コカ・コーラ 復興支援基金 3年間の報告 - The Coca

コ カ・コ ー ラ 復 興 支 援 基 金
3年 間 の 報 告
目次
02
コカ・コーラ 復興支援基金とは
03
ごあいさつ
04
ハピネスのループとは
06
ハピネスのループ ストーリー/太陽光発電・蓄電設備の設置助成
08
公立小・中学校へのエコ支援事業 太陽光発電・蓄電設備の設置助成
11
ハピネスのループ ストーリー/ヤングアメリカンズ東北ツアー協賛
13
県や市町村のニーズに応じた直接支援 ヤングアメリカンズ東北ツアー協賛
16
ハピネスのループ ストーリー/スクールバスの寄贈
18
県や市町村のニーズに応じた直接支援 スクールバスの寄贈
21
ハピネスのループ ストーリー/米国・英国でのホームステイ研修
23
高校生・中学生対象ホームステイプログラム 米国・英国でのホームステイ研修
27
コ カ・コ ー ラ シ ス テ ム に よ る そ の 他 の 主 な 取 り 組 み
コ カ・コ ー ラ 復 興 支 援 基 金 と は
ザ コカ・コーラ カンパニーは、東日本大震災の被災地の復興支援のため、2011 年 3 月 24 日に「コカ・コーラ 復興支援基金」を公益財
団法人コカ・コーラ教育・環境財団内に設立いたしました。当基金では、財団の理念「心豊かでたくましい人づくり」に基づき、次世
代を担う子どもたちの教育支援をはじめとした、4 つの取り組みを実施してまいりました。
財源は、ザ コカ・コーラ カンパニーが総額 25 億円の復興支援金の中から拠出する資金と、コカ・コーラシステム社員から集めた募金、
2011 年 4 月 1 日から 2012 年 6 月 30 日まで受付させて頂いたみなさまからのご寄付 6,262 万 6,047 円、そして、ビジネスパートナー
のみなさまからのご寄付を併せて活用しました。
なお、みなさまから頂いたご寄付につきましては、全額を活動に遣わせて頂いており、活動の実施にあたっては、被災各地の行政およ
び関係機関の方々との緊密な連携の上で進めております。
2011.3.11 東 日 本 大 震 災 発 生
2012
2013
2014
2011.3.24 「 コ カ・コ ー ラ 復 興 支 援 基 金 」を 設 置
緊急支援
現 金 お よ び 清 涼 飲 料 の 寄 付 / 6億円
太 陽 光 発 電・蓄 電 設 備 の 設 置 助 成
設 置校 55 校 / 15 億 円
ヤ ング アメリ カンズ 東 北 ツ ア ー 協 賛
スクールバ スの 寄 贈
*コ カ ・ コ ー ラ プ レ ゼ ン ツ 1 6 公 演 の 参 加 人 数
寄 贈 数 5 台 / 1.2 億 円
米 国・英 国 で の ホ ー ム ス テ イ 研 修
02
*
参加人数 3,100 人以 上 / 4,000万円
参加人数 257人 / 2.5 億 円
ごあいさつ
公益財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団は、「心豊かでたくましい人づくり(Healthy Active Life)」を理念として 2007 年 6 月に設立
されました。
この年は、コカ・コーラが日本で事業を開始して 50 周年にあたっており、それを契機に既存の財団法人日本コカ・コーラボトラーズ育
英会とコカ・コーラ環境教育財団を統合し、多様な社会貢献活動を一元的に運営・推進できる団体として本公益財団法人をスタートさ
せました。
変遷を経ながらも、設立以来、次世代を担う青少年の育成と彼らを取り巻く地域社会を支える人材の育成を目的として「環境教育」「ス
ポーツ教育」「奨学支援」の 3 つの事業を展開して現在に至っております。
環境教育事業としては、2010 年に宿泊型環境体験施設「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」をオープンいたしました。これまで約
2 万人以上の方々にご利用いただいております。21 年目を迎えた「コカ・コーラ環境教育賞」の応募総数は合計で 1,900 団体以上にお
よんでおり、「大学ネットワーク事業」の大学生と「環境教育賞」受賞団体とが連携し、小・中学校の指導者向けに「環境教育事例集」
を作成するなど環境教育事業の一層の充実に取り組んでおります。
また、2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災津波によって甚大な被害を受けられた岩手県、宮城県、福島県の復興支援のため、ザ
コカ・コーラ カンパニーにより当財団内に「コカ・コーラ 復興支援基金」が設立されました。
国内・海外のコカ・コーラシステムおよび一般からの寄付金をもとに財団の活動理念に基づき、被災した子供たちの生活復興に必要とさ
れる教育施設、教育の機会の提供などの支援活動を行っております。
私ども、コカ・コーラ教育・環境財団は、社会の変化、価値の変化に即応した事業を通じて、これからも国際社会が求める青少年の育
成と彼らを取りまく地域社会を支える人材の育成に貢献してまいりたいと考えております。
公益財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団
理事長
03
ハピネスのループとは
ハ ピ ネ ス は 、い つ の 時 代 も 私 た ち の 変 わ ら ぬ テ ー マ 。
復 興 に 立 ち 上 が る 東 北 に 、少 し ず つ で も ハ ピ ネ ス を 運 ぶ た め 、
こ の 復 興 支 援 活 動 は ス タ ートし ま し た 。
子どもたちと触れ合いながら過ぎた 3 年の月日。
挑 戦 し 、成 長 し て い く そ の 姿 に 大 き な 可 能 性 を 見 い だ し 、
私 た ち は 、自 ら が 行って い る こ と の 意 義 を 確 信 で き まし た 。
と 同 時 に 、明 日 へ 、未 来 へ 向 かって、と も に 進 む 喜 び を 感 じ 、
そ れ は ま た 新 し い 支 援 へ の モ チ ベ ー ション と も なって いった の で す。
笑 顔 を つ くっ た 3 年 間 。
笑 顔 を も らっ た 3 年 間 。
そ して 、こ れ か ら も
ハ ピ ネ ス の ル ープ は 続 い て い き ま す。
04
ご 報 告 し ま す。3 年 間 、私 た ち が 取 り 組 ん で き た こ と。実 現 で き た こ と 。
ザ コカ・コーラ カンパニーが「コカ・コーラ 復興支援基金」を設立したのは 2011 年 3 月 24 日。東日本大震災の被災地の復興支援を行
うために、公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団内に設けられた当基金は、この 3 年間、3 分野で 4 つの事業を展開して次世代を
担う子どもたちの支援を続けてきました。
岩手・宮城・福島の公立小・中学校を対象に、太陽光発電と蓄電設備の設置による復興支
援と、次世代を担う子どもたちへクリーンエネルギーを通じた環境教育の実施を支援。
音楽公演と音楽教育を活動の柱とする米国の非営利団体「ヤングアメリカンズ」のメン
バーと東北 3 県の子どもたちが 、歌とダンスのショーをつくり上げるワークショップ。
岩手県沿岸地域の水産業の復興支援および沿岸被災地の将来を担う青少年の育成支援
を目的に、県内の高等学校 3 校と特別支援学校 2 校へ計 5 台のバスを寄贈。
岩手・宮城・福島の高校生・中学生を対象に 、グローバルな視野を持つ人材の育成および
教育支援の一環として、海外でのホームステイ研修プログラムを提供。
05
ハ ピ ネ ス の ル ー プ ス ト ー リ ー / 太 陽 光 発 電・蓄 電 設 備 の 設 置 助 成
「太陽光発電をきっかけに
みんなが環境について
考えるようになりました」
福島県相馬郡新地町立新地小学校のみなさんの声
支援を
する
被災3県の
公 立 小・中 学 校 へ
エコ支援事業を展開。
「今日は昨日より晴れているから、いっぱい電気をつくっているね」。――先生の説明を熱心に聞く、福島県新地町の新地小学校の子ど
もたち。同校には 2012 年 9 月、太陽光発電が設置され、校内で使う電力の一部をまかなうほか、災害時には蓄電池を使った電源供給
も可能となっています。
公益財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団は、岩手・宮城・福島の公立小・中学校の復旧復興を支援するため、防災対応機能を備えた
太陽光発電・蓄電設備の設置に関する費用の助成事業を 2011 年から 3 期にわたって実施してきました。震災発生時、地震や津波の被
害から逃れて避難した学校で、発電装置が燃料切れになる事例が多くありました。太陽光発電による電力供給に加え、災害時には、蓄
電池を使った電源供給も想定した本助成事業により、被災 3 県で、計 55 校への設置を支援することができました。
06
可能性に
出会える
災害と環境を考え、
明るい夢を抱く
子どもたちへ。
本事業は、発電効果のみならず、教育的な効果も想定して実施しています。例えば、第 1 期に町内 4 校すべてで設置が決まった新地町では、
町ぐるみで環境教育を推進しています。新地小学校の渡邊博之校長は、「子どもたちが太陽光発電の設置を通して再生エネルギーへの
関心を高め、家庭や学校で積極的に節電に取り組む姿に、成長を実感している」と語っています。「太陽光発電を学校の屋根に取り付
けて頂いたことをきっかけに、みんなが環境問題について考えられるようになりました。震災後、エネルギーはますます大切になって
きています。地球の環境を守るために役に立ちたいと思います」という 6 年生の加藤一航くんをはじめ、将来に向けて「ソーラーで動
くロボットを開発したい」「太陽光の力で住みやすい社会をつくりたい」など、明るい夢を語る子どもたちも増えてきました。
共感し
とも に 進 む
地域の環境教育の充実、
防災機能の
さらなる向上に向けて。
さらに、福島県では 2014 年 4 月、緊急時の避難場所に指定されている伊達市立保原小学校に太陽光発電システムが設置されました。
伊達市の鴫原貞男副市長は、次のように述べています。「保原小学校は、伊達市の中でも最も児童数が多く、中核となる小学校です。
地域の活動拠点としての役割があるだけでなく、環境教育に対応した エコスクール であり、災害時の避難所としての機能も備えて
います。今回、再生可能エネルギーである太陽光発電システムが設置されたことで、地球温暖化の防止に貢献できるだけでなく、非常
用電源も確保されます。保原小学校への太陽光発電システムの設置は、まさに復興の象徴となる事業です。今後、市内の小・中学校に
おける環境教育の充実、防災機能の向上にさらに取り組んでいきたいと思います」。
こうした事業支援は、未来を担う子どもたちが希望を取り戻し、地域を復興するエネルギーへと昇華されていく。コカ・コーラは、「公
立小・中学校へのエコ支援事業」をこれからも続けていきます。
07
公 立 小・中 学 校 へ の エ コ 支 援 事 業 太 陽 光 発 電・蓄 電 設 備 の 設 置 助 成
太陽光発電・蓄電設備の設置を通じて、
次代につながる復興支援を実施。
当基金では、支援総額約 25 億円のうち 15 億円を被災した岩手県・宮城県・福島県の公立小・中学校の復興に拠出し、防災対応機能を備
えた太陽光発電および蓄電池の設置に関する費用を助成します。2011 年 9 月 1 日から 2014 年 3 月 31 日にわたり、3 期に分けて総計
55 校の設置を支援することができました。第 1 期は 2011 年 9 月 1 日∼ 9 月 30 日の募集の後、11 校について助成を決定。2012 年 9
月末までにすべての学校で太陽光発電・蓄電設備の設置が完了しました。第 2 期は、2012 年 9 月 1 日∼ 9 月 30 日の募集の後、23 校に
ついて助成を決定。これから順次、太陽光発電・蓄電設備の設置が進められます。
みんなの声
福島県伊達市立保原小学校(当時) 児童代表
旧校舎時代に起きた東日本大震災で黒板や天井が落ちてしまい、3 校に分散して学習したことを今でも忘れられません。しかも、原発
事故のために活動が大きく制限されました。その時、太陽光発電のように、安全でクリーンな、自然エネルギーの大切さを感じました。
今回、多くの方々に元気づけていただき、新校舎で活動できることをとても幸せに感じます。これからも一生懸命頑張って学習してい
きたいと思います。
福島県伊達市立保原小学校校長
佐藤 義仁氏
火力発電では、化石燃料と呼ばれる石油や石炭が大量に使われ、電気だけでなく、環境破壊につながると言われる二酸化炭素も排出さ
れます。太陽の光は、自然が私たちに与えてくれる最高のエネルギーです。それを使うことが、何より自然を大切にすること、未来を
大切にすることにつながります。本校に太陽光発電システムを設置され、保原小学校が自然や未来に優しい学校になったことを、とて
もうれしく思います。
08
太陽光発電・蓄電設備の設置をきっかけに多くの学校で、環境教育を実施するようになりました。
その学習効果についての声をご紹介します。
福島県新地町立新地小学校
太陽光発電システム(見える化システム)を有効に活用しながら、課題を設定し、児童の願いを元にして探究活動を進めることで、太
陽光発電の実勢を知り、今後のエネルギー確保のあり方についても考えることができた。新地町の環境未来都市構想について考える一
つの機会となり、町としての復興の意識を持つことができた。
岩手県九戸郡九戸村立九戸中学校
九戸中学校に設置されているソーラーパネルから、実際にどれくらい発電されているのか、それが自分たちの日常生活の電力消費量と
どれくらいの差があるのか、また CO2 を吸収する森林の役割や、地球温暖化等について、体験的に学習することができる。
宮城県白石市立白石第一小学校
太陽光発電システムを身近な事例として、電気使用量の無駄に気付き、省エネルギーへの意識が高まった。また、太陽光などの自然エ
ネルギーへの興味・関心が喚起され自然環境を大切にしていこうとする自然愛護精神の涵養にもつながった。
市町村別設置校数
九戸村(1校)
洋野町(1校)
久慈市(1校)
野田村(2校)
葛巻町(1校)
田野畑村(2校)
岩手県
矢巾町(1校)岩泉町(1校)
遠野市(1校)
山田町(1校)
大槌町(2校)
釜石市(2校)
宮城県
一関市(1校)
大船渡市(2校)
陸前高田市(4校)
気仙沼市(5校)
加美町(2校)
大郷町(1校)
福島県
会津坂下町(1校)
湯川村(1校)
石巻市(5校)
七ヶ浜町(1校)
東松島市(1校)
蔵王町(2校)
大河原町(1校)
亘理町(1校)
白石市(3校)
伊達市(1校)
新地町(4校)
大玉村(2校)
泉崎村(1校)
09
10
ハピネスのループ ストーリー/ヤングアメリカンズ東北ツアー協賛
「生まれてきた中で、
一番楽しかった!
新しい自分を見つけることができました」
「ヤングアメリカンズ東北ツアー2012」に参加したみなさんの声
支援を
する
東北の子どもたちに、
勇気と自信を。
音 楽 を 通 じ た 教 育 ワ ー ク ショップ を サ ポ ー ト し て い ま す 。
会場いっぱいに、子どもたちの大きな歌声が響きわたる。カラダ全体を使った躍動的なダンス。流れる汗。観客席から自然とわき起こ
る手拍子のリズム――。子どもたちは 2 日間の練習を通じてショーをつくり上げ、そして今、大勢の観客の前で披露しています。約 1
時間のステージを終え、最後に一礼をすると、観客は総立ちになって熱烈な拍手を送ってくれました。「ヤングアメリカンズ東北ツアー」
は、コカ・コーラ 復興支援基金が 2012 年から支援し続けている歌とダンスのワークショップです。これまで、コカ・コーラプレゼンツ
の 16 公演には、3,100 人以上の小・中学生が参加しました。練習では、米国の非営利団体「ヤングアメリカンズ」のメンバーのリードで、
参加者自らが自由に表現し、仲間とショーをつくり上げる素晴らしさを体験します。これが、震災を経験した子どもたちの心を開放し、
明日への勇気を育んでいます。
11
可能性に
出会える
「友だちを愛する気持ちと
私は強いという自信。
そ れ が あ れ ば 、で き な い こ と な ん か な い 」
ツアーの参加者は、東北 3 県の小・中学校に通う、ごくごく普通の子どもたち。最初は踊れなくても、言葉が通じなくても、歌と踊り
に懸命に打ち込むうちに戸惑いは笑顔に変わり、勇気や自信へとつながっていきます。「学校が違う、英語が話せないこととは関係なく、
友だちを愛する気持ちと私は強いという自信があれば、できないことはないことを教えてもらった」( 中学 2 年生 )。「今まで心の中に
閉ざしていた感情を堂々と体で表現することで、自分の中でまたひとつ何かが変わった気がします」( 中学 3 年生 )。「生きること、楽
しむことの大切さをしっかり学べました」( 中学 1 年生 )。子どもたちは、自分の中にポジティブな変化をしっかりと認識しています。
共感し
とも に 進 む
「ヤングアメリカンズを経験してから
教師や保護者も
ポ ジ ティブ に 変 わ り 始 め ま し た 」
「ヤングアメリカンズ東北ツアー」の活動は、子どもたちを支える側の取り組みにも前向きな化学反応を呼び起こしています。いわき
市教育委員会の佐川秀雄次長は語ります。「ヤングアメリカンズが来て、いわき市に新しいウエーブができたと思います。震災後に必
要な復興は、何よりも人づくりと再確認できました。ヤングアメリカンズの受講後、児童・生徒、教師、保護者がポジティブに変わり、
20 ∼ 30 年後のいわき市を支える人材、世界へ羽ばたく人材を育成するきっかけとなるとみています。ヤングアメリカンズを今後の人
材教育・リーダー育成の柱にしていきたい」。
ヤングアメリカンズ東北ツアーは、回を重ねるごとに内容が充実し、参加希望校も増大しています。私たちは、東北 3 県の子どもたち
の心の復興につながる活動に参加できたことを誇りに思い、これからもこうした活動をサポートし続けたいと考えています。
12
県や市町村のニーズに応じた直接支援 ヤングアメリカンズ東北ツアー協賛
米国のキャストとショーを創作する
ワークショップ形式のプログラムを支援。
文部科学省の要請により、NPO 法人じぶん未来クラブが実施する「ヤングアメリカンズ東北ツアー」を支援しています。音楽公演と
音楽教育を活動の柱とする米国の非営利団体「ヤングアメリカンズ」のメンバーと東北の子どもたちが、歌とダンスのショーをつくり
上げるワークショップ形式の本プログラム。メンバーとの触れ合いや自分の想いを表現することを通じて、子どもたちを勇気づけるこ
とを目指しています。2012 年のスタート以来、3 年間にわたる活動は、東北 3 県の復興を教育現場から支援するものとして、次世代
の育成につながる成果を生み出しています。
みんなの声
岩手県大船渡市立猪川小学校 6 年(当時) 千葉 咲夜さん
ヤングアメリカンズとミュージカルをやって感じたことは、
「一期一会」の大切さです。初めて会ったときはペースについていけなかっ
たけど、親切にダンスを教えてもらっているうちにメンバーや参加者とすっかり仲良くなることができ、本番も大成功でした。ヤング
アメリカンズでは、一生のうち、こんな出会いや体験は一度だけだという気持ちで人と接することの大切さを教えてもらいました。
岩手県大船渡市立猪川小学校 6 年(当時) 金野 岳さん
最初は外国人と話し合ったり、触れ合ったりしたことがなかったので、すごく不安でした。でもヤングアメリカンズの人たちは、すご
くテンションが高く、気軽に話しかけてくれたので、だんだん仲良くなることができました。英語の歌もダンスも、始めはうまくでき
なくて大変だったけど、みんなが優しく教えてくれて、すごくうれしかったです。
13
大熊町立大熊中学校 3 年(当時) 佐久間 夢来さん
ヤングアメリカンズの人たちにダンスを教えてもらった時、いろいろな考えを聞かせてもらいました。彼らの考えには希望や力強さが
あり、発想がすごいとも感じました。
陸前高田市教育委員会
東日本大震災から 2 年半を経て、子どもたちは大変難しい時期に入ってきていることを感じます。校長会では、ヤングアメリカンズの
実施後「子どもがとても元気になった」と報告されています。
中学校教諭 40 歳代男性
生徒の心に何か変化が起こっているのがよくわかりました。ねばり強く生徒たちの支援をしてくださったヤングアメリカンズの皆さん、
スタッフの皆さんに感謝したいです。
小学校教諭 30 代女性
自分を表現する楽しさ、そしてみんなで一つのものをつくり上げていく喜びを感じることができました。この 3 日間で、子どもたちも
私たち教師も大きく成長したように思います。
主催: NPO 法人じぶん未来クラブ
共催: コカ・コーラ 復興支援基金
協力: 仙台コカ・コーラボトリング株式会社
内容: ヤングアメリカンズのキャストと子どもたちによるショー
ヤングアメリカンズ東北ツアーでは、2012 年のスタート以来、ワークショップの実施後に参加者のみなさまや観覧者のみなさまなど
を対象としたアンケートを実施しています。ここでは、「ヤングアメリカンズ東北ツアー 2013」ワークショップのショーについて、ア
ンケートの集計結果をまとめています。
◆参加者アンケート
ヤングアメリカンズ体験はいかがでしたか ?
外国に興味をもった
少し当てはまる
11%
だいたい
当てはまる
26%
自分の気持ちや考えを
積極的に表現できるようになった
全く当てはまらない 3%
非常に
当てはまる
60%
ヤングアメリカンズを受けて下記項目に変化がありましたか ?
むりに自分をおさえないようになった
全く当てはまらない 3%
少し
当てはまる
18%
友だちの気持ちが分かるようになった
全く当てはまらない 11%
少し
当てはまる
18%
非常に
当てはまる
39%
だいたい
当てはまる
35%
だいたい
当てはまる
40%
14
非常に
当てはまる
36%
全く当てはまらない 8%
少し
当てはまる
16%
だいたい
当てはまる
35%
非常に
当てはまる
41%
◆観覧者アンケート
満足度
よかった
2%
◆先生アンケート
満足度
ショー観覧者感想
(%)
100
薦めたいですか?
どちらでもない 5%
あまりよくなかった 2%
あまり薦めたくない 2%
80
60
40
よかった
29%
20
f
大変よかった
69%
g
迫力があった
e
あまりよくわからなかった
d
国際的な活動だと思った
c
子どもたちの力を感じた
b
学校の一体感を感じた
a
子どもたちの姿に
ふれて元気になった
0
子どもたちが
いきいきしていた
大変よかった
98%
ヤングアメリカンズ東北ツアー 2012
1 会場
ヤングアメリカンズ東北ツアー 2013
9 会場
ヤングアメリカンズ東北ツアー 2014
6 会場
15
薦めたい
38%
是非
薦めたい
55%
ハピネスのループ ストーリー/スクールバスの寄贈
「学校から実習先へ
私たちを運ぶバス。
復興への希望も乗せて走ります」
スクールバスを寄贈された岩手県立大船渡東高等学校のみなさんの声
支援を
する
岩手県の県立高等学校と
特別支援学校に、
5台のバスを贈呈しました。
花や風船、羽の絵で彩られたそのバスは軽快に坂を登ると、ビニールハウスのそばに静かに停車しました。ドアが開くと、一斉におそ
ろいの作業着を着て、声を弾ませながら降りてきた岩手県立大船渡東高等学校の生徒たち。2012 年 10 月、コカ・コーラ 復興支援基金
は岩手県の助言を受け、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県沿岸地域を対象に、生徒の送迎などに使用できるバスを 5 台寄贈し
ました。同校のバスはそのうちの 1 台。また、県立久慈東高等学校と県立種市高等学校には同型の中型バス、県立気仙光陵支援学校と
県立宮古恵風支援学校には、電動リフト付きの大型バスがそれぞれ贈呈されました。
16
可能性に
出会える
スクールバスのデザインに
復興への
願いを込めて。
スクールバスの寄贈にあたり、 学生が参加できる活動
被災地を元気にする活動 につなげたいとの想いから、基金では寄贈する各
校の在校生から 復興 をテーマにしたデザインを募集。優秀賞のデザインをバスにラッピングしてプレゼントしました。大船渡東高
等学校のバスをデザインしたのは、みごと優秀賞に輝いた同校 3 年生(当時)の新沼萌歌さん。「応募しようと思ったのは、先生から
勧められたことがきっかけでした。まさか自分のデザインが選出されるとは思わなかったので、正直びっくりしましたが、心から嬉し
く思っています。 みんなが元気になるデザイン をイメージした時、頭に浮かんだのは風船、花、羽でした。どんな世代の人にも分
かりやすいと考え、それらをモチーフにしました。多彩な色の風船をちりばめて動きをつけて、その風船の横にはひまわりやバラのお
花を描いてカラフルに仕上げました」。今、興味があるのはファッションと裁縫。将来はファッションデザイナーになりたいと語って
います。
共感し
とも に 進 む
バスは子どもたちとともに、
明日への夢に向かって
走り続ける。
大船渡東高等学校農芸科学科では 実習用農場が本校舎から徒歩で 30 分以上もかかる場所にあるため、送迎用バスは欠かせません。
それまでは、他校から譲り受けたバスを使用していました。ところが、そのバスは老朽化が進み、たびたび故障するようになっていた
のです。そうした折、同校に寄贈されたのが真新しいバスでした。同校の中村道典校長(当時)は「まさか、このような立派なバスを
頂けるとは、職員も生徒も思ってもみなかったので、非常に驚くとともにみんなで大変喜びました」とその時の様子を振り返ります。
現在も、生徒たちはこのバスに乗車して元気に実習に励んでいます。
次世代を担う子どもたちがどんな状況でも前向きに、そしてポジティブに明日への夢に挑むことができるように、基金はこれからも、
この 5 台のバスのように子どもたちとともに走り続けていきます。
17
県や市町村のニーズに応じた直接支援 スクールバスの寄贈
2012 年 10 月、本基金より約 1 億円を拠出し、岩手県内の高等学校 3 校及び特別支援学校2校へ計 5 台のスクールバスを寄贈しました。
これらは岩手県沿岸地域の水産業の復興支援および沿岸被災地の将来を担う青少年の育成支援を目的にしたもので、岩手県の自治体の
ご協力により実現しました。
岩手県内の高等学校
3校
岩手県立大船渡東高等学校
岩手県立久慈東高等学校
岩手県立種市高等学校
デザインコンテストで選出された高校生によるデザインのラッピングバスを贈呈。学校から沿岸の施設などの実習先への移動手段とし
て使用されます。
高等学校では
ラッピングコンテストを実施。
岩手県と当基金では、学生が参加できる活動 被災地を元気にする活動 につなげたいという共通の想いから、高等学校 3 校のバス用に、
『復興』をテーマにした、在校生によるバスのデザインコンテストを企画し、優秀賞に選ばれたデザインでラッピングしました。学校
から沿岸の施設などの実習先への移動手段として使用されます。
18
みんなの声
岩手県立大船渡東高等学校校長 中村 道典 氏
現在使用のバスはかなり老朽化しており、たびたび故障を起こしていました。今回このような立派なバスを頂くことになり、心から感
謝申し上げます。これからは、生徒たちも楽しい気持ちで実習地に向かうでしょう。ありがとうございました。
デザイン:農芸科学科2年(当時) 新沼 萌歌さん
テーマ「みんなが元気になるもの」を聞いたとき、頭に浮かんだのは、風船、花、羽でした。どんな世代の人にも分かりやすいと思い、
それらをモチーフにしました。まさか、自分のデザインが採用されるとは思わず、びっくりしていますが、心から嬉しく思います。
岩手県立久慈東高等学校校長
金澤 広利氏
本校は、7 つの系列を有する総合学科高校であり、海洋科学系列(水産)や環境緑化系列(農業)では実習場所(実習船保管庫や学校農場)
への移動に、生徒送迎用バスが必須です。現有のバスを修理しながら何とか運用をしてまいりましたが、限界状態でした。生徒たちは
震災にもめげずに一生懸命に実習に取り組んでおります。今回のご支援は、ひたむきに実習に取り組んでいる生徒たちへの、神様から
のプレゼントのような気がしてなりません。
デザイン:総合学科3年(当時) 坂下 大介さん
バスの下の青い色は海を、斜めのラインは虹を表現しました。久慈東高校は海の近くにあります。また、総合学科高校で7つの系列に
分かれて学習をしています。虹のそれぞれの色が7つの系列をイメージしていて、この虹が久慈東高校という意味もあります。久慈東
高校がこれから益々発展してほしいと願い、空に向かっていく虹にしました。このバスを街中で見た人たちの心が、少しでも明るくな
ればいいなと思います。
岩手県立種市高等学校校長 渡辺 昌洋氏
本校は、全国唯一の潜水技術者を養成する海洋開発科と普通科を併せ持ち、64 年の歴史がある高校で、これまでに 6 千余名の卒業生
を輩出しています。バスは、潜水実習をはじめさまざまな教育活動に有効に活用させて頂きます。今後も、
「知・徳・体のバランス」がとれ、
「生きる力」を備えた、社会に貢献できる人材の育成に向けて、全校をあげて取り組む所存です。
デザイン:海洋開発科職員
吹切 重則さん
今回のデザインは「海洋開発科一同」の作品です。職員・生徒が日常的に使用し、海洋開発科の職員が科の団結と本校の躍進を願って
考案したものです。また、「復興」というテーマで考えて日本の海を開拓していきたいという想いと南部潜りの伝統を生徒に受け継い
でもらいたいという願いから日本地図(岩手県の場所を明示)のある作品を採用しました。
19
岩手県内の特別支援学校
2校
岩手県立宮古恵風支援学校
岩手県立気仙光陵支援学校
車いすでの乗り降りが可能なリフト付きの 53 人乗り大型バスを寄贈しました。
みんなの声
岩手県立宮古恵風支援学校校長 濱田 肇氏
本校は近年、高等部生徒の急増によりバス通学の希望を十分には叶えることができないことや、車いす利用の児童生徒の増加により校
外学習の際に車いすの積み降ろしに多くの時間と人手を要するなど、解決困難な難問を抱えておりました。東日本大震災以来、鉄路が
絶たれたことで、満員の代替バスからスクールバスに乗り継ぐ生徒にとっては、ゆったりとしたスクールバスで学校へ向かうことが、
一日の学校生活の気持ち良いスタートにつながります。
岩手県立気仙光陵支援学校校長 三浦 祐子氏
車いすに乗車したままでバスを乗降することは、本校の長年の夢でした。抱きかかえて狭い乗車口を乗り降りする際には危険が伴いま
すし、体が成長していく生徒たちの介助には教職員の負担が増してきます。また、車いすは個々の体に合わせて制作されたもので、各
車が繊細な構造となっており、何度も折りたたむことは好ましくありません。この憂慮されていたことが解決されると思うと感謝の念
に堪えません。
20
可能性に
出会える
「語り部として、
自分の震災体験を、
そして感謝を伝えたい」
故郷の南三陸町で被災した田畑祐梨さんは、高校 2 年生の終わり頃、「TOMODACHI サマー コカ・コーラ ホームステイ研修プログラム」
の応募案内を目にしたことが契機となり、震災体験を語り継ぐ 語り部 の団体を立ち上げました。応募エッセイを考える中、復興が
進んでいない町を憂い、おしゃべり好きな自分ができることをしようと思い立ったのがきっかけでした。エッセイに「語り部として自
分の体験を、そして感謝を伝えたい」と書いて、 語学研修などで得たことを語り部に活かしたい との想いで米国バーモント州バー
リントンへ。「ホストファミリーとはお互いの文化や言葉を教え合うことで、コミュニケーション力や共感力、その他多くの大切な学
びを得ました」と大きな手応えをつかんだ田畑さん。4,000 人以上に自らの言葉で被災体験を伝えてきた今、「若者の視点で、日本、そ
して世界に東北の状況を発信し、復興に向けて一歩一歩がんばっていきたい」との思いを胸に大学に進学。同世代の仲間を巻き込んだ、
新たなプロジェクトにもまい進しています。
共感し
とも に 進 む
ホームステイを通じて得た知と経験は、
これからの人生を
強く支えるものになる。
こうした研修プログラムは、参加した学生だけではなく、引率した先生方にも新たな想いを生み出しています。被災地以外から参加し
た山口県立山口高等学校の岡村恵子先生は、「生徒たちの心の復興を支える、良き出会いに満ちた素晴らしいプログラム。ホームステ
イで被災の体験談に心を痛め、涙を流す人と出会えたことが、生徒たちの心に多くのものを残したはず。ここで得た知と経験は、これ
からの人生を強く支えるものになる」と確信を持って話します。2014 年に引率した岩手県立大東高等学校の赤
俊枝先生は、「日本国
内でもどんどんニュースが減ってくる中、米国の人たちと自分の震災体験を共有することで、 忘れられていない という安心感を持
つことができたのは大きい。もうひとつは、3 年経った今だからこそ言葉にできる想いを、じっくり英語にして伝えられたこと。これは、
将来につながる大きな経験になっていると思う。私ももっと学びたい、勉強しなければと強く思いました」と語っていました。
私たちは、卒業生たちの今後の活躍を、ずっと見守っていきたいと思っています。
22
ハ ピ ネ ス の ル ー プ ス ト ー リ ー / 米 国・英 国 で の ホ ー ム ス テ イ 研 修
「日本、世界へ震災体験を発信し、
復興に向けて
一歩一歩がんばっていきたい」
宮城県志津川高等学校3年生(当時)田畑祐梨さんの声
支援を
する
被災3県の高校生・中学生に、
2012年 か ら
ホームステイ研修を提供。
東北の若者たちの夢を応援したい――。コカ・コーラ 復興支援基金は、2012 年から岩手県・宮城県・福島県の高校生・中学生を対象とした、
米国・英国での夏休みのホームステイ研修を支援してきました。震災を経験した若者たちに、異文化体験や同じ経験をした同世代の仲
間との交流を通じて、グローバルな視野を身につけ、将来につながる夢を持つ、きっかけを提供したいという想いからです。
21
高 校 生・中 学 生 対 象 ホ ー ム ス テ イ プ ロ グ ラ ム 米 国・英 国 で の ホ ー ム ス テ イ 研 修
高校生対象の米国ホームステイ研修
TOMODACHI サマーの出身地別参加者数
久慈市(3人)
岩手町(1人)
葛巻町(1人)
雫石町(1人) 滝沢村(2人)
盛岡市(14人)
「TOMODACHI サ マ ー コ カ・コ ー ラ
ホームステイ研修プログラム」
矢巾町(1人)
当プログラムでは、被災時に岩手・宮城・福島の
宮古市
(12人)
東北 3 県に在住していた高校生を対象に、米国で
岩手県
のホームステイおよび英語研修プログラムに派遣
とともに、「震災体験を踏まえて自らと出会う」
ための学びの機会を提供します。
山田町(2人)
釜石市(5人)
大船渡市(11人)
陸前高田市(7人)
栗原市(1人)
気仙沼市(6人)
大崎市(2人)
石巻市(8 人)
本吉町(1人)
大和町(2人)
大郷町(1人)
る「TOMODACHI イニシアチブ」の主旨に賛同し
文化体験を通じてグローバルな視野を身につける
花巻市(1人)
奥州市(6人)
一関市(4人)
します。日米両国政府と米日カウンシルが主導す
て実施するもので、東北 3 県の高校生たちに、異
二戸市(4人)
九戸村(4人)
七ヶ浜町(3人)
富谷町(1人)
大河原町
(3人)
宮城県
東松島市(4人)
南三陸町
(3人) 多賀城市(5人)
名取市(2人)
塩竈市(4人)
岩沼市(6人)
柴田町
(3人)
利府町(1人)
亘理町(1人)
仙台市(23人)
角田市(1人)
丸森町(2人)
伊達市(2人) 飯舘村(1人)
川俣町(1人)
福島市
(19人)
相馬市(2人)
本宮市(1人)
二本松市
(4人)
南相馬市(10人)
須賀川市(2人) 郡山市
(3人) 浪江町
(4人)
双葉町(1人)
白河市(2人)
大熊町(1人)
浅川町(1人)
樽葉町(1人)
福島県
富岡町(2人)
いわき市
(18人)
23
広野町(2人)
みんなの声
岩手県立宮古高等学校(当時) 北村 ちひろさん
ホームステイをしなければわからないような文化の違いや表現の仕方を感じました。また、自分の力のなさにも気づかされ、刺激を受
けることができました。温かい人や地域に触れ、夢が少しふくらみました。
福島県立原町高等学校(当時) 三春 咲絵さん
いっぱい貴重な体験ができ、いっぱい TOMODACHI もできました。あと、やはり英語の重要性を認識しました。ホストファミリー
と再会する日まで、英語の勉強を頑張りたいと思います。
福島県立磐城桜が丘高等学校 2 年(当時) 諸井 愛さん
米国でボランティア活動に参加したことを通して、私たちが震災の被害に遭って海外から支援物資が届けられていた時、私たちの知ら
ないところでたくさんの人が手助けをしようと働いてくれていたことを思い、ありがたい気持ちになり、同時に恩返しがしたい気持ち
にもなりました。
福島県立安達高等学校(当時) 大橋 健吾さん
米国でのホームステイの経験は私を格段に成長させ、進歩させてくれました。この経験を基に、私はこれからもたくさんの人と触れ合い、
自分を成長させていくことでしょう。自分の夢や目標に向かって、このプログラム中に身に付けた積極性をもって進んでいきたいと思っ
ています。
福島県立相馬農業高等学校飯舘校(当時) 林 千里さん
ホームステイの始めの頃に、「なんでもいいですよ」と曖昧に答えたところ、ホストファミリーがとても困った表情をした時、自分の
気持ちをはっきり伝えることの大切さに気づきました。それ以来、積極的に意見を伝えるようになり、自分に自信を持てるようになり
ました。
主催
: TOMODACHI イニシアチブ
共催 : 公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団(コカ・コーラ 復興支援基金)
実施団体 : 文部科学省所管 社団法人日本国際生活体験協会(EIL)
協力 : デルタ航空
プログラム概要 : 滞在地域でのホームステイ、アトランタ研修、英語研修、各種アクティビティ(滞在地域での大学訪問、ボランティ
ア活動やスポーツ交流など)
滞在地域 : オレゴン州セーラム、ケンタッキー州エリザベスタウン、ペンシルバニア州エリー、バーモント州バーリントン、
テキサス州ケラー、ミズーリ州ニューブルームフィールド、カリフォルニア州フォルサム、ミネソタ州ショアビュー、
ジョージア州アセンズ、オハイオ州コロンバス
24
アメリカ合衆国
ミネソタ州ショアビュー
(2013)
オレゴン州セーラム
バーモント州バーリントン
(2012,2013,2014)
(2012,2013)
ペンシルバニア州エリー
(2012,2013)
オハイオ州コロンバス(2014)
ケンタッキー州エリザベスタウン
カリフォルニア州フォルサム
(2012,2013,2014)
(2013)
ジョージア州アセンズ(2014)
ミズーリ州ニューブルームフィールド
(2013)
テキサス州ケラー(2013)
「TOMODACHI サマー コカ・コーラホームステイ研修プログラム」では、2012 年のスタート以来、参加者のみなさま、保護者のみな
さまを対象にアンケートを実施しています。ここでは、2014 年実施の同プログラムについて、アンケートの集計結果をまとめています。
◆参加者アンケート
アメリカや他の国への
興味関心が高まった
少し当てはまる 5%
だいたい当てはまる
2%
異文化への興味関心が高まった
全く当てはまらない 1% 少し当てはまる 2%
だいたい
当てはまる
10%
英語への興味が増した
全く当てはまらない 1%
少し当てはまる 7%
だいたい
当てはまる
17%
非常に当てはまる
92%
非常に当てはまる
87%
アメリカや他の国への
興味関心が高まった
だいたい当てはまる
15%
少し当てはまる 2%
世界観が広がった
全く当てはまらない 1%
だいたい
当てはまる
24%
非常に当てはまる
83%
全く当てはまらない 1%
非常に当てはまる
73%
◆引率者アンケート
自信がついた/成長した
少し当てはまる 7%
少し当てはまる 4%
だいたい
当てはまる
22%
非常に当てはまる
76%
◆保護者アンケート(参加者の変化について)
異なる環境に対する
忍耐力や対応力がついた
25
少し当てはまる 12%
少し当てはまる 12%
だいたい
当てはまる
50%
非常に当てはまる
68%
生徒の成長に刺激を受けて、
自分も頑張ろうと思った
非常に
当てはまる
38%
だいたい
当てはまる
38%
非常に
当てはまる
50%
中学生対象の英国ホームステイ研修
「2012 コカ・コーラ英国ホームステイ研修プログラム」
2012 年には、中学生を英国に 2 週間派遣するプログラムも実施しました。岩手県、宮城県、福島県から 18 名の中学生が、2 週間の英
国でのホームステイおよび英国研修を体験しました。
みんなの声
岩手県
石市立
石中学校(当時) 小澤 美玖さん
一日にひとつ以上の忘れられない思い出ができた最高の研修でした。毎日通った学校では言葉が分からなくて少し焦りましたが、次第
に授業が楽しくなっていきました。一緒に行ったメンバーは、私の大切な財産です。
宮城県気沼市立気仙沼中学校(当時) 春日 基希さん
うれしかったことは英語を使ってさまざまな国の人とコミュニケーションがとれたこと。着いて 3 日目からは耳が慣れてきて、日常会
話程度ならできるように。大切なのは積極的に相手に話しかける勇気だと学びました。
主催
: 公益財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団(コカ・コーラ 復興支援基金)
実施団体 : 文部科学省所管 財団法人 国際青少年研修協会(KSKK)基金)
プログラム概要 : 文部科学省、JNSA 基金、ブリティッシュ・カウンシル、滞在先でのホームステイ、英語研修、スポーツアクティビティ、
ロンドン市内見学
滞在地域 : ボーンマス
26
コ カ・コ ー ラ シ ス テ ム に よ る そ の 他 の 主 な 取 り 組 み
ラジオ番組「いかすぜ!東北 ぼくたちのイイトコ自慢」を提供
子どもの元気な声をラジオに乗せることで、ラジオを聴く大人たちを応援したい――
2013 年 4 月、岩手・宮城・福島の東北 3 県の各地でがんばっている子どもたちを応援し、
町の イイトコ 自慢を紹介するラジオ番組「いかすぜ!東北 ぼくたちのイイトコ自慢」
がスタート。コカ・コーラは、このラジオ番組を提供しています。
この番組では、小中高生を主役に、インタビューを通じて自分たちが暮らす地域、自然、
文化、学校、友人、家族、将来の夢などを紹介。出演した子どもたちから番組への感想・
印象についてメッセージが届いています。「東北でがんばっている人たちがたくさん出
HP より番組を聴くことができます
演しているので、もっとたくさんの人に聴いてもらいたいです」(福島県いわき市小名
浜のタヒチアンダンススクール「ハーラウラウラーナニ」に通う小学校 5 年生の安田茉
奈さん)。「被災した 3 県は、周りから 津波・地震の県 だと思われることも多いと思
います。しかし、 本当はこれが有名 とか、その地域の文化とかを多くの人たちが知
ることができるのでいいなと思いました」(福島県大熊町の大熊中学校 3 年生の石田瑞
希さん)。
復興支援の一助として老若男女問わず、リスナーに 元気 を発信してきたこの番組は、
2014 年 7 月 23 日の放送をもって終了しました。コカ・コーラは、番組が終了しても被
災地の子どもたちをこれからも応援していきます。
国際海岸クリーンアップの実施
2012 年 10 月、コカ・コーラは「国際海岸クリーンアップ」の一環として、東日本大震
災で大きな被害を受けた宮城県七ヶ浜町の表浜にて、社員参加による海岸清掃活動を実
施しました。国際海岸クリーンアップとは、米国の環境 NGO「オーシャン・コンサーバ
ンシー」が 1986 年から推進する、毎年 80 カ国以上の市民が一斉に参加する環境保全
活動。世界各国から寄せられたレポートを集計・分析し、地球規模のごみ問題解決へ向
けた対応策を検討しています。
日本コカ・コーラと仙台コカ・コーラボトリングの社員による総勢 53 名は、約 2 時間空
海岸クリーンアップを終え、充実の表情の参加者
き缶やペットボトルの容器、ロープやひもなどの漁具、がれきを収集。集められたごみは、
基準に沿って 65 の品目ごとに数量を集計した結果、総量は 515kg。この活動内容は、オー
シャン・コンサーバンシーへ報告しました。参加した日本コカ・コーラの外丸尚子マネー
ジャーは「実際に現地に来て行動することがすべてだと思います。震災直後に比べてこ
の海岸もきれいになっていますが、さらにきれいにすることによって、七ヶ浜町に住む
人の気持ちが休まればと思いました」と清掃後に得た想いを語っています。
コカ・コーラは、これからも復興支援活動を継続的、多面的に展開することで、一日も
早い被災地の復興・復旧に貢献するとともに、地球の未来について社員が取り組むべき
ことを考え、行動する機会になればと考えています。
27
浜における活動の注意点を聞く当社社員
「コラボ・スクール」の支援
被害が激しかった地域では、慣れ親しんだ町並みは崩壊し、家族や友人を失った喪失感
に苛まれる。避難した他の地域や仮設住宅などの新しい環境で暮らすことを余儀なくさ
れる――このような辛く苦しい試練を経験した子どもたちが安心して学べる場を創りたい。
こうした想いから、NPO 法人カタリバは被災地の放課後学校「コラボ・スクール」を設立。
2011 年 7 月、宮城県女川町で避難所に使われていた校舎を借りて「女川向学館」を、
12 月には岩手県大
町で「大
臨学舎」を相次ぎ開校しました。コカ・コーラ復興支援
基金では、カタリバが運営するコラボ・スクールを支援しています。
女川向学館での第 2 回ワークショップ
コラボ・スクールでは、子どもたちに学習指導を行うとともに、友だちと安心して交流
できる 居場所 を提供。キャリア学習やプロジェクト学習を合わせて、子どもたちが
未来の復興の担い手として成長するための支援を行っています。今村久美代表理事は、
コラボ・スクールの設立意義について次のように述べています。「この学校に集まる子ど
もたちから、10 年後の日本にイノベーションを起こしてくれる未来のリーダーが生ま
れると私たちは信じています。そのために大人たちが果たすべき役割は、 可哀想な子
どもたち にただ一方的に 与える という支援ではありません。彼らに寄り添いなが
ら学習意欲を引き出し、 悲しみ を 強さ へと変えるための教育機会を用意すること
建設中の大
臨学舎
です」。
コカ・コーラは、コラボ・スクールの子どもたちとともに歩みながら、これからも学校運
営を応援していきます。
水泳教室「アクエリアス 未来への夢はじめよう。」の開催
2011 年よりスタートした、世界のトップアスリートから夢を持って努力することの大
切さを学ぶ水泳プログラム「アクエリアス 未来への夢はじめよう。」プロジェクト。こ
のプロジェクトでは毎年、被災地で水泳に取り組む小中学生を招待するイベントを開催
しています。2013 年は、日本コカ・コーラ所属の北島康介選手をリーダーに迎え、全国
から募集した約 249 名の小学生を対象に岩手・東京・大阪・熊本の 4 カ所で実施しました。
イベントでは、北島選手が「夢はたくさん持っていていい。夢に向かってがんばってい
る自分を好きになってほしい」「小さな目標でも、1 つずつクリアしていくことが大事」
北島康介選手と参加者
「どんなに練習が辛くても、その苦しさと向き合うことが夢への近道になる」と自身の
経験を基に、夢と目標に向かって努力する大切さを語ってくれました。
集まった子どもたちも自分の 夢 について発表。岩手会場では、宮古市で震災に遭い、
その時活躍する医師の姿を目の当たりにした小学 6 年生(当時)の佐々木圭人君は「将
来は医学の道に進みたい。北島選手の力強い泳ぎから強く生きる勇気をもらったので、
体力や精神力を鍛えるために水泳を続けていきたい」と自分の夢を明言。すると、北島
選手から「今日の夢の発表が、将来必ず役に立ってくる」と心強い言葉がかけられました。
このプロジェクトでは、子どもたちに 夢を持つこと 目標を持って努力すること チャ
レンジし続けること の大切さを伝え、未来への夢に向かってがんばる子どもたちを応
援していきます。
28
指導する北島康介選手
「ダンスで日本を元気に!」中学生 Rising Sun Project 2014
二十一世紀倶楽部*が文部科学省と連携し、2012 年からダンス&ボーカルグループ
『EXILE』のメンバーとともに、中学生を対象に東北地方を訪問しダンスの発表会を開い
ている復興教育支援事業「中学生 Rising Sun Project」。小学校や避難場所などを訪問し、
ダンスやエンターテインメントの力で被災地の人たちを元気づける活動として展開して
います。
2014 年 11 月には、「中学生 Rising Sun Project 夢の課外授業 SPECIAL」と題し、福島県
いわき市のスパリゾートハワイアンズにて、世田谷区立東深沢中学校と会津若松市立湊
中学校の参加によるダンスの発表会を開催。当日は、東深沢中学校の生徒 32 名と湊中
福 島 県・ス パ リ ゾ ー ト ハ ワ イ ア ン ズ の ス
テージで熱いパフォーマンスを披露した中
学生と EXILE TRIBE
学校の生徒 46 名は、それぞれに息の合ったパフォーマンスを披露し、会場を沸かせま
した。EXILE のプロジェクトメンバーをはじめ、当日会場に駆けつけた EXILE TRIBE の面々
は、心のこもった中学生たちのダンスパフォーマンスに感動。EXILE の USA さんは「心
と体はつながっていて、体を動かすことで元気になるんだと改めて感動しました」と語っ
ています。
コカ・コーラは、これからも「どうしたら被災地の人たちが震災前のように元気を取り
戻すことができるか」を念頭に置き、復興支援活動に携わっていきます。
*21 世紀における人材創りを目的とした個人会員中心の団体。
福島県会津若松市立湊中学校の生徒たち
29