川崎亜利沙 - 千代田区立日比谷図書文化館

アート情報コーナー
Information Art corner
創造(アート・文学―ひとー)をテーマとした、図書フロア3階 ブルーゾーンの一角に位置したコーナー。
一般書架と仕切られており、半個室のような奥行きのある空間が図書館と違った雰囲気を演出すること
か可能。元が書架スペースという条件を利用し、来館者に作品を間近に鑑賞してもらうこともできる。
公共機関でありながら、今後もワールドワイドに活躍するアーティストの作品発表の場としての機能を持ち、
特定地域・伝統芸術など様々なジャンルの作品を紹介してゆくコーナー。
第1回(2011.11-2012.1) 「白夜の国からハニカミを~フィンランドの子どもとポストカード展」
現在日比谷図書文化館図書フロアスタッフでフィンランド在住経験のある、元フィンランド大使館スタッフ川﨑亜利沙に
よる企画展。
同企画は、開館記念展示として駐日フィンランド大使館、フィンランド政府観光局、日本北欧短編映画祭のみゆき野映画祭と
いう日本における北欧主要機関の後援のもと行われた。
’フィンランド人ははにかむように笑う’ということを発見した川﨑氏が、はにかんでいる子どもたちの写真を「女の子」、「夏の女の子」、
「男の子」、「赤ちゃん」、「雪」、「クリスマス」のテーマごとに書架を利用して棚の構成しているほか、幼稚園の子どもたちが首都から一時
間の町から電車に乗り買い物へ出かけるというフィンランド版はじめてのおつかいをどこか
髣髴させる「日帰りヘルシンキの旅」や金髪で青い目の女の子たちの着物姿、はたまた日本語を知らない小学生の子どもたちが書道に
挑戦し自分の好きな言葉を書くという授業、フィンランドを代表するキャラクター・ムーミンと戯れる子どもたち、小さなうしろ姿など、見る
だけで微笑ましくなってしまう写真は、川﨑氏が 2008 年からフィンランド Lahti の小学校・幼稚園の子どもたちと過ごした一年間で撮り
溜めた写真で、本来シャイで人見知りなフィンランドの子どもたちからあの笑顔を引き出せたのは、時間をかけて作られた信頼関係がある
からこそのものだと氏はコメントする。
あたたかな雰囲気の中、森と湖の国フィンランドの香りを楽しめると好評の同展は、2006 年より北欧に渡り 2007 年より北欧映画配
給会社を設立したスノーコレクティブ橋本晴子氏からは、『こんなにフィンランドの空気を伝えることに成功した展示は初めて見ました。こ
の笑顔の展示は、なにか未来に希望をいだかせてくれるような展示です。』というコメントのほか、記念ノートには来館者から『常設にして
ください』、『フィンランドに旅行に行った思い出が甦ってきて懐かしくなりました』など温かいたくさんの書き込みが寄せられた。
展示期間内の 12 月に合わせて、日比谷カレッジという館内イベントと連動し『HIBIYA×FINLAND×X'mas! ~日比谷で楽しむフィンラ
ンドのクリスマス 2011~』も企画された。3 回に分けて『旅のコラージュ・フィンランドのクリスマスとライフスタイル』(旅行講座) 『メリク
リ・ミミクリ ~耳で楽しむフィンランドのクリスマス~』(フィンランド作家絵本読み聞かせ) 『クリスマス映画会 ~激しいまでに美しい少
女の物語 Reindeer Princess(トナカイ姫)』が行われ、毎週土曜日には総勢200名の北欧・フィンランドファンが来館した。