BtoBのリード育成3つのポイント

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BtoBのリード育成3つのポイント
【読者限定サイトで11月29日配信】
導入費
施策でアプローチして、製品への関心
マーケティング管理ツール「マーケテ
用が2億~3億円かかる企業の業務シ
を高めて受注に結びつける、いわゆる
ィングプラットフォーム」
(導入当時
ステムのマーケティングには、1~2年
リードナーチャリング
(見込み客育成)
の名称はスマートセミナー)の利用を
の選定期間を見通した対策が欠かせな
の実施だ。取り組みを3つのポイント
始めた。展示会で集めた見込み客に対
い。その対策の一つとして、統合基幹
で説明していこう。
して、同社が主催する製品啓蒙のため
業務システム(ERP)の開発・販売など
のセミナーへの参加をメールで促す。
を手がける東洋ビジネスエンジニアリ
展示会で得た名刺は見込み客?
ングの取り組みは興味深い。
同社は多くのBtoB(企業間取引)系
どの見込み客の属性に合わせてリスト
「リードの適切な管理、コンテンツ
企業と同様に、専門展示会へ出展して
を絞り込み、告知メールを配信する。
の強化によるサイトへの誘導、そして
製品に興味を持つ人の名刺を集め、最
見込み客の管理基盤を整備したこと
営業とマーケティングの連携、これを
終的には営業のアタックリストとす
で、
「過去の経験から反応度合いが分
三位一体で進めなければいけません」
る。製造業向けITソリューションの
かるため、安心してセミナーを開催で
製造業向けERP「MCFrame」のマー
展示会などで一度に2000~3000枚の
きるようになった」と矢吹氏は語る。
ケティングを担当する、プロダクト事
名刺は集まる。矢吹氏がマーケティン
とはいえ、セミナーだけでは見込み
業本部マーケティングアライアンス部
グ担当になる2009年以前は、単純にそ
客との接点が限られる。MCFrameへ
プロモーションチームマネージャーの
れを見込み客リストとしていた。ただ
の関心を高めるために大切なのは、サ
矢吹恭太氏が出した結論だ。矢吹氏は
一般的な情報収集を目的に来場した人
イト上のコンテンツだ。2010年9月に
2010年以降、MCFrameのマーケティ
の名刺まで含まれていては、成約を狙
製品サイトをリニューアルし、
「原価
ングの改善を進めて、サイトのPV(ペ
うアタックリストとして精度が低い。
管理」
「需要予測」などをテーマにした
ージビュー)
、導入意向の高い資料請
そこで2010年2月、見込み客管理の
連載コラムや導入事例の記事を充実さ
求を増やしてきた。見込み客に様々な
基盤としてシャノン(東京都港区)の
せていった。社内に専属のコンテンツ
反応率を高めるため、地域や業種な
マネージャーを置き、月1回以上は記
事を掲載。そして見込み客に、メール
リード獲得から商談までの流れと、リードナーチャリングの詳細
展示会での
名刺収集
リード
ナーチャリング
マガジンで告知をする。
テレマーケティング
営業案件化
コンテンツの充実やサイト刷新でサ
イト構造を見直した結果、
「生産管理
パッケージ」
「原価管理」などのキーワ
「マーケティングプラットフォーム」
によるリード管理
ードで検索結果の1ページ目に表示さ
サイトコンテンツの充実
セミナー開催
れるSEO(検索エンジン最適化)効果
メールマーケティング
も得られている。ちなみに現在は製造
属性と行動に基づくスコアリング
業の海外進出の流れを受け、海外拠点
での導入事例などを強化する方針だ。
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NIKKEI Digital Marketing January 2013