最終合格者の喜びの声(その1)

第 93 号 2013.10.26(土)
発行
教職教育センター
教員採用試験
続報
「祝・合格」
最終合格者の喜びの声(その1)
The sooner the better!
早ければ早いほどよい !!
合格者の皆々様、教員採用試験合格おめでとうございます。
在学生の1次合格者数がこれまで最高という朗報に次いで、最終合格の連絡が徐々に、続々と
届いています。大阪府の発表(10 月 30 日予定)等全容はまだ判明していませんが、今年度の多く
の最終合格者から合格の喜びの声が寄せられています。学研都市キャンパス、中宮キャンパスと
も、また、在学生や卒業生合わせて多数の合格者があり、現在入手した投稿文を今号から順次掲
載する予定です。読者の皆さんとともに喜びを分かち合いましょう。
教員を志して以来、大学での平素の勉学をはじめ、留学体験、ボランティア活動、クラブ活動、
中高時代の部活動、塾等の講師や様々なアルバイト体験、卒業生は既に赴任した学校現場の講師
など様々な経験を通じて身に付けてきたものがあります。仕込みは早ければ早いほどよいこと、
準備をしてし過ぎることはないことなど幾多の試練を乗り越え、本年の教員採用試験に臨み、見
事に教員採用試験合格を手に入れました。直前の教育実習、採用試験対策勉強はただものではな
かったと推察します。貴重な経験に学び、今後の教員採用試験に向けて、大いに参考にしましょ
う。
また、今年度運悪く良い結果につながらなかった人も、「捲土重来」を信じ、次回に向かって
くじけず果敢にチャレンジしましょう。期待し、祈念しています。
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【合格体験記】
和田
歩 さん
岡山県
中学校
国際言語学部
英語科
合格
国際言語コミュニケーション学科
4 回生
「経験と仲間が最強の武器」
皆さん、こんにちは。私は国際言語学部4回生の和田歩です。今年無事に岡山県中学校で採用して
いただくことができました。私がこうして現役で合格できたのも、授業だけでなく放課後やお盆休み
までご指導くださった教授の皆様、いつも素早く対応してくださった学務課の皆様、様々な体験を伝
承してくださった先輩方やいつも切磋琢磨し合える仲間の支えがあったからです。本当にありがとう
ございました。この場をお借りして、私が教員採用試験を乗り越えるにあたって大切にしてきた 2 つ
のことをお伝えさせていただきたいと思います。
~経験~
私は大学 2 回生の頃に衝撃を受ける授業に出会い、「こんな授業をしたい!」と思い教師を目指す
ことにしました。3 回生からは教職のゼミナールに所属し、多くの先生方の授業見学に行かせていた
だいたり、現役の先生方の研修会に参加させていただいたりすることで目指すべき教師像を追い求め
てきました。ボランティアでは小学校で実際に教壇に立ち、低・中学年の外国語活動の授業をさせて
いただきました。そのほかにもゼミナール活動の一環で道徳の教材作りなども経験しました。寝る間
も惜しんで、少しでも多くのことに挑戦することを目標に突き進んできました。これらの経験から学
べることは多く、大学生活の中で 3 回生は最も中身の濃い一年でした。
教員採用試験の面接ではこれらの経験から学んだことを話しました。そのため、自分にしかない回
答ができた場面も多々あると思っています。抽象的な回答でなく、具体的な回答が大切だと私は考え
ています。そのため経験が多いほど、様々な質問に対応できると感じました。そのため皆さんには早
い段階から様々な経験をし、自分のオリジナリティを見つけていってほしいと思います。
~仲間~
経験を積んできた一方で、私は教職・一般教養、専門である英語の勉強に手を付けることができて
いませんでした。そのことに焦りを感じたのは 4 回生になってからでした。サイスペや夜スペなどの
勉強会に参加させていただき、自分の力のなさを痛感しました。私は昔から毎日コツコツ何かをやる
ということが苦手でした。そのため勉強する時間がないと理由をつけ、後回しにしてきました。
そんな私が 4 回生から心を入れなおすことができたのは、仲間の存在があったからです。隣で勉強
している仲間の姿を見て、
「私もやらないと!」と自然に自分も隣で参考書を開けるようになっていま
した。面接練習では自分にない考えをもった仲間の意見を聞き、参考にさせてもらっていました。仲
間のおかげで毎日勉強する習慣がついたり、様々な角度からの回答ができたりするようになりました。
教員採用試験合格という壁は決して一人では乗り越えることができなかったと思います。仲間は一生
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の宝物です。これから教員採用試験に臨む皆さんにも仲間を大切にしてほしいです。
最後に、私は教員採用試験を通して改めて経験と仲間の大切さに気が付くことができました。それ
は支えてくださった方々のおかげです。これからもこの気持ちを忘れず、精進していきます。そして
次は自分が教師として生徒にもこれらの大切さを伝えていきたいと思います。本当にありがとうござ
いました。これから教員採用試験を受ける皆さん、心から応援しています。頑張ってください。
鈴木 佳奈恵 さん
三重県
国際言語学部
高等学校
英語科
合格
国際言語コミュニケーション学科
4回生
「いいことを考えれば、いいことが起きる!」
そう信じて約一年間、教員採用試験に向けて走り続け、無事に第一志望だった三重県の高等学校で
合格をいただくことができました。私は関西外国語大学に通い始めて、まだ一年半ほどしか経ってい
ません。昨年四月に編入学し、はじめは友達もおらず、採用試験について真剣に考えることもほとん
どありませんでした。
そんな私が合格を掴み取ることができたのは、教職を通じて出会った仲間たち、
そして私たちを支え続けてくれた先生方のおかげだと思っています。今回はこの場を借りて、私なり
に合格に向けてのアドバイスとして 2 点を伝えたいと思います。
1 点目は、昨年合格された先輩方も言っていたように、
「仲間」を作ることです。私の通う学研都市
キャンパスでは、西村先生が「サイスペ」と呼ばれる教員採用試験対策講座を開いてくださっていま
す。そこで同じゴールに向かって努力を惜しまない、最高の仲間たちに出会いました。時には隣で寄
り添って、時には後ろから背中を押してくれたこの仲間たちが私を合格へと導いてくれたと思ってい
ます。
関西外大にはこのような環境が当たり前にあります。しかし実際に試験を受けにいって、自分がと
ても特別な場所にいたことに気づきました。ある自治体を受験した帰り道、
「面接、どうやって練習し
てたの!?」と声をかけられたことがありました。話を聞くとその方は前日に友達と二時間ほど面接
練習をしただけで、面接練習や勉強の場を大学から与えてもらうことはなかったそうです。
「同じ夢を
持つ仲間がいて、それを全力で応援してくれる先生方がいる。」このことが関西外大で教職を学ぶ何よ
りのメリットだと思います。自分の合格は、仲間と支えてくれる先生方がいなければなかったとはっ
きり言えます。これから採用試験を受験される皆さんには、この関西外大にしかない環境を最大限に
活かして、合格を勝ち取ってほしいと思います。
2 点目は、なんといっても「英語力」をつけることです。はじめに私は編入生だということを書か
せてもらいましたが、私は関西外大に来る前、アメリカ・ハワイ州にある短期大学に留学し、約三年
半をハワイで過ごしました。もちろん英語力には自信がありましたし、TOEIC で高いスコアを取る
ことができたので、採用試験も「英語特別選考枠」を利用して受験しました。もっとも三重県では加
点申請のみでしたので、実際の試験での負担が軽くなるというようなことはありませんでしたが、自
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分の強みを活かして合格につなげられたことは確かだと思います。
さて、ここまで読んで、
「この人は三年も留学しているだから自分にはあまり参考にならない」なん
て思っていませんか?私は留学に行くことは、
「きっかけ」だと思っています。大切なのはその「きっ
かけ」から、どう次の行動につなげるかだと思います。私自身、ある時ふと海外ドラマを見ると、以
前の七割程度しか理解できていない自分にとてもショックを受けたことがありました。このままじゃ
いけない!と思い、休みの日にテレビを見ていた時間は洋画やドラマを字幕なしで見る、気になるニ
ュースがあれば英字新聞で読むなど、自分の生活を少しでも英語に囲まれたものに近づけるよう変え
ていきました。100%とは言いませんが、
少しずつ以前の英語力を取戻しつつあるように思います。
また留学に行っていないからといって、英語力がつかないということも決してありません。別の形
できっかけを作ればいいのです。そして自分を英語に囲まれる環境に少しでも近づければ、留学(=
きっかけ)
のみで終わらせてしまった人の何倍も英語力がつくはずです。一度自分の生活を見直して、
どうすれば英語漬けになれるのか考えてみてください。英語教員を目ざす皆さんなので、きっと想像
以上に楽しく、そして自然と英語力がついてくると思います。
「いいことを考えれば、いいことが起きる!」と一番はじめに書かせてもらいました。サイスペで
西村先生にいただいた言葉です。シンプルですが、教員採用試験を合格で締めくくることのできた自
分を支えてくれた、大切な言葉です。試験に向けて勉強をしていると、どうしようもなく心配になっ
たり周りと比べてしまったり、不安に感じたこともありました。そんなとき「いいことを考えれば、
いいことが起きる!」と思うと、必ず「いいこと」が起こりました。そして「合格」という最高の形
で、この教員採用試験を締めくくることができました。常に前向きに努力を惜しまず、先生方の助け
もお借りしながら、仲間と共に一つの目標に向かって力を合わせれば、合格は目の前だと思います。
私も来年からは教員一年生。やっとスタートラインに立てたと思っています。共にがんばって、関西
外大の教員の輪を広げていきましょう。
遠藤
宗 さん 洛南高等学校・同附属中学校 英語科 合格
国際言語学部
国際言語コミュニケーション学科
4回生
「教師力=英語力×人間力」
本当はタイトルを「いつやるか?今でしょ!」にしたかったのですが、ふざけていると思われても
嫌なのでやめました。林先生の数ある名言の中でこのようなものがあります。「時間が足りなかった
のではない。時間が足りるように解く訓練が足りなかったんだよね。」我々、外大生も同じような経
験をしませんでしたか。例えば、
「今回の TOEIC 難しくなかった?Part7 最後まで解けなくて、とり
あえず C にマークした。
」「あぁ!私も!!」など。
そもそも、なぜこの言葉を選んだのかと言いますと、今年教員採用試験を初受験した先輩や今年受
験したけれど不合格の人の中に「やっぱり教採って 1 回では受からんよな~。とりあえず講師でもし
ながらもう一年勉強して来年頑張ろ~」という人がいたのです。
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もちろん、何かしらの事情でベストを尽くせなかった人もいたとは思います。しかし、受験日は毎
年決まっているわけです。バイトのシフトのように都合よく変えてはくれません。
「何を偉そうに言っ
ているんだ!」とお叱りを受けそうですが、これが実態です!
本題に入るまでに長々と書きましたが、ここからがアドバイスの始まりです。その前に教員を目ざ
して頑張っている後輩の皆さんに質問です。「現在、あなたは何回生ですか?」
この質問の意味はもうお分かりですよね。1回生であれば残された時間はあと3年、2回生なら2
年、3回生なら1年。いや、厳密に言えばもう1年を切っています。
“でも、絶対大丈夫!!だって、あなたは羅針盤を読んで先生や先輩からアドバイスをもらって、
それを参考にしてこれからも頑張ろうという意欲のある学生だから!!”
大変長らくお待たせいたしました。これより私が教員採用試験のためにやってきたこと、また試験
を終えてこれをしておけばよかったな…と後悔していること等を2つ書きます。
① 「英語力」をつける
「何を今さら当たり前のことを言っているんだ!」と思った人。あなたはもう十分英語力があるので
はないでしょうか。私は先輩にこのようなスコアを目標にしろと言われました。
中学校志望:TOEIC 730 点/TOEFL 550 点/英検準 1 級
高等学校志望:TOEIC 860 点/TOEFL 600 点/英検 1 級
上記のスコアを見て、「よし!これを目標にやってやるぞ!」と思った人
いいね!
それとは逆に「うぅ。無理だ・・・」と思った人、特に高等学校志望者。あきらめないで!
このスコアはあくまで一個人の意見です。本当に求められているスコアはこちらです。
「英語が使える日本人」の育成のための行動計画
検索
② プロ意識を持つ
昨年、海外教職英語研修でオーストラリアに行ってきました。その直前に「今の意気込みを聞かせ
てください。」ということで羅針盤 83 号(平成 24 年 7 月 21 日)に少し書かせていただきました。そ
こで私は生意気にもこんなことを書いていました。
「教師とは字のごとく教えの師、つまり教えることの expert でなければいけない。その意味を私は、
教え方が上手いだけではなく、何を教えることができるのかであると考えます。」(一部抜粋)
この何を教えることができるのかに着目してみましょう。英語教師なので英語を教えることはもち
ろんです。しかし、それ“だけ”を教えるのであれば教師の代わりはたくさんいるのではないでしょ
うか。そこで大切になってくるのが「人間力」というものです。
教師は一日の大半を生徒とともに過ごします。それゆえに、良くも悪くも彼らの様々な一面が見え
てきます。例えば、トイレに行ったときに脱ぎ散らかされていたスリッパを揃えているところを見た
り、通勤・通学電車がたまたま同じで、その時に足の不自由な人に席を譲る様子を目にしたり、悪い
例であれば、遅刻しそうだったので信号無視をするなど。
これらのことは教師目線で生徒の行動を判断していましたが、それと同じことを生徒は教師にして
います。「先生ができていないのに、僕たちに注意しないでよ。」こんなことを言われたらどうします
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か。絶対、今後授業なんて聞いてもらえないですよ・・・。
では、どうしたらいいでしょう。そうです。この羅針盤を読み終えたらすぐにプロ意識を持って行
動してください。常に生徒に見られていると思って生活してください。授業中私語していませんか。
教室の後ろに座ってパ○ド○していませんか。図書館を睡眠場所にしていませんか。
「あ!ヤベェ!!」
と思った人、「じゃあ、いつやるか?」「今です!!」
いかがでしたか、私の合格体験記。この内容が少しでもお役に立てれば光栄です。おわりに、私を
現役合格に導いてくれた“仲間”の紹介をさせていただきます。最後になりましたが、お忙しいとこ
ろ私の合格体験記を読んで下さいましてありがとうございました。
・教職課程(協同出版)
・過去問[教職・一般教養] (協同出版)
・過去問[専門教養
(教職課程~教職教養の演習問題)
の 7 冊は公立試験対策
英語科] (協同出版)
・過去問[論作文・面接] (協同出版)
残りの 3 冊は私立試験対策
・教員養成セミナー(時事通信社)
・教職教養の要点理解(時事通信社)
・教職教養の演習問題(時事通信社)
・ドラゴン・イングリッシュ必修英単語 1000(講談社)
・ドラゴン・イングリッシュ解いて覚える必修英単語 500(講談社)
・ドラゴン・イングリッシュ基本英文 100(講談社)
植村 茉以子 さん 香川県 小学校、香川県 中学校英語科 合格
国際言語学部
国際言語コミュニケーション学科
4回生
「夢は見るものではなく、叶えるもの」
皆さん、こんにちは。植村茉以子と申します。香川県教員採用試験を受験し、小学校、中学校とも
に合格をいただきました。合格発表から約 1 ヶ月が経ちますが、まだ実感が湧きません。
私は、小学校教員免許を取得するために、3 回生の春から大阪信愛女学院短期大学に通い始めまし
た。しかし、本当に自分に W スクールできるのか自信がなく、とても悩みました。関西外国語大学へ
の進路が決まるまでは、小学校の先生になることが夢だったこともあり、やはり自分の夢を叶えたい
と思い、頑張ることを決意しました。
3 回生になってからは、大学の授業、ゼミナール、信愛の授業と、本当に慌ただしい毎日を過ごし
ていました。周りが必死になって勉強している中、いつまでもやる気になれないことに焦りを感じる
半面、「現役合格じゃなくてもいい」
「講師からのスタートでもいい」と思う自分もいました。
しかし、東京アカデミーやサイスぺ、夜スぺに参加し、仲間が頑張っているところを見て、私も頑
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張らないとという気持ちになりました。本気で勉強をするようになると、
「やっぱり現役で合格したい」
と思うようにもなりました。
私が現役合格できたのは、2 つの理由があると思います。
1 つ目は、周りの支えがあったからです。私の夢を応援し続けてくれた家族がいました。採用試験
に向けて一緒に頑張れる仲間がいました。行き詰ったときは話を聞いてくれる友達がいました。勉強
や面接、模擬授業を最後まで見てくださった先生方がいました。支えてくださった周りの人たちには
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そんな人たちに恩返しができるのは、現役合格しかないと思い
ました。
2 つ目は、自分の気持ちです。勉強をしていると、どうしても不安になったり、やる気になれなか
ったりすることがあります。そんなときは、一度休んでもいいと思います。その後に、切り替えてま
た頑張れば大丈夫です。本気で教師になりたいという気持ちがあれば、必ず最後まで頑張ることがで
きます。
夢は見るものではなく、叶えるものです。これから採用試験に向かって頑張ろうとしているみなさ
ん、自分の気持ちを大切に進んでいってください。
私も来年からが本当のスタートです。みなさんに負けないように、進み続けたいと思います。
小野 裕継 さん
岐阜県
中学校
国際言語学部
英語科
合格
国際言語コミュニケーション学科
4回生
皆さんこんにちは。4回生の小野裕継です。来年度から岐阜県の中学校で教鞭を執ることとなりま
した。これから教育を通じて地元に恩返しができると思うと、非常に嬉しい気持ちでいっぱいです。
これまでサポートしてくださった先生方や先輩方、そしてずっと一緒に勉強してきた仲間たちには本
当に感謝しています。この場をお借りしてお礼申し上げます。
さて、堅い話はこのくらいにして、本題に入りましょう。羅針盤の依頼を受けてから、どんなこと
を書こうかと考えていました。いろいろ考えたのですが、私が教採に向けて勉強するにあたって心が
けていたことを3つ紹介します。
1.「朝」を活用する。
私が本気で教採に向けた勉強を始めたのは、昨年の10月の終わり頃です。その頃から約1年間必
死で勉強してきたのですが、同時にバイトもしていました。特に5月まではバイトをかけもちしてい
て、週4回以上の勤務がほとんどでした。そんな状況の中で、普通にしていたら勉強の時間を確保で
きません。授業が終わってからバイトに行くと、もう疲れ果てて帰ってきます。いくらやる気があっ
ても、そこから勉強する気にはなれませんよね。そこで考えたのが、朝の時間を有効活用することで
す。朝は5時頃に起きて、しょっちゅう近所のファストフード店に通いました。そこで朝食をとりな
がら、学校の図書館が開く時間まで勉強するのです。もちろん、行かない朝は家でやります。朝の3
時間は本当に有意義で、私はこの積み重ねで勉強時間を十分に確保できました。
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また、朝のよいところは、時間確保の面だけではありません。脳は寝ている間に1日の情報を整理
します。朝は脳がクリアな状態ですから、非常に集中して勉強に取り組めますし、知識も入りやすく
なっています。加えて、睡眠のゴールデンタイムは22時から2時といわれています。眠い目をこす
りながら夜中に勉強するよりも、早寝早起きで脳にしっかりと休息を与え、よりよいコンディション
で勉強できるほうがいいと思いませんか?
私は、試験勉強が終わった今なお、基本的に夜更かしはしません。今日みたいに締め切りに追われ
ながら、日付が変わってもパソコンを叩いている時もたまにはありますが、ほとんど朝型の生活を続
けています。そして、これから教師になっても、朝型の生活を続けていこうと考えています。
2.人目に晒す。
皆さんは、自分の部屋にいて1人で勉強に集中できますか?私はあまり集中できません。以前、
私が大好きな作家の朝井リョウさんが、
「僕、人目がないとすぐにサボるんで、本当に」と、情熱的な
人気テレビ番組で言っていました。
私も全くその通りで、1人で勉強しているとサボってしまいます。
ムダに部屋の掃除をしだしたり、ホコリをかぶっているようなマンガに手が伸びたり。それが1巻だ
った時はもう終わりです。決して勉強したくないわけではないんです。特に試験に関しては意地でも
受かりたいし、筆記も面接も誰にも負けたくないという思いは常に持っていました。ただ、なんか変
な誘惑に負けちゃうんですよね。
そこで私は、勉強するために部屋を出ました。1番通ったのは図書館です。ただ、時間的な制約が
あったり、日曜日は閉まっていたりするので、近所のファストフード店やカフェなどにもよく通いま
した。とにかく人目に晒される環境に飛び込んでいくことで、自分の逃げ道をなくしました。そうい
った場所にはあまり誘惑はありませんし、周りの目も気になります。また、わざわざここまで来てい
るのだから、有意義に過ごそうという思いも生まれます。特にカフェでは、コーヒー1杯に高いお金
払っていますので。そういう環境の中で、私はとても充実した勉強をすることができたと実感してい
ます。
3.仲間を作る
さて、これまでいろいろと書いてきたことは、あくまでも参考程度にどうぞって感じです。けれど
も、これから書くことは絶対に実践してもらいたいことです。それは仲間を作ることです。昨年の羅
針盤にも、仲間を作ることの重要性を書いていらっしゃる先輩がたくさんいました。
よく「受験は団体戦」という言葉を聞きますよね。
「団体戦?んなわけないやん」と思う人もいるか
もしれませんが、教採こそまさに「団体戦」です。仲間と協力することで、合格にグッと近づけると
思います。
ここでは、仲間と勉強していたメリットを2つ紹介します。
①情報共有をする。
教採を受けるにあたって必要なことは、情報を得ることです。都道府県によって試験の形態は様々
ですし、教育関連のニュースも数多くあります。それを1人で調べることはとても難しいです。仲間
と常に情報を交換しあうことで、私は教採や教育に関する情報を多く手に入れました。
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②対抗心を燃やす。
私がこれまで勉強を続けられたのは、教師になりたいという強い思いに加えて、仲間に負けたくな
いという思いがあったからです。私の周りには、私をしっかりと指摘してくれる仲間がいます。記憶
が曖昧な時や、手を抜いている時、しっかりと注意してくれます。それはとても嬉しいことです。と
はいえ、言われっぱなしじゃ気が済みません。某有名銀行マンの言葉を借りれば、常に「倍返し」を
企んでいました。いつも言い返してやろう、アイツには負けたくないと思いながら、知識を増やした
り、1人で面接練習をしたりもしました。仲間への対抗心が常に私を勉強へと駆り立て、最終的には
合格に繋がったことは間違いありません。
最後になりますが、教採は私にとって最高に楽しい思い出です。この1年間、教採に全力を捧げて
きて本当に良かったです。これから教師を目ざすみなさん、ぜひ全力で、楽しんで勉強してください。
そして、最高の思い出にしてください。今から合格のことや、教師になってからのことを考えるだけ
でも、なんだかワクワクしてきませんか?
北山 永梨 さん
三重県
中学校
英語科
合格
外国語学部
英米語学科
4回生
「夢の教師へ」
今年の三重県の教員採用試験に合格させてもらいました。
近年、採用試験において英検や TOEIC、TOEFL の資格で各都道府県の条件を満たすと1次試験が
免除になったり、加点されるなどの利点があります。私もそれに挑戦しようと今年の3月に行われた
TOEIC を受験しました。参考書を何冊か買い、自分の一番苦手なセクションを中心に毎日勉強しま
した。一冊をやり終えても、問題を覚えるくらい何度も何度も同じ参考書で特訓しました。しかし、
実際の試験では目標が達成できませんでした。そこで一度挫折してしまいましたが、そんな暇はない
と思い、気持ちを切り替えて、採用試験の勉強を再開しました。
まずは自分の受験する自治体の過去問を分析し、よく出題されている単元などを訓練していきまし
た。息抜きの時間は、洋楽や洋画を鑑賞し、休憩中も英語に触れていられるように工夫しました。洋
画を見るときは、初めは日本語字幕ありで、話の内容などを把握し、2 回目は英語の字幕で見て、な
るべく意味を理解していきながら、音と字幕の文字が一致するのを意識して見ました。わからない単
語が出てきたら、その都度映画を止めて、意味を調べて理解します。そして 3 回目は字幕なしで、デ
ィクテーションやシャドウイングをしながら見ると、楽しみながら英語力がつくのでおすすめです。
初めは難しいので、3 回ではなく何度も練習すると本当にリスニング力がつきます。
2次試験対策としては、面接を実施している自治体がほとんどなので、自分の言いたいことや考え
をまとめて言えるように、特に伝えたいポイントをはっきりさせることを意識しました。先生方も授
業でよくされているのですが、新聞記事を読んで、感想や自分の意見を考えることも絶対に力がつく
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と思います。私は、一人暮らしで新聞をとっていなかったので、インターネットの記事を読んだり、
テレビのニュースなどを見て、自分の考えをまとめられるようにしました。
また、三重県は模擬授業があったのですが、これは本当に練習する度に力がつき、よりよいものが
できていくので、誰かに見てもらって何度も練習することが重要だと思います。大きな声ではっきり
言うことや、笑顔を意識して練習しました。
くじけてしまいそうになったときは、教育実習でもらった生徒たちからの色紙を見て乗り越えまし
た。今回合格できたのは本当に先生方の熱心なご指導のおかげだと痛感しています。本当にありがと
うございました。これからも学び続けることを忘れずに懸命にやっていきたいと思います。ありがと
うございました。
蓮井 良之 さん
香川県
中学校
英語科
合格
外国語学部
英米語学科
4回生
「採用試験を終えて」
こんにちは。外国語学部 4 回生の蓮井良之と申します。「英語の先生になりたい」と心に決めて、
この大学に入りました。今年、香川県の教員採用試験を受験し、無事合格することができたのも、い
つも親身になってご指導くださった先生方のおかげです。本当にありがとうございました。これから
教員採用試験を受験しようと考えている人の力に、少しでもなれればと思い、私が試験を受けて感じ
たことを 2 点述べたいと思います。
1 点目に、「経験」は採用試験において、大きな強みになるということです。「経験を語れる教師」
は、こどもにとって魅力的です。私は、
「語れる経験」をできる限り増やそうと、部活動・留学・ボラ
ンティアなどに積極的に取り組みました。特にボランティアでは、実際に現場に入ることによって、
先生方が子どもとどのように接しているのか、また、生徒の興味・関心をひくためにどのような取り
組みをしているのかを、学ぶことができました。この経験は、面接だけでなく、模擬授業などたくさ
んの場所で生かすことができます。そして何より、元気いっぱいの子どもたちと会うと、頑張る力が
もらえます!留学もボランティアも、短い期間であったとしても「学ぼうとする姿勢」があれば、た
くさんのことを経験することができると思います。課題やバイトで忙しいかもしれませんが、ぜひ時
間を見つけて、
「経験」を求めて行動を起こしてください。
2 点目に、人とのつながりを大切にしてください。これから、試験が近付くにつれて、不安なこと
がたくさん出てくると思います。実際私自身も、何から勉強したら良いのか、どんな試験形式なのか、
分からないことだらけでした。このままではいけないと思い私は、昨年、香川県を合格された先輩と
コンタクトを取り、試験のこと、会場の雰囲気、面接の内容など、詳しく話を聞きました。外大の素
晴らしいところは、縦のつながりが非常に強いところです。合宿には、現職の先生がたくさん来てく
ださったり、試験前には OB・OG の方がたくさん来て面接練習を手伝ってくれます。こんなことは
他大学にはありません。ぜひそういった機会を上手く活用してください。人とのつながりという点に
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おいて何より、私の一番の力になったのは、同じ志を持ち、一緒に勉強した仲間の存在です。問題を
出し合ったり、語呂で言葉を覚えたり、模擬授業をお互いにしあえた仲間がいたからこそ、今がある
と思います。これから出会う人とのつながりを大切にして学校生活を送ってほしいと思います。
最後に、採用試験はあくまでも通過点です。常に未来の子どもを意識して何事にも取り組めばなん
とかなるはずです。立ち止まった時や悩んだ時、もう一度頑張ろうと思えるのは、「教師になりたい」
という気持ちです。私も今の気持ちを忘れず、努力していきます。これからも一緒に、頑張っていき
ましょう。
村上 尚之 さん
兵庫県
高等学校
英語科
合格
外国語学部
英米語学科
4回生
「教員採用試験に向けて」
こんにちは、4年生の村上尚之です。今年、兵庫県教員採用試験を受験し、合格を勝ち取ることが
できました。私は、中学生の時から「絶対兵庫県で高校の先生になったる!」と思い勉強をしてきま
した。合格を勝ち取るまで不安な気持ちがたくさんありましたが、同じ目標を持つ教職の仲間ととも
に頑張れたからこそ今の自分があると思います。そこで、今回はこれから教員採用試験に臨む方々の
ために参考になればいいなと思うことを2点述べたいと思います。
1点目は、
「勉強好き」になることです。将来、子どもたちに英語を教える以上、まず自分が勉強し
なければならない、また学ぶことの楽しさを実感しなければならないと思いました。また、兵庫県は
1次試験が筆記試験しかないため、教職教養・一般教養、そして専門教養に力を入れました。その際、
膨大な量を勉強することになりましたが、それを決して苦痛だとは思わず「知らなかったことがわか
るようになる」という喜びを持って勉強してきました。また、わからないことなどは仲間たちと教え
合いながら勉強してきました。教職・一般教養に関しては、フラッシュカードを作り、いつでもどこ
でも勉強ができるように準備しました。そして、専門教養に関しては Daily Yomiuri の社説を読み続
け、単語などを調べたり考えや内容をまとめるということを徹底しました。勉強をしていく中で得た
知識は自信となり、1次試験では「これだけやってきた」という自信を持って臨むことができました。
筆記が不安やなぁと思う人はこれらを参考にしてくれれば、と思います。
2点目は「目標を持つ」ということです。長期的な目標はもちろん、日々の目標を持つことによっ
て充実した生活を送ることができます。私の場合は、留学に行ったことがなかったので長期的な目標
として、
「留学に行っている仲間に英語を負けないようにする」であったり、日々の目標としては、
「ボ
ランティアでこういうことを取り組む」だとか、
「今日は教育法規を全部覚える」などを目標として立
てていました。教員採用試験が近づくにつれて、不安が大きくなると思いますが、目標を持って取り
組んでほしいと思います。目標があれば、何をしたらいいのか明確になると思います。
最後に、春学期の授業だけでなく、夜スペや夏休みの2次対策でアドバイスをくださった教職の先
生方や先輩方のおかげで合格を勝ち取ることができました。本当にありがとうございました。これか
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らは来年の4月のために自分自身を高めるといったことをしていきますが、これから教員採用試験を
受ける方々のサポートもできたらいいなと思いますのでもし何かあればいつでも相談に乗ります。教
員採用試験まで長い道のりですが、
「絶対教師になる!」という強い気持ちを持って臨んでほしいと思
います。共に頑張りましょう!
清元 翔磨 さん
愛知県
中学校
英語科
外国語学部
合格
スペイン語学科
4回生
「過去は契機、未来に動機」
教員採用試験に向けて、仲間の大切さと気持ちのあり方について皆さんに伝えたいと思います。
1 つ目に仲間の大切さについて書きます。私は 3 年生の春学期まで教職の友達が全然いませんでし
た。TESOL のプログラムに参加した時に素晴らしい仲間に出会い、その後もどんどん仲間の輪が広
がっていきました。誘ってもらった自主ゼミのグループと自らリーダーとなり立ち上げたスペイン語
学科のグループで去年の 11 月から、面接練習や集団討論など、多くの仲間と共に切磋琢磨してきま
した。面接練習や集団討論は 1 人ではできません。筆記の勉強は 1 人でできると思うかもしれません
が、絶対無理です!1 人で筆記勉強を乗り切れる人は鉄人です(笑)必ず、気持ち的に落ち込む時が来ま
す。必死に頑張っている仲間を近くで感じることができるだけで、また頑張れます。呑みに行ったり
BBQ をしたり、気持ち的にリフレッシュできる時間もありました。私は、仲間に感謝しかないです。
仲間がいなければ絶対合格できなかったです。皆さんも最高の仲間を見つけ、互いに高め合ってくだ
さい。
2 つ目に気持ちのあり方について書きます。題名の「過去は契機、未来に動機」の意味を説明した
いと思います。契機とは、きっかけという意味です。人が持っているきっかけとは常に過去にあるも
のです。決して契機を自分の未来に置かないでください。例えば、テストの点数が悪かった時に、
「悔
しいから、次のテスト頑張ろう!!」と思っても次のテストもあまりできないと思います。なぜなら、
テストができなかった悔しさや悲しさは時間が経つにつれて忘れていくものだからです。悔しさや悲
しさは契機にすぎないです。その契機を頑張る動機にして、未来に置いてしまう人が多いと思います。
本来、過去に置いておくべき契機を未来に置いてしまうと、勉強している意味が分からなくなり頑張
ることができません。大事な契機は、大事に過去に置いておいてください。ここで皆さん、自分自身
に問いかけてみてください。なぜ、教師になりたいのか?教師になって何がしたいのか?どんな教師
になりたいのか?この問いの答えが、皆さん一人ひとりの動機です。問いに対して答えがない人は、
まず答えを探すことを動機にしてみてください。動機を皆さんの未来に置いてください。そうすると、
未来(動機)に向かって努力できます。過去(契機)に向かって努力する人はいません。自分と真剣に向き
合い、何をどのように勉強して、どう成長していきたいかを考え、将来をモチベーションにして頑張
ってほしいです。仲間と共に来年の採用試験合格を目ざして頑張ってください。
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三宅 千暁 さん
神戸市
中学校・高等学校
外国語学部
英米語学科
英語科
合格
平成 25 年 3 月
卒業
外国学部英米語学科 24 年度卒業の三宅千暁と申します。現在は神戸市の中学校で1年生の担任と
して、ペアの先生や学年の先生方、そして生徒からたくさんの事を学びながら日々成長し、楽しい毎
日を過ごしています。絶対に神戸の教員になると決めていたので、昨年と今年は神戸市のみを受け、
26 年度の試験に合格することが出来ました。このたび夢が叶い、大変嬉しく思っています。今回は、
私が中学生の頃から大切にしている4k(決断、計画、決行、継続)について話しをします。この中
で出てくる情報が、今後神戸を受ける方の参考になればと思います。
「決断」をしたのは中学校1年生の時でした。お世話になった先生方の姿をみて、教師になる!と
決め、先生方になぜ教師を目ざし、どうやって教師になったのかを聞き、先生の姿を見ていたことを
今でも覚えています。
そのあと、教員になるための「計画」を立てました。高校、大学は専門教養である英語のレベルを
あげることが出来る、葺合高校の国際科、そして関西外大を選びました。また、一人の人間として、
様々な経験を積み、より立派になるためにボランティアに参加しなければならないと考えました。
そして、「決行」に移りました。高校では英語に苦しみましたが語学力をあげることが出来ました。
また大学においては勉学と並行して、神戸市にある「スクールサポーター」という制度に登録し、3,
4回生の間は週に1度中学校に行き、学校の中で子どもたちと接したり、英語の授業にも参加したり
して、教員になるための土台を作る事に励みました。この時に学んだ「生徒の目線に立つこと、教師
がパフォーマーであり続けること」は、教育実習だけでなく、現在の生活の中でも大変役に立ってい
ます。また、大学内の教職のボランティアであるサマーセミナーや、韓国文化理解講座に参加したこ
とは一人の人としての経験値を上げてくれた素晴らしい機会であったと思います。積極的に何かに参
加することをおすすめします!
そして講師として働いている現在でも今までに得たことを踏まえ、さらに学び続けること、つまり
「継続」を大切にしています。今働いている学校は人数も多く、教員も多いです。その中には多様な
先生がいて、一人ひとりが素晴らしいです。こんな先生方のいいところを盗み、成長し続けています。
また、生徒も人なつっこく、感性豊かで、彼らから学ぶこと、助けられることもほんとに多くありま
す。神戸の「人は人によって人になる」という理念を日々感じています。これからも、彼らの近くで
教員として成長できたらなと思います。
今講師として働くことが出来ているのも、本当に大学の時にお世話になり、今でも心配して下さる
網倉先生、岡澤先生をはじめとする教職に関わって下さった先生方のおかげです。まだまだ未熟な私
ですが、この4kをずっと大切にして、神戸の教育に役立つことが出来るように努力を続けます。あ
りがとうございました。
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宮畑 明奈 さん
和歌山県
高等学校
外国語学部
英語科
英米語学科
合格
平成 23 年 3 月
卒業
私は大学を卒業後,講師経験を 3 年経て,今年度和歌山県の高等学校の採用試験に合格することが
できました。私の合格体験記が,これから教員を目指し採用試験を受験するみなさんにとって,少し
でも参考になればと願いを込めて記します。
1. 大学時代に努力したこと
私が教職課程を履修し始めたのは,2 回生の頃でした。1 回生の頃は,自分が履修する科目を受講
するだけで,自分が教師を目ざすとは考えてもいませんでした。教職に関心を持つようになったきっ
かけは,先輩や友人に教師を目ざす人がいたことや家庭教師のアルバイトをしていたことでした。
私は,最初から教師になることを目ざして頑張っている人よりも,勉強の面でも,モチベーション
の面でも遅れをとっていたので,まずは教職に関して人一倍勉強すること,いろんな人から話を聞い
たり,情報を集めたりすることから始めました。
教職を履修し始めた頃は,授業の中で,他の学生が積極的な発言をしたり,自分の考えをしっかり
主張したりするたびに,私自身の教育に対する考え方は甘く,教師になりたいという意欲も足りない
と痛感させられました。その度に挫折してしまいそうになりましたが,このままではいけないと教職
教育センターに足を運び,先生方からアドバイスをいただいたり,同じ教師を目指す仲間とお互いの
意見や情報を交換し,教育に対する考えを深めたりすることによって,自分は教師になるのだという
意志を常に持つようにしました。
また,教職はもちろんのこと,すべての履修する講義には遅刻せずに必ず出席し,宿題や課題は期
日までに,小テスト,定期テストは自分が納得いく点数が取れるように,当たり前のことを当たり前
にやりこなすようにしました。
それに加え,スピーキングパートナープログラムに応募し,カナダからの留学生とパートナーとな
り,異文化交流を深めたり,国際交流センターで外国人と英語で会話をしたりするなど,自分の英語
力を向上することにも専念しました。その翌年の 3 回生では,秋学期語学留学でカナダへも留学しま
した。
帰国後は,教職ゼミで教師を目ざす仲間たちからのいい刺激を受けながら,採用試験の面接の練習
や勉強に励みました。
2. 大学時代に努力しておけばよかったこと
今振り返ってみれば,教師を目ざすためにやっておけばよかったと思うことはたくさんあります。
1 つ目は,ボランティア活動です。周囲の教師を目ざす仲間は,積極的にボランティア活動をして
いました。自ら教育現場に足を踏み込み,子どもたちの状況や教育の課題を考えることは,教師を目
ざす上で貴重な体験となり,それが採用試験の面接等での強みになると思います。
2 つ目は,採用試験対策講座を受講することです。私は採用試験に対して,何の対策もしていませ
んでした。大学で行われる対策講座を受講することは,計画的かつ効率的に勉強でき,採用試験を突
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破する近道になると思います。実際,講師として勤めながら採用試験の勉強をすることは極めて困難
でした。
3. これから採用試験を受験するみなさんへのメッセージ
私からみなさんにお伝えしたいことはたくさんありますが,それは試験対策や勉強方法ではありま
せん。
1 つは,人との出会いやつながりを大切にしてほしいということです。私は大学時代,留学資金を
貯めるためにアルバイトに明け暮れていました。その中で,社会性というものを身につけることはで
きたかもしれませんが,大学での交友関係は希薄でした。しかしこんな私にも,今も定期的に連絡を
取り,顔を合わせる友人がいます。それは,スピーキングパートナーとゼミの仲間です。スピーキン
グパートナーであったカナダからの留学生は,縁あって同じ和歌山で ALT として働いていて,定期的
に食事に行ったり,連絡を取り合ったりしています。ゼミの仲間は,みな県外にもかかわらず,年に
1 回は集まり,近況を報告しあいます。彼らもまた教育の現場で活躍しています。大学で出会った仲
間の輪が,それぞれ社会に出てなお広がり,深まりを増していると実感します。みなさんが今持って
いる輪というものを大切にしてもらえたらと思います。
もう 1 つは,自分を信じることです。私は大学を卒業した後,中学校と高等学校で,講師として教
育現場に携わることができました。講師をしながら採用試験を受験し,なかなか合格することができ
ない自分の不甲斐なさに,心が折れそうになることもありましたが,自分が教師になった時の姿を日々
想像しながら,自分を信じて努力してきました。みなさんが今やっていることは,すべて意味のある
ことで無駄なことは一つもありません。自分を信じて頑張ってください。
4. 最後に
いろんな経験をし,失敗と成功を繰り返し,今回,採用試験に合格するという目標を達成しました。
しかし,これは私一人の力ではありません。家族や友人,仲間に支え励まされて,ここまでやってく
ることができました。お世話になったすべての人に感謝をし,これから教師として新たなスタートを
切ろうと思います。
今年も教員採用試験の合格者の喜びの声を聞いて、スゴイと感動しました。皆さん一人ひとりは一
様ではありませんが、共通する点は、計画的に勉強を必死にしていたという事実です。自分の特性を
踏まえ、様々な条件下で、創意工夫を凝らして粘り強く頑張り通したということです。
「絶対先生にな
る」という強い信念を枯らすことなく、貫いたということです。そういう意味で自信に溢れていまし
た。教師になると決めたその時から、幾度と挫折しかけてもぶれずに悪戦苦闘をし、見事にクリアし
たことが結果に繋がったものと思います。
良い仲間を作り、仲間同士でお互いに支え合い、苦楽を共にする中で絆をより深め切磋琢磨して励
んだというメッセージはどの人からも強く伝わっています。また、教員採用試験採用試験に向けて、
ボランティアなど様々な体験を経験し、実感したことが大変役立っていたようです。外大で英語力を
蓄えたこと、外大で勉学したことを誇りにしていることを嬉しく思います。
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東京アカデミーの講習を生かし、外大の夜スペや学研都市キャンパスの方々は西村先生の主宰され
たサイスペなど勉強会を積極的に存分に活用し、自分一人では叶わなかったことを素晴らしい仲間に
恵まれ成し遂げたことにあらためて敬意を表しておきます。
決意したその時から、より早く計画を立て、速やかに行動に移し、たゆまずコツコツやり遂げる。
合格した方々のエールを正しく受け止め自分の頑張りの糧にしてください。
(文責
岡澤潤次)
卒業生の先輩からのお便り
中野 優子 さん
三重県
尾鷲市立小学校
教諭
外国語学部英米語学科平成 15 年卒業・大学院英語教育研究科平成 17 年修了
大変お世話になっています。網倉尚武先生、岡澤潤次先生、並松善秋先生、松宮新吾先生方が外大
へ来られて,教職教育センターや教職課程は大変活気づきました。私も大学院にいながら,時間を見
つけて伺い,話を聞かせていただいたり,資料をいただいたりと,勉強させていただきました。枚方
市での講師経験も,当時は必死でしたが,大変貴重な経験となりました。常勤講師中にも,教員採用
試験が近づくと,面接の練習をしていただいたり,試験対策に参加させていただいたりと,親身にな
っていただいたおかげで今があります。私たちを成長させ,いい人材を送ろうとされている先生方の
熱意が今でも伝わってきます。ありがとうございます。
私の履歴
1999年度
関西外国語大学に入学。
2003年度
大学院に進学。
2005年度
大学院修了。大学院時代に,網倉先生,岡澤先生方々に会い,教えていただきました。
2005年度から1年間枚方市立の中学校にて常勤講師。
2006年度から1年間で小学校教員免許2種を取得。常勤講師はできないので,三重県の実家に帰り,
非常勤講師をしていました。
2007年度
三重県津市の中学校英語教員として採用。3年間勤務。
2010年度
タイのバンコク日本人学校へ派遣。中学英語の枠が空いておらず,小学校の免許をもって
いるため,小学校3年生を担当。3年間小学校3年生の担任をしました。
2013年度
帰国し,実家の近くの市に異動。小学校教員として勤務しています。現在は4年生の担任
卒業生からの激励メッセージ
です。以下,私の少ない経験ですが,現在勉強されている方の何かの情報になればと,綴らせていただ
きます。
○
中学校で感じたこと
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枚方では学生生活後すぐ現実を体験した。毎日大変な思いをしたが,そんな中で生徒に人として間違っ
たことは違っていると,必死で気持ちを伝えようとされている現場の先生方の姿を見た。一番最後の修了
式,担当するクラスの教室へ戻ると,生徒が準備し声をそろえて「ありがとう。」と言ってくれた。その
一日の出来事で,また違った角度で生徒や中学校が見え始めた。
三重県では,バスケットボール部の顧問となった。中学校での部活の大切さを感じた。いろんな先生
方の姿を見て勉強することができた。部活において生徒が学ぶことは,スポーツの実技もそうであるが,
一生懸命すること,掃除,挨拶,礼儀,仲間などの大切さも多くあった。部活において,私も生徒も心が
動く場面が多かった。生徒は,心から感じ,経験することによって真剣さが増し,成長していった。学校
生活に関わる基盤を作っているような気がした。
○
小学校で感じたこと
タイに行き,小学校の担任をすることになった。部活や英語の授業で指導するような,今までの私の
やり方では小学3年生には通用しない,ということが分かった。叱るだけではますます児童は混乱し,満
足感も与えない,だめだ,と思った。小学生には褒めることが大切だと感じた。褒め方も今ももっと勉強
しないといけない。本を読んでいいと思ったことはやってみた。例えば,毎朝,朝の会で昨日のあった良
いところを3つ褒める,など。毎日伝えるので,同じ言い方では児童は聞かない。児童の反応を見ると,
伝え方が「いまいち」だったときはすぐ分かる。
また,児童の特性によって,視覚や聴覚に訴えるとよく理解できる児童もいる。そうでなくでも,視
覚教材は有効である。小学生児童は,視覚や経験からより楽しく活動し,その方が記憶にも残った。
授業は中学校よりも小学校のほうが難しかった。丁寧に行わないとなかなか伝わらないからだ。技が
必要だと感じた。
児童と生徒は,どちらも良いところと難しいところがある。どちらがよいかと,今もなかなか決める
ことはできない。
私は英語の授業を今まで勉強してきたし,一番したいことである。小学校で担任し,ALT と組んで英会
話を考え,担当することができればいいなと思う。学校により,カリキュラムを組むことができるので,
そういうチャンスも多々やってくると思うし,在籍する学校で変えていくことも可能だと思う。
○
バンコク日本人学校について
・大規模校。日本人学校は大抵小中合同。各学年ごとにクラス数の差はあるが,私が受けもった3年生は
11クラス。参考に,本年度の小学1年生は,14クラス。年々児童生徒数が増えている。小学部2,
280名,中学部633名,合計
2,913名在籍する。
日本から派遣される人数や企業数が増え,タイや他のアジアなど,安い条件や海外に向けた好機を求
めて海外進出する企業が増えていると感じずにはいられない。
・教員については,文部科学省からの派遣教員(現職教員が半数以下),別の採用枠からの派遣教員(約
半数),ネイティブの英会話やタイ語の教員,水泳コーチなどがいる。
・大半の家庭は日本の会社から派遣されて来泰する。タイの会社に勤務されたり,タイで企業された
りする家庭もある。
日本の会社からの待遇は抜群。また,運転手・あやさんなどを雇っても安い,または会社が支払
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う。母親は仕事をしていない家庭がほとんど。よって時間的にも金銭的にも余裕があり,子どもの
学習などをよくみる。教育への関心が高い。それが学習面・子どもの落ち着きにつながっていると
もいえる。反面,毎日塾やスポーツなどの習い事をして,小学生でも友達と遊ぶ時間がない,また
は少ない。
○
現在の小学校について
・各学年1クラスずつ。私の担当する4年生では,特別支援学級を含め,18名。
社会見学の計画,学年の全教科,行事の計画などを1人で行う。中学校英語科を主に学んできた
私にとって,分からないことばかりであり,膨大な仕事量である。1クラスしかないということで,
他のクラスに合わせなくてもいい。自分が望むことができる機会も多い。
○
バンコク日本人学校と現在の小学校との違い
・言語の違い・・・バンコクの場合,両親の一人がタイの方・外国の方がいる。その場合,日本語が
遅れている。反面,タイ語や英語などの外国語を使いこなすことができ,日本語も分かる。日本の
学校の場合,バンコクに比べ,日本語の力(話す・聞く・読む・語彙量)はあると感じる。
バンコクの町には日本の看板などがないので,日本語や漢字を見る機会が少ない。日本の子ども
に比べ,漢字や言葉などの知識が少ない。
・他言語の授業・・・バンコク日本人学校では,週に2回タイ語と英会話の授業がある(英会話は3
年生より)
。タイ語は,タイの先生が教える。英会話は,2人の ALT(の様な感じ)と1人の中学英
語教員が教える。ペラペラと会話する児童も多い。そこまででなくても,all
English の授業を行
っているが,児童はよく分かっている。日本からの編入生でも1学期間体験し,慣れていく。やは
り子どもの吸収能力はすごい。早く慣れる。
町には,いろんな国の人たちがいて,よく見かける。スポーツの習い事でも他の国の子どもと一
緒に行う。従って,それが普通であるという感覚をもっている。国際的である。
・季節の違い・・・例えば,国語科において,春夏秋冬に関する1~2時間の単元が通常入ってい
る。しかし,タイに長く住む児童にとっては,季節感がなく,生き物や植物・日本の行事などの感
覚が身につかない。例えば,小学3年生で「お年玉はお正月(冬)」というようなことも知らないこ
とが多い。
・学校の規模の違い・・・クラス間の偏りをなくすため,学年で行うこと・教科内容・教室のルール
についてなど,することは全て統一されている。式を行う際の体育館はぎゅうぎゅう詰め。運動場・
プール・体育館などの場所は予約する。前もって計画書を提出し,計画しておかないと動けない。
全て提案書を出す。
・プール・・・タイは海が多く,家族で海へ旅行にいくことも多い。また,一年間を通して水泳の授
業がある(2週間に1回,タイの講師が3人程度いて,児童を泳力別で分けて教えてくれる)。例え
ば,3年生では,39人中25m泳げない児童は,約5人。後はクロール・平泳ぎ・背泳ぎなど背
の届かないところでも泳げる。
・体力の違い・・・バンコクでは,外国ということで危険性を考え,あまり外へ子ども達で行かない。
放課後も親がいないと外で遊べない。コンドミニアム内の広場等で遊ぶ。また,習い事が多く,友
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達と学校後に遊ぶことは少ない。全員バス通学であるため,歩くことも少ない。町もあまり歩かな
い。自転車も乗ることは少ない。
○おまけに・・・タイの他の学校について
・タイのプーケット補習校
両親のどちらかが日本人の家庭の児童・生徒が通う。日本から派遣されて働いているというよりも,
現地で仕事をしている家庭が多い。普段は,地元の学校やインター校へ通い,土日などに補習校へ来
る。よって,日本語が乏しい児童も多い。休み時間における友達同士の会話は,タイ語や英語になっ
てしまうときがある。
日本人学校からも土日などの休暇を利用して年に2,3度教員が派遣される。日本の文化や国語・
算数を中心に教える。
・タイの南部にあるナコンシータマラートの現地校
イスラム教の学校。中学生と高校生の授業をさせていただいた。生徒は寮生活をしている。タイ全
般において言えるが,タイの人は日本が好き,または日本へ行きたいと憧れている。こちらの生徒も
そうであった。素直である。私は,中学1・2年生の女子生徒を対象に,自分の名前を日本語で書き,
しおりを作る授業を行った。(研修授業にて)
羅針盤のご意見・ご感想はこちらまで→→→
[email protected]
編集後記―――教職教育センターより―――
急に寒くなりましたね。秋を感じる間もなく、このまま冬に突入してしまう
のでしょうか。
先日、生まれて初めてホオズキを食べました。色づいた観賞用のものではな
く、食用です。なぜか「魂を吸い取る…」というイメージをもっていたので、
少し緊張気味で食べました。味は、トマトのようなピーマンのようなミカンの
ような、なんともつかみどころのない味でした。漢字では「鬼灯」とも書き、
花言葉は「偽り」だそうです。怪しさは払しょくできそうにありません。
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