293号 - 結核予防会

総裁秋篠宮妃殿下
ご動静
総裁秋篠宮妃殿下ご動静
資金寄付者感謝状贈呈式並びにお茶会
平成15年7月10日/ホテルニューオータニ
妃殿下は,結核予防事業資金として結核予防会に多額のご寄付を下さった方々に,感
謝状をお渡しになりました。また,式典に続き記念撮影とお茶会が行われ,資金寄付者,
永年勤続職員の各テーブルをお回りになり,なごやかなひとときを過ごされました。
多額のご寄付を下さった方に感謝状を贈呈
お茶会にて,全国の支部職員とお言葉をかわされる妃殿下
Message
結核予防週間にあたって
牛尾 光宏
うしお みつひろ
厚生労働省健康局結核感染症課長
この度7月18日付で,結核感染症課長に就任しま
した。これから皆さんと一丸となって,結核対策を
推進してまいる所存でございますので,どうぞよろ
しくお願いいたします。
さて,厚生労働省は毎年9月24日から30日までを
「結核予防週間」として,都道府県や結核予防会等
関係団体と協力して,各種普及啓発事業を実施して
いるものであります。本年度は「結核制圧に向けて,新
しい結核対策を進めよう」をスローガンに新しい結
核対策の取り組みを実行し,21世紀半ばまでに結核
制圧に向けて前進していくことを目標に掲げており
ます。
我が国の結核の現状は,かつて国民病として恐れ
られ,国をあげて対策を行ってきた結果,大幅な改
善を遂げてまいりました。しかしながら,今なお年
間約4万人の新規患者が発生し,約3千人が亡くなって
いるなど,依然として,罹患率,死亡率ともに先進
諸国の中でも最も高い状況となっており,そこには,結
核患者の高齢化や地域格差の拡大,更には多剤耐性
菌の出現や治療中断者の増加,集団感染の多発など
の様々な問題があり,その対策が急務となっており
ます。
厚生労働省は,新しい結核対策を探るため,平成
12年度に実施した結核緊急実態調査を踏まえ,中長
期的な視野から結核対策の見直しのための検討を行
い,集団的・一律的な結核対策から個別的・リスク
別対策を効率的かつ重点的に行うこととし,本年4
月からは小1,中1に対するツベルクリン反応検査
を中止しました。今後も,新しい結核対策を更に前
進させることとしております。
引き続き結核対策を推進していくうえで,国民一
人一人の理解と協力が必要不可欠であり,この結核
予防週間を機会に国民の結核に対する関心が大いに
高まり,今世紀半ばまでに,結核制圧が結実するよ
う期待します。
目 次
1
牛尾 光宏
■メッセージ 結核予防週間にあたって
■結核予防週間特集 結核予防週間に寄せて
−あと戻りはできない予防法の包括的
2
森 亨
な見直し−
4
実施要領・優良市町村表彰・けいりん号伝達式
5
平成15年度結核予防週間実施予定行事
■特集
外来性再感染も含む多剤耐性結核菌による院内集団感染事例
8
露口 一成
について
多剤耐性結核菌による再感染事例の報告を読んで 12
青木 正和
13
山田三枝子
■ずいひつ 夢 ■特対事業(鳥取) 乳幼児BCG接種の技術評価
14
土井 博文
■特対事業(大分) 抗酸菌情報オンライン−拠点病院から保健所へ−
16
小野 孝二
■DOTS 和歌山県のDOTS事業
18
川崎貴美子
日本結核病学会保健・看護委員会が泊まり込みで検討
21
小林 典子
「院内DOTS指針」
■台湾人医師旅行者がSARSを発病−大阪市の対応,そして
22
下内 昭
学んだことは?−
24
■たばこ たばこ対策枠組み条約について 渋谷 克彦
■結核予防会本部事業所だより 読んでみませんか?小説『闘』
26
林 和子
幸田文著
27
■多額寄付者の方々からのメッセージ
20
▽マスコミ資料(結核・たばこ・肺がん関係)
28
▽予防会だより
〔表紙〕平成15年度結核予防週間パンフレットより
〔カット〕佐藤奈津江
09/2003 複十字 No.293
1
9月24日∼30日 結核予防週間
結核制圧に向けて、新しい結核対策を進めよう
結核予防週間に寄せて
−あと戻りはできない予防法の包括的な見直し−
人権の配慮の明文化
結核研究所長
森 亨
昨年の3月に厚生科学審議会の「提言」が出て,「結
核予防体系の包括的な改定」はその大筋の方向が決ま
りました。そして平成16年4月を目途としたその再出
発への準備が始められていました。昨年の結核予防週
間の標語「結核制圧への新しい歩みを始めよう」から
もそれを読みとることができましょう。改定内容の一
部で法改定の手続きを要しない部分(BCG接種や学校
保健に関するもの)については「いずれ平成16年に実
施されるものなら,なにもそれまで待たなくても……」
ということで,さっそく2003年度からの実施に踏み切
りました。しかしこれらは,体系づけられた「提言」
全体の一部分で,本来独立したものではなく,その前
倒し実施は,ほどなく全体の改定が実施されることを
前提としたものであることを忘れてはなりません。し
かし,率直に言って現実にはその改定の準備は進んで
いるとは言い難いのです。国会の日程を云々する立場
ではありませんが,いまの状況では平成16年4月から
の「新しい体系」での再出発はむりと思います。これ
にはSARS(重症急性呼吸器症候群)という大あらし
が世界を襲い,日本の感染症行政もまともにあおりを
食らったという,一面やむを得ないいきさつもありま
す。ただ気になるのは,そんな都合で再出発が1年ぐ
らい遅れるのはやむを得ないとしても,ぐずぐずして
いるうちに高まっていた意気が萎え,「提言」が骨抜
きになってしまわないか,ということです。
そこで以下法改正を含む結核予防体系の改定がどの
ような点で必要なのか,この1,2年間に申し上げて
きたことの繰り返しにもなりますが,(もちろんあく
までも一専門家として)「提言」に基づいて,特に対
策の上で共通の問題を持つ感染症と比較しながら申し
上げてみたいと思います。
2
9/2003 複十字 No.293
新しい結核対策体系の基本理念のひとつとして,「人
権の重視」が挙げられています。感染症法の制定に当た
って大議論のあった人権問題ですが,結核予防法ではこ
れに関わる措置がきわめてあっさりと規定されています。
つまり「従業停止」「入所命令」など基本的人権を制限
するような措置が保健所の診査会で事実上決定され,し
かも入所命令は一度決定されると最長6カ月も有効,と
いうようなことです。これは主として患者側の人権に関
わる問題ですが,その別の面を見ると,感染防止のため
の入所命令を患者が無視しても何の強制的な行政対応も
とれないという,実効性の弱さも持っているのです。
これについては平成10年に始まる,ある慢性排菌患
者の全国の療養所行脚(?)に対して,結局患者が事
せっし やくわん
故死するまで,行政が切歯扼腕しながらも何も効果的
なことを実施できなかったという象徴的な事例があり
ます。この患者が数年にわたり東北から広島までを放
浪(行き倒れ−入院−自己離院−移動−行き倒れ−……)
する間に何人の人々に多剤耐性菌を感染させたことで
しょうか。そして結局はこの人自身の命を短くしたの
も効果的な対応の欠如ゆえということもできましょう。
このように患者と同時に周囲の人の人権についても感
染症法では配慮されています。
日本版DOTSと人権
このことは単に人権の擁護に留まらず,より広く,
従来の予防から治療へと重点が移行しつつある新しい
対策の向上にとっても重要な意味があります。厚生労
働省が売り込んでいる21世紀型日本版DOTS戦略の実施
に当たって,行政現場が自信を持って患者支援を進めら
れるためには,受療の強制のような行政措置の裏付けが
あることは重大な意味があります。もちろん法的強制の
規定があれば誰もが常にそうされるということではあり
ません。この制度を実施している米国の経験からも,強
制的な措置を受ける患者はほんのわずかですが,治療成
績の向上は明らかであることが報告されています。また
これは結核治療において,患者の治療完遂を見届けるこ
と(つまり日本版DOTS)に対する行政の責任を明確に
するということと連動することでもあります。
患者発見政策と人権
同じことは,無差別健診から選択的健診への重点の
移動が叫ばれている新しい患者発見方策についても該
当します。効率が極端に低くなっている無差別健診が
集約化されることは必要でしょうが,そのかわりにハ
イリスク集団を中心とした接触者健診を強化しなけれ
ばなりません。この接触者への対応は,従来は同居家
族が中心でしたが(家族健診),これからはそのほか
に社会生活の中での接触者(職場や学校,種々の社交
の場における同僚・仲間・知人)に対象枠を拡大する
必要があります。ところが今の制度ではその対象者や
事業所などの協力についての規定は何もないのです。
感染症法では,「積極的疫学調査」への協力義務,そ
れに基づく健康診断の強制などが規定されています。
結核の接触者対応も,「定期外健康診断ガイドライン」
の改定版と位置づけられている「保健所における結核
対策強化の手引き」のなかでは「積極的疫学調査」と
名づけられていますが,そのなかで行われる健康診断
の確実な実施の保証については,まさに今回の改定に
委ねられているのです。つまりいまの結核予防法に欠
けている人権に関する近代的な規定を行わないと,健
康診断政策も安心して変革できないのだと思います。
発生動向調査と県市結核予防計画
次の法改正の焦点は,結核問題を常時把握し,対策
の評価を行うサーベイランス(発生動向調査)の法で
の規定です。これも感染症法では「情報の収集」(法
第13∼15条)に明確に規定されています。結核の分野
では,患者登録制度にかかる情報を国の予算事業とし
て収集・分析しているに過ぎません。
また,結核問題の地域格差に効果的に対応するため
の都道府県市と国の役割分担の明確化も,提言で指摘
している重要な課題です。国による「全国版対策」を
補充する県市による「地域結核対策計画」の確保です。
現行でも「国と地方自治体は……地域の特性に配慮し
つつ……」として同様のことが謳われています(第2
条)が,感染症法では,「都道府県は『予防計画』を
定めなければならない(第10条)」という明確で具体
的な規定を行っています。さらにこれについては今回
のSARS問題の経験をふまえて,国の調整機能を拡充
する法の手直しを行うことが目下議論されています。
その他,結核医療の確保,研究・研修の向上,国際協
力などについても提言は国の関与がいま以上に強化さ
れることを求めていますが,これらも法の条文に明記
されることが実効を求める上で望ましいことはいうま
でもありません。
☆ ☆ ☆
閑話休題。図は結核研究所のウェブへのアクセス件
数の変化を見たものです。1999年の「緊急事態宣言」
の熱狂が落ち着いて,その後は週平均3,600件程度に
落ち着いていたものが,本年に入ってから週4,500件
に上昇しています。ウェブサイトの質的向上で「常連
さん」が増加したおかげなのか,結核問題や対策の動
向に関心を持つ「一見さん」のアクセスが増えはじめ
たのか,どちらかはよく分かりませんが,いずれにせ
よ,この傾向を対策の前向きな改定への追い風とする
ことができるよう,私たちの責任の重さを感ぜざるを
得ません。
図 結核研究所ホームページ(www.jata.or.jp)へのアクセス件数の推移
12000
予防週間(9.24∼30)前後
緊急事態宣言(1999.7.26)
10000
審議会提言(2002.3.20)
8000
6000
4000
2000
0
8/2 1/31 8/1 1/30 7/30 1/28 8/5 2/3 8/4 2/2 7/20
(1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003)
9/2003 複十字 No.293
3
平成15年度結核予防週間実施要領
9月24日
(火)∼30日
(月)
標語「結核制圧に向けて、新しい結核対策を進めよう」
1 趣 旨
我が国の結核事情は、かつて多くの人々の命が奪い去られた時代には想像もできなかったほどの大幅な改善を遂げてきた。
しかしながら、我が国の結核の現状は、ここ数年を見ると年間約4万人の新規患者が発生し、約3千人が亡くなっているなど、
罹患率、死亡率は先進諸国の中で最も高い状況にある。さらに平成9年からは、それまで30年以上減少を続けてきた新規登録患者
数及び罹患率が増加に転じたため、厚生省では平成11年7月に「結核緊急事態宣言」を行い、その後、平成12年には罹患率が減少
しているものの、依然として「緊急事態宣言」前と同水準で推移している。そのため、今後ともわが国の結核の状況に対しては十
分に注意を払っていくべきであり、関係団体、地方自治体及び関係省庁には、様々な結核問題に対し各種対策を推進していただい
ているところであるが、結核制圧のためには今後なお一層の努力が期待されているところである。
現在のわが国では、旧世紀になしえなかった結核制圧に向けて、結核対策の見直しを進めているところであるが、新しい結核対
策を推進していく上で、国民一人一人の理解と協力が必要不可欠である。結核予防週間を機会に国民の結核に対する関心を大いに
高めるとともに、結核に関する知識を深め、結核対策の推進に一丸となって取り組む気運を高めることを趣旨とするものである。
2 主 催
厚生労働省、都道府県、政令市、特別区、社団法人日本医師会、
財団法人結核予防会、社団法人全国結核予防婦人団体連絡協議
会及び財団法人健康・体力づくり事業財団
3 後 援
文部科学省、
日本放送協会、
社団法人日本新聞協会、
社団法人日
本民間放送連盟、
財団法人日本学校保健会、
社団法人国民健康保
険中央会、健康保険組合連合会、社団法人生命保険協会、全国地
域婦人団体連絡協議会、社団法人全国地区衛生組織連合会、社
団法人日本放射線技師会及び社団法人日本看護協会
4 実施期間
平成15年9月24日
(水)から9月30日
(火)
まで
5 重点目標
(1) 結核予防法(昭和26年法律第96号)の制定から半世紀が経過
した今、
旧世紀における結核対策の見直しを行い、結核制圧に向
けての新たなる結核対策の推進を図る。
(2) 国民の結核に対する正しい理解を得るため、地域の団体組織
等を通じて、
より一層の普及啓発を図る。
6 結核予防週間の標語
「結核制圧に向けて、
新しい結核対策を進めよう」
その他実施機関によって適宜作成するものとする。
7 実施行事等
(1) 結核予防週間の周知(各主催団体)
結核予防週間のポスターを作成し、
関係各機関へ配布するほか、
電車・バス内での広告、懸垂幕、電光掲示板等により国民一般に
対して結核予防週間の周知を図る。
(2) 結核対策推進優良市町村の表彰(財団法人結核予防会)
結核対策の推進を図るため、
結核対策全般にわたって優良な成績
第46回胸部検診車「けいりん号」完成伝達式
をおさめている市町村に対し、
財団法人結核予防会総裁表彰を行う。
(3) 資料の配布(各主催団体)
結核に対する関心を高めるため、関係各機関等に結核予防の
ためのポスター、
リーフレット等を配布する。
(4) 講習会等の開催(各主催団体)
結核予防活動を推進するため、
社団法人全国結核予防婦人団
体連絡協議会を中心とした地区組織の拡充強化を図るとともに、
各地において講演会、
講習会、
パネル展等を開催する。
(5) 児童・生徒への結核の知識の普及(各自治体)
結核の正しい知識を児童・生徒に普及するため、全国の小中高
等学校において学級活動、学校行事等を通じて指導するよう、文
部科学省の後援により呼びかける。
(6) 街頭健康診断等の実施(各自治体)
結核予防週間の周知と国民一般の結核に対する関心を喚起
するため、街頭健康診断を行うほか、結核予防を周知する語句の
入った風船、広報ポケットティッシュ等を手渡すなどして結核予防思
想の普及を図る。
(7) 報道機関等との連携(各主催団体)
全国の主要な報道機関にリーフレット等の広報資料を配付し、
結核予防週間の周知、
行事の取材等を依頼する。
広報誌、関係機関誌等に結核予防に関する記事が掲載される
よう積極的に依頼する。
(8) その他
上記のほか、各地域で適宜結核予防週間の趣旨に沿った行事
を行う。
(例)一日保健所長、
各種集会の開催、
標語の募集等
第47回結核対策推進優良市町村表彰式
平成15年10月27日
(月)
9:55∼10:55
ホテルニューオータニ 悠の間
結核予防会に対し,日本自転車振興会から「結核検診車の整備事
業」の一環として補助金が交付され,自己資金を加え,胸部検診車
「けいりん号」8台を製作,各地で活動することになりました。当
伝達式では,総裁秋篠宮妃殿下から各受配支部に授鍵が行われる予
定です。
平成15年10月27日
(月)11:10∼11:45
於 ホテルニューオータニ 麗の間
結核対策全般にわたって,あるいは特別の対策を行い優秀な成績
を修めた5市5町4村に対して,総裁秋篠宮妃殿下より,表彰状授
与が行われる予定です。なお,被表彰市町村代表者は,午後2時か
ら皇居において,天皇皇后両陛下の拝謁を賜る予定となっておりま
す。
けいりん号配車先一覧
4
青森県支部
長野県支部
茨城県支部
富山県支部
埼玉県支部
宮崎県支部
神奈川県支部
鹿児島県支部
9/2003 複十字 No.293
結核対策推進優良市町村一覧
都道府県名
市町村名
都道府県名
市町村名
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
茨城県
群馬県
埼玉県
大東町
女川町
上小阿仁村
遊佐町
ひたちなか市
新治村
岩槻市
千葉県
神奈川県
長野県
新潟県
富山県
岐阜県
兵庫県
富里市
横浜市
奈川村
横越町
上市町
高鷲村
神戸市
平成15年度結核予防週間実施予定行事
(複十字シール運動キャンペーン)
*写真は昨年の実施模様
北海道
①9月下旬 札幌市中心部にて北海道健康をまもる婦人団体連
合会街頭募金 ②9月下旬 札幌市中心部にて札幌市健康を
まもる婦人のつどい街頭募金 ③9/24∼30 中央区,
手稲区,
西
区,
厚別区,
北区等で街頭募金 ④各保健所等による「健康まつり」
実施時,
パネル・ビデオを貸し出し,
募金活動を実施 ⑤9/24(水)
・
26( 金) 午後4時∼7時,
すすきの交番前にて,
札幌市住民基
本健診の一環として夜間健診を実施する。特にすすきので働く方
やホームレスの受診増を期待する
青 森
①9/24(水)∼25(木),
青森市内4カ所の大型ショッピングセンター
の協力を得て,
青森県結核予防婦人会と合同で結核予防のリー
フレット,
風船,
ティッシュ等を配布し,
街頭募金と無料結核健診を実
施 ②9/1(月),
青森市内繁華街において県警音楽隊のもとに支
部職員,
結核予防婦人会,
青森県よろこびの会,
県庁職員等で街
頭パレードを実施。
また,
結核・がん予防のパンフレット,
ちらし等も配
布 ③9月中 青森市内当支部健診センター正面に結核予防の
のぼり,
結核予防週間看板,
標語入り立て看板を掲示。新聞・テレ
ビに結核予防週間とがん征圧月間PRの実施。
岩 手
①9/23(火)県内主要都市(地元婦人会と調整中)
にて,
街頭募金,
普及啓発グッズ配布等によるキャンペーン ②健診会場および市
町村健康まつり等での普及啓発グッズ配布等
宮 城
①9/23(火)仙台市泉区・泉中央駅前ショッピングセンター「セルバ」
にて街頭募金,
無料健康相談(血管年齢測定,
血圧測定,
医師・保
健師・栄養士による健康指導) ②9/9(火)
・10(水)仙台市宮城
野区・宮城自転車競技場にて「盲導犬育成のためのサイクルフェ
スタINみやぎ」への参加(主催:日本盲導犬協会・日本競輪選手
会北日本地区本部・河北新報社),
X線車(けいりん号)の展示,
無
料健康相談(血管年齢測定等) ③10/4( 土)結核予防会宮城
県支部複十字健診センターにおいて,
近隣の町内会を対象とした
「中山吉成健康まつり」を開催。医師(田中元直支部長ほか)
によ
る健康講話,
無料健康相談,
いも煮会等
秋 田
①9/23(火)秋田駅前アゴラ広場ほかにて,
支部職員のほか,
予防
婦人会県連正副会長及び地区連合会の正副会長と秋田市周辺
地区の会員に協力いただいて,
街頭募金を行う。会場となる広場
には,
検診車や募金での寄贈車,
パネル等の展示を行い,
募金者に
は着ぐるみと一緒に撮ったポラロイドの写真を差し上げる。その他,
市内3カ所の電光ニュースでのPRや看板,
のぼりの設置,
新聞広
告,
パンフ,
リーフレットなどちらしの配布を行う ②9/6( 土)秋田イ
オンショッピングセンター(市内大型スーパー)
にて「健康”チェック
&ケア”フェスタ」の開催。医師や看護職員による無料健康相談,
各種の無料健診や運動機能測定などを行い,
あわせてパネルやポ
スター等の展示とちらしやティッシュ,
カットバン等の配布を買物に
訪れる県民に対し広く行い,
結核撲滅を訴えるとともに,
その啓発に
努める
山 形
①9/23(火)県内主要地の繁華街等において,
普及啓発用パンフレッ
トの配布,
街頭募金(がん征圧・結核撲滅街頭キャンペーン) ②結核予防週間中,
受診勧奨及び週間の周知:1)当支部事務
局及び5カ所の検診センターに横断幕を提示 2)検診車,
公用
車等にステッカー貼付 3)職員名札に周知プレート添付 4)
テレ
ビ広報 5)
ラジオ広報 6)新聞広報
福 島
①9/23( 火)福島駅東口・郡山駅前にて,
垂れ幕を掲示し,
健康
グッズ・ちらし・風船の配布 ②9月∼11月
(一部未定)
,
大熊町
(7/29)
,
二本松市(9/30),
会津若松市(11/4),
郡山市(未定)
にて健康集
会 ③9月∼12月 県内地方誌2誌に健康に関する情報をシリ
ーズで掲載
茨 城
①9/24(水)JR水戸駅,
土浦駅,
日立駅にて例年同様結核予防週
間キャンペーンとして,
茨城県,
茨城県健康をまもる女性団体連絡
会とともに,
結核予防パンフレット等を配布する ②9月中 結核予
防スローガン等(シール看板)
を胸部検診車13台へ貼付する
栃 木
①9/23 11:00∼13:00,
宇都宮オリオン通り献血ルーム前にて,
栃木県
地域婦人連絡協議会と共同で街頭募金,
パネル展示,
広報資材配布
を実施 ②9/24∼30 1日1回
(20秒),
ラジオによる広報 ③9/24∼
30 1日あたり192本(32本×6カ所・1回10秒),
電光掲示板による
広報 ④関連機関への広報資材の配布
群 馬
①9/14(日)群馬県庁舎内にて,
群馬県及び当支部主催の「元気
県ぐんま21推進大会」時に,
支部と婦人会と共同で街頭キャンペーン
を行う ②9月中太田市ほか県内6カ所にて,
街頭電光掲示板
に結核予防週間のスローガンを流す ③9/21∼30,
JR高崎駅ビ
ル電光掲示板に結核予防週間のスローガンを流す
埼 玉
①9/23(火)
(祝日)JR浦和駅(西口駅前広場)
にて街頭キャンペー
ンを行い,
資料の配布,
募金の実施並びに結核相談コーナーを開
設 ②9/23∼30 1)県庁本庁舎において懸垂幕の掲示及び結
核予防パネルの展示 2)
さいたま新都心駅において懸垂幕及び
電光掲示板の掲示 3)
ステッカー(スローガン)
を検診車に貼り県
内を巡回
千 葉
①9/23(火)JR千葉駅前において千葉県連合婦人会と共同で結
核予防パンフレット・応急バン等の入ったクリアファイル及び風船の
配布をし,
併せて街頭募金を行う。
また,
市民オーケストラ隊による
「小
さなシールに大きな愛を」ほか5曲の生演奏を行う ②9/24∼30
JR千葉駅構内に啓発用ポスターを掲示する
東 京
9/23( 火)浅草・浅草寺境内にて,
リーフレット・シールぼうやグッズ
等を配布
神奈川
①9/23(火)
(祝日)11:00∼13:00,
JR桜木町駅前にて婦人会と共に
啓発グッズを配布し,
街頭募金 ②各婦人会によるイベント募金(調
整中)
山 梨
9/24( 水)8:30∼9:30 JR甲府駅構内において県・婦人会・関係
機関協力の下,
リーフレット及びポケットティッシュの配布
長 野
①1)9/21(日)11:00∼12:00 松本駅構内にて,
2)9/23(火)11:00
∼12:30 長野駅周辺及び東西自由通路にて,
3)10/5(日)9:00∼
16:00 伊那市勤労者福祉センター(伊那市健康まつり)
において,
各地区結核予防婦人会と事業団職員合同で結核予防パンフレッ
トの配布,
街頭募金,
保健師による無料健康相談,
結核予防及び複
十字シールのパネル展示 ②9/24∼30 県下全域にて胸部・循環
器検診車に垂れ幕をつけPR ③9/15∼30 県内6カ所で結核
予防週間の屋外電光放送の放映 ④9/23地方新聞紙上に結
核の現状と複十字シール運動について掲載し,
PRする
新 潟
①10/5(日)赤泊村において,
新潟県ほか主催「明日をひらく健康
フェア」にて肺活量測定,
パンフレット等配布し,
街頭募金を実施 ②10/19( 金)新潟市ほか主催「新潟市民健康福祉まつり」にて
肺活量測定,
パンフレット等配布し,
街頭募金を実施
9/2003 複十字 No.293
5
〔岩手〕結核予防チャリティーオークション。江釣
子ショッピングセンター
(会場)
の各店鋪から日用品、
衣料品等70点を出品してもらい、
オークションに
かけ、収益金は金額募金していただきました。
〔東京〕渋谷ハチ公前でのキャンペーン後、ポラ
ロイドカメラによる無料の撮影会を実施。女子
高生など多数がシールぼうや・結核菌といっしょ
にパチリ
富 山
①9/23( 火)
(祝日)福岡町駅周辺・つくりもん祭り会場にて,
富山
県結核予防婦人会と共同で結核の啓発普及事業及び複十字
シール募金活動を行う。同時に作芸人磨心(サウンドマシン)
による
街頭パフォーマンスを実施する ②9/1∼30 ㈱大和富山店に懸
垂幕を掲揚し普及啓発を図る ③9/1∼30とやま健康パークにて
がん予防展の開催にあわせ複十字シール募金活動を行う ④9/27∼28高岡市ふれあい福祉センターにて,
がん予防展,
健康
展の開催にあわせ複十字シール募金活動を行う ⑤9/1∼30富
山駅前,高岡駅前にて街頭放送 ⑥9/1∼30民間スーパーマー
ケットにおいて複十字シール運動ポスター及び禁煙ポスター等を掲
示し,
結核予防の啓発普及を行う
石 川
①9/23( 火)金沢市香林坊大和デパート前にて,
県・婦人会・がん
体験者の会と共にパンフレット等を配布し,
募金活動を行う
(がん征
圧月間啓発活動と併せて実施)
福 井
①9月∼11月 県内各地域で女性の会会員による街頭啓発(結
核予防パンフレットの配布とあわせて街頭啓発) ②9/24∼30 結核予防週間用ポスター・パンフレットの配布による広報 ③8/24
結核予防研修会(BCG接種者講習会)の開催
静 岡
①9/27(土)静岡市呉服町青葉イベント広場,
JR静岡駅コンコース
において,
結核予防婦人会静岡市支部,
静岡県と合同で予防週間
に複十字シール運動街頭キャンペーンを行う ②9/26( 金)静岡
県総合社会福祉会館7階大ホールにおいて,
静岡県結核予防大
会,
結核予防功労者の表彰を行う ③9/1(月)∼30(火)新静岡
バスターミナル・南口プラザ電光ニュースライトにおいて,
結核予防
週間及び複十字シール運動募金の広報を行う為,
バスのりば案内
表示版の最上部に文字放送を流す ④10/11(土)∼12(日)
ツイ
ンメッセ静岡南館・しずおか元気発見フェア'03会場にて,
静岡県結
核予防婦人会及び(財)結核予防会静岡県支部共催により結核・
肺がんの症例写真や資料パネルを展示し,
VTRを映写。複十字シ
ール運動の資料の展示と配布により啓発を行う
愛 知
9/20(土)
・21(日)
あいち健康プラザにおけるあいち県民健康祭に
て複十字シール運動キャンペーン
岐 阜
①9/27( 土)
メモリアルセンター「いきいき健康・福祉・美容フェア&
メッセi
nぎふ」会場内において,
募金箱,
のぼり,
たすきにより複十字
シール運動キャンペーンを実施し,
リーフレット・グッズを配布 ②新
聞広告 9/25前後,
毎日新聞朝刊に結核予防の普及啓発を行う
ため,
新聞広告を掲載 ③ラジオ告知 9月中(未定),
岐阜ラジ
オ「すこやかモーニング」番組内において結核予防週間の告知を
行い,
結核予防について考える契機とする
三 重
①9/14(日)松阪市文化会館にて,
松阪市の行う健康フェスティバ
ルに合わせ,
婦人会と共に結核予防パンフレット,
風船,
ボールペン
6
9/2003 複十字 No.293
〔滋賀〕シルバーファッションショー会場にて、熱
心に募金活動をするガールスカウトの女の子たち。
等を配布すると共に,
募金活動を行う。併せて保健師による結核
無料相談を行う ②9/24∼30 1)各保健所・市町村に本部製
作ポスター・ちらし配布 2)各保健所・当センターに懸垂幕を掲揚
3)教育委員会を通じ県内小中高校へ本部製作ポスター・広報資
料配布 4)全検診車にポスター掲示 5)伊勢新聞に広告掲載
滋 賀
①9/28( 金)10:30∼13:00 パワーセンター大津,
エイスクウェア,
西友水口店,
サティ近江八幡店及び平和堂近江八幡店,
ビバシ
ティ,
長浜ジャスコ,
平和堂水口店にて,
高校生ボランティア,
結核予
防婦人会及び支部職員で街頭募金を予定している ②9/24(水)
JR大津駅前(8:00∼9:00),
JR草津駅前(8:00∼9:00),
JR石山駅
前(17:00∼18:00)
にて結核予防婦人会及び支部職員で街頭募
金を予定している ③9/25(木)∼29(月)10:00∼16:30びわこ競
艇場内にて,
結核予防婦人会及び支部職員で街頭募金を予定し
ている *9月24,
28日の行事については,
滋賀県の結核予防啓
発事業の委託による結核予防街頭啓発を併せて実施する
京 都
①9/19 10:00∼11:30京都駅前にて,
街頭募金,
無料結核健診,
啓
発資材の配布 ②9/10 13:30∼15:50京都市アバンティホール
(京
都市南区)
にて,
「結核の予防とがんを考えるつどい」開催。結核
ポスター・パネル掲示,
複十字シール募金の勧奨 ③結核予防週
間を中心に,
京都府内各地にて保健所・地域の婦人会と共同で
街頭啓発・募金活動 ④9月中,
当センター壁面に結核予防の
垂れ幕
大 阪
①9/25( 木)茨木市内「マイカル茨木」にて募金箱,
のぼり,
たすき
により,
リーフレット・カードの配布。街頭広報により運動を展開する
②9/25(木)
・29(月)茨木市内「マイカル茨木」
・堺市内「鳳ウイン
グス」にて街頭無料健診の実施。胸部検診車を配置し,
風船・ポ
ケットティッシュ・リーフレットを市民に配布し,
広報及び普及啓発を
行う ③9/24∼30大阪府下にて,
広報機関等の利用により,
地方
新聞掲載,
ポスター・リーフレット・パンフレットの配布,
懸垂幕等によ
る広報・普及啓発を行う (なお,
今年度は結核予防推進大会を
取りやめ,
近畿地区結核予防婦人団体幹部講習会に協力する)
兵 庫
①9/27(土)
JR神戸駅南口にて街頭募金 ②結核予防週間中県内
各地にて婦人会員による街頭募金 ③9/24∼26 山陽電車車内に
中吊りポスターの掲示 ④9/24∼30 JR,
神戸電鉄,
神戸市営地下鉄,
六甲ライナーの駅にポスターの掲示 ⑤9月中 当支部,
兵庫県立
健康センター,
兵庫県庁,
それぞれの壁面に懸垂幕,
横断幕による普
及啓発(年に1度は健康診断 結核予防週間9月24日∼30日)
奈 良
①9/23( 祝日)近鉄奈良駅・JR奈良駅にて街頭募金(奈良県健
康を守る婦人の会理事 各駅5∼6名ずつによる実施) ②9/13(土)奈良県立橿原公苑にて街頭募金(奈良県健康を守
る婦人の会理事12名による実施) ③9/24∼30 県下6カ所に
てパンフレット等啓発用資材の配布,
街頭無料健診の実施(胸部
X線間接撮影・血圧測定・健康相談)
平成15年度結核予防週間実施予定行事
和歌山
①9/23 JR和歌山駅前にて,
和歌山県及び健康を守る婦人会と
共に,
パンフレット・あぶらとり紙等を配布し,
併せて街頭募金を行う
鳥 取
①9/23 10:30∼12:00 〔東部地区〕
ジャスコ鳥取北店入口,
〔中
部地区〕パープルタウン入口,
〔西部地区〕
ジャスコ日吉津店入口に
て,
鳥取県健康を守る婦人の会と共催で複十字シール,
パンフレット,
風船等を広報媒体として,
結核予防意識を啓発すると共に,
街頭
募金を実施 ②結核予防週間中,
鳥取県健康会館にて結核予
防事業功労者感謝状贈呈(日程・場所は予定)
島 根
9/24(水)JR松江駅前,
JR浜田駅前にて,
結核予防週間の周知と
結核に対する関心を喚起するため,
県及び婦人会と共に,
街頭募
金を実施。
リーフレット,
パンフレット等を1,500部手渡しする
岡 山
①9/23( 火)
(祝日)
リーフレット,
応急バン,
ゴム風船を配布し,
街頭
募金を呼びかける。パネル・X線写真等の展示。胸部・骨等の無
料健診,
無料健康相談の実施。
(場所未定) ②9/24∼30 当
支部厚生町クリニック建物に懸垂幕の掲示。胸部無料健診の実施。
広 島
①9/23 11:00∼12:00 広島アンデルセン北側(本通り側)
(予定)
にて複十字シール運動の応急バン,
リーフレットを広く一般に宣伝
用として配布し,
募金協力者には,
複十字シール(小型)
も併せて
配布する ②9/24∼30 広島県健康福祉センター1階エント
ランスホールにて,
ポスターの掲示及びパンフレット等の配布 ③9/24∼30 広島県健康福祉センター4階 健康指導センター
待合室にてビデオ上映「結核ってどんな病気?」 ④9/24∼30 広島市中区八丁堀にてC-Visionによる文字広告 ⑤9/24∼30
広島県庁正面玄関ロビーにて,
複十字シール募金箱を設置し,
広く
一般に募金協力呼びかけを予定している
山 口
9/24( 水)ザ・モール周南(山口県下松市中央21-3)
にて,
結核予
防婦人会と合同で街頭募金活動の実施(パンフレット,
風船等を配
布してキャンペーンを行う)
徳 島
①9/23( 火)JR徳島駅前にて街頭募金,
無料結核健診を実施す
るほか,
パンフレット等を配布予定 ②9/24∼30支部建物壁面に
懸垂幕を掲示
香 川
①9/23(火)高松市ことでん瓦町駅前広場2階にて,
香川県婦人
団体連絡協議会と共にパンフレット,
応急バン等を配布し,
街頭募
金を実施する
愛 媛
①9/23(火)松山市大街道アーケード内三越松山店前にてパネル
展示,
パンフレット配布,
街頭募金 ② 1)9/29(月)
フジグラン松
山にて,
2)9/26( 金)
フジグラン新居浜にて,
3)9/29(月)パル
ティフジ宇和島店にて,
無料健診(結核・肺がん・喀痰検査),
パンフ
レット等普及啓発資料の配布
高 知
①9/21(日)高知大丸百貨店・中央公園周辺にて高知県健康づく
り婦人会連合会と共催で街頭キャンペーンを実施(1.啓発用冊子・
ちらし・風船・ティッシュ・ボールペン等配布 2.募金活動 3.無
料健康相談:血圧測定・医師による健康相談 4.啓発用パネル
展示 5.新聞・テレビの取材を受け活動の報道 6.事前に
RKC高知放送「テレビ伝言板」にてPR) ②9/27(土)当支部中
央健診センターにて無料健診(結核・胃・子宮・乳腺) ③8月∼
9月 TVスポットCM(さんさんテレビ・RKC高知放送)
・新聞・機
関誌「ボディートーク」
・広報誌「よさこい読本」等によるPR活動 ④9/24∼30当支部において,
結核予防週間の懸垂幕を掲示
福 岡
①9/23 12:00∼17:00(5時間)博多大丸 エルガーラ・パサージュ
広場にて,
福岡県結核予防婦人会,
福岡市健康を守る婦人会,
結
核予防会職員普及啓発パンフレット,
応急バン,
小型シール2千部
配布,
シールぼうやボールペンの配布,
街頭募金,
結核予防ミニ講演
(ス
テージにてテレビアナウンサーと医師による質疑応答及びクイズ形式),
無料健診(血圧・体脂肪・骨密度測定・健康相談),
パネルの展示,
エ
レクトーン演奏。14:00∼はKBCラジオカー「ひまわり号」にてイベント
会場生中継で全国一斉複十字シール運動キャンペーンのPR ②9/19 7:50 KBCテレビ「アサデス」の30秒PRコーナーに出演。結
核予防週間,
全国一斉複十字シール運動キャンペーンのPR ③5/10∼プロ野球シーズン中,
福岡ドームにて野球開催時に大型ス
クリーンビジョン
(縦10m,
横35m)
に「平成15年 小・中学校の結核
健診が変わります」
「結核予防週間」
「全国一斉複十字シール運動
キャンペーン」
「複十字シール運動」のPR ④9/23∼30 結核予
防センターに「結核予防週間」の懸垂幕の掲示 ⑤8/1∼12/31 福岡県内郵便局(710局)及び西日本銀行本・支店(135店)
に「複
十字シール運動」ポスター・パンフレットの掲示と配置。9/23∼30「結
核予防週間」ポスターも掲示 ⑥9月∼10月 福岡市各保健所(7
カ所)
における健康展に参加。
「複十字シール運動」ポスターの掲示,
「結核の常識」パンフレット,
「複十字シール運動」パンフレット,
応急バ
ン,
シールぼうやボールペン,
小型シールの配布,
募金のお願い
佐 賀
①9/23 大和ジャスコ
(ショッピングセンター)店内で募金活動及
び普及啓発グッズ配布等 ②9/24∼30 佐賀県支部建物に懸
垂幕を掲示 ③9月∼10月 県内各所にて婦人会及び支部協
賛による募金活動及び普及啓発グッズの配布等
長 崎
①結核予防週間中 県庁所在地ほか数カ所で複十字シール街
頭募金を行いながら,
風船・パンフレット等を配布し,
結核予防の周
知を図る ②結核予防週間中 長崎市内の路面電車内にポス
ターを中吊り,
またバスターミナル待合所数カ所にニュースライター
を放映し,
乗客に結核予防の周知を図る ③結核予防週間中 県内4新聞(県南・県北版)広告にて結核予防の周知を図る
熊 本
①9/23 熊本市下通りアーケードにて街頭募金,
リーフレット,
パンフ
レット等の配布,
パネル展示並びに結核無料検診 ②テレビ番組
1) 9/7(日)
テレビ熊本(TKU)の番組「くらしの窓」にて結核予
防週間,
結核予防についての啓発 2)9/17( 水)
(予定) テレビ
熊本(TKU)の番組「医療あれこれ」にて結核予防週間,
結核予防
についての啓発 ③9/23 熊本日日新聞に啓発広告掲載(定期
健診受診と病院受診のすすめ)
大 分
①繁華街にて街頭募金(日程・場所未定) ②9/24∼30胸部検
診車に予防週間横断幕を掲示 ③9月初旬∼中旬 西日本新聞
広告掲載
宮 崎
①9/20( 土)宮崎山形屋デパート前にてパンフレット,
記念品等の
配布 ②9/24∼30 県庁庁舎,
宮崎山形屋デパート,
検診車に懸
垂幕・横断幕の掲示 ③9月中 宮崎交通バス
(60台)
・検診車
(17台)の後部ウインドウに啓発内容の入った広告板を掲示 ④9月中のいずれか 宮崎日日・朝日・毎日・読売・西日本の各新聞に
広告を掲載 ⑤9/7,
14,
21 UMKテレビ「いきいきサンデー」にお
いて,
結核予防週間について取り上げる ⑥9/16∼26 支部施設
内及び各事業所にて「たばこ」∼知っていますか?たばこがからだに
及ぼす悪影響∼のパネル展示(各事業所についてはダイジェスト版を
掲示) ⑦9月中 各検診場所にて受診者に応急バン等を配布
鹿児島
①9/23(火)西鹿児島駅前広場にて,
ちらし等の啓発資料を配布
しながら街頭募金を行う ②9/24∼30県内全域にてバス,
JR電車
等の公共交通機関に啓発用のポスターを掲示する
沖 縄
①9/23( 火)パレットくもじ,
三越前にて無料街頭健診,
ポスター・ち
らし配布,
婦人会による芸能イベントの開催。県・市・支部・沖縄県
婦人会による開会セレモニー。また,
子供たちに風船の配布,
懸垂
幕やのぼりを立て,
県民に複十字シールや結核をアピール ②9/24∼30 県庁県民ホール,
支部,
保健所(7カ所)にて,
パネ
ル展示,
ちらし配布,
のぼり,
立て看板で結核をPRする。支部・
・
・保
健所等でビデオ放映を行う ③9月中 県内の高校,
中学校にて
パネル展示やちらし配布,
ビデオ放映を行い,
学生に対して結核の
普及を行う。
9/2003 複十字 No.293
7
特 集
外来性再感染も含む多剤耐性結核菌による
院内集団感染事例について
国立療養所近畿中央病院
臨 床 研 究センター
薬剤耐性治療研究室長
露口 一成
はじめに
近年,結核既感染率の低下に伴い結核の集団感染が
生じやすい状況となっており,新聞やテレビでしばし
ば報道されるようになった。今回ここに述べる事例も
近畿地区を中心に報道されたもので,56歳男性の多剤
耐性肺結核患者が感染源となり,家族1人と看護師2
人を含む5人に発病させた院内集団感染事例である。
マスコミではあまり詳述はされなかったが,結核に携
わる医療従事者にとってはショッキングな事例であっ
た。それは,①従来病原性が弱いと漠然と考えられて
きた多剤耐性結核菌による集団感染であったこと,
②うち2名は,全剤感受性結核にて治療中に多剤耐性
結核菌の重感染を受けて発病したと考えられること,
による。今後の結核感染対策にも影響を及ぼす重要な
事例であると思われるのでここに報告する(なお,菌
株の検討も加えた当事例の詳細は,後に原著として発
表する予定である)。
事 例
患者A(感染源)
初発患者Aは56歳の男性であり,湿性咳嗽を主訴と
して平成12年3月27日X病院を受診し,胸部X線異常
及び喀痰抗酸菌塗抹陽性のため肺結核として同院入院
となった。その際の喀痰培養で結核菌を認め,感受性
検査にてINH,RFPを含む多くの抗結核薬に耐性で
8
9/2003 複十字 No.293
あった。過去に抗結核治療の既往はなく,初回多剤耐
性結核と考えられた。当初INH,RFP,PZA,EBに
よる化学療法が開始され,感受性判明後はCS,EVM,
PAS,ニューキノロン剤等による治療が行われたが排
菌は持続し改善を認めないため,外科的治療の適応検
討のため平成13年6月6日Y 病院転院となる。しかし,
病巣が左右肺にわたって広く存在するため手術は困難
と判断し,PZA,EVM,CPFX(シプロフロキサシン),
MINO(ミノマイシン),CVA/AMPC(クラブラニ
ック酸アモキシリン)等による化学療法が継続されて
いた。
平成14年6月,他患者とのトラブルがあり同院入院
継続が困難となったため6月12日当院転院となる。
転院後化学療法を継続していたが,大量排菌は持続し
改善傾向は全くみられなかった。病巣は左右肺にわた
ってはいたが,空洞は右上葉のみであったため,空洞
部分の菌量減少を目的に,平成14年11月19日空洞切開
術を施行した。以後現在に至るまで,化学療法を継続
しながら空洞部のガーゼ交換を行っており,平成15年
6月からは,わずかに空洞の縮小と排菌の減少がみら
れてきている。初診時より3年余りに及ぶ経過を通じ,
大量排菌と激しい咳嗽が持続している。
患者B
63歳の男性で,55歳より糖尿病があるが無治療であ
った。結核の既往はなし。平成13年6月より湿性咳嗽,
発熱出現し,近医受診にて胸部異常影,喀痰抗酸菌塗
抹陽性を指摘されたため7月2日 Y病院入院となる。
同日よりINH,RFP,EBによる化学療法を開始し,
喀痰培養検査でも全剤感受性の結核菌と判明,順調に
排菌も陰性化して10月19日退院となる。入院中患者A
とは約3カ月半同室であった(なお,病室は空気感染
対策を施した陰圧部屋であった)。退院後は患者Aと
は接触はない。退院後,徐々に生活が乱れがちとなり
服薬も不規則となった。平成14年2月頃より胸部陰影
の悪化を認め,入院を勧められるも拒否していた。4
月9日左自然気胸を生じたため再入院となる。その際
の喀痰培養にて多剤耐性結核菌を認めた。胸腔ドレナ
ージにより気胸は軽快するも,5月6日に大喀血を生
じたため挿管,人工呼吸管理となる。その後一般状態
は悪化し,肺内病変の進行を認め6月28日死亡される。
患者C
53歳の男性で,糖尿病にて治療を受けていた。平成
9年10月15日より平成10年4月5日までX病院にて全
剤感受性肺結核にて入院加療を行い,排菌陰性化して退
院となる。治療継続中の平成12年10月5日から平成13年
1月22日まで糖尿病のコントロールのため同院に再入院。
この時患者Aと病棟は違ったが,数回の接触歴あり。平
成13年9月12日の画像にて右上肺S3に新たな陰影の出
現を認め,9月26日の喀痰培養にて30コロニーの結核菌
を認めたため,11月1日再入院となる。多剤耐性と判明
したため,LVFX(レボフロキサシン),SM,CS,PAS,
TH,PZAによる治療を行うも塗抹,培養ともに排菌
持続するため平成15年1月23日当院受診,1月24日入
院となる。PZA,CS,EVM,CAM(クラリスロマ
イシン),CVA/AMPCにて現在も治療中である。
患者D
23歳の女性で,既往歴に特記すべきことはない。平
成13年4月より看護師としてX病院結核病棟に勤務し
ており,患者Aを含む複数の多剤耐性結核患者との接
触があった。平成14年に同じ病棟の看護師が結核を発
病し,定期外健診にて右S6に結節影を認めたため,
肺結核として平成14年6月19日よりINH,RFP,PZA,
EBによる抗結核療法を開始された。その後,喀痰培
養にて結核菌を認め,感受性検査を行ったところ多剤
耐性であったため,手術目的にて平成14年8月20日当
院紹介受診,入院となる。CS, LVFX, TH, EVMにて
化学療法を行った後に,10月24日右肺S6区域切除術
施行。以後化学療法を継続し,平成15年7月現在,経
過は良好である。
患者E
24歳の女性で,既往歴に特記すべきことはない。平
成11年4月より看護師としてX病院結核病棟に勤務し
ており,患者Dと同様に多剤耐性結核患者との接触あ
り。平成14年5月24日左頚部のリンパ節腫脹あり,生
検にて結核と診断され6月14日からINH,RFP,PZA,
EBによる治療を開始されるもリンパ節腫脹はむしろ
悪化し,胸部X線上も陰影を認めたため,11月6日に
気管支鏡施行し結核菌を検出した。感受性結果で多剤
耐性と判明したため,12月よりTH,PAS,SMによる
治療に変更され,手術目的にて当院紹介入院となる。
平成15年3月25日左上区部分切除術施行し,以後化学
療法を継続中である。
患者F
31歳の女性で,既往歴に特記すべきことはない。患
者Aの同居家族であり,患者Aが肺結核発病後もしば
しば接触していた。平成14年11月より発熱,咳嗽出現
し,近医受診にて左肺の異常影を指摘され,X病院入
院となり,喀痰PCR検査にて結核菌陽性のためINH,
RFP,EB,PZAによる治療を開始される。その後培
養菌の感受性検査にて多剤耐性と判明したため,平成
15年1月よりEVM,CS,TH,PZA,CAMによる治
療に変更され,外科的治療を含めた治療方針再検討の
ため当院転院となる。転院後も化学療法をそのまま継
続したところ陰影は著明に改善し,手術の適応はない
と判断されたため退院とし,現在も化学療法を継続中
である。
本事例の6人の患者から分離された多剤耐性結核菌
の薬剤感受性は,EVM,CSに対する感受性に少しず
つ差はあるものの,いずれもINH,RFP,EB,PZA,
SM,KM,LVFX,TH,PASのすべてに耐性を示し
ていた。6人の患者は全員HIV陰性であった。
院内感染を疑うに至った経過とRFLP分析について
今回の事例発見の端緒となったのは,患者Bが肺結
核再発にて再入院となった際の検出菌が,以前に使
9/2003 複十字 No.293
9
特 集
外来性再感染も含む多剤耐性結核菌による
院内集団感染事例について
用していない薬剤に対しても耐性である多剤耐性結核
菌であり,しかもその薬剤感受性パターンが患者Aか
らの検出菌とほぼ同一であることが判明したことであ
る。Y病院でこの2つの菌につきRFLP分析を行った
ところ同一菌であるとの結果が得られた。患者Aと患
者Bが接触したのは入院中だけであったので,患者B
が感受性結核にて治療中に患者Aの菌による再感染を
受けたことにより,多剤耐性結核を発病したことがほ
ぼ確実となった。その後,患者Aと接触歴のある多剤
耐性結核患者C,D,E,Fが当院入院となり薬剤感
受性検査がほぼ一致したことより,全員が同一菌によ
る感染である可能性を疑いRFLP分析により確認した(図
1)。
以上より,今回の事例が多剤耐性結核菌による院内
集団感染であることが明らかとなった。時間的な経過
より,患者Aが感染源であり,患者B,Cは感受性結
核治療中に再感染を受け,患者D,Eは病院内で感染
を受け,患者Fは家族内で感染を受けてそれぞれ発病
したものと考えられた(図2)。
考 察
本事例は,多剤耐性結核菌による院内集団感染事例
である。耐性結核菌は従来から病原性が弱いのではな
いかと考えられてきた。これは,INH耐性菌ではしば
しばカタラーゼ活性を欠き動物実験において感受性菌
より増殖が劣ることなどから推定されたものである。
図1 患者6名のRFLP分析結果
1,2 患者F
3 患者B
4 患者D
5 患者C
6 患者A
7 患者E
※大阪府立公衆衛生研究所 田丸亜貴先生に依頼
図2 治療経過図(患者間の関係)
H9/10 H10/4 H11/4 H12/4 H12/10 H13/1 H13/6 H13/10 H14/6 H15/1 H13/4
患者A
患者B
死亡
患者C
患者D
看護師として勤務
患者E
看護師として勤務
患者F
患者Aの見舞い
X病院 感受性結核罹病期間
Y病院
多剤耐性結核罹病期間
国立療養所近畿中央病院
10
患者Aの見舞い
9/2003 複十字 No.293
その後,Sniderらの報告により,INH/SM耐性菌と感
受性菌では感染リスクに差はないことが示された1)も
のの,感染した後の発病リスクには差があるのではな
いか,短期間に多数の患者を発病させる集団感染など
は起こしにくいのではないか,と考えられてきた。実
際,多剤耐性結核菌による集団感染はアメリカを中心
に近年多くの報告があるが,そのほとんどは免疫の極
度に低下したHIV感染者におけるものである。また,
HIV感染の未だ少ないわが国においてはこれまで2事
例の報告があるのみである2) 3)。今回の事例では,約3
年間の間に5名に多剤耐性結核を発病させている。全
員HIV陰性者で,しかも3名は若年健康女性であった。
このことからも本事例の結核菌は病原性の強い菌であ
ったと考えられる。
さらにこの菌の強い病原性を示唆するのは,患者B
と患者Cの2名において,感受性結核治療中に重感染
して多剤耐性結核を発病させていることである。通常
の成人型肺結核症の発症については,最初に感染した
菌が再び増殖することによる内因性再燃と,新たに別
の菌が感染することによる外来性再感染とがある。従
来わが国では,ほとんどが内因性再燃によるもので,
再感染はほとんどないとの考えが主流であった。近年
のRFLPを用いた解析によりHIV感染者ではしばしば
再感染が生じており4) ,さらにHIV陰性者でも再感染
発病があり得る5) ことがそれぞれ報告されているが,
免疫の低下していないHIV陰性者では一般に再感染は
まれなことと考えられている6)。本事例の患者Bと患
者CはHIV陰性であるにもかかわらず再感染を受けて
おり,しかも感受性結核に対する治療中に感染したと
いう点が注目に値する。同様の事例は,INH・SM耐
性結核で治療を受けていたHIV陰性患者に多剤耐性結
核菌が重感染したという報告が一例あるのみである7)7)。
従来我が国では,多剤耐性結核患者と感受性結核患
者を同室にすることがしばしばあり,また結核病棟に
陰圧設備を備えるようになったのはごく最近のことで
あるにもかかわらず,今回のような事例の報告はない。
従って本事例は,病原性の強い多剤耐性結核菌による
例外的な院内集団感染と考えられる。しかし菌を検出
した段階で病原性の強さを推定することは不可能であ
るため,すべての多剤耐性結核患者は陰圧設備のある
個室隔離が望ましい。さらに言えば,入院当初は薬剤
感受性が不明なので,すべての排菌陽性結核は,感受
性が判明するまでは個室隔離が望ましいということに
もなる。今後の結核病床のあり方として,感受性不明
の患者及び多剤耐性結核患者は陰圧設備を持つ個室に
収容し,一方で感受性と判明し治療が軌道に乗った患
者は早期退院させるなど,より感染対策上実効性のあ
る対応が求められる。
文献
1) Snider DE Jr., Kelly GD, Cauthen GM, et al.: Infection
and disease among contacts of tuberculosis cases with
drug-resistant and drug-susceptible bacilli. Am Rev
Respir Dis. 1985; 132: 125-132.
2) 尾形英雄,杉田博宣,小林典子他. 家内工場で発生した多
剤耐性結核の集団感染. 結核 1997; 72: 329
3) 佐々木結花,山岸文雄,水谷文雄他. 中高年者を中心に生
じた多剤耐性結核菌による集団感染事例. 結核 1999; 74:
549-553
4) Small PM, Shafer RW, Hopewell PC, et al.: Exogenous
reinfection with multidrug-resistant mycobacterium
tuberculosis in patients with advanced HIV infection. N
Engl J Med 1993;328:1137-44
5) van Rie A, Warren R, Richardson M, et al.: Exogenous
reinfection as a cause of recurrent tuberculosis after
curative treatment. NEngl J Med 1999;341:1174-9
6) Bates JH. Reinfection tuberculosis: how important is it?
Am J Respir Crit Care Med 2001; 163: 600-601
7) Nieman S, Richter E, Rusch-Gerdes S et al. : Double
Infection with a Resistant and a Multidrug-Resistant
Strain of Mycobacterium tuberculosis . Emerg Infect Dis
2002 ;6;548-51
9/2003 複十字 No.293
11
特 集
外来性再感染も含む多剤耐性結核菌による
院内集団感染事例について
用していない薬剤に対しても耐性である多剤耐性結核
菌であり,しかもその薬剤感受性パターンが患者Aか
らの検出菌とほぼ同一であることが判明したことであ
る。Y病院でこの2つの菌につきRFLP分析を行った
ところ同一菌であるとの結果が得られた。患者Aと患
者Bが接触したのは入院中だけであったので,患者B
が感受性結核にて治療中に患者Aの菌による再感染を
受けたことにより,多剤耐性結核を発病したことがほ
ぼ確実となった。その後,患者Aと接触歴のある多剤
耐性結核患者C,D,E,Fが当院入院となり薬剤感
受性検査がほぼ一致したことより,全員が同一菌によ
る感染である可能性を疑いRFLP分析により確認した(図
1)。
以上より,今回の事例が多剤耐性結核菌による院内
集団感染であることが明らかとなった。時間的な経過
より,患者Aが感染源であり,患者B,Cは感受性結
核治療中に再感染を受け,患者D,Eは病院内で感染
を受け,患者Fは家族内で感染を受けてそれぞれ発病
したものと考えられた(図2)。
考 察
本事例は,多剤耐性結核菌による院内集団感染事例
である。耐性結核菌は従来から病原性が弱いのではな
いかと考えられてきた。これは,INH耐性菌ではしば
しばカタラーゼ活性を欠き動物実験において感受性菌
より増殖が劣ることなどから推定されたものである。
図1 患者6名のRFLP分析結果
1,2 患者F
3 患者B
4 患者D
5 患者C
6 患者A
7 患者E
※大阪府立公衆衛生研究所 田丸亜貴先生に依頼
図2 治療経過図(患者間の関係)
H9/10 H10/4 H11/4 H12/4 H12/10 H13/1 H13/6 H13/10 H14/6 H15/1 H13/4
患者A
患者B
死亡
患者C
患者D
看護師として勤務
患者E
看護師として勤務
患者F
患者Aの見舞い
X病院 感受性結核罹病期間
Y病院
多剤耐性結核罹病期間
国立療養所近畿中央病院
10
患者Aの見舞い
9/2003 複十字 No.293
その後,Sniderらの報告により,INH/SM耐性菌と感
受性菌では感染リスクに差はないことが示された1)も
のの,感染した後の発病リスクには差があるのではな
いか,短期間に多数の患者を発病させる集団感染など
は起こしにくいのではないか,と考えられてきた。実
際,多剤耐性結核菌による集団感染はアメリカを中心
に近年多くの報告があるが,そのほとんどは免疫の極
度に低下したHIV感染者におけるものである。また,
HIV感染の未だ少ないわが国においてはこれまで2事
例の報告があるのみである2) 3)。今回の事例では,約3
年間の間に5名に多剤耐性結核を発病させている。全
員HIV陰性者で,しかも3名は若年健康女性であった。
このことからも本事例の結核菌は病原性の強い菌であ
ったと考えられる。
さらにこの菌の強い病原性を示唆するのは,患者B
と患者Cの2名において,感受性結核治療中に重感染
して多剤耐性結核を発病させていることである。通常
の成人型肺結核症の発症については,最初に感染した
菌が再び増殖することによる内因性再燃と,新たに別
の菌が感染することによる外来性再感染とがある。従
来わが国では,ほとんどが内因性再燃によるもので,
再感染はほとんどないとの考えが主流であった。近年
のRFLPを用いた解析によりHIV感染者ではしばしば
再感染が生じており4) ,さらにHIV陰性者でも再感染
発病があり得る5) ことがそれぞれ報告されているが,
免疫の低下していないHIV陰性者では一般に再感染は
まれなことと考えられている6)。本事例の患者Bと患
者CはHIV陰性であるにもかかわらず再感染を受けて
おり,しかも感受性結核に対する治療中に感染したと
いう点が注目に値する。同様の事例は,INH・SM耐
性結核で治療を受けていたHIV陰性患者に多剤耐性結
核菌が重感染したという報告が一例あるのみである7)7)。
従来我が国では,多剤耐性結核患者と感受性結核患
者を同室にすることがしばしばあり,また結核病棟に
陰圧設備を備えるようになったのはごく最近のことで
あるにもかかわらず,今回のような事例の報告はない。
従って本事例は,病原性の強い多剤耐性結核菌による
例外的な院内集団感染と考えられる。しかし菌を検出
した段階で病原性の強さを推定することは不可能であ
るため,すべての多剤耐性結核患者は陰圧設備のある
個室隔離が望ましい。さらに言えば,入院当初は薬剤
感受性が不明なので,すべての排菌陽性結核は,感受
性が判明するまでは個室隔離が望ましいということに
もなる。今後の結核病床のあり方として,感受性不明
の患者及び多剤耐性結核患者は陰圧設備を持つ個室に
収容し,一方で感受性と判明し治療が軌道に乗った患
者は早期退院させるなど,より感染対策上実効性のあ
る対応が求められる。
文献
1) Snider DE Jr., Kelly GD, Cauthen GM, et al.: Infection
and disease among contacts of tuberculosis cases with
drug-resistant and drug-susceptible bacilli. Am Rev
Respir Dis. 1985; 132: 125-132.
2) 尾形英雄,杉田博宣,小林典子他. 家内工場で発生した多
剤耐性結核の集団感染. 結核 1997; 72: 329
3) 佐々木結花,山岸文雄,水谷文雄他. 中高年者を中心に生
じた多剤耐性結核菌による集団感染事例. 結核 1999; 74:
549-553
4) Small PM, Shafer RW, Hopewell PC, et al.: Exogenous
reinfection with multidrug-resistant mycobacterium
tuberculosis in patients with advanced HIV infection. N
Engl J Med 1993;328:1137-44
5) van Rie A, Warren R, Richardson M, et al.: Exogenous
reinfection as a cause of recurrent tuberculosis after
curative treatment. NEngl J Med 1999;341:1174-9
6) Bates JH. Reinfection tuberculosis: how important is it?
Am J Respir Crit Care Med 2001; 163: 600-601
7) Nieman S, Richter E, Rusch-Gerdes S et al. : Double
Infection with a Resistant and a Multidrug-Resistant
Strain of Mycobacterium tuberculosis . Emerg Infect Dis
2002 ;6;548-51
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11
特 集
多剤耐性結核菌による再感染事例の
報告を読んで
結核予防会会長 青木 正和
常識と違う? 2つの問題
露口先生も書いているように,ここに報告された結
核院内感染事例には我々が持っている常識では理解が
やや難しい問題が2つある。1つは「結核の再感染発
病」であり,もう1つは「多剤耐性結核菌の毒力」で
ある。どちらも学界では長く論議されている難しい問
題であり,まだ充分には明らかになっていない点もあ
る。しかし,結核という病気の理解にも,今後の結核
対策にとっても重要な問題なので,詳しく考えてみたい。
結核の再感染発病はあるのか?
わが国では,「結核は一生のうち最初に感染を受け
た結核菌で発病する」という「初感染発病学説」が伝
統的に信じられてきた。日本の多くの優れた研究者達
が大正から昭和まで30年ほどかけて築き上げてきた発
病論である。結核が非常に多かった当時,結核を発病
する人の恐らく99%はその通りだった。しかしその頃
欧米では「初めて感染した結核菌ではごく一部しか発
病しない。大部分は再感染を受けて発病するのだ」と
いう「再感染発病論」が主流を占めていた。日本の研
究者はさらに研究を重ね,「再感染発病も起こり得る。
しかし頻度はずっと低い」ことを確認し,初感染発病
をずっと重視してきたのである。
どういう時に再感染が起こるか?
この報告例でも感染源となった患者は,大量の排菌
を続け,しかも激しい咳が続いていた。その上病院
12
9/2003 複十字 No.293
の中は閉鎖された空間である。感染源と被感染者は近
くで会話することもあっただろう。再感染を受けた患
者さんが重い糖尿病だったこと,気胸を起こす気腫性
の肺で抵抗力が弱かったことも関係しているかもしれ
ない。こういういくつかの条件が揃うと結核の再感染
は起こるのである。病院や施設などでは今後注意が必
要だろう。
多剤耐性結核菌の毒力
多剤耐性菌とは「少なくともINHとRFPに耐性の結
核菌をいう。SMやEBなど,その他の抗結核剤への耐
性の有無は問わない」と定義されている。耐性の結核
菌のうちINH耐性菌でカタラーゼ陰性,かつ,高度耐
性菌の場合には毒力が弱い場合があることが1954年か
ら報告されている。このため,化学療法に失敗し排菌
が続く重症者にはINH単独投与を行って,結核菌を
INH高度耐性にしたほうが安全という意見が強かった。
1985年以前にはこういう患者にINH単独療法が実際に
よく行われた。
ところが,1980年代の終わりに多剤耐性結核菌によ
る結核院内感染事件がニューヨークなどで相次いで発
生し,INH高度耐性菌も決して毒力が弱いとは限らな
いことが明らかになった。実際には既に1960年代に多
くの研究が行われ,「INH高度耐性菌の約60%では毒力
が弱く,BCG菌よりさらに弱いほどであるが,残りの
40%では毒力が強いままである」ということは報告され
ていた。今,INH耐性菌は毒力が弱いから安全だ,など
と言う研究者はいない。
再感染発病でも,INH耐性菌の毒力でも,「大部分
が云々だから,すべてが云々だ」と考えることは誤り
である。 今,多剤耐性菌による再感染発病が報告され
たからといって,今度は今までと反対に考えて過剰に
騒ぐのも問題である。学問的な事実をよく理解し,安
全を確保しつつ,しかも,賢明に対応したいものである。
ずいひつ
夢
健 康を 守る婦 人 会( 東 京 )顧 問
山田医院院長 山田 三枝子
( 秩 父 宮 妃 記 念 結 核 予 防 事 業 功 労 賞 第6回 受 賞 者 )
われ
私はよく夢を見る。それも突拍子のない吾ながらお
かしなもの。あまり度々なので忘れないよう記録した。
それを書いてみます。ちなみに私,生まれは浅草。
1
夏の昼,銀座の雑踏で人に会う。「店を予約した
から食事に行かないか」と誘われる。断って3歳の娘
を連れて帰ることにする。途中歩道に岩風呂のような
プールがあり金魚が泳いでいる。娘は入りたいと言っ
て飛び込む。底は浅く見えているのに,娘はずーっと
ようや
潜ってなかなか上がってこない。漸く浮いてきて家へ
帰る。
家は大名屋敷で,私はそこの奥方となっている。娘
と2人で脱走を企て,トイレの横の小部屋に潜む。用
足しに来た男が去るのを待って木戸から外へ抜け出し,
うまい具合に道路へ出る。そこは観音様の横手,夕方
であるが人々が右行左行している。日本髪を解いて長
てっぺん
い髪をぐるぐる巻きにし頭の天辺にまとめ,コバルト
ブルーの帽子をかぶる。着物は洋服に変わっている。
そばの木陰でロイドメガネのヒッチコックが,こちら
をジロジロ見ている。
観音様をお参りしようとお供え物を買いに行く。「も
う売り切れて無いからこれにしな」と小母さんがコッ
プに水を入れたのをくれる。小銭をつかんで出すと,
10円でよいと言われ,また財布に戻す。お堂は広く,
ろうそく
蝋燭の光で明るい。ゴザ敷の床に横長の机が何列にも
置かれ,人々はその前に坐り拝んでいる。私もコップ
の水を供え観音様を拝む。涙がポロポロ出る。
はた ご
娘の手を引いて裏道へ出る。暗い中に旅籠屋が並ん
でいる。そこの2階へ上がった。小僧さんが「夕食は
何にしますか」と下から怒鳴る。向かいの部屋の人が
「豆腐と野菜の煮付け」と言ったので「私も」と答え
まげ
る。周囲の人はまた,チョン髷,私も日本髪になって
いる。追っ手が来ないかとビクビクしながら居眠りを
している。手代のような人が部屋に来て何か手伝って
くれる。階下で突然,騒ぎ,争いが聞こえる。手代の
人が,部屋の隅にあった電話を取り,「うちに,そん
な人は居ませんよ」と言う。
追っ手は外へ出て向こうへ行った。娘は部屋の入口
で正座して舟を漕いでいる。
2
川崎の大きな学会へ来ている。午前の部が終わっ
て昼休みの食事に出る。公園のテーブルで横にいた高
校生らしき男性2人が「山田さんですね」と声を掛け
てくる。そして「私達も入会するから」と500円ずつ
差し出す。どうして知っているのか聞くと,「新聞に
出ている。あそこの店で売っているから」と言うので
買う。大きな写真入りで,「健康を守る婦人会」そし
ていろいろ書いてある。ヘエーと思って席へ戻り500
もら
円ずつ貰う。午後の学会では皆寝ていたのに,この2
人は寝ないで聞いていた。
きれい
3
外来へ綺麗な外国人女性が来た。喉が腫れている
のでストゥルーマかと思い明日病院へ行くよう段取り
をする。
大学病院へ朝7時30分頃行く。自分もそこの医師に
はかま
ひげ
なっている。隣のベッドを紋付羽織袴白髭の名誉院長
が診ている。こちらの外国人女性の額を見て婦長さん
おもむろ
が「トレイ」だと叫ぶ。名誉院長が徐に患者の前髪を
上げる。小皿様の円形腫瘤がある。「是はフラットト
レイ」だと言う。数日前から流行りだし,4日で死ぬ,
と言う。患者は冷たくなっていた。
9/2003 複十字 No.293
13
鳥取
乳幼児BCG接種の技術評価
鳥取県福祉保健部健康対策課
予防係長 土井 博文
本事業実施に至った経緯
全国的に平成11年は,平成9年,10年に引き続き結
核新規登録患者数,罹患率ともに前年度に比較して増
加した。そしてこの年,国は結核緊急事態宣言を出し,
結核の正しい理解と予防を呼びかけた。
本県においても平成10年,11年と新規登録患者数が
増加していることなどから,結核の現状を把握するこ
とにより,結核対策の効果的・合理的な改善を進め,
もって結核の二次感染を最低限に抑え,長期的な結核
の罹患率の減少を図るため,結核対策強化モデル事業
の1つとして本事業を実施した。
概 要
1. 目 的
市町村長が行う乳幼児期に対するBCG接種の実態
を把握して,その接種率及び接種技術を向上させるた
めの体制を確立する基礎資料を得ることを目的とした。
2. 調査方法
① 対象
全市町村(39市町村)
② 調査実施方法
平成13年4月1日から同年11月末までに市町村で
行われる3歳児健康診査において,受診者の任意の
協力により各受診者に対してBCG接種の既往,そ
れによる副反応の既往について問診等を行い,さら
に接種局所の観察を行った。
③ 主な調査項目
性別,生年月日,BCG接種の既往,接種時期,
接種機関,接種後の異常反応,現在の局所の状況(針
痕数,強い反応),未接種の場合はその理由。
④ 調査実施体制
保健所は管内の市町村に対して調査への協力を依頼
し,調査結果をとりまとめ,健康対策課へ送付した。
14
9/2003 複十字 No.293
⑤ 集計・解析
調査結果の集計後,鳥取県結核対策推進協議会に
おいて結果の評価を行った。
調査結果
1. 調査実施状況
県内37市町村(西伯町,淀江町除く)より,1,253
名の調査票が回収された。そのうちBCG既接種の
1,245名に対して接種技術評価調査の分析を,未接種
の8名については未接種理由の検討を行った。
2. 月齢別BCG接種実施状況(表1)
接種時月齢は,3歳児健診受診者で8.4±4.6であった。
全体では月齢7∼9カ月に1,245名中514名(41.3%)
がBCG接種を受けていた。しかし,地区別に見ると
接種時の月齢に差があり(平均月齢で5.3∼15.0カ月),
遅い時期に集中的に接種されるところと4歳未満の時
期に分散して接種されるところがあった。
表1 月齢別BCG接種実施状況
接種月齢
∼3
4∼6
7∼9
10∼12
13∼18
19∼24
25∼36
37∼
不明
総数
総数
212
241
514
134
100
26
18
0
0
1,245
%
17
19.4
41.3
10.8
8
2.1
1.4
0
0
100
3. BCG接種実施方法
接種機関は,集団1,212名(97.3%),個別33名(2.7%),
その他はなしで集団が多かった。地区別に見ると,集団
接種が主な36地区と個別接種が主な1地区に分かれた。
4. BCG接種率
調査票から推定されるBCG接種率は全体で99.4%,
どの地区でも90%以上で明らかなばらつきは見られな
かった。
区1名(3.7%)と地区による偏りが見られたが,針
痕数が多い地区に偏っているわけではなかった。異常
反応は接種月齢別に見ると4∼6カ月の15名が最多で,
接種後期間別では,25∼36カ月後の15名が最多だった。
ただし,その時期には対象人数が多い。接種機関別に見
ると,集団20名(1.6%)
,個別1名(3.1%)であった。
異常反応に対する手当は局所放置1名,受診・観察のみ
4名,放置16名で,ほとんどが処置をしていなかった。
調査時点での局所の強い反応はその他1名(0.2%)
か ひ
であった。その他の強い反応は痂皮形成1名であった。
7. 未接種の理由
「当日体調が悪くて延期され,そのままになった」
2名,「ツベルクリン反応が陽性だった」2名,「知っ
ていたが都合が悪かった」1名,未記入2名であった。
5. BCG針痕数(表2)
針痕数は,男11.5±6.1,女11.0±6.1と性差は見られ
なかった。地区別の針痕数にはかなりのばらつきが見
られ,最大がA地区の13.9±5.3,最小がT地区の1.7±
2.4であった。このばらつきを,接種月齢,接種から
調査日までの接種後期間(以下,接種後期間)で調整
してみる必要がある。
例えば,針痕数が1番多いA地区は,接種月齢が1
番早く,接種後期間は2番目に長かった。針痕数が
かなり多い(2番目の)X地区の接種月齢は23番目と
比較的遅かった。また,針痕数が1番少ないT地区は,
接種月齢が13番目であり,接種後期間が24番目に短かっ
た。このように接種月齢が早く,接種後期間が短いほ
ど針痕数が多いとは言えず,針痕数のばらつきが地域に
よる技術水準の違いによる可能性も否定できなかった。
6. 接種後反応
接種後の異常反応(以下,異常反応)は,3カ月以
上局所が乾かなかった13名(1.0%),接種側腋窩リ
ンパ節が腫れた1名(0.1%),その他7名(0.6%)で,
総数21名(1.7%)であった。その他の異常反応は,
局所の腫脹4名,局所の化膿3名であった。明らかな
性差は見られなかった。地区別の異常反応の総数は,
A地区で19名(7.1%),E地区1名(3.0%),R地
今後の予定
現在,6カ月までの乳幼児へのBCG直接接種の導
入の検討が進められていることから,平成15年度は市
町村で実施される1歳6カ月児健診受診者を対象とし
て同様な調査を実施することとしている。
なお,本調査の結果を受けて,BCG早期接種の勧
奨及び接種技術向上への助言・指導を図りたい。
表2 BCG針痕数の度数分布
針痕数
性別
男
女
不明
総数
0
65
57
0
122
1 2 3
4 5 6 7 8
9
8 8 19 17 24 22 16 20 12
8 12 23 28 15 29 10 19 16
0 0 0
0 0 0 0 0
0
16 20 42 45 39 51 26 39 28
10
34
28
0
62
11
18
16
0
34
12
35
36
0
71
13
31
29
0
60
14
32
26
0
58
15
54
34
0
88
16 17 18 総数 平均針痕数±SD
11.5 ± 6.1
55 671 123 654
53 44 108 591
11.0 ± 6.1
0 0 0
0
0.0 ± 0.0
108 105 231 1,245 11.3 ± 6.1
9/2003 複十字 No.293
15
大分
抗酸菌情報オンライン−拠点病院から保健所へ−
大分県立病院放射線科部
診 療 放 射 線 技 師 小野 孝二
( 前大分県福祉保健部健康対策課疾病対策係 )
はじめに
平成11年の大分県の結核発生動向は,全結核罹患率
は全国ワースト4位に位置し,西高東低と言われる結
核発生動向,とりわけ九州の中においても常に高い罹
患状況にありました。しかし,平成11年の「結核緊急
事態宣言」を契機に(1)医療体制の整備,(2)治療の
向上,(3)高齢者対策の3つを柱として結核対策を見
直した結果,現在では罹患率,有病率ともに低下傾向
にあります。また,治療の向上においては,結核関係
者(医師,看護師,保健所職員)の意識改革及び知識
の向上を図ることを重点課題として取り組んだ結果,
入院期間短縮と治療期間短縮に成果が見られます。
本稿では,大分県の結核対策概要,医療機関と行政
との連携,そして連携の成果として,結核拠点病院で
ある国立療養所西別府病院からの,インターネットを
利用した保健所への抗酸菌情報提供について紹介させ
ていただきます。
大分県の結核対策の概要
大分県では平成12年度より結核対策の全面的な見直
しを実施しました。まず,適正医療の普及と医療機関
における治療レベルの差を解消するために,分散型結
核病床の配置と病床数の見直しを行い,結核病床を
150床として国立療養所西別府病院に一極集中し,拠
点型へ移行しました。また,結核患者収容モデル病床
を4病院に20床整備(平成13年度に3病院15床整備済)
し,合併症対策を図るとともに,拠点型の医療体制を
フォローする体制を図りました。
さらに,医療体制の整備と並行して治療成績向上を
図るため,平成12年度には結核関連病院代表,結核診
査協議委員代表,県・市保健所代表,健康対策課で構
成する大分県結核医療連絡協議会を設置し,県内の結
核発生動向調査を分析するとともに,効果的な対策に
16
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ついて検討することで継続した結核対策が図れるよう組
織化しました。具体的な対策については,その下部組織
として結核対策部会を設置し,国立療養所西別府病院医
師及び看護師,県・市保健所職員,健康対策課で取り組
んでいます。
結核対策の基本である接触者健診については,大分県
の平成13年の結核患者1人あたりの接触者健診者数は
1.71人と,全国平均より少ない状況にあります。受診率
向上を図るため出張による健診が有効であることから,
県内全域の接触者健診に迅速に対応するため,フラット
パネルディテクタ及びドライイメージャーを搭載した車
椅子対応型のデジタル胸部X線健診車を平成14年度に購
入し,機動力をアップしました。この健診車は撮影現場
で即フィルムが読影できるシステムとなっています。接
触者健診のみならず,結核対策特別促進事業の一環とし
て,車椅子等の身体的理由で定期健康診断を実施できな
い施設入所者に対しての,胸部X線検査による定期外健
康診断にも活用しています。今後,罹患率の高い地域に
おいても,健診車または喀痰検査を活用しての結核対策
を推進することとしています。
拠点病院と行政の連携
本県には9保健所3支所と,中核市の大分市保健所
があります。県保健所の中核に位置する中央保健所管内
には,拠点病院である国立療養所西別府病院があります。
平成11年に国立療養所西別府病院看護師と病院を管轄す
る中央保健所保健指導課が,結核患者を包括的にケアす
ることを目的として,医療連絡会を発足させました。平
成12年には結核患者の完治に向けた支援体制を図る目的
から結核患者療養支援ネットワーク検討会と名称を新たに,
また,病院医師及び臨床検査技師,病院医事課職員,保
健所長,保健所結核担当(事務・診療放射線技師),
健康対策課が構成メンバーに加わりました。
業務の役割確認や情報交換も行われるようになり,
主な実績としてはデスクシート作成や療養手帳の作成,
N95マスクフィットテスト,院内DOTS,結核患者支
援のためのビデオの作製(入院編,退院編,外来編),
結核研究所研修参加伝達研修,抗酸菌情報提供システ
ムの構築等があります。平成14年度には大分市保健所
も正式に事業参加する運びになり,結核対策部会にお
いて結核患者療養支援のための検討会を継続して実施
しています。
平成15年3月には国立療養所西別府病院と保健所の
連携の集大成とも言える結核患者療養支援連携マニュア
ルも完成し,人事異動に伴う結核対策断絶防止に役立
つと考えています。
者登録番号,生年月日,性別)を入力後Excelパスワ
ード保存して,国立療養所西別府病院検査科に依頼内
容を送信します。検査科は返信内容について主治医の
確認後,下記様式の患者氏名及び生年月日,性別は削
除し保健所へ返信するという方法です。この事業によ
り,(1)結核診査協議会で適正な公費負担決定が実施
され,(2)接触者健診の対象者を迅速に把握でき,(3)
時間を問わず患者情報の交換が可能になったことが挙
げられます。今後の課題としては,個人情報保護のた
めWebメールを利用するなどの検討が必要であると考
えています。
情報提供については,この事業のほかに,患者退院時
に国立療養所西別府病院から看護サマリーを保健所へ送
付しています。内容は患者の入院中の経過,看護経過,
申し送り事項(DOTSの有無,公費負担承認期間,外来
予定日,継続看護事項)です。保健所は退院後の患者管
理に利用し,地域DOTSに活用する方向で検討しています。
国立療養所西別府病院から保健所への
抗酸菌情報提供について
抗酸菌検査結果を迅速に把握することは,接触者健
診の実施の有無や対象者の決定,結核診査協議会の診
査に必要不可欠です。現在,大分県では抗酸菌情報収
集の迅速化と効率化を図るためインターネットを活用
し,保健所が必要な抗酸菌検査結果を,国立療養所西
別府病院から無料で情報提供しています。この事業は
「結核患者療養支援ネットワーク検討会」を契機とし
て,平成13年11月∼平成14年9月の間,3保健所にお
いて試験的に実施しました。平成14年10月からは全県
下にて事業を開始し,その利用状況は平成14年10月∼
平成15年5月の8カ月間で71件となっており,1保健
終わりに
結核対策は医療・健診機関及び行政機関(国・県・
市),結核研究所との連携が非常に重要であると考え
ます。それぞれの役割を認識し,情報の共有化をする
ことが今後の結核対策に必要と考えます。
また,最近のエマージングウイルスであるSARSや
バイオテロ(天然痘)対策について,地域における公衆
衛生の基盤である保健所への役割が期待されています。
今こそ公衆衛生の重要性を一人一人が再認識し,科学的
な知識を持ってこれらの対策に挑むことを期待します。
所あたり約1件/1カ月です。
情報提供の依頼については,原則登録1年以内の患者
としており,(1)定期外健診の時期(申請後2カ月まで
の結核菌同定と培養結果の依頼),(2)診査会継続申請
の時期(診査会継続申請時の報告もれ),(3)死亡退院
時の未報告菌情報(診査会継続申請がない場合の報告も
れ)について依頼することが可能です。具体的依頼方法
は,Eメールを利用し,下記様式(表)に必要事項(患
表 抗酸菌検査結果情報提供依頼様式
菌検査情報
依頼年月日 年 月 日 保健所( ) 担当( )
主治医( ) 患者登録番号( )
病院ID 番号( ) 住
所
患者氏名( ) 生年月日( )性別( ) *この行は返信時削除して下さい
喀痰採取年月日
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
(通信欄)
塗抹
培養
同定結果
耐 性 結 果
薬剤
INH
RFP
SM
日
EB
ug/ml
結果
喀 痰 採 取 年 月 日
平成 年 月
判
年
定
平成 月
日
年 月
日
結果の欄は感受性、完全耐性等入力
返信
病 棟
主 治 医 決 裁
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Use
Use DOTS
DOTS More
More Widely
Widely
和歌山県のDOTS事業
DOTS事業の概要
和歌山県田辺保健所
健康推進課主査
川崎 貴美子
経緯
2001年に大都市のDOTS事業が報告され,DOTSと
は結核患者を減らすために欠かせない手段であること,
またその方法として確実な服薬支援が重要であること
が示された。
そこでこれまでの患者支援にDOTSを導入するため,
県の結核拠点病院である国立療養所和歌山病院(以下,
W病院)へ働きかけ,入院中の処遇困難事例に対して
服薬支援方法を検討した。その結果,看護師はこの患
者に対して院内DOTSを実施し,保健師は服薬支援者
のコーディネートと地域DOTSを行った。
これを機会に,W病院では2002年3月から院内
DOTSの完全導入やDOTSカンファレンスを実施して
いる。しかし,医療機関との連携や治療成功を目指し
た患者支援を進めるには,保健師個々の活動では限界
があった。
このため,2002年6月に県内の結核担当者(中核市
保健所を含む)が一同に会するDOTS対策検討会を立
ち上げたので報告する。
和歌山県のDOTS事業は,1. 院内DOTSの推進,2.
DOTSカンファレンス,3. 地域DOTS ,4. DOTS対策
検討会から成っている。
表1には,治療成功率を高めるために,取り組みた
かった内容と実施したDOTS事業及び成果について記
載した。
なお,数値から見た成果の詳細については,コホー
ト調査を2003年も継続して行うことで検討していく予
定である。本事業開始前の和歌山県の結核罹患率は
2000年41.6,有病率は40.6であったが,直近の2002年
データでは,それぞれ30.0,25.9と改善した。
1. 院内DOTS
結核病床を有するすべての病院(3施設)に対して,
県が院内DOTS推進に関与した結果,W病院では2002
年3月から,A病院は2002年8月から,B病院は2003
年2月から院内DOTSを実施している。
院内DOTS対象者は入院患者全員で,看護師が個別
にDOTSの説明を行い服薬手帳を渡し,毎朝9時に病
室で服薬の見守り確認を行っている。
2. DOTSカンファレンス
(1)実施回数:月1回
(2)実施時期:治療開始から終了までの全期間中で,
随時事例を出す
表1 DOTS事業と成果
取り組みたかったこと
服薬支援に重点を置く
確実に服薬する
服薬中断をなくす
実施したDOTS事業
成 果
院内DOTS
DOTSカンファレンス
(2002年3月から実施)
地域DOTS
保健所・病院は,患者
の治療を開始した時点
から患者の問題を共有
し,服薬終了を目指す
ようになった
県内の中核市を含む保 DOTS対策検討会
菌情報のタイムリーな
健所の意思統一と結核 (2002年6月から実施) 把握
担当者の質の向上
DOTS事業の推進を担
当者全員で考え,取り
DOTS事業の推進
組むようになった
標準治療で,服薬中断 結核対策検討委員会との DOTS事業と他の事業
を少なくする
リンク
をリンクしていくこと
(2000年から実施)
で,より一層の事業効
事業目的:適正医療
果が得られた
確実な診断
現状と問題点の把握
評価
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コホート調査
継続した調査を行うこ
とで,随時取り組みの
見直しができる
数値から見た成果(県)
2002年新登録喀痰塗
抹陽性患者のコホート
調査で評価予定
コホート調査は,喀
痰塗抹陽性患者を対象に,
2000年 72件・2001年
77 件調査した。DOTS
事業開始後の2002年と
比較検討予定
治療成功率
2000年 73.6%
2001年 76.6%
地域DOTS実施
2001年
4名
2002年 19名
(3)出 席 者:病院(医師・看護師),県保健所(保
健師・診療放射線技師),中核市保健所(医師・
保健師),県健康対策課(事務員)
(4)内 容:治療経過,菌検査結果,社会的背景,定
期外健診の実施状況,精神面の状況,家族の状況,
退院後の服薬と生活状況,服薬終了報告等
DOTSカンファレンスでは,入院時から病院と情報
を共有することで,患者の状況等が把握でき,信頼関
係が早く築けるようになった。また,退院後も引き続
き服薬支援が必要な患者に対しては,入院中に随時
DOTSカンファレンスを行うため,事前に服薬支援者
のコーディネートができ,患者一人一人のニーズに合っ
た支援ができるようになった。
3. 地域DOTS
(1)事例紹介 − 服薬支援者のコーディネート−
① 患者の背景 69歳 男性
肺結核 ガフキー3号 介護認定 要介護1
2人暮らしで妻は視覚障害があり,寝
たきりである
毎日訪問介護を受けている
② 服薬支援者 ホームヘルパー 毎日訪問
ケアマネージャー 随時訪問
役場保健師
随時訪問
③ 事例検討会 退院前に,病院スタッフと服薬支援者
及び保健師で1回実施
退院後,服薬支援者と保健師で2回実
施
入院当初より,DOTSカンファレンスで服薬中断の可
能性が高いことが指摘されていたため,保健師は患者の
同意を得て服薬支援者のコーディネートを行い,退院
前に服薬支援者と患者面接を行うようにした。この時,
「結核が治るように私たちも頑張りたい」ことを伝え,
服薬確認の方法を患者の希望を聞きながら決定するこ
とにした。また服薬支援者が不安なく訪問できるよう
に検討会を開き,医師・看護師から薬と身体状況につ
いて説明してもらった。退院後の服薬確認はホームヘ
ルパーが毎日行い,保健師は服薬支援者から報告を受
け問題があればすぐに患者を訪問した。
また,主治医も服薬手帳による服薬確認を行ってく
れたことで,一貫性のある患者支援が行えたと考える。
この事例は,排菌が服薬後1カ月目から陰性になり,
2003年2月に服薬終了している。
(2)服薬中断リスクアセスメント票(案)
,表2の活用
服薬支援方法は,従来地域を担当する保健師の判断
にまかされていた。しかし,2003年2月「日本版21世
紀型DOTS戦略推進体系図」が提示されたことや,「W
病院の訪問看護による地域DOTS推進」を計画してい
たことから,客観的に捉えられる支援指標が必要となっ
た。
そこで,服薬中断リスクアセスメントについて,W
病院と検討を行った結果,表2を作成し,2003年4月
のDOTSカンファレンスから試行的に使用している。
これは,看護師が事前に記入して,DOTSカンファレ
ンスで検討を行い,特に問題点を数量化しづらいもの
や一つの問題点の持つ意味が大きい場合などは,特記
事項欄にそのことを記入してから総合的に判断し,A・
B・Cに分けるようにしている。 表2 服薬中断リスクアセスメント票(案)
患者名
男・女
住所
検討日 平成
年
月
日
歳 治 療 開 始日 平成
年
月
日
退院(予定)日 平成
年
月
日
【 結核の理解・知識 】
1. 治療を受けることへの同意
2. 疾病の理解(知識)
3. 疾病の受容
4. 服薬の必要性
5. 副作用の理解
0 点
□ あり □ あり □ できる □ 理解あり □ あり
1 点
□ なし
□ なし
□ できない
□ 理解なし
□ なし
【 身体的状況等 】
6. 症状の改善
7. 菌陰性化
8. 薬剤感受性試験
9. 副作用
10. 結核・合併症の中断歴
11. 合併症の有無
□ あり
□ あり
□ 耐性なし
□ なし
□ なし
□ なし
□ なし
□ なし
□ 耐性あり( ) □ あり
( ) □ あり
( )
□ あり
( )
□ あり
□ なし
□ なし
□ なし
□ あり □ 可能 (誰が )
□ なし
□ なし
□ あり
□ 付き添い不要
□ なし
□ あり
□ あり
□ あり
□ なし
□ 困難
【 既往歴・生活背景等 】
12. 規則正しい生活
13. 身体的な障害
14. 精神・記憶・認知の障害
15. アルコール・薬物の依存
16. 家族の服薬理解
17. 家族の支援
18.
19.
20.
21.
住所不定等の問題
経済的な問題
職場の理解
通院方法
□ あり
□ あり
(無職・生保等)
□ なし
□ 付き添い必要( )
【 判断基準 】 A:15点以上,B:10∼14点,C:10点未満
【 アセスメント等特記事項 】
【 検討結果 】
A:治療中断のリスクが高い患者(服薬確認:原則毎日)→ 訪問( )
B:服薬支援が必要な患者(服薬確認:週1∼2回以上)→ 訪問( )
C:A・B以外・退院後転院・施設入所の患者 (服薬確認:月1∼2回以上) →訪問・電話( )
(注)【検討結果】欄には,判断基準から更に検討を加えて,A・B・Cを決定す
ること
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4. DOTS対策検討会
(1)実施回数:月1回(W病院DOTSカンファレン
スと同一日)
(2)場 所:W病院会議室
(3)出 席 者:県健康対策課(事務員)・県保健所
(保健師・診療放射線技師),中核市保健所(医
師・保健師)
(4)現在までの検討内容
① ビジブルカードへの服薬状況と菌情報の確実な
記入について ② 菌検査の病院別把握方法の一覧表作成
③ 菌検査の方法別,適切な把握時期について
④ 服薬ノートの活用紹介
⑤ コホート調査の実施(2000・2001年 新登録喀痰塗
抹陽性者を対象) ⑥ 連携マニュアル(W病院と保健所)作成の検討
⑦ 合同勉強会 クリニカルパス・高齢者の結核等(W
病院医師・看護師が講師)
⑧ コホート検討会の全保健所実施に向けての検討
⑨ PZA使用状況調査の検討
DOTS対策検討会は,今までの取り組みを通して得
た課題を,互いに自分たちの問題として捉え共有する
ことによって,「何が必要か」「何ができるか」とい
う視点に立ち取り組んでいる。
まとめ
和歌山県のDOTS対策の基本は医療機関との連携に
あり,患者が入院した時点から保健所と県担当課が関
与して,医療機関・県・保健所が協同で治療終了を目
指していることである。このため,DOTSカンファレ
ンスでは治療期間中のすべてにおいて医師・看護師,
保健師・診療放射線技師等が問題を共有している。
次に,DOTS対策検討会では中核市保健所を含む結
核担当者が,治療成功率を高めることや問題解決につ
いて共通認識を持ち,県内一丸となって取り組んでい
る。
これらの事業を行ったことにより,看護師・保健師
等の意識改革ができ,これが患者に伝わったため服薬
意欲が高くなったと思われる。そして保健師の訪問や
電話に対して,「大丈夫だよ,薬飲んでるよ」,「こ
の薬が大事なんだよなあ。分かってるよ」と,服薬の
大切さを患者自身から話してくれるようになった。
結核患者の治療成功の鍵は,オーダーメイドの患者
支援であり,医療機関との連携から始まったこれらの
DOTS事業は,個々の患者支援を効果的に推進してい
くものと考える。
【マスコミ資料】
結核
●7/18 産 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」の支援会議
(仏政府主催。7/16閉幕)で,資金不足を訴える同基金への,日本
からの拠出金増額を期待する声が強く上がった。
●8/8 薬事日報 関節リウマチ治療薬で国内初の生物学的製剤と
して,抗TNF(腫瘍壊死因子)α モノクローナル抗体である「レミ
ケード」が7月17日に正式承認された。同薬には結核などの発病リス
クを高めることが懸念されるとのデータが示された。
たばこ・肺がん
●7/19 朝 肺がんで死亡した東京海上火災保険の女性社員の遺族
らが「3回も健診でレントゲン検査を受けたのにがんを見落とされた」
として同社と診療所,担当医師3人を相手に損害賠償を求めた訴訟で,
遺族らの敗訴が確定した。
●7/19 毎 肺がん抗がん剤イレッサの副作用で間質性肺炎・急性
肺障害が起きる割合は3∼4%に達し,特に男性の喫煙者では5%を
超えることが専門医グループの調査で分かった。
●7/19 中国 東広島市の近畿大工学部がこの春,全建物内を禁煙
化した。
●7/26 中日 学校の敷地内を全面禁煙にしないのは禁煙教育の妨
害で教育権を侵害しているとして,名古屋市立千鳥丘中学校教員が,
全面禁煙と慰謝料の支払いを市に求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
●7/29,8/1・2 朝,産,毎,読 千代田区は8月1日,東京
駅周辺や丸の内のオフィス街も路上禁煙地域に追加指定し,10月1日
より違反者から過料を徴収する。港区は新橋駅周辺の路上での禁煙を
徹底する「みなとタバコルール」をスタートした。
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●7/30 朝 肺がんの診断から治療までを含めた包括的な指針を厚
労省の研究班が初めてまとめた。すでに転移し手術が難しい肺がんへ
の抗がん剤治療を強く推奨している。
●7/30・31,8/2 河北新報 仙台市は8月1日から,6日∼8
日の「仙台七夕まつり」会場を含めた中心部の道路などを「歩行禁煙
モデルストリート」に指定した。まつりでは日本たばこ産業の喫煙ト
レーラー「スモーカー」が会場近くに置かれる。
●7/31 朝 飲食店など屋内の公共空間での喫煙を24日から全面的
に禁じる米ニューヨーク州法に対し,州内飲食業界団体が発効停止を
求めて連邦地裁に提訴した。
●8/3 西日本 路上喫煙禁止を盛り込んだ条例が8月から福岡市
で施行された。
●8/14 読 来年度から始まる「第3次対がん10カ年総合戦略」で
は予防を強く打ち出し,禁煙をがん予防12か条のトップに持っていく
との考え。
●8/18 北海道 さっぽろ地下街が9月1日から全面禁煙に。
●8/21 読 歩きたばこやポイ捨てへの罰則規定を盛り込んだ条例
を10月から施行する杉並区は,JR高円寺,阿佐ヶ谷,荻窪の3駅周辺
を禁煙地域に指定する方針を固めた。同様の条例を10月から施行する
品川区は大井町,五反田,武蔵小山,青物横丁の各駅周辺を禁煙地域
に指定。
●8/21 中国 広島銀行は9月1日から店内を全面禁煙にする。
その他
●7/22 毎 WHOの新事務局長に21日,韓国の李氏が就任し,新
体制がスタートした。任期は5年。
Use
Use DOTS
DOTS More
More Widely
Widely
日本結核病学会保健・看護委員会が泊まり込みで検討
「院内DOTS指針」
結核研究所対策支援部保健看護学科長
小林 典子(日本 結 核 病 学 会 保 健 看 護 委 員 )
平成15年7月5(土)・6日(日)に結核研究所に
おいて,平成15年度第2回日本結核病学会保健・看護
委員会が開催され,「院内DOTS指針」の検討作業を
行った。
保健・看護委員会メンバーは,各地域の院内DOTS実
施状況や担当者の意見等を持ち寄り,土日泊まり込みで
討議を重ね実践的な指針の作成に努めた。
これまでの経緯
検討された院内DOTS指針の骨子
1994年国際結核肺疾患予防連合年次総会(IUATLD)
において,第1回結核専門看護世界会議が発足し,
1996年には米国肺疾患会議(ATS)でTB Nurse Meetingが発足した。
わが国においてもIUATLDに参加した看護職が中心
となって,結核看護ワーキングネットワークの必要性
を唱え,1999年結核病学会総会の会場において,自主
的な結核看護研究会が設立された。翌2000年,結核病
学会に「保健・看護委員会」が正式に発足し,以後,
総会の一般演題に「結核症の看護・保健活動」が加わ
り,保健・看護系会員数の増加と共に演題の応募数も
急増している。
今年度の保健・看護委員会のシンポジウム「DOTS
戦略の成果」では次のような提言があり,これを受け
て保健・看護委員会を開催し「院内DOTS指針」の素
案を作成することになった。
提言:
ここ数年,入院中の患者を対象とした服薬確認に取
り組む医療機関が増加している。結核研究所保健看護
学科が平成14年に実施した調査では,院内DOTSを実
施している医療機関は176施設で,前年の調査より24
施設増えていた。しかし,その方法等は各施設に任さ
れ,直接患者への服薬確認を行う看護師の負担は大き
く,地域と連携した継続支援も十分とは言えない状況
である。今後日本版DOTS戦略を推進するためには「院
内DOTS指針」の整備が必要である。
①指針作成の経緯と目的,②推進のための基本姿勢,
③導入に当たっての準備,④基本的な方法,を主な項
目の柱として構成し,末尾にQ&A方式による説明を
加える。そして,「院内DOTS指針(案)」は結核病
学会理事会の承認を得て,「結核病学会誌」に報告予
定である。
平成14年度結核研究所研修に参加した24医療機関に
ついてのアンケート調査から
退院後の服薬支援について保健所と協力していますか
DOTS推進のための会議を
開催し、確実な服薬の継続
を図っている。
29%
退院後の服薬継続が困難な
患者について個々に連絡を
している。
46%
特にしていないが、今後保
健所と協力していきたい。
その他
38%
17%
0% 10% 20% 30% 40% 50%
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21
台湾人医師旅行者がSARSを発病
−大阪市の対応,そして学んだことは?−
あれば医療機関を受診するよう勧めた。
大 阪 市 保 健 所 保 健 主 幹( 兼 )
ホテル従業員については,患者を覚えていないため,接
大阪市健康福祉局医務監 触の可能性のあるベルボーイ,ドアボーイ,フロント,朝
下内 昭
食をとったレストラン担当者及び患者の部屋を清掃した者
について調査した。
3. レストラン
当該SARS患者が発病してからの行程の概要
該レストランは予約客がグループ単位で利用しており,当
台湾人医師は2003年5月8日に大阪市に到着。5月9日
日は他のグループは入れ違いになり,患者グループが食事
夜に市内のホテルで発病した。翌朝5月10日に出発し京都府,
をしている時間帯には他の利用客はいなかった。
兵庫県,香川県,徳島県を旅行した後,5月13日に再び大
4. 免税店
阪市内に戻り,レストランと免税店を訪れ,関西空港から
患者本人は外で待っている時間が長かったようであり,
台湾に帰国した。
従業員22名についても,誰が濃厚に接触したかは不明である。
接触者健康調査
22
従業員4名については,濃厚接触はなかった。また,当
また,当日はほかに当該免税店を利用した客はいなかった。
5. 個別面接
1. 初動調査及び体制
ホテルでは従業員の人数が多いこともあり,まず,ホテ
16日夕に連絡を受けてから同日夜に保健所職員がホテル
ルの管理者に一括して情報提供を依頼した。それは,患者
での調査を直ちに開始した。他のレストラン,免税店など
の行動が不明であるため,患者を覚えていない従業員に質
の連絡先については,16日夜は旅行社などからまだ確認で
問しても,接触の濃厚度は判断できないためである。その
きていなかったために,17日午前中に,バス運転者などか
他の施設の調査でも最初は施設の担当者の聞き取りで行った。
ら詳しい情報を得た後に,保健福祉センターの医務保健長(医
その後,FETP専門家の技術助言を受けてから,レストラン
師)と保健所保健師が保健所で調査内容を確認してから2
と免税店その他の接触者調査を繰り返したが,営業自粛で
グループに分かれて調査を実施した。従って,第1報が入
在宅であるため個別には面接はできず,管理者や電話等で
ってから24時間以内に濃厚接触者の最初の健康調査は完了
必要な情報を得た。
したことになる。また,調査者が多施設にわたり,かつ多
6. 接触の濃厚度と健康観察方法 人数にのぼるため,17日午後に国・関係府県市緊急合同会
ホテル従業員については,全員,毎日,症状がないかど
議に出席した際に国立感染症研究所のFETP(Field
うかを確認し自主的に報告することとした。比較的接触度
Epidemiology Training Program,実地疫学専門家養成コー
が濃厚と思われる同階及び同室の宿泊客及び従業員全員に
ス)専門家に打診し,派遣依頼を行った。 ついては,潜伏期が経過した最後の日にもう1度症状の有
2. ホテル従業員及び宿泊客の調査範囲の決定
無を確認した。なお,ホテルでは自主的に出勤時に従業員
SARS患者の接触者調査は初めてのことであり,どの範
の体温を測定していた。その他の宿泊客については,連絡
囲まで実施すべきかが課題であった。中国等での感染者の
当時に異常がなければ,それ以降は症状が出た場合に連絡
ほとんどは医療従事者と家族だけであるということから濃
するように依頼した。他施設の従業員等については全員,
厚接触者だけに限ってもよいかも知れないが,残りの数パー
FETP専門家の助言により,潜伏期間中,毎日検温の結果を
セントの感染は軽度の接触であったかも知れない。専門家
FAXで保健所に連絡してもらった。即ち,濃厚接触者には
によっては従業員だけでよいという助言と宿泊客全員とい
能動的観察,軽度接触者には受動的観察とした。なお,症
う助言の両方があった。しかし,軽度の接触でも感染の恐
状が出た者については診療を断られたため,保健所から医
れが残っていれば,階が異なっても同じエレベーターに乗り
療機関を紹介した例もあった。
合わせて,近くに立っていた可能性がある。また,患者が押
7. 最終結果
したエレベーターのボタンを直後に押したかも知れない。
表の通りである。台湾人医師の接触者で感染疑い例はバ
以上の議論から宿泊客全員を調査対象とした。さらに,患
スの運転手1名のみであったが,後の検査でSARSの可能性
者が宿泊した室に翌日,翌々日に宿泊した客についても調
は除外された。ホテル宿泊客で1名疑い者が発生したが,
査に含めた。宿泊客以外の不特定多数のホテル利用者につ
後に除外された。その他の接触者でSARSを発病した者はな
いては把握する方法がないため,ホットラインで,心配が
かった。
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行政の体制
5月16日∼24日におけるSARSホットライン相談頻度
の分析
健康福祉局が方針の決定と記者発表を行い,大阪市保健
台湾人SARS患者の報告がされてから,24時間電話相談(SARS
所感染症対策課(45名)が他の課及び各区の保健福祉セン
ホットライン)6回線を開設し,保健所の各課,24区の保健福
ターの支援を得て,対策を遂行した。しかし,実際には感
祉センターの職員が従事した。相談内容ごとに1時間あたりの
染症対策課に,マスコミ関係者が常に電話による質問及び
件数の推移を図に示した。全体の動きは,「その他」の相談件
取材に訪れる状態が何日も続き,対策の進捗状況の迅速な
数に大きく影響を受けており,5月16日に台湾人SARS患者の
整理,共有が困難になることもあった。筆者はマスコミか
報告がされた夜から増え,5月17日にPCR検査陽性でSARSと
らの質問に答える役割からは離れ,接触者調査の全般的担
確定してからピークに達した。その際,ホテル名を教えてほし
当として,毎日インターネットで最新情報を確認し,必要
いという問い合わせが多かった。5月18日午前にホテル名が公
に応じてFETP専門家及び国立感染症研究所から助言を得,
表されてから減少していたが,全旅行行程・施設名が公表され
厚生労働省のオペレーションセンターと連絡して,方針決
てからは,ホテルや大阪城に行っても大丈夫かという質問が増
定に必要な情報を提供した。
えた。しかし,それも接触者であるバス運転者のPCR検査結果
FETP専門家からの提言を踏まえての考察
が陰性と報道されてからは減少した。台湾人患者が立ち寄った
と思われる場所の近くへ,自らも行ったのではないかと不安に
1. 接触者調査の標準化
なった人たち,また,熱や咳などのなんらかの症状があり
接触者調査に関しては,台湾人医師の行動に関する情報
SARSではないかと心配して電話をしてきた人たちが多かった。
が乏しいため,接触者の特定及び接触の濃厚度の判断が困難で
いずれにせよ,マスメディア発表により市民の関心が高くなるの
あった。また,接触調査の方法が標準化されていなかったため,
で,今回のようなホットライン開設は重要であると考えられた。
熱や呼吸器症状が出現していないかどうかを確認しただけであ
った。現在はマニュアルを改訂し,接触者の定義,健康観察期
ホームページによる情報の提供
間,方法などについても標準的様式案を作成した。
に,ホットラインから得られた最も多い質問に関連して,
2. 今後,
複数の症例が出た場合にも対応できるだけの十分
な人数のSARS対策チームの編成
Q&Aを改訂して掲載した。
患者調査は保健所で実施するが,接触者調査は24区の保
4月以降開始していたホームページでのSARS関連の項目
健福祉センターの医務保健長,保健師等がまず自らの区で
表 接触者健康調査の最終結果
従業員
宿泊客
関係施設
ホテル
免税店
レストラン
バス会社
小計
ホテル
対象者数
52
22
4
1*
79
429 402**
27***
508
合計
保健所と連携して実施することとした。
異常の有無
異常なし
異常なし
異常なし
異常なし
異常なし
異常なし
連絡先不明
3. 対策執行部内における情報の共有及び意思疎通・方針の
統一
対策執行部内で会議を毎日開催し,得られた情報の更新
をすると共に,その情報を執行チーム全員に伝達する。
4. 他の自治体に症例が出た場合の情報交換及び調査協
力体制の構築
* バス運転手 症状があり疑い例であったが,検査により除外
** うち1名は熱があったが,後に除外
***海外にも手紙やメールで連絡を行った
件/1h
近隣自治体と検討中。
図 SARSホットライン相談件数割合(5/19以降の平日は保健福祉センター分含む)
50
45
発生状況に関すること
40
疾病に関すること
感染経路に関することと
35
予防に関すること
30
診断治療に関すること
その他
25
合計
20
15
10
5
0
5月16日 17日
19:00
NHKニュース
台湾人医師SARS発症
17:00
18日
11:15
16:10
ホテル名公表
TVニュース
台湾人医師PCR陽性
19日
12:00
20日
24:00
21日
24:00
NHKニュース
バス運転手PCR陰性
全旅行行程・施設名公表
22日
24:00
23日
24:00
24日
24:00
25日
24:00
26日
24:00
27日
24:00
28日
24:00
29日
24:00
30日
24:00
市長会見
安全宣言
9/2003 複十字 No.293
23
「たばこ対策枠組み条約」について
政府間交渉会合が開催され,たばこ包装及びラベリング,
たばこ広告,責任,たばこ課税政策,受動喫煙など各分野
について,具体的な条約案の交渉が行われた。
厚生労働省健康局総務課
平成15年の第6回政府間交渉会合において,たばこ対策枠
生活習慣病対策室主査
組み条約案が確定され,同年5月の第56回WHO総会にて,
渋谷 克彦 確定された条約案が,原案のとおり全会一致により採択された。
条約の意義等
はじめに
たばこ対策枠組み条約は,WHOの下で策定された保健
世界保健機関(WHO)は,1970年より喫煙対策やたば
分野における初めての多数国間国際条約であり,今後のた
こによる健康被害を減少させること,非喫煙者の保護を目
ばこ対策を国際的に講ずるための第一歩として評価できる
的とした決議を16回にわたり採択し,たばこ対策を加盟国
ものである。
に対して勧告してきた。そして,たばこ対策について国際
本条約は,「継続的かつ実質的にたばこの使用及びたば
的な枠組みを構築し,それに基づく対策を行う必要性が高ま
こ煙への曝露の広がりを減少させるために,国内,地域及
ってきたことを受けて,「たばこ対策枠組み条約」が平成
び国際的レベルで締約国によって実施されるたばこ規制措
13年5月の第56回WHO総会において採択された。
置のための枠組みを提供することにより,たばこの消費及
びたばこ煙への曝露によってもたらされる健康,社会,環
条約採択までの経緯
境及び経済に与える壊滅的な影響から現在及び将来の世代
「たばこ対策枠組み条約」の取り組みは,平成8年の第
を保護すること」(第3条)(邦訳は筆者によるもの。以
49回WHO総会において,事務局長に対して「たばこ対策
下同じ)を目的としており,これを達成するため,たばこ
のための枠組み条約」の検討を促進する決議が採択された
の需要減少や供給削減に関する措置及び各種の推進方策等
ことに始まる。そして,平成11年の第52回WHO総会にお
を実施することとされている。(図参照)
いて,同条約について交渉する政府間交渉会合及びその準
条約の概要
備のための作業部会の設置が決議された。
この決議を受け,平成11年10月と平成12年3月に作業部
たばこ対策枠組み条約の内容は前文を含め,第1部から
会が開催され,条約の構成要素案が作業部会の報告書とし
11部より構成されて,その概要としては以下の通りである。
て平成12年5月のWHO総会に提出された。同年10月には
1. 序
第1回政府間交渉会合が開催され,その後も5回にわたり
第1条では「たばこ製品」,「たばこスポンサーシップ」
たばこ対策枠組条約の概要
目的(第3条)たばこの消費及びたばこ煙への暴露によってもたらされる健康・社会・環境
への壊滅的影響を回避
供給削減措置
*不正取引防止(15条)
*未成年者への販売制限
(16条)
*葉たばこ耕作者等への
代替活動支援(17条)
基本項目
用語(1条),他の条約との関係(2
条),指針たる原則(4条),一般的
義務(5条)
24
9/2003 複十字 No.293
需要削減措置
*価格・課税措置(6条)
*たばこ製品の包装及び
ラベリング(11条)
*啓発推進(12条)
*広告制限(13条)
*禁煙支援(14条)
環境
環境等保護(18条)
推進方策
*責任と補償(19条)
*国際協力と情報共有,
情報交換(20・21条)
*専門知見の提供
(22条)
*財源(26条)
*情報公開(10条他)
条約として具備すべき事項 締約国会議(23条)
事務局(24条)他
等の用語についての定義が述べられている。なお,「たばこ
規制」とはたばこ製品の消費及びたばこ煙への暴露を減少ま
の30%以上を占める等の措置を実施する。
(f)たばこ広告(第13条)
たは撲滅することによって,人々の健康を改善することを目
5年以内に,自国の憲法または憲法上の原則に従って,
的とした供給,需要及び害の低減に関する戦略としている。
すべてのたばこ広告,販売促進及びスポンサーシップ 2. 目的,指針となる原則及び一般的義務
を包括的に禁止するか規制を行う。また,たばこ広告や販
本条約の目的は上記にある通りだが,第4条では条約
売促進及びスポンサーシップに健康警告表示を求め,様々
の目的を達成し,その条項を実施するための指針となる
なメディアでのたばこ広告等を自国の憲法,憲法上の原則
原則が述べられている。その原則とは
により包括的に禁止または規制することが最低限の措置と
(a) あらゆる人にたばこの消費及びたばこ煙への暴露によ
ってもたらされる健康影響,嗜癖性等が知らされ,た
なっている。
(g)禁煙及びたばこ依存に対する適切な治療の促進(第14条)
ばこ煙への暴露からすべての人を保護するための効果
(h)未成年者に対する販売(第16条)
的な措置が熟考されるべきである。
(b) 効果的なたばこ規制プログラムを策定及び実施する
ためには国際的な協力,特に技術,知識,経済的支援
未成年者に対するたばこ製品の販売を禁止するために,
たばこ自動販売機にアクセスできない等の措置を実施する。
(i)経済的に自立できる代替活動の振興(第17条)
の転移や専門的知見の提供が重要である。
(c) すべてのたばこ製品の消費を減少させることを目的
適当な場合に,葉たばこ耕作者,たばこ労働者等が とした国内,地域及び国際的レベルの包括的な多分野
にまたがる措置や対応は,たばこ消費やたばこ煙の暴
4. 条約の実施状況を継続的に検討し,たばこ対策を強
化していくための制度的枠組み
露による疾病等の予防に不可欠である。
研究,調査及び情報交換として,たばこ規制分野における
(d) 市民社会の参画が本条約及びその議定書の目的の達
経済的に自立できる代替活動を振興する。
国内研究の策定や促進,国際レベルでの研究プログラムの調
成に不可欠である。
整や協力を実施。必要な場合には,技術的,財政的資源の提
等となっている。そして,これらの原則に従って締約
供に協力することに努める。また,情報交換として締約国は定
国は包括的かつ多分野にまたがる自国のたばこ規制戦略,
期的に締約国会議に報告を行う(第20,第21条)。
計画及びプログラムを策定,実施し,定期的に更新,
5. 条約実施のための支援
再検討することが一般的義務となっている。
組織運営として,締約国会議を開催し,本条約の実施状
3. たばこ対策を進めるための措置
況を定期的に検討し,効果的な実施を促進するために必要
たばこ対策を進めていくための措置としては,
(a)価格,課税措置(第6,第7条)
な決定や指針を策定することとなっている(第23条)。ま
た,財政資源として本条約の目的を達成することを支援す
課税主権を損ねることなく,課税政策や適当な場合
るために,必要な場合は発展途上国等に対する既存の資金
には,非課税及び免税たばこ製品を販売,輸出するこ
供与制度の強化,または任意拠出の世界基金設立の必要性
とを禁止または制限する措置を検討する。
を考慮する(第26条)。
(b)たばこ煙からの保護(受動喫煙対策)(第8条)
受動喫煙に対する対策を国内法の範囲内で実施また
は促進する。 (c)たばこ製品含有物規制(第9条)
最後に
上記にあるように,本条約は,WHOの下で策定された
保健分野における初めての多数国間国際条約である。本条
締約国会議で提案された指針が国内で承認された場
約は40カ国以上の批准で発効となるが,現在本条約に署名
合には,たばこ製品の含有物,排出物の規制を実施する。
を行っているのは47カ国と1つの地域経済統合体であり,
(d)たばこ製品の情報開示(第10条)
その内,批准をしているのはノルウェーのみである。一方,
国内法に従う範囲内で,たばこ製品の情報開示に関
本年5月1日に健康増進法が施行されたことを受け,我が
する措置を採択し,実施する。
国においてもたばこやその煙が健康に及ぼす影響に対する
(e)たばこ製品の包装及びラベリング(第11条)
関心は高まっている。今後,国際社会がたばこ対策を国際
条約発行後,3年以内に,国内法に従って,消費者
的に講じていく上での効果的な枠組みを定める意義を有し
に誤解を与える形容的表示等によりたばこ製品の販売を促
ていることを踏まえて,我が国においても,関係者の理解
進しないことを確保する措置をとる。たばこ製品の外包,
を得ながら,本条約の署名,批准にむけて必要な手続きを
ラベリングにもたばこ使用による有害な影響を記述する健
進めていく努力をしていきたい。
康警告表示を刷記し,それは最低でも主たる表示面の両面
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25
結核予防会本部事業所だより
読んでみませんか?
結核まん延時代・1960年(昭和35年)頃の複十字病院の様子が描かれる
とう
小説『闘』 幸田 文 著(新潮文庫)
小説『闘』は,結核予防会青木会長の結核研究所付
属療養所(現複十字病院)勤務体験をもとに,著者自
身が熱心に取材したものです。
結核研究所付属療養所は,1947年(昭和22年)結核
研究所臨床部に152床の病棟を開設後,1958年(昭和
33年)結核研究所付属療養所として独立したところで,
日本銀行,富士銀行,東京電力,朝日新聞ほか企業病
棟が設置され,最高時635床にもなっていました。
「複十字病院と私」と題した青木会長の文章から(複
十字病院院内報「赤れんが」(2003年1月1日発行)
掲載),この本について書かれた部分を引用したいと
思います。
* * *
大喀血で死亡する患者,退院を前に自殺した若い女
性の患者,生活保護を受けるために形式的に離婚した
のに結局本当に離婚に追い込まれる患者,大学に勤め
て間もなく発病して学者への夢が挫折した患者・・・・。
私が毎日こういう患者と格闘している姿を見ていて,
義母幸田文が書いた小説が『闘』である。(中略)当
時の結核予防会結核研究所付属療養所,つまり,複十
字病院の様子が生き生きと書かれている。興味のある
方には是非一読をすすめたい。
* * *
私は,作家,幸田ファミリーのファンの一人として,
今年も幸田露伴,幸田文,青木玉,青木奈緒,幸田家
四代の読書をと思っておりました。そんな折,上記の
ような文章を目にする機会があり,さっそく『闘』を
読むことに決めました。
『闘』は長編小説とはいえ,特に主人公もなくストー
リーがあるわけではありません。大喀血の病人が松林
の中病院へ行くところからスタートします。病院の待
合室,受付,対応状況,入院へと進んでいきますが,
26
9/2003 複十字 No.293
結核の流行期,どの病棟も満床です。結核という病気
に苦しんだ,さまざまな患者との関わりを通して,医
師,看護師たちも,それぞれが結核と闘い,死と闘って
います。何人もの結核患者。この中で一番印象に残り
ました病院の主のような闘病歴10年の患者がいますが,
すさまじい闘いの末,やはり死んでゆきます。死に行
く者の無念さ,悲しみが伝わってきます。その頃の結
核と入院患者の心理,日常生活を知る記録書としての
本にも思えます。
複十字病院は,現在許可病床数370床,年間外来患
者総数約14万人を数え,戦後の結核全盛期から数十年
に及ぶ結核診療の歴史を持ち,疾病構造の変化に対応
して,現在は呼吸器疾患全般の診療に取り組んでいま
す。結核・呼吸器科はわが国最高レベルの病院を目指
しており,また消化器科等の他の診療科も地域から高
い信頼を得ています。
私が所属する第一健康相談所読影センターは,区,
保健所関係,結核予防会支部,一般の健診機関等から
胸部X線フィルム(結核・肺がん健診等の集団フィル
ム)の読影を委託されております。読影後精検で患者
発見することができ,当所外来で治った方も少なくあり
ません。
研究と結核対策等によって小説『闘』のような長期
入院患者,重症の結核患者は少なくなりました。今で
はほとんど薬で治せるようですが,改めて早期発見,
早期治療に努めることが大切であり,結核の集団健診
フィルムの読影判定は結核対策に重要なことであると
思っています。
そして,判定医師に日頃の感謝をすると共に,今後
も複十字シール運動等予防事業に参加,協力していき
たいと思います。
第一健康相談所読影センター主任 林 和子
多額寄付者の方々からのメッセージ
平成14年度もたくさんの方々にご寄付をいただき,誠にありがとうございました。
結核予防事業資金及び複十字シール運動に多額のご寄付をいただいた方々よりメッセージをお寄せいただきまし
たので,前号(No.292/平成15年7月号)に引き続きご紹介いたします。
なお,平成15年7月10日,ホテルニューオータニにおいて「資金寄付者感謝状贈呈式」を開催し,本会総裁秋
篠宮妃殿下から多額のご寄付をいただいた方々に感謝状が贈呈されました(関連写真:表紙裏グラビアに掲載)。
〔事業資金寄付〕
(平成13年度)
やなち みつよ
〔事業資金寄付〕
(平成14年度)
あさひ じゅうごう
柳池 光代 様
朝日 重剛 様
以前より自分が生かされているこの世に感謝し,ご恩返しが
永年に渡り,結核予防会の活動にご活躍されている富山市在
できたらと常々思っておりました。
住の塩井外喜子様(前全国結核予防婦人団体連絡協議会会長)
平成6年「皇室日記」で秋篠宮妃殿下の結核予防会・推戴式
のご紹介がきっかけです。活動の主旨に感銘し少しでもお役に
の模様が放映され,ご懐妊発表後のお身体にもかかわらず,ご
立てていただけたら,と寄付させていただきました。
公務をおつとめになられる真摯なお姿に感動し,これをきっか
けに結核予防会へ寄付させていただく決心をしました。
また,かつて娘が低学年の時に学校給食で赤痢にかかり隔離
されましたが,私は勤めがあり,付き添うこともできずにどう
〔複十字シール募金〕
(平成14年度)
なることかと心配いたしました。その時他人様から娘の世話を
して助けていただきました。その時のご恩は一生忘れることは
できません。毎日勤めの帰路に見舞っておりましたが,別れる
時は辛くて悲しい日々でございました。
(株)
アロエベラエンタ−プライズ
(代表取締役 杉澤 廣行 様)
結核も法定伝染病で本人はもとよりご縁ある人達がどれほど
辛く苦しい思いをされていられるか,本当に他人様事ではあり
ません。
寄付させて頂くにあたり,孫達にいろんな品物を買ってやれ
結核予防会への寄付は,今から38年前に柔道を通じて当時札
るとの思いが無い訳でもございませんでしたが,世の中を理解
幌の結核予防会に勤めていた大久保氏(当時40歳)との出会い
できる年齢になりました時,貴会から賜りました感謝状を見せ
があったことがきっかけとなりました。
て私の思いを伝えることに勝る贈り物はないのではないかと思
若いころより将来社会福祉に貢献しようと考えておりました。
われます。
大学を卒業して商社を経て会社も順調に運びましたので,かね
今世界の国々では悲惨なニュースが多くあります。日本の国
てよりの思いをこめて,生活することができる以上に得たもの
柄に感謝するとともに,なおよりよくして子孫に繋げていきた
は,社会に還元しようと心に決めて,国内外を問わず支援を続
いと願っております。最後に貴会のご活動によりお一人でも多
けております。近年,目標を達成したものの,更なる社会福祉
くの人を救えますように,またこの世からの結核の撲滅を祈念
への貢献をめざして,社会に役立つ事業をされている団体への
申し上げます。
支援を重ねて行っております。
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予防会だより
●結核予防事業資金寄付者に対する感謝状贈呈
並びに永年勤続職員の表彰
7月10日(木)午後1時より,ホテルニューオータニにおいて
永年勤続職員表彰式が,また午後2時より総裁秋篠宮妃殿下のご
臨席を賜り,結核予防事業資金寄付者感謝状贈呈式が行われた。
永年勤続職員には青木会長から表彰状が,また結核予防事業資
金として多額のご寄付を下さった方々に総裁から感謝状が授与さ
れた。引き続き記念撮影とお茶会が行われた。
【感謝状贈呈者(順不同,敬称略)】
●事業資金(個人:3名)
朝日重剛,瓜生ヒロ,岩井和郎
●事業資金(団体:1社)
上田嘉一朗商店
●複十字シール募金協力者(個人:8名)
高橋昭美,小川和榮,斉藤美恵子,岩崎睦子,成田實,武田久子,
河津秋敏,落合軍治
●複十字シール募金協力者(団体:1社)
アロエベラエンタープライズ
【永年勤続職員表彰者(敬称略)】
●30年勤続者(33名)
小林建夫(複十字病院),大川久美(第一健康相談所),松尾京
子(渋谷診療所),吉田和夫(宮城県支部),松田信朗,梅木三夫,
佐藤吉宣(山形県支部),川喜多孝之(茨城県支部),日向政明,
小林清,鴈金静佶(東京都支部),阿部恒,坂井誠吾(新潟県支部),
原田士朗(静岡県支部),川本仁(三重県支部),飯田彰秀,貴
能末光,横田勁治,江南伸治,田川健一,納所栄三(京都府支部),
吉田忠春,元持洋子,藤川茂樹,江口とし,土田善子,池田健二(大
阪府支部),徳田勝一(鳥取県支部),池本啓子(岡山県支部),
垰田春二(広島県支部),貞松洋子(福岡県支部),有川哲夫(鹿
児島県支部),伊江和子(沖縄県支部)
●20年勤続者(99名)
山下武子,山]厚司(本部),千野仁,山田博之(結核研究所),
梅田正子,遠藤千恵子,大熊ミツ子,栗原一男,松下加与,山田
浩範(複十字病院),渡邊和俊,中上和子,石川和男,西久保龍
男(新山手病院),前川眞悟,久永裕幸,島田典子,渡邉真由美,
板垣昌美(第一健康相談所),内山貴雄(北海道支部),菅野通,
小野寺光子,武田努(宮城県支部),須藤祐一,奥山千佳子(山
形県支部),渡部千枝子,加藤友子,菅野順子,佐藤政浩,遠藤
一良(福島県支部),萩谷くに子,根本ひろみ(茨城県支部),
塚原昌子,山田博之,竹村哲夫(栃木県支部),倉林雅美,平野
和子,町田かほる(群馬県支部),塚越克己,横山光位(埼玉県
支部),高舘正雄(千葉県支部),財津享(東京都支部),篠]
敬右,園田高広,猪俣美穂,庭山理惠,村井直美(神奈川県支部),
高野淳子,高山美佐子(山梨県支部),新津正弘,大日方広一,
山口昌弘,黒岩和枝(長野県支部),島垣二佳子,八幡美代子(新
潟県支部),田川正俊,橋本ひとみ,東節子,高桑春子(石川県
支部),大西圭三(滋賀県支部),相津延美,吉沢妙子,白砂哲
治(京都府支部),佐々木光正,三谷雅彦,松岡信広,丸山美枝
子(大阪府支部),池田満津子,首藤亮(兵庫県支部),岡本尚子,
春名孝子(岡山県支部),影山淳子,山]宜彦,三宮武志,久武哲
郎,五十嵐惠子,種田なぎさ,若林弘玄,西内厚,松岡克憲,高橋
英雄,池澤理,水野洋,東代(高知県支部),森内眞由美(福岡県
支部),徳島幹雄(佐賀県支部),中與修一,川崎文則,中嶋昭義,
橋本幸一(長崎県支部),石原廣文(熊本県支部),合澤美智代(大
分県支部),横山清治,中内田健次(鹿児島県支部),屋嘉比柴哲,
大塚光子,島袋恵美子,石川順,仲里信子(沖縄県支部)
●平成15年度(第2回)結核予防会新任課(科)長研修
会開催
8月6日(水)∼8日(金)の3日間,結核研究所において標記
28
9/2003 複十字 No.293
研修会が,25名の参加を得て開催された。プログラムは下記の通り。
(6日14:20∼17:50,7日終日,8日9:00∼11:00のプログラム講師
は(財)社会経済生産性本部副参事・認定経営コンサルタント 佐々木昌彦氏)
【8月6日(水)】
13: 00 開講式 結核予防会理事長 仲村 英一
13 : 05∼13:35 「結核予防会の使命」 結核予防会事業部長 山下 武子
13 :35∼14: 05 「結核予防会が行う国際協力事業」
結核予防会国際部副部長 大菅 克知
14: 20∼17: 50
1. 環境変化と課(科)長の役割
①変化の潮流と経営課題
*コンセンサス討議
②課(科)長の立場と役割
*ケーススタディ
※サマリー作成
18 : 00∼ 懇親会
【8月7日(木)】
9 : 00∼12: 00
*前日の振り返り
2. 業務の効率化と問題解決
①マネジメントの視点
②マネジメント・サイクル
③優先順位付け
④問題解決のステップと着眼点
13: 00∼18 : 30
*経験交流:グループ討議 ∼課(科)長の役割と課題
*経験交流:発表と全体討議
3. 説得力の強化
①コミュニケーションの障害
②効果的なコミュニケーションの方法
③積極的傾聴
※サマリー作成
【8月8日(金)】
9: 00∼11: 00
*前日の振り返り
4. 部下の指導支援
①指導支援の機会と方法
②部下の動機づけ
③リーダーシップの発揮
11: 00∼13 : 00 昼食及び留学生終講式参加
13: 00∼14:15 「支部事業を取り巻く情勢と第一線管理職に期待される成果」
全国支部事務局協議会長・京都府支部常務理事 相津 延美
14 : 15 閉講挨拶 結核予防会専務理事 羽入 直方
● 島尾忠男先生,青木正和先生出版記念講演会・
パーティー開催
8月8日(金),本会島尾顧問『結核と歩んで五十年 Living
with TB for fifty years』及び青木会長『結核の歴史』の出版記念
講演会及びパーティーが,ホテル海洋において約220名の参加を
得て開催された。
多額のご寄付を下さった方々
<指定寄付等>(敬称略)
本部−丸川一章,山下儀治(新山手病院),原
田節子(複十字病院)
<複十字シール募金>(敬称略)
青森県−金上幸夫,芙蓉会村上病院,青森県薬
種商協会青森支部,東北科学薬品,厚生会渡辺病
院,エヌエス環境青森支店,青森県漁業協同組合
連合会,伯養軒青森支店,今別町,平内町,三厩
村,蓬田村,日本原燃,岩木町,相馬村,西目屋
村,階上町,倉石村,五戸町,下田町,新郷村,
田子町,名川町,南郷村,南部病院,南部町,八
戸市,松平病院長,八戸市立市民病院,さくら病
院,福地村,百石町,鰺ヶ沢町立中央病院,鯵ヶ
沢町,板柳町,稲垣村,柏村,木造町立成人病セ
ンター,誠仁会尾野病院,木造町,青森県薬種商
協会五所川原支部,済生堂増田病院,ショウエー
五所川原店,小泊村,市浦村,車力村,鶴田町,
中里町,中里町シルバー人材センター,中里町社
会福祉協議会,深浦町,森田村,上北町,公立七
戸病院,七戸町,天間林村,ちびき病院,東北町,
高松病院,十和田観光電鉄,十和田市,十和田済
誠会病院,公立野辺地病院,育栄管財,仁和会三
沢中央病院,三沢市,三八五交通三沢営業所,小
嶋商事合名会社,横浜町,六ヶ所村,風間浦村,
川内町,佐井村,東通運輸,航空自衛隊第42警戒
郡,むつ市,下北支部獣医師会,脇野沢村,環境
社,碇ヶ関村,田舎館村,大鰐町,尾上町,黒石
市,南黒食品衛生協会,津軽新報社,常盤村,浪
岡町,平賀町,藤崎町
岩手県−共立メディカル盛岡営業所,外里克己,
岩手労働基準協会,江村胃腸科内科医院,岩
手コープ・アイ,佐々木久夫(佐々木医院),東
北タチバナ,及川量平(立正堂医院),安井豊(上
代医院),佐々木内科小児科医院,菊長盛岡支店,
山岡胃腸科内科医院,鈴木俊一事務所,大沢三郎,
岩手銀行人事部,滝沢中央病院,高橋孝(高橋医
院),ダスキン盛岡,宮川慶吾,岩手県医師会,
狩野隆一(湯口診療所),岩手郡医師会,真如苑
東北支部,工藤剛,大内直一税理士事務所,日新
堂,岩手日野自動車,南部美人,仙建工業盛岡支
店,岩手県国民健康保険団体連合会,秋柴重機,
アイシーエス,岩手県予防医学協会あおぎり会,
小野寺功,鈴木俊彦(北上保健所),岩手県保健
福祉部保健衛生課,花巻地方振興局保健福祉環境
部,岩手県厚生農業協同組合連合会,岩手医科大
学医師会,特殊免疫研究所,夏油温泉,共立医
平成15年9月15日 発行
複十字 2003年293号
編集兼発行人 山下 武子
発行所 財団法人結核予防会
〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-3-12
電話 03(3292)9211(代)
印刷所 勝美印刷株式会社
東京都文京区小石川1-3-7
電話 03(3812)5201
結核予防会ホームページ
URL http://www.jatahq.org
科器械,盛岡博報堂,軽米町健康ふれあいセン
ター,川村光雄,岩手県町村会,岩手県歯科医師会
栃木県−黒駒安子
千葉県−浅井邦彦,飯田宏美,稲葉美佐子,内
田朝彦,榎本発雄,遠藤毅,大日方惟忠,小倉薫,
忍足美代子,小野寺勉,柿栖米次,金坂明美,河
村和子,黒松秀雄樹,三枝倫子,坂井隆之,笹山
知加志,嶋瀬順二,高津忠夫,瀧澤弘隆,時田幸
子,中嶋弘道,中野義澄,根本達久,野口吾郎,
萩巣敏子,藤井京子,般若和弘,本村八恵子,山
本泰,鎗田衡平,渡辺武,渡辺良子,千葉信用金
庫都町支店,千代田メディカル,岩渕薬品,永光
自動車工業,石井商会,田中三誠堂,千葉銀行広
報部,千葉興業銀行千葉支店,志学書店,三菱化
学ビーシーエル,京葉銀行本町支店,伊藤保険セ
ンター,キッコーマン,志村昭光,鈴木公典,井
橋秀治,矢部勤,角南祐子,綿貫静江,白井義修,
藤田智恵子
岐阜県−岐阜大学,久々野町,岐阜県信用保証
協会,読売新聞社岐阜支局,田中礼一,岐阜婦人
子供服工業組合,高山米穀,可茂建設業,国井組,
麻田宮司,岐阜県恵那支部理容組合,岐阜県理容
生活衛生同業組合,大垣土建,杉本組,木田自動
車,石地組,清水組,岐阜県薬剤師会会長,川甚,
大澤化学,九重化成,岐阜信号施設,セーコー電
子総業,岐阜県国際バイオ研究所,岐阜県労働基
準協会,岐阜文芸社,苅谷工務店,ビル管理シス
テム,カワイ,サンメッセ,八幡建設事務所長
鳥取県−谷岡印刷,山陰三菱ふそう鳥取,山陰
警備保障,ビー・エム・エル鳥取,日立メディコ
山陰,吉田歯科医院吉田通,富士フィルムメディ
カル西日本,新川電機,牧野禮一郎,田中建設,
湊屋石油,鳥取銀行県庁前支店,松本油店,エル
クコーポレーション,三光鳥取営業所,栄研化学,
成和産業鳥取営業所,成和産業米子営業所,天野
医院天野道麿,コニカメディカル鳥取営業所,エ
バルス医薬営業本部,林原不二夫,山陰合同銀行
県庁支店,鳥取医療器,鳥取科学器械,牧田商店,
中部ふるさと広域連合,きむら小児科木村浩,谷
口医院谷口公子,伏見製薬,ダスキン鳥取,コニ
カ関西支社
山口県−原田毅,興野寿久商店,木原建設,善
正寺,宇部紙袋
香川県−古田清志法律事務所,河本医院,四国
物産,田原内科医院,四国医療器,サンエー設計,
吉田石油店,香川県接骨師会,入倉俊雄,香川県
職員一同,香川県警,宮武病院,池田内科ク
リニック,弘恩苑,県立津田病院,香川県身体
障害者総合リハビリセンター,池田町,高松赤
十字病院,綾歌町職員組合,安田食品工業,庵
治町,香川県医師会,高瀬町,仁尾町,県立丸亀
病院,豊中町,県立白鳥病院,豊浜町,三野町,
岩崎病院,香川県看護協会,三木町,山本町,香
川県教育委員会,香川町,三豊総合病院,満濃町
職員労働組合,観音寺市,多度津町,琴平老人の
家,百十四銀行,仲南町,香川銀行,綾上町,伏
見製薬,綾南町,県立三本松高等学校,香川小児
病院,県立高松工芸高等学校,琴平町,内海病院,
香川県婦人団体連絡協議会,直島町役場,キタム
ラメディカル高松営業所,日立メディコ四国支店,
カイゲン高松営業所,国立善通寺病院,コニカメ
ディカル高松営業所,香川県薬剤師会,飯山町保
健センター,国立高松工業高等専門学校,高松食
糧事務所,JA香川厚生連,アスティス香川支社,
塩江町保健センター,香川県農業協同組合,県立
丸亀高等学校,香川県患者自治会連合会
高知県−ふたば会,前田範夫,安楽寺,高知検
診クリニック,丸重建設,セコム高知,矯風会,
多田恵美子,フアミリークリニック四万十,松岡
義雄,中嶋工務店,一陽病院,慶尚,高知カシオ,
高知測量センター,竹本病院,朝倉深田内科,
谷川寛三,西野建設,上岡西山工務店,野市
スーパーマーケット,高橋建設,大杉中央病院,
西日本警備保障,おの,押岡建設工業,さん
さんクリニック,四国銀行,ナンコクスーパー,
中澤氏家薬業,沢誠一,おかざき葬儀社,藤
田紀子,共電算会計センター,汽水産業,和
住工業,和住,ワタリコンサルタント,潮江
皮膚科,窪田商亊,共立シャッター工業,高
知ケーブルテレビ,横田達雄,渭南病院,澤
村美紀代,三宮神経内科,高知中央自動車学校,
吾北生コン,宇賀茂敏,ひろせ矯正歯科
結核予防会役員人事(敬称略)
支部
発令日
支部名
氏名
本誌は皆様からお寄せいただいた複十字シール募金の益金により作られています。
複十字シール運動
発令内容
15.5.30 秋 田 県 支 部 千葉 隆 支部長の委嘱を
解く
1 5 . 7 . 4 秋 田 県 支 部 西村 哲男 支部長を委嘱する
15.3.31 福 島 県 支 部 小山 紀夫 副支部長の委嘱
を解く
1 5 . 6 . 1 福 島 県 支 部 穴沢 正行 副支部長を委嘱
する
1 5 . 3 . 5 愛 媛 県 支 部 村上 郁夫 支部長の委嘱を
解く
1 5 . 6 . 9 愛 媛 県 支 部 山内 易雅 支部長を委嘱する
みんなの力で目指す,結核・肺がんのない社会
平成15年度複十字シール
複十字シール運動は,結核や肺がんなど,胸の病気
をなくすため100年近く続いている世界共通の募金活
動です。複十字シールを通じて集められた益金は,
研究,健診,普及活動,国際協力事業などの推進に
大きく役立っています。皆様のあたたかいご協力を,
心よりお願いいたします。
運動の輪を広げてください。シールは,はがきや,手紙や包装の封印,何にでも使えます。
問合せ:資金課 TEL03-3292-9287(直)