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永 谷 園 グ ル ー プ
環境・社会報告書
2 0 1 6
味ひとすじ、おいしさが広がる
トップメッセージ
創意と工夫で社会に貢献することが使命です
「創意と工夫で、
おいしく便利な商品を生み出し、
社会に貢献したい」
。
創業者永谷嘉男のこの精神を受け継ぎ60年余が経ちました。
企業30年論からするとすで
に2サイクルを終え、
これからのサイクルでは新しい文化にチャレンジすべきと考えていま
す。
その一環として、企業としての価値を大きく向上させるべく昨年10月より持株会社制
へ移行しました。この大きな目的は、
「永谷園ブランド」と「グループ会社の経営資源」を大
いに活用して成長性を高め、
企業としての価値を大きく向上させていくことにあります。
お取引先をはじめとするステークホルダーの皆さまにお会いする機会が増える中で私が
強く感じていることがあります。
それは創業以来、
「味ひとすじ」
の企業理念のもと、
私たちが
使命とする創業時の基本精神を忘れずに提供させていただいている商品・サービスに対する
皆さまからの厚い信頼です。
これほどの励みはなく、
創業以来の歴史の重みを私たちの一番の財産として、
次の世代に
着実に継承しなければと思います。
同時に、
企業を取り巻く環境が大きく変化する中、
社会か
らの期待に応えるためには自ら変革に挑戦することが大切だと考えています。
この必要性を
説き、
グループをひとつのベクトルに束ねていくのも社長としての重要な役割です。
安全で安心な商品を安定的にお届けいたします
責任を持って成長・発展することが求められます。会社
企業は社会の変化に対応しながら、
を代表する立場として、
永谷園グループという企業に課せられた社会的責任の重さを実感し
ています。
食品企業である私たちが考える社会的責任は、
安全で安心な商品を安定的にお届けすること
だと思います。
そのため永谷園グループでは、
原料段階から安全を確認する独自の品質保証
システム
「NAFSAS
(ナフサス)
」
を構築し、
グループ全体で管理・運営を行っています。
また、
「お客様相談室」
に寄せられたお客さまからのお問い合わせ・ご意見は、
当社への信頼を高め
る貴重な情報として事業に反映させています。
今後も、
より一層安全で安心な商品を提供で
きるように努めてまいります。
「日本になくてはならない会社」
を目指します
私の思い描いている企業像はとても明快です。それは「日本になくてはならない会社」で
あり続けることです。
この理想像の追求こそが私たちの存在価値であると考えています。
そのための取組みとして挙げられるのは、
各グループ企業がそれぞれの持ち味を活かし、
社会から必要とされる商品・サービスを、
きちんとしたかたちでお客さまにお届けすること
です。
さらに、
食生活の充実に貢献できる価値創造型の新商品を開発するという使命もあり
ますし、環境に配慮した生産体制の推進や従業員に
とって働きやすい職場づくり、事業所周辺でのコミュ
ニティ活動もあります。
私たちが携わる食品事業は、幸せで豊かな社会づく
りへ貢献する手応えを直に実感できる仕事です。この
ような幸せな環境で働いているのですから、ステーク
ホルダーの皆さまから「永谷園グループが、あって良
かった」
と言われるような仕事に、
今後も誇りを持って
取り組んでいきたいと思います。
株式会社 永谷園ホールディングス 代表取締役社長
永谷園グループ
1 環境・社会報告書2016
CONTENTS
1
トップメッセージ
3
特集
2
目次/編集方針
マネジメント体制
4
5
6
CSR
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンス
社会の中で
7
安全・安心への取組み、品質管理
9
お客さまとの関係
12
従業員との関係
11
13
株主さまとの関係・情報コミュニケーション
社会貢献
地球環境のために
14
環境基本方針/推進体制
16
2015年度取組み状況
18
地球温暖化防止への取組み
15
17
19
20
環境マネジメント
環境負荷の分析
容器包装での取組み
水使用量削減への取組み/廃棄物削減への取組み
21
オフィスでの取組み
23
会社概要/業績の概要
22
環境会計/編集後記
編集方針
本報告書は、永谷園グループを支えてくださる皆さま
(お客さ
報告対象組織
ま、お取引先さま、株主さまなどの方々およびグループ従業員)
と
本報告書は、永谷園グループ
(株式会社永谷園ホールディングス
のかかわりを、より深くすることを目的として作成しました。
および国内グループ会社10社)を報告対象としています。なお、
本報告書では、永谷園グループをよりご理解いただくために、
株式会社永谷園ホールディングスおよび株式会社永谷園の取組
永谷園グループが2015年度に取り組んだ環境保全活動内容や企
みは、
「永谷園」
または事業所名のみで報告しています。
業活動内容を広く紹介しています。
なお、本報告書の作成に際しては、環境省
「環境報告ガイドライ
環境パフォーマンス対象組織
ン
(2012年版)
」
および
「環境会計ガイドライン
(2005年版)
」
を参
(株)
永谷園ホールディングス、
(株)
永谷園
(茨城工場、岡山工場)
、
考にしました。
(株)
サンフレックス永谷園
(本社工場、鹿島工場、泉工場、宮下工
場、遠野工場、林ノ上工場、高坂製袋工場、大原工場、愛宕工場)
、
報告対象期間
(株)
オクトス、
(株)
ニシエイ
(加工工場、海苔工場)
、
(株)
花笠食品
2015年4月〜2016年3月
※CO2排出量は、上記対象組織のほか、
(株)
永谷園全事業所、藤原製麺
(株)
(第1工場、
第2工場、第5工場、第6工場)
が対象となっています。
※一部、当該期間外における取組みが含まれています。
※OA紙使用枚数は、上記対象組織のほか、
(株)
永谷園全事業所が対象となっています。
発行年月
2016年11月
環境会計対象組織
次回発行予定
(株)
永谷園ホールディングス、
(株)
永谷園
(本社、技術開発セン
ター、茨城工場、岡山工場)
、
(株)
サンフレックス永谷園
(本社工場、
2017年11月
鹿島工場、泉工場、宮下工場、遠野工場、林ノ上工場、高坂製袋工場、
大原工場、愛宕工場、総務部)
、
(株)
オクトス、
(株)
ニシエイ
(加工
工場、海苔工場)
、
(株)
花笠食品
永谷園グループ
2 環境・社会報告書2016
特集
「かにのちから みそ汁」が
食品ヒット大賞「優秀ヒット賞」
を
受賞しました。
2015年11月に発表された「平成27年度(第34回)食品ヒット大賞」において、
(株)永谷園が2015年9月に発売した
「かにのちから みそ汁」
が
「優秀ヒット賞」
を
受賞しました。
「食品ヒット大賞」は、食品業界紙の日本食糧新聞社によって制定された賞であ
り、
毎年1回、
食品業界で最もヒットした商品を全国のモニター企業の推薦によって
選考し、
表彰しています。
(株)
永谷園はこれまでに
「食品ヒット大賞」
1回、
「優秀ヒッ
ト賞」
17回
(今回を含む)
「
、ロングセラー賞」
4回と数多くの賞をいただいています。
は、
グルコサミン※の健康感と、
かにの風味が効いた味わ
「かにのちから みそ汁」
いが好評で、発売直後から目標を大きく上回る売上を記録し、今回の受賞に至り
ました。
かにのちから みそ汁
●発売日:2015年9月7日 ●内容量:3食入
●希望小売価格:122円
(税抜)
●発売地区:全国
「かにのちから みそ汁」は、食材の持つ健康感に着目した「ちからシリーズ」の
即席みそ汁です。
グルコサミンを1杯に350mg含み、
若々しく活動したい人、
丈夫
な身体でいたい人、
スポーツを楽しみたい人におすすめです。
※グルコサミン:動物の皮膚や軟骨を構成する成分で、
私たちの毎日の歩みをサポートします。かになど甲
殻類の殻に多く含まれるため普段の食事からはなか
なか摂りづらい成分です。
●その他の「ちからシリーズ」
※主な商品を掲載しています。
1杯でしじみ70個分のちからシリーズ
たまねぎのちから
煮干しのちから
1杯でごぼう1/3本分のちから
【企業理念】
「味ひとすじ」とは、
1.創意と工夫で商品・サービスを常に考え、創り出すこと
2.お客様に実感、満足していただく「おいしさ」
を提供し続けること
3.食を通じて幸せで豊かな社会づくりに貢献していくこと
永谷園グループ
3 環境・社会報告書2016
アボカドのちから
安
マネジメント体制/CSR
ステークホルダーの視点に立った
CSR活動に取り組みます。
心な
物作りこそ
永谷園
(株)花笠食品
[生産部]佐
藤
利恵
永谷園グループのCSR
永谷園グループでは、
日頃から大切にしている
「正しく、
正直に、
客満足」
、基盤整備に力を注いできた
「コンプライアンス」
や
「環境
そしてまじめに」
という考え方を、従業員がもう一度、強く認識す
問題への対応」
など、常日頃から取り組んできたことです。これら
ることが
「CSR」の取組みの基本であると考えています。そして、
の取組みテーマや、今後さらに注力すべきテーマを明確にするた
本業を通して社会や環境に対し一定の役割や責任を果たしてい
め、2006年に
「CSRの定義」
および
「個別の取組みテーマ」
を定め
くことで、ステークホルダーを含む社会全体との信頼関係を築く
ました。
ことが重要だと考えています。
今、永谷園グループにできることを、着実に成果として積み重
永谷園グループのCSR活動は、決して新しい取組みということ
ねていきたいと考えています。
ではありません。長年取り組んできた
「品質の安全・安心」
や
「顧
これまで
生命線として
取り組んできた
テ
マ
テーマ
品質・商品安全
顧客満足
これからさらに
意識して
組む
取り組む
ーマ
テーマ
永谷園グループ
CSRの定義
CSRとは、企業が経済・環境・
個人顧客情報の
保護
社会などの幅広い分野における
従業員満足、
人権、
雇用、
労働安全
様々なステークホルダーとの
信頼関係を構築し、
もって企業
コーポレート・
ガバナンス
取組みです。
社会貢献
責任を果たすことにより、
自身の持続的な発展を目指す
これまで
基盤整備に
注力してきた
テーマ
環境
境
コンプライアンス、
リスク管理
永谷園グループ
4 環境・社会報告書2016
大
マネジメント体制/コーポレート・ガバナンス
切な
人につながる
この作業
健全な企業として
発展するために。
(株)永谷園
[品質保証部
]菊池 祥子
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス体制
また、経営の円滑な意思決定機能を強化するため、各部門長
(株)
永谷園ホールディングスでは、戦略策定・業務監督
から取締役に対して、業務の執行状況を報告するための業
機能と、業務執行機能との分離を明確にするために、2002
務報告会を定期的に開催し、さらに、随時各部門長が企画提
年6月から
「執行役員制度」
を導入しており、現行の経営体制
案および情報提供を行うための会議を開催しています。
(2016年6月30日現在)
は取締役8名、執行役員7名
(取締役
経営のチェック機能については、
(株)
永谷園ホールディング
兼務者を除く)
、監査役4名
(社外監査役2名を含む)
となって
スでは従来から監査役制度を採用しており、監査役会による
います。なお、取締役の任期は1年となっています。執行役員
経営監視に務めています。監査役は、取締役会その他重要な会
は、取締役会で選任され、任期は1年となります。
議に出席するほか、
(株)
永谷園ホールディングスの業務や財
取締役会は、月1回の定期開催に加え、必要に応じて随時
産状況の調査はもとより、グループ会社の調査も積極的に実
迅速に開催し、法定事項のほか、特に重要な業務執行に関す
施しています。さらに、会計監査人との連携強化を図り業務執
る事項について取締役会規程にもとづき決議しています。
行の適法性、妥当性に関する監査体制の充実に努めています。
●コーポレート・ガバナンス体制
選任・解任
取締役会
意思決定・監督
株主総会
監査
選任・解任
監査
業務執行
各部門・グループ会社
監査
諮問・答申
指示・報告
監査役会
業務監査・会計監査
選任・解任
業務報告会
代表取締役社長
連携
会計監査人
コンプライアンス委員会
会計監査
連携
(
内部統制室
コンプライアンス委員会
事務局
(
内部監査・内部統制監査
内部統制体制の整備・運用
「会社法」
および
「金融商品取引法」
にもとづく内部統制の
ディングス・
(株)
永谷園に加え、一部
(株)
サンフレックス永
整備・運用・評価に関しては、社長が任命する内部統制推
谷園および藤原製麺
(株)
も対象とすることにより、内部統制
進者のもと、内部統制室や各部門長およびグループ会社の
体制の信頼性の向上を図っています。これらの結果、2014
内部統制責任者との連携、さらには必要な各会社・各部署
年度に引き続き、2015年度も、現時点で
「財務報告に大きな
に配置された内部統制管理者との協働により推進していま
影響を与える重大な不備・欠陥はない」
という評価です。
す。2015年度も、グループ会社10社に対して、
「全社的な内
2016年度も基本的には、2015年度同様の体制で臨みます
部統制」
と
「決算・財務報告プロセスに係る内部統制」
の整備
が、信頼性をより高めつつ、効率的な整備・運用が可能な内部
内容の充実を図り、チェックを行いました。また、
「業務プロ
統制の在り方を追求します。なお、2013年度に永谷園グルー
セスに係る内部統制」
と
「IT
(全般、業務処理)
統制」
の整備・
プに加わった(株)麦の穂ホールディングスや(株)麦の穂な
運用チェックは、重要な事業拠点である
(株)
永谷園ホール
ども内部統制体制のより一層の充実化を推進していきます。
永谷園グループ
5 環境・社会報告書2016
フ ードディフェンス
マネジメント体制/コンプライアンス
カメラじゃなく
て
心の目
正しく、
正直に、
そしてまじめに。
(株)永谷園
[生産本部]
増
田 尚弘
コンプライアンス
コンプライアンス体制
現在では、身近なことを題材にした話し合いのテーマも
永谷園グループでは、グループ全体のコンプライアンス
加わり、コンプライアンス担当者のもと、各部署・各会社10
担当取締役
(永谷園ホールディングス・専務取締役)
が委員
名程度の人数単位でコンプライアンスに関する話し合いが
長を務める
「コンプライアンス委員会」
を体制の中心におき、
行われており、従業員のコンプライアンス意識の向上に大
この委員会が基本的な枠組みを考え、
実行させる母体となっ
変役立っています。また、内部通報への対応も内部統制室の
てコンプライアンス経営の維持を図っています。具体的な活
業務であり、通報窓口の一つにもなっています。
動は、委員会の事務局である
「内部統制室」
と事務局から任
❷内部監査:近年各種の企業不祥事が後を絶たず、
「内部監
命された
「コンプライアンス担当者」
が担っています。コンプ
査」
の重要性が極めて高くなってきています。現在は年に5~
ライアンス担当者は、各部署・各会社ごとに任命されており、
6件の監査とほぼ同数のフォロー監査
(監査後、一定期間を経
現在は約50名が活動しています。
た時点で指摘事項の改善状況をチェックする監査)
、ならび
内部統制室は、社長直轄組織として、広い意味でのコンプ
にリスクの的を絞ったテーマ監査を実施しています。業務改
ライアンスにかかわる3つの業務を行っています。
善から小さなコンプライアンス違反の是正まで、いろいろな
❶コンプライアンス委員会の事務局:永谷園グループのコ
観点から経営をサポートする活動を行っています。
ンプライアンス体制の維持・強化を図るため、コンプライア
❸内部統制業務:
「会社法」
「金融商品取引法」
における内部
ンス担当者とともに各種のコンプライアンス活動を実施し
統制の整備・運用・評価業務を行っています。これは2008
ています。このなかでももっとも重視しているのが
「遵法週
年度から新たに加わった業務で、内部統制室長が
「内部統制
間活動」
です。これは、
全従業員に配付されている
「倫理綱要」
推進者」
を兼ねており、必要な各会社・部署に置かれている
を年に1回は皆で読み合わせをして確認し合いましょう、と
内部統制管理者と協働して、内部統制の整備・運用に関し
いう趣旨で始めたものです。
て管理しています。
●コンプライアンス体制
取締役会
監査役会
代表取締役社長
連携
コンプライアンス担当取締役
指示・報告
コンプライアンス委員会
伝達・報告・連絡
コンプライアンス上の調査等
各部門・グループ会社
コンプライアンス担当者
内部監査
・
改善報告
内部通報
・
相談
相談・通報窓口
「遵法週間活動」
永谷園グループ
内部統制室
(コンプライアンス委員会事務局)
(社内・社外)
6 環境・社会報告書2016
ま
社会の中で/安全・安心への取組み、品質管理
安心してお召し上がりいただける
安全な商品づくりに努めています。
だできる
安 全・安 心
日々確認
(株)永谷園ホ
ールディング
ス
[人事部]佐
藤 さとみ
「食品安全」への取組み
世界中の小売業や食品メーカーなど業種を超え協働
ノウハウを取り入れながら、永谷園グループの企業規模や
して 食 の 安 全に取り組 む 組 織 で あるGFSI
風土に適合させた形へと整備、運用しています。
安 全 向 上 の た めHACCP
※2
では、食 品
※1
管理を重要視した国際規格
(FSSC22000※3など)
の取得を推奨しています。
日本国内においても、TPP協定
(環太平洋戦略的経済連携
協定)
や和食のユネスコ無形文化遺産への登録、2020年の
東京オリンピック・パラリンピック開催などを受けて、厚
生労働省が食品衛生管理の国際標準化に向けた検討を始
めており、食品関連事業者に対してはHACCPを段階的に
義務付ける方向で動いています。
永谷園グループは、
「商品・サービスの安全性の確保」
を
企業行動指針の一番目に掲げ取り組んでいます。2009年
に独自の品質保証システム
「NAFSAS
( ナフサス)※4」を構
築してから7年経過しましたが、常に世界情勢や食品安全
に関する動向を注視し、HACCPを含め、様々な国際規格の
永谷園グループの品質保証システム「NAFSAS(ナフサス)」の取組
みについて、より詳細な内容をホームページ内で公開しています。
http://www.nagatanien-hd.co.jp/csr_report/nafsas.html
「NAFSAS」
を構成する3つの仕組み
① 品質保証・顧客満足向上
③ 危機管理
永谷園品質マネジメントシステム
(ISO9001)
商品回収システム、
トレーサビリティシステム
ISO9001のシステムにより、
社内の定期監査や外部機関の審査によ
ISO9001や食品安全管理システムで、
品質トラブルの発生を未然
る効果的な運用の確認、
管理体制の維持、
継続的な改善を行っています。
に防ぐよう管理していますが、
万が一、
永谷園が提供した商品に重大
な問題が発生した場合のことを想定して、
関連部門が早急に適切な
対応が取れるよう商品回収管理規程を整備・運用しており、
定期的に
② 食品安全
模擬訓練を実施しています。
また、
商品の生産・加工・流通の各段階に
食品安全管理システム
おいて、原材料や包材の情報、商品の製造場所、販売先等の記録を残
HACCPの国際規格であるFSSC22000で規定されている事項を基
しており、商品の履歴情報を追跡できるようなシステムを構築して
本とし、
さらにAIBフードセーフティ指導・監査システム 、
食物アレル
います。
※5
ギー監査※6などのノウハウを取り込んだ、
独自の内容で各生産工場に
おいて運用されています。
安全性の向上には終わりがありません。
永谷園グループでは今後も安全・安心への新たな取組みを続けていきます。
※1 GFSI
世界食品安全イニシアチブ(Global Food Safety Initiative)は、世界中
の小売業やメーカー、フードサービス業など、業種を超えて食品安全専
門家たちが集まり、協働して食の安全に取り組む組織。日本においても
国内外における食品安全に関する取組みの協働として、2012年から活
動が始まった。
※2 HACCP
工場を運営するにあたり基本となる衛生管理を実行したうえで、原材料
の入荷から商品の出荷まで、製造工程ごとに予測される危害を商品ごと
に分析し、適切に管理する衛生管理手法。
※3 FSSC22000
ISO22000と食品製造に関する一般的衛生管理の基準(ISO/TS220021)
を組み合わせた食品安全システムの国際規格。
永谷園グループ
※4 NAFSAS(ナフサス)
永 谷 園 味 ひ と す じ 食 品 安 全 保 証 シ ス テ ム(Nagatanien Ajihitosuji
Food Safety Assurance System)の頭文字をとったもの。
※5 AIBフードセーフティ指導・監査システム
米国製パン研究所(AIB)が定めている食品安全統合基準を元にした食品
安全管理システム。工場において食品安全のための取組みがきちんとさ
れているのかを監査するシステムで、異物混入防止対策で大きな効果が
期待できるシステムと言われている。
※6 食物アレルギー監査
食物アレルギー配慮商品を製造している(株)永谷園岡山工場と永谷園グ
ループ会社の(株)オクトスにおいて、食物アレルギー対策先進国である
カナダの権威のある機関より教育訓練を受けているシーアンドエス
(株)
にご協力いただき、食物アレルギー配慮商品の製造に適した環境かどう
かの監査を定期的に実施し、高い評価を得ている。
7 環境・社会報告書2016
大
社会の中で/安全・安心への取組み、
品質管理
丈夫!
永谷園の
商品(もの)
だから
(株)永
安心してお召し上がりいただける
安全な商品づくりに努めています。
谷園
[海外販売部
]伊東 慶子
品質管理の取組み
永谷園グループ各社の品質管理部門では、原材料から最
また、これら検査精度に問題ないかを確認するため、外
終商品まで様々な角度から検査を実施しています。
部検査機関などによる検査精度試験にも定期的に参加し、
国内外で収穫・加工された原料については、残留農薬な
検査精度の向上に努めています。
ど安全性に問題がないか監視しており、お客さまの口に直
私たちは、安心して永谷園商品を召し上がっていただく
接入る最終商品については味、食感、風味といった官能検
ために、安全で確かな品質を提供すべく日々活動していま
査や微生物検査を行いながら、品質に問題のないことを確
す。
認しています。
試食風景
[
(株)
永谷園 品質管理部]
微生物検査風景
[
(株)
永谷園 品質管理部]
食物アレルギー配慮商品
のアレルゲン検査
[
(株)
オクトス]
お麩の官能検査
[
(株)
花笠食品]
包装資材のピンホール検査
[
(株)
永谷園 岡山工場]
永谷園グループ
8 環境・社会報告書2016
お
社会の中で/お客さまとの関係
いしいね
その一言で
頑張れる
お客さまに満足していただける
会社を目指します。
(株)永谷園
[岡山工場]
吉
永 早苗
お客さまとの関係
お客さまからいただくお問い合わせやご意見は、年間で
約13,300件
(2015年度)
ありました。永谷園は、お客さまか
VOICE
らの貴重なお申し出を、商品開発や改善に役立てたいと常に
飲み会の帰り、次の日の朝にお手軽に
考えています。
以前より、お酒を飲んだ帰り道や次の朝の通勤時にで
「お客様相談室」
ではお客さまとのコミュニケーションの
もおいしく手軽に飲めるみそ汁が欲しいというご意見を
窓口として、お客さまからのお申し出に対して迅速かつ正確
たくさんいただいていました。そこで、しじみの成分であ
にお応えする体制を整えています。お客さまのお申し出は社
「1本でしじ
るオルニチン※を高濃度に含んだ缶タイプの
内のデータベースに蓄積し、日々
「お客様の声」
として社長も
含め社内に情報を発信しています。
また、データを集計・分析して定期的に
「品質保証連絡会」
を開催。開発部門や生産部門などでも、より良い商品づくり
に反映できるような仕組みにしています。
これからも永谷園はお客さまに満足していただける商品
み70個分のちから 缶みそ汁」
を開発しました。缶タイプ
のホット飲料は加圧加熱殺菌処理をするレトルト食品で
あり、一般的な即席みそ汁よりも、味噌に熱がかかってし
まいます。味噌は熱をかけると劣化して風味が極端に落
ちてしまう難点がありましたが、検討を重ね、飲みやすい
品質を実現しました。
が提供できるよう、一つひとつの
「お客様の声」
を大切にして
いきます。
1本でしじみ70個分のちから
缶みそ汁
(株)
永谷園 研究部
石川 拓也
※ オルニチン
アミノ酸の一種で、身体のあらゆるところで私たちの健康維持に
重要な働きをします。しじみに多く含まれていることが知られて
います。
●お申し出内容(2015年度)
その他 11.9%
販売店問い合わせ
3.6%
原料・
包装資材
7.2%
商品全体
54.3%
ご指摘
商品全体の内訳
キャンペーン
23.0%
24.2%
商品案内
9.7%
賞味期限
6.6%
商品の利用方法
5.5%
喫食の感想 3.3%
その他 5.0%
●お
客さまからご提供いただいた個人情報は、個人情報に関する法令等を遵守し、管理・保護しています。
●「お客様の声」
にお客さまの個人情報は記載されません。
永谷園グループ
9 環境・社会報告書2016
廃
社会の中で/お客さまとの関係
お客さまに満足していただける会社を目指します。
棄物
減らせば同時
に
コスト減
(株)永谷園プ
ロパティ
[事業管理部]
角田 正美
お客さまの期待に応える改善事例
減塩版を、ご要望にお応えして発売
みそ小袋開封時の飛びはねを軽減
「即席みそ汁シリーズ」
即席みそ汁
「あさげ」
長年多くの方にご愛用いただいている
「あさげ」
。減塩志
即席みそ汁のみそ小袋を開封する際の飛びはねを軽減す
向の高まる昨今、
「塩分を抑えたものを作ってほしい」
という
るために、あけくちの設計を改善しました。一部の商品でこ
お客さまの声が多く寄せられていました。そのご要望にお応
の新しい設計の小袋を採用しはじめています。
えして
「生みそタイプみそ汁 あさげ減塩」
を開発し、2016年
2月より発売を開始しています。通常の
「あさげ」
より塩分を
改善前
25%抑える代わりにだし
塩分
25%
カット!
の旨みを効かせることで、
毎日おいしくお召し上がり
いただけます。
改善後
資材の削減で、人にも環境にも優しく
小袋に生産情報を印字することで、トレースが迅速に
「梅干茶づけ」
「おみそ汁の大革命」
「おみそ汁の大革命」
のフリーズドライブロック具の包装
「梅干茶づけ」の小袋
資材のうち、プラスチックトレーの使用をやめることで、よ
に生産情報を印字する
り扱いやすく、ごみの少ない設計に変更しました。
ことで、お客さまからの
生産情報を
印字しました!
お問い合わせやお申し
出に対して、より速やか
にかつ正確にお応えで
このプラスチック
トレーを使用しな
い設計に変更!
ビーフンをより味の絡みやすいものに改良
きるよう改善しました。
捨てるときにたたみやすく
「煮込みラーメン」
「五目焼きビーフン」
野菜をたくさん食べられる、ごはんにピッタリ、などとご
カートン(箱)入り商品は、箱の片側に開封用の
「あけく
好評をいただいている
「五目焼きビーフン」
のビーフンを、さ
ち」を破線で表示していますが、廃棄する際もコンパクトに
らに味の絡みやすいものに改良することで、よりお客さまに
たたみやすいように、箱のもう片側にも破線を入れ簡単に
満足いただける品質を目指しました。
開けられるようにしました。
改善前
改善後
2014年版
永谷園グループ 10 環境・社会報告書2016
2015年版
社会の中で/株主さまとの関係・情報コミュニケーション
幅広いステークホルダーとの
コミュニケーションを大切に考えます。
決
算書
数字の裏に
ドラマあり
(株)永谷園ホ
ールディング
ス
[広報部]松
山 哲也
株主さまとの関係
永谷園グループは、グループの企業倫理に関する基本方
切かつタイムリーに提供することを心がけています。また、
針である
「企業行動指針」
において、
「ステークホルダーの立
永谷園グループおよび永谷園グループ商品に対する息の長
場を尊重し、長期的な信頼関係を築き、企業の発展につなげ
いファンであってほしいという願いのもと、2002年度から
ていく」
と規定しており、なかでも株主さまに対しては、さら
株主優待制度を導入しており、今後さらに充実を図っていき
なる信頼関係を築くために、事業活動にかかわる情報を適
ます。
事業のご報告
株主優待
定時株主総会終了後
(毎年6月)と
2016年3月31日
第2四半期決算発表後
(毎年12月)に
現 在、 永 谷 園 ホ ー ル
株主さま宛に事業活動の状況を記載
ディングス株式1単元
した「事業のご報告」をお送りしてい
(1,000株)以上ご所有
ます。
事業のご報告
の株主さまに、3,000
円相当の永谷園商品詰
め合わせを6月上旬に
贈呈しています。
株主優待の商品詰め合わせ例
(内容は毎回異なります)
情報コミュニケーション
2015年10月、永谷園グループの持株会社体制移行にあ
FacebookやTwitterなどのSNSを通じてお客さまに喜ん
わせて新たに
(株)
永谷園ホールディングスのホームページ
でいただける旬の情報をお届けしています。
を開設し、
「株主・投資家情報」
や
「食の安全・環境活動」
の
記述を充実させました。
(株)
サンフレックス永谷園、藤原製麺
(株)
、
(株)
サニー
フーズ、
(株)
麦の穂、
(株)
京都吉祥庵などグループ各社も
ホームページを開設しており、商品・サービスや安全・安
心の取組みに関する情報の提供に力を入れています。
また、
(株)永谷園、
(株)麦の穂、
(株)京都吉祥庵では、
VOICE
全国のお客さまとのつながりを大切に
麦の穂では
「ビアードパパ」
や
「ココフラン」
などの主力ブ
ランドをはじめ、多数のWebサイトを運営しています。
特に
「ビアードパパ」
ではTwitterやFacebookを導入し
ておりますが、SNSは情報配信だけでなく、全国のお客さ
まと直につながれる重要なコミュニケーションツールと考
えています。商品に対する反応がリアルタイムに入ってく
るのはSNSならではの良さですね。
うれしいお言葉はもちろん、ご指摘やご要望なども真摯
に受け止め、店舗とはまた違った形でファンを増やしてい
けたらと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
「永谷園生姜部」
Facebookより
(株)
麦の穂 企画開発部
「永谷園ホールディングス」
ホームページ
「ビアードパパ」
Facebookより
永谷園グループ 11 環境・社会報告書2016
谷本 沙矢
思
社会の中で/従業員との関係
いやる
気持ちが職場
に
「和」をつくる
健康で働きやすい
職場環境をつくります。
(株)永谷園ホ
ールディング
ス
[広報部]久
我 光枝
自己啓発支援
ダイバーシティ推進
(株)
永谷園では
「階層別研修※1」
および
「職能別研修※2」
を
(株)永谷園では、ダイバーシティ推進の一環として、
核として、人材育成に取り組んできました。
2014年度より、女性の活躍推進の取組みをスタートさせ、
2013年度からは、従業員が自ら将来のキャリアを考え、自
女性の活躍推進の必要性の周知や多様化する働き方に対応
己啓発に積極的に取り組むことができる学びの場
「教養講座」
できる職場環境づくりなどに関する研修を実施しています。
を開設し、2015年度からは、グループ全体へ展開しています。
研修内容例
・ダイバーシティ推進の必要性について
・多様な働き方に対応できる職場環境づくりについて
・活躍のフィールドを広げるための取組みについて など
Webを活用したe-ラーニングの導入をはじめとして、従
業員の
「学びの意識向上」
に応える
「教育、研修の場」
のさら
なる拡充を図ってまいります。
※1 階層別研修
キャリアに応じて職務を遂行するうえで必要な要素
(役割・知識・スキル
など)
を学び、ステップアップを図ります。
※2 職能別研修
各部門が所属部員の職務に応じた教育や訓練を実施し、必要な知識・技能
を学びます。
VOICE
教養講座を受講して
女性活躍推進研修の様子[
(株)
永谷園]
教養講座は、興味深い講座が多数あり、毎年楽しみにし
ています。今までに受講した講座内容は、実生活で役に立っ
●(株)
永谷園企業データ
たり、単純に楽しかったり、本当に受講してよかったと思って
正社員
従業員数
女性比率
平均年齢
新入社員定着状況
産休取得者数
育休取得者数
育休復職率
いるので、今年もなにか受講しようと考えています。
私には子どもがいますが、子育てに役立つ知識や、技術
が身につく講座があれば、仕事と子育ての両立のヒントに
なるかな、と思うので、ぜひ受講したいです。
この教養講座は、幅広い分野の講座があり、修了すれば
男性
361名
41.5歳
91.7%
3名
100%
女性
273名
43.1%
40.2歳
83.3%
17名
24名
100%
合計
備考
634名 2016年3月31日現在
2016年3月31日現在
2013年度入社
17名 2015年度実績
27名 2015年度実績
- 退職予定なし
会社から補助金も出るので、従業員にとってとてもうれし
い制度だと思います。いつもありがとうございます。
(株)
永谷園ホールディングス 総務部法務課
山田 由紀子
永谷園研修制度 体系図
階層別研修/年次・キャリアに応じて必要な要素
(役割・知識・スキル)
の向上
入社1、2年目
新入社員
研修
仮配属前
研修
各職務等級への昇格時
基礎教育
基幹社員
研修
中堅社員
研修
管理職入門
研修
管理職対象
ミドル
マネジメント研修
職能別研修/職務に応じた知識・技能の向上
教養講座
永谷園グループ 12 環境・社会報告書2016
トップ
マネジメント研修
守
社会の中で/社会貢献
りたい
青い地球と
子どもたち
本業を通じて社会の課題解決に
貢献します。
(株)永谷園
[岡山工場]
佐
藤 明子
地域社会と次世代の発展のために
防災非常食の開発
VOICE
2015年12月、
(株)
オクトスと地元三重県松阪市は
「松阪
「フリーズドライご飯」を通じた社会貢献
市の防災に関する産官連携事業協定」
を締結しました。主な
この
「フリーズドライご飯」
は、5年前の東日本大震災の
内容は、① 防災非常食の開発、② 防災非常食の備蓄、③ 防
経験と松阪市様のご要望である
「災害時だからこそ食事は
災活動での地域貢献を行うというものです。防災非常食とし
て松阪市に納入している
「フリーズドライご飯」
は、
(株)
サンフ
レックス永谷園が開発、製造したものです。同社が長年培っ
てきたフリーズドライの技術を活かして
「お湯で3分、水でも5
分!」
で戻る品質を実現しました。食材や調理器具が不足する
非常時でもおいしく食べられる商品設計となっています。
簡単で明るくおいしく!
!」
をコンセプトに色味のある4品を
商品化しました。
食物アレルギー27品目を使用しないでの味づくりは試
行錯誤の繰り返しでしたが、試食された方々からの
「おいし
い!」
との評価は何よりの喜びです。今後は、他の自治体や
企業で採用していただけるようさらなる品質の向上、コスト
ダウンを目指していきたいと思います。
(株)
サンフレックス永谷園 商品企画部
山口 勝弘
「松阪市の防災に関する産官連携事業
協定」
の調印式
防災非常食として開発された
「フリーズドライご飯」
フードバンク
職場体験、職場訪問の実施
永谷園グループの各事業所では、周辺地域からの要請を受
近年、賞味期限が近いなどの理由で市場に流通できない
け、工場見学やインターンシップ事業の一環としての職場体
商品を食べ物に困っている人や施設に無償提供する
「フードバ
験を実施しています。これからも、社会への貢献、将来を担う
ンク」
と呼ばれる活動が活発になっています。
(株)
永谷園では、
次世代の育成のために積極的に取り組んでまいります。
「フードバンクちば」
を通じて千葉県内外の福祉施設や団体、
個人の方に商品を寄贈し、食品確保が困難な方々の支援に役
立てていただくと
ともに食品ロスの
削減に取り組んで
います。
「フードバンクちば通信」
より
工場見学[
(株)
サンフレックス永谷園] インターンシップ (株)
[
サニーフーズ
船橋工場]
チャリティ古本市の開催
(株)
永谷園は、東京都港区内に本社を置く企業や団体で
周辺地域の美化清掃活動
構成される
「チャリティ古本市実行委員会」
の一員として、毎
永谷園グループの各事業所では、エコチームが中心となっ
年
「~本でつながるみなとの絆~チャリティ古本市」
を開催
て、定期的に周辺地域の清掃活動・美化活動に取り組んでいま
しています。収益金はすべてみなと障がい者福祉事業団に
す。
近隣の工場の方や地域の方と一緒に活動を行うこともあり、
寄付し、港区の障がい者自立支援に活用されます。
従業員だけでなく周辺地域との交流の場にもなっています。
チャリティ古本市実行委員会のこうした障がい者支援の
取 組 み が 港 区 に 認 め ら れ、
2015年12月 に は 港 区 長 か
ら感謝状をいただきました。
美化活動[
(株)
永谷園 茨城工場]
美化活動[
(株)
永谷園 岡山工場]
古本市の様子
永谷園グループ 13 環境・社会報告書2016
エ
地球環境のために/環境基本方針/推進体制
ゴライフ
気持ち改め
エコライフ
「環境基本方針」
のもと、
環境保全活動に取り組みます。
(株)花笠食品
[生産部]佐
藤
百合
環境基本方針
「環境基本方針」
は、企業理念である
「味ひとすじ」
の考え
くかという会社の姿勢を宣言し、
「行動指針」
は
「環境理念」
を
にもとづいて、環境に関する取組みに対しての永谷園グルー
実現していくための具体的内容を定めたものです。
「行動指
プの姿勢・決意を宣言したものであり、
「環境理念」
と
「行動
針」
は
「永谷園グループ倫理綱要」
の
「企業行動指針」
の一つに
指針」
で構成されています。
制定され、永谷園グループの企業倫理に関する基本方針と
「環境理念」
は永谷園グループが環境にどう取り組んでい
して社内に周知されています。
永谷園グループ 環境基本方針
環境理念
永谷園グループは、
「味ひとすじ」
の企業理念のもと、お客さまに満足していただける商品・サービスを提供するとともに、
社会の一員として地球環境保全の大切さを理解し、環境に配慮した企業活動に取り組み、幸せで豊かな社会づくりに貢
献します。
行動指針
❶永
谷園グループは環境に関する法令などの遵守はもとより、環境保全を推進していくための体制を構築し、地球環境
への負荷軽減に継続的に取り組みます。
❷ 環境保全に配慮した開発・生産に取り組み、
「環境に負荷の少ない商品・サービス」
を社会に提供します。
❸廃
棄物の削減、リサイクルの推進および省資源・省エネルギーに努め、目標を掲げ
「環境問題へ真剣に取り組む事業所」
を目指します。
❹ 社員一人ひとりが前向きに環境問題を考え、
「環境問題へ真剣に取り組む社員」
としての誇りを持ちます。
環境保全活動推進体制
永谷園グループでは、環境保全活動
●環境保全活動推進体制
を推進する体制として、環境管理委員
最高経営層
会を設置しています。環境管理委員会
は、環境管理委員長をはじめ、生産拠
環境管理委員長
点のメンバー6名、事務系部門のメン
環境
パフォーマンス
永谷園グループ 14 環境・社会報告書2016
環境会計
各部・各事業所
環境・
社会報告書
関連会社
オフィス・教育
を中心に的確に対応しています。
物流
についても、関連する部門のメンバー
商品開発・調達
に進めています。また、環境法の遵法
事務局
(環境推進室)
生産
され、環境経営の維持・向上を効果的
環 境 管理 委員 会
バー17名、事務局4名の計28名で構成
毎
地球環境のために/環境マネジメント
日の
些細な節電
大きなエコ
継続的な改善により、
環境保全活動を推進します。
(株)永谷園
[東京支店]
三
代川 源太
環境マネジメントシステムの維持・向上
永谷園グループの生産拠点
(6拠点)では、環境保全活動
効率化を図ったシステムで、実質的な活動を重視しながら
を継続的に実施していくために、ISO14001に準拠した「永
本来のPDCAを回していくものです。
谷園グループ環境マネジメントシステム」
を運用し、維持・
また、独自のシステムという利点を活かし、本業に即し
向上を目指しています。
た活動を効率的・継続的に実施するため、各拠点において
この独自のシステムは、
「永谷園グループ環境マネジメン
環境担当であるエコスタッフを中心にルールを作成し、環
トマニュアル」を基本としています。業務の負荷を軽減し、
境保全に取り組んでいます。
内部環境監査
永谷園グループでは、環境マネジメントシステムの継続
VOICE
的改善のために、内部環境監査を重要な位置づけと考えて
います。
内部環境監査員を経験して
2016年2月には内部環境監査員研修を実施しました。今
監査員として初めて他工場へお邪魔させていただき、
回の研修は監査員のスキルアップを目標とし、ISO14001
環境に取り組む姿勢や意識のレベルの高さに、自身の意
の改訂概要についての講義や、自社のリスク・機会を考え
識の低さを痛感しました。今までは通常業務外の仕事だ
るグループワーク、監査のやり方・進め方についてのロー
と意識してしまっていた面もあり、そこまで真剣に考え、
行動するといったことがあまりありませんでした。
ルプレイを通して理解を深めました。
環境教育を受講したことや、監査員を経験したことに
2016年3月には、環境マネジメントシステムを構築した
より考えを改めることが出来ました。機械を順調に稼働
拠点において、内部環境監査を実施しました。監査は工場
させること、また、効率良く稼働させることも環境保全へ
間でのクロス監査の方法をとり、単に監査するだけではな
つながるのだと分かりました。
「通常業務=EMS活動」で
く、監査する側・される側の両方が意見交換する場とも考
もあると考え、業務に励むとともに、監査員として一人前
え、より良い改善
になれるよう日々勉強・努力して
につながる機会
いきます。
と考えています。
(株)
オクトス 包装設備課
高橋 祐貴
内部環境監査の様子
環境教育
永谷園では新入社員を対象とした環境教育を実施し、
「環
となります。特に近年、環境法の改正等が多数あるため、随
境問題」
「環境経営と持続可能な発展」
「永谷園グループの環
時情報を共有し、資料などを通して教育を実施しています。
境への取組み」
について講義しました。
また、環境マネジメントシステムを運用している拠点で
は、年1~2回、定期的に従業員向けの環境教育
(講習会)を
実施しています。環境教育はエコスタッフが中心となって
実施しており、内容は各拠点によって異なります。
内部環境監査員やエコスタッフには専門的な教育が必要
内部環境監査員研修
永谷園グループ 15 環境・社会報告書2016
コ
地球環境のために/2015年度取組み状況
ツコツと
小さなことか
ら
エコ活動
環境負荷低減のために
持続的に活動します。
(株)永谷園
[品質保証部]
鈴木 裕子
2015年度結果
実施項目
具体的取組み
地球温暖化防止
廃棄物削減
省資源
2015年度実績
(2014年度対比)
CO2排出量削減
4.4%の削減
排出量削減
1.2%の削減
再資源化率向上
2.6ポイント低下
(83.6%)
食品リサイクル率向上
1.8ポイント向上
(77.2%)
水使用量削減
2.5%の削減
OA紙使用枚数削減
6.4%の削減
●C
O2排出量、廃棄物排出量、水使用量、OA紙使用枚数の実績は、2014年度を基準年とした売上高(OA紙使用枚数は従業員1人)
あたりの原単位の削減比率になっ
ています。
●食
品廃棄物については、改正食品リサイクル法の対象となる再資源化等の実施率になっています。
●CO2排出量
40,000
●廃棄物排出量
0.340
0.329
0.349
22,725
22,024
23,945
30,000
20,000
0.391
27,800
0.351
0.336
27,509
26,583
0.4
8,000
0.3
6,000
0.2
10,000
0.1
0
2010
2011
排出量
(t-CO2)
2012
2013
2014
2015
0
(年度)
3,000
4.69
3,084
3,142
5.25
3,599
4.94
3,512
2,000
6
4.21
4.16
3,299
3,295
2
2014
2015
0
(年度)
75.4
77.2
0
2010
2011
2012
2013
4
原単位
(t/億円)
●食品廃棄物排出量
86.0
86.5
2,717
2,653
80.4
82.7
2,893
2,906
86.2
2,845
83.6
2,754
100
2,400
72.1
60
20
1,800
0
2010
2011
再資源化量
(t)
2012
2013
2014
2015
0
(年度)
再資源化率
(%)
64.2
1,200
66.2
1,342
1,350
2010
2011
2012
2013
100
60
1,192
1,224
20
2014
2015
0
(年度)
0
排出量
(t)
●水使用量
66.1
947
806
600
1,000
食品リサイクル率
(%)
●OA紙使用枚数
1,200
7.63
7.57
6.22
600
300
4.61
排出量
(t)
2,000
900
4,000
原単位
(t-CO2/百万円)
●再資源化量
4,000
8
511
416
519
6.79
483
8
5.98
5.83
469
462
0
2010
2011
使用量
(千m )
3
2012
2013
2014
原単位
(m /百万円)
3
2015
16,000
6
12,000
4
8,000
2
4,000
0
(年度)
5,384
7,758
5,850
5,031
7,305
6,000
4,836
8,523
8,681
4,261
3,988
4,500
8,237
7,836
3,000
1,500
0
2010
2011
使用枚数
(千枚)
永谷園グループ 16 環境・社会報告書2016
2012
2013
2014
原単位
(枚/人)
2015
0
(年度)
ゴ
地球環境のために/環境負荷の分析
ミ 減らし
蘇らせる
緑の地
環境データを分析し、
可能な限り負荷を低減します。
(株)永谷園ホ
ールディング
ス
[総務部]見
付 善行
環境負荷の分析
永谷園グループでは、事業活動
(生産活動)
と環境へのかかわりについて、環境への負荷を
「INPUT」
から
「OUTPUT」
までの流
れに沿って分析しています。
「INPUT」
は生産工程で使用したエネルギー、包装資材、原材料の投入量を、
「OUTPUT」
は商品および生産活動に付随して産
出・排出される物質を表しています。
商品を製造し、お客さまにお召し上がりいただくまでには、地球環境への負荷が発生します。製品の原材料の多くを自然の恵
みから得ている会社として、地球環境保全の大切さを理解し、今後も地球環境への負荷低減に継続的に取り組みます。
INPUT
OUTPUT
エネルギー・水※1
大気
総エネルギー 414,550GJ※2
CO2排出量
27,382,683kWh
36kℓ
336千m3
2,863kℓ
284t
8kℓ
462千m3
●
包装資材
●
紙
●
プラスチック
●
その他
永谷園グループ 生産
購入電力
灯油
● 都市ガス
● A重油
● LPガス
● 軽油
●水
●
2.56万 t-CO2
CO2
CO2
廃棄物
廃棄物排出量 0.33万t (内、再資源化量 0.28万t)
商品
●
お茶づけ群
●
ふりかけ群
●
スープ群
●
その他
●
みそ汁群
原材料
●
●
海苔
みそ
●
●
鮭
その他
●
あられ
●
わかめ
※1換算係数
・電力:
「電気事業者別のCO2排出係数(2014年度実績)」
の実排出係数に準拠
・都市ガス:各都市で発表している熱換算係数に準拠
・その他の燃料等:
「エネルギー使用の合理化に関する法律施行規則」
および
「地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく命令」
による係数に準拠
※2GJ(ギガジュール)
ジュールは発熱量の単位 1GJ=1×109J
永谷園グループ 17 環境・社会報告書2016
車
地球環境のために/地球温暖化防止への取組み/物流部門での取組み
地球温暖化防止への取組みは、
CO2排出量の削減から始まります。
やめ
歩けばエコと
ダイエット
(株)永谷園
[購買部]呉
島
弘美
地球温暖化防止への取組み
2016年度も引き続き、鉄道利用などのモーダルシフト※2
●デマンド監視装置を使ったエアコン電力量削減/
の拡大を検討し、CO2排出量の削減に取り組みます。
(株)
永谷園 岡山工場
デマンド監視装置のスケジュール機能を使い、陽圧装置
の不要な冷房運転をやめました。また、各作業場のエアコ
ン設定温度の最適化を図り、無駄な電力を使用しないよう
にしました。夏場の電力使用ピーク時には、自動制御でエ
※1 SP倉庫
各営業現地の売上分を保管するストックポイント。
※2 モーダルシフト
貨物輸送の方法をトラックから環境負荷の低い鉄道・船舶などへ転換す
ること。
アコンの設定温度を調整することで電気を使いすぎない
●省エネルギー法
(荷主責任)
の対応
ようにしました。その結果、2015年度の電力削減実績は
2015年度の商品物流と生産物流の全体の輸送量は3,215
6,000kWhでした。
万トンキロ※3となり、2014年度対比で102.6%となりまし
た。
●ハイブリッドファンの導入/
(株)
ニシエイ
省エネルギー法により、年間の輸送量が3,000万トンキロ
エアコンに羽根を取り付けたハイブリッドファンを事
を超える荷主
(事業者)
は、省エネルギー計画の策定やエネ
務所と会議室に導入しました。エアコンの風を受けて羽根
ルギー使用量等の定期報告が義務づけられています。永谷
が回転することで、冷気や暖気が部屋の隅々まで循環して
園は報告の対象となっており、計画書および定期報告書を
空調機能が高まります。これにより、夏場はエアコンの温
提出しています。
度を1~3℃高めに、冬場は1~3℃低めに設定すること
※3 トンキロ
何トン
(重さ)
のものを何キロ
(距離)
輸送したかという輸送量を表す単位。
ができました。
ハイブリッドファン
VOICE
輸送手段の使い分け
近年トラックドライバー
(特に長距離)
は拘束時間の長
さや仕事内容から人手不足の状態が続いており、こちらか
らの要望通り車が確保できない状態が続いています。そん
な中、貨物列車やフェリーを利用すれば輸送手段が増える
だけではなく環境に優しく輸送することもできます。一方
でそれらには悪天候時に運休になりやすいという弱点が
ありますので、トラックとモーダ
ハイブリッドファンを
取り付けた事務所内
ルシフト輸送を上手く使い分け環
境に優しく安定した物流を心がけ
●物流部門での取組み
2015年度も引き続き、輸送に伴うCO2の排出量の削減に
努めました。
取組み内容としては、2014年度と同様、工場から近隣の
倉庫へ納入していた経路を、売上比率に準じて東部
(埼玉
県)
・中部
(三重県)
・西部
(岡山県)のSP倉庫※1に直送しま
した。結果、2015年度はSP倉庫までの輸送量では2014年
度に比べ9.2%削減することができました。また、2月より
稼働した新工場
(長野県)
の生産品約9,000ケースの倉庫へ
の納品をJRコンテナで実施することでCO2の排出量の削減
に努めました。
永谷園グループ 18 環境・社会報告書2016
ていきます。
(株)
永谷園 生産計画部
神方 遼
ゴ
地球環境のために/容器包装での取組み
ミじゃない
生まれ変われ
る
捨てないで
環境配慮型の容器包装へ
切り替えています。
(株)花笠食品
[生産部]住
石
香苗
容器包装での取組み
永谷園グループでは、限りある資源の消費を抑制するた
ます。今後も、資材材質・サイズの見直しを行い、軽量化と
め、包装資材の軽量化を継続的な課題として取り組んでい
ゴミの削減に取り組んでいきます。
●梱包資材の軽量化
●紙包材の軽量化
商品を梱包する「ダンボール」の材質を見直し、坪量 を
商品の外装(カートン等)で使用する「コートボール紙」
削減することにより軽量化を図りました。これにより、年
の材質を見直し、坪量を削減することにより軽量化を図り
間18.0トンの資源消費量の削減が見込まれます。
ました。これにより、年間3.0トンの資源消費量の削減が見
※ 坪量
面積1m2当たりの用紙の重さをあらわしたもので
「g/m2 」
で表示します。用
紙が重くなるほど厚みが増すため、
坪量は
「用紙の厚み」
と同義で使われます。
込まれます。
※
【対象商品】
アンパンマンミニパックカレーを含む5商品
【対象商品】おとなのふりかけシリーズ 5品
年間
18.0トン
の削減
おとなのふりかけのダンボール
●商品包装の軽量化
商品の外装
(大袋等)
で使用する
「プラスチックフィルム」
の
厚みを見直し、薄物化することで軽量化を図りました。これ
により、年間9.0トンの資源消費量の削減が見込まれます。
【対象商品】広東風かに玉、おとなのふりかけミニ、
それいけ!アンパンマンふりかけミニパック、
妖怪ウォッチふりかけ
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV © 2016 テレビ朝日・東映AG・東映
VOICE
年間9.0トンの削減
環境負荷低減への取組み
包装資材はパッケージとして商品を保護する役割を担
いますが、商品を使用した後はすべてがゴミになってしま
います。だからこそ、軽量化等により容器包装ゴミを減ら
していくことが、私たちの重要かつ永続的な使命だと考え
ています。今後もサイズや材質の
見直し、新規技術の探求など、環境
負荷低減に向けた取組みを積極的
に進めていきます。
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©L5/YWP・TX
(株)
永谷園 購買部
橋口 幸治
永谷園グループ 19 環境・社会報告書2016
地球環境のために/水使用量削減への取組み/廃棄物削減への取組み
水資源をムダなく使用するとともに、
廃棄物の削減とリサイクルを推進します。
い
つまでも
川遊びできる
環境大切に
(株)永谷園
[品質保証部
]瓜生 久美子
水使用量削減への取組み
永谷園グループでは、地域の水質源を今後も持続可能な
の削減に努めています。
形で使用していくために、工場や事業所における水使用量
●手洗い場における節水奨励/
(株)
永谷園 茨城工場
●スプレー式レトルト殺菌機の導入/
(株)
オクトス
手洗い場には節水コマと自動水洗を導入しています。ま
レトルト殺菌機を貯湯式からスプレー式に変更しまし
た、手洗い場に「水を大切に!!」シールを貼り付け、節水を
た(2015年7月より本格稼働)。水の使用量は、処理1回当
呼びかけています。
たりで従来の3.7トンから0.5トンに減少し、年間では前年
度対比約35%削減することができました。
節水シールを貼った手洗い場
スプレー式のレトルト殺菌機
廃棄物削減への取組み
さ
●動植物性残渣を使った堆肥の使用/
(株)
花笠食品
●乾燥剤の路盤材へのリサイクル/
(株)
サンフレックス永谷園
生産工程で発生した動植物性残渣 を使った堆肥を購入
従来は焼却処理していた、仕掛品の輸送時に使用する乾
し、社内の植栽の肥料として使用しました。2015年度の動
燥剤
(年間約1,800kg)を廃棄物業者に引き渡して路盤材に
植物性残渣のリサイクル率は100%、廃棄物全体のリサイ
リサイクルしました。その他の廃棄物も分別を徹底するこ
クル率は93%でした。
とにより、リサイクル率を向上させることができました。
さ
さ
さ
敷地内の植栽に動植物性残渣を
使った堆肥をまきました
永谷園グループ 20 環境・社会報告書2016
無
地球環境のために/オフィスでの取組み
オフィス部門でも、
環境負荷低減に取り組みます。
駄だから
使うときだけ
スイッチオン
(株)永谷園
[茨城工場]
飯
村 芳和
オフィスでの取組み
永谷園グループオフィス部門では、
2014年度に引き続き、
環境への取組みとして
「OA紙使用枚数の削減」
、
「電気使用
量の削減」
、
「水使用量の削減」
、
「廃棄物の削減・再資源化」
、
「グリーン購入比率の向上」
を実施しました。
●具体的な取組み内容
※カッコ内は比較単位
1
OA紙使用枚数の削減
再生紙の利用、両面印刷、
社内文書のペーパーレス化 など
[2014年度対比]9.3%削減
(枚/人)
2
電気使用量の削減
使用後の部屋の消灯、空調の停止 など
[2014年度対比]0.5%増加
(kWh)
3
水使用量の削減
流しや洗い場での節水 など
[2014年度対比]11.9%削減
(m3)
4
廃棄物の削減・再資源化
廃棄物分別による意識喚起・
リサイクル促進 など
●廃棄物排出量
[2014年度対比]16.3%増加(t)
●リサイクル率
[2014年度対比]2.2ポイント向上
(65.5%)
(%)
5
グリーン購入比率の向上
グリーン商品の積極的な購入
[2014年度対比]2.5ポイント低下
(58.0%)
(%)
2015年度は約3万900個、71kg近くのキャップが集ま
地域でのゴミ拾い活動
り、
約35人分のポリオワクチンを届けることができました。
永谷園本社では、特定非営利活動法人 green bird が主
各事業所からたくさんのキャップが集まっており、活動が
催するボランティア活動に参加し、道路のゴミ拾いを行っ
従業員に浸透していると感じます。この活動を通して、廃棄
ています。参加者は始業時間前の8時30分に集合し、お揃
物の排出量を削減しながら社会へと貢献していきます。
※
いのユニフォームを着用。本社に隣接する新虎通り
(新橋~
虎ノ門)
に沿って歩きながら、1時間程度ゴミ拾いを行いま
す。安全・安心な食品づくりだけでなく、きれいな街・環
境づくりにも貢献していきたいと考えます。
※ 特定非営利活動法人 green bird
「きれいな街は、人の心もきれいにする」
をコンセプトに誕生した参加型ボ
ランティアプロジェクト。
「街のそうじ」
を主な活動とし、その活動は国内外
で行われ、今後もその活動範囲を広げていく予定です。
VOICE
ゴミ拾い活動を通して
初めてGreen birdのゴミ拾い活動に参加しました。
今までは、毎日通勤している道に、ゴミは落ちていない
と思っていました。しかし、地面を注意深く見ると、道路
の溝に煙草の吸殻が入り込んでいたり、植栽の茂みにビ
ニール袋が引っかかっていたりと、落ちている様々なゴ
ミを発見しました。これらを手作業で一つひとつ拾うの
は、大変根気のいる作業でした。活動後、それまできれい
だと思っていた街の印象は、私の中でがらりと変わりま
した。今回の活動を通して、ゴミに対する問題意識が強
くなったのだと思います。
ゴミ拾いの様子
ゴミ拾い活動は、意識しなかったゴミ問題に目を向け
る重要な機会です。今後も活動を続けることで、自分だ
ペットボトルキャップの収集
けでなく、その活動を見た人の意
(株)永谷園および(株)永谷園プロパティでは、各事業所で
ペットボトルキャップの収集活動を行っています。収集した
キャップは有価で売却し、売却益をNPO法人
「世界の子ども
にワクチンを 日本委員会」
に寄付することで、発展途上国
の子どもたちにワクチンを届ける活動を支援しています。
永谷園グループ 21 環境・社会報告書2016
識も変え、きれいな街づくりに貢
献していきたいです。
(株)
永谷園ホールディングス 総務部
深見 麻穂
廃
地球環境のために/環境会計/編集後記
環境経営の推進に伴うコストを
管理しています。
棄物
目線を変えれ
ば
有価物
(株)永谷園
[茨城工場]
三
浦 志津恵
環境会計
永谷園グループでは、環境会計の導入により、環境保全活動を推進するうえで必要な経費を管理しています。また、環境保全
活動と経費のバランスを考え、環境経営を推進しています。
●環境保全コスト
(単位:千円)
環境保全コストの分類
事業エリア内コスト
公害防止コスト
2015年度
主な取組み
投資額
2014年度
費用額
投資額
費用額
電動式フォークリフト・ガスボイラー・浄化槽等の導入・
維持管理費 など
868
48,945
514
169,930
● CO2削減
コンプレッサーの導入・維持管理費、省エネルギー推進 など
220
19,772
6,431
38,040
資源循環コスト
● 廃棄物のリサイクル 等
空冷式空調機、プチスケールの導入・維持管理費 など
16,920
190,972
16,054
247,403
● 水質汚濁防止
● 大気汚染防止 等
地球環境保全コスト
● 省エネルギー 等
上・下流コスト
容器包装リサイクル法の再商品化委託 など
―
114,240
―
116,811
管理活動コスト
EMS構築・運用、環境教育 など
―
34,464
―
37,002
研究開発コスト
環境負荷低減型の包装資材の開発 など
―
―
―
―
社会活動コスト
自然保護基金への寄付 など
―
913
―
522
環境損傷対応コスト
該当なし
―
―
―
―
18,008
409,306
22,999
609,708
合計
●環境保全活動に伴う経済効果
(単位:千円)
環境保全活動に伴う経済効果
収益
2015年度
2014年度
4,909
4,426
廃棄物のリサイクル売却収益
さ
(金属くず、古紙、廃プラスチック類、動植物性残渣)
※環境保全割合については、簡便な基準による按分集計方法にもとづいて算出しています。
※千円未満は切り捨てで表示しています。
編集後記
TOPICS
環境会計とは
環境会計とは、環境活動
(設備投資を含む)
のためにど
のくらいのコストをかけて、どのくらい効果があったの
かを数値化したものです。
投資額 : 企
業の償却資産への設備投資額のうち、環境保
全を目的とした支出額を計上したもの。
費用額 : 企
業の費用のうち、環境保全を目的とした発生
額を計上したもの。
「環境・社会報告書」
は、紙媒体とWeb媒体の二本立てで構
成しています。
紙媒体は
「ダイジェスト版」
と位置づけ、永谷園グループの環
境・社会貢献活動を8ページに凝縮し、様式も見開きスタイル
で見やすいように工夫しています。
また、特集もその年にトピックとなったものを選び、より永
谷園グループに親しみを持っていただける内容としています。
一方、Web版はダイジェスト版では紹介しきれなかった詳
細情報を掲載しました。
永谷園グループ各社では、社会的責任を果たせるよう、これ
からも積極的にCSR活動を推進して
いきます。最新の活動は次回の報告書
でご報告いたしますので、次回も是非
ご覧ください。
(株)
永谷園ホールディングス 広報部
環境推進室 室長
斉藤 公一
永谷園グループ 22 環境・社会報告書2016
会社概要
商
号
会 社 設 立
昭和28年4月
資
本
金
35億292万円
売
上
高
従 業 員 数
連結子会社
株式会社 永谷園ホールディングス
[連結]1,965名
(2016年3月末現在)
お茶づけ、ふりかけ、即席みそ汁、
その他飲食料品の製造販売
本社所在地
〒105-8448
東京都港区西新橋2丁目36番1号
T
E
L
連結子会社
03-3432-3105
(代)
[食料品事業]
株式会社永谷園
株式会社サンフレックス永谷園
株式会社オクトス
株式会社花笠食品
株式会社ニシエイ
株式会社永竹
株式会社サニーフーズ
株式会社永谷園プロパティ
藤原製麺株式会社
株式会社麦の穂ホールディングス
株式会社麦の穂
株式会社京都吉祥庵
上海麦好穂食品有限公司 MUGINOHO GLOBAL PTE. LTD.
Muginoho International, Inc.
NAGATANIEN USA, INC. NAGATANIEN RS FOODS, LLC
NIKKO ENTERPRISE CORPORATION
(2016年3月末現在)
[連結]791億円
(2016年3月期)
事 業 内 容
[中食その他事業]
業績の概要
(連結)
●売上高の推移
●経常利益の推移
(百万円)
(百万円)
78,362
80,000
66,991
68,516
79,193
5,000
71,129
4,000
60,000
4,262
3,666
3,927
3,096
3,000
2,828
40,000
2,000
20,000
1,000
0
0
2012/3
2013/3
2014/3
2015/3
●従業員数の推移
2013/3
2014/3
2015/3
2016/3
●売上構成
(2016年3月期)
(百万円)
(人)
2,000
1,795
1,500
2012/3
2016/3
1,454
1,933
1,965
5,766
11,312
1,457
15,616
■食料品事業
■お茶づけ・ふりかけ類
1,000
25,728
20,768
■スープ類
■調理食品類
■その他
500
■中食・その他の事業
0
2012/3
2013/3
2014/3
2015/3
2016/3
67,878
連結合計:79,193
※各 事業の売上は百万円未満切り捨ての
ため、合計と一致しないことがあります。
永谷園グループ 23 環境・社会報告書2016