授業記録「いってみたいな こんなとこ」

第 1 学年図工科授業記録
単元名:「いってみたいな こんなとこ」
授業者:久龍 和巳
授業日:平成 20 年 1 月 31 日 3 校時
発問
児童の反応
準備物
みなさんは,今までどんなところに旅行に行ったことがあ
・ディズニーランド
りますか?
・大山
等
徳島出身の「三宅克己」さんという絵描きさんは,旅が大
好きで,いろんなところに出掛けて絵を描いたんだそうです。
今日は,その人が描いた絵の中に旅に出掛けたいと思います。
(「冬の小川」を黒板に貼る。)
こんなところに旅行に行ったんだそうです。
三宅作品を大
・うわ~,きれい!
きく引き延ば
したもの(3
・木
何が見えますか?
・川
・石?
ここで何をして遊びたいですか?
・青空
・岩?
・土遊び
・草
・雲
・もぐりっこ
・かくれんぼ
・木登り
点)
・土
・探検
・魚釣り
この木に登りた
いです。
(「風景」を黒板に貼る。
)
こんな場所にも行きました。
何が見えますか?
ここで何をしてみたいですか?
・人
・子ども
・傘
・門
・家
・桜
・いす?
・机?
・階段
・お花見
・お弁当が食べたい。
・石
・珍しい家なので家の中を見てみたい。
・桜の花びらで首飾りとかを作りたい。
・木登り
・珍しい景色なので,写真を撮りたい。
・町をいろいろ探検してみたい。
(「伊太利ヴェロナの古橋」を貼る。
)
こんなところにも行きました。
何が見えますか?
・海
・川
・お城
ここで何がしてみたいですか?
・船
・家
・橋の上に人がいる。
・木
・船で探検に行きたい。
・向こうに見えるお城に入ってみたい。
・川遊び
・探検
実は先生,みんなより一足お先に絵の旅に行ってきました。
その時のことを絵日記にかいたので,聞いてください。
教師が描いた
(絵日記を読む。)
絵日記
「今日はイタリアのある町をお散歩しました。その町には石
でできた大きな橋がかかっていました。とてもお天気がよく
て,橋の上から川をのぞくと,キラキラ光ってとてもきれい
でした。すてきな町並みを見ながら歩くと,とても幸せな気
持ちになりました。
」
さあ,先生はどの絵の旅に行ってきたでしょう。
・一番右
正解です。
どうして分かったんですか?
・橋があるって言った。
・川が見えるって言った。
なるほどねえ。よく絵を見たね。
今度は,みんなにも絵の旅をしてきてもらおうと思います。 ・やった~!
旅する場所はまだまだ,いっぱい選べるよ。ほら,こんなと ・すご~い!
ころも。こんなところもあるよ。
(他の 6 点を黒板に貼ってい
く。
)
(他の6点)
まずは,この中から,自分が行ってみたい場所を選んでく
ださい。そして,絵の中を旅してきてください。どんなもの
が見えるかなあ。どんなことをしようかな。思いっきり旅を
楽しんできてください。旅に行ったら,旅の思い出を絵日記
にしてくださいね。
後で,さっき先生がやったみたいに,どこに旅行に行った
絵日記をかく
か当てっこしようと思うので,どこに旅行に行ったかは内緒
にしておいてください。
(鑑賞し,絵日記を書く。
)
↑
↑
それぞれ黙々と絵日記をかく子どもたち
それでは,旅の思い出を発表してもらいます。絵の部分は
まだ見せないでくださいね。聞いている人は,その絵日記は
どこを旅したものか当ててください。
発表者:(日記を読む。
)
回答者:はい,これです。
どうしてそう思ったのですか?
回答者:羊がいると言っていたからです。
発表者:正解です。
次の人お願いします。
(他の6人も同様に行う。
)
用紙
私の絵日記を読みます。
9月 10 日日曜日,はれ。
羊が 9 匹もいました。
・・・
答えはこの絵だと思い
ます。
だって,塔の間に橋がか
かっていて,上にも下に
もあるからです。
正解です!
みなさん,絵の旅はどうでしたか?
・とても楽しかったです。
・本当に旅してみたくなりました。
・三宅克己さんの絵が大好きになりました。
・本物を見てみたい。
〈授業をしてみて〉
・鑑賞シートを使った授業を初めて行いましたが,子どもたちはものすごく食いついてきてきました。「旅に行く」というテ
ーマが子どもたちの興味をかき立てたのだと思います。
・鑑賞の授業は初めてだったのに,子どもたちの発想や感性には驚かされました。絵の向こう側にある階段を感じ取った子,
静止画から風を感じた子,それぞれの感じ方から,お互いに刺激を受けていました。
・絵日記の文は,短時間であれほど長い文が書けるとは思っていませんでした。書きたい思いがあふれ出たのだと思います。
絵の部分は,時間が足りなくて,全部描けない子もいましたが,授業後,自主的に最後まで仕上げていました。
・みんな三宅克己さんの絵が大好きになりました。授業後,鑑賞シートを回収しようと思っていたのですが,どうしても持っ
て帰っておうちでも見たいというので,持って帰らせました。授業で使った,三宅さんの絵を引き延ばしたものは,子ども
たちが教室に掲示して,というので,子どもたちの旅日記と一緒に掲示しました。また,美術館に三宅さんの絵があること
を聞いて,ぜひ行ってみたい,来年の遠足は美術館にして,とせがまれました。授業後,2 か月近く経った後もその気持ち
は変わりませんでした。
・本学級の子どもたちは,もともと発表意欲旺盛で,何でも前向きに取り組む方なのですが,1 年間の数多くの授業の中でも,
この授業がいちばん楽しそうで,活気がありました。1 年生の終わりに,国語科で,心に残った出来事について綴る学習が
あるのですが,様々な楽しい学校行事があったにもかかわらず,この鑑賞の授業について作文を書いている子もいました。
よっぽど楽しかったのだと思います。
・何より教師自身が,授業をしていて本当に楽しかったです。濱口先生,ありがとうございました。