「Virtual World」としての オンラインゲーム

AOGC2007プレイベント
「Virtual World」としての
オンラインゲーム
2007年1月
駒澤大学
グローバル・メディア・スタディーズ学部
山口 浩
本日のイベント
AOGC2007 プレイベント
– AOGC2007のテーマは「コミュニティ」
– 今なぜオンラインゲームに注目すべきか
– 今オンラインゲームのどこに注目すべきか
オンラインゲーム
現実世界
契約
ゲーム世界
接続
ゲーム会社
サーバ
コンピュータ
内仮想空間
に作られた
世界
接続
契約
交流
オンラインゲーム市場
急成長
– 106社、314タイトル
– 会員数2807万人(対前年比40%増)
• 約15%が課金会員
– 総売り上げ820億円(対前年比42%増)
• パッケージ3割、運営7割
– パソコン、ゲーム機(他に携帯電話も)
オンラインゲームフォーラム調べ(2006年)
オンラインゲーム市場
急成長
– 106社、314タイトル
– 会員数2807万人(対前年比40%増)
ブログ、SNS
• 約15%が課金会員
の次はオンラ
– 総売り上げ820億円(対前年比42%増)
• パッケージ3割、運営7割
インゲーム!?
– パソコン、ゲーム機(他に携帯電話も)
オンラインゲームフォーラム調べ(2006年)
オンラインゲームのジャンル
利用経験率
テーブル&カードゲーム
41.6%
36.4%
33.6%
ロールプレイングゲーム
パズルゲーム
パチンコ&スロット
スポーツゲーム
育成シミュレーションゲーム
コミュニケーションゲーム
アクションゲーム
シューティングゲーム
レーシングゲーム
音楽ゲーム
その他
0.0%
13.2%
11.7%
9.3%
7.7%
7.7%
6.2%
3.3%
2.6%
1.6%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
gooリサーチ調べ(2006年)
セカンドライフ
http://secondlife.com/
Linden Lab社
–
–
–
–
–
–
2002年スタート
現在アカウント数320万、有料会員約5万人
ゲーム自体は無料
収益源は土地の販売と維持費、有料会員の会費
競争や戦闘を目的としない
ユーザの創造したアイテムの「所有権」をユーザに帰
属
– ゲーム内の「企業家」も少なくない
では、「セカンドライフ」の世界へ
http://slurl.com/secondlife/Digital%20Hollywood/60/184/22
AOGC2007プレイベント
「Virtual World」としての
オンラインゲーム
2007年2月2日
於デジハリランド
駒澤大学
シリアスゲーム・ジャパン
グローバル・メディア・
ペンシルバニア州立大学
スタディーズ学部
大学院博士課程
山口 浩
藤本 徹
Hiroshi Yamaguchi
Toru Fujimoto
(Sorry, it’s all in Japanese.)
本日のイベント
AOGC2007 プレイベント
– AOGC2007のテーマは「コミュニティ」
– 今なぜオンラインゲームに注目すべきか
– 今オンラインゲームのどこに注目すべきか
ゲームは現実世界の「まね」
現実を抽象化、簡略化、儀式化、誇張
– なんらかのかたちで現実世界に似せた特徴
– ある意味で「仮想」の「世界」
「仮想世界」としてのオンラインゲーム
オンラインゲームは「仮想世界」
– 人物
– アイテム、周辺環境
– 社会・経済制度
– 交流
現実世界
仮想世界
「仮想」とは
国語辞典では
英語の「virtual」
– (1)仮に想定する
こと。
– (2)文法で、実際
はそうでないこと
を前提として推
量することを表す
言い方。
– Being actually such in
almost every respect
– Computer Science
Created, simulated, or
carried on by means
of a computer or
computer network
「実際には存在しない」
というニュアンス
「事実上存在するのと同じ」
「ネットワークの中の」
オンラインゲーム内の活動
経済活動
戦闘・競争
– 対モンスター
– 対プレーヤー
– 生産・加工
– 売買・サービス
コミュニケーション
– チャット
– グループ
オンラインゲーム内の活動
経済活動
戦闘・競争
– 生産・加工
– 対モンスター
– 売買・サービス
– 対プレーヤー
いずれもカギは
「コミュニティ」
コミュニケーション
交流は
「現実」
– チャット
– グループ
現実上の
意義
「娯楽」を超えて
ゲームが「ゲーム以上」の存在に
– 人々の行動にインセンティブを与える機能
– 人々の間のコミュニケーションを媒介する機能
「シリアスゲーム」
という新しい考え方
シリアスゲームの観点から見た
オンラインゲーム
シリアスゲームの定義
「教育をはじめとする社会の諸領域の
問題解決のために利用されるデジタル
ゲーム」
ヘルスケア
教育・学習
公共
企業
コミュニケーション
軍事
科学振興
政治
社会変革
学校
シリアスゲームの基本的スタンス
1. エンターテインメント以外の用途にデジタル
ゲームが利用可能で、社会的な問題解決に
有効である
2. 教育だけでなく、教育以外の用途にもゲー
ムが利用できる
3. ゲームソフトウェアの開発だけでなく、その
利用方法の開発も同様に重要である
特定用途のための
ゲーム開発
既存ゲームの
特定用途での利用
シリアスゲームが起こしたコミュニティの変化
ヘルスケア
公共政策
シリアスゲーム
シリアスゲーム
学校
ユーザー
開発者
企業
スポンサー
研究者
教育者
軍事
社会変革
•一つのコンセプトでコミュニティを結集
•ノウハウ共有や人的交流を促進
…etc
マルチプレイヤーオンラインゲーム
(MMO)研究のタイプ
1. プレイヤーのプレイ経験、プレイヤー間の相互
交流など、ゲーム世界内でプレイヤーがどんな
活動をしているかを把握するための研究
(Griffithsほか、Yeeなど)
2. 上記1.のなかで特に、学習的な要素に焦点を
置いた研究(Steinkuehler、Fujimotoなど)
3. MMOを教育目的で利用した研究(Delwiche、
Wiなど)
MMOにおけるプレイヤーを取り巻く環境
ゲームデザイナー
デザイン・メンテナンス
ゴール・タスク
ゲームシステム
付加価値
参加機会提供
動機付け
ギルド
ゲーム内イベント
運営
企画・運営
メンタリング
上級者
情報提供
リソース
集団での支援
初心者
学習
ゲームWebサイト
(藤本, 2005)
オンライン学習コミュニティの性質の違い
学校的なコミュニティ
学習環境
単線的、学習者は同じ
プロセスをたどる
MMOGのコミュニティ
非単線的、学習者が興味
やレベルに合わせて選択
学習環境デザイ 提供者側がコントロー
ン
ル、学習者側は受動的
学習者が提供者へ改善提
案する仕組み
学習スタイル
提供者側が用意した教
材を指示に従って利用
共同作業、アート制作やイ
ベントなど、プレイヤーの自
由度高い
インストラクター
提供者=教える側
参加者=学ぶ側
その知識に長けたプレイヤ
ー(参加者間の相互学習)
コミュニティ運営、 インストラクターやTAな プレイヤーコミュニティの先
ファシリテーショ ど主に提供者側
輩や上級者(提供者側は
ン
お膳立てのみ)
(藤本, 2005)
シリアスゲームとしてのMMO利用の今後
プラットフォーム的MMOにおける教育利用
のための用途開発
(e.g.セカンドライフ・エデュケーション)
特定の教育目的のためのMMO開発
(e.g. インディアナ大学のクエスト・アトランティス、
スタンフォード大学の救急訓練MMO)
シリアスゲーム関連書
「シリアスゲーム −教育・社会に役立つデジタル
ゲーム」 藤本徹 著、東京電機大学出版局
(2007年2月20日刊行)
「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」
マーク・プレンスキー 著、藤本徹 訳、東京電機大
学出版局 (2007年春刊行予定)
「デジタルゲームベースド・ラーニング」
マーク・プレンスキー 著、藤本徹 訳、東京電機大
学出版局 (2007年夏刊行予定)
「メディア」としてのゲーム
販促のためのゲーム
– ウェブコンテンツとして、コラボとして
ゲーム内広告
– 各社が相次いで参入
– EA、マイクロソフト、グーグル、・・・
「Eyeball」をめぐるメディア間競争
– 若年層男性への訴求力
– 「ながら見」のないメディア
「もうひとつの世界」としてのゲーム
そこで働き、交流し、自己実現する場所
– 物理的、社会的状況から切り離された場所
– 「自分の居場所」
「セカンドライフ」の特徴
自由度の高さ
– アバター、アイテム、職業、目的、活動
– 創造性を生かすしくみ
– 「プラットフォーム」
– 多様性
– 可能性
コミュニティの質の高さ
– 「対話」だけがコミュニケーションではない
– 「戦闘」だけが自己実現ではない
さまざまな仮想世界
コミュニテ
ィサイト
チャット
コミュニティ
予測市場
SNS
それぞれ固有のメンバー、
領域、価値基準、価値交換
システム
ネット掲示
板サイト
ブログ
コミュニティ
オンライン
ゲーム
ネットショッ
ピングサイト
「意味のある」仮想経済
現実世界
仮想世界
人物、領域、
アイテム、通貨
オンラインでの
活動の範囲が
拡大
中間領域
の拡大
交流
取引
実感
現実の価値の
流れを伴うよう
に
これからのオンラインゲーム
娯楽として
メディアとして
「世界」として
http:// www.CNET.co.uk
http:// www.wired.com/
技術の進歩
社会の変化
ビジネスモデル
の発達
http:// www.joystiq.com/
これからのオンラインゲーム
技術の進歩
娯楽として
社会の変化
メディアとして
そこで人々が
ビジネスモデル
「世界」として
どんな活動をしているか
の発達
http:// www.CNET.co.uk
http:// www.wired.com/
http:// www.joystiq.com/
この続きはAOGC2007で・・・
山口 浩
駒澤大学グローバル・メディア・
スタディーズ学部
[email protected]
http://www.h-yamaguchi.net/
http://laboratory.h-yamaguchi.net/
藤本 徹
シリアスゲーム・ジャパン
ペンシルバニア州立大学
大学院博士課程
[email protected]
http://anotherway.jp/