Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016

Windows® 10 IoT Enterprise LTSB 2016
セットアップ手順書
はじめに
本製品は、製品添付の「Windowsライセンス使用許諾(MICROSOFT SOFTWARE LICENSE
TERM)」の内容に同意いただける場合に限り、ご使用になれます。
本書では、製品開封後に行っていただくWindowsのセットアップについて説明します。
以下のOSセットアップ手順について説明します。

Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016
Windowsのセットアップ
Windowsのセットアップは対話的に実行されます。セットアップ画面の指示に従って、
セットアップを行ってください。
注意
・ セットアップ作業中の画面切り替えには、少し時間がかかることがあります。これは、PC
内部でいろいろな設定が処理されているためです。画面に何も表示されない状態で遷移し
ている場合もありますので、キーボードや、マウスの操作、電源オフ操作を行わないでく
ださい。
・ セットアップ作業中は、絶対にパソコンの電源をOFFしないでください。セットアップが
終わる前にパソコンの電源をOFFすると、Windowsシステムの破損の原因になります。
・ OSプレインストールモデルに搭載しておりますCFastはGPT形式でフォーマットを行ってお
り、OS領域はNTFSで領域確保しております。
・ ディスプレイドライバ、LANドライバ、オーディオドライバ等は、既に組み込まれていま
す。ただし、ネットワークの設定は別途必要となりますので、接続先ネットワークのシス
テム管理者にご相談ください。
・ 本手順書中に使用している会社名および製品名は、一般に各社の商標または登録商標で
す。
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Windows 10セットアップ手順書
キーボード、マウス、ディスプレイが接続されていることを確認します。Windowsセットアッ
プが終了するまで、他のデバイス等は接続しないでください。機器を接続したらディスプレイ
およびPC本体の電源をONしてください。
Windowsのセットアップが起動するまでしばらくお待ちください。
起動後は、表示画面の指示に従ってセットアップを行ってください。
1.
Windowsの言語選択画面が起動します。
使用する言語を選択してください。
選択した言語表示に切り替わります。
提供するOSは英日中韓の4言語をサ
ポートしています。言語の確定は
Windowsのセットアップ時の言語選
択で決定します。
使用する言語を変更する場合は、
OSリカバリを行って言語選択(変更)
を行います。
2.
英語
日本語
中国語
韓国語
※ 以降の手順は、日本語を例に説明します。
使用する地域・言語等を選択してください。
次へ(N) をクリックしてください。
※ タイムゾーンはデフォルトで、UTCを日本国に設
定しています。
3.
ライセンスに関する文書です。
承諾する(A) をクリックしてください。
2
Windows 10セットアップ手順書
4.
OSの動作に関する設定です。
簡単設定を使う(E) をクリックしてください。
5.
「もう少しで完了します」を表示し、
数回の再起動が行われます。
6.
ユーザー名:Administrator
パスワード:Administrator
で、自動ログインします。
7.
Windowsのセットアップが完了すると、以下のメッ
セージが表示されます。メッセージが表示されまで
は、操作は行わないでください。
※ デスクトップ起動後にネットワーク設定を行うため、コマンドプ
ロンプトが動作し、数回再起動が行われます。
なお、設定には数分時間を要します。
注意
・ 本製品では、Windowsプロダクトキーを入力する必要はありません。
・ Windowsのライセンス認証(アクティベーション)は、インターネットに接続された時点で認
証が実施されます。ライセンス認証を行わなくてもOSの機能制限はありません。
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Windows 10セットアップ手順書
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016の出荷時
設定について
◆コミュニケーションポート割り付けについて
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016プレインストールモデルでは、PC本体の表記とOS認識状
態は下記になります。
本体 LAN
A
B
OS (Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016)の LAN
イーサネット
イーサネット 2
本体 Serial
A
B
OS (Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016)の Serial
COM1
COM2
◆ページファイルについて
仮想メモリで使用するページファイルのサイズを出荷時
設定はゼロに設定しています。
◆システムエラーについて
出荷時、システムエラーが発生したときは「自動的に再起
動する」、「デバッグ情報は書き込まない」で設定してい
ます。
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Windows 10セットアップ手順書
◆EventLogサービスについて
出荷時、Event Log サービスは無効となっています。
開始させる場合は以下の手順になります。
① 【スタート】-【コントロール パネル】-【システムとセキュリティ】-【管理ツール】【サービス】を起動します。
② 「Windows Event Log」をダブルクリックして、「スタートアップの種類」を「無効」から
「開始」に変更しOSを再起動します。
◆画面の設定
Windows標準の「画面の解像度」設定ツールをご使用いただく以外にOSプリインストールされ
ているメーカー製のグラフィック専用設定ツールをご使用願います。メーカー製グラフィック
ツールの起動方法は以下になります。
「コントロールパネル」→「すべてのコントロールパネル項目」→「インテル® HD Graphics」
または、デスクトップ上の「インテル® HD Graphics」を起動して設定します。
◆電源オプションの設定
出荷時は、電源設定は一定時間が経過してもディスプレイの電源が切れない、PCがスリープ状
態に入らないで設定しています。
◆ユーザー名およびパスワード
出荷時は自動ログオンとなっておりますが、ユーザー名およびパスワードの入力が必要な場
合、以下のように入力してください。
ユーザー名:
パスワード:
Administrator
Administrator
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Windows 10セットアップ手順書
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016の注意事
項について
◆ご購入後のプロトコルやサービスの追加について
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016は、組み込み用途向けのOSです。
本来は、お客様のシステム構成、必要なサービスやデバイス、各種プロパティなどを確認の
上、お客様のご要望に合うようにカスタマイズを行い、OSを構築します。
しかしながら、プレインストールモデルのWindows 10 IoT Enterprise LTSB 2016では、お客様の
システム構成どおりにカスタマイズを行うのではなく、あらかじめ決められた構成に基づき、
カスタマイズを行いOSの構築を行っております。
さらに、ライセンスの関係上、Windows 10インストールDVD-ROMは提供しておりません。
上記のことから、プレインストールモデルのWindows 10 IoT Enterprise LTSB 2016をご購入後
に、Windows 10インストールDVD-ROMが要求されるサービスやプロトコル、その他の機能を
追加することはできません。
Q1 プレインストールに含まれていない機能には何がありますか?
A1 含まれていない機能の一例は以下のとおりです。これらの機能はお客様で追加するこ
とが行えません。
・Windowsシステムアプリ
Microsoft Edge, ストア, Cortana
デフラグ, システムの復元
・Windowsユニバーサルアプリ
メール, カレンダー, OneNote, 天気, ニュース,
スポーツ, マネー, フォト, カメラ, ミュージックなど
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016では、従来のEmbedded系Windowsでサポートされ
ていたHORM機能は、サポートされておりません。
また、本モデルで使用するOSライセンスは組み込み用途向けのため、アプリケーショ
ン開発には別途開発マシンをご用意ください。
お客様のアプリケーションやI/Fボードのデバイスドライバの追加など、Windows 10インストー
ルDVDを必要としない場合は、追加していただくことが可能です。
Q2 プリンタドライバを追加インストールすることは可能ですか?
A2 インストール可能です。
ただし、プリンタドライバは含まれておりませんので、プリンタメーカーが提供する
ドライバを使用してインストールしてください。
また、お客様の環境に合うように各種プロパティを変更することも可能です。
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Windows 10セットアップ手順書
◆Adobe Flash Playerについて
当社出荷時は、Adobe Flash Playerは使用できない設定としています。
ご使用になられる場合は、Adobe社もしくはAdobe社のパートナーからライセンスを受ける必要
があります。
ライセンス受諾を受けた後、グループポリシー
設定変更を行います。
「ユーザーの構成」→「管理用テンプレート」→
「コンポーネント」→「Internet Explorer」→
「セキュリティの機能」→「アドオン管理」にあ
る「Internet ExplorerでAdobe Flashをオフにし、ア
プリケーションが……」の無効設定を未構成に変
更を行います。
◆Windows Update機能について
Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016では、更新とセキュリティのサービスよ
り修正プログラム(QFE)をインストールすることができます。
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Windows 10セットアップ手順書
◆Unified Write Filter 機能について
Unified Write Filter(以降UWF)は従来のEWF機能、FBWF機能とRegistryフィルタ機能を統合した
新しいライトフィルタです。OS/アプリケーションからのDISKへの書き込みをオーバーレイに
リダイレクトすることによりDISKへの書き込みを抑止しています。
・ シャットダウン処理を行わずに電源をOFFした場合、UWF機能が有効でないドライブへの
書き込み中のデータは保証されません。
・ UWF機能が有効なドライブへの書き込みは行いません。ソフトウェアのアップデートやデ
ータの追加、設定変更を行う場合は、UWF機能を無効にしてから行ってください。また、
シャットダウン処理を行っても、メモリに書き込まれた内容をディスクへ書き戻しは行い
ません。
・ UWFによってメモリへ書き込まれたデータは、シャットダウンまたは再起動されると消去
されます。
UWFが有効になっているとき、ドライブへの書き込みは制限されますのでドライブの寿命を延
ばすことができます。
[ UWF機能のイメージ ]
[ 通常のイメージ ]
OS
OS
ファイル入出力
ファイル入出力
Cドライブ
Unified Write Filter
無
効
Cドライブ
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有
効
メモリ
Windows 10セットアップ手順書
■使用方法について
CONTEC Manager (CONTECManager.exe)
当社提供のGUIアプリケーションがプレインストールされています。
タスクトレイに登録されている「 」アイコンのプロパティメニューから簡単にUWF機
能の設定変更ができます。下記の手順でアプリケーションを起動することもできます。
その他の機能についてはヘルプファイルをご確認願います。
【スタート】-【CONTEC】-【CONTEC Manager】を実行します
(補足説明)
UWF機能の設定状態によってアイコンの表示が変わります。
:UWF機能無効時「赤マーク」(出荷時状態)
:UWF機能有効時「青マーク」
UWF マネージャ(uwfmgr.exe)
マイクロソフト社提供のコンソールアプリケーションがインストールされています。
コマンドプロンプト(管理者権限)にコマンド“uwfmgr”を入力して操作します。
・現在の状態を確認するには“uwfmgr get-config”
・フィルタ保護を設定するドライブを指定するには“uwfmgr volume protect c:”
・保護ドライブにUWF機能を有効設定するには“uwfmgr filter enable”
再起動後に、システム領域CドライブにUWF機能が適用されます。
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Windows 10セットアップ手順書
コマンド入力
状態を確認
状態を確認
項目
表示
意味
保護
プロテクト設定有効
ボリュームの状態
Un-protected
プロテクト設定無効
オン
UWF有効
フィルタの状態
オフ
UWF無効
「ボリューム状態:保護,フィルタ状態:オン」設定でUWF機能が働きます。
はスペースを示します。
(使い方)
保護するドライブを指定
>uwfmgr□volume□protect□c:
保護したドライブにUWF機能オン
>uwfmgr□filter□enable
保護したドライブにUWF機能オフ
>uwfmgr□filter□disable
保護するドライブを指定解除
>uwfmgr□volume□unprotect□c:
現在の状態を見る
>uwfmgr□get-config
一般的な使い方(CドライブにUWF機能を設定)は
① uwfmgr□volume□protect□c:
② uwfmgr□filter□enable
③ PC再起動後に設定が有効
保護するドライブの指定解除(volume□unprotect)設定は不要ですので、
filter□enable / filter□disable 設定を行うことで、保護したドライブにUWF機能オ
ン/オフを設定することができます。設定は再起動後に有効となります。
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Windows 10セットアップ手順書
■注意事項について
このモデルで採用しているUWFは、すべての構成に適しているわけではありません。特に”保
護されたDISKに対してOS/アプリから大量の書き込み要求が発生する構成”には不向きです。
このような環境下では頻繁にWindowsの再起動が必要となります。
以降で説明する内容は、Windows 10 IoT Enterprise LTSB 2016におけるUWF機能の仕様上の制限
となりますので、十分にご理解の上ご利用ください。
1. リムーバブルメディア(USBメモリ等)を保護対象とすることはできません。
2. 保護除外のフォルダ、ファイルを保護対象の領域に移動することはできません。
「ごみ箱」が保護対象である場合、エクスプローラは対象ファイルを一旦ゴミ箱へ移動さ
せるため削除エラーとなります。この場合は、Shift+Delを使ってゴミ箱を経由しない削除
を行います。
3. File Exclusion, Registry Exclusionの機能は、FAT/NTFSボリュームのみで使用可能です。
exFatなどのボリュームはUWFで保護は可能ですが、保護除外の機能は利用できません。
4. UWFはNTFSをサポートしていますがUWFのサービスが起動するまでの間、NTFSのジャー
ナルファイルが記録されるため、起動時にDISKへの書き込みが発生します。
5. UWFはHiddenパーティションを保護できません。
6. UWFをEnableにして最初に起動すると、UWFのパフォーマンス向上のためいくつかの
Windows機能の設定が変更されます。詳細は以下リンク先の技術情報を確認ください。
UWFについての詳細はマイクロソフト技術情報を参照ください。
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/hardware/mt572001(v=vs.85).aspx
7. UWFオーバーレイ領域は、初期では最大サイズ1024MBとなります。
8. UWFオーバーレイ領域の現在の使用状況は、下記コマンドで確認できます。
>uwfmgr.exe overlay get-consumption
UWFオーバーレイ領域を最大サイズまで枯渇させることがないようにシステム運用が必要で
す。
UWFオーバーレイ領域の最大サイズを超過して利用した場合、システムメモリが消費され、
お客様がご利用になるアプリケーションソフトウェアだけでなく、Windows動作に影響を及ぼ
しますので、システム用途にあわせてWindowsの再起動を行い、UWFオーバーレイ領域を解放
する必要があります。
完全な対策はありませんが、以下の対策が有効です。
・ 書き込み保護されたボリュームに極力書き込まない。
・ ログファイルなどの書き込みを行う場合は、書き込み保護されていないボリューム
(別のドライブ:USBメモリや、ネットワークストレージなど)に変更する。
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Windows 10セットアップ手順書
発行
株式会社コンテック
2016年12月制定
大阪市西淀川区姫里3-9-31 〒555-0025
日本語 http://www.contec.co.jp/
NA05421 (LYUQ411)
英語
http://www.contec.com/
[12262016]
中国語 http://www.contec.com.cn/
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