平成 25 年度山形市への要望事項 (回答書)

平成 25 年度山形市への要望事項 (回答書)
中小企業経営の安定と活力のある地域社会の実現に向けて
昨年末、安部政権が発足し、長引く円高やデフレ不況からの脱却を目指し、大胆
な金融緩和、機動的な財政支出、民間投資を喚起する成長戦略の経済政策により、
歴史的な円高から円安へ、また株価は上昇へと転じ、景気回復に対する期待が高ま
る一方で、大震災の被災地においては、地域再生に向けた取り組みは見られるもの
の、がれきの処理やインフラ復旧、放射性物質の除染の遅れなどから、いまだに本
格的な復興への道筋が見えない状況にあり、本格的な景気回復はまだまだ先のもの
と懸念される。
山形県では大震災の直接の被害は免れたものの、被災地に取引先を持つ県内企業
も多く、間接的な被害や観光客の減少、放射性物質による風評被害等に加え、領土
をめぐる近隣諸国との関係悪化や来年4月より実施される消費税増税など、地域経
済を支える中小企業の経営環境は大変厳しい状況にある。
こうしたなか、豊かで活力のある経済社会の実現に向けた取り組みについて、日
本商工会議所を通じ要望活動を展開しているが、地域経済を支える中小企業の経営
の安定と活力ある地域経済の活性化のため、山形市におかれましても積極的な施策
の展開と以下23項目の実現をお願いいたしたい。
Ⅰ
鉄道・道路・交通体系の整備促進について
1.
山形新幹線の利便性向上のための山形以南の完全複線化について
2.
3.
4.
仙台圏と仙台空港へのアクセス向上について
山形市内幹線道路の整備促進について
公共交通事業の拡充について
Ⅱ
公共施設等の整備について
5.
公共用地財産等の早期有効活用について
6. 蔵王産業団地の機能整備について
7. 重粒子線がん治療施設の誘致について
Ⅲ
地域中小企業に対する経営支援について
8.
中小企業に対する支援策の充実と融資制度の拡充について
9. 地元企業活性化に対する支援について
10. 職人文化と技術の伝承に向けた後継者育成の取組み強化について
11. 電気料金の値上げに対する支援措置について
Ⅳ
観光推進と中心市街地活性化の促進について
12. 第2期「山形市中心市街地活性化計画」について
13.
14.
15.
伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子)後継者育成と継承のための支援について
山形デスティネーションキャンペーンを契機とした観光振興とインフォメー
ション強化について
霞城公園の整備計画について
16. 「NHK大河ドラマ」誘致活動への取り組みについて
1
Ⅴ
行政の諸手続きの改善について
17.
工事発注前の関係諸団体との事前協議や環境整備の徹底について
18.
公共工事の単価等の見直しについて
19.
建築物の耐震化への円滑な促進について
Ⅵ
市民生活に関する事について
20.
教育貸付(国の教育ローン)にかかる利子補給制度の創設について
21.
22.
23.
子育て環境整備による少子化対策について
スマートシティへの取り組みについて
霞城セントラル2階「市民課証明コーナー」の機能拡充について
2
Ⅰ
鉄道・道路・交通体系の整備促進について
1
山形新幹線の利便性向上のための山形以南の完全複線化について
全国的な新幹線の高速化が進む中で、多くの方々が、地域の発展や広域的な交
流・連携を促進するために新幹線の一層の高速化を望んでおります。山形新幹線
の所要時間短縮・安全性の確保が図られ利便性向上と観光客の誘致にもつながる
ことから、山形以南の単線区間である「関根」~「赤湯」、「北赤湯」~「羽前中
山」間の 28km 区間の完全複線化につきまして、様々な課題があることは承知いた
しておりますが、引き続き実現に向けた取り組みをお願いしたい。
また、新幹線区間の停車駅見直しによる最速便の増便や車両更新時の高速車両
導入について是非ともお願いしたい。
【回
答】
山形市では、山形新幹線の高速化は重要な課題と捉え、国に対する
重要事業要望の中で、山形新幹線を含めた「奥羽本線の高速化等の機
能強化」を要望しております。また、県において、JR東日本に対し、
複線化や東北新幹線区間の停車駅見直し、及び高速車両導入等によ
る山形新幹線の速達性向上を要望しておりますが、JRからは困難
であると回答されております。
[担当:企画調整課]
3
2
仙台圏と仙台空港へのアクセス向上について
山形市と仙台圏は直接県境を接するという全国的にも極めて稀な位置関係にあ
り、日常生活、産業活動、学術、文化活動などさまざまな分野において交流が盛ん
でありますが、今後の交流の拡大や交通アクセスの向上のためにも、次の事項につ
いて引き続きお願いしたい。
①仙山線の高速化
②仙台空港-山形駅間直通運転の実現
③仙台空港-山形間の直通高速バスの運行再開の実現に向けた支援
【回
答】
①仙山線の高速化
国に対する重要事業要望の中で、
「仙山線の運行本数の増加及び機
能強化の実現」について、またJRに対し「仙山線の高速化」につい
て要望しております。JRからは、既に最高速度による運行であるこ
となどから、現段階での仙山線の大規模な整備は難しく、現運行より
高速化することは困難であると回答されております。
[担当:企画調整課]
②仙台空港-山形駅間直通運転の実現
毎年JRに対し要望しておりますが、路線が長くなることで遅延が
出た際の影響が大きいことや、需要そのものが見込めないなどの問題
があり、仙台空港-山形駅間直通運転は困難であり、仙台駅における
接続改善を検討すると回答されております。今後、要望元である県の
意向を確認し、要望の必要性を検討しながら対処してまいります。
[担当:企画調整課]
4
③仙台空港-山形間の直通高速バスの運行再開の実現に向けた支援
ご要望のバスは、以前民間バス事業者が運行しておりましたが、
採算が取れずに平成20年中に廃止された経過がございます。これ
を再度運行しても、相当の需要を見込むことはできません。また、
仙台空港へはJR仙山線と仙台空港アクセス線を乗り継いで行くこ
とが可能になっております。このことから、直通バスの運行再開の
必要性は薄いものと考えます。
山形市としては、26年夏ダイヤより、山形空港において東京便
が2往復化され、また、名古屋便が運航再開され、全国とを結ぶ航
空ネットワークが改善されることから、山形空港の利用拡大に向
け、そのアクセス確保の促進に取り組んでまいります。
[担当:企画調整課]
5
3
山形市内幹線道路の整備促進について
山形市内幹線道路の交通渋滞を緩和すべく、現在工事中である国道13号大
野目交差点をはじめとした次の幹線道路整備の早期完成や道路整備の促進に
向けた支援を引き続きお願いしたい。
①
②
【回
①
国道 13 号大野目交差点改良事業の早期完成
国道 112 号霞城改良事業(文翔館西交差点~城北町)の早期拡幅
答】
国道 13 号大野目交差点改良事業の早期完成
国道13号大野目交差点改良事業は、渋滞緩和及び交通安全の向
上、地域経済の活性化等を目的としている事業であり、山形市としま
しても重要事業と位置付けて、整備促進について国へ要望しており
ます。
事業主体である国土交通省山形河川国道事務所工務第二課へ、当
要望をお伝えしたところ「大野目交差点改良事業は、国道13号大野
目交差点の渋滞緩和及び安全・安心の向上、地域経済の活性化等を目
的として整備している事業です。現在は、鋭意工事進捗に努めており、
平成26年度完成に向けて必要な予算確保を図る努力をして参りま
す」との回答を得ております。
山形市としましても一日も早い竣工と、供用開始を望むのであり、
事業促進を図っていただくよう、今後も国土交通省山形河川国道事
務所へ要望してまいります。
[担当:道路維持課]
②
国道 112 号霞城改良事業(文翔館西交差点~城北町)の早期拡幅
国道112号霞城改良事業につきましては、現在国土交通省山形
河川国道事務所において、平成14年から拡幅工事を実施しており、
現在、城北交差点や昭和橋付近の改良工事を実施しております。
山形市としましては、今年度も引き続き、重要事業として国土交通
省に対して早期完成に向け整備促進を要望しているところです。
[担当:都市政策課]
6
4
公共交通事業の拡充について
山形市では平成 22 年度に山形市地域公共交通総合連携計画を策定し、公共
交通の維持・活性化による維持可能なまちづくりを基本理念として、利用者
ニーズに合わせた路線再編や西部循環線の運行など現在取り組んでおられま
す。
本計画の将来体系の 3 つの目標では、「魅力的なまちなかをつくる」「日常
生活で頼りになる」
「安心な暮らしを支える公共交通の実現」を掲げておりま
す。
循環バス等の公共交通の更なる充実により、利便性・回遊性・移動性・居住
性などをより有効的に確保することによる真のコンパクトシティの実現をす
るために、下記の事項につきご検討いただきたい。
①
中心市街地と郊外路線のアクセスの円滑化
②
中心市街地内の回遊性・利便性の拡充
①
中心市街地と郊外路線のアクセスの円滑化
・中心街 100 円循環バスと郊外地域との連絡を図る為、より多様なコースを
検討いただきたい。
・山形駅東口へ西部循環線の停留所を設置し、新たに開通した山形駅南のア
ンダーパスを経由したコースに変更し中心街 100 円循環バスとの連絡を
図っていただきたい。
【回
答】
山形市では、山形市地域公共交通総合連携計画の中で、利用者のニ
ーズに合わせた路線再編を検討することにしております。これは、バ
ス事業者が主体になって行うことになっておりますが、市において
も、市民の生活の足を確保するため、コミュニティバス等の運行を行
っております。今後路線の更なる拡大につきましては、現路線の利用
動向を見ながら検討してまいります。
また、コミュニティバス西部循環線につきましては、現在山形駅西
口を経路としていることから、そこで中心街 100 円循環バスと接続
されているものと考えます。山形駅南アンダーを通り、すずらん街な
ど山形駅東側を経由することについては、バス事業者の既存路線と
の競合等の課題が多い状況であります。
[担当:企画調整課]
7
②
中心市街地内の回遊性・利便性の拡充
・現在運行している中心街 100 円循環バスは、約 35 万人が利用し市民の足
として広く定着しておりますが、年々乗車客として漸減(ピーク時、平成
14 年度約 50 万人)しております。現在、2台運行での待ち時間は、実質
平均 11.3 分となっており、待ち時間短縮(待ち時間約7分)と利用者拡大
のため3台運行についての支援を検討いただきたい。
【回
答】
循環バスの3台運行につきましては、商工会議所主催の「山形市中
心街循環バス運行事業推進委員会」の中で、運行事業者である山交バ
ス㈱から、新たに約 2,600 万円の運行経費が発生するとの回答があ
ったこと等から、実現は困難との方向性になったと聞いております。
このようなことから、事業主体である商工会議所の3台運行への
意思決定を踏まえたうえで、支援について今後検討してまいります。
[担当:商工課]
8
Ⅱ
公共施設等の整備について
5.公共用地財産等の早期有効活用について
① 県立病院跡地・山形駅西県有地の利用について
現在、更地となっている県立病院跡地の利用について、霞城公園および山形
美術館などの施設と関連付けた山形県立博物館などの歴史施設や集客性の高
い文化施設あるいは行政機能施設などを設けることにより、歴史・文化ゾーン
としての相乗効果が高まり交流人口の増加も期待されることからその有効活
用に向け、引き続きご検討いただきたい。また、山形駅西県有地についても、
中心市街地における活性化・賑わい創出のためにも有効活用について引き続き
ご検討いただきたい。
【回
答】
現在、県立病院跡地につきましては、暫定的に県民ふれあい広場と
して県が整備し、そのうち一部を県民ふれあい広場駐車場として、大
型観光バスの駐車場として活用してきております。中心部には大型
バスの駐車場がないことから、花笠まつりなどのイベント開催時に
は、観光客の集客や利便性向上に大きく寄与していると考えており
ますが、霞城公園に隣接していることから、更なる活用が望まれる土
地でもあると考えておりますので、その利活用について、県に要望し
てまいります。
また、山形駅西県有地につきましては、これまで県に対し、駅西地
区の賑わい創出のため、新県民文化施設建設の凍結解除を含めた県
有公共施設の設置について、要望してまいりました。
今年度、県において県民文化施設の概要案を策定し、広く県民から
意見を募集しておりますが、その中では平成31年の開館としたス
ケジュールで進めることとなっております。市としましては、スケジ
ュールどおり進むよう期待しているところであり、県の動向を注視
してまいります。
[担当:企画調整課]
9
5.公共用地財産等の早期有効活用について
② 旧木村邸の活用について
山形市中心街では、紅の蔵や山形まなび館、七日町御殿堰などの観光拠点の
整備を進め、街なか観光を推進しておりますが、中心街に立地しております旧
木村邸(旅篭町)の活用につきまして、伝統芸能の保存・伝承や観光振興に寄
与している山形芸妓・やまがた舞子の活動拠点や観光情報を発信する施設など
としての有効活用をご検討いただきたい。
【回
答】
市民より寄贈を受けた旧木村邸につきましては、中心市街地の賑
わいを創出する施設として「紅の蔵」、
「山形まなび館」、
「七日町御殿
堰」の既存3名所に続く「第4の名所」として整備・活用するべく、
施設内容、事業手法等について検討を進めております。
ご提案にあります山形芸妓・やまがた舞子の活動拠点や観光情報
の発信などについては、施設に盛り込む機能の一つとして検討して
まいります。
[担当:商工課]
10
6.蔵王産業団地の機能整備について
山形市の蔵王産業団地には多くの企業が立地しており、現在、団地就労者の
内約40%が女性となっている。安心して働ける職場環境整備のためにも「団
地内託児所」の設置についてご支援をお願いしたい。
また、優良企業の誘致を図る上でのサービス機能強化として、金融機関や郵
便局等の誘致についてもご支援をお願いしたい。
【回
答】
団地内託児所の設置につきましては、団地内で就労している女性
からのニーズ等について、蔵王産業団地連絡協議会とともにその実
態を調査・検討してまいります。
また、金融機関、郵便局等の設置による機能強化につきましては、
それらを設置する建物が必要となりますが、現在、
「立谷川工業団地」
「西部工業団地」及び「流通業務団地」にそれぞれ組合事務所や組合
会館等は、いずれも各組合において設置、管理していただいておりま
す。また、建物の建設にあたっては用地が必要となりますが、蔵王産
業団地の空き区画は誘致企業の受け皿であるため、設置場所の確保
は非常に困難な状況であると考えております。
[担当:商工課]
11
7.重粒子線がん治療施設の誘致について
山形大学が設置を目指す重粒子がん治療施設は、東北・北海道地区では初の
最先端医療の提供をはじめ、新産業の育成や地域振興など様々な分野での期待
がもたれております。
日本が世界をリードしている最先端のがん治療施設実現により、東北エリア
の診療ネットワークが構築されるとともに、次世代システム開発を目指すこと
により新産業の育成も図られることから、是非、行政当局も一体となって、誘
致に向けたご支援をお願いしたい。
【回
答】
山形大学医学部におきましては、重粒子線がん治療施設の設置に
向けて、準備室や推進協議会を設けて準備が進められているところ
です。
重粒子線がん治療施設につきましては、まだ国内に数箇所しか設
置されておらず、実現すれば東北・北海道地区において初めてとなる、
大変高度ながん治療施設となります。
山形市といたしましては、山形の医療レベルの高度化はもちろん
のこと、医療産業の育成や東北エリアを中心に遠方から患者さんが
いらっしゃることによる経済効果、雇用効果等が期待されるところ
です。
誘致に向けた支援につきましては、
「山形大学重粒子線がん治療施
設設置推進協議会」に山形市も構成員として参加し、協議に参画して
いるところであります。今後とも関係機関と積極的に連携して参り
ます。
[担当:企画調整課]
12
Ⅲ
地域中小企業に対する経営支援について
8.中小企業に対する支援策の充実と融資制度の拡充について
中小企業・小規模事業者は、行政、経営支援団体、金融機関等の支援を受けな
がら、企業活動に取り組んでおります。今後、地域経済を支える中小企業・小規
模事業者の支援強化をはかる上でも、次の事項についてお願いしたい。
・小規模企業等経営改善貸付(マル経貸付)にかかる利子補給制度の
創設について
山形県内に主たる事業所を有する小規模事業者が山形県融資制度「小規模企
業資金」を利用した場合は、山形県や市町村よりその信用保証料が補給されて
おります。
一方、小規模事業者向け国の融資制度として、全国の商工会議所又は商工会
の推薦により日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資する「小規模企業等
経営改善貸付(マル経)」制度があり、従業員数などの制度はあるものの、金
融危機、震災等を経て、経営環境の変化への対応に向けた経営改善を余儀なく
される小規模企業にとって有効な金融手段であります。
つきましては、国が提示する小規模企業の底上げ・経営力向上、利便性向上、
商工会議所等の経営支援メニューとの併用による相乗効果も期待されること
から、山形県及び市町村による「小規模企業等経営改善貸付」への利子補給に
ついて、引き続きご検討いただきたい。
【回
答】
山形市においては、市内の小規模事業者に対する金融支援策とし
て、
「小規模企業資金」を含む山形県制度融資並びに山形市制度融資
への保証料補給を行っております。
平成 25 年度の保証料補給支払額は、合計で約 191,000 千円であ
り、うち県制度融資への保証料補給額は約 108,000 千円、そのうち
「小規模企業資金」へは約 9,660 千円でありました。また、山形市独
自の融資制度である「経営支援資金」
「産業振興資金」へは約 55,500
千円の保証料補給を行いました。
その他の支援としては、産業振興資金の運転資金を利用する場合、
売上高等が過去 3 年と比較して減少している事業者へは、貸付限度
額の下限を 100 万円に緩和する特例措置を設け、運転資金をより利
用しやすくするよう策を講じております。
山形市としては、このような支援を今後とも継続実施することに
より、小規模事業者の経営力向上、経営改善につなげてまいりたいと
考えております。
[担当:商工課]
13
9.地元企業活性化に対する支援について
地域の雇用、納税、ボランティア活動等、永年地域に根ざし、地域と共に歩
み、貢献している地元企業に対して、継続的に活気ある事業展開ができるよう、
税の減免措置や評価表彰等の検証を図っていただくとともに、当該地元企業へ
の優先発注や購入対応の一層の推進をお願いしたい。
【回
答】
地元企業への発注につきましては、工事及び業務等の実施が地元
で可能なものや納品可能なものは、これまでも地元企業に発注して
いますが、持続的な地域経済の活性化につなげていただけるよう、今
後も、引き続き努めてまいります。
[担当:契約課・管理住宅課]
14
10.職人文化と技術の伝承に向けた後継者育成の取り組み強化につ
いて
建築分野における職人文化は、全国的な知名度もあり県民の誇りでもありま
す。しかし、職人の高齢化や後継者不在の企業が少なくなく、伝統的な職人技
術は年々途絶える傾向にあり危機的状況となっております。
伝統的な数寄屋建築や漆喰壁、木舞壁下下地の土壁など職人文化の優れた技
術・技法を継承させていくことは、地域の活力を維持していく上でも大切なこ
とであります。
山形県では、2016年に県内で開催される技能五輪全国大会・全国障害者
技能競技大会(アビリンピック)の選手育成・強化に向けた取り組みをいただ
いておりますが、公共職業訓練施設等での講座開設など、伝統建築技術をはじ
めとする職人文化の継承と後継者育成に向けた取り組みについてお願いした
い。
【回
答】
山形市には山形鋳物や山形仏壇をはじめとする数多くの伝統工芸
産業がありますが、人々のライフスタイルが多様化したことで、伝統
工芸産業を取り巻く環境は、年々厳しさを増してきております。
山形市では、伝統工芸産業における後継者を育成するため「伝統的
工芸産業後継者育成奨励金」制度を設け、伝統と優れた技術を継承す
る後継者の育成事業に取り組んでおります。
また、技能五輪全国大会は、若者に対して技能の重要性、必要性を
アピールし、技能尊重の機運の醸成を図る良い機会であります。大会
の実施主体である山形県と協議し、市が協力できる取り組みについ
て検討してまいります。
[担当:商工課]
15
11.電気料金の値上げに対する支援措置について
東日本大震災を起因とする原発事故による風評被害がいまだに払拭できな
い中、原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電所の燃料費増加等によるコスト
から、家庭などの規制部門・工場やビルなどの自由化部門において電気料金の
値上げが実施されました。
電力多消費型の製造業をはじめ観光・サービス業などにとって、電気料金は
人件費に次ぐ大きな割合の原価コストであり企業経営の継続に困難な要因と
なり、ひいては雇用や賃金にも甚大な影響を及ぼすものと危惧されます。
山形県では、「省エネ設備等の導入に対する補助」や「電力料金値上げ対応貸
付」などを創設いただいておりますが、中小企業経営への影響を最小限にとど
めるための更なる支援をお願いしたい。
【回
答】
山形市が実施した市内中小企業者への景況調査によれば、大半の
企業から電気料金の値上げは直接的なコスト増につながり、対策が
必要であるとの回答を受けており、特に電気を大量に使う業種にお
いては負担も大きく、経営に支障をきたす企業が増えると懸念され
るところであります。
加えて来年 4 月から引き上げられる消費税についても、コストが
増大し、企業経営を圧迫する要因になることから、山形市においても、
中小企業者等への支援策について検討する必要があると考えており
ます。
具体的には、山形市制度融資「産業振興資金」
「経営支援資金」の
運転資金において、コスト高の影響により「売上総利益率」又は「営
業利益率」が減少している場合も融資対象条件に加えるほか、設備資
金では、コスト高対策や省エネ設備導入に要する資金使途について
は貸付限度額の下限を下げ、融資を受けやすくするなど制度改正を
検討したいと考えております。
さらに「経営アドバイス事業」において、電気料金や消費増税等コ
スト高の影響を受け、経営に支障をきたしている場合には、利用条件
を緩和拡充し、経営相談を受けやすくするなどの支援策を講じてま
いりたいと考えております。
[担当:商工課]
16
Ⅳ
観光推進と中心市街地活性化の促進について
12.第2期「山形市中心市街地活性化計画」について
山形市では、
「山形市中心市街地活性化基本計画」を平成 20 年 11 月 11 日に
内閣総理大臣からの認定を受け平成 26 年 3 月までの計画期間内で、中心市街
地の区域である「ロの字型商業業務地区」を中心とした区域 127.7haにおい
て、「七日町拠点」、「第一小学校旧校舎」及び「山形まるごと館」などを整備
する「三つの新名所づくり」を核に地域住民、関係機関、行政などが一丸とな
り、中心市街地の活性化に取り組んでおられます。特に、目標に掲げた三つの
新名所のオープンにより、各施設には多くの来場者が訪れており、目標指数の
街なか観光客の入込数については、平成 23 年度 594,659 人(達成率 148.7%)
と大幅にクリアしておりますが、歩行者通行量は 24,650 人(達成率 72.5%)と
なっており、点から面へと中心市街地の回遊性がより重要になってくると思わ
れます。その意味でも本計画は、中心市街地の活性化を図るには重要なもので
あります。
仙台などとの都市間競争の激化、消費者行動の変化や新たな郊外型商業施設
の出店など山形市中心街を取り巻く環境は益々厳しさが予想されると思われ
ます。
つきましては、26 年 3 月で第1期計画の期間が終了するにあたり、第2期
「山形市中心市街地活性化基本計画」について、引き続き申請をお願いいたし
たい。
例えば、
① 御殿堰整備事業の東西延伸(七日町仲通りから市立病院済生館までの区間)
② 山形駅東口山形ビブレ跡地の有効活用
③ 中心市街地活性化区域の遊休地、空き店舗の活用
④ 中心市街地活性化区域への「市街地再開発事業」及び「優良建築物等整
備事業」の誘導
【回
答】
山形市中心市街地活性化基本計画は平成26年3月31日で計画
期間が終了いたしますが、市としましては、中心市街地の活性化は特
に重要な課題と捉えており、引き続き中心市街地の活性化を図って
いく予定です。
第2期中心市街地活性化基本計画につきましては、計画期間中に
実施する事業の熟度を見極めながら、認定に向け申請を行ってまい
ります。その際は中心市街地活性化協議会を開催していただきご意
見をお伺いする予定ですのでよろしくお願いいたします。
[担当:商工課]
17
13.伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子) 後継者育成と継承のための
支援について
山形には長い歴史を刻んできた素晴らしい伝統芸能が今も数多く伝承され
ており、なかでも山形芸妓・やまがた舞子は、当地を代表する伝統的な芸能を
保持し、その優れた技能そして観光面からも全国的にも高い評価を得ておりま
す。
平成8年2月に山形商工会議所や山形市観光協会が呼びかけし、山形市内企
業の出資により、伝統芸能後継者(やまがた舞子)育成のため「山形伝統芸能振
興株式会社-愛称:やまがた紅の会」が設立され、やまがた舞子が伝統芸能後
継者として、踊りや唄・三味線などの特訓を受けながら様々な場面で活躍して
おります。
しかしながら、会社設立後 17 年を経過し、これまで 27 人のやまがた舞子が
誕生いたしましたが、伝統芸能の後継者として山形芸妓の道に進んだのは、わ
ずか1名であります。山形芸妓の高齢化も急速に進んでおり後継者育成は喫緊
の課題となっております。
山形商工会議所では、「伝統芸能振興特別委員会」を設置し、伝統芸能の保
存・振興について種々協議を重ねてまいりましたが、平成 26 年度より「山形
伝統芸能支援協議会」(事務局:山形商工会議所)を設立し、官民一体となっ
て山形芸妓の伝統芸能の保存・伝承を支援する計画であります。
つきましては、「山形伝統芸能支援協議会」運営に対しまして行政の特段の
ご支援をお願いしたい。
【回 答】
伝統芸能(山形芸妓・やまがた舞子)の支援につきましては、貴商
工会議所内に立ち上がった「伝統芸能振興特別委員会」の中で、連携
しながら協議を重ねてまいりました。
山形芸妓を観光戦略として活用し広域的な観光誘客推進を図るた
めに、舞子から芸妓までの一貫研修による山形芸妓伝統芸能の持続的
な継承を目的として、新たに設立される「山形芸妓育成支援協議会」
へ直接支援してまいります。
[担当:観光物産課]
18
14. 山形デスティネーションキャンペーンを契機とした観光振興とイ
ンフォメーション強化について
山形市には、蔵王や山寺をはじめとした自然や温泉、山形花笠まつりをはじめ
とした伝統的な祭、イベント、市街地には霞城公園や大正・昭和初期ロマンの歴
史的建造物が存在しております。
国内外の観光客の誘客は、地域経済の活性化には必要不可欠なものであり、
「安
全な観光山形」を積極的にアピールしていくことが必要と思われます。
平成26年度の本開催に向け諸事業が展開される「山形デスティネーションキ
ャンペーン」を機に、国内外の広域からの観光客の誘客促進と中心市街地活性化
のため次の事項について特段のご配慮賜りたくお願いいたします。
①広域観光案内標識の整備・充実と観光地誘導案内標識の多言語表記
化の推進
②アジア圏等海外への誘客・広報活動の推進
③やまがた舞子ナビ等の市街地観光案内誘導システムの増設並びに
機能強化
①
広域観光案内標識の整備・充実と観光地誘導案内標識の多言語表
記化の推進
【回
答】
観光地誘導案内標識の多言語表記につきましては、既に「街なか観
光」に係る歩行者用観光地案内看板を4ヶ国(日本、英、中国、韓国)
語表記で整備しており、平成21年より継続して文字サイズをより
大きく見易いものに改修しております。
また、山形市における2大観光地である蔵王や山寺への案内標識
については、山形市内や隣接市町の国道や主要道路には既に設置さ
れていると認識しておりますが、市内の整備状況を検証していくと
ともに、広域観光の視点から多言語表記化と併せ、さらに広範囲での
案内標識となるよう、主要道路の管理者である国・県等へ要望して参
ります。
[担当:観光物産課]
19
②
アジア圏等海外への誘客・広報活動の推進
【回
答】
山形を訪れる外国人旅行客は東日本大震災以後著しく減少しまし
たが、近年、仙台空港を活用した東南アジア各地との経済交流が盛ん
になり、台湾・香港・シンガポールを中心に回復の傾向が見られてお
ります。山形市としましては、観光庁、東北観光推進機構、仙台市、
山形県や近隣自治体と連携し、東南アジアからマスコミや旅行エー
ジェントを招聘するとともに現地新聞にて観光PRを行っており、
今後も東南アジアを中心に積極的に誘客・広報活動を推進してまい
ります。
[担当:観光物産課]
③
やまがた舞子ナビ等の市街地観光案内誘導システムの増設並びに
機能強化
【回 答】
「やまがた舞子ナビ」につきましては、社団法人山形市観光協会が
観光情報PR事業として、山形駅周辺に2ヶ所、山形商工会議所内1
ヶ所の計3ヶ所に設置され、その後、紅の蔵、山形グランドホテル、
香味庵、山交ビルに増設し現在7ヶ所で情報発信をしております。
山形市としましては、今後とも、観光客誘客推進のため、現在の舞
子ナビを含めた様々な情報発信ツールを活用した効果的な街なか観
光の推進に向けて、貴商工会議所をはじめ市観光協会や観光関係機
関と連携してまいります。
[担当:観光物産課]
20
15.霞城公園の整備計画について
霞城公園は、昭和61年に城址公園として国史跡指定を受け整備をはじめて
から27年が経過し大手門の復元、本丸の一文字石垣の高麗門など少しずつ整
備は進んでおりますが、残念ながらその間「市民公園」として市民の憩いの場
として十分機能を果たしているとは言いきれません。
つきましては、霞城公園整備事業は長期計画に基づいているものではありま
すが、現実的な将来像やタイムスケジュール等を指し示していただき、山形城
の復元も含めた整備計画についは、特段のスピードアップをお願いしたい。
【回
答】
霞城公園整備事業につきましては、
「霞城公園整備計画」に基づき、
公園南側エリアを優先して平成30年度完成を目指し計画的に整備
を進めており、事業全体の完成は平成45年度を目標としています。
平成25年度は、本丸一文字門高麗門の復原が完成し、現在は枡形
土塀復原及び桜の園整備工事等を行っております。また、平成
26年度は、本丸御殿跡及び本丸西堀の遺構調査、二ノ丸土塁園路や
ひつじさる
坤 櫓石垣(南西角)復原工事等を行う予定でおります。
なお、本丸一文字櫓の復原については、建造物の形を決定するため
の写真や立面図等の史料がないため、文化庁より復原の許可を得て
おりませんので、引き続き、史料の収集に努めてまいりたいと考えて
おります。
工事にあたっては、遺構調査や史料を基に学識経験者の意見を頂
戴しながら進めていく必要があることから、時間がかかっておりま
すが、着実に整備が進んでいることをご理解くださるようお願いい
たします。
[担当:公園緑地課]
21
16.「NHK大河ドラマ」誘致活動への取り組みについて
NHKの大河ドラマは、毎年舞台となる地方が話題になり、今年の大河ドラ
マ「八重の桜」では会津地方が注目を集め、地域への経済波及効果は大きいも
のがあります。
山形の礎を築いた最上氏第11代当主の最上義光公が亡くなられて今年で
400年目を迎え、山形市では、没後400年を記念し様々な記念事業を展開
していただいておりますが、地域や観光の活性化を図るためにも、最上義光公
没後400年を契機に、山形の誇りである最上義光公を主人公(最上義光の二
女で豊臣秀次の側室となった駒姫のエピソードなども取り込み)とするNHK
大河ドラマの実現に向け、県と市が一丸となった誘致活動への取り組みをお願
いしたい。
【回
答】
NHK大河ドラマにつきましては、年間を通して物語が展開され
ることから、全国的な知名度や人気、また主人公にまつわる歴史やエ
ピソードが数多く表現されております。
昨年、
「最上義光公没後400年記念事業」の中で、本市の礎を築
いた義光公に関するイベントやフォーラムを行い、多くの方に義光
公について理解いただき、また、新たな発見をしていただけたのでは
ないかと思います。まずはこういった地域としての話題づくりを行
っていくとともに、フィルムコミッションを通したPRを推進して
いくことが重要であると考えています。
[担当:観光物産課]
22
Ⅴ
行政の諸手続きの改善について
17.工事発注前の関係諸団体との事前協議や環境整備の徹底について
公共工事の受注後、近隣及び関係者への事前説明や同調別工事との調整、当初設
計変更などにより、工事着工まで長期の時間を要する場合があり、労働者不足や資
材価格の急激な変動など厳しい経営環境の中で企業にとって大きな負担となってお
ります。
つきましては、工事発注に際して互いに関係する発注機関相互の事前協議や環境
整備を徹底して、受注後速やかに工事着手できるようご配慮いただきたい。
【回
答】
山形市発注の工事につきましては、今後とも当該工事に関連する
関係機関との調整を事前に行い、受注後速やかに工事着手できるよ
う配慮してまいります。
[担当:都市政策課]
23
18.公共工事の単価等の見直しについて
昨年暮れの新政権誕生以来、景気の急激な改善は好ましい事であります。し
かし、反面、円安の進行や国の大幅な財政支出、集中的な公共投資の拡大等に
より逆に混乱やデメリットを惹起する事にも繋がってしまっております。
特に建設業においては、長年に亘る建設不況のため、構造的な課題により、
体力・体制的にかなり疲弊してきております。中でも技能労働者の極端な不足
や若年入職者の減少と高齢化も相まって、生産性の低下は否めない状況下にあ
ります。
併せて建設資機材や油脂類等の急激な高騰による影響も顕在化し、建設コス
トを大幅に押し上げております。
更に東日本大震災により、労働者不足と労務賃金の上昇は一層これに拍車を
かけ、このままでは当地の安心・安全な地域保全や、いざという時の災害対応
(水害・雪害・地震・除雪作業など)や優れた品質の建設構造物の建設にも大
きな影響を及ぼしかねない心配があり、次の事項について特段のご配慮賜りた
くお願いいたします。
①労務費や資機材価格をはじめとする設計価格・発注単価の早急な見直しによ
る実態に見合った価格での発注について
②コンクリート二次製品の適正な単価見直しについて
③公共工事の安定的確保について
①
労務費や資機材価格をはじめとする設計価格・発注単価の早急
な見直しによる実態に見合った価格での発注について
②
コンクリート二次製品の適正な単価見直しについて
【回
答】
山形市の発注工事につきましては、労務単価は国が、資材単価は山
形県がそれぞれ実態調査を行い、その調査結果を反映し決定してい
る山形県土木関係設計単価を採用しております。
昨今の公共投資の増大等による労務単価、資材単価の高騰に伴い、
現在、国、県では出来る限り市場の実勢を反映した単価設定に努めて
いるところであり、山形市としてもこれに遅れることなく積算に反
映してまいります。
[担当:都市政策課]
24
③公共工事の安定的確保について
【回
答】
社会資本の整備につきましては、国からの補助金等を有効に活用
しながら、今後とも継続的に整備を進めてまいります。
[担当:都市政策課]
19.建築物の耐震化への円滑な促進について
大規模な地震の発生に備えて、建築物の地震に対する安全性の向上を一層促
進するため耐震改修法が改正され、耐震診断の義務付け対象建築物の範囲拡大
や小規模建築物など耐震診断と耐震改修の努力義務が盛り込まれました。
耐震診断・改修にかかる費用については、国の補助制度が整備されてはおり
ますが、事業者の負担は不可避であり今後、経営への圧迫も懸念されることか
ら、県・市においても助成制度等による支援をお願いしたい。
【回
答】
「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正を受けて、耐震診
断を行い診断結果の報告が義務付けとなる「要緊急安全確認大規模
建築物」について、地方公共団体が一定の費用負担をすることで国か
らの補助率が有利になり、事業者の負担が軽減される補助制度とな
ることから、平成26年度より、県と市が共に費用負担を行う耐震診
断補助制度を予定しております。
それに伴う耐震改修の補助につきましては、山形県においても未
定であることから、県の動向を見ながら判断してまいります。
*「要緊急安全確認大規模建築物」
病院、店舗、旅館等の不特定多数の者が利用する建築物及び学校、
老人ホーム等の避難弱者が利用する建築物のうち大規模なもの。
[担当:建築指導課]
25
Ⅵ
市民生活に関する事について
20.教育貸付(国の教育ローン)にかかる利子補給制度の創設について
日本政策金融公庫は、高校、大学、専修学校などに進学・在学される子息を
持つ家庭の「経済的負担の軽減」と「教育機会の均等」を目的とした「教育貸
付(国の教育ローン)」を取り扱っています。「教育貸付(国の教育ローン)」
は、経済金融情勢等の悪化に伴う政府の経済対策の一環として、平成21年8
月以降、融資限度額が200万円から300万円に、返済期間が10年から1
5年に拡大されるなど使い勝手のよい資金となり、山形県において平成24年
度は延約 1,000 件(山形市は約 270 件)の融資を実行いたしました。
つきましては、子育て支援の一環として、「教育貸付」への利子補給につい
て実施をお願いしたい。
【回
答】
日本政策金融公庫から国の教育ローンとして融資を受け、大学、短
期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校等に在学する期間に、返
済する利息を公的に負担してほしいというご要望ですが、現在のと
ころ教育貸付にかかる利子補給制度については、導入の予定はあり
ません。
なお現在、山形市において、私立高校生の就学に係る保護者の負担
軽減を図るために、私立高等学校生徒学費補助の制度を設け、対象者
に対して年額35,000円を交付しております。
さらに、山形市及び山形県おいては、高校生に対して無利子で貸与
する奨学金の制度があります。
[担当:学校教育課]
26
21.子育て環境整備による少子化対策について
急速な少子化の進行とそれに伴う人口減少は、地域のコミュニティ機能の弱
体化など社会経済全般にわたり、さまざまな影響を及ぼすことが想定されま
す。
また、少子化や人口減少問題は、これからの地域のあり方に直接関わる問題
であることから、子育てしながら安心して働ける環境づくりの推進を図るため
に、保育所の待機児童解消に向けた保育施設の整備と保育士の養成に向けた取
り組みをお願いしたい。
【回
答】
山形市の第2期経営計画において、総合的な子育て環境の充実を
重点政策として位置付け、保育サービスの充実、子育てしやすい環境
づくりの推進などを施策として掲げ、様々な取組を進めております。
待機児童の解消に向けては、これまで民間立の認可保育所の創設
や改築への支援策を講じて、この10年間で2,000人を超える定
員増を図るとともに、家庭的保育事業(保育ママ)や幼稚園保育事業
などのソフト事業を展開してまいりました。
このたび「山形市保育計画」を見直し、待機児童の大半を占める低
年齢児の受入枠を拡大するため、あたご保育園の増築を行うなどの
対策を講じますが、保育需要が引き続き増大する見込みであること
から、平成26年度においても、民間立保育所の施設整備に対する支
援などに取り組んでまいります。
一方、保育士の養成につきましては、各養成学校の要請に対応して、
市立保育所において、学生を受入れ研修の場を提供しております。
なお、保育士の人材確保については、山形市民間立認可保育所連絡
協議会が開催する保育士就職ガイダンスに対して補助金を交付し、
引続き支援を行ってまいります。
さらに、国の補助を受けて県が実施している潜在保育士の再就職
支援事業についても、市として、事業の周知、市立保育所での保育実
習の受入れ、市保育士の研修会への講師派遣などを通じ、引き続き県
事業のバックアップを行ってまいります。
[担当:こども保育課]
27
22.スマートシティへの取り組みについて
東日本大震災以降、エネルギー制約という環境下において、ITや環境技術
を駆使し街全体で電力の有効活用を図る環境配慮型都市や電気自動車・ハイブ
リッドFCV(燃料電池車)などの交通システム、家庭用蓄電池などを組み合
わせたスマートグリッドなど、国内でもこれらの実証実験に取り組み始めた市
町村も出てきており、一定の成果を収めつつあります。
スマートシティへの取り組み方によっては、省エネはもちろん、観光・中心
街活性化や高齢社会対策など地域社会の活性化や新規産業の創出もにつなが
るものと考えられ、スマートシティ実現に向けた取り組みをお願いしたい。
【回
答】
山形市では、太陽光発電装置や薪ストーブ、ペレットストーブの設
置補助、浄化センターにおける下水汚泥から発生するガスによる発
電、松原浄水場の小水力発電、コミュニティセンターや公民館などへ
の太陽光発電装置と蓄電池の設置を進める等、再生可能エネルギー
の利用を促進しております。
また、公衆街路灯や都市公園の街灯のLED化や、コミュニティセ
ンター、学校改築時のLED導入等、省エネルギー化も推進しており
ます。
その他にも、広域環境事務組合が進めている新しいエネルギー回
収施設では、エネルギー回収を推進する視点から、サーマルリサイク
ルにより,焼却の熱エネルギーを回収し,発電や熱利用を行うことと
しております。
このような、再生可能エネルギーの利用、省エネルギー化やその技
術、さらにはICT技術や電気自動車などを組み合わせ、電力需要の
動向を電力網や情報通信網により把握し、最適な電力利用を目指し
ていくものがスマートシティでありますが、その実現に必要なスマ
ートメーターが東北電力管内では一般住宅に導入されていないなど、
その基盤整備にはまだ時間がかかると見込まれることから、まずは
具体的な再生可能エネルギー設備の導入促進や省エネルギーの普及
啓発に努めることで、より実践的な省エネルギー対策、電力対策を進
めてまいります。
[担当:企画調整課]
28
23.霞城セントラル2階「市民課証明コーナー」の機能拡充について
山形市では証明書の交付について、窓口の延長や霞城セントラルや各地区の
コミュニティーセンターなど本庁舎以外で交付業務をいただいておりますが、
課税証明書などの一部交付業務については本庁舎のみでの取扱いとなってお
ります。
霞城セントラルは、山形駅と隣接し、また駅西地区新都心としてのコミュニ
ティ機能を有する施設であることから、霞城セントラル内の市民課証明コーナ
ーでの課税証明書交付など取扱業務の機能拡充をお願いしたい。
【回
答】
霞城セントラル内「市民課証明コーナー」で拡充を要望されており
ます、各種税証明の交付業務につきましては、
・証明書の種類が多岐に渡っており、申請された種類が、使用目的
にかなうものであるか判断しながら対応する場合が多いこと
・交付後に、課税証明書の扶養控除に関すること等、記載内容の説
明を求められる場合が多く、別途他資料を確認しながらの対応
が少なくないこと
など、特に税に関する専門性と資料の確認できる環境が必要であ
ります。
そのため、税証明の交付につきましては、本庁舎のみでの取り扱い
としておりますので、ご理解くださいますようお願いいたします。
[担当:資産税課]
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