知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
さくら
しらさぎ
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 846 号 2012.6.24 発行
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医療機関の障害対応紹介 井笠地域自立支援協が冊子
山陽新聞 2012 年 6 月 22 日
医療機関の障害者対応状況をまとめた冊子
井笠地域3市2町の自治体や福祉団体などでつくる井
笠地域障害者自立支援協議会は、管内医療機関の障害者
への対応状況をまとめた冊子「障がいがある人のための
医療機関情報」を作った。
A4判40ページ。管内143の医療機関の住所や電
話番号、診察時間など基本情報を掲載。障害者用の駐車
場やトイレの設置、スロープの有無、手話・筆談での受
診、車いすのまま診察が受けられるか、など11項目に
ついて対応可能な場合は情報を加えている。
同協議会は「当事者や保護者は『病状を分かってもらえるか』
『診察中にパニックを起こ
すのではないか』など多くの不安を抱えており、軽い病気でも通い慣れた遠くの病院に行
くケースがある」と説明。
「冊子を利用して少しでも安心して近隣の医療機関を受診しても
らえれば」と話している。
3千部作製。無料。問い合わせは同協議会(0865-63-7295)
。
生活介護施設:神戸市東部、新規受け入れ困難
渡り状態」 /兵庫
「新設するか、拡張を」
自助努力も「綱
毎日新聞 2012 年 06 月 21 日
神戸市東灘区、灘区、中央区の東部地域で、重度の知的・身体障害を持つ人たちが通う
生活介護施設の半数以上が定員に達し、新たな受け入れが難しい状態が続いている。土地
や賃料が安価な北区や西区の郊外に施設が偏っていることが一因だが、施設を指導する立
場の神戸市に有効な手立てはなく、施設側の自助努力に任されている。【内橋寿明】
神戸市によると、障害者自立支援法が定める障害程度区分3以上の重度障害者を対象に、
生活介護サービスを提供する通所施設は、市内9区に58施設ある(11年4月現在)。北
区が17施設と最も多く、東部地域の3区は計10施設にとどまる。
この10施設に毎日新聞が問い合わせたところ、6施設で定員に達しており、うち4施
設はすでに定員を超えていた。定員に達していない4施設も若干名しか受け入れる余地は
ない。1人あたりのスペースが狭くなると、利用者が精神的に追い詰められたり、利用者
同士のトラブルにつながる恐れがあるという。
東部地域で来春からの通所希望者として市が把握しているのは、青陽東養護学校(灘区)
の3年生12人。他の養護学校の生徒や、在宅で介護を受けている人が新たに希望すれば、
さらに数人増える可能性があり、現時点で通所先のめどは立っていない。
市は06年の自立支援法施行当初から、東部地域の通所施設が少ないことを認識。施設
を作る意向がある事業者には、この地域での開設を勧めるなどしてきたが、現時点で新設
の予定はない。既存施設の拡充には補助金が下りず、拡充をためらうという事情もある。
市自立支援課は「施設に登録している人全員が毎日来るわけではないので、各施設あと
1人ずつは受け入れ可能」としている。同課の境田多美枝課長が今月下旬、青陽東養護学
校の保護者らと面会し、現状を説明する。
ある施設の代表者は「施設を新設するか、拡張するかして受け入れ枠を拡大しない限り、
根本的な解決にならない。希望者全員を受け入れられるか、毎年が綱渡り状態」と訴えて
いる。
◇「運営ぎりぎり、政策で支援して」
神戸市灘区の生活介護施設「飛行船」
。宗保栄さん(62)が06年春、重度の知的・身
体障害を持つ長男(24)の養護学校卒業を機に、長男の同級生の保護者らとともに設立
した。6人が通う作業所としてスタートし、現在は利用者11人に対し、職員9人が常駐
する施設となっている。
定員まで若干の余裕はあるが、東部地域での受け入れが難しい現状を知り、施設の拡充
を検討中。現在賃借している部屋とは別に、新たに1部屋を借りる予定で、5、6人の受
け入れが可能になる。
部屋の敷金、家具や家電などの初期費用は250万円に上ると見積もっているが、既存
施設の拡充に補助金は下りず、約100万円の自腹を切るつもりだ。通所者が増えたから
といって、それに見合う額の補助金が受けられるとは限らず、月収19万円(税込み)の
宗保さんにとっては苦しい選択となる。
「障害者の保護者は精神的に追い詰められている人もおり、預ける場所を何とか確保し
たい」と宗保さん。
「各施設ともぎりぎりの運営。政策で支援してほしい」と訴える。【内
橋寿明】
◇各区の生活介護施設(通所型)
北区 17
西区 11
須磨区 6
長田区 5
兵庫区 5
灘区
5
垂水区 4
東灘区 3
中央区 2
(11年4月現在)
大阪市政改革:削減幅70億円圧縮へ
毎日新聞 2012 年 06 月 22 日
大阪市の橋下徹市長が、市民サービスを大幅にカットする市政改革プラン(素案)につ
いて、議会の反発が強い事業を中心に見直し、削減幅を70億円以上圧縮する方向で検討
していることが分かった。3分の1に減らす案を示していたスポーツセンターは大半を存
続させ、市音楽団への補助金廃止も1年延期することを決めた。今月末に改革プランの成
案としてまとめ、7月の臨時議会に提案する。
◇スポーツセンターは大半を存続
市民生活に直結する106事業を廃止・縮小する改革プランを巡っては、市民から約2
万6700件の反対意見が寄せられ、議会も「住民への負担が大きすぎる」と反発。橋下
市長と議会側が調整を進めていた。
新たな見直し案では、高齢者が無料で市営地下鉄などを利用できる敬老パスについて、
乗車ごとに50円の運賃負担などを求める案を決定。24カ所から9カ所に削減する方針
だったスポーツセンターは大半を存続させる。低所得世帯の国民健康保険料を3割減免す
る制度は「廃止」を撤回し、減免を維持する。
また、市音楽団の補助金(年間5200万円)の廃止は1年延期。大阪フィルハーモニ
ー交響楽団への補助金も当初の25%削減から10%削減に抑え、自立化に向けた準備期
間を設ける。
一方、新婚世帯向けの家賃補助は今年度から新規募集を停止しているが、代替措置とし
て住宅ローンの利子補給制度を検討。障害者などに上下水道基本料金を減免する制度も、
「廃止」を打ち出したが、障害者などへの支援策を新設する方針。
改革プランのたたき台となる「試案」では、今年度から3年間で548億円を削減する
計画だったが、5月に公表した素案では488億円に圧縮。今回の見直しで、削減額はさ
らに70億円以上縮小する見通し。
【津久井達】
大阪市公募区長に元週刊誌フリーライター
スポーツ報知 2012 年 6 月 22 日
大阪市は21日、公募していた市内24区長の合格者を発表した。元週刊誌のフリーラ
イターで現在、徳島大学病院の病院長特別補佐・臣永(とみなが)正広氏(58)が選ば
れたほか、最年少27歳の元NHK記者など外部から18人を抜てき。橋下徹市長(42)
が掲げる「大阪都」構想の実現に向け、個性派ぞろいの“橋下流”人選となった。海外に
住む2人を除き8月1日に新区長に就任する。
24人のなかでも異色なのは、西成区長に選ばれた臣永氏だ。週刊誌のフリーライター
として刑務所、暴力団員、風俗嬢などを取材。1999年からは阿南市に編入される20
06年まで徳島県那賀川町の町長を務めた。臣永氏は本紙の電話取材に「合格通知をいた
だき、さあこれからが本番だな、と感じている。西成を支えることで大阪が変わる」と意
気込んだ。
橋下流人選の象徴的な存在だ。町長時代の06年には、同町議が置き忘れた携帯電話の
個人情報を見たとして損害賠償訴訟に発展し「民事で判決が出て、罰金を払いました」。高
松高裁の判決に従い、5万5000円の賠償金を支払った。
常識的にはアウトの経歴だが、橋下市長はあえて抜てき。この日の会見では「課題の多
い区で、斬新なアイデアが必要。町長、ジャーナリストとして現場を見てきた経験を生か
してほしい」とエールを送った。臣永氏は、市町村合併によって町長の職を失った経験か
ら「当時の市町村合併は地方分権ではなく、地方切り捨て。その反省を生かして西成区で
腕試しをしたい」と誓った。
いのちの電話つながらず 無料相談、通話4%
大阪日日新聞 2012 年 6 月 22 日
自殺を防ぐため民間団体がボランティアで実施している「いのちの電話」が極めてつな
がりにくく、無料相談の日に通話できたのは全件数の4%にとどまったことが22日、総
務省の調査で分かった。資金不足で相談員や回線を確保できないのが原因。同省は「自殺
防止で重要な役割を果たしており、支援が必要」として内閣府や厚生労働省に改善を勧告
した。
総務省によると、一般社団法人「日本いのちの電話連盟」は全国52カ所で自殺防止の
電話相談を実施。2010年の場合、毎月10日のフリーダイヤル相談に延べ85万6千
件の電話がかかってきたが、つながったのは約3万5千件にとどまった。
被災地支援:演奏と義援金一緒に 福岡の知的障害者バンド
毎日新聞 2012 年 06 月 24 日
被災地に音楽と義援金を届けようと、福岡市内で支援ツアー直前のラ
イブを開いたピュアハートのメンバー=2012年6月23日午前
11時36分、青木絵美撮影
福岡県筑紫野市を拠点に活動する知的障害のある若者7
人の音楽バンド「ピュアハート」が25日、東日本大震災
に伴う津波で建物を失った岩手・宮城の知的障害者施設など5カ所を訪ねる支援コンサー
トツアーに出発する。これまで福岡・熊本県内のライブで義援金を募り、23日もツアー
直前ライブを福岡市内で開催。義援金は計112万円になった。演奏と一緒に被災地に届
けようと張り切っている。
障害者のための音楽サークル「音楽ランド」を主宰する音楽講師、国友美枝子さん(5
4)=筑紫野市=のもとで04年に結成された。メンバーは13〜23歳で、それぞれシ
ンセサイザーやマリンバ、ドラムなどを担当。楽譜は読めなくても体で覚え、ポップスや
童謡など20曲以上のレパートリーを携え、毎年50回前後のコンサートをこなしている。
ダウン症の子供がいる国友さんらは、障害のある被災者の不自由な暮らしを気にかけ、
ライブで義援金を呼びかけてきた。観客から「音楽も届けたら」と言われ、被災地ツアー
を考えた。ツアーは、岩手県宮古市と宮城県石巻市にある三つの知的障害者施設などを巡
る。3施設とも津波で建物を失い、仮の建物で運営しており、国友さんらは「音楽で元気
にしたい。義援金は施設の建設や活動の資金に」と話す。
メンバーの藤本楓さん(20)は3歳の時、神戸市で阪神大震災を経験。その後に引っ
越した福岡でも西方沖地震に遭い、泣いた記憶があるという。ツアーを前に「上手にやれ
そう」と藤本さん。母栄子さん(46)は「娘たちは障害があり、地震や被害の理解が浅
い面はある。ただ、自分たちが演奏を楽しむ姿を見せることで、周りを笑顔にしたいと思
っている。その気持ちが届けば」と期待している。
【青木絵美】
着る側からもっと声を ヴォーグの反“痩せ過ぎ”モデル宣言の波紋
上間常正
朝日新聞 2012 年 6 月 21 日
ヴォーグ誌(7月号)が打ち出した、いわば“痩せ過ぎモデル”を誌面では今後起用し
ないという「美と健康」宣言が大きな反響を呼んでいる。新聞やテレビなどでもとり上げ
られ、おおむねは好意的に受け取られているようだ。しかし、この問題は今後ももう少し
注意深く配慮を重ねてより広げていく必要があると思う。
宣言の内容は、摂食障害のように見えたり16歳未満であることがわかっていたりする
モデルを起用せず、美しい体のイメージをより健康的なものにしたいとのこと。そのため
には、モデルへの指導教育プログラムを構築したり、細過ぎる
服のサンプルを作らないようにデザイナーに呼びかけたりする
などしてファッション業界全体の意識向上にも努めたいという。
macher
reserved.
VOGUE JAPAN 7月号表紙 VOGUE JAPAN 201
2年7月号 Photo: Inez van Lamsweerde
and Vinoodh Matadin (C)2012 VOGUE JAPAN.
All rights reserved.
VOGUE本誌「ザ・
ヘルス・イニシアティ
ブ」誌面セレブ見開き
写真 VOGUE J
APAN 2012年
7月号 Photo:
René Haber
(C) 2012 VOGUE JAPAN. All rights
痩せ過ぎモデルの問題は、もうだいぶ前から
その弊害について色々と語られてきた。痩せる
ための極度の小食や過剰な喫煙、またそれでも厳しい現場の仕事やパーティーに耐えるた
めに麻薬の使用などで、結果として死に至ってしまった例も少なくなかったからだ。また、
こうした危険を避けるために、ダイエットなどを必要とせず元気なまだ未成熟な少女をモ
デルに使うことの教育的弊害も指摘されてきた。
ヴォーグの7月号の誌面では、健康的な食生活の提案や、食べることに積極的に気を使
っている日本の代表的な6人のモデルの紹介、豊かな体形で力強いタイプの女優へのイン
タビューなど、宣言に沿ったさまざまな特集記事を掲載している。この秋のトレンドの紹
介も「洗練の新グラマラス」で、細過ぎる印象の服やモデルは確かにほとんど見られない。
これまで、モデルの痩せ過ぎが指摘されてもそれがまかり通ってきたのは、ファッショ
ン誌や各ブランドの広告ビジュアルでは相変わらずそうしたモデルたちが細い服を着てに
っこり微笑んできたからだ。そんな風潮に異議を唱えるために、デザイナーの中でもアレ
クサンダー・マックイーンやゴルチエらが肥満タイプのモデルや身体障害者をショーで登
場させた例もあった。ベネトンの広告写真を担当していたオリビエロ・トスカーニが、痩
せ過ぎモデルを使ったCMビジュアルをまるで冷蔵庫や電信柱のようだと揶揄(やゆ)し
たこともあった。
そうした中で、ファッション業界では決定的に大きな影響力をもつヴォーグが今回の宣
言と、その姿勢を今後も続けていくとすれば、痩せ過ぎの体形が美の基準となっていた風
潮も変わっていくかもしれない。ただし注意しなければいけないことは、基準というのは
どんなものであれそれが排除とつながってしまうことだ。体形だけではなく、ヴォーグの
今回の「健康」ということでも、やむなく健康ではない状態に置かれている人たちは美の
基準から外れてしまう。また十分に健康でいくら食べても太れない「痩せ過ぎ」の人たち
も同じようにバリアの外になってしまうだろう。
たいていの分野では基準のバリアから外れるのは少数派なのだが、ファッションに関し
ては実は排除される方が圧倒的に多数派だったという奇妙な現象がまかり通ってきた。痩
せ過ぎモデルの体形と彼女らが着る服は確かに美しく見えるのだが、そんな服が似合う女
性は現実にはほとんどいないし、実際にショーの舞台裏で間近に見るモデルたちは現実離
れした背の高さと細さでまるで異生物のように感じるほどなのだ。
それでも彼女らが起用され続けてきたのは、その姿が遠くからは現実離れした美しさを
与え、そのイメージが確立されれば服は売れなくても同じブランドの化粧品や香水、バッ
グや財布などの小物類がたっぷり売れたから。そして、より多くの人が着るはずの一般の
アパレルメーカーも、似たイメージをかなり緩めのサイズに直して服を大量に作るのだが、
そのサイズの規格からも実際にはちょっと太めだったり背が低めだったりの多くの女性は
外れてしまっていた。
こうした事情は、美の基準やバリアを作るのが一方的に服の作り手の側にあったためだ
った。作り手側にとっては美の基準はなるべく単純に画一化した方が生産の面では効率的
になるからだ。着やすくてサイズの豊富な服を作るとコストが高くなって利益が減ってし
まうのだから。
ヴォーグの今回の宣言は、メディアという作り手と消費者との中間の位置から出された
わけだが、本当に必要なことは、この問題について着る側からもっと声を上げていくこと
だ。どんな服を着たいのか、そんな服が着られるのかと着る側がアピールして作る側と声
をかわすこと。新しいファッションの形はそんなコミュニケーションの中からしか生まれ
てこないのだと思う。
障害者総合支援法案 田村議員 基本合意に背く
しんぶん赤旗 2012 年 6 月 24 日
自立支援法を恒久化する障害者総合支援法案が強行可決された1
9日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の田村智子議員は、国と違
憲訴訟団との「基本合意」が法案に反映されていないことを示し、採
決強行は許されないと主張しました。
質問する田村智子議員=19 日、参院厚労委 田村氏は、自立支援法違憲訴
訟団と国の「基本合意」では「介護保険優先原則の廃止」が確認され
ていることを示し、「検討対象としての明示がないのはなぜか」とた
だしました。
小宮山洋子厚労相は「障害者とそれ以外の人との公平性、給付のあり方と財源を含め総
合的な議論が必要」などと答弁。田村氏が「基本合意」をほごにするのかと迫ると、小宮
山氏は「段階的にやっていく」としか答えませんでした。
田村氏が、自立支援法で報酬の日払い制度が導入され、現場に大混乱と困難が押し付け
られたと追及すると、厚労相は「指摘があるのは承知しているが、今後検討したい」と先
送りの姿勢に終始しました。
田村氏は、障害児・者が対象となる自立支援医療の自己負担は自立支援法施行以来、応
益負担のまま変わらず、自己負担の上限額を設ける負担軽減が経過措置のままで法制化さ
れていない問題も指摘。「課題は残された。このような状況で採決すべきではない」と重ね
て強調しました。
総合支援法成立の意義
公明新聞:2012 年 6 月 23 日
インタビューに答える高木美智代委員長(衆院議員)
党障がい者福祉委員会 高木美智代委員長(衆院議員)に聞く
障がい者の日常生活や社会生活を総合的に支援するための障害者総
合支援法(改正障害者自立支援法)が 20 日、参院本会議で成立した。
公明党の主張が随所に反映されている同法のポイントなどについて、
党障がい者福祉委員会の高木美智代委員長(衆院議員)に聞いた。
障がい者福祉が充実へ 支援の必要度 実態踏まえた判定に修正
難病患者もサービス対象に
―今回の改正のポイントは。
高木委員長 まず、障害者自立支援法の名称を「障害者総合支援法」に改め支援内容を充実
させたほか、制度の“谷間”にあった難病患者を障がい福祉サービスの対象に加えました。
さらに、これまで身体障がい者に限られていた「重度訪問介護」を、重度の知的障がい者、
精神障がい者にも拡大します。
―改正の経緯は。
高木 これまでも公明党は、障害者自立支援法施行後、利用者や事業者から寄せられる声を
もとに、利用者負担の大幅な軽減や事業者の激変緩和措置などのための特別対策、緊急措
置を実施してきました。そして 2010 年 12 月には、ねじれ国会の中で、公明党が“接着剤”
の役割を担い、民主、自民両党を説得して、家計の支払い能力に応じた応能負担を法律に
明記するなどした改正障害者自立支援法(議員立法)を成立させたのです。
一方、民主党政権は、マニフェストに「『障害者自立支援法』を廃止して、障がい者福祉制
度を抜本的に見直す」と掲げてきたことから、障害者自立支援法違憲訴訟の原告団・弁護
団との間で、同法を廃止して新たな総合的な福祉法制を実施するという基本合意文書を交
わして和解しました。
しかしその後、突如、現行法に基本理念を盛り込み、法の名称や目的規定を変更すること
で対応する方針へと転換したのです。事実上、マニフェストの撤回です。このため同原告
団・弁護団は「民主党政権は全てほごにした」と厳しく批判しています。
―こうした中、公明党の取り組みは。
高木 私たちは障がい者団体と協議を重ね、
「全く新しい制度をつくる必要があるのか」
「こ
れまで改善してきた自立支援法の完成形をめざしてほしい」などの意見を多くいただきま
した。そこで、これまで公明党が主張し、前回民主党の反対で盛り込まれなかった“宿題”
を解決するため、障害者自立支援法の再改正を行うことを決意したのです。
―公明党の主張で盛り込まれた点は。
高木 一つは支援の必要度を判定する「障害程度区分」の見直しです。現行制度では身体状
況に重点を置いて障がい者を区分し、福祉サービスを決める参考にしていました。しかし、
これでは外見から判断しにくい知的障がい者らの区分が低くなりやすく、障がい者団体な
どから見直しを求める声が挙がっていました。
そこで、14 年 4 月 1 日を施行期日として障がい者の心身の状態に応じて必要とされる標準
的な支援の度合いを総合的に示す「障害支援区分」へと修正しました。併せて知的障がい、
精神障がいなどの生活実態を踏まえたものにするよう、付則に配慮規定を追加したのです。
二つ目に意思決定支援への配慮が盛り込まれました。重度の知的、精神障がい者であって
も、必ず個人の意思は存在します。こうした観点から公明党は、障がい者に対する意思決
定支援の明確化を主張しました。
―今後の障がい者福祉の課題は。
高木 今回の法律で多くの課題が解決に向け、動き出しました。ただ、検討規定に盛り込ま
れたものもあり、まだ全て解決したわけではありません。
また、今回対象に加えられた難病の範囲もまだ明確になっていません。難病の方たちへの
支援は、障がい者福祉の分野だけでは解決できません。このため、公明党は総合的な難病
対策を推進する「難病対策基本法」の制定や、障がい者の権利擁護のため「障害者差別禁
止法」の制定を掲げています。共生社会構築に向けて、この二つの法律は不可欠です。こ
れからも制定に向けて頑張ります。
介助必要な高齢者・障害者
外出支援サービス参入増
静岡新聞 2012 年 6 月 24 日
介助を必要とする高齢者や障害者の外出、旅行などを支援する事業に取り組む事業者が、
県内で増えている。生活を楽しみたいと考える高齢者らの外出ニーズに応えようと、介護
事業者やタクシー業者らが参入している。
「家族に介助を頼みづらいと外出をあきらめている高齢者にも、買い物や旅行を楽しん
でほしい」。介護総合支援のインフィック(静岡市)は2009年から、「おでかけサポー
ト」を行っている。
知人宅の訪問、孫の結婚式への参列、京都への宿泊旅行―。利用者の健康状態やニーズに
合わせて外出計画を作成し、専門のヘルパーが同行する。利用料は介護度によって異なる
が、1時間で2500~3千円が基本。今のところ受注は月に1、2件程度だが、増田正
寿社長は「外出したくても口に出せずにいる人が大勢いる」と、潜在的ニーズに期待する。
第一生命経済研究所(東京)が10年に60~70代男女を対象に行った調査によると、
約8割が身体機能が低下して自動車を運転できなくなったら「楽しみが減る」とし、9割
超が「生活が不便になる」と回答している。
こうした不安に目を向け、10年前から外出支援に取り組んでいるのは、介護人材派遣
サービスのスタッフ・アクタガワ(静岡市)
。「墓参りに行きたい」「北海道旅行に付いてき
てほしい」などの高齢者らの声に応え、介護保険の適用外となるこうしたサービスを充実
させてきた。
高齢者だけでなく、障害者の外出支援にも取り組むのは、千代田タクシー(静岡市)。1
998年からサービスを始め、現在は運転手20人が障害者ガイドヘルパー資格を取得。
通院や買い物などの付き添いのほか、時には公園で遊び相手になることも。口コミで利用
が広がり、登録者は約100人、月に40~50件利用があるという。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行