SBIグループが社会的正義に照らし、 正しいと思い

SBIグループが社会的正義に照らし、
正しいと思い、行ってきたこと
11 SBIグループ CSRレポート2005 SBIパートナーズ デベロップメント事業部
顧客中心主義の徹底
インターネットが可能にした
消費者主権・投資家主権の時代
インターネット革命により企業と消費者・投資家との間に
存在した「情報の非対称性」が消滅し、消費者や投資家は手間・
ファイナンス・オール
金融機関の立場ではなく、お客様の立
場でローンや保険などの金融商品や
サービスをさまざまな角度から比較検
索し、それぞれのお客様に応じた金融
商品を選択します。また、複数の金融
時間・コストをかけることなく情報を得られるようになりまし
た。また、企業は消費行動・投資行動についての情報を得ら
れるようになりました。
こうして賢くなった人々によって顧客中心市場が誕生し、
消費者主権・投資家主権が確立されていきました。
「情報の
機関に対する見積の一括請求、仮申込
みなど取引に関わる各種サービスをイ
ンターネットで提供しています。さらに、
ファイナンス・オール
www.financeall.jp/
金融以外の生活情報に関するサービス
比較ALL
の比較、コミュニティーや仲介マー
www.hikakuall.jp/
ケットの運営なども行い、インター
ネットを通じた消費者と事業者の主体
的な意思決定をサポートしています。
非対称性」が消滅した現在では、企業は『利の元は義なり』と
いうことを強く認識し、消費者・投資家から選ばれ、評価され
なければ存続していくことはできません。
モーニングスター
投資信託を中心とする豊富な金融情報
や投資情報をタイムリーかつダイレク
トに投資家に伝えています。金融商品
顧客中心主義を形にした事業
SBIグループは、このインターネットがもたらした革命的な
パワーシフトをいち早く認識し、消費者や投資家の視点に立
の提供者ではない中立的な立場から、
良質かつ偏りのない投資信託の格付け
情報を提供することにより、個人投資
家の資産形成に関する選択を容易かつ
適正にサポートしています。
ったビジネスモデルの構築と事業の展開を行ってきました。
その基本観は、
「顧客中心主義」を徹底的に貫くことです。よ
り安い手数料・より低い金利でのサービス、魅力ある投資機
会の提供、金融商品の一覧比較、安全性と信頼性の高いサー
ビス、豊富かつ良質な金融コンテンツの提供などは、すべて「顧
客中心主義」を形にしたものです。
第三者の視点でEコマースサイトをサポート
多種多様なEコマースサイ
トを客観的に評価し、
業種ごとのラン
キング情報を提供しています。消費者に対してはオンラインサー
ビスの選択をサポートし、Eビジネス企業に対しては効果的な
Webサイ
ト構築のためのさまざまなサービスを提供しています。
ゴメス・コンサルティング
代表取締役COO
西村 徹
SBIグループ CSRレポート2005 12
金融イノベーターとして
さまざまな領域で
革新的な金融ビジネスを構築
SBIホールディングスが設立される直前、90年代後半の日
本の金融業界は俗に「失われた10年」と言われていました。
ソフトバンク・インベストメント
創業間もないベンチャー企業への投資
を通じて 21 世紀の日本の中核的産業を
育成するという志を抱き、ベンチャー
キャピタル・ファンドの運営・管理を
行っています。さらに、これまで機関
バブル崩壊とその後のデフレ経済に苦しみ、新しい金融サー
ビスを提供する金融機関は皆無でした。
こうした中、SBIグループは金融業に事業ドメインを定め、
投資家や一部の富裕層のみに与えられ
ていたベンチャーキャピタル・ファン
ドへの投資機会を個人投資家にも開き
たいと考え、一口 100 万円から投資可
能な『SBI ブロードバンドキャピタル投
インターネットを機軸として金融業界に大きな楔を打ち込む
べく産声をあげました。インターネットの爆発的な破壊力を
もって日本のいびつな金融システムを是正し、投資家や金融
サービスの利用者を高い経済性と利便性を両立するシステ
資事業匿名組合』を開発しました。こ
の取り組みは 208 億円規模のファンド
となって結実し、現在 5 年間の運用を
行っています。
www.sbiventures.jp/
ムに移行させるとともに、金融業界のさまざまな領域で革新
的なビジネスを構築することで、より安い手数料・より低い金
利でのサービスの提供、魅力ある投資機会の提供を実現しま
した。
SBI アセットマネジメント
SBI グループの資産運用会社としての強
みを活かし、未公開株やヘッジファン
ドなどオルタナティブ投資(代替投資)
を行う独自の運用商品を提供するほか、
国内外のリソースを活用した株式・債
券の運用商品を提供しています。
www.sbiam.co.jp/
日本初のモーゲージバンクとして
「日本の住宅金融を支えていた財政投融資と住宅
業界最低水準の金利で長期固定住宅ローンを提供
することにより、金利変動リスクを負うことなく、将来に
金融公庫を使った仕組みは時間の問題で崩壊する」 わたって安心して生活設計を立てられる長期固定金
「住宅ローンは長期固定金利が正しい」という二つ
利住宅ローンを一人でも多くのお客様にご利用いた
の信念に基づき、
日本初のモーゲージバンク*として、 だき、
豊かな生活の実現に寄与したいと考えています。
民間では不可能といわれた低金利長期固定金利住
宅ローンの提供を2001年5月に始めました。モーゲー
*証券化を資金調達手段とした住宅ローン貸出専門の金融機関
ジバンクのリーディング・カンパニーとして、
最新の金融
SBIモーゲージ
代表取締役COO
手法を取り入れ、
インターネットを活用することでお客
円山 法昭
様の視点に立った商品開発に努めています。常に
年金業界に革新をもたらすサービス
常識を覆す価格で、確定拠出年金業界に革新をも
確定拠出年金のレコードキーピング
(記録管理)
シス たらすサービスを提供し続けていくことを目指してい
テムを単独で開発した国内唯一の運営管理機関です。 ます。
年金という国民的課題への解決策が求められる中で、
SBIベネフィット・システムズ
システムインフラ=コストセンター=スケールメリット= 代表取締役 執行役員COO
共同アウトソーシングという業界の常識にとらわれるこ 佐藤 宏和
となく、
「顧客提案型のインフラプロバイダー」として、
13 SBIグループ CSRレポート2005 全ての人に公平なクレジットの機会を
プライシング
(クレジットリスクに基づいた金利設定)
を
お客様にとって合理性が高く、経済的な金
米国の法律「equal credit opportunity act」にお 導入し、
取引実績をベースにし
ける「金融機関は、全ての人に公平なクレジット
(借り 利の商品を開発するとともに、
入れ)の機会を提供しなければならない」の精神を日 た消費者啓蒙システムを備え、健全な利用を促進す
本で実現すべく、設立された個人向けローン提供会 ることで、従来の個人向けローンのあり方に変革をも
社です。SBIグループが持つインターネットファイナンス たらしました。
のノウハウと、当社が擁する業界最高水準の金融プ
SBIイコールクレジット
ロフェッショナルが持つ最先端の金融ノウハウを持ち 代表取締役COO
寄り、画期的なインターネットキャッシングサービスを提 石井 一君
供しています。たとえば、
日本で初めてリスクベースド
新産業クリエーターとして
ベンチャーキャピタルの社会的役割
20世紀に圧倒的な競争力を有し、
「世界の工場」と呼ばれ
21世紀における中核的産業の創造と
育成を目指して
た日本の製造業は、中国を始めとする新興工業国の台頭、少
SBIグループは、個々のベンチャー企業の育成に留まらず、
子高齢化による生産年齢人口の減少などにより、かつてほど
21世紀における中核的産業の創造と育成を目指し、ITおよび
の国際競争力を保持することが困難になってきています。こ
バイオ分野のベンチャー企業に集中的に投資をしてきました。
うした中、日本経済は21世紀を担う新たな成長のエンジン
特にIT分野では、ブロードバンドインフラの整備によって国
となる産業を必要としています。
内でインターネットが爆発的に普及する2000年頃より活発
現在の大企業のほぼ全てがかつてベンチャー企業であっ
に投資し、その後のネット産業の成長に貢献してきました。ま
たことを想起すると、創業後間もないベンチャー企業にリス
たバイオ分野においては、欧米にキャッチアップし、国際競争
クキャピタルを提供し、その成長を支援するベンチャーキャ
力のある産業として育成すべく、バイオ・ファンドを通じた育
ピタルの社会的役割は極めて高いといえます。
成に取り組んできました。
一方、SBIグループは、企業再生にも積極的に取り組んで
います。新たな事業資金や経営ノウハウを提供することによ
って、経営不振企業の企業価値を高めるとともに、企業再生
を通じて取引先の信頼回復や雇用の確保などにつなげ、そ
の企業が拠点とする地域経済の活性化にも貢献しています。
SBIグループが社会的正義に照らし、
正しいと思い、行ってきたこと
SBIグループ CSRレポート2005 14
ベンチャー企業の成長を総合的にサポート
注力しています。さらに投資先企業に対し、税務・財
1,505億円にのぼる日本最大級のベンチャーキャピタル・ 務管理の支援サービス、株式公開等に関するコンサ
ファンドである
『ソフトバンク・インターネットテクノロジー・ ルティングサービスの提供および役職員の派遣といっ
成長を総合的にサポート
ファンド』やバイオ・ファンドの運営を通じて、ITおよび たハンズオンの支援を行い、
バイオ分野のベンチャー企業(延べ400社以上)
に対 しています。
してリスクキャピタルを供給してきました。2005年には、
ブロードバンド関連とメディア・コンテンツ関連に特化す
ソフトバンク・インベストメント
代表取締役 執行役員COO
る2つのファンドを合計735億円で設定。このファンドを
通じて、
ブロードバンド関連事業、
メディア関連事業、 澤田 安太郎
あるいは映像・音楽・出版等のコンテンツ事業のベン
チャー企業へ投資し、
これらの業界の育成・支援に
企業の再生・再建を総合的にサポート
付や債権買取を通じて、資金繰りの厳しい企業など
リスクマネーの供給や運転資金などのファイナンス、 に運転資金を提供する再生ファイナンス事業も手が
経営全般にわたるコンサルティングサービス、人材・ けています。
ネットワークなどの経営資源の提供を通じて、企業の
SBIキャピタル
再生・再建事業に取り組んでいます。企業再生事業 取締役執行役員常務
では、
当社が運用するファンドの支援によって、民事 木下 玲子
再生手続を申請した元上場会社が民事再生計画
の認可決定からわずか1年で債務を一括弁済し、再
生手続を終結して株式市場に再上場するという日本
取締役執行役員
栗原 浩幸
で最初の案件を成立させた実績があります。
また、
貸
CSRを事業で実現する実践者として
本業で社会に貢献する
SBIグループには、社会正義に照らして正しいことを真正面
から事業化し、実践している会社が数多くあります。これらの
事業の根底にあるものは、儲かるかどうかではなく、
「私たち
の社会を公正で、快適で、環境適合的で、安全なものにしたい」
という信念です。SBIグループは、本業そのものがCSR(企
業の社会的責任)の取り組みに合致するこれらの事業活動を
強力に推進しています。そして、
『利の元は義なり』の合言葉
で、今後も正しい事業は必ず報われるということを実証して
いきます。
15 SBIグループ CSRレポート2005 SBIグループが社会的正義に照らし、
正しいと思い、行ってきたこと
SRIの伝道師
の社会的責任)への取り組みの活発化に貢献して
当社のSRI株価指数
社会的責任投資(SRI)
とは、
従来型の財務分析によ いきます。2006年1月末日現在、
る投資基準に加え、法令遵守や雇用、人権、消費者 を採用しているファンドは6本、運用総額は150億円を
CSRへの啓発は着実に進んでいます。
対応、社会や地域への貢献など社会・倫理面および 超え、
環境面から、企業を評価・選別し、安定的な収益を目
モーニングスター
指す投資手法のことです。SRIが注目される中、
当社 代表取締役COO
は日本で初めてSRI株価指数を開発しました。これを 朝倉 智也
運用会社に提供しSRIファンドの商品化を後押しす
ることで、SRIの意識向上と社会性の高い企業への
投資環境の構築を推進し、上場企業のCSR(企業
健康や地球環境に配慮した不動産デベロッパー
した多様な性能を持ちかつデザイン性にも優れた、
日
家は一生のうちで最も長く生活する場所であり、最も 本ではあまり知られていない建材や部材を世界中か
健康的で安全な空間であるべきです。しかし、今の ら直接調達するSBIマテリアルバンクを設立しました。
賃貸物件でこれらを満たしているものはごくわずかで 原料の流通ルートまで含めて健康や地球環境に配
す。当社はこの状況を変えるために、
「健康や地球環 慮した物件を供給できる体制を整えるとともに、他の
境に配慮した住空間」を基本方針とし、不動産物件 不動産ファンドとの差別化も図っています。
の開発やリノベーションなどを自社で手がける一方、
SBIパートナーズ
これらを組み込んだ不動産ファンドを展開しています。 代表取締役社長
こうした考えのもと、長期間安心して生活ができる居 相原 志保
住空間を提供する賃貸マンション「Vina(ヴィーナ)」
の開発プロジェクトを進めています。
また、
健康に配慮
安全で確かなオンライン決済インフラの推進者
ったデジタルコンテンツを楽しむ人々が急速に増えて
インターネットを利用したEC(電子商取引)
において、 おり、
そこでの課金ニーズが生まれています。一方、
決済のインフラは欠くことのできない要素です。消費 携帯電話などのモバイル端末によるネットの利用者数
者が求める「使いやすさ」と「安全性」、事業者が求 はPCによるそれを凌駕する勢いで、
モバイルEC市場
める「運用の容易さ」とそれによる「コストメリット」、
こ は急激な伸びを見せています。インターネットビジネス
れらを両軸とした決済サービスを提供することが当 の必需インフラとなったオンライン決済をより安全で確
社の使命です。現在では一般的となっている暗号化 かなものにするために、
これからも技術とサービスの
通信(SSL*)によるクレジットカード決済においては、 向上に努めていきます。
ECの黎明期から利便性とセキュリティを両立させた * Secure Sockets Layer
インフラを構築し、研究と開発を重ねて常に業界をリ SBIベリトランス
ードしています。ブロードバンドが普及した今日では、 代表取締役COO
ネットで商品を購入するほか、
ゲーム、映像、音楽とい 沖田 貴史
SBIグループ CSRレポート2005 16