技術教本

JAMT 技術教本シリーズ
循環機能検査
技術教本
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
監修 CARDIOLOGY
1. 2 │心臓の構造と機能
1. 2. 5 心電図発現の機構
り生じる
● 1. 心筋細胞の電気生理
2 相:プラトー相で比較的平坦な時期で 200∼300msec
持続する。
心臓の収縮や拡張は心筋細胞の膜電位の変動によるもの
3 相:膜電位が速やかに再分極する相である。
であり,心電図の発現の基礎となる。
4 相:静止膜電位レベルとなる。自動能を持つ刺激伝導系
1.2.14)
。
細胞は穏やかな脱分極となっている
(図1.2.13,
● 2. 静止膜電位
心筋細胞は外に対して約−90mV の負の電位を生じてい
る。これが静止膜電位である。静止時に細胞膜は K+をよ
く透過させるが Na+ の透過性は低い。細胞外では Na+ が,
+
細胞内では K の濃度が高い。細胞内外の濃度差に反して
+
+
+
+
細胞膜はエネルギーを使い能動的に Na を汲み出し K を
● 4. 興奮性
心筋細胞は一度興奮すると再分極により−50∼−60mV
に低下するまでは,どんなに強い刺激を与えても反応しな
い時期がある。これを絶対不応期という。
汲み入れる「Na-K ポンプ」により,Na を汲み出し K を
この時期を過ぎると強い刺激には反応するようになる相
細胞内に取り込んでいる。このとき Na+ 3 個と K+ 2 個がポ
対不応期という。その後一過性に興奮が高まる時期があり,
ンプにより交換されるためマイナスに帯電する(図 1.2.13)
。
それを受攻期という。心電図は T 波の頂点付近が受攻期
であり,この時期に心室期外収縮などの刺激が加わると心
室細動などの不整脈に移行する場合がある(図 1.2.15)。
● 3. 活動電位
心筋細胞に電気刺激を加えると,電位は急速にプラスに
PR間隔
転じる。一過性に+ 30mV 程度に達する。この電位変化を
QRS幅
活動電位と呼ぶ。このように静止電位から陽電位に変化す
R
ることを脱分極という。活動電位はイオンチャンネルの開
QT間隔
閉により形成され,図 1.2.13 のように 0∼4 相の 5 つの相に
T
P
分類される。
0 相:電位が静止膜電位から急速に立ち上がる相で,急
S
Q
速な Na+の細胞内流入によって形成される。
ⅠCa
1 相:0 相から電位が 0mV 付近まで下降してくる相であ
ⅠNa
る。Na+細胞流入の低下や一過性の K+の流出によ
Ⅰto
1相
2相
ⅠCaL
ⅠK
図 1.2.14
ⅠKr
細胞電位と心電図の関係
ⅠKs
0
活動電位
ⅠNa
3相
絶対不応期
ⅠKl
0相
4相
R
1mV
イオン電流
1mV CAL
電位依存性 Ⅰ
( )
Naチャネル
Na
受攻期
L型
Ⅰ
( )
Caチャネル
CaL
T
P
一過性外向き
Ⅰ
( Kチャネル )
to
ⅠKr
遅延整流型
( )
Kチャネル
Ⅰ
内向き整流性
Ⅰ
( Kチャネル )
Ks
Q
Kl
図 1.2.13
心室筋の活動電位とイオン電流
S
相対不応期
図 1.2.15
不応期の時相
11
3. 2 │心電図を読むための基本
−110
−100 −90 −80
−70
−120
−60
−130
−140
−150
−50
Ⅰ誘導
0
−40
−30
+10 +20 +30 +40
−20
+3
0
+4
0
−40 −30 −20 −10
20
−10
+30
−
+150
+20
Ⅲ誘
20
−1
0
+160
+10
導
0
+170
−
30
+40
+50
−4
0
+140
+130
+120
+110
+100 +90 +80
Ⅰ誘導=8mm(R波)
−1mm
(q波)
−0.5mm
(s波)
0
+1
0+
+180
+60
+70
Ⅲ誘導=6mm
(R波)
−0mm
(q波)
−1mm
(s波)
・Ⅰ誘導とⅢ誘導の代数和を求める
・Ⅰ,Ⅲ誘導の軸上に代数和をプロットし,プロットした点より垂線をおろす
・中心点から交点を結び,円周との交点を求め電気軸を求める
図 3.2.13
電気軸の求め方(作図法)
−90°
左軸偏位
・Ⅰ誘導が正(+)
・ aVF誘導が負(−)
Ⅰ
180°
左軸偏位
Ⅰ
aVF
0°
(Ⅰ)
Ⅰ
aVF
aVF
右軸偏位
・Ⅰ誘導が正
(−)
・ aVF誘導が負(+)
右軸偏位
正常軸
正常軸
・Ⅰ誘導が正(+)
・ aVF誘導が負(+)
+90°
(aVF)
図 3.2.14
目視法(Ⅰ誘導と aVF 誘導を用いる方法)
Ⅰ誘導の代数和と aVF 誘導の代数和を目視で判定し,
の波形では基線の下から波形の下端までを計測する(図
両者が正(+)なら正常軸(0°
∼+90°
),Ⅰ誘導が正で aVF
3.2.18)。
誘導が負(−)なら左軸偏位(0°∼− 90°
),Ⅰ誘導が負
①P波
で aVF 誘導が正なら右軸偏位(90°∼180°
)となる。
・六軸法(図 3.2.15)
Ⅰ誘導から aVF 誘導の六誘導のうち代数和がゼロ(0)
Ⅱ誘導で幅と振幅を計測する。
V1 誘導で Moriss 指数を計測する(図 3.2.19)。
V1 誘導で P 波終末成分の深さ(mm)と幅(秒)を乗じて
になる誘導を探す。0 となる誘導があれば電気軸はそ
求める。
の誘導と直交する方向にある。
② PR(PQ)時間
Ⅱ誘導で幅を計測する。
(5)チェック 5:計測値の評価(図 3.2.17)
心電図計測において,間隔の測定は,それぞれの波形の
開始点で測定する(図 3.2.16)
。振幅の測定は,基線より上
への波形では基線の上から波形の頂点までを,基線より下
③ QRS 波(群)(QRS complex)
Ⅱ誘導で幅を,V1 誘導で S 波の深さ,V5 誘導(または
V6;高い誘導を選択)誘導で R 波の振幅を計測する。
胸部移行帯
59
■ 4 章 異常心電図
4. 1. 5 心房粗動
・心房粗動では,Ⅱ,Ⅲ,aVF 誘導にて陰性の鋸歯状波(F 波)を呈し,等電位線を認めず,V1 誘
ここが
ポイント!
導にて陽性を示す。
・反時計方向回転型通常型心房粗動の興奮旋回路は,心尖部からみて,三尖弁輪を反時計回転して
いる。
・時計回転しているものは,時計方向回転型通常型心房粗動とよばれ,Ⅱ,Ⅲ,aVF 誘導にて鋸歯
状波は陽性,V1 誘導は陰性を示す。
・伝導比が 1:1 で鋸歯状波がわかりにくい場合は,バルサルバ刺激を行うことにより,伝導比が
低下し,鋸歯状波が明瞭となり診断可能となる場合がある。
・下大静脈−三尖弁輪間解剖学的峡部への線状焼 (高周波カテーテルアブレーション)にて,根
治可能である。
● 1. はじめに
し,V1 誘導にて陰性となる(図 4.1.31)。心房粗動の心内
心電図を図 4.1.32 に示す。
心房粗動の心房興奮は,約 250∼350/ 分で,12 誘導心電
心室への伝導比は,2:1,4:1 と偶数比となることが
図では,下壁誘導(Ⅱ・Ⅲ・aVF)にて等電位線がなく,ゆ
多いといわれている。1:1 伝導となると高度の頻拍とな
っくり立ち下り,急峻に立ち上がる,特徴的な鋸歯状波
り失神や心不全を呈する場合がある。伝導比が 1:1 で鋸
(F 波)を呈し,V1 誘導にて陽性を示す(図 4.1.30)
。このと
歯状波がわかりにくい場合は,バルサルバ刺激を行うこと
きの興奮旋回路は,心臓を心尖部方向からみて,三尖弁輪
により,伝導比が低下し,鋸歯状波が明瞭となり診断可能
を反時計回転しており,反時計方向回転型通常型心房粗動
となる場合がある(図 4.1.33)。
(common atrial flutter)と呼ばれる。一方,三尖弁輪を時
計回転に旋回する時計方向回転型通常型心房粗動(reverse
common atrial flutter)も存在し,鋸歯状波の極性が変化
図 4.1.30
88
Ⅰ
V1
Ⅱ
V2
Ⅲ
V3
aVR
V4
aVL
V5
aVF
V6
反時計方向回転型通常型心房粗動の 12 誘導心電図
4. 1 │リズム異常
短くなり,隣り合う 1 拍ごとでは変化がわからない場合が
①第 1 度房室ブロック(first-degree A-V block)
(図 4.1.68)
心房と心室間の伝導が遅延しているもの。
多い。その場合でもブロックを生じた前後の心電図の PR
房室伝導時間を反映する PR 間隔は延長するが,すべて
間隔を比較すると理解しやすい。
ほとんどが AH ブロックで,第 1 度房室ブロックと同様
の心房興奮は心室に伝えられ,P 波のあとに必ず QRS 波が
に大部分が副交感神経(迷走神経)緊張による房室結節内
続いている。
の機能的障害であり,運動や交換神経活動亢進で改善され
一般的に PR 時間は 0.20 秒以上を延長としているが,高
ることが多い。治療の対象とはならないとされている。
齢者ではしばしば軽度の延長を認めることが多く,病的な
・Mobitz Ⅱ型房室ブロック(図 4.1.70)
延長は 0.24 秒以上を用いる場合が多い。
PR 間隔が漸増することなく,QRS 波が脱落するもの。
ブロックの部位は,ほとんどが AH ブロックで,大部分
PR 間隔が一定で,突然に QRS 波が 1∼2 拍脱落する。ほ
が副交感神経(迷走神経)緊張による房室結節内の機能的
伝導遅延であり治療の対象とはならないとされている。
とんどが HV ブロックで,ヒス束内あるいは His 束遠位部
②第 2 度房室ブロック(second-degree A-V block)
以下の器質的伝導障害が原因とされる。His 束遠位部以下
心房と心室間の伝導が時折途絶するもの。
のブロックの場合は QRS 間隔の延長を伴う。高度の房室
QRS 波の脱落のしかたによって以下のように分類され
ブロックへの進展が高率に認められる。
・2:1 房室ブロック
る。
・Wenckebach(Mobitz Ⅰ)型房室ブロック(図 4.1.69)
心房興奮が 2 回のうち 1 回しか心室に伝わらないもの。
房室伝導が次第に障害される結果,PR 時間が漸次延
Wenckebach 型もしくは Mobitz Ⅱ型の房室ブロックの
長し QRS 波が脱落するもの。
いずれかであるが,房室伝導比が 2:1 ではその鑑別は困
房室伝導時間が漸次延長し,QRS 波が拍脱落する。房
難である(図 4.1.71)。房室伝導比が改善し 3;2 伝導に変
室結節伝導遅延は通常,Wenckebach 周期の初期のほうが
われば鑑別可能となる。wide QRS 波を呈する場合は,His
PR 間隔の延長度が強く,長くなると 1 拍ごとの延長度は
束以下の部位の障害が示唆される(図 4.1.72)
。
心房
房室伝導
心室
PQ間隔は0.44秒と延長している。
P波の後にはQRS波が出現し,
1:1の房室伝導が保たれている。
図 4.1.68
1 度房室ブロック
QRS脱落
PQ1
PQ2
心房
房室伝導
0.20
0.28
0.32
0.20
PR間隔
(秒)
心室
PQ間隔が1拍ごとに延長し,
↓の場所でP波に引き続くQRS波が脱落している。その直後のPQは,脱落直前と比
較すると短縮している(PQ1>PQ2)。
図 4.1.69
2 度房室ブロック(Wenckebach 型)
111
4. 2 │形の異常
*この場合は左脚ブロックと区別できない
する場合があり注意が必要である。
・失神に準じた自覚症状(めまい,ふらつきや眼前暗黒感)
を有する場合は医師へ報告を要する。
(2)3 束ブロック
① CRBBB + LAH +Ⅰ度あるいはⅡ度の房室ブロック
(図 4.2.14)
(1)2 束ブロック
① CRBBB + LAH
② CRBBB + LPH +Ⅰ度あるいはⅡ度の房室ブロック
② CRBBB + LPH
③ LBBB +Ⅰ度あるいはⅡ度の房室ブロック
③ LAH + LPH
Ⅰ
aVR
V1
V4
Ⅱ
aVL
V2
V5
Ⅲ
aVF
V3
V6
(a)
図 4.2.12
(b)
左脚前枝ブロック
Ⅰ
aVR
V1
V4
Ⅱ
aVL
V2
V5
Ⅲ
aVF
V3
V6
(a)
図 4.2.13
(b)
左脚後枝ブロック
125
■ 4 章 異常心電図
V1
Ⅰ
Ⅱ
V2
Ⅲ
V3
aVR
V4
aVL
V5
aVF
V6
図 4.4.11
症例 2
症例 3
急性下壁心筋梗塞
Ⅱ,Ⅲ,aVF の ST 上昇により急性下壁心筋梗塞,V1,V2 の ST 上昇より,右室梗塞が考えられる。
キャブレラ誘導では,Ⅲ誘導のほうがⅡ誘導よりも ST の上昇が大きいため,責任冠動脈は右冠
動脈が考えられる。
標準12誘導
キャブレラ誘導
V1
手
左
Ⅰ
aVL
V2
隔
室中
心
Ⅱ
Ⅰ
LV
V3
RV
Ⅲ
下壁
V4
aVR
aVL
V5
aVF
V6
図 4.4.12
140
症例 3
側壁
Ⅲ
左足
aVF
心尖部
Ⅱ
−aVR
■ 5 章 その他の心電図検査
ある。
⑥検査説明
検査の説明,負荷方法の概要を次のように説明する。
「安
静時の心電図の記録を行った後に 2 段の階段を昇降する運
動を行います。時間は 3 分(ダブルの場合)になります。運
動が終わりましたら,運動後の心電図の記録を行いますの
で,また,ベッドに移っていただきます。また後ほどでも
説明いたしますので,わかりにくい点はお申し付けくださ
い」。
● 3. 安静時心電図記録
①負荷前の安静時 12 誘導心電図を記録して,負荷試験
が可能かを判断し(p.172「適応と禁忌」参照),前回記
図 5.1.3
ズボンの裾は折り返す
録の心電図があれば確認する。身体状況や心電図に変
化を有する場合は医師へ報告をし,指示を仰がなくて
負荷量はダブル(約 6.5METs に相当)が通常用いられる
が過負荷となる場合があり,ハイリスク例ではマスター2
階段負荷試験は避けるべきである。
その場合は,運動負荷中の連続心電図記録や血圧監視が
可能な運動負荷法を選択することが望ましい。
③マスター台昇降が可能であるかの判断
入室時の歩行状態で階段昇降が行えるかの確認を行う。
④被検者の体調や症状の確認
検査当日のみではなく,最近の体調,症状の有無,程度,
頻度の確認を行う。
⑤日常生活での身体負荷や入室までの行動量と状態を把握
日常生活,来院時の活動量と症状を把握することにより,
負荷判定の目安が可能となる。
* 2 階建家屋での生活や電車を利用しての来院で症状を
はならない。
*予約時から実施当日までの病態変化に注意し,負荷
試験による危険を避けなければならない。
②胸部誘導の誘導部位にマークを付け,負荷後の記録部
位が変わらないようにする。
*負荷後の記録を速やかに行うために前開きの検査着
を用いる。ズボンの裾は運動の邪魔にならないよう
折り返す(図 5.1.3)
。
転倒防止のために,手すり棒の設置も有用である
*貼付電極(図 5.1.4)を用いると負荷後の記録も速や
かに行える。
*負荷中のモニタリングが可能な機種では,MasonLikar(ML)誘 導 を 用 い た 方 法 も 利 用 で き る( 図
5.1.5)。
有さない場合は,安全に負荷を終えられる可能性が
図 5.1.4 貼付電極
176
図 5.1.5
負荷中のモニタリングが可能な機種の例
5. 5 │加算平均心電図
5. 5 │ 加算平均心電図
・通常の 12 誘導心電図では記録できない微小電位を検出し記録する心電図である。
ここが
ポイント!
・微小電位を検出する手法としては,加算平均法,フィルター機能,トリガー機能など特殊な信号
処理を行っている。
・心室遅延電位の検出は,器質的心疾患における致死的心室不整脈,突然死予測に用いられている。
・Brugada 症候群におけるハイリスク群の同定に有用性が期待されている。
・心房遅延電位にも応用され,発作性心房細動発症予測因子としても利用されている。
● 1. はじめに
● 2. 検査方法
通常の 12 誘導心電図が,「mV 単位」の電気現象を対象
(1)誘導
とするのに対して,体表心臓微小電位というのは「μV 単
X 誘導・Y 誘導・Z 誘導のベクトル各誘導(図 5.5.2)から
位」の微小な電位を対象とし,それを検出する方法のひと
得られる心電図を加算することで加算平均心電図が作成さ
つとして加算平均心電図がある。この微小電位を記録する
れる。その各誘導の心電図を X2 + Y2 + Z2 として計算し,
には,加算平均法,フィルター機能,トリガー機能などの
すべて上向きの心電図として作成されたのものが,ベクト
特殊な信号処理を必要とする。
ルマグニチュード波形(図 5.5.3)となる。
この加算平均心電図によって記録される心室遅延電位と
は,心筋梗塞後,心筋症,催不整脈性右室心筋症および心
サルコイドーシスなど器質的心疾患を有する患者において,
(2)加算平均法
多数(100∼500 拍)の心拍を重ね合わせて平均化(加算平
伝導遅延を伴う障害心筋が存在する場合に,QRS 波の終
均)することにより,いつも同じ時相に出現する電位は増
末部に出現する微小電位をいう(図 5.5.1)
。2012 年 4 月の
幅されて残るのに対して,不規則に出現する雑音は小さく
診療報酬改定にて保険償還され,研究段階から一般臨床に
なってキャンセルされる。このようにして目的とする微小
出て,まだ新しい検査法である。以下に,検査方法,記録
電位のみを取り出して記録する。信号のなかには,必ず雑
上の注意点,臨床的意義について述べる。
音(ノイズ)が存在し,高感度で増幅するとノイズも大き
くなることから,信号(S)とノイズ(N)との S/N 比を大き
くする必要がある。ノイズの原因には,皮膚と電極の接触
部から起こるもの,筋電図,交流(50∼60Hz)増幅器ノイ
ズなどがある。このなかで,ランダムな雑音は加算平均に
正常症例
異常症例
異常症例では,QRS波の終末部に微小電位を認める。これは,伝導障害を伴う障害心筋が存在し,他の健常心筋
が興奮し終わった後に遅れて出現する遅延電位を反映していると考えられている。
図 5.5.1
加算平均心電図の正常症例と異常症例
213