年度経営計画 - 岩手県信用保証協会

年度経営計画
平成 25 年度
岩手県信用保証協会
1.経営方針
(1)業務環境
1) 岩手県の景気動向
県内の景気は、震災復旧工事を中心とした公共投資、震災に伴う建替え需要や沿岸部でのアパート需要等に伴う住宅投資等の
建設投資が活発化している。また、製造業生産は、海外経済の影響により輸出関連業種を中心に大幅に減少していたが下げ止ま
りの傾向にあるほか、個人消費も、百貨店売上、スーパー売上が順調に推移しているなど、全体的に回復を続けている。
今後、日本経済全体もマイナス要因が底打ちとなり、県内経済の足かせ要因がなくなるとともに、引き続き建設業を中心とし
た復旧復興需要も期待できることから、県内経済は昨年以上に一段と回復を続けていくものと思われる。
2) 中小企業を取巻く環境
県内の景気は、回復基調が続いている中、中小企業金融円滑化法等の効果により倒産が低水準で推移しているが、債務の返済
緩和をしながら経営改善を行っている企業も多い。今後復旧復興需要、政府による経済対策により更に景気が回復していけば、
経営改善に繋がっていくことが期待される。一方、中小企業は経営資源に乏しいなどといった構造的な問題を抱えており、今後
も楽観できる状況ではない。
また、中小企業金融円滑化法が終了しても、金融機関の対応には基本的に変化はないとされているが、終了後の資金繰りに不
安を感じている中小企業も少なくはない。
(2)業務運営方針
このような環境のなか、中期事業計画(平成24年度∼平成26年度)に基づき、保証業務=企業支援との認識のもと、中小企
業の経営姿勢を重視し、経営者の人柄・熱意、計画、事業への愛着等を十分に理解し、経営者の悩みを聴いて行う総合的支援「ホ
スピタリティ」の実践により「岩手方式・岩手ブランド」の確立に引き続き取組む。
また、震災後3年目となり、県においては復興の加速化に取組むこととしているところであり、当協会としても引き続き被災中
小企業者、事業再開した企業の経営安定の支援に重点的に取組む。さらに、中小企業金融円滑化法が終了となり、経営に不安を抱
いている中小企業者に対しては、相談窓口の設置や中小企業経営力強化の各種支援策に基づき迅速な経営支援及び「いわて企業支
援ネットワーク」等により関係機関と連携を図りながら親身な対応に努める。
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2-1.重点課題【保証部門】
(1)現状認識
東日本大震災発生から2年が経過し、沿岸地域で被災した企業の8割以上は、事業を継続もしくは再開しているが、被害が甚大
であった地域については、復興計画の進捗が遅れ気味であることから、依然として本格的な事業再開まで至っていない企業がかな
りの数にのぼる現状にある。
今後、仮設の店舗・工場等で事業を再開している中小企業者の本設移行に向けた動きが出てくると予想される中で、本格的な再
建に係る資金の相談に対し、親身かつ積極的に対応していくことが必要である。
また、中小企業金融円滑化法終了に伴い、既に支払緩和等を講じた中小企業者への継続的な状況把握、経営相談、指導といった
支援行動が今までにも増して重要となり、コンサルティング機能を発揮した企業支援が一層求められる。
さらに、県内の中小企業者数は引き続き減少傾向にあり、それに伴って保証利用企業者数も減少していることから、当協会の地
域での貢献度を向上させる上においても、保証利用企業者数の増加を図ることが重要となっている。
(2)具体的な課題
1) 東日本大震災により被災した中小企業者の復旧・復興支援
2) コンサルティング型業務運営によるサービス機能の充実
① 経営支援・再生支援の整備・強化の取組み
② 保証制度の多様化と政策保証の推進の取組み
③ 保証利用企業者増加の取組み
(3)課題解決のための方策
1) 東日本大震災により被災した中小企業者の復旧・復興支援
被災中小企業者に対しては、積極的に企業訪問を行い、企業経営者と直に向き合うことで、個々の企業の実情やニーズを把
握して、条件変更や新規資金等の必要な支援を行う。
また、二重債務問題を抱えている中小企業者については、引き続き岩手県産業復興相談センター及び東日本大震災事業者再
生支援機構と連携して、債権買い取り要請に対し迅速かつ適正に応じることで事業継続を支援する。
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① 債権買い取りに応じた中小企業者については、適時適切にアフターフォローを行って業況を把握し、必要に応じて追加支援
を検討する。
② 仮設の店舗・工場等で営業している中小企業者については、本設に移行する際に必要となる設備資金等の相談に応じ、事業
計画や資金計画を十分に把握した上で、金融機関と連携して迅速かつ適切に対応する。
③ 被災地域の中小企業者については、引き続き、企業訪問により現状を把握し、要望を聴き取って、既存借入金の条件変更や
新たな資金の相談に応じ、東日本大震災復興緊急保証等の中小企業者にとって最も効果的かつ有利な保証制度(借換保証
含む)により支援する。
2)コンサルティング型業務運営によるサービス機能の充実
① 経営支援・再生支援の整備・強化の取組み
中小企業者に対する支援は、企業訪問等により情報を収集し、その情報を分析して最適な支援を行い、支援後はアフター
フォローを行うという流れから成る「企業支援スキーム」を基本とし、必要に応じて経営支援保証(企業支援スキームによ
る支援に基づいた保証)を行う。
なお、企業訪問や現状分析の際は、経営者の現状認識をサポートするため、MSS(経営診断システム)による財務診断
データを提供し、経営改善や問題解決のための助言を行う。
再生が必要な企業については、金融機関の支援チームや中小企業再生支援協議会等の支援機関と密接に連携しながら再生
支援に取組む。
支援企業の抽出に当っては、支援カテゴリー【A.創業支援、B.経営支援、C.再生支援(求償権消滅保証等支援を含む)、
D.延滞企業支援】を定めてリストアップし、該当企業に対しては、上記支援スキーム(企業訪問等∼情報収集、分析、相談
∼具体的支援∼アフターフォロー)により、個々の企業の実情に応じた事業継続性を高める支援活動を積極的に行う。各カ
テゴリーで保証支援した企業には、保証後1年以内に企業訪問を実施し継続的に決算書の提出を受けて、企業格付と改善計
画の検討を行って適切な支援を行う。
ア. 支援カテゴリーにより抽出した企業に対しては、ライフサイクルに応じた継続的な支援を行う。
イ. 企業診断のニーズがある中小企業者については、協会職員による簡易診断を行うほか、中小企業診断士協会からの診
断士の派遣(当協会の費用補助あり。)やその他国の事業を活用した専門家派遣による支援を積極的に行うとともに、
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専門家による支援の際は協会職員も帯同してスキルアップに努める。
ウ. 中小企業金融円滑化法終了後においても、経営改善計画策定が今後の金融支援のために不可欠な企業が多く存在する
ことを踏まえ、経営改善計画を自力で策定できない中小企業者については、当協会職員がその策定のサポートを行う
ほか、中小企業診断士協会からの診断士派遣を紹介する等、外部専門家と協働して支援する。
エ. 大口保証先や支援カテゴリーBの経営支援先の中からリストアップを行い、概ね3∼4ヶ月に1度のペースで当該企
業を訪問し、売上状況等の業況を把握するとともに、経営者の相談に応じる。
オ. リスケ等の金融支援が必要な先で、取引金融機関が複数ある等一定の調整が必要な場合には、
「いわて企業支援ネット
ワーク」の枠組みである経営サポート会議(バンクミーティング)を開催して迅速な対応に努める。
② 保証制度の多様化と政策保証の推進の取組み
お客様懇話会、お客様アンケート、企業訪問及び金融機関訪問等により中小企業者(顧客)のニーズを捉え各種保証制度
及び政策保証を推進する。
中小企業者の借入金のコストの軽減を図ることができる保証制度として、県、市町村の保証料補給・利子補給付きの保証
制度や低利、固定金利の保証制度等をホームページ等で情報を発信する。
ア. 東日本大震災の被災中小企業者に対しては、東日本大震災復興緊急保証、経営安定関連保証等の政策保証を推進する。
イ. 経営改善が必要な中小企業者に対しては、「経営革新等支援機関(※)」の認定を受けた機関と連携して、経営力強化
保証を推進するとともに、同保証等を活用して複数の借入債務を一本化し返済負担を軽減する借換保証を推進する。
※「経営革新等認定支援機関」とは、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された地域金融機関、税理士、弁護士
等をいう。
ウ. 創業企業や創業5年未満の中小企業者に対しては、商工団体等の支援機関と連携して創業塾・相談会の場で創業関連
保証等の説明を行うとともに、信用保証制度について情報提供を行い、新規顧客としての取り込みを図る。
③ 保証利用企業者増加の取組み
保証利用企業者数は、信用保証協会の地域における存在価値を示す一つの尺度であり、より多くの企業が保証を利用して
発展していただくことを目指すためにも保証利用企業者数の増加に取組む。
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そのため、企業訪問による保証協会の PR をはじめ、メディアの活用、関係団体の会合等への出席、ダイレクトメール等に
よる保証協会のPRを行うほか、保証促進キャンペーンに取組む。
ア. 中小企業者へのダイレクトメール(保証のお知らせ、保証制度案内等)により、保証制度や金融支援・経営支援機関
としての情報を発信し、新規の保証利用者の増加を図るとともに、保証再利用の働きかけに取組む。
イ. 保証促進キャンペーンの成果目標を保証担当部署別に設定し、新規の保証利用企業者の増加に取組む。また、勉強会
を通して金融機関担当者の保証付融資の推進ノウハウの共有及び営業店との信頼関係の構築に取組む。
ウ. 完全完済者及び完全完済予定者の情報提供、日々の完済リスト及び「顧客別保証債務残高明細データ」の活用等によ
り、保証の再利用を働きかける行動を徹底する。
エ. 協会の業務内容について広く中小企業者に理解してもらうために、マスメディア、ホームページをより一層活用する。
また、関係団体の会合、金融機関・商工団体等関係団体主催の会合で協会業務、保証制度等を紹介できる各種パンフ
レットを作成する。
2-2.重点課題【期中管理部門】
(1)現状認識
平成 24 年度の代位弁済は、東日本大震災の被災企業に対して、政策保証を中心に積極的に金融支援を行ったことや中小企業
金融円滑化法に基づき条件変更に柔軟に対応したこと等により、二重債務解消のための債権買い取りに伴う不等価譲渡にかかる
代位弁済を除くと比較的低い水準で推移したが、平成 25 年度にあっては、支払緩和により改善に取組んできた企業のなかに一
部息切れする企業が出てくることが予想されるほか、震災被害から立ち直って事業を再開したものの取引先の減少等により業績
が回復しないこと等により、事業継続を断念する企業が出てくることも懸念されるため、早期に問題把握し、支援する必要があ
る。
(2)具体的な課題
1) 期中管理の充実・強化の取組み
① 大口保証先、延滞先等への早期対応
② いわて企業支援ネットワーク「経営サポート会議」の積極的活用
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③ 金融機関との連携による実態把握及び早期対応
④ 保証債務残高査定分類の活用
(3)課題解決のための方策
1) 期中管理の充実・強化の取組み
① 保証利用者の決算書(法人企業)を定期的に徴求して企業格付を行い、特に、企業格付が一定のランクに下がった大口保証
先(概ね 6 千万円以上)や延滞が発生している先については、企業訪問等により、企業の実態及び抱えている問題を把握
して早期に対応する。
② 「いわて企業支援ネットワーク」の枠組みである経営サポート会議(バンクミーティング)を積極的に活用し、事故報告を
受けた事業継続中の先やリスケ等の金融支援が必要な先に対して金融機関と連携して迅速に対応する。
③ 代位弁済必至の中小企業者で事業を継続している先については、代位弁済前の交渉に管理課の回収担当者を同席させ、代位
弁済後の弁済についての相談に応じる。
④ 保証付融資の償還は行われているものの、保証料が 3 ヶ月以上未納となっている中小企業者については、金融機関と連携
して、速やかに企業訪問等により企業内容の実態を把握し、保証料の徴収を図るとともに、必要な金融上の措置を検討す
る。
⑤ 直近の決算書の格付に基づき、保証債務残高のリスク分析行による「保証債務残高査定分類」を行い、業種別及び部署別の
分析情報を活用して適正な管理を行う。
2−3.重点課題【回収部門】
(1)現状認識
第三者保証人非徴求で無担保の求償権及び自己破産等法的整理が行われた求償権が累増している。また、沿岸地域にあっては、
東日本大震災から2年を経過したが、いまだ復興の足取りが鈍く、本格的な事業再開に至っていない企業や住居・雇用といった
生活基盤を失ったままの関係人が散見される。
このような環境下にあるため、連帯保証人からの回収や担保物件処分からの回収は年々減少の一途をたどっている。
従って、今後も公正で継続的かつ安定的な回収を図っていく上では、より一層、関係人等とこまめに接触して相手の気持ちを
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感じとり、そこから回収の可能性を捉えていく必要がある。
(2)具体的な課題
1) 定例入金先数の増加等の促進
2) 担保物件処分の促進
3) 求償権管理の効率化、適正化の促進
4) 期中管理担当部署との連携
5) 人材の育成
6) 保証協会サービサーの活用強化
(3)課題解決のための方策
1) 定例入金先数の増加等回収の促進
① 弁済に非協力的であった関係人に対しては、面談交渉を粘り強く行いながら、法的手続きを活用して入金に結びつけ、弁
済してきた関係人で困難な状況になった場合には、相手方の現状に耳を傾けながら継続的に弁済するよう励まし、場合に
よっては一括入金による保証人免除や損害金の減免による完済提案を行う。
② 高齢者や年金が唯一の収入源である連帯保証人については、保証人免除を前提とした一括入金交渉を提案する。
また、返済を継続して残債務が小額になっている求償権については、損害金減免を前提とした一括入金を提案する。
③ 入金が途切れている関係人に対しては、面談や電話交渉等を随時行って生活実態を把握し、必要に応じて法的手続きをも
って回収先の維持、増加を図る。
④ 求償権入金の利便性の向上を図るため、「コンビニを活用した収納システム」の導入について引き続き検討し、可否を決
定する。
2) 担保物件処分の促進
新規の有担保求償権及び債務者が担保提供している既存の有担保求償権で今後完済まで相当期間を要し、かつ、関係人と
の間で担保処分交渉に進展が見られない場合は、法的手続きを検討する。
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3) 求償権管理の効率化、適正化の促進
① 弁護士等の専門職を活用して相続人調査を速やかに行い、相続人に対する督促を強化する。
② 将来にわたって回収が見込まれず管理の実益がない求償権については、計画的に管理事務停止及び求償権整理の手続を促
進し、回収が見込まれる求償権へ集中的に取組む。
③ 求償権時効一覧リストに基づき、時効到来1年前を目途に請求等をもって中断措置を講じる。
4) 期中管理担当部署との連携
代位弁済必至の案件については、代位弁済前に期中管理担当部署と一体になって定例入金交渉等を行い代位弁済後のスムー
ズな回収に繋げる。
5) 人材の育成
役職者との帯同訪問等を通じて回収可能性を捉えた発掘力や交渉相手により硬軟取り混ぜた交渉力等を向上させる。
また、各種資格の取得、OJTや顧問弁護士等による勉強会(年 1∼2 回)を開催し、回収の知識やノウハウを共有する。
6) 保証協会サービサーの活用強化
① サービサーをより積極的に活用して回収の合理化と最大化を図るため、委託基準の見直しを行う。
② サービサーと連携を密にして一体となって回収促進に努めるため、個別案件にかかる回収方針の協議や回収実績の確認等
を随時行う。
2-4.重点課題【その他間接部門】
(1)現状認識
毎年実施のお客様アンケートを見ると、
「審査期間が長い」、
「協会に経営相談をしようと思わない」との回答が一部にあり、
約 10%の協会利用者が協会のことをよく知らない状況であることから、業務の効率化を絶えず考え、正しく情報発信を行う
必要がある。加えて、中小企業者の理解者として最大限の支援をするとともに、地域金融機関とのネットワークの中心とな
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って中小企業者の支援をすることも求められている。
こうした期待に応えるために、中小企業者の抱える様々な悩みを解決でき、地域金融機関とのネットワークを円滑に構築
することができる質の高い職員を育て、職員の能力が最大限発揮できるような組織風土、職場環境をつくっていく必要があ
る。
また、公的機関として公共性の高い使命と社会的信頼を維持するため、コンプライアンスを業務運営の基本として社会的
規範、倫理、社会通念、各種法令及び内部規程を遵守し、職場内研修等でコンプライアンス意識の啓蒙を継続的に行い、コ
ンプライアンス態勢を強化していく必要がある。さらに、反社会的勢力の介入を許さず、業務の適切性及び健全性を図るた
め、引き続き断固たる態度で反社会的勢力との関係を遮断し排除していく取り組みを推進してことが不可欠である。
なお、個人情報については、適正な個人情報保護を図るため、全部署で点検計画を策定し、定期的に点検するとともに、
監査を実施して適正な管理を行う必要がある。
(2)具体的な課題
1) 業務プロセス改善によるスピードアップと利便性の向上、広報活動の充実
2) 時代の変化を捉えて対応する組織風土づくり
3) コンプライアンス態勢の維持・強化
4) 個人情報管理の徹底
(3)課題解決のための方策
1)業務プロセス改善によるスピードアップと利便性の向上、広報活動の充実
① 職員提案制度等を活用し、引き続き業務改善に取組む。
② 協会の業務を正しく理解してもらえるよう、ラジオ、広報誌(保証月報)等を通じた広報の充実を図る。
③ 保証、期中管理、求償権管理、総務等の先進の協会を視察又は他業態(金融機関、地公体)の組織と情報交換し、業務運
営の改善について検討する。
2)時代の変化を捉え対応する組織風土づくり
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① 協会業務に必要な連合会研修の信用調査検定及び公的資格の取得者を複数名以上養成するとともに、研修への積極的な参
加を促し、職員のレベルアップを図る。
② 経営計画の策定等に多くの職員を参画して取組む。
③ 職員の満足度調査を実施・分析して職員満足度(ES)の向上に取組む。
④ 産業医との連携による健康診断後のフォロー、研修会の実施等を行ないながら、さらなる職員の健康増進に努める。
⑤ 各部署が主体性をもって業務執行できる予算配分を検討する。
⑥ 業務の効率化などを踏まえた組織体制を検討する。
3)コンプライアンス態勢の維持・強化
① 平成 25 年度コンプライアンス・プログラムに基づき、定期的にコンプライアンス委員会やコンプライアンス担当者会議
を開催するとともに、機会あるごとにコンプライアンスの啓蒙を行ない、コンプライアンス態勢の維持・強化を図る。
② 日常モニタリング活動シートやコンプライアンス・チェックシートを利用して、コンプライアンスの浸透等の把握を行な
うとともに、コンプライアンス統括部署が各職員と個別面談を行ない、問題等の発見に努める。
③ マナーチェックシートを利用して職員のマナーの向上を図るとともに、問題等の発見に努める。
④ コンプライアンスを内容とした階層別の研修会や部署ごとの職場内研修を開催するとともに、コンプライアンスニュース
を発行して知識の向上を図る。
⑤ 「反社会的勢力との対応マニュアル」に基づく反社会的勢力との対応の訓練を実施して、介入を許さず、不法・不当要求
に毅然と対応する態勢を構築する。
4)個人情報管理の徹底
① 個人データ管理規程等に基づき、個人データ取扱点検計画を各部署で策定し、定期的に点検を行なう。
② 各部署から個人データ取扱点検報告書により管理状況を把握するとともに、各部署の検査時において実態を確認し、必要
に応じて改善を指導する。
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3.事業計画
岩手県信用保証協会
(単位 :百万円、%)
金 額
対前年度
計画比
対前年度
実績見込比
積算の根拠(考え方)
諾
105,000
96.3%
105.4%
保 証 債 務 残 高
293,000
99.3%
101.0%
保
証
承
保 証 債 務 平均 残高
289,000
99.0%
99.8%
代
位
弁
済
8,000
100.0%
136.9%
実
際
回
収
2,370
112.2%
105.2%
求
償
権
残
高
1,755
102.5%
252.3%
<保証承諾>
東日本大震災復興緊急保証等による積極的な資金供給が一巡したこ
ともあり、厳しい状況にある。
しかし、沿岸被災地域においては、復興は遅れているものの、一部
に仮設から本設の店舗・工場等に移行する動きが出てきており、ま
た、沿岸、内陸部とも、ニューマネー含みの借換保証や景気回復に伴
う前向きな資金の需要が期待できるため、全体としては、前年度の実
績を上回るものと見込む。
<保証債務残高>
セーフティネット保証、東日本大震災復興緊急保証等の政策保証により増加
した反動で減少傾向にあるが、依然として被災地の復旧・復興資金に
はニーズがあるほか、ニューマネー含みの借換保証等により、残高の歩留まり
が改善し、減少に歯止めがかかって、前年度をやや上回るものと見込
む。
<代位弁済>
すでに返済条件緩和している企業の中から一部息切れする企業が出
てくることが予想されるほか、震災被害から立ち直った企業の中にも
業績が回復しない先も多いことから、不等価譲渡に係る代位弁済も含
め前年度を大きく上回るものと見込む。
<実際回収>
無担保求償権先の定例入金化の促進や有担保求償権の売却促進に重
点的に取り組むことで、前年度をやや上回ると見込む。また、債権買
取りは前年度並みになると見込む。
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4.収支計画
岩手県信用保証協会
(単位:百万円、%)
金 額
経常収入
保証料
運用資産収入
責任共有負担金
その他
経常支出
業務費
借入金利息
信用保険料
責任共有負担金納付金
雑支出
経常収支差額
経常外収入
償却求償権回収金
責任準備金戻入
求償権償却準備金戻入
求償権補てん金戻入
その他
経常外支出
求償権償却
責任準備金繰入
求償権償却準備金繰入
その他
経常外収支差額
制度改革促進基金取崩額
収支差額変動準備金取崩額
当
期
収
支
差
額
収支差額変動準備金繰入額
基
金
準
備
金
繰
入
額
基
金
準
備
金
取
崩
額
基
金
取
崩
額
3,296
2,550
387
150
209
2,181
865
1
1,300
0
16
1,115
6,778
221
1,770
179
4,608
0
7,422
5,161
1,796
420
45
△644
150
−
620
310
310
−
−
対前年度
計画比
98.1
100.0
114.5
68.2
82.9
95.3
99.1
−
97.0
─
94.1
104.0
97.7
135.3
98.4
208.6
94.3
−
97.1
95.1
99.0
115.1
128.6
─
75.0
−
109.4
109.5
109.3
−
−
対前年度
実績見込比
98.7
100.0
102.9
69.4
105.0
97.4
101.9
50.0
100.0
─
53.3
101.1
123.9
105.5
97.2
227.1
137.0
−
127.1
133.9
101.5
234.7
128.6
─
100.0
−
70.0
70.0
70.0
−
−
保証債務
平残比
1.14
0.88
0.13
0.05
0.07
0.75
0.30
0.00
0.45
─
0.01
0.39
2.35
0.08
0.61
0.06
1.59
−
2.57
1.79
0.62
0.15
0.02
△0.22
0.05
−
0.21
0.11
0.11
−
−
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積算の根拠(考え方)
・ 「保証料」については、県制度の東日本大震災復興資
金保証の利用が中心となることを想定し算出した。
・ 「運用資産収入」については、現在の運用資産状況に
県資金預託による運用益を考慮し算出した。
・ 「責任共有負担金」については、24年度上期確定額に
平均残高見込みに代位弁済実績を乗じて算出した。
・ 「業務費」については、予想される人件費、物件費を
個別に積算して算出した。
・ 「信用保険料」については、保証料と同様に県制度の
利用が中心となること等を勘案し算出した。
・ 「責任共有負担金納付金」については、今年度の「責
任共有負担金」受領見込み額に対し平均填補率、支払
い保険料等を考慮し算出した結果発生はしない。
・ 「償却求償権回収金」については、償却求償権の質が
劣化しているため、回収が順調であった前年度を若干
下回るものとして算出した。
・ 「責任準備金戻入」及び「求償権償却準備金戻入」に
ついては、前年度見込み「責任準備金繰入」及び「求
償権償却準備金繰入」と同額とした。
・ 「求償権補てん金戻入」については、保険金受領見込
み額、損失補償金の振替額分を考慮し算出した。
・ 「求償権償却」については、代位弁済計画額及び求償
権回収計画額により算出した。
・ 「責任準備金繰入」については、期末保証債務残高見
込み、所定期限経過債務見込み額に定められた割合を
乗じて算出した。
・ 「求償権償却準備金繰入」については、代位弁済計画
額及び求償権回収計画額を基に所定の割合を乗じて算
出した。
以上により、制度改革促進基金150百万円を取崩し、
当期収支差額を620百万円と見込んだ。
5.財務計画
岩手県信用保証協会
(単位:百万円、%)
対前年度
計画比
金額
対前年度
計画比
金額
0
−
−
0
−
−
0
−
−
0
−
−
0
−
−
基金準備金繰入
310
109.3
基金準備金取崩
0
−
−
基 金
9,507
100.0
100.0
基金準備金
9,750
105.6
103.3
9,237,000,000 #########
19,257
102.7
101.6
18,744,000,000 #########
年金
度融
中機
出関
え等
ん負
金担
・金
県
市
町
村
金 融 機 関 等
合
計
基 金 取 崩
期
末
基
本
財
産
(単位:百万円、%)
対前年度
実績見込比
合 計
70.2
160
145.5
100.0
160
145.5
100.0
1,251
114.4
101.1
1,100
122.2
101.2
138
76.2
97.9
損失補償補填金
5
166.7
166.7
事務補助金
(保証料補給分を除く)
0
−
−
借入金運用益
8
80.0
113.9
国からの財政援助
基金補助金
地方公共団体からの財政援助
保証料補給
(「保証料」計上分)
保証料補給
(「事務補助金」計上分)
343
342,867,936
制度改革促進基金造成
160
145.5
100.0
110,000,000
111,204,000
制度改革促進基金取崩
150
75.0
100.0
200,000,000
107,599,963
制度改革促進基金期末残高
363
144.6
102.8
251,000,000
346,471,973
収支差額変動準備金繰入
310
109.5
70.0
283,000,000
443,000,000
収支差額変動準備金取崩
0
−
−
4,419
113.1
107.5
収支差額変動準備金期末残高
対前年度
実績見込比
0
3,906,000,000
- 13 -
0
#########
積算の根拠(考え方)
・ 基本財産の造成
平成18年度より、県・市町村の出
捐金及び金融機関の負担金の要請
を見合わせしており、基本財産は
収支差額による自己造成に努め
る。
・ 国からの財政援助は、前年実績と
ほぼ同額と見込んだ。
・ 地方公共団体からの財政援助
保証料補給(「保証料」計上分)
は、前年度の実績見込み数値を基
に増加分を加え算出した。
・ 保証料補給(「事務補助金」計上
分)は、預託方式による運用益以
外の部分を見込んだ。
・ 損失補償補てん金は、代位弁済計
画に基づき算出した。
・ 借入金運用益は、借入金の増加見
込みと預金金利の見込みを基に算
出した。
6.経営諸比率
岩手県信用保証協会
(単位:%)
項 目
算 式
対前年度計画比
増減
比率
対前年度
実績見込比増減
0.88
0.01
0.00
0.13
0.01
0.00
経費【業務費+雑支出】/保証債務平均残高
0.30
0.00
0.00
(人件費率)
人件費/保証債務平均残高
0.19
0.00
0.01
(物件費率)
物件費【経費−人件費】/保証債務平均残高
0.12
0.00
0.00
0.45
△ 0.01
0.00
10.31
0.83
△0.40
4.71
△ 0.02
0.18
49.37
△ 1.36
0.71
6.93
△ 0.72
4.32
2.77
0.03
0.75
26.57
12.27
△8.62
保証平均料率
保証料収入/保証債務平均残高
運用資産収入の保証債務平残に対する割合 運用資産収入/保証債務平均残高
経費率
信用保険料の保証債務平残に対する割合 信用保険料/保証債務平均残高
支払準備資産保有率
固定比率
(流動資産−借入金)/保証債務残高
事業用不動産/基本財産
基金の基本財産に占める割合
基金/基本財産
求償権による基本財産固定率
(求償権残高−求償権償却準備金)/基本財産
1,755
基本財産実際倍率
代位弁済率
回収率
15.22
保証債務残高/基本財産
代位弁済額(元利計)/保証債務平均残高
回収(元本)/(期首求償権+期中代位弁済(元利計))
(注)1.基本財産とは、決算処理後のものとする。
2.基本財産固定率欄の下段には、計算根拠となる各年度末ごとの求償権残高の実数(単位:百万円)を記入する。
- 14 -