発行所: ベーカーズ・ブレーン

発行所:
第70号 2003年11月10日
Ciao ITALIA−ポッタルガ(からすみ)
からすみは、イタリア語でボッタルガ
(Bottarga)
。
地中海沿岸では澄み切った青
空と乾燥した風が、ボッタルガ(Bottarga)
の製造には最適。
古代ギリシャ時代から魚卵
加工は栄養価の高い保存食として珍重され
現在でもシチリア島、
サルデーニャ島などで
多く作られています。
名前の由来はチュニジ
ア・ボッタルゴの地名からのようで、日本で
からすみと言えば出世魚のカラスミボラ※
の卵巣を使用していますが、
地中海沿岸では
マグロ、
スズキなどの卵巣からもからすみが
作られています。※出世魚のボラ(鯔・鰡)
は、海から川に入りだした3cm 以下の幼魚は
ハク、川や池で生活する3∼18cm のものをオ
ボコ、生後1 年を経過した 18∼30cm のものを
イナ、2年∼4年の 30cm 以上の成魚をボラ、
ベーカリー紀行∼「マールツァイト」
「天然酵母」には、ぶどうなど果実由来の
ものや海洋酵母などいろいろあるが、無農薬
の野菜を食べて育った牛の乳から作った「ミ
ルク酵母」
を使用している
“マールツァイト”
(東京・大塚)のものも、南アルプスの天然
水を使用し、じっくりと時間をかけて作られ
ている。見た目はややこぶりだが、手にとる
とずっしりと重い。
茗荷谷の駅から徒歩10
分ほどの店舗は2坪とこぢんまり。
ドイツ系
ハードパンが中心の品揃えでタルトなども
扱っている。プライスカードも手作りでパン
のイラストが書かれており目を引く。
店のご主人いわく「ミルク酵母の開発者が
開催した講習会に何社か参加したが、酵母の
生産に成功したのは当店だけだった。だから
たくさんは作れないがいいものを提供でき
る」と説明してくれた。通常、市販されてい
る牛乳は高温で熱処理をしているため、
たん
ぱく質が牛乳独特の匂いやアレルギーに影
響を及ぼす。だが低温殺菌を行なうとアレル
ギー持ちの人でも食べられるという説明。
使用している牛乳(東毛酪農)は店舗でも
パックとビンで販売されている。
「1杯 100
ベーカーズ・ブレーン
http://www.bakers-brain.com/
本部/〒105−0022
東京都港区海岸2−2−6 YS海岸ビル1103号
E−MAIL [email protected]
発行人: 笹本正男 毎月2回10日・25日発行 (無料)
5年以上の老成魚をトドといい、これが「トドの
つまり」の語源だったと知っていましたか?
また、からすみの名前
の由来は、
天正16 年頃、
秀吉が名護屋(佐賀県)
に宿泊した際、鍋島飛騨
守信正(長崎の代官)が
長崎名産として献上。秀
吉はあまりの美味しさ
に食材の名前を問うた
ヴェネツィア
のですが、信正は、ボラ
の卵巣ではありきたりと考え、
形が似ていた
「唐の墨、からすみ」と答えたそうです。
さて、サルデーニャ島とは、地中海でシチ
リア島に次いで 2 番目に大きな島でナポレ
オンの生まれたコルシカ島(フランス)の南
に位置しティレニア海(東)
、サルデーニャ
海(西)
、地中海(南)
、ボニファチョ海峡(北)
に囲まれ春と冬に数日雨の降ることがある
程度でほとんど晴天が続き、
1 月でも何日間
か夏のような天気になることもある天国の
ような南北に長い長方形の島。
この島のカリ
アリ周辺で作られるインドマグロのからす
みは、
インドマグロをトンナーラと呼ばれる
追い込み漁で捕獲し、
新鮮な卵巣をボラと同
様の方法で木の板の上で天然塩をまぶし、
24 時間。その後余分な塩を取り、重石をし
て4∼5ヶ月。
さらに天日で乾燥させて作り
ますが、
この頃合いを看る技術が経験と勘を
要する職人の技。しかし、インドマグロの卵
巣1袋はボラのそれよりはるかに大きく、
塩
も多めに使用するので容姿の良さを求めら
れる前菜用というよりは、
パスタ料理の味付
けやオリーブオイルと合わせたサラダドレ
ッシングに最適です。
(ベーカーズ・ブレーン代表 笹本正男)
西安のうまいもん(2) ∼砂鍋
西安ではうまいもんをいろいろ食べたが、
「砂鍋」も忘れられない食べ物のひとつだ。
砂鍋とは、1人用の小なべに野菜、豆腐、
魚、
肉など様々な具を入れてぐつぐつ煮込ん
だ辛い料理である。右の写真のように、細い
うどんのような柔らかい麺(めん)が入って
おり、いわば、中国版「なべやきうどん」と
いったところ。ちょっぴり辛いが、アツアツ
でうまい。これは、ぜひオススメである。
円で試飲できますよ」と言われ、コップで頂
くことに。私は普段あまり牛乳を飲まないの
だが、
「これはクセがなく美味しい!」と思
った。ご主人のこだわりをとても感じた。
店舗での販売のほか通信販売もある。
ロー
ルパンは 100 円台から、キヌアやサンフラ
ワーシードを使用したカンパーニュは 200
円台から。また、この時期はシュトーレンも
販売している。
雑誌やパンの本などでも紹介
されており、ミルク酵母を使用しているので
チーズと相性の良いパンとして、チーズの講
習会などにおいても使用されている。
(食生活アドバイザー 関川みゆき)
店頭で調理。
麺をほぐした
後、小鍋に移
して具と一緒
に煮込む。
アツアツ感と
食欲をそそる
独特の香り。
1杯3元なの
で、日本円で
45円程度。
砂鍋をすす
る筆者。寒い
日に屋外で
食べ る 砂鍋
は、格別だ。
(中小企業診断士 松沢裕之)
⇒ 次号は、2003年11月25日頃発行の予定です。
ン
カ
ンタ
タン
ン!
!投
投稿
稿フ
フォ
ォー
ーム
ム
情報交換 投稿はこちらから ⇒ カ
カンタン!投稿フォーム
今回は2名の読者からお便りを頂きました。
ご投稿どうもありがとうございます!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
◎ おいしいお店を教えて!
はじめまして、セルピエのメンバーにはどんな人たちがいるのでし
ょう? たまに意見交換できたらいいですね。 海外ネタはいいので
すが、中国にはまだ行ったことがないのでピンときません。都内に
はたまにしか行けないので、おいしいお店を誰かおしえてください。
ベーカリーに限りません。(パーネパーネさん)
◎ 三不粘(サンプチャン)を知っていますか?
神田錦町にある中華料理店「龍水楼」で出されるデザート、三不粘
(サンプチャン)を知っていますか? 名前の由来は「歯につかない、
箸につかない、皿につかない」。発祥は北京で、今では「同和居館」
など数店でしか出さない珍品。材料は鶏卵、砂糖、ラード、でんぷん
を使って作る、不思議な食感の懐かしい味のデザートです。店主の
箱守不二雄さんは、湯島聖堂にあった中国料理研究会で腕を磨き、
中国料理研究家でグルメでも知られた原三七氏を指南役に伝統的な
中華料理を習い、昭和45年にこのお店を開店しました。コース料理
5000 円にデザートで出ます。その他単品もすべて○でした。電話
03-3292-1001 です。(安全地帯さん)