
第 6 節 解散及び清算
〈体系問題 8〉………………… 561
第 2 章 持分会社
〈体系問題 9〉………………… 581
a 合名会社… ……………………………………………………………… 581
b 合資会社… ……………………………………………………………… 599
c 合同会社… ……………………………………………………………… 609
d 持分会社全般… ………………………………………………………… 613
第 3 章 社 債
〈体系問題 10〉
… …………… 621
第 4 章 組織変更・組織再編
〈体系問題 11〉
… …………… 659
a 組織変更
b 合 併… ………………………………………………………………… 659
c 会社分割… ……………………………………………………………… 695
d 株式交換・株式移転… ………………………………………………… 701
第 5 章 会社法全般
〈体系問題 12〉
… …………… 707
3編 会社整備法────────────
第
第1章 特例有限会社
789
〈体系問題 13〉
… …………… 795
a 特例有限会社の株主の地位… ………………………………………… 795
b 機 関… ………………………………………………………………… 803
c 特例有限会社全般… …………………………………………………… 815
第 2 章 その他
※過去出題実績のない項目についても,目次には体系として掲載しています。
☆本書の効果的活用法☆
第1章 株式会社
機関全般
5f−6(24−31)
会計参与に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後
記⑴から⑸までのうちどれか。
①5fは,
〈体系問題5〉のf,機関全般に
ア 委員会設置会社における会計参与の個人別の報酬は,額が確定しているも
のでなければならない。
属する問題であることを示す(目次
参照)
。
②6は,
〈体系問題5〉の f の中の第6問
の意味である。
ウ 会計参与については,累積投票による選任の制度は存しない。
③24−31は,平成24年度本試験の第
31問の意味である。
エ 会計参与は,株式会社の役員の解任の訴えの対象となる。
イ 株式会社の取締役は,その親会社の会計参与となることができる。
株式会社
5f−6(24−31)
① ②
③
オ 監査役会設置会社においては,取締役は,会計参与の選任に関する議案を
株主総会に提出するには,監査役会の同意を得なければならない。
⑴ アウ ⑵ アエ ⑶ イウ ⑷ イオ ⑸ エオ
かかっ
た時間
を書い
たり…
…
正誤を
日付と
……
書いたり
学習
記録
3
9
×
3
3
21
〇
3
9
ア、エ
9
2分
肢
5肢中何
か
正解した
り……
た
い
書
を
2
5
H26
3/9
5
5
H26
3/21
自分なりの使い
方で効率の良い
学習!
間違えた肢を
書いたり……
解答解説ページの表示は以下のとおりである。
学習
記録重要度 A
知識型
要 Check!
正解 (1)
2016 年本試験において出題されそうな論
2013年版 司法書士試験 合格ゾーン
択一式過去問題集 441
点であることを示す。
(LEC 見解による)
会社法・商法
知識型の問題と推論型の問題に大別している。
過去の出題頻度に基づき,
重要度をA,
B,
Cの3 ランクに分けて表示している。
重要度 C
正解 (3)
知識型
〈商人概念と商行為概念〉
<商 行 為>
絶対的商行為(商501)
<固有の商人>
基本的商行為(商 4Ⅰ)
固有の商人(商4Ⅰ)
相対的商行為
)
営業的商行為(商502)
附属的商行為(商503)
(
行為
的商
補助
03
商5
補助的商行
論点を図解して
視覚化し,より
効率良く正確に
理解することが
<擬制商人>
為 (商50
できる。
3)
店舗営業者(商4Ⅱ)
鉱業営業者(商4Ⅱ)
⑴ 商人である 石灰石の採掘・販売は鉱業営業(商 4 Ⅱ)に該当し,商人性
を有する。鉱業は,農・林・漁業と異なり個人で営む場合でも,通常大規模な
企業的設備をもって経営されることから,これを営む者を当然に商人とした。
⑵ 商人である 客の依頼に応じて出張撮影をすることは,
「撮影に関する行
⑵ 商人である
客の依頼に応じて出張撮影をすることは,
為」
として営業的商行為
(商 502 ⑥)
となる。このような商行為を自己の名をもっ
て業とする者は,商人(商 4 Ⅰ)である。
⑶ 商人でない 本肢はいわゆる質屋業を行う者と考えられ,営業的商行為で
⑶ 商人でない
本肢はいわゆる質屋業を行う者と考えられ,営業的商行為で
ある銀行取引(商 502 ⑧)を行う者といえるかが問題となる。銀行取引とは,
一方において金銭又は有価証券を受け入れる行為(受信行為)と他方において
要点を押さえた詳
これを需要者に給付する行為(与信行為)とが併存することを要するとするの
が通説である。ところが,質屋業者は,与信行為のみがあり,受信行為がない
細な解説により,
ため,銀行取引に当たらない。したがって,本肢の質屋業者は固有の商人では
効率良い学習が可
ない。また,擬制商人でもない。
能となる。
第1章 株式会社
⑷ 商人である 農業を営む者は商人ではないが,自作の作物を店舗を設けて
〈取締役・監査役・清算人の比較〉
販売するときは商人となる(商 4 Ⅱ,
擬制商人)
。本肢の場合もこれに該当する。
取締役
監査役
清算人
定款・株主総会・法定・裁
選任機関⑸ 商人である 本肢のような行為は客の来集を目的とする場屋における取引
取締役と同じ(329)
株主総会(329)
判所(478)
選任決議
(商 502 ⑦)に該当し,
営業的商行為である。したがって,
それを自己の名をもっ
普通決議(341)
普通決議(309 Ⅰ)
普通決議(341)
て業としてする者は,商人(商
4 Ⅰ)である。
定足数の制限なし
関連事項を網羅した
定足数の制限あり(341)
定足数の制限あり(341)
累積投票あり(342)
累積投票なし
累積投票なし
→ 3 人以上(331 Ⅳ)
→ 1 人以上
ただし,監査役会設置会社
《参考文献》
図表により,出題可
監査役設置会社
1 人又は 2 頁以下参照。
人以上(477 Ⅰ)
取締役会設置会社
弥永・商法総則・商行為・11
頁以下,S Ⅰ・総則商行為・27
能性のある周辺論点
員 数
28
取締役会を置かない会社
をも一挙に修得する
監査役会設置会社
では清算人会を置かなけ
2012年版 司法書士試験
合格ゾーン 過去問題集
332 条 原則として選任後
336 条 原則として選任後
2 年以内に終了する事業年
4 年以内に終了する事業年
度のうち最終のものに関す
度のうち最終のものに関す
る定時株主総会の終結の
る定時株主総会の終結の
時まで(注 1)
(注 3)
時まで(注 3)
(注
4) ればならない(477
Ⅲ)
→ 1 人以上(348 ⅠⅡ参照) → 3 人以上(335 Ⅲ)
ことができる。
会社法・商法
任 期
株主総会の決議(339)
解 任
(原則 普通決議,341(注
株主総会の決議(339)
(特別決議,309 Ⅱ⑦)
規定なし
清算結了の時まで
株主総会の決議(479 Ⅰ)
(注 6)
本書は表が問題,
裏が解答解説という形式です。
2)
)
(普通決議,309 Ⅰ)
解任の訴え(854)
解任の訴え(854)
解任請求(479
Ⅱ)
裏面の正誤等が透けて見えてしまわないよう,
巻末の黒の用紙をミシン目から切り
取締役の欠格事由(335 Ⅰ・
取り,下敷きとして利用されることをおすすめいたします。
取締役と同じ
欠格事由
311 条 1 項
331 Ⅰ)のほか,兼任禁止
規定あり(注 5)
(478 Ⅵ・331 Ⅰ)
※ 本書の解説文末尾の参考文献の頁数は,解説作成時の版に基づいている。
公開会社では定款をもって
資格の制限
しても株主に限定できない
取締役に同じ
(331 Ⅱ本文)が,非公開会 (335 Ⅰ・331 Ⅱ)
定款をもって株主に限定す
ることができる
会社法・商法索引
問
年度
S56
S57
S58
S59
S60
S61
S62
S63
H元
27
─
─
─
─
─
─
─
─
─
28
─
─
─
─
─
─
─
─
─
29
5 a− 1 8 − 2 12− 2 12− 3 5 a− 6 6 a− 5 9 a− 2 4 a− 2 3 a− 4
30
13 c− 1
2 b− 1 3 a− 2 3 a− 3
31
8 − 1 9 a− 1 5 a− 4
32
4 f− 1
※
※
※
6 a− 7 2 a− 3 6 b− 2
1 b− 2 5 a− 7 4 a− 1 12− 6 10− 3
3 a− 1 4 e− 1 11 b−2 2 a− 2 13 c− 4 5 a−10 5 b− 9
33
1 d− 1 1 c− 1 13 c− 2 5 a− 5 4 d− 1 2 b− 2 12− 5 6 a− 9 2 b− 3
34
6 a− 1 3 c− 1 13 b−1 5 b− 4
35
12− 1 3 d− 1 4 c− 1 4 f− 2 12− 4 3 b− 3 11 b−3 9 b− 2 11 b−4
36
4 b− 1
37
2 a− 1 5 b− 1 6 b− 1 10− 1 4 f− 3 9 b− 1 4 b− 2 4 a− 3 4 a− 4
38
問
※
※
※
※
5 b− 6 4 f− 4 13 c− 5 5 b−10
5 b− 2 6 a− 3 5 b− 5 6 a− 6
※
5 b− 7 13 b−3
11 b−1 5 b− 3 8 − 3 10− 2 5 c− 2 1 d− 2 5 b− 8 4 c− 2
39
5 a− 2 3 b− 2 1 b− 1 13 b−2 5 c− 1 1 b− 3 5 c− 3
40
3 b− 1 4 g− 1 5 a− 3 13 c− 3 6 a− 4 5 a− 8 5 a− 9 3 b− 4
年度
H7
H4
27
─
─
─
10− 5 13 b−4 12−10 3 a− 8 6 a−15 3 a− 9
28
─
─
─
5 a−13 4 f− 7
29
4 a− 5
※
4 a− 7
30
4 g− 2 12− 7 5 a−11 9 a− 6 5 a−16 4 a− 9 5 a−19 7 − 1 4 a−12
※
H8
H9
※
H3
※
H6
9 b− 3
H2
※
H5
※
H10
12−11
※
11 b−6
5 a−15 4 c− 4 4 a−10
※
5 a−21
31
11 b−5 8 − 4
32
4 f− 5 1 b− 5 5 a−12 3 a− 6 12− 9 5 c− 5 6 a−14 12−13
13 c−7 5 b−14 5 a−18 5 a−20 4 a−11 4 f− 8
33
6 a−10 6 a−11 4 g− 3 6 a−12 4 a− 8 10− 6 1 d− 3
34
1 b− 4 3 b− 5 13 c−6 4 f− 6 3 a− 7 13 b−5 13 c−8 5 b−15 5 c− 6
※
※
※
4 a−13
35
5 b−11 9 a− 4
36
13 a−1 12− 8 3 a− 5
─
─
─
─
─
─
37
5 c− 4 4 a− 6
※
5 a−14 5 a−17 9 b− 4 12−12 13 a−2 13 a−3
─
─
─
─
─
─
38
※
5 b−12 8 − 5
─
─
─
─
─
─
39
※
10− 4 5 b−13
─
─
─
─
─
─
9 a− 3 4 c− 3 9 a− 5
─
─
─
─
─
─
40
* ※の問題は,法改正により成立しなくなり,削除した問題です。
問
問
年度
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
27
5 a−22
※
※
1 d− 4
─
─
─
─
─
28
6 a−16 12−15 5 b−18 3 a−11 12−18 4 c− 6 3 a−13 6 a−20 3 a−15
29
12−14 5 b−16 11 b−7 10−10 3 a−12 12−19 10−11 12−24 4 f−12
30
6 a−17 10− 8 3 a−10 5 b−19 3 c− 2 5 a−25 6 b− 3 4 a−14 4 f−13
31
13 b−6 6 a−18 4 f−10 11 b−8 4 f−11 5 c− 7 3 b− 6 5 b−20 5 f− 2
32
10− 7 4 c− 5 5 a−24 12−17
※
5 d− 1 12−22 3 a−14 6 a−21
33
5 a−23 7 − 2 6 a−19 13 c−10 13 c−11 12−20 8 − 6 5 b−21 8 − 7
34
5 f− 1 5 b−17 10− 9 9 a− 7 5 e− 1 11 b−9 4 c− 7 12−25 9 b− 5
35
4 f− 9 13 c−9 13 a−4 2 b− 4 11 d−1 12−21 12−23 5 c− 8 11 b−10
36
─
─
─
─
─
─
─
─
─
37
─
─
─
─
─
─
─
─
─
38
─
─
─
─
─
─
─
─
─
39
─
─
─
─
─
─
─
─
─
40
─
─
─
─
─
─
─
─
─
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
年度
27
─
3 a−17 3 a−18 3 a−19 3 a−20 3 a−21 3 a−22 3 a−23
28
3 a−16 4 d− 2 4 c− 8 10−13 4 a−16 4 f−19 4 a−18 4 b− 3
29
4 f−14 5 f− 4 5 b−23 4 f−17 4 f−18 4 a−17 4 c− 9 5 a−29
30
4 f−15 6 a−22 5 f− 5 5 a−27 5 b−25 5 a−28 5 f− 9 5 c− 9
31
4 a−15 9 c− 1 5 b−24 5 e− 2 5 f− 6 5 f− 7 5 b−26 8 − 8
32
5 a−26 10−12 6 a−23 6 b− 4 7 − 3 5 f− 8 9 d− 3 9 d− 4
33
5 b−22 11 c− 1 4 f−16 11 b−11 9 c− 2 12−28 10−14 10−15
34
5 f− 3 12−26 12−27 9 d− 2 11 b−12 9 a− 8 12−29 11d− 2
35
9 d− 1 1 b− 6 2 c− 1 2 c− 2 1 d− 5 2 b− 5 2 b− 6 2 b− 7
36
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37
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38
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39
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40
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─
* ※の問題は,法改正により成立しなくなり,削除した問題です。
第1編
商 法
商法総則
商行為法
第1章 商法総則
商 号
商法総則
1b−1(58−39)
甲が自己の商号を使用して営業を行うことを乙に対して許諾している場合に関する
次の記述のうち,正しいものはどれか。
(改)
⑴ 丙が甲を当該営業を行う商人であると誤認して乙と取引をした場合でも,
そのことにつき丙に過失があるときには,甲は,丙に対し,その取引から生
じた債務について弁済の責めを負わない。
⑵ 乙がその使用を許諾された商号につき自ら商号の登記をしている場合には,
丙が甲を当該営業を行う商人であると誤認して乙と取引をした場合でも,甲
は,丙に対して,その取引から生じた債務について弁済の責めを負わない。
⑶ 丙が甲を当該営業を行う商人であると誤認して乙と取引をした場合におい
て,甲が丙に対してその取引から生じた債務について弁済の責めを負うとき
には,乙は,丙に対して,その弁済の責めを負わない。
⑷ 乙が営業のため自動車を運転中,誤って丙を負傷させた場合において,そ
の自動車に甲の商号が記載されていたため,丙が甲を当該営業を行う商人で
あると誤認したとしても,甲は,丙に対して,その事故によって生じた損害
賠償債務について弁済の責めを負わない。
⑸ 乙の営業が甲の営業とその種類において異なっている場合には,丙が甲を
当該営業を行う商人であると誤認して乙と取引をしたときでも,甲は,丙に
対して,その取引から生じた債務について弁済の責めを負わない。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
3
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (4)
⑴ 誤 甲が名板貸人(自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人
に許諾した商人)の責任(商 14)を負うためには,第三者丙の誤認が必要であ
る。ただし,丙に重過失がある場合には,甲はその責任を免れるとするのが判
例である(最判昭 41.1.27)
。したがって,丙に軽過失があるにすぎないときは,
甲は丙に対して名板貸人としての責任を負う。
⑵ 誤 名板貸人の責任の趣旨は取引の安全の見地から,営業の主体の誤認・
混同を保護することにある。そして,他人の商号を自己の商号として商号権者
の承諾を得て登記している場合でも,営業の主体の誤認・混同という問題を生
ずる以上,同様に名板貸人の責任を認めてよい。
⑶ 誤 名板借人乙は自ら取引の効果を帰属させる意思で行為を行っている以
上,取引当事者として当然に責任を負う。商法 14 条は取引安全の保護の見地
から名板貸人の責任を特に認めたものであって,名板借人を免責するまでの意
味を有しない。条文上も「連帯して」責任を負うとなっている。
⑷ 正 名板貸人は「取引によって生じた債務」について責任を負う。交通事
故等の事実的不法行為に基づく損害賠償債務がそこに含まれるかについては,
否定するのが判例(最判昭 52.12.23)
・通説である。商法 14 条に基づく名板貸
人の責任は,名板借人の相手方に取引の主体を誤認させたことによるものであ
り,事実的不法行為の場合には,このような誤認と損害の発生との間に何らの
因果関係もなく,名板貸人の責任を認め得ないからである。
⑸ 誤 名板借人の営業が名板貸人の営業と種類を異にする場合,名板貸人は
原 則として責 任を負わないが,特 段の事 情があれ ば 責 任を負う( 最 判昭
43.6.13)
。本肢では特段の事情の有無が明らかではないので,甲は「弁済の責
めを負わない」とはいえない。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
4
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商法総則
商 号
1b−2(60−31)
商号に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(改)
⑴ 商号が譲渡された場合,譲受人は,その登記をしなくても,悪意の第三者
に対しては,その譲受けをもって対抗することができる。
⑵ 小商人は,その商号を登記することはできない。
⑶ 平成 17 年商法改正により削除。
⑷ 個人商人が数個の営業を営む場合は,その営業ごとに異なる商号を使用す
ることができる。
⑸ 合名会社の商号中に退社員の氏又は氏名を用いている場合には,退社員は,
会社に対し,その氏又は氏名の使用をやめるべきことを請求することができ
る。
〈成立しなくなった肢〉
⑶ 商号の登記をした者が,正当な事由がないのに 2 年間その商号を使用しな
いときは,商号を廃止したものとみなされ,その者が商号の廃止の登記をし
ないときは,利害関係人は,その登記の抹消を登記所に請求することができる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
5
第1編 商法
重要度 C
正解 (1)
知識型
⑴ 誤 商号の譲渡は,当事者間においては意思表示のみでその効力を生ずる。
しかし,その譲渡を第三者に対抗するためには,商号譲渡の登記をしなければ
ならない(商 15Ⅱ)
。そして,この場合,民法 177 条と同様に第三者の善意・
悪意を問わない。商号も一種の財産権であり,
登記によって公示することになっ
ているからである。
⑵ 正 小商人とは,商人のうち,その営業のために使用する財産の価額が 50 万
円を超えないものをいう(商7,商施規3Ⅱ)
。そして,商法中,商業登記・商号・
商業帳簿などに関する規定は,小商人には適用されない(商7)
。小商人は,その
営業の規模があまりに小さいことから,商法総則の規定をすべて適用すると,かえっ
て過重になるからである。
したがって,
小商人はその商号を登記することはできない。
⑶ 平成 17 年商法改正により削除。
⑷ 正 個人商人が数個の営業を営む場合には,その営業ごとに異なる商号を使
用することができる(大決大 13.6.13)
。商号は,商人が営業において自己を表す
ために用いる名称であり,
本来その営業ごとに認められるものだからである。なお,
会社の商号は,会社が単一の企業組織であることから,会社が数種の事業を行う
場合であっても,1個の商号しか使用することができない(911 〜 914 参照)
。
⑸ 正 合名会社の商号中に退社員の氏若しくは氏名又は名称を用いている場
合には,退社員は,その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめるべきことを請
求することができる(613)
。商号中に退社員の氏若しくは氏名又は名称を用い
ている場合に,これを放置しておくと,その退社員が不作為による自称行為が
あるとして,自称社員の責任(589)を負わされるおそれがあるからである。
〈成立しなくなった肢〉
⑶ 旧商法においては,商号の登記をした者が正当な事由がないにもかかわらず,
2 年間商号を使用しないときは商号を廃止したものとみなすとされ(旧商 30)
,
利害関係人はその登記の抹消を登記所に請求することができた(旧商 31)
。し
かし,平成 17 年商法改正により,類似商号規制は廃止されたため,旧商法 30
条のみなし規定及び 31 条の抹消請求権を認める必要がなくなり,これらの規
定は削除された。したがって,本肢は旧商法 30 条の商号廃止のみなし規定及
び旧商法 31 条の抹消請求権があることを前提としているため,不成立とした。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
6
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商 号
商法総則
1b−3(61−39)
商号に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(改)
⑴ 個人商人は,1 個の営業について数個の商号を用いることはできない。
⑵ 商号の登記をした者が正当な事由なく 2 年間その商号を使用しない場合に
は,当該商号の登記に係る営業所の所在場所において同一の商号を使用しよ
うとする者はその商号の抹消を登記所に請求することができるが,その者が
会社であるときは,この限りでない。
⑶ 個人商人は,その商号中に「合名商会」という文字を用いることはできない。
⑷ 不正の目的をもって他人の営業と誤認させるような商号を使用している者
があるときは,これにより利益を害されるおそれのある者は,自己の商号の
登記をしていなくても,その使用の差止めを請求することができる。
⑸ 運送業を事業目的としていない会社であっても商号中に「運送」なる文字
を使用することができる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
7
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (2)
⑴ 正 個人商人の場合,1個の営業について商号は1個に限られる(商号単
一の原則)
。1個の営業につき数個の商号を認めると,一般公衆の誤認を導く
おそれがあるからである。商号選定自由の原則(商 11Ⅰ)の例外の一つである。
⑵ 誤 商号の登記は,その商号が他人の既に登記した商号と同一であり,か
つ,その営業所(会社にあっては,本店)の所在場所が同一である場合には,
することができない(商登 27)
。また,商号の登記をした者が正当な事由なく
2年間その商号を使用しないときに,当該商号の廃止の登記をしていない場合
は,当該商号の登記に係る営業所(会社にあっては,本店)の所在場所におい
て同一の商号を使用しようとする者は,登記所に対し,当該商号の登記の抹消
を申請できる(商登 33Ⅰ②)
。このことは,会社の商号登記であっても同様で
ある(商登 34Ⅱ参照)
。
「〜商会」という表示には,誤認のおそれはないとされているが,
⑶ 正 「合
名商会」という名称は,合名会社と誤認するおそれがある。7条が会社でない
者の商号の制限をしている趣旨は,一般人に企業主体が自然人であるか会社で
あるかを明らかにすることにある。したがって,個人商人は,会社という文字
自体に限らず,本肢のような一般人に会社であると誤解させるおそれのある文
字を使用することもできない(大決明 41.11.20)
。
⑷ 正 商法 12 条は,商号一般に,登記の有無とは関係なく,不正の目的をもっ
て他人の営業と誤認させるような名称又は商号を使用し,営業上の利益を侵害
する者に対して,その侵害の停止や予防を請求できる効力を認めている。
⑸ 正 商号選定自由の原則(商 11Ⅰ,会社法に関しては規定はないが当然
に認められる)により,企業内容に合致しない商号を使用することもできる。
したがって,本肢のように運送業を事業目的としない会社であっても,商号中
に「運送」なる文字を使用することができる。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
8
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商 号
商法総則
1b−4(2−34)
商号に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは後記⑴か
ら⑸までのうちどれか。
(改)
ア 商号の廃止又は変更があった場合において,商号を登記した者がその廃止
又は変更の登記をしないときは,当該商号の登記に係る営業所の所在場所に
おいて同一の商号を使用しようとする者は,その登記の抹消を登記所に請求
することができる。
イ 商号は営業とともにする場合でなければ,これを譲渡することができない。
ウ 商号の登記をした者は,不正の競争の目的をもって同一又は類似の商号を
使用する者に対し,その使用を止めるべきことを請求することができる。
エ 自己の商号を使用して営業することを許諾した者は,自己を当該営業を行
う商人であると誤認して取引をした者に対して,その取引によって生じた債
務につき,その他人と連帯して弁済の責めを負う。
オ 商号を登記した者が正当な事由なく 2 年間商号を使用しないときは,商号
を廃止したものとみなされる。
⑴ アウ ⑵ アエ ⑶ イウ ⑷ イオ ⑸ エオ
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
9
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (4)
ア 正 商号の登記は,その商号が他人の既に登記した商号と同一であり,か
つ,その営業所(会社にあっては,本店)の所在場所が同一である場合には,
することができない(商登 27)
。また,商号の登記をした者が,登記した商号
を廃止,又は変更したにもかかわらず,当該商号の廃止,又は変更の登記をし
ていない場合は,当該商号の登記に係る営業所(会社にあっては,本店)の所
在場所において同一の商号を使用しようとする者は,登記所に対し,当該商号
の登記の抹消を申請できる(商登 33Ⅰ①・③)
。
イ 誤 商号は営業とともにする場合のほか,営業を廃止する場合にも譲渡す
ることができる(商 15Ⅰ)
。企業を引き続いて経営しながら,商号のみを他人
に譲渡することを認めると,商号によって従来の企業を信頼して取引をしてい
た第三者の信頼が,企業と商号が切り離されることによって裏切られるおそれ
があるからである。営業廃止の場合になされる商号の譲渡においてもこの危険
性がないわけではない。しかし,廃業者が商号譲渡によってその財産的価値を
回収し得ることを重視し,営業を廃止する場合には,営業と切り離して商号を
譲渡することが認められたのである。
ウ 正 本肢の商号の登記をした者は,商法 12 条2項の「営業上の利益を侵
害され,又は侵害されるおそれがある商人」に該当するため,商号を不正使用
する者に対して,侵害の停止又は予防を請求することができる。
エ 正 自己の商号を使用して営業をすることを他人に許諾したものを名板貸
人という。この場合に,この外観を信頼し自己を当該営業を行う商人と誤認し
た第三者を保護するため,名板貸人は本肢のような責任を負う(商 14)
。なお,
会社法にも同様の規定が設けられている(9)
。
オ 誤 旧商法においては,商号の登記をした者が正当な事由がないにもかか
わらず,2年間商号を使用しないときは商号を廃止したものとみなすとされて
いた(旧商 30)
。しかし,平成 17 年商法改正により,類似商号規制は廃止さ
れたため,旧商法 30 条のみなし規定を認める必要がなくなり,この規定は削
除された。
以上から,誤っているものはイオであり,正解は⑷となる。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
10
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商 号
商法総則
1b−5(3−32)
商号に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(改)
⑴ 登記した商号の譲渡は,その旨の登記をしないと効力を生じない。
⑵ 会社でない商人は,会社から事業とともに商号を譲り受けたとしても,商
号中に「会社」の文字を使えない。
⑶ 他人に自己の商号を使用して営業を行うことを許諾した商人は,自己を当
該営業を行う商人と誤認して取引した相手方に対して,その取引債務につい
て他人と連帯して弁済の責任を負う。
⑷ 商人は,営業を廃止して,その商号を他人に譲渡することができる。
⑸ 商号の登記をしていない商人であっても,不正の目的をもって商人の営業
と誤認させるような商号使用者に対し,これによって,利益を害されるおそ
れのある場合には,この使用の差止めの請求をすることができる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
11
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (1)
⑴ 誤 商号は,財産的価値を有し,譲渡の対象となる。そして,商号の譲渡
はその登記をしなければ,
第三者に対抗することができない(商 15Ⅱ)
。しかし,
登記した商号であっても,譲渡の効力は,当事者間の意思表示のみで生ずる。
⑵ 正 会社ではない商人は,商号中に「会社」である文字を使用することは
できない(7)
。そしてこれは,個人商人が会社の事業を譲り受けた場合であっ
ても同様である。会社債権者に対する責任は,企業主体が自然人であるか会社
であるかによってその態様を異にする。すなわち,企業主体が自然人であるか
会社であるかを明らかにすることによって,利害関係人の利益を保護する必要
があるからである。
⑶ 正 自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人
(名板貸人)は,自己を当該営業を行う商人と誤認して取引をした者(相手方)
に対して,その取引によって生じた債務につきその他人(名板借人)と連帯し
て弁済の責任を負う(商 14)
。名板貸人が営業主であるような外観を信頼して,
取引に入った者を保護するための規定である。
⑷ 正 商人の商号は,営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り,
譲渡することができる(商 15Ⅰ)
。商号は,財産権の一種であるから,譲渡・
相続の対象となる。しかしその一方で,商号は社会的・経済的には営業の名称
としての機能を有する。すなわち,取引の相手方は,同一商号の背後に同一営
業の存在を予測することから,商号を営業と分離してこれを単独で譲渡するこ
とを認めるのは,適当でないからである。
⑸ 正 商号の登記をしていない商人であっても,不正の目的をもって,他の
商人の営業と誤認されるおそれのある名称又は商号を使用している者に対して
は,これによって,営業上の利益を侵害され,又は侵害されるおそれのある場
合には,
この侵害の停止又は予防の請求をすることができる(商 12Ⅱ)
。これは,
「何人も」不正の目的をもって,他人の営業と誤認されるおそれのある名称又
は商号を使用してはならない(商 12Ⅰ)と規定されていることから未登記の商
号についても,商号専用権を認めた規定といえるためである。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
12
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商 号
商法総則
1b−6(21−35)
商人に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組
合せは,後記⑴から⑸までのうちどれか。
ア 商人は,その商号を登記しなければならない。
イ 営業につき商人からその商号の使用を許された者が,営業活動上惹起され
た交通事故に基づく不法行為上の損害賠償義務者であることを前提として,
被害者との間で単にその支払金額と支払方法を定めるにすぎない示談契約を
締結した場合には,当該商人は,当該示談契約の締結に当たって当該商人が
営業主であると誤認した被害者に対し,当該示談契約に基づき支払うべきも
のとされた損害賠償債務を弁済する責任を負う。
ウ 商人の商号は,営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り,譲
渡することができる。
エ 営業を譲渡した商人が同一の営業を行わない旨の特約をした場合には,そ
の特約は,その営業を譲渡した日から 30 年の期間内に限り,その効力を有す
る。
オ 営業を譲り受けた商人が営業を譲渡した商人の商号を引き続き使用する場
合であっても,譲渡人が,遅滞なく,譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任
を負わない旨を第三者に対して通知したときは,譲受人は,譲渡人の営業に
よって生じた当該第三者に対する債務を弁済する責任を負わない。
⑴ アイ ⑵ アオ ⑶ イエ ⑷ ウエ ⑸ ウオ
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
13
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (4)
ア 誤 商人はその商号の登記をすることができる(商 11Ⅱ)が,商号の登記
をするかどうかは任意であって,義務ではない。
イ 誤 自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人
は,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し,
当該他人と連帯して,当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う(商
14)
。この点,
「取引によって生じた債務」には,営業主が誰であるかという外
観の信頼の契機がない,交通事故のような純然たる事実行為としての不法行為
による損害賠償債務は含まれず(最判昭 52.12.23)
,商人は,当該損害賠償債
務を弁済する責任を負わない。
ウ 正 商人の商号は,営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り,
譲渡することができる(商 15Ⅰ)
。
エ 正 営業を譲渡した商人が同一の営業を行わない旨の特約をした場合に
は,その特約は,その営業を譲渡した日から 30 年の期間内に限り,その効力
を有する(商 16Ⅱ)
。
オ 誤 営業を譲り受けた商人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には,
その譲受人も,譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う(商 17
Ⅰ)
。しかし,営業を譲渡した後,遅滞なく,譲受人及び譲渡人から第三者に
対しその旨の通知をした場合において,その通知を受けた第三者について譲受
人は責任を負わない(商 17Ⅱ後段)
。したがって,譲渡人からの通知で足りる
とする点で本肢は誤りである。
以上から,正しいものはウエであり,正解は⑷となる。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・33 頁以下,SⅠ・総則商行為・51 頁以下参照。
14
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商業帳簿
商法総則
1c−1(57−33)
商業帳簿又は会計帳簿に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(改)
⑴ すべての商人は,商業帳簿を作成することを要する。
⑵ 会社でない商人は,商業帳簿作成義務に違反した場合においても,過料を
科されることはない。
⑶ 会社の清算が終了した後においては,会計帳簿を保存することを要しない。
⑷ 貸借対照表又は損益計算書が書面をもって作られた場合には,作成者が署
名又は記名押印することを要する。
⑸ 裁判所は,申立てがない限り,訴訟の当事者である会社に対し,会計帳簿
の提出を命ずることができない。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
15
第1編 商法
重要度 C
知識型
正解 (2)
⑴ 誤 小商人(商人のうち,その営業のために使用する財産の価格が 50 万
円を超えないものをいう)については,その規模が小さいことから,商業帳簿
に関する規定が適用されない(商7)
。
⑵ 正 会社でない個人商人が商業帳簿作成義務(商 19Ⅱ)に違反した場合
であっても,その商人は過料に処せられることはない。個人商人の商業帳簿は,
あくまでその商人の経済上の必要性から作成されるものであり,社会的に重要
な意義を有するものではないからである。なお,会社においては,会計帳簿に
記載又は記録すべき事項の不記載(又は不記録)及び不実記載(又は不実記録)
には過料の制裁が科せられる(976 ⑦)
。
⑶ 誤 会社の会計帳簿は,原則としてその閉鎖の時から 10 年間保存しなけ
ればならない(432Ⅱ・615Ⅱ)が,会社の解散後については特則が定められて
おり(508・672)
,清算結了の登記の時から 10 年間保存しなければならない。
⑷ 誤 会社法においては,貸借対照表又は損益計算書が書面をもって作られ
た場合には,作成者が署名又は記名押印することを要する規定はない。
⑸ 誤 裁判所は,申立てにより又は職権で,訴訟の当事者に対して会計帳簿
の全部又はその一部の提出を命ずることができる(434・616)
。これは,会計
帳簿には訴訟上特別の法定証拠力が与えられているわけではないが,事実上有
力な証拠資料となることを考慮したためである。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・61 頁以下,SⅠ・総則商行為・66 頁以下参照。
16
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商業使用人
商法総則
1d−1(56−33)
支配人に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(改)
⑴ 親会社の支配人であっても,子会社の監査役となることができる。
⑵ 会社の本店に支配人を置くことはできない。
⑶ 支配人は,商人のために自己の名をもって訴えを提起することができる。
⑷ 会社が解散しても,支配人の地位は,当然には消滅しない。
⑸ 支配人が破産手続開始の決定を受けても,その地位は,当然には消滅しない。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
17
第1編 商法
重要度 B
正解 (1)
知識型
⑴ 正
〈監査役の兼任禁止〉
(親会社)
(子会社)
兼任の禁止 ×
監査役
取締役,
支配人,
その他使用人,
執行役,
335Ⅱ
会計参与
(会計参与が法人であるときは
その職務を行うべき社員)
-----------------------------------------------------------------------支配人
明文上制限なし
監査役
本肢の場合に関する明文上の制限はなく,親会社の支配人であっても,子会
社の監査役となることができる。これは,実質的に考えても,親会社の監査役
が子会社の支配人等を兼ねることの弊害(適正な監査を期待しにくい)に比べ
て,親会社の支配人が子会社の監査役を兼ねることの弊害は少ないと考えられ
るからである。
⑵ 誤 10 条は支配人を選任して「本店又は支店」の事業を行わせることが
できるとしている以上,本店に支配人を置くことを当然予定していると考えら
れる。
⑶ 誤 支配人は,商人に代わって,その営業に関する一切の裁判上又は裁判
外の行為をする権限を有する(商 21Ⅰ)
。しかし,当該権限はあくまでも代理
人としての権限であるため,
「裁判上…の行為」も商人の訴訟代理人としての
行為である。したがって,本肢のように「自己の名をもって訴えを提起」とい
うように,訴訟当事者として行為をすることはできない。
⑷ 誤 支配人は事業の存在を前提とするものであるから,会社の解散は,支
配人の終任事由となる(大判明 40.4.9)
。また,会社の支配人の登記は,会社
の解散の登記をしたときは,登記官が抹消する記号を記録しなければならない
(商登規 59)
。なお,清算株式会社においても,支配人を選任することができる
(482Ⅲ①・489Ⅵ③参照)
。
⑸ 誤 支配人の破産手続開始の決定は終任事由となる(民 111Ⅰ②)
。実質
的にも支配人にあっては,商人との間に高度の信頼関係が前提とされるため,
破産手続開始の決定を受けた者は適当でないからである。
18
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
代理権の
授与を伴う
民法の定める
代理権消滅原
因(民111)
(注)
支 配 人
選任契約
雇用契約
民法の雇用の
である
終了
商法総則
〈支配人の終任事由〉
解任・辞任(民111Ⅱ・651)
商人の破産手続開始の決定
(民111Ⅱ・653②)
支配人の死亡・後見開始の審判を
受けたこと・破産手続開始の決定
(民111Ⅰ②)
雇用期間の満了
商人又は支配人からの解約申入れ
(民626∼628)
商人が破産手続開始の決定を受け
たこと(民631)
(注)ただし,商人の死亡は支配人の終任事由(商506,民111Ⅰ①)とならない。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・68 頁以下,SⅠ・総則商行為・92 頁以下参照。
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
19
第1章 商法総則
商法総則
商業使用人
1d−2(62−38)
支配人に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(改)
⑴ 支配人の代理権は,商人の死亡により消滅する。
⑵ 株式会社の支配人は,その会社の監査役を兼ねることができない。
⑶ 支配人は,商人の許可がなければ,自ら営業することができない。
⑷ 平成 17 年商法改正により削除。
⑸ 未成年者も,支配人となることができる。
〈成立しなくなった肢〉
⑷ 数人の支配人が共同して代理権を行使すべき旨が定められている場合にお
いても,1 人の支配人に対してした意思表示は,営業主に対してその効力を
生じる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
21
第1編 商法
重要度 B
正解 (1)
知識型
⑴ 誤 民法上は,本人の死亡も代理権の消滅事由になっているが,本人の死
亡は,支配人の代理権の消滅事由ではない(商 506)
。支配人の代理権は,
「商
行為の委任による代理権」であり,この代理権は本人よりも営業に直結してい
ること,企業取引における取引の迅速・安全にかんがみ,民法 111 条1項1号
の例外を認めたものである。したがって,支配人は当然に相続人の支配人とな
る。
⑵ 正 商業使用人である支配人と,取締役の職務執行を監査する監査役(381
Ⅰ前段)とを兼任することは,その性質上,監査を骨抜きにするため,兼任は
禁止されている(335Ⅱ)
。
⑶ 正 支配人は,商人の許可がなければ,①自ら営業をすること,②自己又
は第三者のために商人の営業の部類に属する取引をすること,③他の商人又は
会社若しくは外国会社の使用人となること,④会社の取締役,執行役又は業務
を執行する社員となることができない(商 23Ⅰ,精力分散防止義務)
。支配人
は広範囲な権限を有し(商 21Ⅰ)
,かつ重大な任務を負っているため,精力の
分散を防止し,商人の営業に専念させるためである。
⑷ 平成 17 年商法改正により削除。
⑸ 正 支配人はその個人的手腕を期待されて選任されるため,自然人でなけ
ればならない(通説)
。しかし,支配人は代理人であることから,意思能力を
有していれば制限行為能力者でも差し支えない(民 102)
。商人が制限行為能
力者をあえて選任する以上,これを制限する理由はないからである。
〈成立しなくなった肢〉
⑷ 平成 17 年商法改正により,共同支配人の制度は廃止された。したがって,
不成立となる肢とした。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・68 頁以下,SⅠ・総則商行為・92 頁以下参照。
22
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商法総則
商業使用人
1d−3(8−33)
支配人に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか(取締役会設置会社以外
の株式会社,監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は考慮しないものとす
る)
。
(改)
⑴ 株式会社が支配人を選任するには,取締役会の決議がなければならない。
⑵ 支配人は,使用人を解任することができる。
⑶ 平成 17 年商法改正により削除。
⑷ 支配人は,商人の許可なくして,他の商人の支配人以外の使用人となるこ
とができる。
⑸ 支店の事業の主任者たることを示すべき名称を付した使用人が,その支店
の事業に関して行った裁判外の行為の効果は,相手方が悪意の場合を除き会
社に帰属する。
〈成立しなくなった肢〉
⑶ 営業主が,数人の支配人が共同して代理権を行使すべき旨を定めた場合に
おいて,支配人の 1 人に対してした意思表示は,営業主に対して効力を生ずる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
23
第1編 商法
重要度 B
正解 (4)
知識型
⑴ 正 取締役会設置会社において,支配人を選任する場合,実際に被選任者
と任用契約を締結するのは代表機関たる代表取締役である。しかし,監査等委
員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社は,支配人の
選任に関する事項を取締役に委任することができず,取締役会の決議によらね
ばならない(362Ⅳ③・399 の 13Ⅴ・Ⅵ・Ⅳ③参照・416Ⅳ参照)
。支配人の選任
が取締役会の専属的決議事項であることを明確にし,代表取締役に権限が集中
することを防止する趣旨である。なお,取締役会設置会社以外の株式会社にお
いては,取締役が選任する(348Ⅲ①)
。
⑵ 正 支配人は,他の使用人を選任又は解任することができる(商 21Ⅱ)
。
支配人は,商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を
なす権限を有するから(商 21Ⅰ)
,本条は当然のことを定めたものである。
⑶ 平成 17 年商法改正により削除。
⑷ 誤 支配人は,商人の許可がなければ,営業をし,自己又は第三者のため
にその商人の営業の部類に属する取引をし,他の商人,会社若しくは外国会社
の使用人,会社の取締役,執行役又は業務を執行する社員となることができな
い(商 23Ⅰ,精力分散防止義務)
。支配人は広範な権限を有し(商 21Ⅰ)
,か
つ重大な任務を負っているので,精力の分散を防止し,商人の営業に専念させ
るためである。
⑸ 正 本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人
(表見支配人)は,相手方が悪意の場合を除き,裁判外の行為について,その
本店又は支店の支配人と同一の権限を有するものとみなされる
(13)
。すなわち,
表見支配人がその本店又は支店の事業に関して行った裁判外の行為の効果は,
相手方が悪意の場合を除き,会社に帰属する。支配人であるかのような外観を
信頼して取引した第三者を保護し,取引の安全を図る趣旨である。
〈成立しなくなった肢〉
⑶ 平成 17 年商法改正により,共同支配人の制度は廃止された。したがって,
不成立となる肢とした。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・68 頁以下,SⅠ・総則商行為・92 頁以下参照。
24
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商法総則
商業使用人
1d−4(14−27)
支配人に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(改)
⑴ 支配人は,商人に代わって,その営業に属する裁判外の行為をすることは
できるが,裁判上の行為をすることはできない。
⑵ 平成 17 年商法改正により削除。
⑶ 支配人の代理権の範囲を特定の相手方との取引に制限することはできるが,
この制限は,登記をしなければ,第三者に対抗することはできない。
⑷ 会社の支配人は,会社の許可がなければ,他の会社の無限責任社員となる
ことはできないが,会社の許可がなくても,他の会社の有限責任社員となる
ことはできる。
⑸ 株式会社の支配人は,その会社の監査役を兼ねることはできないが,その
子会社の監査役を兼ねることはできる。
〈成立しなくなった肢〉
⑵ 数人の支配人が共同して代理権を行使すべき旨を定めることはできるが,
この定めをしても,支配人の一人に対してした意思表示は,営業主に対して
効力を生ずる。
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
25
第1編 商法
重要度 B
正解 (5)
知識型
⑴ 誤 支配人は,商人に代わって,その営業に属する一切の裁判上又は裁判
外の行為をする権限を有する(商 21Ⅰ)
。
⑵ 平成 17 年商法改正により削除。
⑶ 誤 支配人の代理権の内容は法定されており(商 21Ⅰ)
,この代理権に制
限を加えても,その制限をもって善意の第三者に対抗することはできない(商
21Ⅲ)
。なぜなら,その制限をもって対抗できるものとすれば,商法 21 条1項
の法定範囲を信頼する第三者の利益が,商人と支配人間の内部的な事情によっ
て害される結果となるからである。そして,代理権の制限について登記しても,
善意の第三者に対抗できないことに変わりない。代理権の制限は登記事項では
ないから,登記しても登記の効力は生じない。
⑷ 誤 会社の支配人は,会社の許可を受けなければ,他の会社の「業務を執
行する社員」となることはできず(12Ⅰ④,精力分散防止義務)
,社員の責任
の違いでなく,業務執行権の有無で区別される。そして,持分会社において,
業務執行は原則として各社員がこれに当たることになり(590Ⅰ)
,無限責任社
員のみならず,有限責任社員も原則として業務執行権を有する。そのため,会
社の支配人は,業務執行権を有していない無限責任社員であれば,会社の許可
を受けなくてもなることができ,逆に有限責任社員であっても業務執行権を有
していれば,会社の許可を要することになる。
⑸ 正 株式会社の支配人は,その会社の監査役を兼ねることはできない(335
Ⅱ)
。監査をする者(監査役)と監査をされる者(支配人)とが同一人であると,
監査が無意味となるからである。これに対し,株式会社の支配人は,その子会
社の監査役を兼ねることはできる。子会社の監査役の監査権限は親会社には及
ばないため,兼任禁止の趣旨に反しないからである。
〈成立しなくなった肢〉
⑵ 平成 17 年商法改正により,共同支配人の制度は廃止された。したがって,
不成立となる肢とした。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・68 頁以下,SⅠ・総則商行為・92 頁以下参照。
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2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
第1章 商法総則
商業使用人
商法総則
1d−5(24−35)
商業使用人に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤ってい
るものの組合せは,後記⑴から⑸までのうちどれか。
ア 支配人の行為が支配人が代理権を有する商人の営業に関する行為に当たる
かどうかは,当該支配人の行為の性質・種類等を勘案し,客観的・抽象的に
観察して決すべきである。
イ 小商人でない商人は,その支配人の代理権が消滅したときは,その登記の
後でなければ,これをもって善意の第三者に対抗することができない。
ウ 支配人が商人の許可を受けずに自己又は第三者のためにその商人の営業の
部類に属する取引をしたときは,当該取引によって自己又は第三者が得た利
益の額は,商人に生じた損害の額と推定される。
エ 物品の販売を目的とする店舗の使用人は,その店舗に在る物品の販売に関
する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
オ 商人の営業に関する特定の事項の委任を受けた使用人の代理権に制限を加
えたときは,当該商人は,その登記をしなければならない。
⑴ アウ ⑵ アエ ⑶ イウ ⑷ イオ ⑸ エオ
学習
記録
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
27
第1編 商法
重要度 B
知識型
正解 (5)
ア 正 支配人の代理権とは,商人の営業又は事業に関する行為の代理権であ
り,商人の営業又は事業に関する行為に当たるかどうかについては,支配人の
主観的事情ではなく,行為の性質や種類等から客観的・抽象的に判断すべきで
ある(最判昭 54.5.1)
。
イ 正 商人が支配人を選任したときや,支配人の代理権が消滅したときは,
その登記をしなければならない(商 22)
。そして,支配人の選任や代理権の消
滅は,登記の後でなければ,これをもって善意の第三者に対抗することができ
ない(商9Ⅰ前段)
。
ウ 正 支配人は,商人の許可を受けなければ,自己又は第三者のためにその
商人の営業の部類に属する取引をしてはならない(商 23Ⅰ②)
。そして,当該
取引によって支配人又は第三者が得た利益の額は,商人に生じた損害の額と推
定される(商 23Ⅱ)
。
エ 誤 物品の販売等を目的とする店舗の使用人は,相手方が悪意の場合を除
き,その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなされるが(商
26)
,支配人と異なり,商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁
判外の行為をする権限を有するわけではない(商 21Ⅰ参照)
。
オ 誤 商人の営業に関する特定の事項の委任を受けた使用人は,当該事項に
関する一切の裁判外の行為をする権限を有する(商 25Ⅰ)
。そして,当該使用
人の代理権に制限を加えることはできるが(商 25Ⅱ)
,当該制限は登記事項と
されていない(商登規別表第1・第4参照)
。
以上から,誤っているものはエオであり,正解は⑸となる。
《参考文献》
弥永・商法総則・商行為・68 頁以下,SⅠ・総則商行為・92 頁以下参照。
28
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集
会社法・商法
《主要参考文献一覧》
*「ジュリスト」
(有斐閣)
*「判例時報」
(判例時報社)
(有斐閣)
*「重要判例解説」
[法律時報別冊]私法判例リマークス」
(日本評論社)
*「
『略記』
『ジュリ』
『判時』
『重判』
『リマークス』
商法総則・商行為
*服部榮三 = 星川長七 編「基本法コンメンタール商法総則・商行為法〔第4版〕」
(日本評論社)
『コンメ・総則・商行為』
」
(有斐閣)
*江頭憲治郎 = 山下友信 編「商法(総則・商行為)判例百選〔第5版〕
『商法百選』
*近藤光男 著「商法総則・商行為法〔第5版補訂版〕
」
(有斐閣法律学叢書)『近藤』
」
(弘文堂)
『鈴木』
*鈴木竹雄 著「商行為法・保険法・海商法〔全訂第二版〕
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(有斐閣)
*弥永真生 著「リーガルマインド商法総則・商行為法〔第2版〕
『弥永・商法総則・商行為』
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(新世社)
『田辺』
*田邊光政 著「商法総則・商行為法〔第三版〕
」
*落合誠一 = 大塚龍児 = 山下友信 著「商法Ⅰ―総則・商行為〔第5版〕
『SⅠ・総則商行為』
(有斐閣Sシリーズ)
会社法
*江頭憲治郎 = 岩原紳作 = 神作裕之 = 藤田友敬 編「会社法判例百選〔第2版〕」
(有斐閣)
『会社法百選』
『田邊』
」
(税務経理協会)
*田邊光政 著「会社法要説〔新版〕
『前田・会社法入門』
*前田庸 著「会社法入門〔第 12 版〕
」
(有斐閣)
*宮島司 著「新会社法エッセンス〔第3版補正版〕
」
(弘文堂)
『宮島』
」
(有斐閣) 『弥永・会社法』
*弥永真生 著「リーガルマインド会社法〔第 13 版〕
『神田』
*神田秀樹 著「会社法〔第 14 版〕
」
(弘文堂)
*江頭憲治郎 著「株式会社法〔第5版〕
」
(有斐閣)
『江頭・株式会社法』
『鈴木・会社法』
」
(弘文堂)
*鈴木竹雄 著「新版会社法〔全訂第5版〕
*落合誠一 = 神田秀樹 = 近藤光男 著「商法Ⅱ−会社〔第7版〕
」
(有斐閣Sシリーズ)
『SⅡ』
『近藤・会社法』
」
(中央経済社)
*近藤光男 著「最新株式会社法〔第7版〕
*末永敏和編著・中村美紀子 = 長坂守 著「テキストブック会社法」
(中央経済社)
『テキストブック』
」
(商事法務)
*長島・大野・常松法律事務所 編「アドバンス新会社法〔第3版〕
『アドバンス』
*相沢哲 編著「立案担当者による新・会社法の解説」
(商事法務) 『会社法の解説』
(商事法務) 『郡谷・会社法』
*郡谷大輔 編著「中小会社・有限会社の新・会社法」
*相沢哲 = 郡谷大輔 = 葉玉匡美 編著「論点解説 新・会社法 千問の道標」
(商事法務)
『会社千問』
」
(ダイヤモンド社)
『100 問』
*葉玉匡美 編著「新・会社法 100 問[第2版]
843
2016年版 司法書士試験 合格ゾーン
択一式過去問題集 会社法・商法
1989年10月15日 第 1 版 第 1 刷発行
2015年10月30日 第20版 第 1 刷発行
編著者 ● 株式会社 東京リーガルマインド
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択一式
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司法書士試験
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会社法・商法
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35年分(昭和56年∼平成27年)の
本試験問題を収録!