H28年9月 第5回市議会定例会 提案説明(PDF形式:325KB)

平成28年第5回市議会定例会
提案理由説明
本日ここに、平成28年第5回越前市議会定例会が開会され、提案いたしま
した平成28年度9月補正予算案をはじめ、各種案件のご審議をいただくに当
たり、当面する市政の重要課題についてご説明を申し上げ、議員各位並びに市
民の皆様のご理解を賜りたいと存じます。
【リオデジャネイロオリンピック】
まず最初に、8月に開かれたリオデジャネイロオリンピックのフェンシン
グ・エペ種目に出場した、越前市出身の佐藤希望選手と見延和靖選手はともに
準々決勝に進出し、8位入賞と6位入賞に輝きました。
市民を代表し、心からお祝いを申し上げます。
2人の活躍を願い、越前市では6月26日に壮行会と激励会を開催し、壮行
会には約200人、激励会には約240人の市民が出席して、両選手に熱いエ
ールを送りました。
また、7月6日から19日までの学校給食に、オリンピック開催国のブラジ
ルの代表的な料理「フェジョアーダ」を出すとともに、ブラジルに精通した市
職員2人が児童に対し、フェンシングのルールとブラジルやリオデジャネイロ
の紹介、ポルトガル語での簡単な挨拶を説明するなど、気運の盛り上げに努め
ました。
佐藤希望選手が出場した8月6・7日は、式部ふれあい館で佐藤選手を応援
するパブリックビューイングを開催しました。
6日午後9時に始まった初戦は、メキシコのアレハンドラ・テラン選手に1
5対12で逆転勝ちし、佐藤選手はオリンピック初勝利を上げました。
午後10時15分からの2回戦では、世界ランキング3位のロシアのタチア
ナ・ログノワ選手を延長戦の末、15対14で撃破するとともに、翌7日午前
零時30分からの3回戦では、ロンドンオリンピック金メダリストのウクライ
ナのヤナ・シェミャキナ選手を11対8で破り、ベスト8入りしました。
しかし、午前1時45分からの準々決勝では、優勝したハンガリーのエーメ
セ・サス選手に残念ながら4対15で敗れました。
佐藤選手は、ロンドンオリンピック出場後に結婚・出産し、子育てをしなが
ら鍛錬を積み、2大会連続のオリンピック出場を果たし、オリンピックのエペ
種目で日本人初、個人種目で福井県出身者初の8位入賞に輝きました。
今後も女性活躍の先陣を切り、一層ご活躍されることをお祈りします。
また、見延和靖選手が出場した9・10日は、いまだて芸術館で見延選手を
1
応援するパブリックビューイングを開催しました。
9日午後11時15分に始まった2回戦では、イタリアのマルコ・フィケラ
選手を15対8で破り、見延選手は見事に初戦を突破しました。
翌10日午前 1 時に始まった3回戦では、ロシアのアントン・アブデーフ選
手に15対12で勝利し、ベスト8入りしました。
しかし、午前1時45分からの準々決勝では、世界ランキング1位の強豪・
フランスのゴチエ・グリュミエ選手に残念ながら8対15で敗れました。
見延選手は、ロンドンオリンピックへの出場を逃した悔しさをバネに、心身
ともに厳しい鍛錬を積み、昨年11月のワールドカップで金メダルを獲得する
など目覚ましい発展を遂げ、オリンピックの男子エペ種目で日本人初、個人種
目で福井県出身者最高となる6位入賞を果たしました。
4年後の東京オリンピックではメダルの獲得を目指し、一層ご活躍されるこ
とをお祈りします。
なお、オリンピックでの活躍を讃え、越前市は10月1日の「ふるさとの日」
に、佐藤希望選手と見延和靖選手に市民栄誉賞を授与することを決定しました。
【熊本地震】
次に、4月に発生した「平成28年熊本地震」で明らかとなった課題への対
応を検証するため、これまでに3回の熊本地震対応検証会議を開催し、課題を
短期・中期・長期に整理した上で、対応方針や進捗状況等について確認を行い
ました。
特に、短期的な取組みに関しては8月までに対応を急ぐこととし、緊急輸送
路・指定避難路等の優先順位の確認や応急危険度判定士の受入手順マニュアル
の整備など、災害対応の強化を図るとともに、ブルーシート等の物資の備蓄に
ついて、9月補正予算案に所要額を計上いたしました。
【新庁舎建設】
次に、新庁舎の建設については、本庁舎と今立総合支所の基本設計に関する
パブリック・コメントや市民説明会、市議会でのご意見と市の回答を整理し、
基本設計における変更事項などを7月25日の市議会・議員説明会で説明の上、
8月18日に本庁舎と今立総合支所の基本設計を策定しました。
引き続き12月に今立総合支所の、来年3月には本庁舎の実施設計を策定し
てまいります。
また、本庁舎建設に伴う埋蔵文化財の発掘調査については、8月2日に委託
業者を決定し、まちづくり・総合交通課と文化課が合同で8月30日から調査
2
に着手しました。
なお、本庁舎建設に伴う市民ホール・生涯学習センターの解体工事と埋蔵文化
財の発掘調査のため、8月16日から本庁舎駐車場の利用を制限し、市民の皆
様にご不便をおかけしていますが、高齢者や障がい者などに配慮した運用に努
めるとともに、安全を第一に工事等を進めてまいりますので、ご理解とご協力
をお願い申し上げます。
【北陸新幹線】
次に、北陸新幹線については、一部の地区を除いて設計協議を終え、用地測
量等を実施しました。
用地協議についても、8月から半数以上の町内で着手したところであり、引
き続き関係地係及び地権者のご理解とご協力を得ながら、県や沿線市町と連携
し、整備促進に取り組んでまいります。
また、秋頃には鉄道・運輸機構が駅舎設計の準備に入る予定のため、本市の
伝統産業品の採用などの提案に向けて、学識経験者等からアドバイスを受け、
提案内容の検討を行ってまいります。
北陸新幹線南越駅(仮称)の周辺整備については、駅周辺整備基本計画で定
めたコンセプトである「伝統・文化を未来につなぐ癒しと交流の空間」の実現
に向け、今月末に概略設計を作成してまいります。
【平成29年度重要要望】
次に、本市が抱える各種事業の早期実現を目指すため、市議会議長と地元選
出県議会議員の同席のもと、平成29年度に向けた国・県への重要要望書を7
月26日に西川知事に提出し、支援を強く要請したところです。
今回の重要要望は、重点事項が10項目、重要事項が21項目の計31項目
で、「都市計画道路河濯線の整備促進に対する支援について」「地方税制改正に
伴う法人事業税交付金の配分について」「マイナンバーカード交付促進につい
て」
「ひとり親家庭等に対する支援について」の4項目を新規要望として加えま
した。
引き続き国や県の理解と協力を求め、要望事項の実現に努めてまいります。
【人口減少への対応】
次に、人口減少への対応については、昨年11月に策定した市総合戦略に掲
げた5つの基本目標を着実に推進するため、全庁を挙げて人口減少対策・定住
化促進対策の取組みを進めています。
3
働く世代の居住促進のため、本年度当初予算に計上した市住宅取得緊急支援
事業補助金をはじめとする住宅関連施策については、4月から県内の不動産関
連業者や結婚式場、市内事業者などを対象に積極的なPR活動を実施した結果、
8月25日までの訪問事業者数は161社、住宅関連補助事業等の新規申請件
数は134件に上っています。
また、県外で働く女性への情報発信として実施している、日経BP主催の「W
OMAN EXPO」への出展については、5月の東京ミッドタウンに続き、7
月30日に大阪のハービスホールで開催された
「WOMAN EXPO OS
AKA 2016」に越前市のブースを設置するとともに、ステージイベントに
おいて本市のPRを行いました。
越前市のブースにおいては、本市への移住相談に加え、移住を検討する際の
本市に対する意識等に関してアンケートを実施しました。
関西圏は本市にとって、大学等への進学からそのまま就職し、女性流出度の
高い地域であることから、今回実施したアンケートを集計分析し、市総合戦略
の各施策に反映してまいります。
また、ステージイベントでは、本市にUターンしてからも首都圏や海外を相
手に仕事を続ける女性デザイナーと、本市の住み良さに惹かれて家族で九州か
ら移住した女性の2人をゲストにトークイベントを実施し、本市の魅力を積極
的にPRしたところです。
企業が地方創生を応援する制度として、本年度に創設された地方創生応援税
制、いわゆる企業版ふるさと納税については、本市出身の絵本作家・かこさと
し氏の監修による武生中央公園の市民の広場への大型遊具の整備や、文化セン
ターの壁面に描くかこ氏寄贈の絵画の壁画化などを対象事業とする、地域再生
計画が8月2日に採択されました。
かこ氏の監修による武生中央公園の再整備や、かこさとし ふるさと絵本館
「砳」での子育て支援に対し、本市にゆかりのある企業の協力を得ることで、
取組みがさらに拡大し、本市の魅力が一層発信されることを期待しています。
【経済・雇用情勢】
次に、経済・雇用情勢については、内閣府が8月15日に発表した4月から
6月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前
期比0.05%の増、年率換算で0.2%の増と、2四半期連続のプラス成長
となりました。
また、内閣府が8月24日に発表した8月の月例経済報告では、景気の基調
判断を6箇月連続で据え置き、
「このところ弱さも見られるが、緩やかな回復基
4
調が続いている」としましたが、消費者物価は「上昇テンポが鈍化している」
から「横ばいとなっている」に変更されました。
一方、雇用情勢については、8月30日に福井労働局が発表した7月の県内
有効求人倍率は1.82倍で、前月より0.04ポイント低下しましたが、前
年同月比では0.19ポイント上回っており、東京都に次いで全国2位の高水
準となっています。
また、武生公共職業安定所管内では1.33倍と、前月より
0.0
3ポイント上昇し、前年同月比でも0.08ポイント上回っています。
今後も関係機関と連携し、経済・雇用対策の推進に努めてまいります。
それでは順次、まちづくりの5本の柱に沿って、主な取組みをご説明いたし
ます。
【元気な産業づくり】
まず最初に、1つ目の柱である「元気な産業づくり」について申し上げます。
財務省が発表した4月から7月までの経済情勢報告では、福井県は「一部に
弱さが見られるものの、穏やかに回復している」とし、地方でも景気回復の兆
しが出てきたとの見方が示されています。
しかし、本市においては中小・小規模事業者が大多数を占めているため、不
透明な今後の景況感に加え、事業規模・業種によっては深刻な人手不足が見ら
れるなど、先行きに不安がうかがえます。
このような状況の中、8月8日に産学官連携ネットワーク有識者会議を開催
し、市産業活性化プランに基づく各種事業の進捗状況を報告して、同プランの
推進に向けた意見交換を行ったところであり、10月の次回会議では、来年度
の産業振興策などを協議してまいります。
また、6月29日に新事業チャレンジ支援事業の上期分の審査会を開催し、
研究開発部門で4件、販売促進部門で1件の認定を行うとともに、下期におい
ても絶え間なく支援を行うため、9月補正予算案に所要額を計上いたしました。
さらに、市総合戦略に掲げる具体的な取組みとして、女性の働く場・働き方
の創出を図るため、7月27日に「女性のための創業支援セミナー」をスター
トしました。
28人の受講申込みがあり、10月26日までに全6回のセミナーの開催や
チャレンジ出展、先進地視察などを行ってまいります。
なお、本年度から創業支援資金への利子補給、展示会等へのチャレンジ出展
の支援、スキルアップのための講座の受講支援など、各種支援制度の拡充を行
い、女性の創業支援をさらに積極的に実施しているところです。
5
2月に福井労働局と締結した雇用対策協定については、武生商工会議所とも
連携する中、学卒者の地元企業への就職と企業の人材確保を支援するため、7
月21日に武生商業高校の就職希望3年生を対象に、職場見学会を開催しまし
た。
生徒の職業意識の高揚と職業選択に向けての情報提供を図るとともに、企業
においては自社の強みを現場で生徒に伝える貴重な機会となりました。
12月中旬には、武生工業高校2年生を対象に職場見学会を開催してまいり
ます。
「越前モノづくりフェスタ2016」については、9月17日から19日ま
での3日間、「越前ブランド
世界へ発信
∼感動体験
モノづくりの夢発見
∼」をテーマに、サンドーム福井で開催します。
これまでに171社の企業・団体の出展申込みがあり、地域の伝統に支えら
れ育まれてきた「越前ブランド」を広く市内外に発信するため、実行委員会を
中心に準備を進めているところです。
伝統産業の振興については、市工芸の里構想に基づき、産地の振興や産業観
光による地域の活性化に取り組んでいます。
越前和紙では、現在、紙の文化博物館の展示更新業務として、展示グラフィ
ックや映像の編集を進めており、11月24日から27日までの4日間、サン
ドーム福井を中心に開催される第33回伝統的工芸品月間国民会議全国大会に
合わせ、同博物館の内覧会を計画しています。
来年度のリニューアルオープンに向け、引き続き作業を進めてまいります。
越前打刃物では、産地における交流機能の強化を図るため、昨年度から継続
的に産地と協議を行い、打刃物拠点施設の整備に向けた基本計画を6月に策定
しました。
この計画では、鎌やマグロ包丁などの伝統的な鍛造技術を継承し、後継者の
育成を図るため、研修の場としての工房や、打刃物の歴史や製造工程を紹介す
る展示室、試し切りの体験コーナーなどの設置を予定しています。
来年度に市工芸開放試験場を解体し、打刃物拠点施設の整備を行うため、9
月補正予算案に実施設計と地質調査に係る所要額を計上いたしました。
越前箪笥では、越前指物組合の若手職人による国宝「橘夫人厨子」の複製製
作が3箇年事業の2年目を迎え、現在は厨子の彫刻に取り組んでいるところで
す。
また、7月30日には越前指物組合が夏休み木工教室「木であそぼっ」をタ
ンス町通りで初めて開催し、10組余りの親子が各事業所のサポートを受け、
夏休み期間中に作品を完成させました。
6
タンス町通りの活性化に向けた効果的な取組みであり、今後も産地との連携
を深めながら、タンス町通りを越前箪笥(指物)の展示場と位置付け、歴史・
文化を生かしたまちづくりの支援を行ってまいります。
観光の振興については、第11回を迎えた市サマーフェスティバルが8月1
3日から15日までの3日間、盛大に開催されました。
13日の「ふるさと踊り」では、約1,300人の市民が華麗な踊りを披露
するとともに、当日は福井しあわせ元気国体の開催777日前であることから、
福井国体のカウントダウン・イベントも実施しました。
14日は蔵の辻周辺で「わっしょい越前」が開かれ、本市出身のシンガーソ
ングライター「せりかな」さんのライブやキッズダンス、ヨサコイ踊りなどで
盛り上がりました。
15日は日野川河川緑地で花火大会が開かれ、オープニングの手筒花火やミ
ュージック・スターマインなど、1万発の打上花火が夜空を彩り、多くの観客
を魅了しました。
なお、これまでサマーフェスティバルの一環として8月に開催していた「お
笑いつるつるイッパイ」と「商工会マルシェ」については、今月25日に「越
前げんきフェスタ」として、今立4地区の自治振興会が実施する「いまだて宵
まつり」と合同開催し、来場者の増加と地域の活性化に繋げてまいります。
第65回を迎えるたけふ菊人形については、「語り継ぐ 越前千五百年物語」
をコンセプトに、菊人形館のテーマを「菊花繚乱 偉人たちの歴史絵巻」とし、
10月6日から11月6日までの32日間開催します。
武生中央公園の再整備に合わせ、菊人形や菊花の展示、土産物販売所の位置
を変更するとともに、OSK日本歌劇団のレビューショーを文化センター大ホ
ールで開催します。
第65回を記念し、9月15日発行の市広報紙にOSKレビューショーの無
料観劇券を印刷して、市内各世帯に配布するとともに、中学生以下は菊人形の
入場料とOSKレビューショーの観劇料を無料にするなど、来場者の増加に努
めてまいります。
修復を進めてきた紫式部像については、創建当時の姿に戻す工事が完了し、
今月3日に完成除幕式を開催します。
秋の行楽シーズンを迎え、多くの方に金色に輝く紫式部像をご覧いただくこ
とを期待しています。
農業の振興については、地産地消や食育の推進を図るため、
「市まるごと食の
感謝祭」を11月19・20日の2日間、武生中央公園と文化センターで開催
します。
7
JA越前たけふとの共催により、秋の一大イベントとして開催するもので、
本市の農畜産物や加工品、特産品、三大グルメ、伝承料理のPRや、国体開催
に向けたおもてなし弁当の販売など、本市ならではの食をPRし、地産地消や
食育のさらなる推進を図ってまいります。
新規就農者については、本年度に入り4人が誕生し、早速支援を開始してい
ます。
このうち3人が45歳未満であり、農業の担い手として活躍が大いに期待さ
れます。
農地の保全については、国が農地の転用許可権限等を委譲する指定市町村と
して、横浜市や新潟市など全国20の市町とともに、本市は6月1日に農林水
産大臣の指定を受けました。
土地利用の実情を踏まえた速やかな農地転用等が可能となり、今後も優良農
地の確保と適正な農地法の運用に努めてまいります。
環境調和型農業については、本年度の特別栽培米の作付面積が田植え前の申
請段階で約612ヘクタールとなり、引き続き県全体の約4割を占める見込み
です。
今後もJA越前たけふ・JAたんなんと連携し、特別栽培米の作付面積の拡
大を推進してまいります。
鳥獣害対策については、県と協力して、7月2日に万葉菊花園で丹南地域鳥
獣害対策研修会を開催しました。
また、各地区での市政出前講座の開催や集落での点検活動を通じて、集落へ
の指導・助言を行っています。
4月から8月20日までの捕獲実績については、イノシシは193頭と昨年
の同時期に比べて210頭減少しており、カラスは179羽、シカはくくりわ
なにより20頭を捕獲しました。
引き続き防護と捕獲の2つを両輪に対策の強化を図り、農作物被害の減少に
努めてまいります。
【元気な人づくり】
次に、2つ目の柱である「元気な人づくり」について申し上げます。
子ども・子育て支援については、保育園等における保育の質の向上を目指し、
保育士の書類作成等の業務効率化のための保育業務支援システムの導入や、園
内での事故防止等のためのビデオカメラの設置に対する助成として、9月補正
予算案に所要額を計上いたしました。
非婚・晩婚化対策については、これまでの個別結婚相談等に加え、子どもの
8
結婚を望む親を対象とした、親同士の婚活情報交流会を7月6日に初めて開催
し、50人を超える参加者がありました。
引き続き10月にも交流会を予定しており、継続した結婚支援の取組みを進
めてまいります。
高齢者福祉については、介護保険制度の改正に伴い、住民主体の支え合いに
よる介護予防事業として、いきいきふれあいのつどいの拡充を推進しています。
そこで、つどいの実施回数や参加者のさらなる増加を目指し、本年度より交
付金による助成を行った結果、予想を上回る取組みの広がりが見られることか
ら、9月補正予算案に所要額を計上いたしました。
今後も住民主体の助け合い・支え合いによる介護予防を進める中で、高齢者
が住み慣れた地域で、自立した暮らしが継続できる地域づくりを推進してまい
ります。
国民健康保険については、本年度から保険税率を改定し、7月中旬に納税通
知書を送付しました。
被保険者の高齢化や医療の高度化により、医療費の増加が見込まれ、今後も
厳しい財政状況が続くことから、引き続き収納率の向上や健康づくりの取組み
を強化し、財政の健全化に努めてまいります。
健康づくりの推進については、昨年11月に策定した市総合戦略の施策の一
環として、市内企業経営者の寄附を受け、本市に生まれる赤ちゃんに越前市オ
リジナルの誕生記念カード「わたしたちの赤ちゃんへ、ちひろのおくりもの」
を贈るため、9月補正予算案に所要額を計上いたしました。
カードには越前和紙を用い、本市出身のいわさきちひろ氏の温かみのある絵
に、越前市ふるさと大使の俵万智さんのメッセージを添え、子どもたちに対す
る親の愛情が将来にわたって子どもたちの手元に残るカードとしてまいります。
感染症対策については、10月からB型肝炎予防ワクチン接種を開始します。
4月以降に出生し、1歳の誕生日を迎えるまでの子どもが対象で、3回の接
種が必要であるため、接種時期をかかりつけ医と相談するよう取組みを進めて
まいります。
教育行政については、本年度から支援が必要な家庭に学用品費などを支給す
る就学援助費の認定基準を、生活保護基準の1.0倍未満から1.3倍未満に
緩和し、教育費負担の軽減を図ったところです。
生涯学習の推進については、かこさとし ふるさと絵本館「砳」において、夏
休み期間中に絵本『大地のめぐみ 土の力 大作戦』の原画の複製を展示し、
「大
地のめぐみを再発見しよう」という学習テーマで、工作教室など子ども向けイ
ベントを行いました。
9
うすずみ会館については、市指定管理者評価委員会より6月27日に、利用
者が地域住民にほぼ限られている地域密着型施設であり、指定管理者制度の導
入メリットが発揮されにくい施設であるため、地元移管をはじめ利用目的を変
えるなど、幅広い視点から施設のあり方を検討するよう意見が提出されました。
これを受け、市では来年度以降の施設のあり方について、幅広く検討を行っ
てまいります。
文化の振興については、第27回を迎える「武生国際音楽祭2016」が今
月4日から11日まで開催されます。
国内外の一流の音楽家が出演する、国際色豊かで独創的な音楽祭であり、本
年も多くの方に来場いただくことを期待しています。
昨年11月末に廃止した文化センター中ホールについては、解体作業が今月
末には終了する予定です。
跡地利用については、武生中央公園や中央図書館、文化センターの利用者の
利便性向上を図るため、飲食店等の民間企業の出店可能性調査を実施しており、
その結果を踏まえ、本年中に整備方針を決定してまいります。
武生公会堂記念館については、たけふ菊人形第65回記念企画展として、7
月22日から9月4日まで「菊人形の軌跡」を開催し、市内外から多くの方に
来館いただいています。
この企画展で紹介したパネルや人形などは、菊人形会場で引き続き展示を行
い、来場者に65回の菊人形の歴史をご覧いただく予定です。
また、9月30日からは同記念館で、開創650年記念特別展として「正覚
寺展」を開催します。
正覚寺は、南北朝時代に越前守護・斯波高経によって築かれた新善光寺城内
に、良如が1366年に創建した浄土宗の寺院で、越前の浄土宗最初の寺院と
伝えられ、今回の特別展ではその歴史と数々の寺宝を紹介するほか、関連イベ
ントとして記念講座などを開催します。
読書活動の推進については、中央図書館が8月1日に開館10周年を迎え、
様々な記念事業を実施しているところです。
今月は、本市出身の絵本画家・いわさきちひろ氏にスポットを当て、ちひろ
美術館の協力を得て、記念講演会やちひろの水彩技法体験ワークショップ、ド
キュメンタリー映画の上映会を3週連続で開催します。
10月には、図書館が制作した市文学マップをお披露目し、それを基に文学
散歩を行います。
10周年記念事業の開催を、市民が本市の豊かな歴史・文化に触れ、読書に
一層親しむ契機としてまいります。
10
11月3日に開催する菊花マラソンについては、第35回の記念大会となる
ため、例年実施している2kmからハーフまでの5種目、計27部門に加え、
高低差で約160m、距離にして約7.4kmの村国山コースを新設し、9月
23日まで申込みの募集を行っています。
市民参加型の本市最大のスポーツ大会として、引き続き安全・安心で快適な
マラソン大会を目指してまいります。
【快適で住みよいまちづくり】
次に、3つ目の柱である「快適で住みよいまちづくり」について申し上げま
す。
中心市街地の活性化については、市中心市街地活性化基本計画策定委員会か
ら8月9日に第3期計画の原案を報告いただくとともに、
31日に市中心市
街地活性化協議会から同案は妥当であるとの意見をいただきました。
今議会でご議論をいただいた上で、今月末に第3期計画を策定し、11月の
国の認定を目指してまいります。
なお、コンパクトなまちづくりを推進するため、平成19年7月に施行した
丹南都市計画市大規模集客施設制限地区建築条例については、風俗営業等の規
制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の附則による、建築
基準法の一部改正に合わせ、今議会に所要の改正案を上程いたしました。
武生中央公園については、本市出身の絵本作家・かこさとし氏の監修により、
市民の広場などの整備を行っており、第65回たけふ菊人形の開幕に向け、今
月22日に正面エントランスの供用を開始します。
引き続きかこ氏の作品のモチーフを大型複合遊具や植栽、せせらぎ等に演出
し、子育てに関わる豊かな文化を親子がともに体験し学ぶ場として、来年夏ま
でに市民の広場の整備を行ってまいります。
都市計画道路河濯線の整備については、福井しあわせ元気国体までに整備を
完了させるため、地域再生計画の内閣総理大臣の認定を受け、新たに創設され
た地方創生道整備推進交付金を活用し、整備の促進を図ってまいります。
下水道事業については、経営の現状を的確に把握し、中長期的な視野に基づ
き、健全で計画的な経営に取り組んでいくため、市下水道経営戦略の策定に向
け、第1回下水道推進対策協議会を8月2日に開催しました。
今後さらに議論を深め、パブリック・コメントを実施した上で、本年度末の
策定を目指してまいります。
合併処理浄化槽の適正な設置及び維持管理を目的とする市浄化槽維持管理協
会については、組織の社会的信用のさらなる向上を目指し、10月の法人化に
11
向けて事務手続きを進めており、未来の子どもたちに豊かな水環境を残すため、
合併処理浄化槽の一層の普及促進に努めてまいります。
家久浄化センターの消化ガス売却事業については、プロポーザル方式で7月
に事業者を決定しました。
来年10月の売ガス事業開始を目標に、申請手続き及び建設工事などを進め、
下水道事業の経営基盤の強化に努めるとともに、再生可能エネルギーとして供
給することで、地球温暖化防止と循環型社会形成の推進を図ってまいります。
コウノトリが舞う里づくりについては、5月に誕生した2羽のコウノトリを
県が、今月下旬にも放鳥する見込みです。
また、3月25日に白山地区に飛来したオスのコウノトリ「みほとくん」が、
平成22年に飛来した「えっちゃん」の滞在日数を超え、本市に161日間滞
在しています。
4月30日に飛来したメスのコウノトリ「ゆきちゃん」も125日間の滞在
を続けており、来年春には自然繁殖として、県内で51年振りとなる産卵に大
きな期待を寄せています。
10月16日には坂口地区のエコビレッジ交流センターで「2016コウノ
トリが舞う里づくり大作戦」を開催するなど、市では引き続きコウノトリの野
外定着に向けた環境整備を推進してまいります。
ごみの減量化やリサイクルの推進については、食品ロスを削減する「おいし
いえちぜん食べきり運動」と、古紙類資源化のための「雑がみ救出作戦」を市
民に広く周知し、ごみの減量化に努めています。
2月と3月を除く毎月第1日曜日に開催している金属類や電気製品の拠点回
収については、多くの市民に利用いただいており、レアメタルなどを適正にリ
サイクルしています。
今後もごみの減量化と適正なリサイクルを推進し、循環型社会の構築と生活
環境の保全に努めてまいります。
【安全で安心なまちづくり】
次に、4つ目の柱である「安全で安心なまちづくり」について申し上げます。
地域防災については、市政出前講座に加え、地区公民館等で開催している合
宿通学や防災ピクニック等で、市防災士の会が中心となって防災講話や避難所
体験などを行い、幅広い世代に対する防災意識の普及啓発活動を、本年度はこ
れまでに15回実施しています。
防災士の養成については、県が11月に行う地域防災リーダー養成事業を活
用し、研修講座の受講を引き続き支援するなど、地域における防災活動の指導
12
的役割を担う組織として、市防災士の会のさらなる充実強化を図ってまいりま
す。
原子力防災訓練については、内閣府・関西広域連合及び県の要請を受け、8
月27・28日に避難者受入れ訓練を実施しました。
27日は今立体育センターを、28日は武生商業高校を避難所として開設し、
小浜市からの避難者を267人受け入れるとともに、避難者受入マニュアルに
基づく受入手順の確認や、食料・飲料水等の提供、県災害対策本部との情報伝
達訓練などを行いました。
危機管理体制の充実については、8月23日に西日本電信電話株式会社との
間で、広域避難場所において無料で、停電時にも使用することができる特設公
衆電話の設置に関して、
「災害時における特設公衆電話の設置及び利用に関する
協定」を県内の自治体で初めて締結しました。
今後は西日本電信電話株式会社が必要な工事を実施する予定であり、これに
より民間事業者との協力協定の締結数は
38となりました。
東日本大震災の被災地支援については、宮城県塩竈市からの要望を受け、8
月10日に塩竈市藤倉保育所の演奏用和太鼓6台の革の張替えを行いました。
今後も引き続き、被災地の早期復興を積極的に支援してまいります。
防犯対策については、越前警察署や市防犯隊と連携し、市内各所での警戒パ
トロールや地域での子ども見守り活動などに取り組んでいるところであり、7
月25日から8月15日に白山スイカパトロールを行ったほか、振り込め詐欺
など特殊詐欺に対する被害防止広報活動を継続して実施しています。
交通安全対策については、7月に改定した第10次市交通安全計画に基づき、
交通事故死者数ゼロに向け、越前警察署をはじめ市交通指導員会などと連携し、
交通安全の啓発活動や街頭指導などを実施しています。
【市民が主役のまちづくり】
次に、5つ目の柱である「市民が主役のまちづくり」について申し上げます。
学生によるまちづくり活動を支援する地域貢献活動支援補助事業については、
6月26日に公開審査会を行い、大学生や高校生から応募のあった10事業を
採択しました。
また、8月7日には市民活動が元気になること、協働の風土づくりに資する
ことを目的に、仁愛大学・武生工業高校・武生商業高校の学生・生徒をはじめ、
市民団体や地区自治振興会など多彩なメンバーが集い、互いの実践を語り合う
「しゃべろっさ」を開催しました。
今後も地域の活性化や課題解決を図る、学生や市民の活動を積極的に支援し
13
てまいります。
【地方分権に対応した行財政運営】
次に、「地方分権に対応した行財政運営」について申し上げます。
ふるさと納税については、本市も昨年12月に返礼品を充実し、ふるさと納
税サイトでの寄附受付やクレジットカード決済を取り入れた結果、平成27年
度のふるさと納税額は26年度と比べて142%の伸びとなりました。
本年度に入っても、ふるさと納税制度の活用が全国でさらに進み、寄附者の
関心が高まっているため、本市のふるさと納税額は昨年度の同時期と比べ、2
倍以上のペースとなっています。
しかし、ふるさと納税の取組みは、本市のみならず全国の自治体で強化され
ていることから、本市においてもさらに取組みを強化することとし、返礼品に
は全国的に人気の高い米や肉など農産物を新たに加えるとともに、本市が誇る
伝統的工芸品のラインアップを増やすなど、本市の魅力を十分に取り入れた内
容にリニューアルしてまいります。
また、返礼品を応用した頒布会を実施するとともに、市民からの返礼品の提
案制度を新たに導入するなど、市内外から本市を応援いただく仕組みを取り入
れてまいります。
さらに、特定の事業を対象とした本市へのふるさと納税の募集を、目標金額
と募集期間を設定するクラウドファンディングの形式で実施してまいります。
クラウドファンディングの対象事業は、文化センターの壁面に描くかこさと
し氏寄贈の絵画の壁画化とし、かこさとし氏の監修による武生中央公園の再整
備を全国にアピールするとともに、中心市街地の活性化や定住化の促進などに
繋げてまいります。
ふるさと納税制度のさらなる利用促進により、本市を応援いただく方を増や
し、併せて本市の魅力を発信して、市内産業の振興等を図るため、9月補正予
算案に所要額を計上いたしました。
【結びに】
以上、当面する市政の重要課題への対応について、その取組みの一端を述べ
させていただきました。
今後も「元気な自立都市
越前」の創造を目指して、市民との協働によるま
ちづくりを、職員と一丸となって推進してまいる決意でございます。
何とぞ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
14