新しい長期熟成酒「ZUZU」の製造と販売 ‐自社の特許技術を有効活用‐

 新しい長期熟成酒「ZUZU」の製造と販売
‐自社の特許技術を有効活用‐
東弘電機株式会社
代表取締役社長 須藤朗孝
青森県弘前市大字神田2丁目7‐5
昭和 33 年 9 月創業
資本金(35 百万円)
管・電気工事業
直近年度売上高 250 百万円(18 年度)
社員数 16 人
http://www.toukoudenki.com
1.事業着手のきっかけ
10 数年前から当社では冷蔵研究施設に贈答品の酒を保管してきた。数年間保存していた
日本酒を開封したところ、古酒にみられる黄色味がかつた変色はなく、長期保存で出る臭
みもない、まろやかな酒になっていた。専門家からは、リンゴ貯蔵用の冷蔵庫が温度や湿
度管理などに細かく対応できることが理由ではないかとのアドバイスを得て取り組みを始
めた。
冷蔵貯蔵技術を転用・改良した方法だと、長期熟成酒は短期間で、量産できる。それで
試験的につくつた「熟成酒」を、いろいろな人に試飲してもらったところ、予想以上の好
評を得たことにより事業化に踏み切ることにした。
[写真1]
[写真2]
2.事業実施の経緯
平成 16 年青森県土木部の新分野進出セミナ-に参加して新事業の必要性を感じた。そこで
当社にしかない特許技術「りんごを貯蔵する技術」を活用して新事業に取り組むことにし
た。まずこの事業にかかせない提携先である地元酒造メ-カ-「六花酒造」に提携を申し入れ
承諾をえる。
平成 17 年 1 月中小企業経営革新法に係る経営革新計画を承認され本格的に事業実施の準
備に入る。
平成 17 年 8 月酒類販売業免許取得。平成 17 年度青森県中小企業経営革新支援事業費補
助金交付決定により本格的研究開発施設建設=写真 1、2=。11 月製品用酒類貯蔵熟成開始。
平成 17 年 9 月「地域における中小・中堅建設業の新分野進出モデル構築支援事業」に採
択される。
平成 18 年 8 月青森県新産業創出研究開発事業補助金交付決定。製品ネ-ミング、ラベル
の選定をする。平成 18 年 12 月熟成焼酎「ZUZU」販売開始。平成 19 年 1 月通信販売免
許取得。平成 19 年 7 月熟成日本酒「ZUZU」発売開始。=写真 3=
[写真3]
3.工夫・苦労した点
(1)専門家
熟成酒の製造と販売は全くの新分野であつたことから、酒造メ-カ-、県の試験研究機関等
の専門家のアドバイスを受けながら事業を進めた。特に酒の販売は酒税法の適用を受ける
ので、酒税官OBを顧問にして事業をすすめた。酒税官OBのアドバイスは大変効果があ
り、免許申請から取得まで非常にスム-ズにいった。法律などの許認可が絡むものは、その
道に詳しい専門家の必要性を痛感した。
(2)商品価値
当初は、一般的に販売されている熟成酒(色が濃く、アルコ-ル度数も高い)との違いを
強調したいとのこちらの思惑で、試飲会や県の補助金活用のためのプレゼンでは常温で出
していたが、違いがわかっても、おいしいと感じてもらえなかった。現在では、冷やして
あるいはロックで飲むほうがおいしいということで、ラベルには冷温保湿熟成という表現
でPRしている。その商品の付加価値はお客様が決めることがわかった。
(3)ネ-ミンク・ラベル
プロポ-ザル方式をとって地元と東京のデザイナ-よりネ-ミング、ラベルを募集した。
現在はビジュアルによる第一印象が商品イメ-ジと話題性を提供する。またアピ-ル度がネミングによりかなり決まる。
4.販売先
・自社店舗。飲食店。
・インタ-ネット直販。ダイレクトメ-ルカタログ販売業者。WEBサイト販売
・産地直売所。アンテナショップ。物産協会
5.差別化のポイント
・さわやかな味わいと香り
・二日酔いのしにくい体に優しい健康的な酒
・熟成感
・特殊技術による貯蔵方法
6.投資額及び必要資金の調達方法
・研究貯蔵施設約 700 万。2/3は補助金
・ネ-ミング、ラベルデザイン費用約 100 万。1/2は補助金
・商品開発費約 300 万。1/2は補助金
・各種展示会等への出展 100 万 1/2は補助金
・PR用印刷物制作 100 万 1/2は補助金
・酒購入費 中小企業経営革新支援資金特別保証融資制度活用
7.メリットと成果
・新聞各紙 6 社、テレビ 2 社、ラジオ局 1 社、雑誌等による事業内容の紹介により当社
のネ-ムバリュ-のアップ
・地元企業との異業種連携による新しいビジネスモデルの構築。
・話題性の提供
8.今後の展開・課題
・量産施設の建設をする。
・卸免許を取得する。
・販路拡大をする。
・新商品開発を継続する。
・ 熟成技術の提供によるビジネスの拡大を図る。
問い合わせ先
会社名 東弘電機株式会社 担当者氏名(役職) 須藤朗孝(代表取締役社長)
所在地 青森県弘前市大字神田2丁目7‐5 電 話 0172‐34‐3865 FAX 0172‐34‐0721
Eメ-ル [email protected]