北西準州との関係

北西準州概況
一 般 情 報
1.面積: 1,346,106平方km (日本の3.56倍)
2.人口: 4.4万人 (2014年)
3.州都: イエロ-ナイフ
4.州祭日: 特になし
5.沿革・歴史:
北西準州は、19世紀にハドソン湾公社が所有していたルパート
・ランド(Rupert's
Land)が1870年にカナダ連邦政府に売却されたことに始まり、そ
の後順次、北西準州からマニトバ州、ブリティッシュ・コロンビア州
、ユーコン準州、アルバータ州、サスカチュワン州が独立した。19
99年には北西準州とヌナブト準州に分割され、現在の形になった
。
政 治 体 制
1.司政官: ジョージ・ツカロ (George L. Tuccaro) 2010年5月就任
*司政官(Commissioner)は州における副総督に相当。
2.準州首相:ボブ・マクロード(Bob McLeod) :
2011年10月26日選出、第1期、所属政党:なし
3.議会の構成:(総数19議席)
議会は政党制ではなく、単純多数決(コンセンサス方式)を基に
合議制により運営されている。
4.内政状況:
天然資源開発、ダイヤモンド採掘等、天然資源開発は順調だが
、これらの権益収入は連邦政府の歳入に組み込まれるため、準
州政府独自の歳入源となるよう、連邦政府に対する自治権拡大
の働きかけを続けていたが、2014年4月から自治権移譲が実施
された。なお、僻地ならではの社会問題を抱えており、その対応が
課題となっている。
なお、同準州議会は2006年、選挙を4年ごとの10月第一月曜
日に固定する法案を可決。議会総選挙が2011年10月3日実施
され、立候補した現職15人中、3名が他に立候補者がいなかった
ため留任、残り12人中11人が再選、5名が初当選した。
5.現政権の方針: ・天然資源及び観光を中心とした経済基盤の確立。
・環境・社会生活に配慮しつつ、天然資源産業の更なる発展。
・経済の自立性の向上。
・若年世代に対する教育と各種訓練の機会増加と積極的提供。
・先住民(ファースト・ネイション)の生活の質の改善と向上。
6.予算:
歳入: 18.3億加ドル (2015年度)
歳出: 16.5億加ドル (2015年度)
7.特記事項:
準州政府は歳入の全てを連邦政府からの交付金に頼っていたが、
この状況から脱すべく、天然資源開発等から独自の財源を得ること
を連邦政府に働きかけていた。ハーパー連邦政府もこの要請を前向
きに受け止め、自治権移譲(Devolution)については、2013年6月に
準州と連邦両政府間で合意に達し、2014年4月から実施されてい
る。同移譲により、公共地、水、天然資源の管轄及び課税権(所得
税、消費税を含む)が、連邦政府から準州政府に移された。
経 済
1.主要産業:
・天然資源…原油、天然ガス、ダイヤモンド(工業用・非工業用)、
金、タングステンほか貴(希少)金属
・観光業
・持続可能資源…狩猟(カリブー、アザラシ)、
漁業(エビ、北極イワナ)、毛皮
2.実質GDP:38億加ドル(2014年)
3.実質GDP成長率: 5.8%(2014年)
4.消費者物価指数(イエローナイフ市、2002年=100): 131.1(20
16年2月) 5.失業率:8.0% (2016年第2四半期)
6.貿易額:
(1)輸出: 16.8億加ドル(2015年)
(2)輸入: 0.1億加ドル(2015年) 7.貿易品目:(2015年)
(1)輸出:ダイヤモンド、タングステン
(2)輸入:原油
8.貿易相手国(2015年)
(1)輸出:ベルギー インド ボツワナ (2)輸入:米国
9.経済概況:
北西準州の主要経済である天然資源産業は、従来金の採掘が中
心であったが、現在はダイヤモンドが中心産業となっており、ボツワ
ナ、ロシアに次いで世界で3番目の生産額を占める。準州内では金
の他レアメタルの探索も行われているが、インフラ整備が整っていな
いため、一般企業の進出は難しい状況。
観光業、特に米国人ハンターを相手にしたシロクマ等のスポーツハ
ンティングは、その土地に精通するイヌイットがガイドに携わるため、
冬季の副収入として大きな役割を果たしている。また、オーロラツア
ーが人気で、日本からもイエローナイフを中心に1万2千人(2013
年)が訪れるが、バンクーバーからの直行便が廃止されたことから、
バンクーバーからの直行便の再開が望まれている。
ビューフォート海沿岸イヌヴィクよりAB州エドモントン近郊までのマ
ッケンジー・ガス・パイプライン計画(パイプライン及びガス開発)が、
インペリアル・オイル社等により計画されており、連邦政府の承認も
得ているが、北米内のシェールガス開発の影響により停滞している。
在カルガリー総領事館
平成28年7月
10.投資環境:
北米でますます需要が高まっている天然ガスを中心に天然資
源産業においては税制優遇措置をとり、更なる企業の進出及
び投資の流入を図っている。ダイヤモンドについては同州にお
ける産出量が世界全体の産出量の15%近くを占めている。準州
内においてはダイアモンドの他、金などの貴金属、亜鉛などの
卑金属、ウラニウム等の探査が行われている。また観光業にお
いては冬季のオーロラツアーを柱にして、日本人を中心に世界
中から観光客の増大を目指している。
日本との関係
1.全般:
オーロラ観光を中心に日本では認知度が高い。オーロラ目的
の邦人観光客と資源探査などの関係者が同準州を訪れている
。
2.要人往来:
北西準州より 2005年7月 ハンドレー首相
2015年1月 マクロード首相
3.経済関係
(1)概要及び日本への期待:
北西準州の州都でもあるイエローナイフはオーロラの名所とし
て日本で知られており、冬季を中心に多くの邦人観光客がオー
ロラ観光を目当てに訪れている。 ビューフォート海沿岸におけ
るメタンハイドレートの生産に関する技術協力として、JOGME
Cとカナダ天然資源省が主体となって陸上産出試験を行い、メ
タンガスを生産することに成功しているほか、2010年5月より
ボーフォート海でシェブロン社が石油開発プロジェクトを開始。
(2)対日貿易額
(a) 輸出: 0.3万加ドル(2015年)
(b) 輸入: なし(2015年)
(3)主要品目(2015年)
(a) 輸出:機械部品
(b) 輸入:実績なし
(4)日系企業の進出状況:(2015年現在)
4拠点(旅行会社等)
4.文化・広報関係:
オーロラ観光を中心に1万4千人(2013年)の邦人観光客が
訪れるほか、ワーキングホリデーを利用して冬季を中心に観光
業に携わる邦人もいる。
2004年11月、日加75周年記念行事がイエローナイフで開
催された。
5.在留邦人数:(2015年10月現在※在留届ベース)
81人 (男性33人、女性48人)
6.姉妹都市関係:なし