学生の確保の見通し等を記載した書類

学生の確保の見通し等を記載した書類
(芸術表現学科)
(1)学生の確保の見通し及び申請者としての取組状況
①学生の確保の見通し
ア.定員充足の見込み
a.新設する5学科体制の考え方
〔九州産業大学芸術学部の現状分析〕
九州産業大学芸術学部は、1966年の開設以来、九州最大の芸術系学部として、
15,000人以上の卒業生を社会に送り出すなど、歴史と実績を有している。しかしなが
ら、1990年代以降、志願者は急速に減少し、2004年度以降は定員未充足の状況が続い
ている。このような中、2000年度以降は断続的に定員の見直しを行い、また、2002年
度からは、それまでの専攻別入試から学科別の一括入試へと変更を行うなどの対策を
講じてはきたものの、残念ながら、この効果を得るには至らなかった。
このような厳しい現状を十分に認識することが求められるのは、言うまでもない。
(資料1:芸術学部入試志願者等状況一覧表)
従って、新たな体制を構築するに際しては、先ずは現状分析を行うことが必要であ
る。この結果、低迷の主な原因として以下のことが確認された。
・高校における美術教育が選択科目へ変更されたことに伴い、高校時に美術分野か
ら離れていった。
・少子化により九州圏の18歳人口が減少している。
・情報技術の革新やグローバル化等の進展で、受験生の関心の対象が変化した。
・就職が不利という受験生や保護者のイメージにより芸術系が敬遠された。
・企業の求める人材像が従来の学びの枠を超え、より実践的なものへと変わってき
た。
・九州北部地域に2000年以降、デザイン系の教育機関が増加した。
・一括入試により、専門分野の学習が2年次からとなり志願者の進路意識の低下を
招いた。また、それに伴い、進路(目的)意識の高い受験生は他大学へ志願する
ようになった。
・芸術学部としての教育研究活動(入学から卒業まで)の内容が受験生に伝わって
いなかった。(PR不足)
・学部・学科間の組織的取り組みが不足し、学びの対象が固定化されていた。
〔芸術系を取り巻く近年の環境や動向〕
次に、芸術系を取り巻く近年の環境や動向に関しては、以下の7点を挙げることが
できる。
1
ⅰ)若者の動向
九州地区(沖縄県含む)の18歳人口は、2013年の153,583人から2016年には145,287
人、2019年には141,839人へと減少していくことが予測されており、2016年から2019
年の4年間の平均の18歳人口は143,332人となる。
(資料2:九州・沖縄エリア18歳人口の推移(概算))
一方、大学進学率は2004年の30.4%から37%~38%台へと推移しており、これは全
国的には東北地方に次いで高い増加率となっている。2010年から2013年までの4年間
の大学進学率の平均は38.1%となる。このことから、九州地区(沖縄県含む)の大学
進学者(現役)は54,610人程度(年)と予想される。
(資料3:九州・沖縄エリア進学者数・進学率・残留率の推移(データ))
また、九州地区(沖縄県含む)の大学進学者は福岡県にある大学への進学を志望す
る傾向が強く、かつ、本学が所在する福岡県は、地元残留率が65%であり全国第3位
の高率となっており、地元志向が強い傾向にあることが特徴である。
(資料4:地元残留率(大学、短大進学者:都道府県別:2013))
ⅱ)人口減少と地方問題
人口減少問題について、地方からの人口流出がこのまま続くと、将来的には日本の
市町村の約半分が消滅する可能性が高いという報告がある(日本創生会議・人口減少
問題検討分科会)。この原因は若者層の流出であり、地方から大都市、特に東京圏へ
の人口移動を変える必要が求められている。九州地域でも人口減少による市町村の消
滅が身近な問題になってきており、人口減少をストップし地方を活性化する施策の中
核は、若者や女性が活躍できる地域の創出といわれている。
ⅲ)価値観動向
国民の価値観の変化は世論調査(内閣府「国民生活に関する世論調査」、「社会意
識に関する世論調査」)でみると、「物質的豊かさ」より「心の豊かさ」を重視し、
また経済的繁栄より歴史・伝統、自然、文化・芸術を重視する方向に変化してきてい
る。東日本大震災後は地球環境や資源エネルギー問題に加え、家族や地域の絆への関
心も高くなり、将来の社会をよりよくするための問題意識が高まってきている。この
傾向は中長期的な大きな流れであり、今後さらに上昇していくことが予測されてい
る。
ⅳ)高校生の関心事
リクルート進学総研の「高校生価値意識調査2014」等により、現在の高校生の特徴
として次のことがわかった。
情報技術の進展によるデジタルデバイスの普及は、高校生の生活様式を変え、従来
主流だった「メール」は勢いを弱め、デバイスを問わずSNSがインフラ化してい
る。コミュニケーション手段も文字情報のみではなく「画像、動画、音楽」を駆使す
るなど、ソーシャル化、多様化が一層加速している。高校生にとってのスマートフォ
ンは「手の中のパソコン」であり、それらを自由に使いこなす世代でもある。また、
スマートフォンで勉強をしている高校生も約6割に上り、ゲーム・占いなどの利用を
上回っている。
2
ⅴ)デザインへの関心
公益財団法人日本デザイン振興会が、現代社会における生活者のデザインに関する
意識調査を実施している。これによると、デザインが大きな購入動機になっているの
は、身につけるものと趣味性の高いものが多い。しかしながら、デザインへの関心
は、男女を問わずあらゆる世代に共通して関心の高い領域となってきており、世代を
超え、72%がデザインに関心を示している。特に10代と20代では、約8割の高率であ
る。近年、デザインという言葉が様々な場面で取り上げられ、いまや日常生活におい
てもビジネスにおいても欠かすことのできない大事な要素となっている。生活をより
豊かにするデザイン選択や企業におけるブランド作りを始め、デザインの果たす役割
が拡大してきているといえる。
ⅵ)学問分野の融合の時代
教育活動においても芸術やデザインを組み込んだ活動が増加してきている。各大学
が取り組んでいる企業連携等の実践型のプロジェクトは、市場のニーズ調査発掘から
解決提案までの活動であり、企業活動と同様に多様な専門分野を組み合わせた学際型
のクロスファンクショナルなものとなってきている。今後、このような多様な発想や
チームによる連携活動は企業のみならず、地域や社会との連携においても重要視され
ていくことが予測される。
ⅶ)九州・山口地区の美術学・デザイン学関係の入学志願動向
高校卒業後の進学希望分野について、日本私立学校振興・共済事業団発刊の「平成
26(2014)年度私立大学・短期大学等入学志願動向」によると、本学部の教育課程の
分野である美術学・デザイン学関係を含む芸術系分野の各分野全体に対する志願者の
割合は、約1.2%(過去2年間)程度である。これに対し、後述の定員充足の根拠と
なる客観的データとすべく、本学が第三者機関(委託先:一般財団法人日本開発構想
研究所)を通じて実施したアンケート調査によると、各分野全体に対して美術学・デ
ザイン学関係の分野を志願する受験生の割合は、約8.3%と全国平均に比して非常に
高い結果であった。勿論、本アンケート調査は、過去3年間で本学芸術学部に志願の
あった九州・山口地区の高校を中心に実施したものであり、比較的芸術系に対する興
味度は高いであろうと推測される。しかしながら、この点を考慮したとしても、本学
の在籍者の9割を越えている九州・山口地区においては、芸術系分野を学びたいと考
える受験生が多い地域性を有していると言えるであろう。
上述の「九州産業大学芸術学部の現状分析」及び「芸術系を取り巻く近年の環境や
動向」を多角的に分析し、長期的かつ安定的に学生の確保を図るように、既設の3学
科のコアとなる各専門分野で志願者が見込める領域を軸に、今後の注目や成長が期待
される新しい学びの専門分野を積極的に取り入れることとした。
以上を総合的に勘案し、厳しい現況を打破するため、芸術学部を従前の美術学科、
デザイン学科、写真映像学科の3学科から、芸術表現学科、写真・映像メディア学
科、ビジュアルデザイン学科、生活環境デザイン学科、ソーシャルデザイン学科の5
学科へと改組した。
3
b.入学定員設定の考え方
新たな体制となる芸術学部は、既設の美術、写真、デザインの3学科のコアとなる
各専門分野で、従前の実績に基づき志願者が見込める領域を軸に、今後の注目が想定
されるデジタルや情報分野等の新しい専門分野を加えることとした。また、既設学科
の構成の枠を超えた新しい学びや教育研究が可能となるように再構築し、芸術表現学
科、写真・映像メディア学科、ビジュアルデザイン学科、生活環境デザイン学科の4
学科に拡充した。さらに地域の課題やデザインに関心を持つ受験生のニーズに応える
ため、従来にはない新しいデザインの領域分野であるソーシャルデザイン学科を設置
し、5学科体制とした。
この新しい5学科から構成される芸術学部の入学定員については、従来の志願者及
び入学者の厳しい現況を踏まえ、併せて他大学の類似学科の学生募集状況や卒業後の
進路等をも充分に考慮した結果、現行の340名から40名削減し300名とした。
各学科の入学定員は、芸術表現学科65名、写真・映像メディア学科50名、ビジュア
ルデザイン学科75名、生活環境デザイン学科70名、ソーシャルデザイン学科40名であ
る。以下に新学科の定員設定の考え方を既設学科とも対比させながら示すこととす
る。
(資料5:既設学科と新学科の比較表)
〔芸術表現学科(入学定員 65 名)〕
芸術表現学科は、ファインアート(純粋芸術)を基盤に多様化する分野に応えられ
る絵画専攻、立体造形専攻、メディア芸術専攻の3専攻で構成する。芸術系大学の大
半に設置されている芸術表現は、芸術の基本であり、伝統的な表現手法から先端的な
表現手法までを学ぶ時代と共に進化を続ける分野である。
本学科では、洋画、日本画、版画、立体造形、メディアアート、アニメーション、
マンガ、エンターテイメント等、多彩な分野と技術に対して、充実した設備や空間の
中で横断的な創造の場を作り出すことを目標にする。さらに専門分野の教育のみなら
ず、総合大学という特徴を生かしたカリキュラムは、経験と知識を身に付け、視野の
広い人材育成を行える内容である。
現在の進路状況からみると、作家、美術教育者、学芸員などの専門職をはじめ、デ
ザイナーや漫画家、アニメーション、ゲーム制作など本学で習得した技術と知識を活
かし、芸術業界の様々な職種で活躍する卒業生も多い。
また、メディア芸術専攻によるデジタル・メディアや新規テクノロジーなど最先端
技術を身に付けた人材を育成することで、さらに新しい進路の拡張を図る。
以上のことから、芸術表現学科の入学定員は 65 名とした。
これについては、既設の美術学科洋画コース、日本画コース、造形・彫刻コースに
おける、過去3年間の1年間平均の在籍者 28 名の実績、デザイン学科映像アニメー
ション領域の同 27 名の実績に加え、新たな学びの分野として「フィギュア」、「キ
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ャラクターオブジェ」、「ゲーム」など高校生にとって興味深いものを追加したこと
などを踏まえて、設定したものである。
なお、以下に本学科を構成する3つの専攻について、もう少し掘り下げ、分析を行
った結果について記すこととした。
ⅰ)絵画専攻
現在、洋画、日本画、版画の平面絵画コースについては、前述のとおり一定の在籍者
実績を有している。再編後はメディア芸術専攻との授業科目乗り入れが可能となり、学
生の選択肢も広がることから入学定員を十分に確保することができる。
本専攻では、誰しもが心豊かな生活を営める社会を目指し、絵画を通して社会貢献の
在り方についてしっかりと考えることを目指す。美しいもの、美しいことを自分なりに
具現化する活動は、心を深くし心身を健康にすることにもなると考える。本学を卒業し
た作家たちは、それぞれの生涯をかけて自己の制作を深め、人に感動を与える仕事をし
ている。
ⅱ)立体造形専攻
本学の芸術学部における立体造形50年の歴史に積み上げられた環境と設備は、九州
屈指である。今後、CGやバーチャルリアリティー(平面媒体)が発展する中にあって、
この環境と設備を生かし、実体化できる立体造形は、従来の彫刻を基本にフィギュアや
キャラクター造形を取り入れ展開できる。また、充実した設備や空間の中で学生の個性
を尊重し極め細かい指導をしてきた実績は、大きな強みである。
ⅲ)メディア芸術専攻
「メディア芸術」は、芸術分野の中で現在最も注目される分野である。ここではメデ
ィアアートを中核に、アニメーション、マンガ、エンターテイメントとその周辺領域を
対象とする。映像やサウンドを用いながら、デジタル・メディアや新規テクノロジーに
よって拡張したこの分野は、常に新たな表現を創造しており、世界的な先端表現領域の
スタンダードとなっている。また伝統的な美術の潮流を組む現代美術の分野でも、約半
数の作品がメディア芸術と関連している(*1)。これらはマンガやアニメーションとい
った固有文化を取り込みながら、美術系学生のみならず音楽系、理系及び文系の枠を超
え、作家となる傾向がみられる。
(*1)東京都現代美術館「過去の展覧会」
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/year.html
福岡アジア美術館/福岡アジア美術トリエンナーレ 2014 および過去のトリエンナ
ーレなど http://fukuokatriennale.ajibi.jp/about/
・同類分野の状況
メディア芸術は、文化庁主催「メディア芸術祭」のデータ(資料6参照)に見られ
るように、ここ数年の間で著しく拡大してきた。ただし「クール・ジャパン」という
概念が総体として一般化しているにもかかわらず、大学における学科・専攻は少ない
ため、西日本では本専攻が初となる(*2)。
5
また、本学には約 50 年にわたる芸術デザイン教育の蓄積があり、一定の学生人員
を保持してきた(*3)。ここに新規領域を加えることで、芸術系/文系/理系を横断した
志願者または受験者層を取り込むことが期待できる。
(資料6:同類分野の状況)
(*2)多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース(2012〜)、愛知大学文学部メディア芸
術専攻(2012〜)、東京藝術大学先端表現科(2003〜)メディア映像専攻(2006〜)/アニメーシ
ョン専攻(2008〜)(H25 年 4 月現在)
(*3)デザイン学科ビジュアルデザインコース映像アニメーション領域では年平均 27 名(H25 年
現在の在籍者を基準に算定)
・学びのキーワードに見る市場の動向
メディア芸術は、多様化する文化・芸術・情報社会とともに、そのキーワードも拡大
しつつあり(*4)、重点的に自治体や国が支援している分野でもある(*5)。これは、新
しい文化を伴った表現分野であるため、若者層(15〜29 歳)において特に人気が高い。
福岡市では、この層の比率が政令指定都市中最も高く(19.2%)、全体の人口増加率と
ともに1位(3.1%)である(*6)。
そのため、アニメやゲーム会社が福岡に本社や支社を設ける傾向がある(*7)。また
著名なマンガ家が活躍している背景も見逃せない(*8)。福岡市にはアジアの玄関口と
しての歴史と文化があり、国外からの渡航者も多く(*9)、これに山口以西の九州一円
を含めた市場は、経済産業の発展とともに今後も拡大すると考えられる。
これらのことも、今後の発展性を示す一つの参考資料として挙げることとした。
(*4)メディアアート、アニメーション、マンガ、ゲーム、アプリ、ビデオ・アート、現代アート
(コンテンポラリー・アート)、サウンド・アート、エンターテインメント、テクノロジー・ア
ート、コミュニケーション・アート、ミクスト・メディア、インスタレーション、パフォー
マンス・アートなど。
(*5)福岡市では、福岡アジア美術館(アジア近現代美術)・福岡市経済観光文化局(文化芸術振
興)・クリエイティブ福岡推進協議会など、福岡県では福岡県新産業振興課・MAF など、経
済産業省「クールジャパン/クリエイティブ産業構想」、文化庁「メディア芸術祭」、国
の施策では、文化芸術振興基本法第三章「文化芸術の振興に関する基本的施策」第九条
「メディア芸術の振興—国は、映画,漫画,アニメーション及びコンピュータその他の電
子機器等を利用した芸術(以下「メディア芸術」という。)の振興を図るため、メディア
芸術の製作、上映等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。」など。
(*6)「Fukuoka Facts」福岡市の若者の人口比率は政令指定都市中1位(H22 国勢調査)。
人口増加率は1位(国勢調査および各都市推計人口 H22 年 10 月〜H25 年 12 月の増加
率)。
開業率/起業者に占める若者の割合は 21 大都市中1位(7.1%)。
http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/no1/
(*7)著名な福岡のゲーム会社として、株式会社レベルファイブ、株式会社サイバーコネクトツ
ー、株式会社ガンバリオン、株式会社ポリフォニー・デジタル福岡アトリエなど他多数。
http://www.fukuoka-game.com/link.html
6
さらに、LINE 株式会社が計画中。http://linecorp.com/press/2013/0717579
(*8)福岡で学んだ著名なマンガ家では、岸本斉史(九州産業大学)、諫山創(専門学校九州デザイ
ナーズ学院)、北条司(九州産業大学)など他多数。マンガ領域では九州山口地域の比率が全
国地区から見ても高い特徴がある。
(*9)同上「博多港港別外国航路乗降人員数(845,580 人/全国 1 位/H25)」
「国際会議開催件数(253
回/政令指定都市中 1 位/H25)」「訪日旅行者(中国・韓国・台湾)の訪問地総合満足度(じゃら
ん調)(全国 1 位/H23)」「福岡空港乗降客数(1,929 万人/国内 3 位/H25)」
〔商学部第二部商学科〕
商学部第二部商学科では、定員充足率が0.7倍未満となっていることから、学生確
保に努める施策として、以下のように教育改革を最重要課題として取り組み、併せ
て、入試制度の見直しを行った。
なお、商学部第二部商学科については、現在、本学が設置している文系学部全体
(入学定員含む)の見直しを行うために、文系学部の再編に係る検討機関を設置し、
組織の在り方等について、鋭意検討を行っている。
ⅰ)教育改革
2014年4月から、全学共通で開講する本学独自の教育プログラム「KSU基盤教
育」を導入し、広く教養を身につけグローバル社会で活躍できる心身共に健全な人材
を育成している。
ⅱ)入試制度
受験生の経済的負担を軽減するとともに、受験機会を拡充するため、2014年度入試
から、複数の学部学科間の併願を可能とし、検定料の併願割引を導入した。また、入
試における成績優秀者への優遇措置であるフレッシュマン・スカラシップ制度の拡充
を行った。さらに、2015年度入試から、インターネット出願を導入し、検定料を値下
げするなど、学生募集活動を展開した。
〔九州造形短期大学造形芸術学科〕
九州造形短期大学においては、2016 年4月より、入学定員を 150 人、収容定員を
300 人とする収容定員関係学則変更届を提出する予定である。
九州造形短期大学は、1968 年4月に開設した美術科、デザイン科、写真科を前身
に、2007 年4月に現学科名に変更し、1学科制として今日に至っている。これまで入
学定員を 200 人としてきたが、18 歳人口の減少、短期大学への進学率低下などに伴い
入学者が 200 人を下回る状況が続いている。
一方で、2013 年度の入学者は、92 人であったが、学生確保に向けた取り組みを強
化したことによる効果が現れ始め、2014 年度は 112 人、2015 年度は 138 人となり増
加傾向へ転じた。その結果、全国の美術系短期大学(短期大学部含む)12 校の入学者
平均 127 人を上回ることができた。2016 年度の教育課程等の改正により現行の専門分
野の見直し、強化を図ると共に、新規分野(フィギュア、ゲーム、アート書道)を加
えることで、150 人の入学者を確保できるものと思料する。
7
また、これに伴い 2014 年 10 月と 2015 年2月下旬に高校生を対象に2回アンケー
ト調査を実施した。
まず、2014 年 10 月に九州産業大学付属九州高等学校1〜3年生を対象に実施した
プレアンケートから次のような高校生の興味関心を読み取ることができたため、教育
課程の改正の参考とした。
・高校生の興味のある分野としては、「メディア芸術」、「グラフィックデザイン」
、
「ビジュアルアート」が挙げられる。
・短大進学希望者が、専門学校希望者より高い興味を示す分野は、「グラフィック
デザイン」
、
「工芸」
、
「プロダクトデザイン」の3つである。
・福岡の高校生は地元志向が強く、福岡県内の大学・短大に進学する割合が高い。
次に、2015 年2月下旬に福岡県と近隣の県で過去に本学に志願のあった高等学校、
及び美術科、デザイン科、また芸術コース等を有する高等学校などを中心とした 41
校と、本学に資料請求のあった高校生を対象にアンケート調査を行った結果、4,088
人からの回答があった(内訳は1年生 1,272 人、2年生 2,783 人、3年生2人、学年
無回答 31 人)
。
アンケートの質問項目の新カリキュラムに対しての進学希望についての回答では
「1.進学を希望する」197 人(1年生 62 人、2年生 135 人)、「2.一応進学を希望
する」118 人(1年生 39 人、2年生 78 人、不明1人)、「3.進学先の一つとして考
える」464 名(1年生 172 人、2年生 288 人、不明4人)と概ね良好な結果が得られ
た。
以上のことから、150 人の学生確保については十分に見込めるものと思料する。
イ.定員充足の根拠となる客観的データの概要
a.アンケート調査結果
(資料7:九州産業大学における芸術学部の改組に関するアンケート調査結果報告書)
新しい学科構成による芸術学部を設置するに際しては、開設時に学生募集の対象
となる高校生の意識調査を考慮する必要がある。このため、本学では、高校2年生
を対象としたアンケート調査を実施した。
・調査目的
九州産業大学芸術学部に関して、高校生の興味や進学意志を明らかにする。
・調査対象
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、山口県、広島県、
愛媛県の高等学校90校に在籍する高校2年生(調査実施時点)。
・実施時期
2015 年1月から 2015 年3月。
・調査票回収状況
12,182 票のアンケート調査票を配布、9,703 票の有効回答票を回収。回収率は
79.7%。
8
・調査委託先
第三者機関である一般財団法人日本開発構想研究所(東京都港区)に委託の上、
実施した。
アンケート調査結果によると、芸術学部への進学希望については、「進学を希望
する」が 240 人(3.8%)
、
「一応進学を考える」が 414 人(6.5%)となった。この
合計は、654 人(10.3%)であり、全体の1割強の回答者が芸術学部に対して、何
らかの進学希望を持っていることがわかった。
これにより、芸術学部の入学定員 300 名に照らせば、2倍を上回る実績を得られ
たこととなった。
また、芸術学部への「進学を希望する」比率は、全体の 3.8%を占めている。前
述のとおり、全国における各分野での芸術系分野への志願者の比率は 1.2%(日本
私立学校振興・共済事業団「平成 26(2014)年度 私立大学・短期大学等入学志願
動向」より算出)である。従って、芸術学部の志願者の主なエリアである九州・山
口地区は、芸術系分野への関心の高い高校生が全国に比べ、潜在的に多く存在して
いることがわかった。
芸術表現学科への興味については、
「大学進学」
、
「短期大学進学」を希望する 6,451
人の内、
「興味を感じる」833 人(14.0%)、
「少し興味を感じる」866 人(14.6%)
、合
計では 1,699 人(28.6%)であり、回答者の約3割弱が芸術表現学科に対して興味を持
っていることがわかった。芸術の基本分野を踏襲しつつ、現代社会のニーズに即した新
たな学びの分野を取り入れたことにより、高校生から高い関心度を得られた結果とな
った。
次に、芸術表現学科への進学希望については、
「進学を希望する」が 76 人(31.7%)
となっている。
芸術表現学科の入学定員 65 名を上回る進学希望者の回答が得られた。この結果によ
り、入学者の確保は十分可能であると考えられる。
b.過去の志願状況からみた定員充足の根拠
上記a.のアンケート調査は、過去の志願状況等を踏まえ、過去3年間に芸術学部へ
志願のあった九州・山口地区の高校を主として限定的に 90 校を抽出し、実施したもの
である。
しかしながら、過去3年間の入試においては、上記の 90 校以外に 2012 年度は 111
校、2013 年度は 95 校、2014 年度は 106 校から出願があった。
(資料8:芸術学部に関するアンケート調査実施の対象外で本学への志願及び入学実
績を有する高校リスト)
従って、アンケート調査実施校は芸術学部を志願する高校数としては、5割以下の割
合であった。
そこで、アンケート調査実施の対象外で芸術学部への志願及び入学実績について内
9
部資料を基に調査してみたところ、資料9の結果を得ることができた。
(資料9:過去3年間の芸術学部への志願及び入学実績(アンケート調査対象外))
この結果、過去3年間を平均とすると、アンケート調査実施の対象高校以外で、毎年、
志願者を 211 人、入学者 101 人程度を確保することが可能であるとのデータを得た。
アンケートにおける芸術学部への「進学を希望する」と回答した 240 人とそれ以外の
入学者の実績 101 人を合計すると 341 人となり、芸術学部の入学定員 300 名を充足す
るものと考えられる。
また、前述のとおり、現代社会のニーズに即した新たな学びの分野を取り入れている。
これにより、従来までは、本学芸術学部に希望する学びの分野がなく、関東・関西地
区の先進的な芸術系の大学を志願していた九州・山口地区の受験生を本学へ取り込む
ことが可能であると想定される。従って、このことによる志願者増加も見込めるものと
考えられる。
ウ.学生納付金の設定の考え方
学生納付金の設定にあたっては、近年のわが国の経済環境及び各家庭の経済状況を
充分に考慮している。また、芸術系学部の充実した教育・研究の実現及び大学の健全な
運営を継続するためには、最低限の収入額を確保する必要がある。これらのことから、
学生納付金を以下のとおりとした。
入学金:27 万円・・・①
授業料・教育充実費:125 万 6 千円・・・②
初年度納付金(①+②)
:152 万 6 千円
(2 年目以降は、年間 125 万 6 千円)
また、近隣の芸術系学部をもつ私立大学の学生納付金及び平均額は、資料 10 のとお
りである。
(資料 10:西日本地区私立大学芸術系学部納付金)
本学の入学金は、西日本地区(7大学)の平均より高い。しかしながら、初年度納付
金及び2年目以降の納付金は、平均より安価であり、競合の可能性がある各大学と比べ
て合理的な範囲にある。したがって、この納付金の設定は、芸術系学部を希望する受験
生の許容範囲であると考えている。
②学生確保に向けた具体的な取組状況
a.学生確保に向けた取組みの概要
学生確保に向けた取り組みとして、年2回のオープンキャンパス、高等学校への出張
模擬講義、進路研究指導、高等学校からの来訪見学、入学案内の作成などを大学全体で
行っている。また芸術学部独自の取り組みもあり、具体的な内容は次のとおりである。
i)オープンキャンパス
オープンキャンパスは大学全体の行事として、年2回、7月下旬と9月下旬に開催し
ている。ここでは学科別の進学相談、入試問題解説、実習施設見学、研究室開放、体験
10
実習などを実施している。特に芸術学部では、工房、アトリエ、実習室、コンピュータ、
スタジオなどの実習施設を開放し、これらの見学と作品制作体験、授業体験等を行って
いる。また、同時にデッサン講習会を開催し、描画の技術指導を行っている。
2014 年度の来場者数は、第1回(7月下旬)が 3,005 名、第2回(9月下旬)が 1,624
名 の合計 4,629 名であった。そのうち、受付票による学部希望調査で「芸術学部」を
希望した者は、第1回が 437 名(来場者数の 14.5%)、第2回が 302 名(来場者数の
18.6%)の合計 739 名(来場者数の 16.0%)であった。
本学が年2回(7月、9月)実施しているオープンキャンパスの参加者状況から芸術
学部希望者を分析してみると、毎年、約 15%の参加者が芸術学部を希望して参加して
いることがわかる。
(資料 11:オープンキャンパス参加状況から見る芸術学部の希望者状況)
ⅱ)模擬講義・進路研究指導
高校からの依頼に基づき、大学の教員を高校へ派遣し、大学の授業の一部を実施する
模擬講義や進路研究指導は、2014 年度(2015 年2月末現在)96 件であった。そのうち、
芸術学部に関する内容は、30 件(依頼数に対して 31.3%)であった。模擬講義の内容
は、芸術学、デザイン学に関するものが多く、テーマは、「デザインセンスを活かす」
「キャリアデザイン-大学で学ぶこと-」
「版画の技法と歴史」
「グラフィックデザイン」
「文字のデザイン」
「空間デザインの仕事」などである。これらは、大学で学ぶ専門領
域を高校生にわかりやすく、興味を持ってもらえるような内容を選択し実施している。
また、進路研究指導では、芸術系・デザイン系分野のカリキュラム内容や進路を解説
し、進路選択の指導を行っている。依頼のある高校は、九州産業大学付属九州高等学校
をはじめ、芸術系コースを有する福岡県立八幡中央高等学校、佐賀県立佐賀北高等学校、
東筑紫学園高等学校のほか、福岡市および北部九州の近隣の高校が主である。これに加
え、九州一円から中国地方までの県外の高校へも積極的に教員を派遣している。
ⅲ)進学ガイダンスの活用
新聞社(朝日新聞、毎日新聞、西日本新聞、長崎新聞ほか)主催の進学相談会へのブ
ース参加をはじめ、代理店主催の進学説明会、高校内での進学説明会のほか、付属高校
をはじめとする高等学校独自の入試説明会やガイダンスに教員・職員を派遣している。
2014 年度は合計 251 会場(高校を含む)に参加し、大学の概要説明、オープンキャ
ンパスの参加促進、学生募集要項に基づく入試概要の説明等を積極的に行っている。
また、芸術系大学が参加する進学相談会やガイダンスでは、芸術学部の教員を中心に、
学生の作品解説や入試問題解説を行っている。
ⅳ)高校訪問
本学では、2002 年度から入試部職員以外の他部署事務職員も協働し「高校訪問スタ
ッフ制度」を設け、より多くの高校訪問を実施している。スタッフによる高校訪問は、
九州各県、山口、広島、愛媛、高知などの高等学校、約 600 校で、各校に年3回程度訪
問している。ここでは進路指導室を中心に、本学の概要、特徴、前年度入試結果の報告、
本年度入試概要の説明、教育の特徴を紹介、オープンキャンパスの告知、推薦入試や一
般入試の出願依頼を行っている。
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また芸術学部では、学部独自に各校の美術担当教諭を訪問し、教育内容の解説や入試
制度紹介などを行っている。
ⅴ)大学への来訪見学
高校からの依頼に基づき、高校生の大学来訪見学を受け入れ、大学概要の説明、施設
見学などを実施している。2014 年度(2015 年 2 月末現在)では、48 校 3,877 名の生徒
(引率教員を含む)を受け入れている。そのうち、15 校 2,040 名の生徒(教員含む)
を対象に、芸術学部の施設見学(写真スタジオ、バーチャルスタジオ、工房、コンピュ
ータ実習室、一般実習室など)や体験授業を実施し、芸術学部の広報に努めている。ま
た、九州産業大学付属九州高等学校デザイン科の生徒を対象に、本学学生の卒業制作展
(卒展)の見学を実施している。
(資料 12:2014 年度来訪校について(芸術学部棟見学を含む来訪))
ⅵ)WEB広報
大学ホームページを中心にトピックスや情報発信を行い、入学案内については独自
のホームページを作成し、入試概要やオープンキャンパス案内などの情報発信を行っ
ている。2015 年度入試から、AO入試・外国人留学生入試を除く全ての入試において、
インターネットによる出願を実施している。また、SNS(Facebook、LINE)を使って
の情報発信も併せて行っている。
ⅶ)入学案内の制作
株式会社JSコーポレーションが実施した全国の 2013 年3月高校卒業者を対象のア
ンケート調査によると次のような結果であった。
・進学先を検討する際に知りたい情報
1位:学部・学科・コースの内容(71.6%)
2位:偏差値・学校のレベル(31.2%)
3位:取得できる資格(31.1%)
4位:就職状況・就職実績(28.7%)
・進学した大学に出願した理由
1位:学べる内容やカリキュラムが良い(48.0%)
2位:目指す資格を取得できそう(36.0%)
3位:学校のレベル・偏差値が自分に合っている(33.3%)
4位:目指す職業や企業への就職に有利そう(27.2%)
これらの点を参考にし、入学案内では、本学が掲げている「KSU 基盤教育」
「KSU プロ
ジェクト型教育」の紹介や、学部教育の内容や取り組み、社会で活躍できる人材育成等
についてわかりやすい内容とするなどの方策をとっている。入学案内は 50,000 部作成
し、高校生や保護者、高校教員に積極的に配布している。特に、プロジェクト型教育を
推進する芸術学部の学生・教員の取り組みについては、特集ページを組んで紹介してい
る。
ⅷ)学部独自の広報活動
芸術学部は、2014 年度から休日の授業実施日に高校生を対象に在学生と同一教室で
学ぶ「ウィークデー・キャンパス・ヴィジット」を実施している。大学の通常授業に参
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加することで、模擬講義では体験できない、伝わる学びや充実感を得られる機会として
評価が高い。たとえば実習室や研究室で制作される作品を学生自身によって作品の解
説を行っているが、このことなどは高校生の興味関心を高めている。
また、九州地区の高等学校文化連盟と協力し、佐賀県や宮崎県では高校生対象のデッ
サン講習会、熊本県では大学相談会、佐賀県では写真技術講習会などを企画・開催して
いる。これらを実施することによって、高校生の技術向上や芸術文化発展に寄与すると
ともに、本学芸術学部への学生募集につなげている。
ⅸ)卒業制作展・秀作展
芸術学部では、4年次卒業生の卒業制作展を開催し、年2回一般公開している。2014
年度の卒業制作展では、2015 年1月後半に、すべての卒業制作作品を学内(九州産業大
学美術館を含む)で展示し公開した。また2月前半から後半にかけて、優秀と認められ
る作品を集め、秀作展として学外で公開している。秀作展は学科毎に福岡市の2つの美
術館(福岡市美術館・福岡アジア美術館)で開催し、両美術館を合わせ 2,863 名の高校生
を含めた多くの一般観客が来場している。ここでは全作品を収録した図録も無料配布
している。
ⅹ)上野彦馬賞
本学の芸術学部独自の取り組みとして、
「上野彦馬賞」の開催が挙げられる。
上野彦馬賞とは、建学40周年を迎える 2000 年に有望な若手写真家の発掘・育成、
芸術文化の発展・向上および大学の知名度向上を目指し、開始した文化事業である。一
般部門に加えて高校生・中学生部門を設定しており、同部門において過去に表彰された
者 195 名のうち 49 名が本学芸術学部、または併設の九州造形短期大学に入学している。
これまでの 15 回の開催により、芸術を志す高校生の大学進学への動機づけとなって
いる。
(2)人材需要の動向等社会の要請
①人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的(概要)
新たな体制となる芸術学部は、多様化する新しい時代の要請に応え、地域から日本
全国さらに世界に至る人類社会の発展に貢献するために、芸術表現学科、写真・映像
メディア学科、ビジュアルデザイン学科、生活環境デザイン学科、ソーシャルデザイ
ン学科で構成し、「産学一如」の建学の理想の下、地域産業との連携や国内外の大学と
の共同研究、人的交流を積極的に推し進め、社会と文化の創造に貢献できるアーティ
スト、デザイナー、写真家等のクリエイター、企画・表現力を持った企業人や研究
者・教育者を養成する。
また、社会と文化の創造に貢献できる人材を養成するために、芸術の各分野におけ
る理論と技能を兼ね備え、高い知性と豊かな感性を合わせ持つ専門能力の習得を目指
している。具体的には「芸術に関する基盤的な知識」を活かす「論理的思考力」、「コ
ミュニケーション力」、「創造力」、「表現力」、「実践力」の5つの能力を実践型の授業で
習得させる。
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②卒業後の進路と養成する人材を受け入れる側の需要
芸術学部の過去6年間における就職状況は資料13に示すとおりである。2013年度を
見ると就職希望者は卒業生全体の約7割であり、就職希望者に対する就職内定率は
84.3%、卒業生に対する就職内定率は64.4%である。
また、2011年度と2013年度を比較すると、就職決定率は43.3%から64.4%へと21.1
ポイント増加している。これは、大学全体の14.0ポイントと比較しても高い数値であ
る。このことは、企業等のニーズにマッチした教育が身を結んだことに他ならないと
考えられる。
(資料13:芸術学部就職状況)
芸術やデザイン領域などでは、「作家」を目指し芸術活動を継続する者、また更なる
表現・研究活動を目的として研究生や大学院進学者など、卒業生の約8割近くは卒業
後の進路を決定している。これは専門性が高い芸術学部としての特徴である。
(資料14:芸術学部進路決定状況)
本学部では教職員の協力の下、学生の就職支援に積極的に取り組んでいる。この結
果、近年、他の美術系の大学に比べて就職率は上昇し、高いレベルに達することがで
きた。
(資料15:芸術系大学就職状況)
また、各学科等によって専門領域が異なるため、将来の進路先や就職先における業
種や職種等は異なり、それぞれに特色がある。加えて、本学は総合大学であるため、
求人は芸術系、総合職系、理工系と多種多様であり、求人数(2013年度は3,680社)
は他の美術系大学よりも多く増加傾向にあり、芸術系の専門知識や能力を活かせる機
会が高くなっている。また、近年、従来の芸術系、総合職系、理工系の区分から、芸
術系と他の系が重複する職種の求人(WEBデザイナー、商品企画、商品開発など)が
増えてきており、企業からも本学出身者の卒業生に対して、高い評価を得ている。
さらに既設の美術学科、デザイン学科、写真映像学科の3学科では、社会の要請に
対応するために教育研究の充実を図り、多くの優秀な人材を社会に輩出してきた。文
部科学省の学校基本調査の際に用いられる「日本標準職業分類」の職種カテゴリーに
あてはめると、2013年度に就職内定した145人のうちの約6割に当たる85人は「美
術・写真・音楽・舞台芸術家」として就職している。また、約2割に当たる31人は
「販売従事者」、約1割に当たる18人は「その他の専門的・技術的職業従事者」に就
いている。
(資料16:芸術学部職種別決定状況)
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