平成28年度 町政執行方針

平成28年度
町 政 執 行 方 針
白
糠
町
平成28年第2回白糠町議会定例会の開会に
あたり、再任に伴う所信及び本年度の町政執行
の方針を申し述べ、議員各位並びに町民皆様の
ご理解とご協力を賜りたいと存じます。
この度の町長選挙では、町民皆様の温かいご
理解とご支援をいただき、引き続き町政を担わ
せていただくこととなりました。このことは、
身に余る光栄であり、与えられた重責に身の引
き締まる思いでございます。
顧みますと、就任当初から今日まで、次の世
代へ活力ある「ふるさと白糠」を引き継いでい
くという強い思いのもと、持続可能な町政を確
立するため、町民皆様の負担のあり方や単独施
策の徹底的な見直し、民間活力の積極的な導入
を基本方針に掲げ、思い切った行財政改革を断
行するとともに、自立以降は、今一度、足元を
見つめ、耕し直し、原点に立ち返り、町民皆様
-1-
のご理解とご協力をいただきながら、身の丈に
合ったまちづくりを推進してまいりました。
今任期につきましても、本町の地域経済を支
える一次産業を再興し、振興していくというこ
とを何よりも重要なことと捉え、地域産業の活
性化と雇用の場の確保を図るとともに、子育て、
教育、住宅施策などの総合的な展開による人口
減少対策など、本町における地方創生を推進す
るべく、これまで培った経験や人的ネットワー
クを最大限に活かして、町政の運営に努めてま
いります。
議会議員の皆様、町民の皆様のより一層のご
指導とご支援を心からお願い申し上げる次第で
ございます。
本年度の町政執行の基本的な考え方
について
町政執行の基本的な考え方につきましては、
-2-
これまでと同様、町民の皆様と行政が情報を共
有しながらまちづくりを進めていくための共通
目標として策定いたしました「第7次白糠町総
合計画」を踏まえ、計画の中で重要視点として
位置付けております「3つの柱」と、昨年度策
定いたしました「白糠町創生総合戦略」ととも
に取組を進め、「生き活きしらぬか笑顔輝くま
ちを目指して」をまちづくりのテーマとして、
各種施策を推進してまいります。
また、施策推進を図る上で議会にご相談しな
ければならないこと、町村会や釧路地方総合開
発促進期成会などを通じて、国や関係機関へ要
請しなければならない事象が生じた場合につき
ましては、都度、迅速に対応してまいりたいと
考えておりますので、ご協力を賜りたくお願い
申し上げます。
-3-
本年度推進施策の大要について
1 機能的で魅力ある基盤づくり
町民の安心・安全な生活を守り、快適で住み
よい地域社会を実現するため、計画的な生活基
盤の整備と施策を推進してまいります。
道路整備につきましては、地域住民の利便性
の向上と物流の効率化を図るため、引き続き、
国道38号を補完する町道振内線の整備と合わ
せて、釧路市音別町へ連結する町道白糠3号幹
線の舗装事業を実施してまいります。
道路・橋梁の老朽化対策につきましては、幹
線町道の舗装路面の性状調査を実施するととも
に、橋梁では「白糠町橋梁長寿命化修繕計画」
に基づき、順次修繕事業を実施してまいります。
地域公共交通ネットワークにつきましては、
地域住民の利便性や将来にわたって持続可能な
公共交通の運行に向けた再編事業を推進するた
め、本年度は、町内を運行しているバス路線の
-4-
利用者を対象とした実態調査や地域住民を対象
としたニーズ把握調査などを実施し、「地域公
共交通網形成計画」を策定いたします。
防災体制の整備につきましては、災害ごとの
防災・減災対策として、地域ごとの状況に応じ
た実践的な避難訓練の実施に取り組んでまいり
ます。
また、災害時における地域住民の避難経路の
確保などのため、国道38号恋問館付近から町
道釧路空港短絡線へ抜ける避難路の整備並びに
国道沿線における避難駐車場整備の実現に向け、
関係機関との連携を図りながら、積極的な要請
活動を行い、地域住民が安全かつ安心感を持っ
て暮らせる環境の整備に取り組んでまいります。
消防体制の整備につきましては、早期の移転
が求められる消防庁舎の改築に向け、様々な角
度から検討を進めてまいります。
字名改正事業につきましては、庶路、白糠、
-5-
西庶路地区の一部の市街地などについて、平成
29年度の完了に向け、継続して事業を推進し
てまいります。
(1)国道・道道の整備促進要請
(2)町道の整備促進及び維持管理
(3)白糠町橋梁長寿命化修繕事業の推進
(4)農道・林道の整備
(5)海岸保全整備及び促進要請
(6)海岸防災林の整備促進要請
(7)地域公共交通ネットワークの再編
(8)交通安全思想の普及啓発
(9)消防庁舎の移転改築の検討
(10)字名改正事業の推進
2 美しく快適な環境づくり
地球温暖化をはじめ、多様化する環境問題の
解決に向け、再生可能エネルギーの活用や省エ
ネ対策、循環型社会の形成など、地域の特性を
-6-
活かした様々な取組が展開されております。
本町におきましても、先人から受け継がれて
きた、まちの貴重な財産である、森林・川・海
の豊かな自然環境をしっかりと守り、後世に引
き継いでいくため、環境に対する取組をより一
層進めていかなければなりません。
本町独自の環境意識の高揚や環境活動の推進
などを図るため、「ふるさとエコ&クリーンし
らぬか」の取組を進めておりますが、本年度も
引き続き、まちぐるみ、地域ぐるみで取組を拡
充し、各種施策を展開してまいります。
昨年度、一時的多量ごみの直接搬入制度を導
入し、家庭ごみの排出方法の見直しを行ったと
ころでありますが、本年度は、高齢者世帯や身
体の障がいなどの理由で一時的多量ごみや大型
ごみを搬出できない方々に対する利便性の向上
を図ってまいります。
また、ごみの不法投棄やポイ捨てなどから自
-7-
然環境を守ることを目的とした、「自然の番人
宣言」の取組につきましては、継続することが
極めて大切でありますことから、「しない」、
「させない」
、
「ゆるさない」という強い信念の
もと、引き続き、町民、各関係機関、管内市町
村との連携を図りながら、活動の充実に努めて
まいります。
生活環境の基盤をなす上水道につきましては、
浄水場と配水管の整備を計画的に進め、安全で
安心な水の安定供給に努めてまいります。
茶路簡易水道、中庶路日の出飲用水道につき
ましては、老朽化が進んできておりますことか
ら、機械設備や施設などの整備を計画的に進め
てまいります。
また、昨年度、飲用水道供給施設を整備いた
しました二股地域をはじめ、その他の地域水道
につきましても、安全な水の確保を図り、その
安定供給に努めてまいります。
-8-
下水道事業につきましては、本年度も引き続
き、刺牛地区と西庶路地区について計画的に整
備を進めてまいります。
また、昨年度から実施しております下水道整
備計画区域以外の地域を対象にした合併処理浄
化槽の設置整備工事や維持管理に対する補助制
度を継続し、普及、啓発を図りながら、汚水処
理整備の推進に努めてまいります。
都市公園につきましては、本年度も引き続き、
「白糠町公園施設長寿命化計画」に基づき、順
次改修事業を実施してまいります。
(1)上水道、簡易水道及び飲用水供給施設の
計画的な整備の推進
(2)公共下水道整備の推進及び普及率の向上
(3)合併処理浄化槽の設置整備の推進
(4)釧路管内市町村による「自然の番人宣言」
の推進
(5)「ふるさとエコ&クリーンしらぬか」の
-9-
取組の推進
(6)白糠町公園施設長寿命化計画の推進
3 健康で思いやりのある社会づくり
人口減少や少子高齢化が進行する中、子ども
からお年寄りまで、また、障がいのある方もな
い方も住み慣れた地域で安心して暮らしていけ
るよう、町内会や住民ボランティア、白糠町社
会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、町民
保健推進委員会などの関係団体と連携し、保
健・福祉・医療・介護全般にわたる施策の充実
を図ってまいります。
健康づくりにつきましては、「すこやか白糠
21」に基づき、健康寿命の延伸を基本目標と
し、町民一人ひとりがライフステージに応じて
主体的な健康づくりに取り組んでいただけるよ
う、引き続き、生活習慣病予防の取組や身体づ
くりの普及促進、食育の充実など健康づくりの
- 10 -
思想の普及、啓発に取り組んでまいります。
普及推進を図っておりますウオーキングにつ
きましては、昨年度、「しらぬか健康ウオーキ
ングマップ」のコースが、気軽に楽しく健康づ
くりが行える「すこやかロード」として北海道
と北海道健康づくり財団から認定されましたこ
とから、本年度は、そのPRに努めてまいりま
すとともに、ウオーキングの効果や方法を紹介
し、運動習慣の定着と健康の増進を図ってまい
ります。
母子保健につきましては、妊婦健診や乳幼児
健診、予防接種、育児相談、家庭訪問などを引
き続き実施するとともに、本年度から定期接種
となりました日本脳炎ワクチン接種を実施して
まいります。
また、不妊治療を受けようとするご夫婦に対
し、精神的・経済的負担の軽減と出生率の向上
を図るため、特定不妊治療と一般不妊治療にか
- 11 -
かる費用の一部助成を実施してまいります。
成人保健につきましては、各種検診を引き続
き実施するとともに、がん検診無料クーポン券
の未利用者への受診勧奨とヘリコバクター・ピ
ロリ検査などの検査項目を追加し、検診体制の
充実と受診率の向上を図ってまいります。
特定健康診査につきましては、引き続き、未
受診者対策として、受診勧奨モデル地区を設定
して家庭訪問活動の強化を図るとともに、健診
項目に心電図と眼底検査を追加し、会場につき
ましても、白糠漁業協同組合を追加するなど、
検査内容と受診機会の拡充を図り、受診率の向
上に取り組んでまいります。
障がい福祉につきましては、「第4期白糠町
障がい福祉計画」に基づき、障がい福祉サービ
ス事業者や関係機関との連携を図り、必要なサ
ービスが提供されるよう、相談支援体制の充実
と地域で暮らせる環境づくりに努めてまいります。
- 12 -
特に懸念されております親亡き後の知的障が
い者が地域の中で普通に暮らすための基礎とな
るグループホームの整備促進に向けて、関係者、
福祉事業者などと協議を進めてまいります。
子育て支援につきましては、子育て世代が抱
えている経済的負担を軽減し、安心して子ども
を産み育てられる環境整備を図り、若い世代の
移住・定着を促進するため、「白糠町子ども・
子育て支援事業計画」に基づき、各種施策の推
進に取り組んでまいります。
今年度につきましては、引き続き、中学生ま
での医療費の無料化を実施してまいりますとと
もに、この度の選挙公約に掲げました、「出産
祝い金の支給」、「18歳までの医療費の無料
化」
、
「第2子以降の保育料の無料化」
、
「新入学
児童・生徒入学支援金の支給」
、
「第2子以降の
学校給食費の無料化」など、子育て支援に対す
る多様な施策につきましては、今後、順次展開
- 13 -
してまいります。
子育て環境の整備につきましては、西庶路地
区に建設中の幼保連携型認定こども園の平成3
0年4月開園に向け、地域や幼稚園、保育園、
学校などと連携し、円滑な移行準備を進めてま
いります。
また、子育て環境の充実を図るため、子ども
の一時預かりや送迎などの育児支援を行う「フ
ァミリーサポート事業」の実施に向け、支援を
受けたい方と育児の手助けができる方を会員と
した組織化を進めてまいります。
地域福祉につきましては、昨年度、国から決
定のあった「地方創生加速化交付金」による
「観光資源を磨き上げた観光づくりプロジェク
ト」を推進し、アイヌ文化の向上を図ってまい
りますとともに、その文化の伝承・体験・交流
などの活動拠点になっている「チセ」は、老朽
化が進行しており、多様な利用形態に合わせ、
- 14 -
利便性、機能性の向上が必要となってきており
ますことから、改修に向けた検討を進めてまい
ります。
また、平成23年度から交流を続けている台
湾先住民族タイヤルと白糠アイヌ協会との民族
間交流協定の締結が今秋に予定されております
ことから、本町と烏来区との自治体間の協定に
ついても、今後の締結に向け検討を進めてまい
ります。
介護保険事業につきましては、「第6期白糠
町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に
基づく事業の推進と介護給付費の適正な給付に
努めてまいります。
地域包括支援センターにつきましては、その
強化を図るとともに、介護予防・日常生活支援
総合事業の平成29年4月の実施に向け、保険
者と連携を図り、町内会の高齢者に対する支援
などの把握に努め、サービスの創出活動に向け
- 15 -
た取組を進めてまいりますとともに、認知症等
対策といたしまして、警察や関係者などとの連
携体制の強化を進めながら、認知症等で行方不
明になる恐れのある高齢者などを対象に、GP
S機器を利用した位置探索システムの導入を実
施してまいります。
また、認知症高齢者や知的・精神障がい者の
方々の権利擁護を図るため、成年後見制度の普
及、啓発に努め、市民後見人の育成と活用を推
進するとともに、白糠町社会福祉協議会と協働
し、後見実施機関の設置に向けて取り組んでま
いります。
(1)生活習慣病予防及び改善の推進
(2)身体づくりの推進
(3)健康づくりの情報提供及び予防対策の推進
(4)不妊治療に対する支援
(5)食育の推進
(6)メンタルヘルスケアの推進
- 16 -
(7)障がい者地域生活支援事業の充実
(8)多様な子育て支援施策の展開
(9)幼保連携型認定こども園の開園準備
(10)ファミリーサポート事業の推進
(11)アイヌ文化を核にした「観光資源を磨き
上げた観光プロジェクト」の推進
(12)チセの改修の検討
(13)介護サービスの推進
(14)介護予防・日常生活支援総合事業の充実
(15)成年後見制度の推進
4 希望あふれるひとづくり
本町はこれまで「ふるさと教育」を教育行政
の基軸としてまいりましたが、本年度も引き続
きその推進に努めてまいります。
教育行政の執行方針につきましては、先の第
1回定例町議会において、教育長からその詳細
について申し述べさせていただいておりますの
- 17 -
でご理解を賜りますようお願い申し上げます。
5 活力に満ちた産業づくり
今日までの町の基盤を支えてきたものは、ま
ぎれもなく農業、林業、漁業であり、我が町の
発展は、「一次産業の再興と振興なくしては成
し得ない」との信念のもと、本年度も引き続き、
本町が持つ恵まれた資源を活かしながら、一次
産業の活性化と地域経済発展のため全力で取り
組んでまいります。
農業につきましては、冷涼な気候と日照時間
の長さという優位性を最大限に活かし、基幹と
なる酪農をはじめ、畜産・蔬菜生産における基
盤づくりを強力に推進するとともに、次代を担
う農業者などの就業・研修支援につきましても、
引き続き、関係機関などと連携を図りながら、
積極的に取り組んでまいります。
これまで本町農業の基幹として、その振興に
- 18 -
大きな役割を果たしてまいりました酪農につき
ましては、引き続き、釧路丹頂農業協同組合と
も連携を図りながら、乳量の確保・増大など酪
農経営の安定化と環境整備に努めてまいります。
畜産につきましては、民間企業によります食
用馬の生産事業が計画されており、馬産地復活
の兆しがありますことから、馬産の振興に向け
た取組への支援に努めてまいります。
蔬菜生産につきましては、地元企業によりま
す異業種からの新規参入により、規模拡大と合
わせて多様な作物栽培への挑戦に取り組んでい
るところであります。加えて、近年は、国内で
の漢方製剤の需要が高まりをみせておりますこ
とから、生薬の原料となる薬用作物、更には、
地域に自生する有用植物の調査・研究に対する
支援を行い、本町の新たな農作物の創出に向け、
関係機関と連携を図りながら、取り組んでまい
ります。
- 19 -
産業用大麻の取組につきましては、「白糠町
産業用ヘンプ可能性検討委員会」におきまして、
産業用大麻の多様な可能性と有用性を模索して
いるところでありますが、本年度におきまして
も、北海道の取組と足並みを揃え、道内で先導
的に取り組んでいる地域と連携を深めながら、
実証試験栽培の実施に向けた調査・研究を進め
るとともに、引き続き、町民の皆様に産業用大
麻の安全性の啓蒙を図ってまいります。
エゾシカによる農作物などの食害対策につき
ましては、依然として高水準にあるエゾシカの
生息頭数を適正な管理頭数まで減少させるため、
関係団体との連携のもと、「駆除」と「防御」
の両面から対策の強化を進めております。
本年度も引き続き、効率的な捕獲のためにG
PS発信機の活用による行動パターンや居場所
の特定、エゾシカ肉の有効活用の推進などに取
り組んでまいりますとともに、防鹿柵の整備な
- 20 -
どと合わせ、防御体制の強化に努めてまいります。
生息調査上では、道内におけるエゾシカ生息
数は減少傾向にあると言われておりますが、本
町における農作物などの被害は依然として減少
しておらず、自給飼料生産に甚大な影響を及ぼ
しております。引き続き、北海道など関係機関
と連携を図りながら、有害と狩猟期にかかわら
ず報奨金の対象とするなど、国に対しその抜本
的な対策について要請活動を行ってまいります
とともに、有害捕獲の新たな担い手の育成と確
保に努めてまいります。
林業、林産業につきましては、全道的な傾向
としてカラマツに続き、トドマツ人工林が本格
的な利用期を迎えております。公共施設などの
木造化・木質化や道内各地で木質バイオマスを
原料とした発電施設計画や立地が進むことで、
低迷を続けておりました木材価格も回復傾向と
なり、運材や造材技術者の不足が心配されるな
- 21 -
ど課題もありますが、林業の成長産業化に向け
た取組が進められております。
本町では、「もう一度山づくりの原点に返り、
循環型の林業・林産業の再興に努め、木を植え
る」ことをまちづくりの行動目標として施策を
取り進めておりますが、森林資源の循環利用を
確立し、活力あるまちづくりに貢献するととも
に、豊かな森林をしっかりと未来に引き継いで
いけるよう、今後とも、この方針を基本に取り
組んでまいります。
また、地域資源であるヤナギを活用した調査
研究につきましては、
「ヤナギ 100ha 栽培作戦
in しらぬか」事業と連動させ取組を進めており
ますが、今後におきましても、関係機関と連携
し、ヤナギの利活用を民間企業によるキノコの
菌床栽培などの新産業と雇用の創出という形で
具現化してまいります。その中で、3つの柱で
あります、「町民の健康づくり」・「教育」にも
- 22 -
連動させるよう積極的に取り組んでまいります
とともに、新たな農業としての可能性の検討や
栽培、収穫の機械化によるコスト削減、安定供
給に向けての体制構築に取り組んでまいります。
更に、ヤナギの新たな活用を図るべく研究機
関と共同で取り進めてまいりました木質繊維を
新素材とした「セルロースナノファイバー」に
つきましては、間もなくその研究結果が発表さ
れるところまできておりますことから、その結
果と活用の可能性を考慮し、今後の事業化など
について検討を進めてまいります。
林産業の活性化に向けた取組では、民間企業
が木質バイオマス発電施設の建設を進めており、
新たな木材関連産業の創出により、町内の林産
業と経済活動の活性化、雇用の創出などが大い
に期待されるところでありますので、既存の林
産業界との連携にも配慮しながら、林産業の振
興に努めてまいります。
- 23 -
漁業におきましては、近年、気候変動などに
起因した沿岸資源の枯渇が心配され、漁獲量の
減少や魚価の低迷による漁獲額の減少が続いて
おりましたが、一昨年は約19億円の販売取扱
高となり、昨年は実に、平成20年以来となる
22億円を超える高水準な販売取扱高となった
ところであります。
この要因としては、これまで取り組んでまい
りました「つくり育てる漁業」の成果が表れた
ものと考えておりますが、沿岸漁業は自然条件
に大きく左右され、魚種によっての収支格差が
大きいことから、沿岸水域の水産資源の維持増
大を図り、安定的な漁獲を確保していく必要が
あります。
本年度につきましても、従来からの「つくり
育てる漁業」の積極的な推進を図るとともに、
道営事業によるタコ産卵礁、魚礁の設置を継続
して要請し、水産基盤の整備充実に努め、「マ
- 24 -
ツカワの資源増産への取組」や「秋サケ・しし
ゃもの人工ふ化事業」などに対しても継続的な
支援を行い、前浜漁業の振興を図ってまいります。
魚価の安定化と漁家の所得の向上を図る取組
につきましては、全国的に食の安全・安心が求
められるなか、本町の水産物の流通拠点である
荷捌所・冷凍保管庫なども衛生管理が求められ
ており、現在、白糠漁業協同組合では、老朽化
した荷捌所等の改修に向け検討を進めておりま
すことから、関係団体と連携を図りながら、最
大限の支援に努めてまいります。
また、長期的な漁家経営を考えるときに、近
年の工業用原材料の価格上昇などが生産コスト
の高騰に拍車をかけ、漁獲が上がっても経費が
嵩むため、厳しい経営状況が強いられております。
このような状況を改善し、漁家経営の安定に
資するため、操業に必要な漁船などへの各種機
械設備や、衛星航行装置などに対する支援につ
- 25 -
いて検討するとともに、漁業後継者等が漁業技
術の習得や資格などを取得する際に生じる経済
的な負担を軽減するための施策を講じて担い手
対策の充実を図ってまいります。
商工業の振興につきましては、白糠町商工会
と連携した活力ある商業環境づくりを進め、商
店街の活性化を図るなど、まちの賑わいづくり
や商業の振興につながる取組を進めてまいります。
地域経済の活性化につきましては、「北海道
横断自動車道」の延伸により、白糠インターチ
ェンジと庶路インターチェンジの二つの駅が開
通し、交流人口の拡大を図る環境がより一層整
いましたことから、本町の持つ“食材”と“地
域資源”を活用した魅力ある地域づくりと合わ
せ、まちの活性化に向けた取組を全町挙げて推
進してまいります。特に昨年20年ぶりに行わ
れました港での花火大会などイベント開催を支
援してまいりますとともに、地域資源を活用し
- 26 -
た体験着地型観光などに取り組みながら、特産
品などの販路拡大、新たな取組の推進などによ
る物産の振興と合わせ、白糠の魅力を道内外に
発信してまいります。
昨年10月から開始したお礼の品を伴う「ふ
るさと納税」につきましては、当初の予想を上
回るご寄附を全国の皆様からいただきました。
この大きな要因は、本町の「食と食材」が持つ
潜在能力の高さであると考えております。
引き続き、物産や産業振興、地域活性化を推
進するため、本町のPRを図り、事業者のご協
力をいただきながら多様な取組を進めてまいり
ます。
企業誘致につきましては、引き続き、釧路白
糠工業団地に産業用地の確保を図り、用水型の
企業の誘致に努めてまいりますとともに、木質
バイオマス発電など、一次産業と連携した新た
な産業創出の取組が進行しておりますことから、
- 27 -
雇用の場の確保と地域経済の活性化を図るため、
早期の事業化に向け、必要な支援に努めてまい
ります。
また、企業立地に伴う新たな雇用の創出によ
る定住化の促進、移住・定住につながる交流人
口に対応するため、遊休町有地の活用を図ると
ともに、町有住宅などを効果的に活用しながら、
新築住宅の固定資産税の減額措置の拡大などを
含めた総合的な住宅対策を進めてまいります。
「本町泊別地区の道立広域公園構想」につき
ましては、一昨年、北海道に対して町の考え方
を示し、協議を進めておりますが、その早期整
備実現に向け、引き続き関係機関と連携し、釧
路地域の活性化に資するものとなるよう努めて
まいります。
(1)道営草地整備事業の推進
(2)畜産環境整備事業への支援
(3)中山間地域等直接支払交付金制度に伴う
- 28 -
事業の推進
(4)多面的機能支払交付金制度に伴う事業の推進
(5)家畜防疫対策事業への支援
(6)TMRセンターに対する支援
(7)産業用大麻の実証試験栽培の調査・研究
の推進
(8)薬用作物、有用植物の調査・研究の推進
(9)農林業の連携による地域資源を活用した
循環型森づくりの実施
(10)
「ヤナギ 100ha 栽培作戦 in しらぬか」
事業の実施
(11)エゾシカ有害駆除・ヒグマ被害防止対策
の推進
(12)エゾシカ資源有効活用の推進
(13)新たな有害鳥獣捕獲の担い手育成に対す
る支援
(14)町有林整備事業の計画的な推進
(15)民有林振興対策の推進
- 29 -
(16)マツカワの資源増産への支援
(17)秋サケ・ししゃも人工ふ化事業に対する支援
(18)水産物の高付加価値化の推進
(19)漁業後継者の育成に対する支援
(20)白糠漁業協同組合荷捌所等の整備に対す
る支援
(21)
「しらぬか魅力発信事業」の推進
(22)住宅対策による定住化の促進
6 みんなで歩む地域づくり
協働のまちづくりを推進し、地域社会の持続
的な発展を図るためには、町民の皆様と情報の
共有化を推進することが必要であります。
自立する自治体経営を推進するため、「第7
次白糠町総合計画」を基本とし、引き続き事務
事業の見直しを行いながら、計画的かつ効率的
な行財政運営に努めてまいりますとともに、計
画期間の終期が平成29年度となっております
- 30 -
ことから、新たな計画整備に向けた検討を進め
てまいります。
また、地域情報をはじめ、観光、物産など
様々な情報を町内外に向けて発信してまいりま
すとともに、ホームページや町広報紙により、
情報を迅速かつ適確に、できる限りわかりやす
く発信し、情報公開を通じて、行政への信頼確
保に努め、住民と行政が一体となったまちづく
りに取り組んでまいります。
地方分権の推進につきましては、釧路町村会
の「地域づくり広域プロジェクト推進会議」な
ど、引き続き広域連携に向けた取組を推進して
まいりますとともに地方創生の加速化を図るた
め、北海道と管内市町村、更には東京都荒川区
と連携した首都圏との交流拡大に向けたプロモ
ーション活動などを推進してまいります。
また、釧路市を中心市とした「釧路定住自立
圏共生ビジョン」に基づき、圏域の関係市町村
- 31 -
と連携を図りながら、住民が必要な生活機能の
確保、充実に努めてまいります。
(1)「第7次白糠町総合計画」の進行管理と
「第8次白糠町総合計画」策定についての検討
(2)「太陽のてがみ」による町民と行政の協
働のまちづくりの推進
(3)町広報やホームページによるまちづくり
情報提供の充実
(4)健全な行財政運営の基盤の構築
以上、再任に伴う所信の一端と平成28年度
の町政執行の方針について述べさせていただき
ました。
我が町は現在、「しっかりと足元を見つめ、
耕し直し、原点に立ち返り、身の丈に合ったま
ちづくり」を念頭に、「3つの柱」を重要視点
として位置付け、本町が持つ自然や気候風土な
- 32 -
ど、地域に賦存する豊かな地域資源を活かした
まちづくりを進めてきております。
これらの取組を着実かつスピード感をもって
推進していくことが、正に、本町の「地方創生」
であり、活気ある「ふるさと白糠」の創生につ
ながっていくものと考えております。
私は、今一度初心に返り、「地域やまちは子
や孫への贈り物」という信念のもと、「お互い
の力で築くまちづくり・子ども達の笑顔輝くま
ちづくり」を目指し、先人から受け継がれてき
た自然や豊かな資源などを次の世代に引き継い
でいくため、全力を傾注してまいる所存であり
ます。
議員各位並びに町民皆様のより一層のご理解
とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ
ます。
- 33 -